JP2012051311A - 熱可塑性樹脂押出板 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿環境下での反り変形を抑制することができる熱可塑性樹脂押出板を提供する。
【解決手段】ダイ3から押出した溶融状態の熱可塑性樹脂4を、第1冷却ロール6と第2冷却ロール7との間に挟み込み、前記第2冷却ロール7に巻き掛けた後、少なくとも1本の後段冷却ロール8に巻き掛けて得られる熱可塑性樹脂押出板10であって、前記第2冷却ロール7の外周面に接した片面10aと反対の他面10bが湾曲しており、その曲率中心が、前記他面側に位置し、湾曲方向が、押出方向および該押出方向に対して直交する方向のうち少なくとも一方向であり、曲率半径が、10〜200mである。
【選択図】図1

Description

本発明は、反り変形し難い熱可塑性樹脂押出板に関する。
熱可塑性樹脂押出板(以下、「押出板」と言うことがある。)は、連続生産性や板厚精度等に優れているので、家電や自動車、建材、電子機器用途等の様々な分野で各種樹脂製のものが使用されている。
一方、押出板には、高温下や高湿下等の厳しい環境下で使用すると、反り変形しやすいという問題がある。この問題は、使用環境が高温下や高湿下になる導光板や拡散板、タッチパネル基板、液晶ディスプレイ保護板等の電子機器関連用途において顕著である。そのため、使用環境下で生じる樹脂板の反り変形を抑制する試みがなされている。
特許文献1には、メタクリル酸メチル単位およびスチレン系単量体単位を所定の割合で含む樹脂層と、メタクリル酸メチル単位および紫外線吸収剤を所定の割合で含む樹脂層とを積層してなる樹脂積層板が記載されている。特許文献1によると、この樹脂積層板は吸水による変形を起こし難く、耐候性にも優れると記載されている。
しかし、特許文献1では、前記樹脂積層板の高温高湿環境下における反り変形の抑制までは検討されていない。
特許文献2には、透明熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面が、接着層を介した硬化樹脂層でコートされ、厚み方向および面内の各々の複屈折値を所定範囲にした透明熱可塑性樹脂複合シートが記載されている。特許文献2によると、前記複合シートは使用環境等で反り変形が生じ難いと記載されている。
しかし、複屈折値が小さくなれば内部歪が減少し、反り難くなる傾向にあるものの、複屈折値が小さくても使用環境によっては反り変形を生じるものも多い。それゆえ、特許文献2に記載されている前記複合シートでは、反り変形の抑制が不十分であった。
特開2004−9524号公報 特開2005−193514号公報
本発明の課題は、高温高湿環境下での反り変形を抑制することができる熱可塑性樹脂押出板を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)ダイから押出した溶融状態の熱可塑性樹脂を、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、前記第2冷却ロールに巻き掛けた後、少なくとも1本の後段冷却ロールに巻き掛けて得られる熱可塑性樹脂押出板であって、前記第2冷却ロールの外周面に接した片面と反対の他面が湾曲しており、その曲率中心が、前記他面側に位置し、湾曲方向が、押出方向および該押出方向に対して直交する方向のうち少なくとも一方向であり、曲率半径が、10〜200mであることを特徴とする熱可塑性樹脂押出板。
(2)前記熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる少なくとも1種である前記(1)に記載の熱可塑性樹脂押出板。
(3)前記熱可塑性樹脂が、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を積層してなり、積層される各々の熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる少なくとも1種である前記(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂押出板。
(4)厚さが0.3〜5mmである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
(5)導光板に使用される前記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
(6)タッチパネル基板に使用される前記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
(7)液晶ディスプレイ保護板に使用される前記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
本発明の熱可塑性樹脂押出板は、高温高湿環境下において反り変形し難いので、使用環境が高温下や高湿下になる導光板、タッチパネル基板、液晶ディスプレイ保護板等に好適に用いることができる。
本発明の一実施形態にかかる熱可塑性樹脂押出板の製造方法を示す概略説明図である。 図1の部分拡大概略説明図である。 (a),(b)は、本発明の一実施形態にかかる熱可塑性樹脂押出板を示す概略説明図である。
本発明の熱可塑性樹脂押出板は、熱可塑性樹脂からなる。該熱可塑性樹脂としては、溶融加工可能な樹脂なら特に制限はなく、例えばポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、セルロースアセテート樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、アクリル−アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリル−塩素化ポリエチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、フッ素樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の汎用またはエンジニアリングプラスチックの他に、ポリ塩化ビニル系エラストマー、塩素化ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレン・ブタジエンブロックポリマー、エチレン−プロピレンゴム、ポリブタジエン樹脂、アクリル系ゴム等のゴム状重合体が挙げられ、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも光学特性が良好であることから、メタクリル酸メチル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、熱可塑性樹脂は、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を積層して構成してもよい。すなわち本発明の押出板は、2台以上の押出機を用いて、2種以上の熱可塑性樹脂をそれぞれ溶融混練して共押出し、2層以上の熱可塑性樹脂層を有する積層構成としてもよい。この場合には、積層される各々の熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
メタクリル酸メチル系樹脂とは、単量体単位としてメタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチル単位の含有量は、好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。メタクリル酸メチル単位が100重量%の重合体は、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体である。
メタクリル酸メチル系樹脂は、メタクリル酸メチルと、該メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体との共重合体であってもよい。メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体としては、例えばメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類等が挙げられる。かかるメタクリル酸エステル類としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。また、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類、クロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のアルキルスチレン類等の置換スチレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等も挙げられる。かかる単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、メタクリル酸メチル系樹脂は、ゴム状重合体を添加して樹脂組成物としてもよい。これにより、成形時に割れ難くなるので、収率を向上させることができる。ゴム状重合体としては、例えばアクリル系多層構造重合体、5〜80重量部のゴム状重合体にエチレン性不飽和単量体を95〜20重量部の割合でグラフト重合させたグラフト共重合体等が挙げられる。
アクリル系多層構造重合体としては、例えばゴム弾性の層またはエラストマーの層を20〜60重量部の割合で内在し、最外に硬質層を有するものが挙げられ、最内層として硬質層をさらに有していてもよい。
ゴム弾性の層またはエラストマーの層は、ガラス転移点(Tg)が25℃未満のアクリル系重合体の層であり、例えば低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシ低級アルキルアクリレート、ヒドロキシ低級メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のモノエチレン性不飽和単量体の1種以上をアリルメタクリレートや多官能単量体等で架橋させた重合体からなる。
硬質層は、Tgが25℃以上のアクリル系重合体の層であり、炭素数1〜4個のアルキル基を有するアルキルメタクリレートを単独または主成分とし、他のアルキルメタクリレートやアルキルアクリレート、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の共重合可能な単官能単量体の重合体からなり、さらに多官能単量体を加えて重合させた架橋重合体でもよい。上述したゴム状重合体としては、例えば特公昭55−27576号公報、特開平6−80739号公報、特開昭49−23292号公報等に記載されているものを用いることができる。
5〜80重量部のゴム状重合体にエチレン性不飽和単量体を95〜20重量部の割合でグラフト重合させたグラフト共重合体において、前記ゴム状重合体としては、例えばポリブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム、ポリブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル系ゴム、およびエチレン/プロピレン/非共役ジエン系ゴム等が挙げられる。また、前記エチレン性単量体としては、例えばスチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、アクリル系不飽和単量体が好ましく、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。上述したグラフト共重合体としては、例えば特開昭55−147514号公報、特公昭47−9740号公報等に記載されているものを用いることができる。
ゴム状重合体の添加量は、メタクリル酸メチル系樹脂100重量部に対して、0〜100重量部であるのが好ましく、3〜50重量部であるのがより好ましい。ゴム状重合体の添加量があまり多いと、押出板の剛性が低下するので好ましくない。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られるものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物を開環重合法により重合させて得られるもの等が挙げられる。
二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用してもよい。
中でもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選択される少なくとも1種の二価フェノールとの共重合体が好ましい。
カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
スチレン系樹脂とは、スチレン系単官能単量体単位を主成分とする重合体であり、具体的には、スチレン系単官能単量体単位を50重量%以上含む重合体である。スチレン系樹脂は、スチレン系単官能単量体の単独重合体であってもよいし、スチレン系単官能単量体およびこれと共重合可能な単官能単量体の共重合体であってもよい。
スチレン系単官能単量体としては、例えばスチレンの他、置換スチレン等が挙げられる。置換スチレンとしては、例えばクロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のアルキルスチレン類等が挙げられる。すなわちスチレン系単官能単量体は、スチレン骨格を有し、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する化合物である。
スチレン系単官能単量体と共重合可能な単官能単量体とは、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有し、この二重結合でスチレン系単官能単量体と共重合可能な化合物であって、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類、アクリロニトリル等が挙げられ、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類が好ましく用いられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
スチレン系樹脂は、ゴム状重合体を添加して樹脂組成物としてもよい。ゴム状重合体としては、上述したメタクリル酸メチル系樹脂へ添加することができるゴム状重合体と同じものを用いることができる。ゴム状重合体の添加量は、スチレン系樹脂100重量部に対して、0〜100重量部であるのが好ましく、3〜50重量部であるのがより好ましい。ゴム状重合体の添加量があまり多いと、押出板の剛性が低下するので好ましくない。
脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂としては、例えばノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体等が挙げられる。当該樹脂は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有するのが特徴である。脂環式構造は、主鎖および/または側鎖のいずれに有していてもよいが、光透過性の観点からは、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂の具体例としては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体、およびこれらの水素添加物等が挙げられる。これらの中でも、光透過性の観点から、ノルボルネン系重合体水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系重合体またはその水素化物等が好ましく、ノルボルネン系重合体水素添加物がより好ましい。
なお、熱可塑性樹脂には、目的に応じて、例えば光拡散剤や艶消し剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐衝撃剤、高分子型帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、染料、顔料等を添加してもよい。
上述した熱可塑性樹脂からなる本発明の熱可塑性樹脂押出板は、押出成形法により製造することができる。以下、本発明にかかる熱可塑性樹脂押出板の製造方法の一実施形態について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、まず、上述した熱可塑性樹脂を押出機1および/または押出機2で溶融混練し、溶融状態の熱可塑性樹脂(以下、「溶融熱可塑性樹脂」と言う。)4をダイ3から板状に押出する。押出板を積層構成とする場合には、共押出成形法により製造することができる。すなわち押出機1で熱可塑性樹脂を溶融混練してダイ3に供給し、押出機2で他の熱可塑性樹脂を溶融混練してダイ3に供給し、それぞれをダイ3から共押出して、積層一体化すればよい。
押出機1,2としては、例えば一軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。なお、押出機の数は2台に限定されるものではなく、3台以上の複数台にしてもよい。ダイ3としては、通常、Tダイが用いられ、熱可塑性樹脂を単層で押出す単層ダイの他、フィードブロックダイ、マルチマニホールドダイ等のように、それぞれ独立して押出機1,2から圧送された2種以上の熱可塑性樹脂を積層して共押出しする多層ダイ等を採用することもできる。
ダイ3から押出した溶融熱可塑性樹脂4は、冷却ユニット5で成形・冷却する。冷却ユニット5は、略水平方向に対向配置された3本の冷却ロールで構成されている。3本の冷却ロールは、矢印Aで示す溶融熱可塑性樹脂4を引取る方向に沿って順に配設された第1冷却ロール6、第2冷却ロール7および後段冷却ロール8からなる。これら冷却ロール6〜8は、少なくとも1つのロールがモータ等の回転駆動手段に接続されており、各ロールが所定の周速度で回転するように構成されている。
冷却ロール6〜8としては、特に限定されるものではなく、従来から押出成形で使用されている通常の冷却ロールを採用することができる。具体例としては、ドリルドロール、スパイラルロール、金属弾性ロール、ゴムロール等が挙げられる。冷却ロール6〜8の表面状態は、例えば鏡面であってもよく、模様や凹凸等があってもよい。
冷却ユニット5による成形・冷却は、図2に示すように、溶融熱可塑性樹脂4を、第1冷却ロール6と第2冷却ロール7との間に挟み込み、第2冷却ロール7に巻き掛けた後、後段冷却ロール8に巻き掛けることにより行われ、その後、図示しない引取りロールで引取って熱可塑性樹脂押出板10を得る。
押出板10は、最初に巻き掛けられた第2冷却ロール7の外周面7aに接した片面10aと反対の他面10bが、図3に示すように湾曲している。具体的には、押出板10は、他面10bが下記(i)〜(iii)を満たすように湾曲している。
(i)曲率中心が、他面10b側に位置している。すなわち押出板10が、他面10b側に凹となるように湾曲している。
(ii)湾曲方向が、図3(a)に示す押出方向(以下、「MD」と言うことがある。)、および図3(b)に示す押出方向に対して直交する方向(以下、「TD」と言うことがある。)のうち、少なくとも一方向である。
(iii)曲率半径が、10〜200m、好ましくは15〜180m、より好ましくは20〜150mである。
すなわち押出板10には、他面10bが上記(i)〜(iii)を満たすように湾曲するよう特定の反りが付与されている。これにより、高温高湿環境下における押出板の反り変形を抑制することができる。この理由としては、以下の理由が推察される。
溶融熱可塑性樹脂4を冷却ユニット5で成形・冷却する過程では、一般的に内部応力が蓄積されやすい。上述した特定の反りが押出板10に付与されるように溶融熱可塑性樹脂4を成形・冷却すると、前記内部応力が蓄積され難くなり、それゆえ得られる押出板10は高温高湿環境下において反り変形し難くなるものと推察される。特に、前記(iii)において、曲率半径が10m未満であると、予め付与した反りが大きすぎて組み立て加工時に悪影響を及ぼし、200mを超えると反り変形の抑制効果が小さくなる。なお、前記「高温高湿環境」とは、温度が30℃以上で湿度が70%以上である環境を意味し、例えば、温度が60℃以上で湿度が95%以上である環境、または80℃程度の温水に1時間程度浸漬するような環境等が挙げられる。
上述のような反りを付与する方法としては、第2冷却ロール7の下方や後段冷却ロール8の上方にヒーターを取り付けて溶融熱可塑性樹脂4を加熱したり、冷却ロール6〜8の表面温度を調整して所望の反りになるよう調節する方法等が挙げられる。一般的には、第2冷却ロール7の表面温度を下げると、第2冷却ロール7の外周面に沿った反りが強くなる傾向がある。また、後段冷却ロール8の表面温度を下げると、後段冷却ロール8の外周面に沿った反りが強くなる傾向がある。
一方、溶融熱可塑性樹脂4を冷却ロール6〜8間にそれぞれ挟み込んで成形する際には、溶融熱可塑性樹脂4を冷却固化前ないし冷却固化させる過程で各ロール間に挟み込む必要がある。
具体的には、冷却ロール6〜8の表面温度(Tr)を、熱可塑性樹脂の熱変形温度(Th)に対して、(Th−20℃)≦Tr≦(Th+20℃)、好ましくは(Th−15℃)≦Tr≦(Th+10℃)、より好ましくは(Th−10℃)≦Tr≦(Th+5℃)の範囲とすることが望ましい。表面温度(Tr)が(Th−20℃)よりも低い温度になると、ロールから樹脂が剥がれやすくなり、タッチミスが発生しやすくなるので好ましくない。また、表面温度(Tr)が(Th+20℃)よりも高い温度になると、ロールから樹脂が均一に剥がれ難くなり、タッチマークと呼ばれるロール剥離時の衝撃による幅方向の線が発生しやすくなるので好ましくない。
なお、前記熱可塑性樹脂の熱変形温度(Th)としては、特に限定されるものではないが、通常、60〜200℃程度である。熱可塑性樹脂の熱変形温度(Th)は、ASTM D−648に準拠して測定される温度である。また、押出板を2種以上の異なる熱可塑性樹脂を共押出して積層構成とした場合の表面温度(Tr)については、2種以上の異なる熱可塑性樹脂のうち、熱変形温度(Th)が最も高い熱可塑性樹脂を基準とする。
押出板10の厚さとしては0.3〜5mmであるのが好ましく、0.5〜3mmであるのがより好ましく、0.6〜2mmであるのがさらに好ましい。押出板10の厚さがあまり大きいか、または薄いと、反りの制御が難しくなる傾向がある。なお、得られた押出板10には、必要に応じて、その表面に硬化被膜を形成したり、反射防止処理を施してもよい。
かくして得られる本発明の熱可塑性樹脂押出板は、高温高湿環境下での反り変形が小さいので、各種用途に用いることができ、中でも導光板、タッチパネル基板、液晶ディスプレイ保護板として好適に使用される。かかるタッチパネルや液晶ディスプレイの用途としては、例えばテレビやコンピューターのモニター、携帯電話やPHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型情報端末の表示窓、デジタルカメラやハンディ型ビデオカメラのファインダー部、携帯型ゲーム機の表示窓等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂押出板から、導光板を作成するには、押出板を必要な大きさに切断処理すればよい。また、タッチパネル基板やディスプレイ保護板を作製するには、まず必要に応じて押出板に印刷、穴あけ等の加工を行い、次いで押出板を必要な大きさに切断処理すればよい。しかるのちに、押出板をディスプレイにセットすれば、タッチパネル基板やディスプレイ保護板として、好適に使用することができる。その際、押出板は、その両面のうち、第2冷却ロールの外周面に接した片面が表側(視認者側)になるようにセットするのが好ましい。
以上、本発明にかかる好ましい実施形態について説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において、種々の改善や変更が可能である。例えば前記した一実施形態では、冷却ロールの数が3本であるが、4本以上としてもよい。すなわち後段冷却ロールの数は1本に限定されるものではなく、2本以上の複数本にしてもよい。後段冷却ロールを複数本とする場合、その数は、通常、2〜4本程度が適当である。また、冷却ロールの種類についても全て同じものに統一する必要はない。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例で使用した押出装置の構成は、次の通りである。
押出機1:スクリュー径100mm、一軸、ベント付きの押出機(日立造船(株)製)を用いた。
押出機2:スクリュー径35mm、一軸、ベント付きの押出機(日立造船(株)製)を用いた。
フィードブロック:2種2層分配、2種3層分配(日立造船(株)製)を用いた。
ダイ3:リップ幅1500mm、リップ間隔1mmのTダイ(日立造船(株)製)を用いた。
冷却ユニット5:横型、面長1600mm、径300mmφの冷却ロール6〜8を用いた。冷却ロール6〜8は、次の通りである。
第1冷却ロール6:後述する金属弾性ロールを用いた。
第2冷却ロール7:表面状態を鏡面にしたステンレス鋼製のスパイラルロールを用いた。
後段冷却ロール8:後述する金属弾性ロールを用いた。
冷却ロール6,8で用いた金属弾性ロールは、軸ロールの外周面を覆うように金属製薄膜を配置し、軸ロールと金属製薄膜との間に流体を封入した金属弾性ロールを用いた。軸ロール、金属製薄膜および流体は、次の通りである。
軸ロール:ステンレス鋼製のものを用いた。
金属製薄膜:厚さ2mmのステンレス鋼製の鏡面金属スリーブを用いた。
流体:油を用いた。なお、この油を温度制御することによって、金属弾性ロールを温度制御可能にした。より具体的には、温度調節機のON−OFF制御により前記油を加熱、冷却して温度制御可能にし、軸ロールと金属製薄膜との間に循環させた。
以下の実施例および比較例で使用した熱可塑性樹脂は、次の通りである。
樹脂1:芳香族ポリカーボネートのみの重合体(住友ダウ(株)製の「カリバー301−10」)を用いた。熱変形温度(Th)は140℃である。
樹脂2:メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=98/2(重量比)の共重合体を用いた。熱変形温度(Th)は100℃である。
樹脂3:メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96/4(重量比)の共重合体70重量%に下記参考例で得たアクリル系多層構造重合体(ゴム状重合体)を30重量%含有させたアクリル樹脂系組成物を用いた。熱変形温度(Th)は100℃である。
[参考例]
(アクリル系多層構造重合体の製造)
特公昭55−27576号公報の実施例に記載の方法に準拠して、三層構造からなるアクリル系多層構造重合体を製造した。具体的には、まず、内容積5Lのガラス製反応容器に、イオン交換水1700g、炭酸ナトリウム0.7g、過硫酸ナトリウム0.3gを仕込んだ。次いで、窒素気流下で撹拌後、ペレックスOT−P((株)花王製)4.46g、イオン交換水150g、メチルメタクリレート150g、アリルメタクリレート0.3gをさらに仕込んだ。その後、75℃に昇温して150分間撹拌を続けた。
続いてブチルアクリレート689g、スチレン162g、アリルメタクリレート17gの混合物と過硫酸ナトリウム0.85g、ペレックスOT−P7.4gとイオン交換水50gの混合物を別の入口から90分間にわたり添加し、さらに90分間重合を続けた。
重合を完了後、さらにメチルアクリレート326g、エチルアクリレート14gの混合物と過硫酸ナトリウム0.34gを溶解させたイオン交換水30gを別々の口から30分間にわたって添加した。
添加終了後、さらに60分間保持して重合を完了し、ラテックスを得た。得られたラテックスを0.5%塩化アルミニウム水溶液に投入して重合体を凝集させた。これを温水にて5回洗浄後、乾燥してアクリル系多層構造重合体を得た。
[実施例1,3,4および比較例1,3]
<熱可塑性樹脂押出板の作製>
まず、押出機1,2、ダイ3、および冷却ロール6〜8を図1に示すように配置し、フィードブロックを所定位置に配置した。次いで、樹脂層Aとして、表1に示す種類の樹脂を押出機1にて溶融混練し、フィードブロックに供給した。一方、樹脂層Bとして、表1に示す種類の樹脂を押出機2にて溶融混練し、フィードブロックに供給した。そして、押出機1からフィードブロックに供給される樹脂層Aの両面に、押出機2からフィードブロックに供給される樹脂層Bが積層されるようにダイ3から共押出した。
ダイ3から共押出した溶融熱可塑性樹脂4を、表1に示す表面温度の冷却ロール6〜8間に通して成形・冷却し、表1に示す厚さの3層構成の熱可塑性樹脂押出板を得た。なお、表1中の冷却ロール6〜8の温度は、いずれも冷却ロール6〜8の表面温度を実測した値である。
また、表1中の押出機1,2における「厚み」は、樹脂層A,Bの各厚みを示している。より具体的には、押出機2における「厚み」の欄に記載されている値は、「一方の表層の厚み/他方の表層の厚み」を示している。表1中の「総厚み」は、得られた押出板の総厚みを示している。
また、実施例1および比較例1については、第2冷却ロール7の下方にヒーターを設置し、ヒーターの温度を表1に示す温度とした。
[実施例2および比較例2]
押出機1からフィードブロックに供給される樹脂層Aの片面に、押出機2からフィードブロックに供給される樹脂層Bが積層されるようにダイ3から共押出し、樹脂層Bの表面が第2冷却ロール7に接するようにした以外は、実施例1,3,4と同様にして共押出成形を行った。
そして、ダイ3から共押出した溶融熱可塑性樹脂4を、表1に示す表面温度の冷却ロール6〜8間に通して成形・冷却し、表1に示す厚さの2層構成の熱可塑性樹脂押出板を得た。なお、第2冷却ロール7の下方に実施例1と同じヒーターを設置し、ヒーターの温度を表1に示す温度とした。
[実施例5および比較例4]
表1に示す種類の樹脂を押出機1にて溶融混練し、フィードブロックおよびダイ3の順に供給した以外は、実施例1,3,4と同様にして押出した。そして、ダイ3から押出した溶融熱可塑性樹脂4を、表1に示す表面温度の冷却ロール6〜8間に通して成形・冷却し、表1に示す厚さの単層構成の熱可塑性樹脂押出板を得た。なお、実施例5については、第2冷却ロール7の下方に実施例1と同じヒーターを設置し、ヒーターの温度を表1に示す温度とした。
<評価>
得られた各押出板(実施例1〜5および比較例1〜4)について、反り量、湾曲方向、曲率半径、温水浸漬反り量、および移動量の評価を行った。各評価方法を以下に示すとともに、その結果を表1に示す。
(反り量・湾曲方向・曲率半径)
まず、得られた押出板から試験片を押出方向(MD)に対して直交する方向(TD)に沿って3枚切り出した。各試験片の形状は、MDに400mm、TDに275mmとした。
次いで、各試験片を定盤の上に置き、隙間ゲージを用いて各試験片の4角の浮き上がり量を測定した。そして、各試験片における全ての浮き上がり量の平均値を算出し、これを反り量とした。このとき、測定する角が浮き上がっている面が、第2冷却ロール7の外周面に接した片面と反対の他面であれば「+」、第2冷却ロール7の外周面に接した片面であれば「−」として評価した。
さらに、得られた反り量と、試験片が湾曲している方向の試験片長さとから、曲率半径を算出した。なお、湾曲方向がMDであれば試験片長さは400mmであり、湾曲方向がTDであれば試験片長さは275mmである。
(温水浸漬反り量・移動量)
まず、反り量の測定に使用した3枚の試験片を80℃の温水に1時間浸漬した後、冷水に1分間浸漬して冷却した。次いで、各試験片を定盤に置き、隙間ゲージを用いて各試験片の4角の浮き上がり量を測定した。
そして、各試験片における全ての浮き上がり量の平均値を算出し、これを温水浸漬反り量とした。このとき、反り量と同様に、測定する角が浮き上がっている面が、第2冷却ロール7の外周面に接した片面と反対の他面であれば「+」、第2冷却ロール7の外周面に接した片面であれば「−」として評価した。
さらに、移動量を式:(温水浸漬反り量)−(反り量)から算出した。なお、比較例1,2,4は、試験片の4角の浮き上がっている面が、温水浸漬前後で以下のように変化した。
温水浸漬前:第2冷却ロール7の外周面に接した片面
温水浸漬後:片面と反対の他面
そのため、比較例1,2,4については、式:(温水浸漬反り量)+(反り量)から、移動量を算出した。
Figure 2012051311
表1から明らかなように、実施例1〜5は、温水浸漬反り量の値が小さく、かつ移動量の値も小さい結果を示した。この結果から、実施例1〜5は、高温高湿環境下において反り変形し難いことがわかる。これに対し、第2冷却ロール7の外周面に接した片面が湾曲しており、曲率中心が片面側に位置している比較例1,2、曲率半径が200mを超えている比較例3、前記片面が湾曲しており、曲率中心が片面側に位置しているとともに、曲率半径が200mを超えている比較例4は、いずれも温水浸漬反り量の値が大きく、かつ移動量の値も大きい結果を示した。
1,2 押出機
3 ダイ
4 溶融状態の熱可塑性樹脂
5 冷却ユニット
6 第1冷却ロール
7 第2冷却ロール
7a 外周面
8 後段冷却ロール
10 熱可塑性樹脂押出板
10a 片面
10b 他面

Claims (7)

  1. ダイから押出した溶融状態の熱可塑性樹脂を、第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に挟み込み、前記第2冷却ロールに巻き掛けた後、少なくとも1本の後段冷却ロールに巻き掛けて得られる熱可塑性樹脂押出板であって、
    前記第2冷却ロールの外周面に接した片面と反対の他面が湾曲しており、
    その曲率中心が、前記他面側に位置し、
    湾曲方向が、押出方向および該押出方向に対して直交する方向のうち少なくとも一方向であり、
    曲率半径が、10〜200mであることを特徴とする熱可塑性樹脂押出板。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の熱可塑性樹脂押出板。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を積層してなり、
    積層される各々の熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂押出板。
  4. 厚さが0.3〜5mmである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
  5. 導光板に使用される請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
  6. タッチパネル基板に使用される請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
  7. 液晶ディスプレイ保護板に使用される請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出板。
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