JP5143587B2 - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に凹凸形状が形成された光学用途に好適な樹脂フィルムの製造方法に関する。
光学用途に用いられる樹脂フィルムは、例えば光ディスクや偏光板と組み合わせた液晶セル、位相差フィルム、拡散フィルム、輝度向上フィルム等に広く用いられている。これらの光学用途に用いられる樹脂フィルムは、光学歪を小さくする必要がある。
例えば特許文献1には、最初の冷却ロールの温度を樹脂のガラス転移温度±5℃の範囲とし、樹脂が最初の冷却ロールに接触する位置の近傍温度を樹脂の溶融温度−15℃〜+20℃とし、最初の冷却ロール上のシート状物を挟持加圧しないことにより、複屈折20nm以下、反り率0.5%以下、厚み0.1〜1mmの光学用ポリカーボネートシート樹脂を製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、成形時の冷却ローラの温度を溶融樹脂温度に対して±3℃以内とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が記載されている。これら特許文献1,2に記載されている方法は、表面が平滑な樹脂フィルムの光学歪を小さくする手法としては有効である。
一方、光学用途では、樹脂フィルムの表面に凹凸形状を形成し、光を散乱させる機能を付与したものが好まれる。表面に凹凸形状が形成された樹脂フィルムは、一般に、溶融した透明樹脂をダイからフィルム状に押出し、外周面が平滑な第1冷却ロールと、外周面に凹凸形状が形成された第2冷却ロールとの間に挟み込んで第2冷却ロールの前記凹凸形状を転写し、第2冷却ロールに巻き掛けた後、引取りロールで引取ることによって得られる。
しかしながら、特許文献1,2に記載されている方法で表面に凹凸形状が形成された樹脂フィルムを得ようとすると、第1,第2冷却ロール間に挟み込まれた透明樹脂に第2冷却ロールの前記凹凸形状を転写する過程で光学歪が大きくなるという問題があった。
特許第3754519号公報 特開2007−301821号公報
本発明の課題は、表面に凹凸形状が形成され、かつ光学歪の小さい樹脂フィルムの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)溶融した透明樹脂をダイからフィルム状に押出し、ゴムロールまたは金属弾性ロールからなる第1冷却ロールと、外周面に凹凸形状が形成された金属ロールからなる第2冷却ロールとの間に挟み込んで第2冷却ロールの前記凹凸形状を転写し、第2冷却ロールに巻き掛けた後、引取りロールにより引取って、表面に凹凸形状が形成された樹脂フィルムを製造する方法であって、前記第1冷却ロールの周速度(R1)と、前記第2冷却ロールの周速度(R2)との速度比(R1/R2)を0.985〜1.015とし、かつ前記第2冷却ロールの周速度(R2)と、前記引取りロールの周速度(Rp)との速度比(Rp/R2)を0.970〜0.995とすることを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
(2)前記透明樹脂が、メタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる前記(1)記載の樹脂フィルムの製造方法。
(3)厚さが30〜300μmである前記(1)または(2)記載の樹脂フィルムの製造方法。
本発明によれば、ゴムロールまたは金属弾性ロールからなる第1冷却ロール、外周面に凹凸形状が形成された金属ロールからなる第2冷却ロール、および引取りロールの各周速度を、第2冷却ロールの周速度を基準とした特定の速度比にした。すなわち、第1冷却ロールの周速度(R1)と第2冷却ロールの周速度(R2)との速度比(R1/R2)を0.985〜1.015とし、かつ第2冷却ロールの周速度(R2)と引取りロールの周速度(Rp)との速度比(Rp/R2)を0.970〜0.995とした。このような特定の速度比で回転する第1冷却ロールと第2冷却ロールとの間に溶融した透明樹脂を挟み込んで第2冷却ロールの前記凹凸形状を転写し、第2冷却ロールに巻き掛けた後、特定の速度比で回転する引取りロールにより引取ると、表面に凹凸形状が形成され、かつ光学歪の小さい樹脂フィルムを得ることができる。すなわち、本発明によれば、第1,第2冷却ロールおよび引取りロールの各周速度を、第2冷却ロールの周速度を基準とした特定の速度比にするという比較的簡便な方法でフィルム表面に凹凸形状を付与し、かつ光学歪の小さい樹脂フィルムを得ることができるという効果がある。
本発明の樹脂フィルムは、透明樹脂からなる。該透明樹脂としては、透明性を有しかつ溶融加工可能な樹脂であり、例えばポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、セルロースアセテート樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、アクリル−アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリル−塩素化ポリエチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、フッ素樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の汎用またはエンジニアリングプラスチックの他に、ポリ塩化ビニル系エラストマー、塩素化ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレン・ブタジエンブロックポリマー、エチレン−プロピレンゴム、ポリブタジエン樹脂、アクリル系ゴム等のゴム状重合体が挙げられる。これらの2種以上の混合物が用いられてもよい。なお、本発明において「透明性」とは、両表面が平滑な厚さ1mmのシートとしたときの全光線透過率が85%以上であることを意味する。
これらの中でも、光学特性が良好であることから、メタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂を好ましく用いることができる。
メタクリル酸メチル系樹脂とは、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチル単位の含有量は、好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。メタクリル酸メチル単位が100重量%の重合体は、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体である。
メタクリル酸メチル系樹脂は、メタクリル酸メチルと共重合し得る単量体との共重合体であってもよい。メタクリル酸メチルと共重合し得る単量体としては、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類;クロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類;ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のアルキルスチレン類等の置換スチレン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。かかる単量体は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
スチレン系樹脂とは、スチレン系単官能単量体単位を50重量%以上含む重合体であって、スチレン系単官能単量体の単独重合体であってもよいし、スチレン系単官能単量体およびこれと共重合可能な単官能単量体の共重合体であってもよい。スチレン系単官能単量体とは、例えばスチレンの他、クロロスチレン、ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等アルキルスチレン類等の置換スチレン等のような、スチレン骨格を有し、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する化合物である。
スチレン系単官能単量体と共重合可能な単官能単量体とは、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有し、この二重結合を用いてスチレン系単官能単量体と共重合可能な化合物であり、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類;アクリロニトリル等が挙げられ、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類が好ましく用いられる。これらの単官能単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
なかでも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選択される少なくとも1種の二価フェノールとの共重合体が好ましく使用される。
カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂とは、ノルボルネン系重合体やビニル脂環式炭化水素系重合体等であり、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有するのが特徴である。脂環式構造は、主鎖および/または側鎖のいずれに有していても良いが、光透過性の観点からは、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂の具体例な例を挙げれば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体、およびこれらの水素添加物等が挙げられる。これらの中でも、光透過性の観点から、ノルボルネン系重合体水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系重合体およびその水素化物等が好ましく、ノルボルネン系重合体水素添加物がより好ましい。
透明樹脂として、上記メタクリル酸メチル系樹脂にゴム状重合体を添加した樹脂組成物や上記スチレン系樹脂にゴム状重合体を添加した樹脂組成物を用いることも好ましい。ゴム状重合体の添加により、フィルム成形時に割れにくくなり、収率を向上させることが可能となる。また、塗工や貼合時にも割れにくいため、取扱いが容易になる利点がある。ゴム状重合体の添加量は、メタクリル酸メチル系樹脂またはスチレン系樹脂100重量部に対して、100重量部以下であり、好ましくは3〜50重量部である。ゴム状重合体の添加量がメタクリル酸メチル系樹脂またはスチレン系樹脂100重量部に対して100重量部を超えると、樹脂フィルムの剛性が低下する傾向にある。
ゴム状重合体としては、例えばアクリル系多層構造重合体、およびゴム成分にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させたグラフト共重合体等がある。アクリル系多層構造重合体は、ゴム弾性の層またはエラストマーの層を内在しており、最外層として硬質層を有する多層構造体である。ゴム弾性の層またはエラストマーの層は、例えば全体の20〜60重量%とすることができる。アクリル系多層構造重合体は、最内層として硬質層をさらに含む構造であってもよい。
ここで、ゴム弾性の層またはエラストマーの層とは、ガラス転移点(Tg)が25℃未満のアクリル系重合体からなる層であり、低級アルキルアクリレート、低級アルキルメタクリレート、低級アルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート、アクリルアミド、ヒドロキシ低級アルキルアクリレート、ヒドロキシ低級アルキルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のモノエチレン性不飽和単量体の1種以上をアリルメタクリレートや前述の多官能単量体で架橋させた重合体からなる。
硬質層とは、Tgが25℃以上のアクリル系重合体からなる層であり、炭素数1〜4個のアルキル基を有するアルキルメタクリレートを単独または主成分とし、他のアルキルメタクリレートやアルキルアクリレート、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の共重合可能な単官能単量体の重合体からなり、さらに多官能単量体を加えて重合させた架橋重合体でも構わない。このようなアクリル系重合体としては、例えば特公昭55−27576号公報、特開平6−80739号公報および特開昭49−23292号公報に記載のものを挙げることができる。
ゴム成分にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させたグラフト共重合体は、ゴム成分由来の単量体単位を5〜80重量%含有する(したがって、エチレン性不飽和単量体単位を95〜20重量%含有する)ことが好ましい。ゴム成分として、例えばポリブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム;ポリブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル系ゴム;およびエチレン/プロピレン/非共役ジエン系ゴム等を用いることができる。ゴム成分として、2種以上の成分を使用してもよい。エチレン性不飽和単量体としては、例えばスチレン、アクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、なかでもアクリロニトリル、アルキル(メタ)アクリレート等のアクリル系不飽和単量体が好ましく用いられる。かかるグラフト共重合体として、特開昭55−147514号公報や特公昭47−9740号公報に記載のものを用いることができる。
透明樹脂は、添加剤として光拡散剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐衝撃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、難燃剤、染料、顔料等の着色剤を含有していてもよい。
前記光拡散剤としては、例えば架橋アクリル系、架橋スチレン系、架橋シロキサン系等の有機系粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、酸化チタン、ガラス等の無機系粒子が挙げられる。前記紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、マロン酸エステル系、オキサルアニリド系等の化合物が挙げられる。前記界面活性剤としては、例えばアルキルスルホン酸金属塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。前記耐衝撃剤としては、例えばアクリル系多層構造ゴム粒子、グラフトゴム状重合体粒子等が挙げられる。前記帯電防止剤としては、例えばポリエーテルエステルアミド等の高分子型帯電防止剤が挙げられる。前記酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール等が挙げられる。前記滑剤としては、例えばパルミチン酸、ステアリルアルコール等が挙げられる。
これらの添加剤は、例えば加熱溶融状態の透明樹脂と混練することにより、透明樹脂に含有させることができる。透明樹脂を加熱溶融状態とするには、通常の押出成形法と同様に、例えば図1に示すように、押出機1を用いて透明樹脂を加熱し、溶融混練しながらダイ2に圧送すればよい。押出機1から圧送された透明樹脂は、加熱溶融状態のままフィルム状となってダイ2から押し出される。
ダイ2としては、通常、Tダイが用いられる。ダイ2は、1種の透明樹脂を単層で押し出す単層ダイであってもよいし、フィードブロックダイ、マルチマニホールドダイ等のように、それぞれ独立して押出機1から圧送された2種以上の透明樹脂を積層して共押出しする多層ダイであってもよい。
ダイ2から押し出された透明樹脂10は、略水平方向に対向配置された第1冷却ロール3と第2冷却ロール4との間に挟み込まれる。第1冷却ロール3は、直径が25〜100cm程度であり、ゴムロールまたは金属弾性ロールからなる。
前記ゴムロールとしては、例えばシリコンゴムロールやフッ素ゴムロール等が挙げられ、離型性を上げるために砂を混ぜたものを採用することもできる。ゴムロールの硬度としては、JIS K6253に準拠して測定したA70°〜A90°の範囲が好ましく用いられる。ゴムロールの硬度を前記所定の値にするには、例えばゴムロールを構成するゴムの架橋度や組成を調整することによって任意に行うことができる。
前記金属弾性ロールとは、ロールの内部がゴムで構成されているものや、流体を注入しているものであり、その外周部が屈曲性を持った金属製薄膜で構成されているものである。具体的には、シリコンゴムロールに厚さ0.2〜1mm程度の円筒形のステンレス鋼製薄膜を被覆したものや、水や油等の流体を注入しているものでは、厚さ2〜5mm程度のステンレス鋼製の円筒形薄膜をロール端部で固定し、内部に流体を封入している。
金属弾性ロールは、例えば図2に示すように、接触長さLが所定の値となるような弾性を有しているのが好ましい。すなわち金属弾性ロールとして、ステンレス鋼製の円筒形薄膜31をロール32端部で固定し、内部に流体33を封入した金属弾性ロール30を例に挙げて説明すると、ダイ2から押し出された透明樹脂10を金属弾性ロール30(第1冷却ロール3)と第2冷却ロール4との間に挟み込むと、金属弾性ロール30が透明樹脂10を介して第2冷却ロール4の外周面に沿って凹状に弾性変形する。その結果、金属弾性ロール30と第2冷却ロール4とが透明樹脂10を介して所定の接触長さLで接触する。
この接触長さLは、下記で説明する図示しない第2冷却ロール4の凹凸形状を透明樹脂10に転写できる長さであり、1〜20mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜7mmであるのがよい。前記接触長さLを所定の値にするには、例えば円筒形薄膜31(金属製薄膜)の厚み、流体33の封入量等を調整することによって任意に行うことができる。なお、金属弾性ロールがゴムロールに円筒形の金属製薄膜を被覆したものである場合には、前記接触長さLは、ゴムロールの硬度や第2冷却ロール4への押付圧力を調整することによっても任意に行うことができる。
ゴムロールまたは金属弾性ロールは、温度制御可能に構成されているのが好ましい。ゴムロール、ゴムロールに円筒形の金属製薄膜を被覆した金属弾性ロールを温度制御可能とするには、例えばバックアップ冷却ロールを各ロールに取り付ければよい。また、前記した内部に流体33を封入した金属弾性ロール30を温度制御可能とするには、流体33を温度制御すればよい。流体33の温度制御には、例えばPID制御やON−OFF制御等の公知の制御方法を採用することができる。
このような第1冷却ロール3としては、金属材料や弾性体で構成されたもので、鍍金等で鏡面状に仕上げされたものを用いる。なお、金属弾性ロールの金属製薄膜やゴムロールの表面は必ずしも平滑である必要はなく、下記で説明する第2冷却ロール4と同様に表面に凹凸形状を設けても何ら問題はない。
第2冷却ロール4は、直径が25〜100cm程度であり、外周面に凹凸形状が形成された金属ロールからなる。具体的には、例えば金属塊を削りだしたドリルドロール、中空構造のスパイラルロール等のロール内部に流体、蒸気等を通してロール表面の温度を制御できる金属ロール等が挙げられ、これら金属ロールの外周面にサンドブラストや彫刻等によって所望の凹凸形状が形成されたものを用いることができる。
第2冷却ロール4の外周面に形成される凹凸形状としては、算術平均粗さ(Ra)で0.1〜10μmのマット形状の他、ピッチや高さが5〜500μmのプリズム形状やレンズ形状等を採用することができる。前記算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601−2001に準拠して表面粗さ計で測定して得られる値である。
ダイ2から押し出された透明樹脂10は、このような第1冷却ロール3と第2冷却ロール4との間に挟み込まれることによって、第2冷却ロール4の前記凹凸形状が転写され、フィルムに成形される。凹凸形状が転写された樹脂フィルム11は、第2冷却ロール4に巻き掛けられた後、引取りロール6により引取られて巻き取られる。
このとき、図1に示すように、第2冷却ロール4以降に第3冷却ロール5を設けてもよい。これにより、樹脂フィルム11が緩やかに冷却されるので、樹脂フィルム11の光学歪を小さくすることができ、さらに第2冷却ロール4への接触時間も安定して確保できるため、第2冷却ロール4に付与した凹凸形状を安定して転写させることが可能となる。第3冷却ロール5としては、特に限定されるものではなく、従来から押出成形で使用されている通常の金属ロールを採用することができる。具体例としては、ドリルドロールやスパイラルロール等が挙げられる。第3冷却ロール5の表面状態は、鏡面であるのが好ましい。
第2冷却ロール4に巻き掛けられた樹脂フィルム11を、第2冷却ロール4と第3冷却ロール5との間に通して第3冷却ロール5に巻き掛けるようにする。第2冷却ロール4と第3冷却ロール5との間は、所定の間隙を設けて解放状態としても、両ロールに挟み込んでも構わない。なお、樹脂フィルム11をより緩やかに冷却する上で、第3冷却ロール5以降に第4,第5,・・・と複数本の冷却ロールを設け、第3冷却ロール5に巻き掛けた樹脂フィルム11を順次、次の冷却ロールに巻き掛けるようにしてもよい。
引取りロール6は、一対の上部ロール6a,下部ロール6bからなる。上部ロール6a,下部ロール6bとしては、例えばゴムロール、金属ロール等が挙げられる。下部ロール6bは、電動モータ等の回転駆動手段に接続されており、この下部ロール6bと接するように上部ロール6aが回転自在に配置され、下部ロール6bの回転によって上部ロール6aも回転するように構成されている。したがって、上部ロール6a,下部ロール6bは同じ周速度で回転する。なお、上部ロール6a,下部ロール6bの周速度が同じになる限り、前記構成とは逆の構成、すなわち上部ロール6aを回転駆動手段に接続し、この上部ロール6aと接するように下部ロール6bを回転自在に配置してもよく、上部ロール6a,下部ロール6bがいずれも回転駆動手段に接続されていてもよい。
ここで、第1冷却ロール3および第2冷却ロール4は、いずれも電動モータ等の回転駆動手段に接続されており、各冷却ロールが所定の周速度で回転するように構成されている。また、前記した通り、引取りロール6も所定の周速度で回転するように構成されている。そして、第1冷却ロール3の周速度(R1)と、第2冷却ロール4の周速度(R2)との速度比(R1/R2)を0.985〜1.015、好ましくは0.990〜1.010、より好ましくは0.995〜1.005とし、かつ第2冷却ロール4の周速度(R2)と、引取りロール6の周速度(Rp)との速度比(Rp/R2)を0.970〜0.995、好ましくは0.970〜0.990、より好ましくは0.970〜0.985とする。
このような特定の速度比で回転する第1冷却ロール3と第2冷却ロール4との間に溶融した透明樹脂10を挟み込んで第2冷却ロール4の前記凹凸形状を転写し、第2冷却ロール4に巻き掛けた後、特定の速度比で回転する引取りロール6により引取ると、表面に凹凸形状が形成され、かつ光学歪の小さい樹脂フィルム11を得ることができる。
具体的には、樹脂フィルム11のリタデーション値が50nm以下、好ましくは20nm以下になる。リタデーション値が50nmよりも高い樹脂フィルムを光学用フィルムとして使用すると、着色する場合がある。前記リタデーション値は、後述するように、自動複屈折計により590nmにおけるリタデーション値を測定して得られる値である。
各ロールの周速度については、押出機の吐出量、フィルムの厚みや幅によって左右されるため、特に限定はされないが、通常、各ロールとも5〜30m/分であるのが好ましく、例示したこれらの周速度の範囲内で各ロールを前記した特定の速度比にするのが好ましい。
一方、前記速度比(R1/R2)は、0.985より小さくなっても、1.015より大きくなってもリタデーション値が高くなって光学歪みが大きくなると共に、外観も悪くなる傾向にある。また、前記速度比(Rp/R2)が0.970より小さくなるとフィルムにたるみが発生して押出ラインで蛇行し、0.995より大きくなるとリタデーション値が高くなる傾向にある。
第2冷却ロール4に巻き掛けられた樹脂フィルム11を巻き掛ける第3冷却ロール5についても、第2冷却ロール4の周速度(R2)を基準とした特定の速度比で回転させるのが好ましい。すなわち、第3冷却ロール5を回転駆動手段に接続して所定の周速度で回転するように構成し、第3冷却ロール5の周速度(R3)と、第2冷却ロール4の周速度(R2)との速度比(R3/R2)を、0.975〜1.010、好ましくは0.985〜1.005、より好ましくは0.990〜1.000とするのがよい。
また、第3冷却ロール5以降に第4,第5,・・・と複数本の冷却ロールを設ける場合についても、各冷却ロールを回転駆動手段に接続して所定の周速度で回転するように構成し、各冷却ロールの周速度(Rn)と、第2冷却ロール4の周速度(R2)との速度比(Rn/R2)を、0.975〜1.010、好ましくは0.985〜1.005、より好ましくは0.990〜1.000とするのがよい。
第3冷却ロール5、第3冷却ロール5以降の各冷却ロールの周速度としては5〜30m/分であるのが好ましい。
一方、第2冷却ロール4の表面温度(T)を、前記透明樹脂の熱変形温度(Th)に対して、(Th−100℃)≦T≦(Th+20℃)、好ましくは(Th−90℃)≦T≦(Th)、より好ましくは(Th−80℃)≦T≦(Th−20℃)の範囲内にするのがよい。これに対し、第2冷却ロール4の表面温度(T)が(Th−100℃)より低いと、第2冷却ロール4の凹凸形状の転写精度が低下して樹脂フィルム11の凹凸形状にムラが発生するおそれがあり、(Th+20℃)より高いと、リタデーション値が高くなるおそれがある。
第1冷却ロール3の表面温度は、第2冷却ロール4の表面温度(T)に対して±10℃、好ましくは±5℃の範囲内にするのがよい。これに対し、第1冷却ロール3の表面温度が前記範囲外であると、第2冷却ロール4の表面温度(T)を前記した特定の範囲内に設定するのが困難になると共に、樹脂フィルム11内の温度分布が不均一になり、光学歪が大きくなるおそれがある。
第3冷却ロール5、第3冷却ロール5以降の各冷却ロールの表面温度については、任意の表面温度に設定すればよく、特に限定されないが、通常、前記透明樹脂の熱変形温度(Th)に対して±20℃程度が好ましい。
前記透明樹脂の熱変形温度(Th)としては、特に限定されるものではないが、通常、60〜200℃程度である。透明樹脂の熱変形温度(Th)は、ASTMD−648に準拠して測定される温度である。
なお、本発明では異種材料を積層した複層樹脂フィルムも対象としており、この場合の第2冷却ロール4の表面温度(T)については、熱変形温度(Th)が最も高い樹脂を基準とする。
上記のようにして得られる樹脂フィルム11は、厚さが30〜300μmであるのが好ましい。これに対し、厚さが30μm未満であると、前記したロール構成では安定して樹脂フィルム11を得ることができず、300μmを超えると、フィルムとして取り扱うことが困難となる。樹脂フィルム11の厚みは、ダイ2から押し出される透明樹脂10の厚み、第1冷却ロール3と第2冷却ロール4との間隔等により調整することができる。
樹脂フィルム11は、表面に凹凸形状が形成され、光を散乱させる機能が付与されているので、例えば光ディスクや偏光板と組み合わせた液晶セル、位相差フィルム、拡散フィルム、輝度向上フィルム等の他、自動車内装用フィルム、照明用フィルム、建材用フィルム等に適用することができるが、本発明はこれらの用途に限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における評価方法は、次の通りである。
(リタデーション値)
樹脂フィルムのリタデーション値は、自動複屈折計(王子計測機器株式会社製の「KOBRA−CCD/X」)により590nmにおけるリタデーション値を測定した。
(算術平均粗さ(Ra))
第2冷却ロールの転写により形成された樹脂フィルムの凹凸形状を、算術平均粗さ(Ra)により評価した。算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601−2001に準拠して表面粗さ計(株式会社ミツトヨ製の「サーフテストSJ−201」)により測定した。
以下の実施例および比較例で使用した押出装置の構成は、次の通りである。
押出機1:スクリュー径110mm、一軸式。
ダイ2:Tダイ。
第1冷却ロール3:外径450mmφで硬度A70°のシリコンゴムロール。
第2冷却ロール4:外径450mmφでブラスト処理によって算術平均粗さ(Ra)3.5μmの凹凸形状が形成されたステンレス鋼製の金属ロール(ドリルドロール)。
第3冷却ロール5:外径450mmφで鏡面仕上げのステンレス鋼製の金属ロール(ドリルドロール)。
引取りロール6:上部ロール6a,6bがいずれも外径300mmφのシリコンゴムロールからなる一対の引取りロール。
押出機1、ダイ2、第1〜第3冷却ロール3〜5、引取りロール6を図1に示すように配置し、各ロール3〜6を電動モータに接続して、それぞれ表1に示す所定の周速度で回転するように構成した。また、第1〜第3冷却ロール3〜5の表面温度を所定温度に調整して実測した結果、第1冷却ロール3の表面温度は140℃、第2冷却ロール4の表面温度は140℃、第3冷却ロール5の表面温度は100℃であった。
[実施例1,2および比較例1〜3]
まず、芳香族ポリカーボネート樹脂〔熱変形温度(Th)が140℃である住友ダウ株式会社製の「カリバー301−10」〕を押出機1にて265℃の温度に加熱しながら溶融混練して得た透明樹脂を、溶融状態のままダイ2からフィルム状に押し出した。
ついで、ダイ2から押し出された透明樹脂10を、表1に示す周速度で回転する第1冷却ロール3と第2冷却ロール4との間に挟み込み、第3冷却ロール5に巻き掛け、引取りロール6によって引取りながら冷却した。このとき、第2冷却ロール4と第3冷却ロール5との間は、所定の間隙を設けて解放状態とした。
第3冷却ロール5を通過した樹脂フィルムをサンプリングし、幅120cm、厚さ130μmの各樹脂フィルムを得た。得られた各樹脂フィルムについて、前記した方法に従ってリタデーション値および算術平均粗さ(Ra)を測定した。その結果を、表1に示す。
Figure 0005143587
表1から明らかなように、第2冷却ロール4の周速度(R2)を基準とした特定の速度比(R1/R2)および(Rp/R2)で回転する各ロールを用いて得られた実施例1,2の樹脂フィルムは、リタデーション値が低いのがわかる。また、算術平均粗さ(Ra)の結果より、第2冷却ロール4の凹凸形状(算術平均粗さ(Ra)3.5μm)が精度よく転写されているのがわかる。したがって、本発明によれば、第1,第2冷却ロールおよび引取りロールの各周速度を、第2冷却ロールの周速度を基準とした特定の速度比にするという比較的簡便な方法でフィルム表面に凹凸形状を付与し、かつ光学歪の小さい樹脂フィルムを得ることができると言える。
一方、速度比(R1/R2)が0.985よりも小さい比較例1、および速度比(R1/R2)が1.015よりも大きい比較例2は、いずれもリタデーション値が50nmよりも高く、光学歪が大きい結果を示した。速度比(Rp/R2)が0.995よりも大きい比較例3についても、リタデーション値が50nmよりも高く、光学歪が大きい結果を示した。
本発明の一実施形態にかかる樹脂フィルムの製造方法を示す概略説明図である。 本発明の一実施形態にかかる金属弾性ロールを示す概略断面説明図である。
符号の説明
1 押出機
2 ダイ
3 第1冷却ロール
4 第2冷却ロール
5 第3冷却ロール
6 引取りロール
6a 上部ロール
6b 下部ロール
10 透明樹脂
11 樹脂フィルム
30 金属弾性ロール
31 円筒形薄膜
32 ロール
33 流体

Claims (3)

  1. 溶融した透明樹脂をダイからフィルム状に押出し、ゴムロールまたは金属弾性ロールからなる第1冷却ロールと、外周面に凹凸形状が形成された金属ロールからなる第2冷却ロールとの間に挟み込んで第2冷却ロールの前記凹凸形状を転写し、第2冷却ロールに巻き掛けた後、引取りロールにより引取って、表面に凹凸形状が形成された樹脂フィルムを製造する方法であって、
    前記第1冷却ロールの周速度(R1)と、前記第2冷却ロールの周速度(R2)との速度比(R1/R2)を0.985〜1.015とし、
    かつ前記第2冷却ロールの周速度(R2)と、前記引取りロールの周速度(Rp)との速度比(Rp/R2)を0.970〜0.995とすることを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記透明樹脂が、メタクリル酸メチル系樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂および脂環構造含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する樹脂から選ばれる請求項1記載の樹脂フィルムの製造方法。
  3. 厚さが30〜300μmである請求項1または2記載の樹脂フィルムの製造方法。
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