JP2012056790A - 製鋼スラグの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製鋼スラグはメーカー及びロットによる組成、物性が大きく異なるためその用途が限られており、さらなる有効利用が求められている。しかしながら、粉砕を利用した有効利用方法においては、製鋼スラグのいわゆる被粉砕性が悪く、粉砕機の摩耗が激しく、大きな粉砕エネルギーを要し、粉砕コストが高いことが課題であった。
【解決手段】斯かる実情に鑑み、鋭意検討した結果、製鋼スラグを、粉砕、分級処理する以前に水和させ、及び/又は、炭酸化させることにより、粉砕コストが下がり、かつ効率的に鉄分に富む成分とカルシウム分に富む成分を分離できることを見いだし、もとの製綱スラグよりFe含有量が多い高鉄分含有物及び/又は少ない低鉄分含有物とを回収し、有効利用することを特徴とする製鋼スラグの処理方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鋼工程で大量に副生する製鋼スラグの処理方法に関する。
製鋼産業においては、種々のプロセスや設備によって、また、製造する鋼種によって様々な組成や性状を有するスラグが副生する。例えば、銑鉄を調製するプロセスで用いる高炉からは高炉スラグが、銑鉄から製鋼するプロセスで用いる溶銑予備処理設備、転炉、及び電気炉からは、それぞれ、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、及び電気炉スラグが副生する。そして、高炉スラグには水砕スラグ及び徐冷スラグがあり、溶銑予備処理スラグ或いは転炉スラグには、脱珪スラグ、脱リンスラグ、脱硫スラグ、及び脱炭スラグがあり、電気炉スラグにも酸化期スラグと還元期スラグが存在する。また、鋼種の違いで、普通炭素鋼、極低炭素鋼、特殊合金鋼、及びステンレス鋼等がある。
上記スラグのうち、高炉より副生する高炉水砕スラグは、セメント・コンクリート用混和材や路盤材等として利用されている。また、高炉水砕スラグ以外の製鋼スラグをセメント用混和材として使用することも提案されている(特許文献1)。
特開2003−206165号公報
しかしながら、高炉水砕スラグ以外の製鋼スラグはメーカー及びロットによる組成、物性が大きく異なるために、これをセメント混和材として使用するとセメント組成物の品質変動が大きくなる虞があり、現状では充分に再利用されていない。そのため、高炉水砕スラグ以外の製鋼スラグを有効利用できる処理方法が求められている。加えて、製綱スラグは、ウスタイトのような鉄分に富む成分と、ビーライトのようなカルシウム分に富む成分が複雑に混在する焼きしまった状態であり、いわゆる被粉砕性が悪く、粉砕機の摩耗が激しく、大きな粉砕エネルギーを要し、粉砕コストが高くなるという問題もある。
なお、本発明でいう製鋼スラグとは、製鋼プロセスで生じるスラグの総称であり、具体的には溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、溶融還元炉スラグ、二次精錬スラグやステンレススラグを指すものであり、高炉水砕スラグ及び高炉徐冷スラグは含まない。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意検討した結果、製鋼スラグを、水和させ、及び/又は、炭酸化させることにより、被粉砕性が向上すること、そして、前記処理物を粉砕・分級処理することにより、Fe含有量が多い高鉄分含有物と、Fe含有量が少ない低鉄分含有物とに分離・回収でき、該高鉄分含有物と低鉄分含有物をそれぞれ有効利用できることを見いだし、本発明を完成させたものである。 すなわち、本発明は、
[1] 製鋼スラグを加水後、粉砕し、分級して、Fe含有量がもとの製綱スラグより多い高鉄分含有物及び/又はFe含有量がもとの製綱スラグより少ない低鉄分含有物を回収することを特徴とする製鋼スラグの処理方法(請求項1)。
[2]製鋼スラグを加水後、あるいは加水と同時に二酸化炭素と接触させ、粉砕し、分級して、Fe含有量がもとの製綱スラグより多い高鉄分含有物及び/又はFe含有量がもとの製綱スラグより少ない低鉄分含有物とを回収することを特徴とする製鋼スラグの処理方法(請求項2)。
[3]上記低鉄分含有物をセメントクリンカー原料、及び/又はコンクリート用混和材として使用することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法(請求項3)。
[4]上記高鉄分含有物を製鋼原料、セメントクリンカー用鉄原料、及び/又はコンクリート用混和材として使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法(請求項4)。
本発明では、製鋼スラグを水和させ、及び/又は、炭酸化させることにより、製鋼スラグの被粉砕性を向上させることができる。また、製鋼スラグから高鉄分含有物と低鉄分含有物を回収し、該高鉄分含有物は製鋼原料等として再使用し、低鉄分含有物(高カルシウム分含有物)は、セメントクリンカー用原料及び/又はコンクリート用混和材などとして使用することができるので、従来、有効利用が困難であった製鋼スラグの有効利用を可能とし、埋め立て処分量を大幅に減少することができる。
本願発明の製綱スラグの処理方法による累積質量分布の変化を示す図である。 本願発明の製綱スラグの処理方法の処理過程を示す粉末エックス線回折図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で対象とする製鋼スラグは、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、溶融還元炉スラグ、二次精錬スラグやステンレススラグである。これらのスラグは、CaO、Fe、SiOを主要な化学成分とし、その他に、Al、MnO、MgO、P等を含んでいる。また、化合物としては、ビーライト、メリライト、ウスタイト、カルシウムフェライトなどを主要化合物として含んでいる。
製鋼スラグ中の鉄は、金属鉄として粒径100μm以上の塊で存在する他に、ビーライトなど及びその間隙を埋めるウスタイト、カルシウムフェライトなどの鉱物が10〜100μmの粒子径で存在している。製鋼スラグから高鉄分含有物を回収するには、製鋼スラグ中のビーライトなどのセメント系鉱物を選択的に除去する必要がある。そのために、本発明においては、ビーライトなどのセメント系鉱物を選択的に水和させ、水酸化カルシウムなどの水和物とし、スラグ粒を脆弱化させ、被粉砕性を改善させる。続いて、上記水酸化カルシウムなどの水和物を炭酸化させ、炭酸カルシウムとし、更にスラグ粒を脆弱化させ、被粉砕性を更に改善できることを見出した。上記の製綱スラグは、粉砕して、脆弱化された低鉄分含有物(炭酸化カルシウムなど)と未反応の高鉄分含有物(ウスタイト、カルシウムフェライトなど)での被粉砕性の相違により、高鉄分含有物は粗粒に、低鉄分含有物は、細粒となる。次いで、高鉄分含有物と低鉄分含有物の粒径、及び/又は比重の相違を利用して分級し、分離できることを見出した。
なお、本願においては、スラグ中の鉄は、すべてFe換算で表示する。該Fe中にはFeやFeOの形態のものも含まれる。
製綱スラグは、まずは粗粉砕を行うことが好ましく、その粒径は10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。続いて行う水和処理、及び/又は炭酸化処理の反応を促進できるからである。粉砕機は、ボールミル、竪型ミル、ジョークラッシャー、ハンマクラッシャー、パルベライザー等、10mm以下に粉砕できるものであれば、種類を選ばない。
次いで、前段粗粉砕を行った製鋼スラグに加水する。加水は、粗粉砕と同時に、加湿、湿式粉砕によっても良い。加水量は、濡れ過ぎず、炭酸化反応を妨げない量、又は後に行う処理において乾燥を必要としない量とすることが好ましく、具体的には、製綱スラグ100重量部に対して、30重量部未満が好ましく、5重量部未満がより好ましい。最少量は、製綱スラグ全体が、濡れわたる量であり、粗粉砕された粒径に依存するが、1重量部程度である。加水後の水和処理は、温度5〜90℃で行う。より好ましくは、温度30〜80℃で行う。温度が5℃未満であると水和反応の進行が遅く、90℃より高いと水分が蒸発し水和が進行しないために加水が必要となる虞がある。該加水に使用する水は、後述する回収物を製鋼原料、セメントクリンカー原料やコンクリート用混和材として使用する場合に望ましくない成分を含まないものであれば、炭酸水、アルカリ水、鉱酸水等、種類を選ばない。
加水による水和処理は、粉末エックス線回折において、水酸化カルシウムのピークが認められるまで行なうことが好ましい。水酸化カルシウムのピークが認められるまで水和処理を行なうことにより、製鋼スラグの被粉砕性を向上させることができる。
なお、水和処理は、例えば、製鐵メーカー等の敷地で野積みにして、空気中で加水をして、所定時間経過させること(いわゆるエージング)で行うこともできる。
本発明においては、上記加水を行った製鋼スラグをさらに炭酸化することにより、被粉砕性をより向上させることができる。二酸化炭素との接触による炭酸化は、加水と同時、あるいは炭酸水、加湿二酸化炭素ガスによることもできる。二酸化炭素との接触による炭酸化処理は、工業用二酸化炭素ガスの供給により行うこともできるが、鉄鋼、セメント製造等からの排ガスを用いるのがよい。炭酸化処理の二酸化炭素ガス濃度は30体積%以下で行うことが好ましい。二酸化炭素ガス濃度が、30体積%を超えると二酸化炭素ガスの濃縮にかかるコストが必要となる。また、加湿二酸化炭素ガスは、鉄鋼、セメント製造からの排ガスで、水分ガス濃度を5体積%以上含有するものが好ましい。水分ガス濃度が5体積%未満であると炭酸化反応の進行が遅い、或いは水分が蒸発し炭酸化が進行しないために加水が必要となる。炭酸化温度は、50〜90℃である。より好ましくは、60〜80℃である。炭酸化温度が50℃未満であると、炭酸化反応の進行が遅く、90℃より高いと水分が蒸発し炭酸化が進行しないために加水が必要となる虞がある。
なお、排ガスの二酸化炭素ガス濃度は、セメント製造および鉄鋼高炉において20体積%、水分ガス濃度は、セメント製造において10体積%以上、鉄鋼高炉において7体積%程度である。排ガス温度は、送風量などを制御して調整することができる。
炭酸化処理は、粉末エックス線回折において、炭酸カルシウム(カルサイト,アラゴナイト)のピークが認められるまで行なうことが好ましい。炭酸カルシウム(カルサイト,アラゴナイト)のピークが認められるまで水和処理を行なうことにより、製鋼スラグの被粉砕性をより向上させることができる。
次いで、水和、及び/又は炭酸化を行った製鋼スラグを粉砕する。水和、及び/又は炭酸化により脆弱化された低鉄分含有物はより粉砕され、未反応の高鉄分含有物は粉砕されず、低鉄分含有物は細粒に、高鉄分含有物は粗粒になる。
粉砕は、全粒子の95質量%が篩を通過する粒径で10〜100μmまで行うことが好ましい。粒度が10μm未満であると粉砕に大きなエネルギーを要し、100μmより粗いと鉱物の粒径より大きいために必要な分離効果が得られない。粉砕機は、ボールミル、竪型ミル等、最終的に100μm以下に粉砕できるものであれば、種類を選ばない。
最後に、水和、及び/又は炭酸化、粉砕を行った製鋼スラグを粒径、及び/又は比重の相違を利用して、できるだけ分離効率の高い条件において分級し、比重が大きく粗粉分である高鉄分含有物と、比重が小さく微粉分である低鉄分含有物をそれぞれ回収する。分級機としては、サイクロン等の気流分級機、遠心力式分級機や慣性力式分級機等の慣用の分級機を使用することができ、湿式、乾式の別を問わない。
上記の粉砕、分級は、必ずしもすべての粒子が目的の粒径となるまで粉砕を行った後に分級するのではなく、途中で分級し、粗粒分はさらに粉砕処理に戻してもよいし、加水処理から繰り返してもよい。また、粉砕と分級機能が一体となった粉砕機により連続的に行ってもよく、粗粒分はさらに粉砕処理に戻してもよいし、加水処理から繰り返してもよい。
本発明において、回収した低鉄分含有物は、有効利用率の向上を図るため、Fe含有量が25質量%以下であることが好ましく、23質量%以下であることがより好ましく、21質量%以下であることが更に好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
上記低鉄分含有物は、セメントクリンカー用原料、裏込め充填材や、セメント・コンクリート用混和材として使用することができるが、本発明においては、低鉄分含有物の有効利用促進の観点から、セメントクリンカー用原料として使用することがより好ましい。低鉄分含有物は、CaO含有量が多く、また、ある程度のFeを含むことや、マンガン、マグネシウムやクロムの含有量が少ないことから、セメントクリンカー用原料として好適に使用することができる。
該低鉄分含有物をセメントクリンカー用原料として使用する場合はCaO原料やFe原料として使用することができ、石灰石、生石灰、消石灰などの他のCaO原料、珪石、粘土などのSiO原料、粘土、石炭灰などのA1原料、銅カラミや製鍼所副産ダストなどの他のFe原料と併用して使用し、成分調整すれば良い。
本発明において、回収した高鉄分含有物は、有効利用率の向上を図るため、Fe含有量が30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、38質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。
上記高鉄分含有物は、製鋼原料、セメントクリンカー用原料や、コンクリート用混和材として使用することができるが、本発明においては、製鋼原料として使用することがより好ましい。その理由は、(1)製鋼スラグは、一般にマンガン、マグネシウムやクロム (セメントクリンカー用原料やコンクリート用混和材としては望ましくない成分)を含んでおり、該マンガン、マグネシウムやクロムはウスタイトに非常に多く固溶しているので、マンガン、マグネシウムやクロムは高鉄分含有物中に多く含まれることになること、また、(2)製鋼スラグは、リン(製鋼原料としては望ましくない成分)を含んでおり、該リンはほぼ全量がビーライトに固溶しているので、高鉄分含有物中のリン含有量が少なくなること、からである。
なお、該高鉄分含有物のマンガン、マグネシウムやクロム含有量が少ない場合は、セメントクリンカー用原料やコンクリート(特に重量コンクリート)用混和材として使用できることは言うまでもない。セメントクリンカー用鉄原料として使用する使用する場合は、CaO原料やFe原料として使用することができ、石灰石、生石灰、消石灰などのCaO原料、珪石、粘土などのSiO原料や粘土、石炭灰などのAl原料と併用して使用し、成分調整すれば良い。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
1.使用転炉スラグ(水和・炭酸化処理用)
使用した転炉スラグの化学成分(質量%)は、CaO:39.0%、Fe:28.0%、SiO:15.5%、Al:2.3%であった。この転炉スラグに以下の処理をした。
(1)
上記転炉スラグを5mm以下に粗粉砕した。
(2)
上記転炉スラグを5mm以下に粗粉砕した後、水/スラグ比15質量%で加水し、密封状態で、80℃で3日水和を行った(水和処理)
(3)
上記転炉スラグを5mm以下に粗粉砕した後、水/スラグ比5質量%で加水し、その後60℃、相対湿度95%に保持して、二酸化炭素ガス(10体積%の空気希釈ガス)を5日間流通させ、炭酸化を行った(炭酸化処理)。
上記無処理(粗粉砕試料)、試料1(水和処理)、試料2(炭酸化処理)について、振動ミルで、1分間の振動粉砕を行い、その粒度分布を測定した結果を表1に示す。なお、粒径は、日機装株式会社製のマイクロトラック等を用いて測定した。
図1には、上記3試料について、粒径の大きな分画の質量から順次、小さな分画まで、累積質量を棒グラフで示した。無処理、試料1、試料2の順に、300μm以上の粒径部分が減少し、それ以下の4分画の粒径部分が、いずれも増加した。水和処理のみでも被粉砕性の改善がみられ、炭酸化処理をすることで、更に被粉砕性が改善された。
図2には、上記3試料の粉末エックス線回折図を示した。水和処理により、ビーライトといったカルシウム系鉱物が減り、水酸化カルシウムのピークが顕著になる。また、炭酸化処理により、ビーライトといったカルシウム系鉱物がさらに減り、炭酸カルシウム(カルサイト,アラゴナイト)のピークが顕著になり、水酸化カルシウムは減少した。
表2には、無処理の転炉スラグ、水和試料1、更に炭酸化した試料2について、63μm篩を全体の95質量%の試料が通過するまで、ボールミル粉砕を行い、粉砕物を太平洋エンジニアリング社製クラシールで、気流分級により細粉と粗粉にわけ、これらの主要4成分を化学分析した結果を示す。比較のために、もとのスラグの未分級原料の主要4成分の化学組成も併記した。なお、細粉分(低鉄分含有物)と粗粉分(高鉄分含有物)の粒径は、日機装株式会社製のマイクロトラックを用いて測定した。
気流分級による、Fe分の粗粉への濃縮が顕著であり、水和処理、続いて炭酸化処理を行うことでその細粉との含有率の相違が大きくなり、より大きな分離効果を得ることができ、細粉では、セメント原料化での製造での使用原単位を大きくするために必要なFe含有量を十分な量(20質量%以下がより好ましい)まで低減できた。この結果は、1回の粉砕、分級の結果で実現したものであるが、粉砕、分級を繰り返し、より分離したものを原料化しても良い。
低コストで製鋼スラグを有効利用できる処理方法を提供し、高鉄分含有物は、製鋼原料、又はセメントクリンカー用鉄原料、コンクリート用混和材として使用し、低鉄分含有物は、セメントクリンカー原料、又はコンクリート用混和材として、積極的に再資源化が可能となった。

Claims (4)

  1. 製鋼スラグを加水後、粉砕し、分級して、Fe含有量がもとの製綱スラグより多い高鉄分含有物及び/又はFe含有量がもとの製綱スラグより少ない低鉄分含有物を回収することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
  2. 製鋼スラグを加水後、あるいは加水と同時に二酸化炭素と接触させ、粉砕し、分級して、Fe含有量がもとの製綱スラグより多い高鉄分含有物及び/又はFe含有量がもとの製綱スラグより少ない低鉄分含有物とを回収することを特徴とする製鋼スラグの処理方法。
  3. 上記低鉄分含有物をセメントクリンカー原料、及び/又はコンクリート用混和材として使用することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
  4. 上記高鉄分含有物を製鋼原料、セメントクリンカー用鉄原料、及び/又はコンクリート用混和材として使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製鋼スラグの処理方法。
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