以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、撮影装置100は、いわゆるデジタルカメラ等から成り、撮影用のレンズ101、撮像素子(以下、「CCD」と称する)102、アナログ−デジタルコンバータ(以下、「ADC」と称する)103、画像処理部104、コントローラ110、バッファメモリ111、フラッシュROM112、インターフェース回路(以下、「I/F回路」と称する)113、カードホルダ114、メモリーカード115、ディスプレイドライバ116、および操作部120を備える。
レンズ101は、対物レンズ、ズームレンズ、およびフォーカスレンズなどで構成される。ズームレンズおよびフォーカスレンズについては、不図示の駆動機構により光軸方向へ駆動される。CCD102は、レンズ101を介して入射される光学画像を結像し、電気信号(アナログ信号)に変換して出力するCCDイメージセンサで構成される。ADC103は、CCD102から出力される電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する機能を有する。
画像処理部104は、前処理部105、YC処理部106、電子ズーム処理部107、圧縮部108、および伸長部109を備え、ADC103から出力されるデジタル信号から画像データを生成し、各種画像処理を行う機能を有する。
前処理部105は、入力される画像データに基づく画像のホワイトバランスを調整するホワイトバランス処理や画像のガンマ補正処理を行う機能を有する。ホワイトバランス処理は、画像の色合いを、実物の色合いに近くなるように調整したり、光源(蛍光灯や太陽光など)に合った適正な色に調整したりする処理である。ガンマ補正処理は、画像のコントラストを調整する処理である。なお、前処理部105は、ホワイトバランス処理およびガンマ補正処理以外の画像処理を実行することも可能である。
YC処理部106は、入力される画像データに基づく画像を、輝度情報「Y」と、輝度信号と青色の色差情報「Cb」と、輝度信号と赤色の色差情報「Cr」とに分離する機能を有する。電子ズーム処理部107は、画像の一部(例えば中央部)を所定の大きさでトリミングし、トリミングした画像を信号処理で元画像の大きさに拡大する機能を有する。電子ズーム処理部107は、例えば、撮影された1600×1200ドットの画像から中央の1024×768ドットの画像を切り出し、データ補間を行いながら1600×1200ドットのサイズに拡大することができる。
圧縮部108は、画像データをJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式などの圧縮形式によって圧縮する機能を有する。伸長部109は、圧縮されている画像データを伸長する機能を有する。例えば、画像データをJPEG方式で圧縮する場合、まず、画像データの高周波成分と低周波成分の割合を数値化する離散コサイン変換処理が行われる(DCT処理)。次に、画像の階調やグラデーションを表現する段階を数値(量子化ビット数)で表現する量子化処理が行われる。最後に、ハフマン符号化処理で画像データが圧縮される。具体的には、画像データの信号文字列が一定のビット毎に区切られ、出現頻度が高い文字列に対してより短い符号が与えてられてゆく。なお、圧縮処理を行わないで画像データを記録する方式の場合は、圧縮部108および伸長部109を省略することができる。また、画像データの圧縮形式は、JPEG方式に限らず、GIF(Graphical Interchange Format)形式などであっても、同様に処理を行うことができる。
コントローラ110は、画像処理部104、バッファメモリ111、フラッシュROM112、I/F回路113、ディスプレイドライバ116、USBドライバ118、および操作部120に接続されている。また、コントローラ110は、機能的な構成として、操作部120からの入力信号に応じて各部を動作制御するための制御信号を出力する制御部(不図示)と、ユーザに関する認証を行う認証部(不図示)とを備える。
制御部は、第1の制御モードと、第2の制御モードとを備える。第1の制御モードは、認証部で正規のユーザであることが認証されていなければ、撮影装置100内で管理されている画像データに対してユーザが要求した制御を行わないように制御するモードである。第2の制御モードは、認証部で正規のユーザであることが認証されていなくても、管理しようとする画像データに対してユーザが要求した制御を行って、画像データを管理するよう制御するモードである。本実施の形態では、第1の制御モードが、後述するプライバシーモードでの閲覧(再生)モードおよび撮影動作モードに相当し、第2の制御モードがプラバシーモード以外での閲覧モードおよび撮影動作モードに相当する。
バッファメモリ111には、画像処理部104において画像処理が行われる際に、一時的に画像データが保存される。フラッシュROM112には、撮影装置100の各種設定情報や、後述するユーザ認証情報が保存される。I/F回路113は、コントローラ110から出力される画像データを、メモリーカード115に記録可能なデータ形式に変換する。また、I/F回路113は、メモリーカード115から読み出された画像データ等を、コントローラ110で処理可能なデータ形式に変換する。
カードホルダ114は、記憶媒体であるメモリーカード115を撮影装置100に着脱可能にする機構を備えると共に、メモリーカード115との間でデータ通信が可能な電気接点を備える。また、カードホルダ114は、撮影装置100で利用される記憶媒体の種類に応じた構造を有する。メモリーカード115は、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子を内蔵し、カードホルダ114に着脱可能なカード型の記憶媒体である。メモリーカード115には、撮影装置100で撮影された画像データを記録することができる。
ディスプレイドライバ116は、コントローラ110から出力される画像データを液晶ディスプレイ117で表示可能な信号に変換する。具体的には、ディスプレイドライバ116は、コントローラ110から出力されるデジタルの画像データをアナログ画像信号に変換する処理を行い、次に画像サイズを液晶ディスプレイ117の表示可能エリアのサイズに適したサイズに変換する処理を行う。
操作部120は、電源スイッチ121、モードダイヤル122、撮影ボタン123、カーソルキー124、ズームボタン125、および閲覧(再生)ボタン126を備え、ユーザからの操作入力を受け付けて、操作内容に応じた信号をコントローラ110に出力する。なお、操作部120には、図示の操作ボタン以外の操作ボタン類も含まれるが、それらの説明は省略する。
モードダイヤル122は、撮影動作のモードを切り替えるための回転可能なダイヤルである。ユーザはモードダイヤル122を回転操作することで、メモリーカード115に保存された画像データに対してアクセス制限を行うことが可能なプライバシーモード(セキュリティモード)やプライバシーモード以外の撮影動作モードを含む複数の撮影動作モードを選択することが可能である。
プライバシーモード以外の撮影動作モードとは、例えば、予め撮影装置100が保持している撮影設定(ホワイトバランスやシャッタースピード等)をユーザに選択しやすく表したAutoモードや夜景モード、或いはユーザが任意に撮影設定を設定することができるマニュアルモードなどである。なお、プライバシーモードでの撮影の際に適用される撮影設定を予め設定することが可能である。例えば、プライバシーモードでの撮影の際の初期設定として、Autoモードと同じ撮影設定で撮影が行えるように設定することが可能である。
閲覧ボタン126は、撮影した画像データを閲覧する閲覧モード(再生モード)に切り替えるためのボタンである。閲覧ボタン126が押下されると、撮影モードから閲覧モードに移行する。なお、閲覧モードへの切替方法については、閲覧ボタン126の押下に限定されず、液晶ディスプレイ117上のタッチパネル(不図示)などによる移行方法であってもよい。
閲覧モードでは、コントローラ110が、I/F回路113を介して、カードホルダ114に装着されているメモリーカード115から設定情報と画像データを読み出す。設定情報は、現在装着されているメモリーカード115に記録されている画像の枚数および記録されている画像データの容量などである。読み出される画像データは、例えば、画像1枚分の画像データまたはサムネイルデータである。なお、メモリーカード115から読み出される画像データは、上述したように所定の圧縮形式で圧縮されている。
メモリーカード115から読み出された画像データは、I/F回路113およびコントローラ110を介して、ディスプレイドライバ116へ入力される。ディスプレイドライバ116は、入力された画像データを液晶ディスプレイ117に表示させる。
カーソルキー124は、ユーザが撮影装置に対する所定の指示や機能選択を行うためのキーである。ユーザは、カーソルキー124により、撮影装置100に対する各種設定情報やユーザ認証情報などの操作入力を行うことができる。また、カーソルキー124により、液晶ディスプレイ117にメニュー画面を表示させたり、撮影装置100が有する所定の機能を選択することができる。さらに、カーソルキー124により、撮影装置100で撮影された画像データを液晶ディスプレイ117上にレビュー表示させることができる。レビュー表示とは、撮影装置100で撮影した画像を、その直後に液晶ディスプレイ117に表示させる機能であり、プラバシーモード時に液晶ディスプレイ117に表示されるレビュー画面の一例を図14に示す。
撮影装置100は、被写体を撮像して画像データを得る撮影モードと当該撮影モードで得た画像データを表示する閲覧(再生)モードとを備える。ユーザは、撮影モード時に、モードダイヤル122を回してプライバシーモードを表すPマークの位置に合わせて撮影を行い、撮影の直後にカーソルキー124を図中の下方向に押下する。すると、コントローラ110は、直前に撮影された画像データを、メモリーカード115内のユーザ固有のプライベートフォルダから取得して、図14に示すレビュー表示画面1201のように、液晶ディスプレイ117上にレビュー表示する。ユーザ固有のプライベートフォルダとは、図6に示すように、ユーザ認証を行った各ユーザに与えられる、通常のフォルダとは区別された一意のフォルダのことである。
図6において、画像データは、Rootフォルダ701に属する通常フォルダ702と、各ユーザのプライベートフォルダA705,B708とにそれぞれ別々に保存される。通常フォルダ702は、ユーザ権限のない人でも自由にアクセスすることができるフォルダである。一方、プライベートフォルダは、ユーザ認証されたユーザのみがアクセスすることができるフォルダである。例えば、ユーザAが、撮影した画像の閲覧を要求した場合、当該ユーザAが撮影装置100にユーザ認証を行って認証が成功した場合、ユーザAは、通常フォルダ702内の画像データ703,704およびユーザA固有のプライベートフォルダA705内の画像データ706,707を閲覧することができる。一方、ユーザ認証を行わなかった場合またはユーザ認証を行って認証が失敗した場合、通常フォルダ702内の画像データ703,704のみを閲覧することができる。
図7は、図6に示す各フォルダに保存された画像データのファイルを管理するための画像データ管理テーブルの内容を示す図である。
図7において、画像データ管理テーブル800に登録される情報には、例えば、ファイル名801、モード802、認証情報803、その他の情報804などがある。ファイル名801欄には、撮影した画像のファイル名が連番で登録される。モード802欄には、撮影した画像が通常のモード(通常モード)で撮影したのか、プライバシーモード(Pモード)で撮影したのかを識別するための識別情報(通常モード、Pモード)が登録される。認証情報803欄には、認証情報として、画像を撮影したユーザ名やパスワード等が登録される。なお、通常のモードで撮影された画像データについては、認証情報803欄には何も登録されない。その他の情報804欄には、画像データの書誌情報が登録される。書誌情報としては、例えば、画像データの解像度やデータサイズ、画像データの保存先などがあるが、これらに限定されるものではない。
図14に戻り、レビュー表示後、再度、カーソルキー124が押下されると、プライバシーモードでの撮影動作モードに戻る。レビュー表示からプライバシーモードでの撮影動作モードに戻る際には、撮影装置100はユーザに対してユーザ認証を要求しないものとする。カーソルキー124が操作されてレビュー表示が指示された場合、コントローラ110は、フラッシュROM112からユーザ認証情報を取得して認証を行う。これにより、レビュー表示毎にユーザに認証情報を入力させる必要がなくなり、操作性や利便性が向上する。
なお、レビュー表示については、液晶ディスプレイ117上に撮影した画像を一枚のみ表示するように構成しているが、これに限定されず、サムネイル画像を含む複数の画像を表示するように構成してもよい。また、レビュー表示の切り替えについては、カーソルキー124の押下に限らず、他のボタンの押下などの一般的な方法を利用して切り替えられる構成にしてもよい。また、レビュー表示画面1201において、レビュー表示画像の削除や編集などが行えるように構成してもよい。
次に、撮影装置100における撮影動作について図1を用いて説明する。
まず、ユーザが電源スイッチ121を操作し、撮影装置100の電源をオンにする。すると、撮影装置100に内蔵されているバッテリー(不図示)から各回路へ電源供給されて、撮影装置100の起動処理(レンズバリアを開く動作制御およびマイクロコンピューターのリセット処理など)が行われる。撮影装置100は、電源OFF時に電源スイッチ121が押下されると電源ONとなり、自動的に撮影モードとなるように構成されている。また、電源OFF時に閲覧ボタンが押下されると電源ONとなり、自動的に閲覧モードとなるように構成されている。
撮影装置100が撮影モードに移行すると、光学画像がレンズ101を介して撮影装置内へ入射し、CCD102に結像される。CCD102は、入射される光学画像を電気信号に変換して、ADC103へ出力する。ADC103は、入力される電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。ADC103から出力されるデジタル信号は画像処理部104に入力される。
画像処理部104内の前処理部105では、入力されるデジタル信号に基づき画像データを生成し、ホワイトバランス処理およびガンマ補正処理などが行われる。画像処理部104内のYC処理部106では、画像データが輝度信号Yと色差信号CrおよびCbとに分離され、色差信号CrおよびCbの情報量を減らす処理が行われる。色差信号CrおよびCbの情報量の削減処理は、例えば、画像の主走査方向の色情報を間引く「4:2:2ダウンサンプリング処理」や、画像の縦横方向の色情報を間引く「4:1:1ダウンサンプリング処理」などがある。なお、前処理部105およびYC処理部106において画像処理を行う際は、画像データを一時的にバッファメモリ111に保存し、随時バッファメモリ111に保存されている画像データを読み出しながら画像処理が行われる。
画像処理部104から出力される画像データ(非圧縮)はコントローラ110に入力される。コントローラ110は、画像処理部104から出力される画像データを、ディスプレイドライバ116へ出力する。ディスプレイドライバ116は、入力される画像データ(デジタル信号)をアナログ画像信号に変換すると共に、アナログ画像信号に基づく画像のサイズを液晶ディスプレイ117で表示可能なサイズに調整する。また、ディスプレイドライバ116は、液晶ディスプレイ117に画像を表示させるよう制御する。このとき、液晶ディスプレイ117に表示される画像は、CCD102、ADC103、および画像処理部104において、連続的に信号処理されて生成される画像(スルー画像)である。
液晶ディスプレイ117にスルー画像が表示されている状態で、ユーザが希望のタイミングで撮影ボタン123を操作すると、コントローラ110は画像処理部104に制御信号を出力する。画像処理部104に制御信号が入力されると、圧縮部108は、前処理部105およびYC処理部106において画像処理された画像データをバッファメモリ111へ保存し、圧縮処理を行う。具体的には、画像データの高周波成分と低周波成分の割合を数値化する離散コサイン変換処理(DCT処理)や、画像の階調やグラデーションを表現する段階を量子化ビット数で表現する量子化処理や、画像データの信号文字列を一定のビット毎に区切り、出現頻度が高い文字列に対して、より短い符号を与えてゆくハフマン符号化処理などが実行される。圧縮された画像データは、コントローラ110およびディスプレイドライバ116を介して液晶ディスプレイ117に表示される。また、圧縮された画像データは、カードホルダ114を介してメモリーカード115に記録される。
撮影ボタン123が操作される前にズームボタン125が操作されると、コントローラ110は光学ズーム処理や電子ズーム処理を実行し、画像の大きさを拡大または縮小させることができる。そして、ズームボタン125の操作後、撮影ボタン123が操作されると、拡大または縮小された画像の画像データがメモリーカード115へ記録される。
図2は、図1の撮影装置100の機能構成を概略的に示すブロック図である。
図2において、撮影装置100は、電源制御部201、ユーザ認証情報入力部202、ユーザ認証情報抽出部203、ユーザ認証制御部204、認証情報照合部205、ユーザ認証情報記憶部206、モード制御部207、フォルダアクセス制御部208、画像データ取得部209、情報(画像等)表示制御部210、フォルダ管理部211、ファイル管理部212、および通信制御部213を備える。
まず、ユーザが電源スイッチ121をONすると、電源制御部201が電源のONを検知する。その後、ユーザがモードダイヤル122を操作して設定したモードをモード制御部207が判定する。
ユーザが撮影した画像データは、設定されたモードに応じて、メモリーカード115内に作成されたフォルダに保存される。例えば、モードダイヤル122でプライバシーモード以外の撮影動作モードが設定された場合、後述する図6に示すように、ユーザが撮影した画像データは通常のフォルダ(通常フォルダ702)に保存される。
一方、モードダイヤル122でプライバシーモードでの撮影動作モードが設定された場合、まず、ユーザ認証制御部204が、ユーザにユーザ認証情報の入力を求める。ユーザは、ユーザ認証情報入力部202を通してユーザ認証情報を入力する。撮影装置100は、例えば、メモリーカード115に設定されたユーザ認証情報記憶部206から登録済のユーザ認証情報を抽出し、ユーザが入力したユーザ認証情報と抽出したユーザ認証情報を照合し、ユーザ認証の可否をユーザに通知する。ユーザ認証情報の抽出については、ユーザ認証情報抽出部203が行い、ユーザ認証情報の照合については、認証情報照合部205が行う。
ユーザ認証情報が登録済のユーザ認証情報と一致した場合、モード制御部207がプライバシーモードとして検知し、フォルダ管理部211はユーザが撮影した画像を取得し、メモリーカード115内のユーザ固有のプライベートフォルダに保存する。一方、ユーザ認証情報が登録済のユーザ認証情報と一致しなかった場合、フォルダ管理部211は通常のモード(プライバシーモード以外の撮影動作モード)として検知し、ユーザが撮影した画像を取得し、メモリーカード115内の通常のフォルダに保存する。フォルダの管理についてはフォルダ管理部211が行い、画像データのファイルの管理についてはファイル管理部212が行う。特に、ファイル管理部212は、後述する図7に示す画像データ管理テーブル800によって画像データのファイルの管理を行っている。
撮影装置100が各フォルダに保存された画像データの閲覧(再生)をユーザから要求された場合、画像データ取得部209が該フォルダから画像データを取得し、情報(画像等)表示制御部210が画像表示を行う。例えば、プライバシーモード以外の撮影動作モードで撮影された画像データの閲覧が要求された場合、通常のフォルダに保存された画像データを画像データ取得部209が取得して、情報(画像等)表示制御部210が画像表示を行う。
プライバシーモードで撮影された画像データの閲覧が要求された場合、フォルダアクセス制御部208は、ユーザ認証結果に応じて、ユーザ固有のプライベートフォルダおよび通常のフォルダ、それらの中に保存されているファイルへのアクセス権限をユーザに与える。
通信制御部213は、撮影装置100が外部の装置(例えば、後述するPC200等)に接続して該装置と通信を行う場合、当該装置と撮影装置100との通信処理を制御する。ここで言う通信処理とは、撮影装置100と外部装置の接続および取り外しの検知、画像データの送受信を含むものである。
次に、撮影装置100における基本的な動作である撮影動作や画像再生動作の処理について図3a及び図3bを用いて説明する。
図3a及び図3bは、撮影装置100における基本的な動作処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理は、コントローラ110が制御プログラムを読み込んで実行することにより成される処理である。
まず、コントローラ110は、ユーザによる操作部120への操作入力(操作イベント)を待つイベント待ちの状態である。ユーザが操作部120を操作すると、コントローラ110はユーザの操作に応じたイベントを取得する(ステップS301)。例えば、電源スイッチ121が押下された場合、電源ONまたはOFFのイベントを取得する。また、モードダイヤル122が回転操作されてモードが切り替えられた場合には、切り替わったモードのモード情報を含むモード切替イベントを取得する。
次に、コントローラ110は、ステップS301で取得した操作イベントが、電源ONの操作イベントか否かを判定する(ステップS302)。この結果、電源ONの操作イベントであると判定した場合(ステップS302でYES)、ステップS311へ進む一方、電源ONの操作イベントでないと判定した場合(ステップS302でNO)、コントローラ110は、電源OFFの操作イベントか否かを判定する(ステップS303)。この結果、電源OFFの操作イベントであると判定した場合は(ステップS303でYES)、ステップS327へ移る。ステップS327へ処理が移った場合、コントローラ110は、フラッシュROM112に保存されていたユーザ認証情報を削除した後、本処理を終了する。
一方、電源OFFの操作イベントでないと判定した場合(ステップS303でNO)、コントローラ110は、電源ONで撮影モード時に、モードダイヤル122の操作により撮影動作モードが切り替えられたか否かを判定する(ステップS304)。ここでは、例えば、現在の状態がプライバシーモードのときに、他の撮影動作モードに切り替えられたか否かが判定される。その結果、撮影動作モードが切り替えられたと判定した場合(ステップS304でYES)、ステップS305へ処理が移る。一方、撮影動作モードが切り替えられていないと判定した場合(ステップS304でNO)、ステップS306へ移る。
ステップS305では、コントローラ110は、フラッシュROM112に保存されていたユーザ認証情報を削除して、ステップS311に進む。
ステップS306では、コントローラ110は、ステップS301で取得した操作イベントが、撮影モード時に一時的に画像データを表示させるレビュー操作イベントか否かを判定する。レビュー操作イベントであると判定した場合(ステップS306でYES)、つまり、画像データをレビュー表示する場合、コントローラ110は、モードダイヤル122の設定がプライバシーモードか否かを判定する(ステップS325)。この結果、プラバシーモードでないと判定した場合(ステップS325でNO)、コントローラ110は、メモリーカード115内の通常フォルダから画像データを取得して(ステップS326)、取得した画像データを液晶ディスプレイ117にレビュー表示する(ステップS310)。
なお、レビュー表示では、撮影装置100が電源ON後に該撮影動作モードで撮影された直前の画像データが存在しない場合、液晶ディスプレイ117上に画像がレビュー表示されず、該撮影動作モードで撮影された画像データが存在しない旨が液晶ディスプレイ117上に表示されるものとする。
ところで、撮影モード時に一時的に画像データを表示させるレビュー操作イベントか否かを判定する。レビュー操作イベントでないと判定した場合(ステップS306でNO)、つまりプライバシーモードでの撮影動作モードのときに、撮影モードから閲覧モードへ切り替えられた場合には、ステップS311へ処理が移る。なお、この場合、ステップS305のユーザ認証情報の削除が行われるものとする。
一方、ステップS325において、モードダイヤル122の設定がプライバシーモードであると判定した場合、コントローラ110は、ユーザ認証情報をフラッシュROM112(内のユーザ認証情報記憶部206)から取得し(ステップS307)、ユーザ認証済であることを確認する(ステップS308)。その後、コントローラ110は、メモリーカード115内のユーザ認証されたユーザに対応するプライベートフォルダから画像データを取得する(ステップS309)。なお、ユーザ認証情報を取得し(ステップS307)、ユーザ認証を確認した(ステップS308)場合は、撮影動作モードがプライバシーモードに設定されている場合である。従って、プライバシーモード以外の撮影動作モードが設定されている場合にはステップS307〜ステップS309の処理を行わず、ステップS326へ処理を移す。
ステップS309の後、コントローラ110は、取得した画像データを液晶ディスプレイ117にレビュー表示する(ステップS310)。レビュー表示される画像は、直前に撮影した画像であって、一枚単位で液晶ディスプレイ117に表示されるものとする。なお、電源OFF時やプライバシーモードでの撮影動作モードから他の撮影動作モードに切り替えられた場合は、ユーザ認証情報が削除されるため、プライバシーモードで直前に撮影した画像データは、レビュー機能が実行(カーソルキー124を操作)されてもレビュー表示されない。なお、プライバシーモードから他の撮影動作モードに切り替えられた場合は、プライバシーモード以外の撮影動作モードで撮影した直近の画像データをレビュー表示するように構成してもよい。
電源ONの操作イベントを取得した場合(ステップS302でYES)またはユーザ認証情報を削除した場合(ステップS305)またはレビュー操作イベントを取得していなかった場合(ステップS306でNO)は、ステップS311に進む。
ステップS311では、コントローラ110は、現在のモードダイヤル122がプライバシーモードであるか否か、すなわち、モードダイヤル122で撮影動作モードがプライバシーモードに設定されているか否かを判定する。この判定の結果、撮影動作モードがプライバシーモードに設定されていないと判定した場合(ステップS311でNO)、ステップS319へ移行する。一方、撮影動作モードがプライバシーモードに設定されていると判定した場合(ステップS311でYES)、新規ユーザ登録処理(ステップS312)に進んだ後、ユーザ認証処理(ステップS313)に進む。なお、新規ユーザでない場合には、ステップS312を省略してステップS313へ移行してもよい。ステップS312,S313における詳細な処理内容については図4にて説明する。
ステップS312の新規ユーザ登録処理が終了した場合およびステップS313のユーザ認証処理が終了して認証に成功した場合、コントローラ110は、ユーザによる操作が、プライバシーモードでの撮影モードか、プライバシーモードでの閲覧モードかを判定する(ステップS314)。この判定の結果、例えば、モードダイヤル122がプライバシーモードに設定され、且つ電源ONになった(ステップS301で電源ONの操作イベントを取得した)場合にはステップS315へ処理が移る。一方、モードダイヤル122がプライバシーモードに設定され、且つ電源ONになった(ステップS301で電源ONの操作イベントを取得した)後、閲覧ボタン126が押下された場合にはステップS318へ処理が移る。
なお、電源OFF時(電源OFFの操作イベントを取得した後)において、モードダイヤル122がプライバシーモードに設定され、且つ電源ONの操作イベントを取得した場合には、自動的にプライバシーモードでの撮影モードになるようにし、ステップS314からステップS315へ処理が移るように構成してもよい。また、電源ON時(電源ONの操作イベントを取得した後)において、撮影モード時に、撮影動作モードがプライバシーモードに切り替えられた場合にも、ステップS314からステップS315へ処理が移るように構成するとよい。
一方、電源OFF時(電源OFFの操作イベントを取得した後)において、モードダイヤル122がプライバシーモードに設定され、且つ閲覧ボタン126が押下された(閲覧ボタン126の操作イベントを取得した)場合には、自動的にプライバシーモードでの閲覧モードになるようにし、ステップS314からステップS318へ処理が移るように構成してもよい。また、電源ON時(電源ONの操作イベントを取得した後)において、閲覧ボタン126が押下されて閲覧モードに切り替わり、撮影動作モードがプライバシーモードに切り替えられた場合は、ステップS318へ処理が移るように構成するとよい。
ステップS315では、コントローラ110は、撮影ボタン123の押下を検知すると、撮影した画像データを取得する。そして、取得した画像データをステップS313で認証されたユーザ固有のプライベートフォルダに保存する(ステップS316)。なお、保存された画像データには、画像データのファイル名や撮影日時、サムネイル画像、フォーカス、ホワイトバランスなどの撮影情報が含まれている。
次に、コントローラ110は、ステップS316で画像データをフォルダに保存した後、撮影した画像データのファイル名801、モード802、認証情報803、その他の情報804等をメモリーカード115内に設定された画像データ管理テーブル800に登録する(ステップS317)。なお、プライベートモードでの撮影の場合、ステップS313で取得された認証情報が認証情報803に登録される。また、保存された画像データには、画像データのファイル名や撮影日時、サムネイル画像、フォーカス、ホワイトバランスなどの撮影情報が含まれている。
本実施の形態における撮影装置100では、プライベートモードで撮影された画像データはプライベートフォルダに保存され、プライベートモード以外の撮影動作モードで撮影された画像データは通常フォルダに保存されるように構成したが、画像データ管理テーブル800を保持して、プライベートモードで撮影された画像データと、プライベートモード以外の撮影動作モードで撮影した画像データとを同一のフォルダに保存して、各画像データを管理するように構成してもよい。
ステップS318では、コントローラ110は、プライバシーモードでの閲覧(再生)処理(P閲覧モード処理)を行う。なお、ステップS318における詳細な処理内容については図5にて説明する。
ステップS319では、コントローラ110は、ユーザによる操作が、プライバシーモード以外の撮影動作モードでの撮影モードか、プライバシーモード以外の撮影動作モードでの閲覧モードかを判定する。この判定の結果、例えば、モードダイヤル122でプライバシーモード以外に設定され、且つ電源ONになった場合にはステップS320へ処理が移る一方、プライバシーモード以外に設定され、且つ閲覧ボタン126が押下された場合にはステップS322へ処理が移る。
ステップS320では、コントローラ110は、撮影ボタン123の押下を検知すると、撮影した画像データを取得する。そして、取得した画像データを通常のフォルダに保存する(ステップS321)。なお、保存された画像データには、画像データのファイル名や撮影日時、サムネイル画像、フォーカス、ホワイトバランスなどの撮影情報が含まれている。
ステップS322では、コントローラ110は、通常のフォルダ内の画像データのみを取得する。そして、取得した画像データを液晶ディスプレイ117に表示する(ステップS323)。
次に、図3aのステップS312,S313におけるユーザ認証処理の詳細について図4を用いて説明する。
図4は、図3aのステップS312,S313におけるユーザ認証処理の詳細を示すフローチャートである。
図4において、コントローラ110は、液晶ディスプレイ117に新規ユーザか登録済ユーザかを選択させる選択画面(不図示)を表示し、ユーザの操作に応じて新規ユーザか登録済みユーザかを判定する(ステップS401)。この判定の結果、新規ユーザでないと判定した場合(ステップS401でNO)、ステップS404へ進む。一方、新規ユーザであると判定した場合(ステップS401でYES)、コントローラ110は、新規ユーザの登録画面(不図示)を表示し、入力された新規ユーザの認証情報の登録を行う(ステップS402)。入力されたユーザ認証情報は、コントローラ110により記憶部(例えば、メモリーカード115)内に記憶される。また、ユーザ認証情報は、フラッシュROM112或いはバッファメモリ111にも記憶される。なお、フラッシュROM112にユーザ認証情報が記憶された場合、電源がOFFされてもユーザ認証情報が消去されないので、電源ON時には自動的に消去するように構成する。
次に、ステップS403では、コントローラ110は、入力されたユーザ認証情報に対応するユーザ固有のプライベートフォルダを作成する。この結果、図6に示すように、プライベートフォルダA705,B708等が作成される。本実施の形態では、作成したフォルダに対してユーザ認証情報を用いたロック(暗号化やパスワード設定)をかけて、ユーザ認証が行われなければフォルダ内部に画像データを取得できない構成となっている。なお、フォルダに対してロックをする構成について例示したが、これに限定されず、画像データに対してユーザ認証情報を用いてロック(暗号化やパスワード設定)をかけて、画像データがユーザ認証なしに表示させないような構成をとることも可能である。
ステップS404では、コントローラ110は、図10に示すようなユーザ認証画面901を表示し、入力されたユーザ認証情報を取得する。
図10において、ユーザは、ユーザ認証画面901上の認証入力部903に、例えばカーソルキー124や液晶ディスプレイ117上のタッチパネル(不図示)を用いて、ユーザ認証情報の入力を行う。なお、ユーザ認証方法については、一般的に利用されている指紋認証やパスワード認証などの一般的な方法を使用してもよい。
次に、ステップS405では、コントローラ110は、ステップS404で取得したユーザ情報と、メモリーカード115等に記憶された登録済のユーザ認証情報とを照合する。この結果、取得したユーザ認証情報が登録済のユーザ認証情報と一致した場合(ステップS405でYES)、ユーザ認証が成功したと判断し、プライバシーモードに移行してリターンする。その際、コントローラ110は、図11(a)に示す画面907のような表示を液晶ディスプレイ117に行う。画面907では、撮影対象物が表示されている画面上にプライバシーモードでの撮影動作モードで撮影が行われていることを示す文字情報905が追加表示される。
一方、取得したユーザ認証情報が登録済のユーザ認証情報と一致しなかった場合(ステップS405でNO)、コントローラ110は、図11(b)に示す画面908のようなユーザ認証エラー表示を液晶ディスプレイ117に行い、ユーザに対して再度ユーザ認証を行うか、ユーザ認証を行わないかを選択させる(ステップS406)。画面908上のYESボタン909が選択された場合、コントローラ110は、再度、ユーザ認証画面901を表示し、認証入力部903に入力されたユーザ認証情報を取得する(ステップS404)。
一方、画面908上のNOボタン910が選択された場合、コントローラ110は、図11(c)に示すような画面911を液晶ディスプレイ117に表示することにより、プライバシーモードから他の撮影動作モードに切り替えるように、モード切替を促すメッセージをユーザに通知する。この通知に応じてユーザがモードダイヤル122を操作してプライバシーモードに切り替えた場合、コントローラ110は、ステップS301に戻り、操作イベントを取得する。なお、この場合、ステップS302でNO、ステップS303でNO、ステップS304でYESと処理を移すが、ユーザ認証情報が記憶されていないので、ステップS305の処理を行わないように構成してもよい。一方、ユーザがモード切替を行わない場合、撮影装置100の電源を切るまで、コントローラ110は、画面911を液晶ディスプレイ117上に表示する。
なお、ステップS406における、ユーザ認証エラー時のYESかNOの選択は、カーソルキー124での選択や液晶ディスプレイ117上でのタッチパネルでの選択などで行われるが、これに限定されるものではない。
次に、図3aのステップS318におけるP閲覧モード処理の詳細について図5を用いて説明する。
図5は、図3aのステップS318におけるP閲覧モード処理の詳細を示すフローチャートである。
図5において、コントローラ110は、プライバシーモード以外の撮影動作モード時に撮影して得られた画像データが記憶されている通常のフォルダから画像データを取得する(ステップS501)。つづいて、コントローラ110は、ステップS313で取得したユーザ認証情報を用いて、ユーザ固有のプライベートフォルダにアクセスして、当該プライベートフォルダから画像データを取得する(ステップS502)。
次に、コントローラ110は、図12(a)や図12(b)に示すように、例えば、取得した画像データが日付の新しい順に並べられたP閲覧モード画面1001を液晶ディスプレイ117に表示する(ステップS503)。例えば、プライベートフォルダA705に対応するユーザ認証情報で認証がされている場合には、通常フォルダ702に保存された画像データとプライベートフォルダA705に保存された画像データが混在させて表示される。
次に、コントローラ110は、液晶ディスプレイ117に表示された画像のうちユーザにより選択された画像に対して削除指示がされたか否かを判定する(ステップS504)。この判定の結果、削除指示がなされなかった場合(ステップS504でNO)は、ステップS506へ移行する一方、削除指示がされた場合(ステップS504でYES)、コントローラ110は、ユーザにより選択された画像データを、当該画像データが保存されているフォルダから削除する(ステップS505)。
ステップS506では、コントローラ110は、選択された画像に対して、フォルダ間での移動、上書き、または複製のいずれかの指示がされたか否かを判定する(ステップS506)。ここで、フォルダ間で行う画像データの「移動」および「削除」について説明する。
本実施の形態において、画像データの移動とは、メモリーカード115に保存された画像データを各フォルダ間で移動、上書き、または複製することを言う。画像データを各フォルダ間で移動する場合、例えば、ユーザがプライバシーモードで撮影して当該ユーザ固有のプライベートフォルダに保存された画像データを、通常のフォルダに移すときに行われる。つまり、画像データの移動は、プライバシーモードで撮影した画像を第三者に自由に閲覧可能にするための機能である。ただし、通常のフォルダ内に同じ画像データが存在しない場合に適用される。
上書きは、異なるフォルダ間で同じ画像データが存在する場合、移動する画像データを元の画像データで置き換える機能である。これは、画像データを異なるフォルダ間で移動や置き換えをしても、撮影日時などの各種データを保持しておくための機能である。
複製は、プライバシーモード以外での撮影動作モードで撮影した画像データを、ユーザ固有のプライベートフォルダに移して、ユーザ固有の画像データとして扱う場合に行われる。これは、通常のフォルダに保存されている画像データを、複数のユーザが利用できるようにするための機能である。ただし、対象の画像データがユーザ固有のプライベートフォルダに存在しない場合に適用される。
画像データの削除とは、ユーザがアクセス可能なフォルダ内の画像データを任意に選択して削除する機能のことである。
次に、画像データの移動および削除方法について図13(a)及び図13(b)を用いて説明する。
図13は、撮影装置100において画像データのフォルダ間移動時または削除時に表示される画面例を示す図であり、(a)は移動/削除のモード選択画面、(b)は選択確認画面を示す。
まず、図12(a)に示すP閲覧モード画面1001等が表示された状態で、ユーザが液晶ディスプレイ117上に表示されている画像データを選択する。画像データの選択方法は、カーソルキー124の操作による選択やタッチパネルを利用した選択などの一般的な方法でよい。ユーザが所望の画像データを選択すると、コントローラ110はユーザが選択した画像データを四角の枠で囲むなどの一般的な方法で選択状態にする。ユーザが画像データを選択すると、コントローラ110は、図13(a)に示すモード選択メニュー画面1108を液晶ディスプレイ117上に表示する。ユーザは、液晶ディスプレイ117上に表示されたモード選択メニュー画面1108から任意のメニュー項目を選択する。本実施の形態では、メニュー項目として、移動ボタン1303と削除ボタン1304が表示されている。
ユーザが所望のメニュー項目を選択すると、図13(b)に示すモード選択確認画面1109を表示して、ユーザに対して最終確認を行う。図示例では、ユーザが選択した画像データを移動する際の画面である。ユーザは、モード選択確認画面1109において、YESボタン1301またはNOボタン1302のどちらかを選択する。なお、確認画面における選択方法については、図示例に限定されず、他の方法を利用してもよい。
ユーザがYESボタン1301を選択した場合、コントローラ110は、プライベートフォルダに保存されていた画像データを通常のフォルダに移動する。同様に、上書きが指示されていた場合には、コントローラ110は上述した方法で画像データの上書きを行い、複製が指示されていた場合には、コントローラ110は上述した方法で画像データの複製を行う。
図5に戻り、ステップS506において、画像データの移動、上書き、または複製のいずれかが選択された場合(ステップS506でYES)、コントローラ110はユーザが選択した画像データに対して、上述した方法で移動、上書き、または複製のいずれかを実行する(ステップS507)。なお、画像データの移動、上書き、及び複製については、所定の制限があるように構成されることが好ましい。例えば、プライベートフォルダA705に対応するユーザ認証情報で認証がされている場合には、通常フォルダ702とプライベートフォルダA705の画像データを表示することが可能であるため、コントローラ110がプライベートフォルダB708には移動、上書き、および複製を含むアクセスを行わせないようにする。言い換えると、移動、上書きおよび複製のいずれも行わせないように制御する。
ここで、プライバシーモードで閲覧モードから撮影モードに切り替えられた場合(例えば、閲覧モード時に閲覧ボタン126が押下された場合)、コントローラ110はモード切替の操作イベントを取得し(図3aのステップS301)、ユーザは再度ユーザ認証を行い(ステップS313)、プライバシーモードでの撮影に移行する。閲覧モードと撮影モードの切り替えについては、ボタン押下などの、一般的な方法を利用して切り替えることを想定している。
図12は、図5のステップS503において液晶ディスプレイ117に表示される画像データの表示例を示す図であり、(a)は画像データのサムネイル表示(サムネイル画像形式表示)画面、(b)は画像データを縮小表示したときの表示(ファイル形式表示)画面を示す。
まず、ユーザは電源スイッチ121をONにして撮影モードにし、モードダイヤル122を回してプライバシーモードに設定し、ユーザ認証を行って、撮影装置100をプライバシーモードの状態にする。この状態において、ユーザが閲覧ボタン126を押下すると、撮影装置100はプライバシーモードでの閲覧モードに移行する。
プライバシーモードでの閲覧モードに移行すると、図12(a)に示すように、コントローラ110は、メモリーカード115内のすべての画像データを液晶ディスプレイ117上に表示する。画像の表示方法については、公知の拡大表示やサムネイル画像表示などの一般的な方法であってよい。プライバシーモードでの閲覧モードの場合、ユーザがプライベートモードで閲覧していることを認識できるように、P閲覧モード画面1001上に文字情報1003が追加表示される。また、プライバシーモードで撮影された画像データ(プライベートフォルダから取得した画像データ)のサムネイル画像1004は、通常フォルダから取得した画像データのサムネイル画像1002と識別可能に表示してもよい。識別可能にする場合は、サムネイル画像の色を変更してもよいし、サムネイル画像の上に例えば「P」という表示を行ってもよい。
ユーザが再度、閲覧ボタン126を押下すると、コントローラ110はモード切り替えの操作イベントを取得し(図3aのステップS301)、プライバシー撮影モードや通常のモードに移行する。
一方、撮影装置100がプライバシーモードでの閲覧モードに移行した際に、図12(b)に示すように、画像データを最小表示(ファイル形式表示)してもよい。画像データの縮小表示(または拡大表示)する方法については、不図示の縮小(または拡大)ダイヤルにより行われるものとする。例えば、図12(a)に示すサムネイル画像表示から一段階縮小した表示を行う場合、図12(b)に示すファイル形式で表示してもよい。ファイル形式表示とは、画像データのファイルをアイコンとその画像データのファイル名で、液晶ディスプレイ117上に表示するものである。
プライバシーモードでファイル形式表示する場合、液晶ディスプレイ117上に表示される画像データのアイコンや名称については、撮影時のモードに応じて変更するのが好ましい。例えば、図12(b)では、プライバシーモード以外のモードで撮影した画像データ1101を白色の表示とし、プライバシーモードで撮影した画像データ1104を灰色の表示とし、液晶ディスプレイ117上の上側に白色の画像データ1101を横に列挙し、下側に灰色の画像データ1104を横に列挙するように構成する場合が考えられる。なお、画像データのアイコンや名称の表示方法は、上述した構成に限定されず、他の方法であってもよいことは云うまでもない。
上記実施形態によれば、閲覧させたくないユーザにプライバシーモードで撮影した画像データを閲覧させないように制御することが可能であり、撮影された画像を閲覧制限を行う画像と閲覧制限を行わない画像とを分けて保存管理することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施の形態に係る撮影システムは、上記第1の実施形態で説明した図1の撮影装置100と、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置とで構成されている。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る撮影システムの概略構成を示すブロック図である。なお、以下に説明する図に関し、上記第1の実施の形態と同様の部分については、同一の符号を用いてその説明を省略する。また、図8のシステムに接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは云うまでもない。
図8において、情報処理装置(以下、単に「PC」と称する)200は、本体装置220と、不図示のキーボード(KB)やマウス等のポインティングデバイス(PD)を含む操作入力部(KB/PD)137と、CRTや液晶等から成るディスプレイ138と、外部メモリ(HD、FD)139とを備える。そして、本体装置220は、CPU128と、RAM129と、ROM130と、システムバス131と、入力コントローラ132と、ビデオコントローラ133と、メモリコントローラ134と、通信I/Fコントローラ135と、USBポート136とを備える。
CPU128は、システムバス131に接続される各デバイスや各コントローラを統括的に制御する。ROM130または外部メモリ139には、CPU128の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、「OS」と称する)や、PC200が有する機能を実現するために必要な各種プログラム(例えば、ブラウザソフトウエア等)や各種データ(フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル等)が記憶されている。
RAM129は、CPU128の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU128は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM129にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。外部メモリ139は、ハードディスク(HD)またはフロッピー(登録商標)ディスク(FD)で構成されるが、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等で構成されていてもよい。
入力コントローラ132は、KB/PD137からの操作入力を制御する。ビデオコントローラ133は、ディスプレイ138への表示を制御する。メモリコントローラ134は、外部メモリ139へのアクセスを制御する。通信I/Fコントローラ135は、不図示のネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
USBポート136は、撮影装置100を含むデジタルカメラなどの外部装置と接続するためのインターフェースであり、USBケーブル141を用いて接続することが可能である。USBケーブル141を介してUSBポート136に撮影装置100が接続されると、CPU128が接続を検知して、該撮影装置100から画像データを取得(転送)することができる。なお、撮影装置100とPC200との間の画像データの転送方式については、USB方式だけでなく、赤外線通信方式やBluetooth方式を用いることも可能である。
なお、CPU128は、例えば、RAM129内の表示情報用領域へ、アウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ138上での表示を可能としている。また、CPU128は、ディスプレイ138上の図示していないマウスカーソル等でのユーザからの指示受付を可能とする。
本発明を実現するためのプログラムは外部メモリ139に記憶されており、必要に応じてRAM129にロードされることにより、CPU128によって実行される。また、該プログラムが用いる各種データおよび各種情報テーブルも同様に、外部メモリ139に記憶されている。
次に、撮影装置100及びPC200間の画像データの管理方法について図9aおよび図9bを用いて説明する。
図9aおよび図9bは、撮影装置100及びPC200間の画像データの管理方法の一例を示すフローチャートである。
図9aにおいて、電源がON状態の撮影装置100とPC200とがUSBケーブル141を介して接続されると(ステップS601)、PC200(内のCPU128)は撮影装置100の接続を検知して(ステップS602)、撮影装置用のアプリケーションを起動し(ステップS603)、撮影装置100に対して、該撮影装置内に記憶されている画像データのサムネイル画像データの送信を要求する(ステップS604)。
撮影装置100(内のコントローラ110)は、PC200からのサムネイル画像データの送信要求を受信すると(ステップS605)、モードダイヤル122のモード状態(設定状態)がプライバシー(P)モードか否かを判定する(ステップS606)。具体的には、モードダイヤル122が図10に示す状態にあるかが判定される。
ステップS606において、撮影装置100は、モードダイヤル122が図10に示すPモードの状態であると判定した場合(ステップS606でYES)、ステップS607へ進む。ステップS607では、撮影装置100は、図4のステップS404と同様に、フラッシュROM112に記憶されているユーザ認証情報を取得し(ステップS607)、図4のステップS405と同様に、取得したユーザ認証情報が登録済のユーザ認証情報と一致するか否かを判定する(ステップS608)。この結果、取得したユーザ認証情報が登録済のユーザ認証情報と一致する場合(ステップS608でYES)、撮影装置100は、そのユーザ認証情報でロックされているプライベート(P)フォルダ(ユーザ認証情報に対応するプライベートフォルダ)内の画像データの撮影情報からサムネイル画像データを取得する(ステップS609)。つづいて、撮影装置100は、通常のフォルダ内の画像データの撮影情報からサムネイル画像データを取得して(ステップS610)、ステップS612へ進む。
一方、ステップS606において、撮影装置100は、モードダイヤル122のモード状態がPモード以外の撮影動作モードであると判定した場合(ステップS606でNO)、ステップS611へ進む。ステップS611では、撮影装置100は、通常のフォルダ内の画像データの撮影情報からサムネイル画像データを取得して(ステップS611)、ステップS612へ進む。
ステップS612では、撮影装置100は、上述したステップS609,S610またはステップS611で取得したサムネイル画像データを図12(a)または図12(b)に示すような形式で液晶ディスプレイ117に表示すると共に、該サムネイル画像データをPC200に送信する(ステップS612)。
PC200は、撮影装置100から送信されたサムネイル画像データを受信し(ステップS613)、受信したサムネイル画像をディスプレイ138に表示する(ステップS614)。表示されたサムネイル画像からユーザにより任意の画像が選択されると、PC200は撮影装置100に対して選択画像データの送信要求(例えば、ファイル名の送信)を行う(ステップS615)。なお、サムネイル画像における画像の選択方法については、全画像の選択や任意の画像の選択などの一般的な方法が使用されるものとする。
撮影装置100は、PC200からの選択画像データの送信要求を受信すると(ステップS616)、例えば、受信したファイル名に対応する画像データを通常フォルダまたはPフォルダから取得して、PC200に送信する(ステップS617)。
PC200は、撮影装置100から送信された画像データを受信し(ステップS618)、受信した画像データをディスプレイ138に表示すると共に、外部メモリ139に記憶する(ステップS619)。その後、PC200は、撮影装置用のアプリケーションを終了し、撮影装置100とPC200の接続を解除して、本処理を終了する。
上記処理において、撮影装置100がPC200に接続された場合、画像データのサムネイル画像をPC200に表示するか、或いはPC200に取り込む際に、Pモードになっているか否かおよび/またはユーザ認証がされているか否かを判定することで、閲覧させたくないユーザにプライバシーモードで撮影した画像データを閲覧させないように制御することが可能である。この結果、撮影装置100におけるセキュリティモードの設定に応じて、閲覧制限を行う画像と閲覧制限を行わない画像とを分けて情報処理装置に送信することができる。
なお、これら図6〜図12に示すフォルダやファイルなどのディレクトリ構成、画像データ管理テーブル800、ユーザ認証方法や画像データの表示方法、その内容は限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードおよび該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、前述した実施形態の機能が実現可能な構成としては次の場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。