JP2012056126A - 液滴噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイパーからプラテンへの液体の飛散を確実に防止できる液滴噴射装置を提供すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド4が搭載されたキャリッジ3の移動軌跡上で、且つ、キャリッジ3の走査方向に関してプラテン2から離れた位置に立設されたワイパー22を有する。さらに、ワイパー22には、そのプラテン2側の面に隣接してワイパーフィルム26が設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】インクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド4が搭載されたキャリッジ3の移動軌跡上で、且つ、キャリッジ3の走査方向に関してプラテン2から離れた位置に立設されたワイパー22を有する。さらに、ワイパー22には、そのプラテン2側の面に隣接してワイパーフィルム26が設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
液滴を噴射する液滴噴射装置の代表的なものとして、被記録媒体にインクを噴射して画像等を記録するインクジェット記録装置が知られている。また、このインクジェット記録装置として、被記録媒体に対して所定の走査方向に移動するキャリッジと、このキャリッジに搭載され、複数のノズルが開口したインク噴射面を有するインクジェットヘッドを有する、いわゆるシリアル型のインクジェット記録装置が広く採用されている。このインクジェット記録装置は、プラテン上に載置された被記録媒体に対して、キャリッジをプラテンと平行な走査方向に移動させながら、キャリッジとともに移動するインクジェットヘッドのインク噴射面のノズルから被記録媒体に対してインクを噴射させることにより、被記録媒体に所望の画像等を記録するようになっている。
ところで、上記インクジェット記録装置においては、印刷中にノズルから噴射されたインクや、あるいは、ノズルの噴射機能回復のために行われるパージによってノズルから排出されたインクがインク噴射面に付着することがある。このような、インク噴射面におけるインクの付着は、ノズルの噴射曲がりによる印字品質低下や、付着インクの固化に起因するノズル詰まり等、様々な不具合の発生要因となる。そこで、インクジェット記録装置は、一般的に、インク噴射面に付着したインクを拭き取るワイパーを備えている。
一般的なシリアル型のインクジェット記録装置においては、特許文献1,2に開示されているように、ワイパーは、キャリッジの走査方向に関して、被記録媒体が載置されるプラテンから離れた領域(非記録領域)に配置される。そして、キャリッジが非記録領域まで移動してワイパーの直上に位置し、ワイパーの先端部がインクジェットヘッドのインク噴射面に接触した状態で、ワイパーをインク噴射面に対して相対移動させることによって、インク噴射面に付着したインクを拭き取るようになっている。
尚、従来から、ワイパーが拭き取り終了時にインク噴射面から離れる際に、変形したワイパーの弾性エネルギーが解放されたときに、ワイパーに付着したインクが周囲に飛散するという問題が知られている。これに対し、特許文献1には、ワイパーに対してキャリッジをプラテン(被記録媒体)に近づく方向に移動させ、これによって、ワイパーをプラテンから遠ざける方向に相対移動させて、インク噴射面の拭き取りを行うことが開示されている。この場合、ワイパーの拭き取り終了時にインクは非記録領域に飛び散り、プラテン(被記録媒体)側には飛散しないとされている。
また、特許文献2に開示されたワイパーには、その両面を連通させる開口部が設けられており、拭き取り面に付着したインクが開口部から裏面に逃がされて、裏面を伝わって僅かずつ流れ落ちるようになっている。従って、拭き取りが終了してインク噴射面から離れる際には、ワイパーに付着しているインク量がかなり少なくなっており、周囲への飛散量が低減されることになる。
しかしながら、被記録媒体が載置されるプラテン上に、例え少量であってもワイパーからのインクが飛散してくると被記録媒体が汚れてしまい、印字品質に悪影響を及ぼすことから、ワイパーからプラテンへのインクの飛散はほぼ完全に阻止されることが好ましい。
この点、上記特許文献1,2に開示された構成では、ワイパーからプラテン側へのインクの飛散防止は十分ではない。特許文献1では、ワイパーのインク噴射面に直接接触する面(拭き取り面)はプラテンと反対側の面であるが、拭き取られたインクがワイパーのプラテン側の面に回ってくる可能性は皆無ではない。従って、ワイパーのプラテン側の面にインクが付着した状態で、ワイパーがインク噴射面から離れたときに、インクがプラテン側に飛散する虞がある。また、特許文献2では、ワイパーで拭き取ったインクを落とすことにより付着したインク量を減らしてはいるものの、ワイパーの両面を連通させる開口部が存在するが故に、ワイパーの両面にインクが付着した状態となることから、ワイパーの拭き取り方向にかかわらず、ワイパーがインク噴射面から離れる際にプラテン側にインクが飛散してしまうことになる。
本発明の目的は、ワイパーからプラテンへの液体の飛散を確実に防止できる液滴噴射装置を提供することである。
第1の発明の液滴噴射装置は、液滴が噴射される対象である被噴射体が載置されるプラテンと、前記プラテンに平行で、前記被噴射体に対して液滴を噴射するノズルが開口した液滴噴射面を有する液滴噴射ヘッドと、前記液滴噴射ヘッドが搭載され、前記プラテンに平行な所定の走査方向に移動可能なキャリッジと、前記キャリッジの移動軌跡上で、且つ、前記走査方向に関して前記プラテンから離れた位置に立設されたワイパーと、前記ワイパーを前記液滴噴射面に対して相対移動させて、前記ワイパーに前記液滴噴射面に付着した液体を拭き取らせるワイパー駆動手段と、前記ワイパーと前記プラテンとの間において、前記ワイパーとほぼ平行な姿勢で設置された板状部材と、を有することを特徴とするものである。
この構成によれば、ワイパーとプラテンとの間に、ワイパーとほぼ平行な姿勢で板状部材が設けられていることから、ワイパーが、液滴噴射面に付着する液体を拭き取ったときに、ワイパーからプラテン側に液体が飛散したとしても、その液体は板状部材によりブロックされるため、プラテンへの液体の付着が確実に防止される。尚、本発明において、ワイパー駆動手段は、ワイパーを液滴噴射ヘッドの液滴噴射面に対して移動させるものであってもよいし、逆に、液滴噴射ヘッドをワイパーに対して移動させるものであってもよい。
第2の発明の液滴噴射装置は、前記第1の発明において、前記ワイパー駆動手段は、前記キャリッジを前記ワイパーに対して走査方向に移動させることにより、前記ワイパーを前記液滴噴射面に対して前記走査方向に沿って相対移動させるものであり、
前記液滴噴射ヘッドが前記走査方向に関して前記ワイパーと同じ位置にあるときに、前記ワイパーを前記液滴噴射面と直交する方向に移動させて、前記ワイパーを前記液滴噴射面に対して離接させる離接手段と、前記ワイパー駆動手段と前記離接手段をそれぞれ制御して、前記ワイパーに前記液滴噴射面の拭き取りを行わせる拭き取り制御手段をさらに備え、
前記拭き取り制御手段は、前記ワイパーの先端部を前記液滴噴射面に接触させた状態で、前記キャリッジを前記走査方向に関して前記プラテンに近づく方向に移動させることにより、前記ワイパーに前記液滴噴射面を拭き取らせた後、前記キャリッジを前記走査方向に関して前記プラテンから遠ざかる方向に移動させつつ、前記ワイパーを前記液滴噴射面から離間させることを特徴とするものである。
前記液滴噴射ヘッドが前記走査方向に関して前記ワイパーと同じ位置にあるときに、前記ワイパーを前記液滴噴射面と直交する方向に移動させて、前記ワイパーを前記液滴噴射面に対して離接させる離接手段と、前記ワイパー駆動手段と前記離接手段をそれぞれ制御して、前記ワイパーに前記液滴噴射面の拭き取りを行わせる拭き取り制御手段をさらに備え、
前記拭き取り制御手段は、前記ワイパーの先端部を前記液滴噴射面に接触させた状態で、前記キャリッジを前記走査方向に関して前記プラテンに近づく方向に移動させることにより、前記ワイパーに前記液滴噴射面を拭き取らせた後、前記キャリッジを前記走査方向に関して前記プラテンから遠ざかる方向に移動させつつ、前記ワイパーを前記液滴噴射面から離間させることを特徴とするものである。
本発明では、キャリッジをワイパーに対して走査方向に移動させることにより、ワイパーが、液滴噴射ヘッドの液滴噴射面に対して走査方向に沿って相対的に移動して拭き取りを行う構成を前提とする。キャリッジをプラテンに近づく方向に移動させる、即ち、液滴噴射面に対してワイパーをプラテンから遠ざかる方向に移動させて、液滴噴射面を拭き切るようにした場合、ワイパーの拭き取り面はプラテンと反対側の面になることから、拭き取った液体がワイパーから飛び散ったとしても、プラテン側に飛散するインクはそれほど多くない。しかし、拭き取りを行っているときにはワイパーは湾曲して大きな弾性エネルギーを蓄えた状態であり、上記のようにワイパーを一方向に移動させて拭き切るようにすると、ワイパーが液滴噴射面から離れるときにワイパーが湾曲状態から元の形状に戻る際に、上記弾性エネルギーが一度に解放されるために、多量且つ広範囲に液体が飛散してしまう。
そこで、本発明では、キャリッジをプラテンに近づく方向に移動させて、ワイパーにより液滴噴射面の拭き取りを行った後に、そのまま拭き切ってワイパーを液滴噴射面から離すのではなく、キャリッジ(ワイパー)を少し逆方向に移動させつつ液滴噴射面からその直交方向に離間させるようにしている。これにより、ワイパーの湾曲が幾分緩和されて弾性エネルギーが減少した状態で、ワイパーが液滴噴射面から離間することになり、液体の飛散を抑制できる。但し、この場合、ワイパーを逆方向に移動させた際に、本来は液体の拭き取り面ではない、プラテン側の面が液滴噴射面に接触して液体が付着することがあるため、ワイパーからプラテン側への液体の飛散が生じる虞がある。従って、上記のような拭き取り制御を行う場合に、特に、プラテンとワイパーとの間に板状部材を設けることが好ましい。
第3の発明の液滴噴射装置は、前記第1又は第2の発明において、前記板状部材は、前記ワイパーの前記プラテン側の面との間で毛管力を生じさせる所定の隙間を空けて、前記ワイパーに隣接して配置されていることを特徴とするものである。
ワイパーから液体がプラテン側に飛散した場合、この液体は重力の影響を受けて放物線の軌跡を描いてプラテンまで飛翔するため、ワイパーとプラテンとの真ん中の位置に板状部材を置いた場合には、飛散した液体の一部が板状部材の上を超えてプラテンに到達することも考えられる。そのために、板状部材は、液体の飛散元であるワイパーに隣接して設けられることが好ましい。また、ワイパーと板状部材とが、毛管力を生じさせるような所定の隙間を空けて隣接していることから、ワイパーのプラテン側の面に付着した液体を、毛管力の作用によってワイパーと板状部材との間の隙間に吸い込ませ、速やかに排出することができ、液体の飛散をさらに確実に防止することができる。さらに、ワイパーに隣接して配置される板状部材が、ワイパーと接触することによって、ワイパーの振動が抑制されるという効果も得られ、これによっても、ワイパーからの液体の飛散が防止される。
第4の発明の液滴噴射装置は、前記第3の発明において、前記板状部材の曲げ剛性は、前記ワイパーの曲げ剛性よりも小さいことを特徴とするものである。
板状部材の曲げ剛性が高いと、拭き取り時に液滴噴射面に接触するワイパーの湾曲変形が阻害されてしまうため、板状部材の曲げ剛性はワイパーよりも小さいことが好ましい。
第5の発明の液滴噴射装置は、前記第3又は第4の発明において、前記板状部材の先端は、前記ワイパーの先端よりも低い位置にあり、前記ワイパーが前記液滴噴射面の拭き取りを行うときには、前記ワイパーの前記液滴噴射面に接触する先端部が湾曲するのに伴って、このワイパーに隣接する前記板状部材の先端部も湾曲しつつ、前記板状部材の先端は前記液滴噴射面に接触しないことを特徴とするものである。
ワイパーに付着した液体の飛散防止、及び、毛管力の作用による付着液体の吸引排出を効果的に行うためには、板状部材はワイパーの先端近くまで延びていることが好ましい。一方で、板状部材の先端とワイパーの先端位置とが同じであると、板状部材の先端が液滴噴射面に接触してしまう。そこで、板状部材の先端はワイパーの先端よりも少しだけ低い位置にあり、ワイパーの先端部が液滴噴射面に接触して湾曲する際に、これに伴って板状部材の先端部も湾曲するような位置関係にあることが好ましい。
但し、ワイパーの先端部の湾曲に伴って板状部材の先端部も湾曲するといっても、両者の間に隙間がある分、ワイパーが液滴噴射面に接触して湾曲するときの、ワイパーと板状部材の曲率は同じにはならず、板状部材の曲率はワイパーよりも小さくなる(湾曲が緩やかになる)。そのため、湾曲していない状態において板状部材の先端とワイパーの先端とが近いと、ワイパーが大きく湾曲したときに板状部材の先端位置とワイパーの先端位置とがほぼ同じになり、板状部材の先端が液滴噴射面に接触してしまう。そこで、板状部材の先端は、拭き取り時のワイパーの湾曲状態においても液滴噴射面に接触しないように、ワイパーの先端に対する位置が決定されていることが好ましい。
第6の発明の液滴噴射装置は、前記第3〜第5の何れかの発明において、前記板状部材の先端部が、前記ワイパーの前記プラテン側の面に近づくように曲がっていることを特徴とするものである。
ワイパーと板状部材との間で強い毛管力を発生させるには、両者の先端部同士の隙間が小さいことが望ましいが、基端側の部分においても隙間が小さいと、先端部間の隙間に吸い込まれた液体が残留しやすくなる。本発明では、板状部材の先端部がワイパー側に曲がっていることで、ワイパーと板状部材の先端部同士は隙間が小さくなり、大きな毛管力を発生させることができる一方で、基端部においては隙間が大きくなり、先端部間に吸い込まれた液体を速やかに排出することができる。
本発明によれば、ワイパーとプラテンとの間に、ワイパーとほぼ平行な板状部材が設けられていることから、ワイパーが液滴噴射面に付着した液体を拭き取ったときに、ワイパーからプラテン側に液体が飛散したとしても、その液体は板状部材によりブロックされるため、プラテンへの液体の付着が確実に防止される。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す平面図、図2は、図1のII-II線矢視図である。尚、図1における前後左右の方向を前後左右と定義するとともに、図1の紙面垂直方向(図2の上下方向)を上下方向と定義し、以下の説明にて適宜使用する。
図1、図2に示すように、インクジェットプリンタ1(液滴噴射装置)は、記録用紙P(被噴射体)が載置されるプラテン2と、このプラテン2と平行な走査方向に往復移動可能なキャリッジ3と、キャリッジ3に搭載されたインクジェットヘッド4(液滴噴射ヘッド)と、記録用紙Pを走査方向と直交する搬送方向に搬送する搬送機構5と、インクジェットヘッド4の液滴噴射性能の回復に関する各種メンテナンス作業を行うメンテナンスユニット6と、インクジェットプリンタ1の全体制御を司る制御装置7(図5参照)等を備えている。
プラテン2の上面には図示しない給紙機構から供給された記録用紙Pが載置される。また、プラテン2の上方には、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイドレール10,11が設けられ、キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能に構成されている。また、2本のガイドレール10,11は、プラテン2から走査方向に沿って図1の右方に離れた位置(メンテナンスポジション)まで延在しており、キャリッジ3は、プラテン2上の記録用紙Pと対向する領域(記録領域)から、非記録領域である上記メンテナンスポジションまで移動可能に構成されている。また、キャリッジ3には、2つのプーリ12,13間に巻き掛けられた無端ベルト14が連結されており、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が走行駆動されたときに、キャリッジ3は、無端ベルト14の走行に伴って走査方向に移動するようになっている。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ3の下部に取り付けられており、プラテン2の上面と平行な、インクジェットヘッド4の下面が、複数のノズル16が開口するインク噴射面4a(液滴噴射面)となっている。そして、このインク噴射面4aの複数のノズル16から、プラテン2に載置された記録用紙Pに対してインクを噴射する。
また、キャリッジ3の走査方向における2つの側面(左側面及び右側面)には、2つのローラ17がそれぞれ回転自在に設けられ、2つのローラ17は走査方向においてインクジェットヘッド4を挟むように配置されている。また、図2に示すように、2つのローラ17は、インクジェットヘッド4のインク噴射面4aよりも下側に飛び出すとともに、プラテン2の上面に対して、記録用紙Pの厚みよりも大きい所定のギャップを空けて対向している。そして、印刷中に記録用紙Pが反った場合に、2つのローラ17によって記録用紙Pが上から押さえつけられるようになっており、反った記録用紙Pがインク噴射面4aに接触することや、記録用紙Pが丸まった状態で搬送されて紙詰まりを生じさせることが防止される。
搬送機構5は、搬送方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有し、これら2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2に載置された記録用紙Pを搬送方向(図1の前方)に搬送する。
そして、インクジェットプリンタ1は、プラテン2上に載置された記録用紙Pに対して、キャリッジ3とともに走査方向(図1の左右方向)に往復移動するインクジェットヘッド4からインクを噴射させるとともに、2つの搬送ローラ18,19によって記録用紙Pを搬送方向(図1の前方)に搬送することにより、記録用紙Pに所望の画像や文字等を印刷する。
メンテナンスユニット6は、インクジェットヘッド4内に混入した異物や気泡等を取り除くために、ノズル16からインクを吸引排出させる吸引パージや、インク噴射面4aに付着したインクの拭き取りを行い、インクジェットヘッド4のインク噴射性能の回復及び維持を図るものである。
メンテナンスユニット6は、キャリッジ3の走査方向の移動軌跡上であって、走査方向に関してプラテン2から図1の右方に離れた位置、即ち、インクジェットヘッド4がキャリッジ3とともに非記録領域であるメンテナンスポジションまで移動してきたときにインク噴射面4aと対向する位置に配置されている。メンテナンスユニット6は、メンテナンスベース20と、このメンテナンスベース20に設けられた吸引キャップ21、及び、ワイパー22と、吸引キャップ21に接続された吸引ポンプ23等を備えている。図3は、ワイパー22、及び、これに付随する後述のワイパーフィルム26を示す図である。また、図4は、メンテナンスユニット6の動作説明図である。
吸引キャップ21は、メンテナンスベース20に対して上下方向に移動可能に取り付けられ、メンテナンスベース20内に設けられたキャップ昇降モータ24(図5参照、図1、図2では図示省略)によって昇降駆動される。図4(a)のように、インクジェットヘッド4がメンテナンスポジションにあるときに、キャップ昇降モータ24によって吸引キャップ21が上方に駆動されると、図4(b)のように、吸引キャップ21はインクジェットヘッド4のインク噴射面4aに密着し、複数のノズル16の開口を覆う。この状態で、吸引キャップ21に接続された吸引ポンプ23が駆動されると、吸引キャップ21内の圧力が低下するため、インクジェットヘッド4内のインクがノズル16から吸引キャップ21内へ吸引排出される(吸引パージ)。
ワイパー22は、ゴムや合成樹脂等の可撓性材料からなる平板状の部材であり、鉛直方向と平行となるように立設されている。より具体的には、図2に示すように、ワイパー22は、メンテナンスベース20のプラテン2側の側面において、鉛直姿勢で、メンテナンスベース20に対して上下方向に移動可能に取り付けられており、メンテナンスベース20に設けられたワイパー昇降モータ25(図5参照、図1、図2では図示省略)によって上下に昇降駆動される。図4(c)に示すように、インクジェットヘッド4がメンテナンスポジションにあり、ワイパー22とインクジェットヘッド4が走査方向に同じ位置にある状態で、ワイパー22がインク噴射面4aと直交する上下方向に駆動されることで、ワイパー22は、その先端部がインク噴射面4aに接触した位置と、インク噴射面4aから離間した位置との間を移動(離接)する。尚、ワイパー22を昇降させるワイパー昇降モータ25が本願発明の離接手段に相当する。
図4(c)に2点鎖線で示されるように、ワイパー22の先端部がインク噴射面4aに接触した状態で、図4(d)に示すように、インクジェットヘッド4がキャリッジ3とともに走査方向に移動することで、ワイパー22がインク噴射面4aに対して走査方向に相対移動し、インク噴射面4aに付着したインクがワイパー22で拭き取られる。即ち、インクジェットヘッド4が搭載されたキャリッジ3を走査方向に移動させるキャリッジ駆動モータ15が、ワイパー22にインク噴射面4aを拭き取らせる本願発明のワイパー駆動手段に相当する。尚、図1に示すように、ワイパー22の幅(搬送方向の寸法)は、インク噴射面4aの幅と同じかそれよりも大きくなっており、ワイパー22はインク噴射面4aの全面を1回で拭き取ることが可能になっている。
また、図3(b)に明らかに示されているように、ワイパー22は、その先端側部分が基端側部分よりも厚みが小さくなっており、インク噴射面4aに接触したときに容易に湾曲して、インク噴射面4aのインクを確実に拭き取ることができるようになっている(図4(d))。
さらに、図1〜図3に示すように、ワイパー22には、インク噴射面4aの拭き取りによってワイパー22に付着したインクが、プラテン2へ向けて飛散するのを防止するために、ワイパー22とほぼ平行な鉛直姿勢のワイパーフィルム26(板状部材)が、ワイパー22のプラテン2側の面(左面)と所定の隙間を空けて隣接して設けられている。図2、図3に示すように、ワイパーフィルム26は、その基端部においてワイパー22に固定されており、ワイパー22と一体的に上下に移動可能である。
上記ワイパーフィルム26は、以下の(1)〜(3)の3つの機能を発揮することによって、ワイパー22からプラテン2へのインクの飛散を確実に阻止する。
(1)ワイパーフィルム26とワイパー22のプラテン2側の面との間の隙間(両者の先端部間の隙間30)は、ワイパー22のプラテン2側の面に付着したインクに毛管力を作用させて吸い込むことができるような、微小な隙間に設定される。これにより、ワイパー22のプラテン2側の面にインクが付着した場合に、このインクは、毛管力の作用によってワイパー22とワイパーフィルム26との間の隙間30に速やかに吸い込まれるため、ワイパー22からプラテン2へのインクの飛散が防止される。
(2)ワイパーフィルム26は、ワイパー22と接触することにより、ワイパー22の振動を抑制する。この振動抑制効果によっても、ワイパー22からのインクの飛散を抑制することができる。
(3)ワイパーフィルム26は、ワイパー22とプラテン2との間に位置することから、ワイパー22からプラテン2側にインクが飛散した場合であっても、そのインクをブロックする遮蔽壁として機能する。また、ワイパー22からインクがプラテン2側に飛散する場合、このインクは重力の影響を受けて放物線の軌跡を描いてプラテン2まで飛翔するため、ワイパー22とプラテン2との真ん中の位置に遮蔽壁が設置された場合には、飛散したインクの一部が遮蔽壁の上を超えてプラテン2に到達することが考えられる。しかし、本実施形態のワイパーフィルム26は、インクの飛散元であるワイパー22に隣接して設けられていることから、ワイパー22からプラテン2に向けて飛散するインクを確実にブロックすることができる。
さらに、本実施形態のワイパーフィルム26は、以下の(a)〜(d)の特徴的な構成を有する。
(a)図3(a)に示すように、ワイパーフィルム26の幅はワイパー22の幅よりも大きくなっており、ワイパーフィルム26の幅方向両端部はワイパー22の幅方向両端からそれぞれ外側にはみ出している。即ち、ワイパー22の幅方向全域がワイパーフィルム26によってカバーされていることから、プラテン2側へのインクの飛散が確実に防止される。
(b)ワイパー22とワイパーフィルム26との間で強い毛管力を発生させるには、両者の先端部の隙間30は小さくすることが望ましいが、両者の基端側の部分においても隙間が小さいと、隙間に吸い込まれたインクが排出されにくくなり、常時残留した状態となってしまう。そこで、本実施形態では、図3(b)に示すように、ワイパーフィルム26の先端部がワイパー22のプラテン2側の面に近づくように曲がっている。これにより、ワイパー22とワイパーフィルム26の先端部同士の隙間30は小さくなり、大きな毛管力を発生させることができる一方で、それよりも基端側には隙間30よりも幅の大きな空間31が存在することになるから、隙間30に吸い込まれたインクを、大きな空間31を介して速やかに下方に排出することができる。尚、図示は省略するが、ワイパー22とワイパーフィルム26の先端部同士の隙間30からその下の空間31に流れ込んだインクは、さらに、この空間31の下方に設けられた吸収部材によって吸収される。
また、上記のようにワイパーフィルム26の先端部がワイパー22側へ曲がっている場合には、ワイパー22と平行な場合と比較して、ワイパーフィルム26の先端部がワイパー22の近くに位置するので、ワイパー22とワイパーフィルム26が接触しやすくなる。その為、ワイパー22が振動したとしても、湾曲変形する変形量を抑えたり、ワイパーフィルム26と接触して振動を抑制したりすることが可能となる。
また、ワイパーフィルム26の先端部がワイパー22側に曲げられていることにより、インクジェットヘッド4に近接して配置されているローラ17にワイパーフィルム26の先端部が接触して、ローラ17がインクで汚れてしまうことを防止するという効果も得られる(図4(c)参照)。
(c)ワイパーフィルム26は、高分子樹脂等の可撓性材料からなる非常に薄いフィルム状の部材であり、ワイパー22と比べると剛性(曲げ剛性)は格段に低くなっている。これにより、インク噴射面4aの拭き取りを行う際に、ワイパー22の先端部の湾曲変形が、ワイパーフィルム26によって阻害されず、ワイパー22によるインク拭き取りを確実に行うことができる。
また、ワイパーフィルム26の濡れ性は、ワイパー22よりも高くなっている。これにより、ワイパーフィルム26のプラテン2側の面にインクが流れたとしても、インクがワイパーフィルム26の表面で液滴になり難く、ワイパー22よりもプラテン2側に近い位置にあるワイパーフィルム26から、プラテン2に向けてインクが飛散するのを抑制できる。
(d)ワイパー22に付着したインクの飛散防止、及び、毛管力の作用による、付着インクの吸引排出を効果的に行うためには、ワイパーフィルム26はワイパー22の先端近くまで延びていることが好ましい。一方で、ワイパーフィルム26の先端位置とワイパー22の先端位置とが上下方向において一致していると、ワイパーフィルム26の先端がインク噴射面4aに接触してしまう。そこで、本実施形態では、ワイパーフィルム26の先端は、ワイパー22の先端よりも低い位置にあるが、図4(c)のようにワイパー22の先端部がインク噴射面4aに接触して湾曲する際に、これに伴ってワイパーフィルム26の先端部も湾曲するように、ワイパーフィルム26の先端はワイパー22の先端よりも少しだけ低い位置にある。
但し、ワイパー22の先端部とワイパーフィルム26の先端部とが共に湾曲するといっても、ワイパー22と、このワイパー22の湾曲に追従するワイパーフィルム26の湾曲の曲率は同じではなく、ワイパーフィルム26の曲率はワイパー22よりも小さくなる(湾曲が緩やかになる)。そのため、湾曲していない状態でのワイパーフィルム26の先端とワイパーの先端22とが近いと、ワイパー22が湾曲したときにワイパーフィルム26の先端位置とワイパー22の先端位置とが上下方向においてほぼ同じになり、ワイパーフィルム26の先端がインク噴射面4aに接触してしまう。そこで、ワイパーフィルム26の先端は、図5(a)〜(c)に示される拭き取り時(ワイパー22の湾曲状態)においてもインク噴射面4aに接触しないように、ワイパー22の先端との上下方向位置関係(即ち、図3(b)の寸法A)が決定されている。
次に、制御装置7を中心とするインクジェットプリンタ1の制御系について、図5のブロック図を参照して詳細に説明する。図5に示されるプリンタ1の制御装置7は、例えば、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むマイクロコンピュータを備え、ROMに格納されたプログラムがCPUで実行されることにより、以下に説明するような種々の制御を行う。あるいは、制御装置7は、演算回路を含む各種回路が組み合わされたハードウェア的なものであってもよい。
また、制御装置7は、印刷制御部40、及び、メンテナンス制御部41を備えている。尚、以下に説明する、印刷制御部40、及び、メンテナンス制御部41のそれぞれの機能は、実際には、上述したマイクロコンピュータの動作、あるいは、演算回路を含む各種回路の動作によって実現される。
印刷制御部40は、PC50から入力された、印刷する画像等に関するデータ(印字データ)に基づき、インクジェットヘッド4、キャリッジ3を駆動するキャリッジ駆動モータ15、及び、搬送機構5の搬送ローラ18,19をそれぞれ駆動する搬送モータ42,43を制御して、記録用紙Pへの印刷を行わせる。
メンテナンス制御部41は、キャリッジ駆動モータ15を駆動してメンテナンス時(吸引パージ、あるいは、インク拭き取り)時のインクジェットヘッド4の位置を制御するとともに、吸引キャップ21を昇降させるキャップ昇降モータ24、吸引ポンプ23、及び、ワイパー22を駆動するワイパー昇降モータ(離接手段)を制御して、吸引パージやインク拭き取りを行わせる。尚、メンテナンス制御部41が、ワイパー22によるインク噴射面4aの拭き取り動作を制御する、本願発明の拭き取り制御手段に相当する。
メンテナンス制御部41により制御される、メンテナンスユニット6の一連の動作について、図4を参照して具体的に説明する。電源投入直後、あるいは、ユーザーによるパージ指令が入力された場合など、インクジェットヘッド4の吸引パージを行う必要が生じた場合に、メンテナンス制御部41はメンテナンスユニット6を動作させる。
まず、図4(a)に示すように、インクジェットヘッド4を、メンテナンスユニット6(特に、吸引キャップ21)と対向するメンテナンスポジションに位置させる。
次に、キャップ昇降モータ24により吸引キャップ21を図4(a)の待機位置から上昇させ、図4(b)のように、吸引キャップ21をインクジェットヘッド4のインク噴射面4aに密着させる。この状態で、吸引ポンプ23を駆動して吸引キャップ21内の圧力を低下させる。これにより、吸引キャップ21に覆われた複数のノズル16の開口から、インクジェットヘッド4内に混入した異物や気泡をインクとともに吸引排出させる(吸引パージ)。
一定時間の吸引パージが終了したら、吸引キャップ21を下降させて再び待機位置に戻す。このとき、ノズル16から排出されたインクの一部がインク噴射面4aに付着した状態となっている。そこで、続けてワイパー22にインク噴射面4aのインク拭き取りを行わせる。まず、図4(c)に示すように、キャリッジ3をプラテン2側に少し移動させ、インク噴射面4aのプラテン2側の端部をワイパー22の直上に位置させる。この状態で、ワイパー昇降モータ25によりワイパー22を上方に移動させ、その先端部をインク噴射面4aに接触させる。尚、前述したように、ワイパーフィルム26の先端部がワイパー22側に曲がっているために、インクジェットヘッド4に近接して配置されているローラ17にワイパーフィルム26の先端部が接触することがなく、ローラ17がインクで汚れてしまうことが防止されている。
さらに、図4(d)に示すように、キャリッジ3をプラテン2に近づく方向に移動させる。これによって、ワイパー22がインク噴射面4aに対してプラテン2から遠ざかる方向に相対的に移動することになり、インク噴射面4aに付着したインクを拭き取る。
ところで、図4(d)に示すように、インク噴射面4aに対してワイパー22を走査方向に関してプラテン2から遠ざかる方向に相対移動させてインク噴射面4aを拭き切るようにした場合、ワイパー22の拭き取り面はプラテン2と反対側の面であることから、拭き取ったインクがワイパー22から飛び散ったとしても、プラテン2側へ飛散するインクは多くなく、プラテン2を汚す頻度はさほど高くない。しかし、インク拭き取りを行っているときにはワイパー22は湾曲して大きな弾性エネルギーを蓄えた状態であり、上記のようにワイパー22を一方向にのみ移動させて拭き切るようにすると、ワイパー22がインク噴射面4aから離れる際に、上記弾性エネルギーが一度に解放されるために、多量且つ広範囲にインクが飛散してしまう。特に、本実施形態のように、インクジェットヘッド4に近接して、記録用紙Pを押さえつけるためのローラ17が配されている場合、インク噴射面4aを拭き終えたワイパー22から飛散したインクが、ローラ17に付着する可能性が高くなる。そこで、本実施形態では、ワイパー22をインク噴射面4aから離す際に、飛散するインクが少なくなるように、ワイパー22のインク拭き取りに工夫がなされている。
図6は、ワイパー22によるインク拭き取り動作の説明図である。図6(a)のように、インク噴射面4aのプラテン2側の端部(図中左側の端部)にワイパー22の先端部が湾曲しながら接触している状態で、インクジェットヘッド4をプラテン2側へ移動させることにより、ワイパー22をインク噴射面4aに対してプラテン2と反対側(図中右方)へ相対移動させて、インク噴射面4aのインクIを拭き取る。
図6(b)に示すように、ワイパー22の先端部がインク噴射面4a(特に、ノズル16が開口する領域)に付着したインクを拭き終えて、インク噴射面4aのプラテン2と反対側の端部に到達すると、ワイパー22がインク噴射面4aから離れる前に、図6(c)のように、インクジェットヘッド4を先ほどとは逆に、プラテン2から遠ざかる方向に少し移動させる。即ち、ワイパー22をインク噴射面4aに対してプラテン2側に相対移動させる。同時にワイパー22を下降させてインク噴射面4aから離間させる。このようにすると、図6(c)に示されるように、ワイパー22の湾曲が幾分緩和されて蓄えられていた弾性エネルギーが減少し、その状態で、図6(d)のようにワイパー22がインク噴射面4aから離間することになるため、インクの飛散が抑制される。
しかし、図6(c)のように、ワイパー22が拭き取り方向とは逆方向に相対移動したときに、本来はインクの拭き取り面ではない、プラテン2側の面がインク噴射面4aに接触する。ここで、インク噴射面4aに付着していたインクは、図6(b)の拭き取りによって大部分は拭き取られるものの、少量のインクが拭き取られずに残っていることも多い。そのため、ワイパー22のプラテン2側の面に少量ながらもインクが付着してしまい、図6(d)のようにワイパー22の先端がインク噴射面4aから離間したときに、そのインクがプラテン2側に飛散してしまう虞がある。
しかし、本実施形態では、上述したように、ワイパー22には、そのプラテン2側の面と所定の隙間30を空けてワイパーフィルム26が隣接して配置されている。そのため、ワイパー22のプラテン2側の面にインクが付着しても、そのインクはワイパーフィルム26との間の隙間30に吸い込まれる。さらに、仮にワイパー22からプラテン2側にインクが飛散したとしても、そのインクの飛散は遮蔽壁としてのワイパーフィルム26によって遮断される。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、走査方向の位置が固定されたワイパー22に対して、インクジェットヘッド4をキャリッジ3とともに走査方向に移動させることにより、ワイパー22によるインク噴射面4aの拭き取りが行われるようになっていたが、ワイパー22の方を、モータ等の適宜のアクチュエータからなるワイパー駆動手段によってインクジェットヘッド4に対して移動させることにより、インク噴射面4aの拭き取りを行うように構成されてもよい。
2]前記実施形態では、ワイパー22をインク噴射面4aに対してプラテン2と反対側に相対移動させてインクを拭き取った後に、ワイパー22を逆方向に移動させつつ下降させるようになっていたが、ワイパー22によりインク噴射面4aをプラテンから遠ざかる方向にのみ移動させて、インク噴射面4aを拭き切るようにしてもよい。この場合、上述したように、ワイパー22のプラテン2側の面に付着するインクは少ないものの、プラテン2と反対側の面で拭き取られたインクがプラテン2側の面に回ってくることもあり、そのようなインクがプラテン2へ向けて飛散してプラテン2を汚す可能性は皆無ではない。従って、上記構成であってもワイパーフィルム26が設けられる意義は十分にある。
また、ワイパー22の拭き取り方向(インク噴射面4aに対する移動方向)は、プラテン2から遠ざかる方向に限定されるものではない。例えば、プラテン2に近づく方向にワイパー22を移動させてもよいし、走査方向と直交する搬送方向にワイパー22を移動させてもよい。尚、このように、ワイパー22の拭き取り方向が、前記実施形態のプラテン2から遠ざかる方向とは異なる方向である場合には、前記実施形態と比べてワイパー22からプラテン2側にインクが飛散しやすいことから、ワイパーフィルム26が設けられる意義はさらに大きくなる。
3]前記実施形態では、ワイパー22との間に微小な隙間を形成して毛管力を発生させるという機能を持たせるために、ワイパーフィルム26はワイパー22に隣接して設けられていた。しかし、ワイパー22からプラテン2側に飛散するインクを遮断するという機能のみを考慮し、ワイパー22とプラテン2との間の任意の位置に遮蔽壁としての板状部材が設けられるだけでも、ワイパー22からプラテン2側へのインクの飛散を抑制することは可能である。
但し、前記実施形態でも触れたように、ワイパー22からプラテン2側へ飛散したインクは、重力の影響を受けて放物線状の軌跡を描く。そのため、プラテン2側へ飛散するインクを遮蔽する板状部材は、前記実施形態のワイパーフィルム26と同様に、飛散元のワイパー22に隣接して設けられるか、あるいは、図8に示されるように、板状部材60がプラテン2に設けられると効果的である。
また、遮蔽壁としての機能のみを要求するのであれば、板状部材は、前記実施形態のワイパーフィルム26のように、非常に薄く、剛性が低い部材である必要はない。逆に、それ自身でワイパー22と平行な姿勢を維持できるように、ある程度厚みがあり、一定以上の剛性を有するものである方が好ましい。
4]ワイパー22によるインク噴射面4aのインク拭き取りを行うタイミングは、前記実施形態で挙げた、吸引パージ後に限られるものではない。例えば、記録用紙Pに対してインクを噴射して印刷を行った後にインク拭き取りを行ってもよい。
1 インクジェットプリンタ
2 プラテン
3 キャリッジ
4 インクジェットヘッド
4a インク噴射面
15 キャリッジ駆動モータ
16 ノズル
22 ワイパー
25 ワイパー昇降モータ
26 ワイパーフィルム
30 隙間
41 メンテナンス制御部
60 板状部材
2 プラテン
3 キャリッジ
4 インクジェットヘッド
4a インク噴射面
15 キャリッジ駆動モータ
16 ノズル
22 ワイパー
25 ワイパー昇降モータ
26 ワイパーフィルム
30 隙間
41 メンテナンス制御部
60 板状部材
Claims (6)
- 液滴が噴射される対象である被噴射体が載置されるプラテンと、
前記プラテンに平行で、前記被噴射体に対して液滴を噴射するノズルが開口した液滴噴射面を有する液滴噴射ヘッドと、
前記液滴噴射ヘッドが搭載され、前記プラテンに平行な所定の走査方向に移動可能なキャリッジと、
前記キャリッジの移動軌跡上で、且つ、前記走査方向に関して前記プラテンから離れた位置に立設されたワイパーと、
前記ワイパーを前記液滴噴射面に対して相対移動させて、前記ワイパーに前記液滴噴射面に付着した液体を拭き取らせるワイパー駆動手段と、
前記ワイパーと前記プラテンとの間において、前記ワイパーとほぼ平行な姿勢で設置された板状部材と、
を有することを特徴とする液滴噴射装置。 - 前記ワイパー駆動手段は、前記キャリッジを前記ワイパーに対して走査方向に移動させることにより、前記ワイパーを前記液滴噴射面に対して前記走査方向に沿って相対移動させるものであり、
前記液滴噴射ヘッドが前記走査方向に関して前記ワイパーと同じ位置にあるときに、前記ワイパーを前記液滴噴射面と直交する方向に移動させて、前記ワイパーを前記液滴噴射面に対して離接させる離接手段と、
前記ワイパー駆動手段と前記離接手段をそれぞれ制御して、前記ワイパーに前記液滴噴射面の拭き取りを行わせる拭き取り制御手段をさらに備え、
前記拭き取り制御手段は、
前記ワイパーの先端部を前記液滴噴射面に接触させた状態で、前記キャリッジを前記走査方向に関して前記プラテンに近づく方向に移動させることにより、前記ワイパーに前記液滴噴射面を拭き取らせた後、
前記キャリッジを前記走査方向に関して前記プラテンから遠ざかる方向に移動させつつ、前記ワイパーを前記液滴噴射面から離間させることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。 - 前記板状部材は、前記ワイパーの前記プラテン側の面との間で毛管力を生じさせる所定の隙間を空けて、前記ワイパーに隣接して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴噴射装置。
- 前記板状部材の曲げ剛性は、前記ワイパーの曲げ剛性よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の液滴噴射装置。
- 前記板状部材の先端は、前記ワイパーの先端よりも低い位置にあり、
前記ワイパーが前記液滴噴射面の拭き取りを行うときには、
前記ワイパーの前記液滴噴射面に接触する先端部が湾曲するのに伴って、このワイパーに隣接する前記板状部材の先端部も湾曲しつつ、前記板状部材の先端は前記液滴噴射面に接触しないことを特徴とする請求項3又は4に記載の液滴噴射装置。 - 前記板状部材の先端部が、前記ワイパーの前記プラテン側の面に近づくように曲がっていることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の液滴噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010199465A JP2012056126A (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | 液滴噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010199465A JP2012056126A (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | 液滴噴射装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=46053822
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JP2010199465A Pending JP2012056126A (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | 液滴噴射装置 |
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JP (1) | JP2012056126A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016043647A (ja) * | 2014-08-26 | 2016-04-04 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット記録装置及びワイピング方法 |
JP2019038132A (ja) * | 2017-08-23 | 2019-03-14 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット記録装置 |
-
2010
- 2010-09-07 JP JP2010199465A patent/JP2012056126A/ja active Pending
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