<遊技機の構造>
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。なお、以下の説明において、上、下、左又は右の方向は、特に断らない限り、スロットマシンに対向している遊技者から見た方向を指すものとする。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、スロットマシン筐体120と、このスロットマシン筐体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前扉130は、それぞれ独立に開閉可能な上扉130Uと下扉130Lとを備えている。
前記前扉130の前面の右上隅には、ゲーム表示部131を設けている。遊技者はゲーム表示部131を通してリールユニット203の3つのリールを見ることができる。
上扉130Uの上面の右側に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の左側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133を設けている。
上扉130Uの上面の左側にはゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設け、スタートスイッチ134とメダル投入口132の間に、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けている。
上扉130Uの中央には液晶パネルLCD1を設け、下扉130Lにはほぼその全面にわたって液晶パネルLCD2を設けている。
下扉130Lの上面の中央、すなわち、ストップボタン140の上、ベットスイッチBETとメダル投入口132の間には、操作部としてのスイッチ(十字キーユニット)SWを設けている。スイッチSWは、例えばカーソルを上下左右に動かすカーソルキー(スイッチ)や操作の確定ボタン・キャンセルボタンなどを含む。
スロットマシン100の左右端にはそれぞれ電飾DRU、DRL、DLU、DLLを設けている。すなわち、上扉130Uの左端に電飾DLUを設け、右端に電飾DRUを設けるとともに、下扉130Lの左端に電飾DLLを設け、右端に電飾DRLを設けている。電飾DRU、DRL、DLU、DLLは、それぞれその内部に発光素子(LED)を備えている。
スロットマシン筐体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを下扉130Lの前面下部に設けた払出し口に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に多数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン筐体120の内部には、上扉130Uを閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205を設けている。
図2に示すように、下扉130Lの背面にはメダル(コイン)セレクタ1が、下扉130L上面のメダル投入口132の下部に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って下扉130L下部の払出し口に連通する導出路136を設けている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口から遊技者に返却される。
スロットマシン筐体120の内部、リールユニット203の下側にはメイン基板10が取り付けられている。メイン基板10には、遊技に関する内部設定(例えば、複数の抽選テーブルのどれを使用するか)を行うための設定変更スイッチSSWを設けている。上扉130Uの背面中央下部にはサブ基板20が取り付けられている。
スロットマシン筐体120の内部の左上隅には低音スピーカSPLを設けるとともに、下扉130Lの下部には標準的な音域をカバーする2つのスピーカSPを設けている。
サブ基板20の右下には、遊技機の保守を行うためのメンテナンススイッチMSWが設けられている。メンテナンススイッチMSWをオンにすると遊技機はメンテナンス(保守管理)状態となり、メンテナンスのメニューが液晶パネルLCD1などに表示される。
図3はスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図3では示していないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部(図2の電源部205)を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。メイン基板10やサブ基板を含む基板は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。具体的には、メイン基板10とサブ基板20はカシメにより一体となり取り付けられるとともに、メイン基板10とサブ基板20の全体を覆う一体のケースによりカバーされている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
以下、メイン基板とサブ基板について詳しく説明する。
<メイン基板>
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134、ストップボタン140、リール(回胴)ユニット203、設定変更スイッチSSW、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。
設定変更スイッチSSWは、複数のスイッチ、例えば、鍵を差し込んで回すことによりオンになる設定キースイッチと押しボタンなどの設定変更スイッチを含む。設定変更スイッチSSWは、後述の設定変更及び設定参照を行うためのスイッチである。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2を設けている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に取り付けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
メイン基板10には、さらに、上扉130U及び下扉130Lの開放を検知するためのドアセンサ206が接続されている。ドアセンサ206は、マイクロスイッチやリードスイッチなどの機械式スイッチ、フォトダイオードやフォトインタラプタなどの光電式スイッチ、扉が開いたときの距離を測るポテンショメータや扉が開いたときの角度を測るロータリエンコーダなどである。ドアセンサ206は、例えば、前扉130の左側(ヒンジ側)又は右側のいずれか一方あるいは両方に取り付けられる。スロットマシン筐体が上下にそれぞれ扉を備える分離方式である場合、ドアセンサ206は、例えば、上扉側又は下扉側のいずれか一方あるいは両方に取り付けられる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cと、これらをそれぞれ回転させるステッピングモータ155a〜155cと、それらの位置をそれぞれ検出する回胴位置検出器(インデックスセンサ)159a〜159cとを備える(なお、ステッピングモータ155a〜155cを単にモータ155あるいはモータと記すことがある)。
回胴制御手段1300は、回胴40a〜40cそれぞれが1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴40の基準位置(図示しないインデックスによって特定されるコマ)からの回転角度を求める(ステップモータの回転軸の回転ステップ数をカウントする)ことによって、現在の回胴40の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、回胴40の基準位置からの回転角度を求めることにより、ストップボタン140の作動時における回胴40の位置を得ることができる。
なお、以下の説明において、任意のひとつ又は複数の回胴を示すときは符号40を使用し、3つの回胴をそれぞれ区別して示すときは符号40a〜40cを使用することにする。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81の図示しない回転ディスクを回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部(投入受付手段)1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴〜第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴〜第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。スタートスイッチ134が押下され各回胴の回転が開始した時点(遊技開始時点)から3つのストップボタン140が押下され各回胴の回転が停止した時点(入賞した場合はメダル払い出しが完了した時点)(遊技終了時点)の間であって、メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10は、メダルの投入を受け付ける状態か否かに応じて、ベットスイッチBETの有効/無効を制御する。また、前記遊技終了時点から前記遊技開始時点までの間でベットスイッチBETは有効となるが、これ以外の期間においては(BETスイッチの押下が許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
抽選テーブル選択処理により、抽選の内容は所定の範囲内で設定可能(当選の確率を高くしたり低くしたりできる)であり、遊技機が設置されるホールなどにおいて店側により設定作業が行われる。この設定作業で使用するスイッチが設定変更スイッチSSWである。
通常の遊技機は、BB,RB、小役等の抽選確率の異なる複数(例えば6つ)の抽選テーブルを予め備える。遊技機の抽選では、それら複数の抽選テーブルの中から1つが設定され、この設定された抽選テーブルに基づいて抽選による当たり/ハズレの判定がなされる。複数の抽選テーブルのうちどれを使用するかに関する設定を変更することを、設定の変更(以下、「設定変更」と記す)と称している。
従来、例えばスロットマシンのような遊技機では、設定値(通常1〜6)を変更する場合、遊技機の扉を開け、メイン基板10に設けられた設定変更スイッチSSWのキースイッチに設定変更キーを挿入して当該キースイッチをオンにした状態で遊技機の電源を投入して設定変更可能な状態にし、設定変更スイッチSSWの設定変更ボタン(押ボタン)を1回押下するごとに、7セグメント表示器などに表示される設定値がインクリメントされて1〜6までの値を循環的に変化させ、所望する設定値が表示器に表示されたところでスタートスイッチを操作することで、所望する設定値を確定させている。
現在の設定値が何であるか参照するための処理(設定参照手順)も用意されている。電源オンの状態で設定変更スイッチSSWの設定変更キースイッチをオンにする。そして設定変更ボタン(押ボタン)を押すことで設定参照可能な状態になる。この設定参照状態においては、メイン基板10は、記憶されている設定値を液晶パネル又は7セグ表示器などに表示する。設定変更キースイッチをオフにすると設定参照状態から抜けて通常遊技状態になる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
回胴制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴〜第3回胴をステッピングモータにより回転駆動して、第1回胴〜第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴〜第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴〜第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴〜第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴〜第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴〜第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。滑りコマ数とは、回胴停止時にゲーム表示部から視認できる特定の図柄を基準位置としたときのストップボタン140の操作から対応する回胴の回転停止までの間に当該基準位置を通過する図柄の数をいう。回胴制御手段1300は、各ストップボタン140の操作から190ms以内という条件下で各回胴を停止させるため、滑りコマ数は0以上4以下の範囲内となっている(ただし、80回転/分、図柄数=21個の条件において)。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴〜第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
前述のように、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1回胴〜第3回胴が、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴〜第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴〜第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。例えば、ストップボタン140の操作によって回胴を停止させた際に所定の出目が表示されるとリプレイの当選確率が変動する。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。
エラー処理部1700は、ドアセンサ206、メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82の出力に基づき遊技機のエラー判定を行い、エラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(例えば、操作を受け付けない状態)にする。
ドアセンサ206は、前扉130(上扉130U、下扉130L)が閉じられたことを検知するセンサであり、例えばマイクロスイッチや接点などの電気的スイッチである。当該スイッチは前扉130(上扉130U、下扉130L)が閉じられたときに、前扉130(上扉130U、下扉130L)の裏側にスイッチの作用部が当接することでオン(又はオフ)になり、前扉130(上扉130U、下扉130L)が開放されると作用部が離れてオフ(又はオン)になるものである。ドアセンサ206は、フォトインタラプタのような光学式のものでもよい。メダルセンサS1及びS2及びメダル検出部82については前述した。
エラー処理部1700は、具体的には次のような動作を行う。
・図示しない扉開閉検知センサの出力に基づき前扉130(上扉130U、下扉130L)の開放を検知したとき、エラー処理を行う。
・メダルセンサS1及びS2の出力に基づきメダルの逆流(センサS1とS2の検知順序が反対になったこと)、メダル滞留(センサS1とS2の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)などを検知したとき、エラー処理を行う。
・メダル検出部82の出力に基づきメダル詰まり(メダル検出部82の検知時間が予め定められた閾値よりも長いこと)、ホッパーエンプティ(ホッパ駆動部80を動作させているにもかかわらずメダル検出部82がメダルを検知しない)などを検知したとき、エラー処理を行う。
エラー処理部1700は、上記のようにエラーと判定したときにその旨を報知するとともに、遊技機を所定の状態(エラー状態)にするが、この状態は図示しないリセットスイッチにより解除される。リセットスイッチは、例えば電源部205のパネルに設けられる。
なお、サブ基板20で生じるエラーもある。このエラーでは遊技不能状態にはならないが、サブ基板20自身の処理によりエラーが生じたことを液晶パネルなどにより報知することができる。当該エラーは例えば不正なコマンドを受信したとき(暗号化されたコマンドが正しく復号化できなかったときを含む)に発生し、当該エラーは上記リセットスイッチにより解除される(メイン基板10からサブ基板20へリセットコマンドが送られる)。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cを備えるが、3つの回胴40a〜40cそれぞれにひとつづつステッピングモータ155a〜155cが取り付けられている。ステッピングモータ155は、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
スロットマシンの回胴40a〜40cの駆動に関して、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
10CGは、サブ基板20へ送るコマンドを送信するコマンド送信部である。このコマンドには、当選役の情報に関するコマンド、メダル投入枚数やクレジット枚数(貯留枚数)の情報に関するコマンドなどがある。コマンド送信部10CGは、具体的には、メイン基板10に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。コマンド送信については、後に説明を加える。
<サブ基板>
サブ基板20には、液晶パネルLCD1及びLCD2、LED(LED基板)202B及び202L、スピーカSP、低音スピーカSPL、ソレノイドSN、モータMU及びML、センサSENU及びSENL、スイッチSWが接続されている。LED202B、202Lは、データを取得し保持するラッチと電飾であるLEDを内蔵している(LEDは基板の外部に設けられることもある)。これらの構成要素は、サブ基板20により制御されるものであり、映像、光、音響、可動体の動作により演出を行う出力装置、あるいは、可動体の動作を検知するための入力装置または遊技者による操作を受け付ける入力装置である。
図1に示した電飾DLU〜DRLは、可動体(役物)でもある。この点について図4を参照して説明を加える。
電飾DLU〜DRLは、その内部にLED基板202B、202Lが設けられているとともに、モータMU、MLやソレノイドSNにより駆動される。電飾DLU〜DRLの表面に現れている蓋の一方には、モータMU、MLやソレノイドSNの駆動手段と駆動機構DRMCが結合され、蓋の他方にはヒンジが設けてある。モータMU、MLやソレノイドSNの動作により、電飾DLU〜DRLの蓋が閉じた状態(図4(a))と開いた状態(図4(b))の間で開閉を繰り返す。図示しないが、開いた状態ではLED基板202B、202Lが現れ、点滅を繰り返す。
電飾DLU〜DRLのLED基板202B、202LとモータMU、MLやソレノイドSN及び駆動機構DRMCをまとめて図4(c)のように可動体として扱うことができる。可動体50は、演出に用いられる可動要素51と、可動要素51を動かす駆動手段とを備える。図4の例では、可動要素51は電飾DLU〜DRLの蓋であり、駆動手段はモータMU、MLやソレノイドSN及び駆動機構DRMCである(以下の説明で、モータMU、MLやソレノイドSN及び駆動機構DRMCを纏めて「駆動手段」と表記し、その符号としてMU、ML、SNを使用することがある)。図4の例では駆動手段に駆動機構DRMCを含めているが、駆動機構DRMCを駆動手段から独立させてもよい。LED基板202B、202Lを可動体50の外部に設けることもある。
サブ基板20は、液晶パネルLCD1及びLCD2を制御するためのビデオコントローラ(VDC)、スピーカSP、低音スピーカSPLを駆動して音響を発生させるためのサウンドコントローラ、ソレノイドSN、モータMU及びMLを駆動するための駆動回路を内蔵している。
上述した液晶パネルなどの構成要素は、低音スピーカSPLを除き、スロットマシン筐体120に内蔵される機種固有ブロックBB、上扉130Uに対応して設けられる上扉ブロックBU、下扉130Lに対応して設けられる下扉ブロックBLの3つのいずれかに区別されて設けられる。
図3の例では、機種固有ブロックBBはソレノイドSN及びLED202Bを含み、上扉ブロックBUは、液晶パネルLCD1、モータMU及びこれによる可動体の動作を検知するセンサSENUを含み、下扉ブロックBLは、液晶パネルLCD2、スピーカSP、LED202L、モータML、これによる可動体の動作を検知するセンサSENL、カーソルキーなどのスイッチSWを含む。なお、液晶パネルLCD2全体がモータMLにより若干前後に移動可能に構成され、液晶パネルLCD2が前に出た状態で遊技者がこれを押すという操作が可能な場合がある。この場合、下扉ブロックBLのスイッチSWは液晶パネルLCD2の押下を検知するスイッチを含む。
サブ基板20にはメンテナンススイッチMSWが設けられている。メンテナンススイッチMSWはホール店員などが遊技機を保守(メンテナンス)するときに使用するものであって、これをオンにしたときに液晶パネルLCD1にメニュー画面が表示される(詳細は後述)。
<メイン基板からサブ基板へのコマンド伝送>
サブ基板20はメイン基板10からコマンドをうけ、これに従って演出等の処理を行う。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
サブ基板20は、メイン基板10からのコマンドに従い、例えば、予め定められた画面を液晶パネルLCD1、LCD2に表示させるためのコマンド(表示コマンド、描画コマンド)を生成する。例えば、アニメーションなどにより演出を行う際には、多数のコマンドを連続的に次々と送信する。
図3において、20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信するコマンド受信部である。コマンド受信部20CRは、具体的には、サブ基板20に搭載されたROMに予め書き込まれたプログラムをCPUが実行することで実現される。
上記コマンドとして、サブ基板20側のソフトウエアで当選内容を示唆する演出を行うためのものがある。例えば、下記ATのように、出玉を得るための示唆を液晶パネルに表示して遊技者の操作の便宜の提供(アシスト)を図っている。当該示唆は常時出されるわけではなく、特定の場合に出される。
遊技機は、液晶パネル、スピーカや表示ランプ等からなる演出表示装置を備える。この演出表示装置はサブ基板20により制御され、遊技者に入賞等を報知したり、いわゆるアシストタイム(AT)において、一定ゲーム間に特定の小役を台自体が何らかのアクションを伴ってユーザに教えたりするためのものである。(アシストタイム(AT):特定の小役が成立しても遊技者がリールの図柄を揃えないと払い戻しがない。小役による払い出しを確実にするために、ビッグボーナス終了後(もしくは成立時)あるいはその他の任意の契機にアシストタイムを抽選し、これに当選すると一定ゲーム間は特定の小役を揃えさせるための操作を何らかのアクションを伴って遊技者に教えるという機能)
コマンド受信部20CRは、メイン基板10から受けたコマンドを受信する。例えば、シリアルデータとして受けたコマンドを直列−並列変換器(シフトレジスタ)に入力し、一定のデータ(例えば8ビット)ごとに出力する。この出力されたデータがコマンドとしてサブ基板20のCPUに渡され、解釈・実行される。
次に、メイン基板10における遊技処理について図5を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図5の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図6は、発明の実施の形態に係るメンテナンスメニュー表示系統のブロック図である。図6は、図3のブロック図のうちで発明の実施の形態に係る接続系統を抜き出したものである。図6において、図3のものと同一又は相当部分については同じ符号を付している。
メニュー画面生成部20aは、メンテナンススイッチMSWがオンになったときに液晶パネルLCD1にメニュー画面を表示する。
管理者メニュー用データ記憶部20bは、管理者用のメニュー(第1メニュー、図8の符号B及び図9(b)参照)のデータを予め記憶している。
スタッフメニュー用データ記憶部20cは、スタッフ用のメニュー(第2メニュー、図8の符号A及び図9(a)参照)のデータを予め記憶している。
管理者用のメニューの選択肢の数(保守可能な項目数)は、スタッフ用のメニューの選択肢の数(保守可能な項目数)よりも多い。図8及び図9の例では、管理者用のメニューの選択肢の数は8つであるのに対し、スタッフ用のメニューの選択肢の数は3つである。
可動体制御部20dは、様々な可動体の動きを制御する可動体制御部である。具体的には、可動体制御部20dは信号(コマンド)を送ることにより可動体に設けられている可動体駆動部DRVを制御する。可動体駆動部DRVはドライバであり、駆動手段すなわち図3のモータMU、ML及びソレノイドSNを動作させる(これらを纏めて図面では「駆動手段」と表記し、その符号としてMU、ML、SNを使用している)。
可動体制御部20dは遊技中の演出に係る動作を行わせるために可動体駆動部DRVを制御するとともに、メンテナンスメニューにおける後述のデバイスチェックのための所定の動作を行わせるために可動体駆動部DRVを制御する。図6の遅延タイマTMはデバイスチェックの際に使用される(図11及び図15においても同じ)。
図7は、発明の実施の形態に係る遊技機におけるメンテナンスメニュー表示処理のフローチャートである。
ST10:メニュー画面生成部20aがメンテナンススイッチMSWの押下信号を受信する。ホール店員又はホール管理者がメンテナンススイッチMSWをオンにすると、図7のメニュー表示処理が開始する。
ST11:メニュー画面生成部20aがドア開放中かどうか判定する。ドアセンサ206は遊技機筐体の扉130の開放を検出すると、その旨の信号をメイン基板10に入力する。メイン基板10は、ドアセンサ206の出力に基づき予め定められたコマンド(第2信号)を生成してサブ基板20へ出力する。このコマンドに基づきサブ基板20はドアの開放を判定できる。
メニュー画面生成部20aは、当該コマンドを受信していなければNOと判定し、メニュー画面の表示処理を中止する(ST12)。メンテナンススイッチMSWの操作は遊技機筐体の扉130を開放しなければできない。当該コマンドを受信してないときにメンテナンススイッチMSWのオンを検知しても、メンテナンススイッチMSW又はサブ基板20の誤動作、あるいはその他の異常と認定できるので、メニュー画面の表示処理は行わない。
メニュー画面生成部20aは、当該コマンドを受信していればYESと判定し、次の処理に進む。
ST13:メニュー画面生成部20aが設定参照中かどうか判定する。電源オンの状態で設定変更スイッチSSWの設定変更キースイッチをオンにするとともに、設定変更ボタン(押ボタン)を押すことで設定参照が可能な状態になる。この設定参照状態においては、メイン基板10は、記憶されている設定値を液晶パネル又は7セグ表示器などに表示する。この状態において、メイン基板10は、予め定められたコマンド(第1信号)を生成してサブ基板20へ出力する。このコマンドに基づきサブ基板20は設定参照中かどうかを判定できる。
メニュー画面生成部20aは、設定参照中であれば(YES)、管理者メニュー用データ記憶部20bから管理者メニュー用データを読み出し、液晶パネルLCD1に図9(b)に示すような画面を表示する。管理者は、スイッチSWなどによりカーソルCを列挙された項目のいずれかに動かして選択し、当該項目を実行させる。項目の選択処理及び実行される処理は公知であるので説明は省略する。
メニュー画面生成部20aは、設定参照中でなければ(NO)、スタッフメニュー用データ記憶部20cからスタッフメニュー用データを読み出し、液晶パネルLCD1に図9(a)に示すような画面を表示する。スタッフは、スイッチSWなどによりカーソルCを列挙された項目のいずれかに動かして選択し、スイッチSWを押下して当該項目を実行させる。項目の選択処理及び実行される処理は公知であるので説明は省略する。
管理者メニュー画面における選択肢の数は、スタッフメニュー画面における選択肢の数よりも多い。管理者メニュー画面にのみ現れる選択肢は重要度が高いものである。管理者メニュー画面を表示するためには、設定変更スイッチSSWに含まれる設定キースイッチにより遊技機の状態を設定参照中としなければならない。設定キースイッチをオンにするためには鍵が必要であり、この操作は管理者しかできない。図7の処理は、管理者による操作かどうかに応じて表示するメニューの種類を変えている。これにより、発明の実施の形態に係る遊技機において、メンテナンスに関する重要な操作は管理者のみが行えるようにできる。
図8は、発明の実施の形態に係るメンテナンスメニューの説明図である。
エラー履歴、デバイスチェック及びメンテナンスQRは、スタッフメニューと管理者メニューに共通する項目であり、さほど重要ではなくホール店員に操作させても問題ない。
時刻設定、設定変更履歴、大当り履歴機能設定、セキュリティ警告設定及び連携機能設定は、管理者専用の項目であり、管理者のみに許可する重要なものである。
「エラー履歴」は、発生した各種エラー及びその時刻と、遊技機の電源のオンオフの時刻と、メイン基板10から受けたコマンドの異常の検知時刻を含む情報である。
各種エラーには、例えば、次のようなものがある。
(エラーコードE1)遊技メダル投入受付可能中に、メダルセンサS1又はメダルセンサS2のオンオフ状態が正しい順序どおりに変化しなかった場合に発生される「逆流エラー」
(エラーコードE2)遊技メダル払い出し中に、払出メダル検出部43のオフ状態が所定時間以上継続した場合に発生される「エンプティーエラー」
(エラーコードE3)遊技メダル払い出し中に、メダル検出部82のオン状態が所定時間以上継続した場合に発生される「払い出し詰まりエラー」
(エラーコードE4)遊技メダル払い出し中以外に、メダル検出部82のオン状態が所定時間以上継続した場合に発生される「払い出し異常エラー」
(エラーコードE5)図示しないオーバーフローセンサーのオン状態が所定時間以上継続した場合に発生される「オーバーエラー」
(エラーコードE6)メダルセンサS1又はメダルセンサS2のオン状態が所定時間以上継続した場合に発生される「滞留エラー」
(エラーコードE7)電源投入時において、RWM(書き込み読み出しメモリ)のバックアップ異常を検出した場合に発生される「パックアップエラー」
(エラーコードE8)図示しないドアセンサのオン状態が所定時間以上継続した場合に発生される「ドア開放エラー」
(エラーコードE9)メダルセレクタ1のブロッカ(図示せず)を閉塞してから所定時間以上経過後にメダルセンサS2がオン状態の場合又は遊技メダル投入受付可能中にメダルセンサS1又はメダルセンサS2を正しい順序どおりに通過した遊技メダルの数と、出口センサ(図示せず)を通過した遊技メダルの数とが一致しなかった場合に発生される「投入異常エラー」
(エラーコードEE)表示判定時において、異常を検出した場合に発生される「表示判定異常エラー」
(エラーコードEA)コールドスタート時において、値を正常に読み書きすることができないRWMを検出した場合に発生される「RWM異常エラー」
(エラーコードEC)内部抽せん時において、設定値が許容範囲外(1〜6以外)の場合に発生される「設定値異常エラー」
「デバイスチェック」は、筐体の電飾・可動体を動作確認するための項目である。電飾の発光素子(LED)を赤・緑・青それぞれ順番に個別に発光させる、全部消灯するといったことが行える。可動体のモータ(駆動手段)のチェックのために、各モータを最大移動させる(位置0から最大位置まで動かし停止、もとに戻る)という動作を繰り返すというチェックが行える。例えばスイッチ押下で、「左上」という音声とともに左上の可動体が開き、次いで、「右上」という音声とともに右上の可動体が開き、という動作を全部の可動体について繰り返し、可動体の動作が正常に行われているか否かをホール側でチェックできるようにしている。スピーカのチェックとして、複数のスピーカ個々について予め用意されたテスト用サウンドで吹鳴させることができる。ホール店員などの管理者は、スイッチSWなどによりカーソルCを列挙された項目のいずれかに動かして選択し、当該項目を実行させる。デバイスチェックをキャンセルしたいときは、同じボタンを再び押下する。
「メンテナンスQR」は、筐体の所定の内部情報などをQRコード(登録商標)に変換して液晶パネルLCD1に表示する項目である。
「時刻設定」は、筐体の内部時計の時刻を設定するための項目である。時刻に応じて遊技機の動作態様を変えているような場合に、スタッフが時刻を容易に変更できてしまうと不都合が生じるので、「時刻設定」は管理者専用の項目としている。
「設定変更履歴」は、設定変更(設定値)の履歴と、その時刻情報を含む情報である。設定値を知られることは好ましくないので管理者専用の項目としている。
「大当り履歴機能設定」は、大当りの履歴を表示する機能を備える遊技機において、当該表示機能をオン/オフを設定する項目である。当該表示機能をオンにすると設定値を推測できる可能性があるので、ホールの経営方針などに鑑みオン又はオフするように管理者専用の項目としている。
「セキュリティ警告設定」は、複数のセキュリティレベルからいずれかを選択できる遊技機において、セキュリティのレベルを設定する項目である。ホールの実情に合わせて選択できるように管理者専用の項目としている。
「連携機能設定」は、携帯電話・スマートフォンと連動する機能を備える遊技機において、当該表示機能のオン/オフを設定する項目である。ホールの経営方針などに鑑みオン又はオフするように管理者専用の項目としている。
図9に示すように「スタッフメニュー」と「管理者メニュー」に分離して遊技機情報を管理できることから、より厳格な遊技機情報管理が可能となった。
発明の実施の形態に係るデバイスチェックにおける動作について説明を加える。以下に説明では、可動体についてのデバイスチェックを取り上げる。
デバイスチェックにおいて、可動体をチェックするために駆動手段MU、ML、SNを最大移動させる。例えば、可動体の可動要素を位置0から最大位置まで動かし停止、その後戻るといった動作、あるいは可動用を開閉させるといった動作を行わせる。可動体制御部20dは当該動作を行わせるように可動体駆動部DRVを制御する。
図10は、発明の実施の形態に係るデバイスチェックにおける処理フローチャートを示す。
S20:サブ基板20は、スイッチSWによる選択を受けてデバイスチェックを開始する。
S21:デバイスチェックを行うための可動体スクリプトを設定する。例えば、可動体の可動要素を位置0から最大位置まで動かし停止、その後戻るといった動作を行わせるための可動体駆動部DRVを制御するスクリプトを設定する。設定されたスクリプトは直ちに送信され実行されるのではなく、以下のように遅延を受ける(S22〜S24)。
S22:可動体制御部20dは、遅延タイマTMに所定の遅延時間(例えば3000ms)を設定する。この遅延時間は、可動体の駆動に関する機械的な制限、及び/又は、電気的な制限に基づき定められる。例えば、制限の内容が開く動作の頻度は1秒間に1回以内というものであれば、遅延時間を1000msにすればスイッチSWを連打しても開く動作は最大1回/1000msとなるから、上記制限をクリアできる。3000msであればさらに余裕を持たせることができる。
S23:可動体制御部20dは、遅延タイマTMの減算処理を行う。
S24:遅延タイマTMが0になったかどうか判定する。0であれば(YES、タイムアウト)、次のS25に進む。
S25:可動体スクリプトに従い、可動体駆動部DRVに可動体制御信号を送信する。
図10の処理によれば、発明の実施の形態に係る遊技機のデバイスチェックにおいて信号送信を遅延させているので、デバイスチェックを開始/中止させるスイッチの連打による弊害を防止することができる。
図10の処理について、図11のタイミングチャートを参照して説明を加える。図11(a)はスイッチSWの押下が1回の場合(通常のケース)を示し、図11(b)はスイッチが連打された場合(連打の際の処理が後述の図12であるもの)を示し、図11(c)はスイッチが連打された場合(連打の際の処理が後述の図13であるもの)を示し、図11(d)は比較例(信号送信の遅延がないケース)を示している。図11において、ta〜teはスイッチSW押下のタイミング(時刻)を示し、「待機」はデバイスチェックが開始されていないことを示す。
図11(a)は時刻taで1回だけスイッチSWが押下されている。遅延処理S22〜S24によりスイッチSW押下から3000ms後に信号が送信され、デバイスチェックが開始される。
図11(b)は時刻ta、tb、tcでスイッチSWが押下(連打)されている。時刻taのスイッチSW押下によるデバイスチェックが開始される前の時刻tbでスイッチSWが押下され、これによりデバイスチェックはキャンセルされる。時刻tcのスイッチSW押下により、その3000ms後に(時刻te)デバイスチェックが開始される。デバイスチェックの開始は遅延されるが、キャンセルは遅延されず即時に実行される。この例ではデバイスチェックが開始される前、すなわち3000ms経過前であっても2回目のスイッチSW押下によりデバイスチェックはキャンセルされる。連打の回数が奇数であればデバイスチェックは行われ、偶数であればデバイスチェックは行われない。可動体の待機状態(デバイスチェックが行われていない時間)は3000ms以上確保されている。
図11(c)は、図11(b)とほぼ同じであるが、連打の2回目以降のスイッチSWにより遅延が延長(例えば遅延タイマTMが3000msに再設定)される点が異なる。図11(b)と異なり、スイッチSWを連打した場合、その回数によらずデバイスチェックが行われる(連打したときに操作者はデバイスチェックが行われるかそれともキャンセルされているのかを気にする必要がない)。デバイスチェックが開始された後、すなわち遅延タイマTMによる3000ms計時後(時刻te後)において、スイッチSWが押下されるとデバイスチェックはキャンセルされる(図示せず)。可動体の待機状態は3000ms以上確保されている。
なお図示しないが、連打の2回目以降のスイッチSWにより遅延が延長されないようにしてもよい(デバイスチェックが開始されていない場合、2回目以降のスイッチSW押下は無視される)。この場合、最初のスイッチSW押下(図11(c)の時刻ta)から3000ms経過時点でデバイスチェックが開始される。連打の時間が3000ms以内であればデバイスチェックは実行される。この場合も可動体の待機状態は3000ms以上確保されている。
図11(d)は比較例である。遅延がないので連打のタイミングta、tb、tc、tdそれぞれでデバイスチェックの開始、キャンセル、開始、キャンセルが繰り返される。その間隔は連打の間隔に対応し、従ってごく短時間となる場合があり得る。すると可動体の駆動に関する機械的な制限や電気的な制限に抵触することがある。例えば、連打の間隔が1000ms以内であれば、開閉の頻度は1秒間に1回以内という制限に抵触してしまう。ボタンの連打によりデバイスチェック開始とそのキャンセルが入り乱れ、可動体の挙動がおかしくなる虞がある。
図12及び図13は、スイッチSWが押下されたときにデバイスチェックの選択(実行)、キャンセルいずれかを行うかを判定する処理のフローチャートである。それらは、それぞれ図11(b)(c)に対応している。
図12と図13では、遅延タイマTMによる信号送信待機中におけるスイッチSW押下をキャンセル操作ととらえるか(図11(b)、図12のS32)、それともデバイスチェックの選択(実行)操作ととらえて遅延タイマTMをリスタートするか(図11(c)、図13のS32’、S33’)の点で相違する。
図10の処理は、デバイスチェックの信号送信を遅延させるものであった。図14はデバイスチェックの信号送信を遅延させないが、デバイスチェックのキャンセルの信号送信を遅延させることにより、図10の処理と同様の効果を奏するようにしたものである。
S20’:サブ基板20はデバイスチェックを行っている。その処理を行いながらスイッチSWが操作されたかどうか割り込み処理などで監視している。スイッチSWによる操作を受けてデバイスチェックのキャンセルを行う。
S22:可動体制御部20dは、遅延タイマTMに所定の遅延時間(例えば3000ms)を設定する。この遅延時間は、前述のように、可動体の駆動に関する機械的な制限、及び/又は、電気的な制限に基づき定められる。
S23:可動体制御部20dは、遅延タイマTMの減算処理を行う。
S24:遅延タイマTMが0になったかどうか判定する。0であれば(YES、タイムアウト)、次のS25’に進む。
S25’:サブ基板20は、可動体駆動部DRVにデバイスチェックのキャンセル信号を送信する。
図14の処理によれば、発明の実施の形態に係る遊技機のデバイスチェックのキャンセルの信号送信を遅延させているので、デバイスチェックを開始/中止させるスイッチの連打による弊害を防止することができる。
図14の処理について、図15のタイミングチャートを参照して説明を加える。図15(a)はスイッチSWの押下が2回の場合(デバイスチェック開始が1回、そのキャンセルが1回の通常のケース)を示し、図15(b)はスイッチが連打された場合にキャンセル後のスイッチ押下がキャンセルの取り消しとして扱うものを示し、図11(c)はスイッチが連打された場合にキャンセル後のスイッチ押下でキャンセルの信号送信をさらに遅延させるものを示し、図15(d)はスイッチが連打された場合にキャンセル後のスイッチ押下を無視するものを示す。図15において、図11と同様にta〜tdはスイッチSW押下のタイミング(時刻)を示し、teは信号送信のタイミングを示し、「待機」はデバイスチェックが開始されていないことを示す。
図15(a)は時刻ta、tbで2回スイッチSWが押下されている。時刻taのスイッチSW押下により直ちにデバイスチェックがなされる(図15(b)〜図15(d)でも同じ)。遅延処理S22〜S24により時刻tbの2回目のスイッチSW押下から3000ms後にキャンセル信号が送信され、デバイスチェックがキャンセルされる。
図15(b)は時刻ta、tb、tcでスイッチSWが押下(連打)されている。時刻tcでのスイッチSW押下により時刻tbのデバイスチェックのキャンセルは取り消される。したがって、デバイスチェックは継続する。
図15(c)も同様に時刻ta、tb、tcでスイッチSWが押下(連打)されている。時刻tcでのスイッチSW押下により時刻tbのデバイスチェックのキャンセルの信号送信は有効なままであるが、その送信タイミングはさらに遅延される(例えば3000ms)。
図15(d)も同様に時刻ta、tb、tcでスイッチSWが押下(連打)されている。時刻tcでのスイッチSW押下により時刻tbのデバイスチェックのキャンセルの信号送信は有効なままである。キャンセルの信号送信が完了するまでの間はスイッチSW押下が無視される(時刻tc)。
図15(a)〜(d)から理解できるように、いずれの場合もデバイスチェックの実行時間は3000ms以上確保されている。
なお、遅延タイマTMを信号受信側である可動体駆動部DRVに設けるようにしてもよい。すなわち、サブ基板20において可動体動作信号(デバイスチェック開始メッセージ)は直ちに送信されるが、受信側においてデバイス動作の発動を遅延させるようにしてもよい。
これによるブロック図と処理フローチャートを、図16と図17及び図18に示す。図17及び図18は、可動体駆動部DRVが行う処理内容を示す。これらの処理は図10及び図14と同様であるので説明は省略する。
以上のように、デバイスチェックの信号送信を遅延させ、又は受信した信号によるデバイスチェックの開始を遅延させるので、デバイスチェックの選択スイッチを連続押下した場合であっても、デバイスチェックの対象である可動体の挙動がおかしくなることがない。
また、デバイスチェックのキャンセルの信号送信を遅延させ、又は受信した信号によるデバイスチェックのキャンセルの開始を遅延させるので、デバイスチェックの選択スイッチを連続押下した場合であっても、デバイスチェックの対象である可動体の挙動がおかしくなることがない。
なお、デバイスチェックの信号送信とキャンセルの信号送信の両方を遅延させるようにしてもよい。
この発明の実施の形態はスロットマシンだけでなく、パチンコ機のような他の遊技機にも適用することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。