JP2012056429A - 液化ガス運搬船 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に液化されたガスを貯蔵するとともに、船首尾方向に沿って配置され、かつ、スカート3を介して船体5に固定された複数個の偏平球状タンク2と、これら偏平球状タンク2の上半部を覆うとともに、船首尾方向および船幅方向に沿って延びる一つの連続したタンクカバー7とを備え、前記タンクカバー7が、前記船体5に対して剛に結合され、前記船体5と一体となって縦強度を確保する構造を有している液化ガス運搬船1とした。
【選択図】図2
Description
本発明に係る液化ガス運搬船は、内部に液化されたガスを貯蔵するとともに、船首尾方向に沿って配置され、かつ、スカートを介して船体に固定された複数個の偏平球状タンクと、これら偏平球状タンクの上半部を覆うとともに、船首尾方向および船幅方向に沿って延びる一つの連続したタンクカバーとを備え、前記タンクカバーが、前記船体に対して剛に結合され、前記船体と一体となって縦強度を確保する構造を有している液化ガス運搬船であって、前記偏平球状タンクは、赤道部より上方に、円筒部と、この円筒部の上方に連設されて、上に凸の鏡板構造の頂部とを備え、赤道部より下方に、前記円筒部の下方に連接されて、下に凸の鏡板構造の底部とを備えているとともに、鉛直方向の直径が赤道の直径よりも短い偏平球状とされている。
これにより、同一容積で球状タンクを採用した場合に比べて船底からタンクカバーの頂面までの高さを(2%〜25%)低減させ、船体全体の受圧面積を減少させて、風圧抵抗を減少させることができ、船舶の重心位置を低くして、船体の安定性を向上させることができる。
これにより、同一容積で球状タンクを採用した場合に比べて船底からタンクカバーの頂面までの高さを(2%〜25%)低減させ、船体全体の受圧面積を減少させて、風圧抵抗を減少させることができ、船舶の重心位置を低くして、船体の安定性を向上させることができる。
これにより、同一容積で球状タンクを採用した場合に比べて船底からタンクカバーの頂面までの高さを(2%〜25%)低減させ、船体全体の受圧面積を減少させて、風圧抵抗を減少させることができ、船舶の重心位置を低くして、船体の安定性を向上させることができる。
なお、「着岸が予定されているターミナル」とは、就航後に本船の着岸が予定されているターミナルおよび/または既に就航している本船が、航路変更等により着岸することになった新たなターミナル等のことをいう。
図1は本実施形態に係る液化ガス運搬船の図であって、(a)は右側面図、(b)は平面図、図2は図1(a)のII−II矢視断面図、図3は本実施形態に係る液化ガス運搬船の図であって、(a)は図1(a)のA−A矢視断面図、(b)は図1(b)のB−B矢視断面図、図4は図1(a)のIV−IV矢視断面図、図5は図1から図3(a)に示す偏平球状タンクの側面図である。
トーラス部34は、円筒部31の上方に連設されて、例えば、θ1=60°までの範囲で半径R2の球体の一部により形成されている。
球殻部35は、トーラス部34の上方に連設されて、半径R1の球体の一部により形成されている。
なお、R2は、α×R(赤道部の水平断面の半径(以下、「赤道部の半径」という))のことであり、例えば、αを0.5とした場合、R2はR(赤道部の半径)の0.5倍になる。
また、R1は、β×Rのことであり、βは、(1−α+α×COSθ1)/COSθ1のことであり、例えば、θ1を60°、αを0.5とした場合、βは1.5になり、R1はRの1.5倍になる。
第1の球殻部36は、円筒部31の下方に連設されて、例えば、θ4=25°までの範囲で半径R4(=R)の球体の一部により形成されている。
トーラス部37は、第1の球殻部36の下方に連設されて、例えば、θ5=38°までの範囲で半径R5の球体の一部により形成されている。
第2の球殻部38は、トーラス部37の下方に連設されて、半径R6の球体の一部により形成されている。
なお、R5は、γ×Rのことであり、例えば、γを0.7とした場合、R5はRの0.7倍になる。
また、R6は、δ×Rのことであり、δは、(1−γ)×COSθ4/COS(θ4+θ5)+γのことであり、例えば、θ4を25°、θ5を38°、γを0.7とした場合、δは1.299になり、R6はRの1.299倍になる。
R/H1=1.5(式1)
2.5≦R/H2≦3.3(式2)
1.1≦R/H3≦1.2(式3)
また、高さH1,H2およびH3が上記式(1)〜式(3)を満たすように設定されることにより、LNGタンクとしての安定上好ましい結果を得ることができた。
なお、図2中の符号8,9はそれぞれ、縦通隔壁、船側外板を示している。
これらバラストタンク10のうち、船首に最も近い位置に配置されたバラストタンク10以外のバラストタンク10はそれぞれ、偏平球状タンク2の周方向に沿うとともに、偏平球状タンク2の底部上方を取り囲むように配置された上部と、船体5の船側外板9および船底(船底外板)11に沿って、船首尾方向に配置された下部とを備えている。
このウォークウェイ20は、荷役作業を行うために着岸したターミナル(図示せず)に設置されているギャングウェイラダー(舷側はしご)が架け渡されるとともに、乗組員および作業員等が行き来する通路としての役目を果たすものである。
図1(a)および図1(b)に示すように、ウォークウェイ20は、対応する船側外板9に沿って、ハウス(居住区)23の前面からタンクカバー7の側面7a前端まで延びている。また、ウォークデッキ21の両端(図1(a)および図1(b)において左端および右端)には、ウォークデッキ21上から上甲板6上に降りるための、あるいは上甲板6上からウォークデッキ21上に登るための階段(図示せず)がそれぞれ取り付けられている。
これにより、同一容積で球状タンクを採用した場合に比べて船底11からタンクカバー7の頂面7bまでの高さを(2%〜25%)低減させ、船体全体の受圧面積を減少させて、風圧抵抗を減少させることができ、船舶の重心位置を低くして、船体の安定性を向上させることができる。
(1)偏平球状タンク2の南半球の形状が通常の鏡板構造と異なり、貨液の半載時の液面近傍、すなわち赤道から南緯30度程度の範囲が、半径が赤道部の水平断面の半径とほぼ等しい球体形状に形成されていることで、複雑な半載時の液の動揺による座屈問題を従来の(真)球状タンクと同じ信頼性をもって設計できる。
(2)偏平球状タンク2の南半球の上述の球体部分より下方、すなわち、南緯30度より下方の部分がトーラス部37および第2の球殻部38で縦横比(a/b)が略1.5の部分で形成されているので、内圧により小曲率部分に生じる圧縮応力が十分小さく維持され、耐座屈設計が不要となる。
(3)南半球を、赤道部の半径Rと同じ半径R4の球体の一部により形成された第1の球殻部36と、この第1の球殻部36の下方に連設される、トーラス部37および第2の球殻部38からなる疑似楕円部との2つの部分から形成しているため、南半球の製作は、第1の球殻部36と疑似楕円部とを個別に製作した後、両部材を接合することで行なうことができる。したがって、強度、熱歪み、肉厚などに関して第1の球殻部36および疑似楕円部のそれぞれについて設計すればよく、その結果、南半球の設計および製作が容易となる。
(4)疑似楕円部を構成するトーラス部37および第2の球殻部38はいずれも球体の一部から形成されているため、設計・製作が容易である。
(5)トーラス部37と第1の球殻部36とは同じ接線をもつことになるので、両者を滑らかに接合でき、その結果、トーラス部37と第1の球殻部36との接合部での局部的な曲げ応力の発生を抑えることができるとともに、外観も滑らかな連続性を保つことができる。
(6)上記(2)〜(5)により、偏平球状タンク2の南半球の簡単な設計・製作が可能となる。
タンク内の総容積が15万m3以上である液化ガス運搬船では、従来、タンクおよびタンクカバーが甲板上に高く突出するため、船橋からの見通しが悪く、これに伴い背の高い上部構造が必要になり、船体全体の受圧面積が増大し、風圧抵抗が増加するとともに、船舶の重心位置が高くなり安定性が悪化するという問題があった。
しかしながら、本発明を、タンク内の総容積が15万m3以上である液化ガス運搬船に適用することにより、同一容積で球状タンクを採用した場合に比べて船底からタンクの頂点(北極点)およびタンクカバーの頂面までの高さを(2%〜25%)低減させ、船体全体の受圧面積を減少させて、風圧抵抗を減少させることができ、船舶の重心位置を低くして、船体の安定性を向上させることができ、従来の問題を解決することができるようになった。
そして、ウォークウェイ20の後方側の端部と、ハウス23内のある階層(例えば、2nd Deck)とを防水扉(図示せず)を介して接続する(行き来できるようにする)ことにより、ハウス23内からウォークウェイ20上への、あるいはウォークウェイ20上からハウス23内への利便性を向上させることができる。
これにより、電線、油配管、水配管、消火配管、圧縮空気配管等の保守・点検作業が容易に行えるようになり、メンテナンス性を向上させることができる。
2 偏平球状タンク
3 スカート
5 船体
6 上甲板
7 タンクカバー
7a 側面
7b 頂面
9 船側外板
11 船底
20 ウォークウェイ
31 円筒部
32 頂部
33 底部
Claims (5)
- 内部に液化されたガスを貯蔵するとともに、船首尾方向に沿って配置され、かつ、スカートを介して船体に固定された複数個の偏平球状タンクと、
これら偏平球状タンクの上半部を覆うとともに、船首尾方向および船幅方向に沿って延びる一つの連続したタンクカバーとを備え、
前記タンクカバーが、前記船体に対して剛に結合され、前記船体と一体となって縦強度を確保する構造を有している液化ガス運搬船であって、
前記偏平球状タンクは、赤道部より上方に、円筒部と、この円筒部の上方に連設されて、上に凸の鏡板構造の頂部とを備え、赤道部より下方に、前記円筒部の下方に連接されて、下に凸の鏡板構造の底部とを備えているとともに、鉛直方向の直径が赤道の直径よりも短い偏平球状とされていることを特徴とする液化ガス運搬船。 - 船底からタンクカバーの頂面までの高さが、同一容積で球状タンクを採用した場合の液化ガス運搬船の船底からタンクカバー頂面までの高さよりも、2%〜25%低減されていることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス運搬船。
- 前記偏平球状タンクのタンク内の総容積は、15万m3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の液化ガス運搬船。
- 前記タンクカバーの側面と船側外板との間に位置する上甲板の上方に、荷役作業を行うために着岸したターミナルに設置されているギャングウェイラダーが架け渡されるウォークウェイが設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
- 船底から前記ウォークウェイの上面までの高さH(m)が、前記船底から前記上甲板の上面までの高さD(m)+2(m)よりも大きく、40(m)よりも小さい範囲内で、かつ、着岸が予定されているターミナルに設置されたギャングウェイラダーのすべてを架け渡すことができる高さに設定されていることを特徴とする請求項4に記載の液化ガス運搬船。
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