JP2012055386A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源投入とサブ基板から初期化要求コマンドの両方で初期化処理を行う画像表示装置を備える遊技機において、初期化完了コマンドの重複によるサブ基板の動作の混乱を防止する。
【解決手段】サブ基板にカウンタを備え、当該カウンタに基づき電源投入と初期化要求の両方の初期化処理が完了したことを検知したとき、所定の処理を実行するようにした。これにより、サブ基板が、電源投入時の初期化処理による初期化完了コマンドを誤って初期化要求コマンドに対応する初期化完了コマンドとすることがなくなる。サブ基板の動作が混乱することを防止でき、画像表示装置の画面表示をスムーズに行うことができる。
【選択図】図9

Description

この発明は、スロットマシンなどの遊技機に関する。
従来から外周面に図柄が配列された複数の回胴を備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数の回胴の回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数の回胴を停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数の回胴が停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
遊技機は、内部抽選処理を含む遊技に係る制御を実行するとともに予め定められたコマンドを生成して送信するメイン基板と、前記コマンドを受けてこれに基づき所定の処理を実行するサブ基板と、サブ基板により制御される液晶表示装置などの演出手段とを備える。メイン基板は、サブ基板へ、メダルの投入やベットボタン操作、スタートレバー操作、ストップボタン操作などの各種遊技操作を行ったときにコマンドを送信するとともに、内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うときにもコマンドを送信する。
以下、これらの動作について説明を加えるが、図3及びその説明も参照されたい。以下で示される符号は図3で示されるものと同じものである。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。その演出の一つとして、液晶表示装置LCDの表示画面による画像演出がある。サブ基板20のCPUは、直接あるいは図示しないコントローラ(GDC)へ所定のコマンドを送って液晶表示装置LCDを制御し、そこに所定の画面を表示させる。液晶表示装置LCDにどのような画面を表示するかは、メイン基板10からのコマンド信号に基づいてサブ基板20が決定する。その概略は、メイン基板10が特定の演出を実行させるためのコマンドあるいは特定の遊技状態(例えば大当たり)になったことを示すコマンドをサブ基板20へ送信し、サブ基板20が当該コマンドを解釈し、必要な処理を行う。例えば、当該コマンドが大当たりを示すものであるとき、LED基板202を予め定められたパターンで点滅させるとともに、スピーカー基板201から予め定められた効果音などを流す。そして、液晶表示装置LCDに大当たりに対応するアニメーションを表示させる。
特開2002−204869号公報 RAMクリアスイッチ操作で、RAMにバックアップされている各種制御コマンドや入賞データ、賞球の払い出し数を示すデータ等が消去される。液晶で「初期化完了」というメッセージを表示することにより、ホールの従業員に初期化が完了したことを報知する。 特開2003−210807号公報 RAMクリア操作で、RAMに記憶されている各種情報が初期化される。初期化が開始すると、完了するまで報知が行われることによって、ホールの従業員に初期化が完了したことがわかるようになっている。 特開2006−223585号公報 電源投入時のRAMクリア操作で、メイン基板のRAMに記憶されている各種情報が初期化されるとともに、サブ基板にRAMクリアコマンドを送信する。この時、サブ基板は電源投入に伴う起動中であるが、RAMクリアコマンドの受信及びスピーカーの制御を可能としておくことにより、サブ基板の起動が終了する前であってもメイン基板のRAMの初期化完了を報知できるようにした。
ところで、遊技機の電源を投入すると、メイン基板10、サブ基板20、液晶表示装置LCDではそれぞれ初期化処理が行われる。この初期化処理の完了後に通常の遊技処理が実行されるが、メイン基板10及びサブ基板20ではバックアップ電源を備えるメモリに電源オフ直前の状態(データ)が記憶されているので、これに基づきメイン基板10及びサブ基板20は復帰処理を行い、初期化完了後は電源オフ直前の状態に戻る。これに対し、液晶表示装置LCDはバックアップ電源を備えるメモリを備えないので、電源オフ直前の状態に戻すために、サブ基板20から所定のコマンドを送り、これにより当該状態に復帰させる。サブ基板20の上記メモリには電源オフ直前において液晶表示装置LCDに表示させていた内容(画面)が記憶されているので、そのようなコマンドを送ることが可能である。サブ基板20にそのようなコマンドを送ってもらうために、液晶表示装置LCDは、初期化が完了したとき、初期化完了コマンド(初期化完了通知)をサブ基板20に送信している。
また、設定変更時、RAMクリア時などの所定の状況において、サブ基板20は液晶表示装置LCDへ初期化要求コマンドを送信し、液晶表示装置LCDの初期化処理を行っている。液晶表示装置LCDは、この初期化が完了したときも、初期化完了コマンド(初期化完了通知)をサブ基板20に送信している。
このように、液晶表示装置LCDが初期化処理を行う状況(タイミング)として、電源投入時とともに設定変更時などの所定の状況になった時がある。このように初期化処理が複数の異なる状況においてなされることに起因して、液晶表示装置LCDの画面復帰がうまくいかないという問題が生じる。
すなわち、液晶表示装置LCDが電源投入時の初期化処理が完了して初期化完了コマンド(初期化完了通知)を送信するとほぼ同時に(あるいはサブ基板20による受信直前に(サブ基板20の初期化完了コマンドの解析待ち状態において))、設定変更等を契機としてサブ基板20が液晶表示装置LCDへ初期化要求コマンドを送信するようなことが生じると、サブ基板20は、受け取った電源投入時に係る初期化完了コマンド(初期化完了通知)を、前記初期化要求コマンドによる初期化完了コマンド(初期化完了通知)と受け取るおそれがある(どちらの契機によるものであるか、初期化完了コマンド自体からは区別できない)。すると、サブ基板20は液晶表示装置LCDの初期化が完了したと誤解し、当該初期化が完了していないにもかかわらず(初期化要求コマンドによる液晶表示装置LCDの初期化実行中に)、サブ基板20は液晶表示装置LCDに対して画面の復帰コマンドなどを送信することになる。しかし、液晶表示装置LCDは初期化処理中であるから、サブ基板20のコマンドを受け取ることができず、当該コマンドは失われ、この結果、液晶表示装置LCDに正常な画面を表示することができなくなる。
なお、この問題点については、後述の図10乃至図12及びその説明も参照されたい。
この問題点は、サブ基板20に接続されて初期化処理を行う周辺基板(スピーカ基板201、LED基板202、役物の制御基板など)についても同様に生じる。
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、初期化完了コマンド(初期化完了通知)の重複によるサブ基板(制御部)の動作の混乱を防止し、初期化完了後の周辺基板の動作を正常に行わせることのできる遊技機を提供することを目的とする。
この発明は、演出に関する処理を実行する制御部と、前記制御部から所定のコマンドを受信して前記演出に係る処理を行う周辺基板とを備える遊技機において、
少なくとも前記周辺基板は、遊技機の電源投入の際に初期化を行い、
前記制御部はカウンタを備え、前記カウンタは予め定められた初期値に設定され、
前記制御部は、
遊技機の前記電源投入の際に前記カウンタを第1の方向へ計数し、
前記制御部は、前記電源投入よりも後の予め定められた契機で、前記周辺基板へその初期化を行わせるための初期化要求コマンドを送信するとともに、前記カウンタを前記第1の方向へ計数し、
前記周辺基板から前記初期化が完了した旨の初期化完了通知を受け、これに基づき前記カウンタを前記第1の方向とは異なる第2の方向へ計数し、
前記カウンタが前記初期値に戻ったかどうか調べ、
前記カウンタが前記初期値に戻ったときに、前記周辺基板へ予め定められた処理を行わせるための所定のコマンドを送信する、ものである。
前記第1の方向が例えばプラス方向(カウンタの動作としては例えばインクリメント)であれば、前記第2の方向はマイナス方向(カウンタの動作としては例えばデクリメント)である。あるいは、逆の組み合わせで、前記第1の方向が例えばマイナス方向で、前記第2の方向がプラス方向である。
前記周辺基板は、例えば、前記制御部から所定のコマンドを受信して前記演出に係る画面を表示する画像表示装置であり、前記周辺基板への前記所定のコマンドは予め定められた画面を表示させるための画像生成コマンドである。
この発明によれば、カウンタを備え、カウンタで初期化要求コマンドに対応する初期化完了コマンド(初期化完了通知)を識別するようにしたので、制御部が、電源投入時の初期化処理による初期化完了コマンドを誤って初期化要求コマンドに対応する初期化完了コマンドと認識することがなくなる。制御部の動作が混乱することを防止でき、周辺基板の処理をスムーズに行うことができる。
前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。 前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。 発明の実施の形態に係るスロットマシンのブロック図である。 発明の実施の形態に係るサブ基板の処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係るサブ基板の他の処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係るサブ基板の他の処理フローチャートである。 液晶表示装置の処理フローチャートである。 液晶表示装置の他の処理フローチャートである。 発明の実施の形態に係る遊技機の全体処理フローチャートである。 比較例に係る遊技機の処理フローチャートである。 比較例に係る遊技機の他の処理フローチャートである。 比較例に係る遊技機の他の処理フローチャートである。
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
サブ基板20は、液晶表示装置LCDからの初期化完了コマンド(初期化完了通知)の受信回数を計数するためのカウンタ20aを備える。カウンタ20aは専用のIC(ハードウエア)で構成される。あるいは、CPUがカウンタを実現するプログラムを実行することで実現される。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リール(回胴)ユニット203、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
液晶制御基板200には、図1の液晶表示装置LCDが接続されている。なお、これ以降の説明において、特に断らない限り、液晶表示装置LCDは液晶制御基板200と液晶表示装置LCDの両方を指すものとする(別の言い方をすれば、液晶表示装置LCDは液晶制御基板200を含むものとする。なお、この場合でも制御処理を行うのは液晶制御基板200である)。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cと、これらをそれぞれ回転させるステッピングモータ155a〜155cと、それらの位置をそれぞれ検出する回胴位置検出器159a〜159cとを備える(なお、ステッピングモータ155a〜155cを単にモータ155あるいはモータと記すことがある)。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴〜第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴〜第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。スタートスイッチ134が押下され各回胴の回転が開始した時点(遊技開始時点)から3つのストップスイッチ140が押下され各回胴の回転が停止した時点(入賞した場合はメダル払い出しが完了した時点)(遊技終了時点)の間であって、メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10は、メダルの投入を受け付ける状態か否かに応じて、ベットスイッチBETの有効/無効を制御する。また、前記遊技終了時点から前記遊技開始時点までの間でベットスイッチBETは有効となるが、これ以外の期間においては(BETスイッチの押下が許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。
すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
回胴制御手段1300は、遊技者のスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴〜第3回胴をステッピングモータにより回転駆動させ、第1回胴〜第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴〜第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴〜第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴〜第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴〜第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴〜第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴〜第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるインデックスセンサを備えており、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にインデックスセンサで検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(インデックスセンサによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行っている。
遊技機では、第1回胴〜第3回胴が、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴〜第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴〜第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
上記内部抽選手段1200における抽選の処理については、所定の範囲内で設定可能(当選の確率を高くしたり低くしたりできる)であり、遊技機が設置されるホールなどにおいて店側により設定作業が行われる。
通常の遊技機は、BB,RB、小役等の抽選確率の異なる複数(例えば6つ)の抽選テーブルを予め備える。遊技機の抽選では、それら複数の抽選テーブルの中から1つが設定され、この設定された抽選テーブルに基づいて抽選による当たり/ハズレの判定がなされる。複数の抽選テーブルのうちどれを使用するかに関する設定を変更することを、設定の変更(以下、「設定変更」と記す)と称している。
設定値(通常1〜6)を変更する場合、遊技機の扉を開け、電源部205に設けられた図示しない設定変更キースイッチに設定変更キーを挿入して当該キースイッチをオンにした状態で遊技機の電源を投入して設定変更可能な状態にし、設定変更ボタン(押ボタン)を1回押下するごとに、7セグメント表示器などに表示される設定値がインクリメントされて1〜6までの値を循環的に変化させ、所望する設定値が表示器に表示されたところでスタートスイッチを操作することで、所望する設定値を確定させていた。
ところで、サブ基板20のカウンタ20aは、液晶表示装置LCDの初期化処理の開始でカウントアップされ、初期化完了コマンド(初期化完了通知)の受信でカウントダウンされる。以下、カウンタ20aが動作する複数の状況について、図4乃至図5を参照してそれぞれ説明を加える。これら図は、本発明の実施の形態に関連する処理のみを示し、他の処理の表示は省略している。なお、カウンタの計数方向、すなわちアップ/ダウンの方向の組み合わせは逆であってもよい(以下同様)。
図4は、サブ基板20におけるカウンタ制御処理フローチャートである。
サブ基板20は、自身が電源投入による初期化処理を行うとき(S1)、カウンタ20aのカウンタ値を増加(+1)させる(S2)。なお、カウンタの計数方向(符号)は逆であってもよく、カウンタ値を減少(−1)させるようにしてもよい。
サブ基板20が電源投入による初期化処理を行うときは、当然、液晶表示装置LCDも初期化処理を行っていると考えられる。そこで、カウンタ値を増加(+1)させる。なお、S2:カウンタ値を+1の処理は、S1:初期化処理の中で行ってもよい。
図5は、サブ基板20における他のカウンタ制御処理フローチャートである。
S3:所定の契機(YES)に、S4及びS5の処理を実行する。
所定の契機とは、設定変更時、RAMクリア時などの所定の状況が発生したことである。
S4:初期化要求コマンドを液晶表示装置LCDへ送信する。
コマンド体系は予め定められており、それらから初期化要求コマンドを選択して送信する。
S5:カウンタ20aのカウンタ値を増加(+1)させる。
図6は、サブ基板20における初期化完了コマンド(初期化完了通知)の受信処理フローチャートである。
S6:初期化完了コマンドを受信したかどうか判定する。
受信したとき(YES)、S7の処理を実行する。
S7:カウンタ20aのカウンタ値を減少(−1)させる。
S8:カウンタ値が初期に戻ったかどうか判定する。
初期値(例えば0)であれば(YES)、S9に進み。そうでなければ、S6に戻る。
S9:所定の画面生成コマンドを液晶表示装置LCDへ送信する。
例えば、液晶表示装置LCDはバックアップ電源を備えるメモリを備えないので、電源オフ直前の状態に戻すために、サブ基板20から液晶表示装置LCDへ直前の画面を再表示させるコマンド及び/又はデータを送る。
なお、上記は一例であり、S9でどのようなコマンドを送るかは任意である。
図7及び図8は、液晶表示装置LCDの初期化処理フローチャートである。これらの図は、初期化処理のみを示し、他の処理の表示は省略している。図7は電源投入時の初期化処理を示し、図8は初期化要求コマンドを受信したときの初期化処理を示す。
図7において、電源投入されると、S11乃至S13の処理が実行される。すなわち、初期化処理を行い(S11)、初期化処理が完了したら(S12でYES)、初期化完了コマンド(初期化完了通知)をサブ基板20へ送る(S13)。
図8において、初期化要求コマンドを受けると、図7と同様に初期化処理を行い(S21)、初期化処理が完了したら(S22でYES)、初期化完了コマンド(初期化完了通知)をサブ基板20へ送る(S23)。
次に、発明の実施の形態の動作について、処理の流れ(フローチャート)を参照して説明する。図9は電源投入による初期化処理と初期化要求コマンドを送信したことによる初期化処理が混在するときの処理の流れを示す。図9は、サブ基板20と液晶表示装置LCDの間の信号(コマンド、データ)の流れ又は処理を示し、矢印の向きが信号の流れ又は処理を、また上から下に向かって時間の流れを示している。そして、2つの矢印を結ぶ細い矢印は因果関係を示す(細い矢印の根元側の信号/処理により、矢印側の信号/処理が発生する)。以上の点は図9乃至図11についても同じである。
図9の左端の四角は、カウンタ20aの内容を示している。図4乃至図6の処理によりカウンタ20aの内容が上から下へ向かって変化している。すなわち、電源投入の際の時刻T1’(電源投入T1の後の初期化処理のタイミング)、初期化要求コマンド送信の際の時刻T2’(前記所定の契機における初期化要求コマンド送信タイミングT2の後のタイミング)でカウンタ値が増加し、送信完了コマンド受信の時刻T3,T4でカウンタ値が減少している。なお、T1≦T1’<T2≦T2’<T3<T4である。
図9を参照すると、時刻T1でカウンタ値=初期値(0)、時刻T1’で+1されてカウンタ値=1になり、時刻T2’で+1されてカウンタ値=2になり、時刻T3で−1されてカウンタ値=1になり、時刻T4で−1されてカウンタ値=0になっている。
液晶表示装置LCDに関して、時刻T1における電源投入による初期化処理と時刻T2におけるサブ基板20による初期化要求による初期化処理S110、S113の両方が発生している。ここで、電源投入による初期化処理の完了通知は、サブ基板20による初期化要求の後にサブ基板20に到達するものとする。電源投入による初期化処理S110を実行中に初期化要求コマンドS112を受けると、液晶表示装置LCDは当該S110が終了を待ってから、初期化要求による初期化処理S113の実行を開始する。ここで待機処理が発生する。つまり、初期化要求コマンドS112に対する初期化処理S113は、初期化処理S110が完了するまで保留(待機)される。なお、待機処理を行わず、初期化処理S110、S113を同時並行に行ってもよい。
時刻T1で開始した液晶表示装置LCDの初期化処理S110が終了すると、初期化完了コマンド(初期化完了通知)がサブ基板へ送られる(S111)。サブ基板20は、時刻T3で当該コマンドを受けてカウンタ値を−1させる(カウンタ値が2から1になる)が、その結果のカウンタ値は1であり、初期値(0)でないので画面生成コマンドを生成しない。
一方、時刻T2においてサブ基板20が設定変更時などで初期化要求コマンドを送信すると(S112)、液晶表示装置LCDが再度初期化処理を行い(S113)、その完了を通知する(S114)。サブ基板20は、時刻T4で当該コマンドを受けてカウンタ値を−1させる(カウンタ値が1から0になる)。その結果のカウンタ値は0であり、初期値(0)に戻るので画面生成コマンドを生成する。そして、生成した画面生成コマンドを液晶表示装置LCDへ送り(S117)、液晶表示装置LCDは画面生成処理を行う(S118)。
以上のように、発明の実施の形態によれば、複数の初期化処理が競合したときでも、サブ基板は自身が発した初期化要求コマンドに対応する初期化完了コマンド(初期化完了通知)を受信したときに画面生成コマンドを生成する。誤って、電源投入時の初期化処理による初期化完了コマンド(初期化完了通知)に基づき画面生成コマンドを生成しない。したがって、処理に混乱が生じることがなく、処理を適切に行うことができる。初期化処理から画面の復帰処理にスムーズに移行することができる。
次に、発明の実施の形態に係る遊技機の動作の理解を容易にするために、比較例について説明を加える。図10乃至図12は、カウンタ20aを備えない遊技機(図4乃至図6の処理を行わない遊技機)のフローチャートである。
図10は、電源投入時における初期化処理(S120)と初期化完了コマンド(初期化完了通知)の送信(S121)、これを受けての画面復帰処理を示している(S122乃至S124)。同図では電源投入による初期化処理しかないので、サブ基板20が初期化完了コマンド(初期化完了通知)を誤って受け取ることがない。
図11は、初期化要求時(S130)における初期化処理(S131)と初期化完了コマンド(初期化完了通知)の送信(S132)、これを受けての画面復帰処理を示している(S133乃至S135)。同図では初期化要求による初期化処理しかないので、図10と同様に、サブ基板20が初期化完了コマンド(初期化完了通知)を誤って受け取ることがない。
図12は、サブ基板20が、電源投入による初期化処理の初期化完了コマンド(初期化完了通知)と、初期化要求の初期化処理の初期化完了コマンド(初期化完了通知)の両方を受ける場合を示す。サブ基板20は、初期化完了コマンド(S145)の送信の直後に、電源投入による初期化完了コマンド(S141)を受け、これを初期化完了コマンド(初期化完了通知)の結果と誤解してS142乃至S143の処理を行う。しかし、画面生成コマンドを送ったとき(S143)、液晶表示装置LCDは初期化処理中であり(S146)、当該画面生成コマンドを受け取ることできない。図中の×印はこのことを意味する。このため、本来行われるべき画面復帰処理(S144)は実行されない。
このように比較例では、サブ基板20のコマンドを受け取ることができず、当該コマンドは失われ、この結果、液晶表示装置LCDに正常な画面を表示することができなくなるという問題が生じる。これに対し、前述のように発明の実施の形態によればそのような不具合は生じない。
以上の説明において、液晶表示装置を例に取り説明を加えたが、他の画像表示装置、例えばプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどであってもよい。
また、スピーカ基板201、LED基板202がCPUなどを備え、初期化処理に関して液晶表示装置LCDと同様に機能するのであれば、本発明の実施の形態をスピーカ基板201、LED基板202などに適用することができる。すなわち、サブ基板20に接続されコマンドを受信するスピーカ基板201などの周辺基板であって、初期化処理を行うものであれば、本発明の実施の形態を適用することができる。周辺基板として、他に、開閉動作を行うシャッター役物あるいはそれ以外の役物の制御基板があるが、これらを含む周辺基板についても、同様の効果を奏する。
なお、本発明は、スロットマシンに限らず、液晶表示装置を備えるパチンコ機に対しても適用することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
10 メイン基板
20 サブ基板(制御部)
20a カウンタ
200 液晶制御基板(画像表示装置、周辺基板)
201 スピーカ基板(周辺基板)
202 LED基板(周辺基板)
LCD 液晶表示装置(画像表示装置)

Claims (2)

  1. 演出に関する処理を実行する制御部と、前記制御部から所定のコマンドを受信して前記演出に係る処理を行う周辺基板とを備える遊技機において、
    少なくとも前記周辺基板は、遊技機の電源投入の際に初期化を行い、
    前記制御部はカウンタを備え、前記カウンタは予め定められた初期値に設定され、
    前記制御部は、
    遊技機の前記電源投入の際に前記カウンタを第1の方向へ計数し、
    前記制御部は、前記電源投入よりも後の予め定められた契機で、前記周辺基板へその初期化を行わせるための初期化要求コマンドを送信するとともに、前記カウンタを前記第1の方向へ計数し、
    前記周辺基板から前記初期化が完了した旨の初期化完了通知を受け、これに基づき前記カウンタを前記第1の方向とは異なる第2の方向へ計数し、
    前記カウンタが前記初期値に戻ったかどうか調べ、
    前記カウンタが前記初期値に戻ったときに、前記周辺基板へ予め定められた処理を行わせるための所定のコマンドを送信する、ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記周辺基板は、前記制御部から所定のコマンドを受信して前記演出に係る画面を表示する画像表示装置であり、前記周辺基板への前記所定のコマンドは予め定められた画面を表示させるための画像生成コマンドであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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