JP2012049416A - シリコン系薄膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコン系薄膜の製造方法に関して、低ダメージで高品質な薄膜を大面積に均一に得られる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、シリコン系薄膜の製造の際に使用されるシリコン原料のガスのシリコン原子数に対して、0.01%以上1%以下の原子数のゲルマニウムを含むガスを同時に同一空間内に存在させることを特徴とするシリコン系薄膜の製造方法である。好ましくは、前記シリコン系薄膜が非晶質であることを特徴とし、好ましくは、原料ガスがプラズマ放電により分解されることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、シリコン系薄膜の製造方法に関する。
非晶質シリコンに代表されるシリコン系薄膜は、薄膜太陽電池やTFTなど産業上幅広い用途で用いられており、製造コストを低減させるべく大面積での製膜技術が実現している。特に化学気相堆積法(CVD法)による製膜が最も一般的に用いられており、CVD法ではシリコンを含む原料ガスを減圧下で製膜室内に導入し、原料ガスにエネルギーを与えることで原料ガスを分解し、被製膜基体上で化学反応により膜を形成・堆積する。原料ガスの分解に用いられるエネルギーには、熱エネルギー、電気的エネルギー、光エネルギーなどが用いられる。その中でも高周波電力を用い、グロー放電を起こし、ラジカルの温度を上げず低温で膜形成が可能なプラズマ励起CVD法(PECVD法)が産業上その生産性から最も広く用いられている。
生産性の観点から、より大面積の基体へ高い製膜速度でシリコン系薄膜を形成することが望ましいが、大面積に均一に高速で製膜するためには高い高周波電力が必要となり、膜中に未結合手などの欠陥を多数生じさせるなど、膜の光学的・電気的特性を低下させる原因となっていた。特に少数キャリアの寿命が特性に大きく影響する薄膜太陽電池においては、大きな問題となっている。
特許文献1には、VHF帯、あるいはマイクロ波帯の高周波を用いることで、高品質なシリコン系薄膜を形成する方法が開示されている。しかしながら、均一に形成するためには設備が複雑になり、また特に非晶質シリコン薄膜などの比較的に低パワー密度で形成する膜の品質は不十分であった。
また特許文献2には非晶質シリコンに0.1から10原子%の割合でゲルマニウムを含有させた層を熱処理及びアニール処理により結晶化させ、それをエッチングにより薄くすることで結晶成長の種となる層を形成し、その上に非晶質シリコンを形成しその後の結晶化処理を容易にすることで、高品質な多結晶シリコン膜を形成する方法が開示されているが、この方法ではゲルマニウムを含む膜自体は、特に少数キャリアの寿命の観点から熱処理を酸化雰囲気で行い、またエッチング工程などのダメージにより、必ずしも高品質な膜ではなかった。
特許第4219121号 特開2003−115457
本発明は、低ダメージで高品質な薄膜を大面積に均一に得られるシリコン系薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明はシリコン系薄膜の製造方法であって、該シリコン系薄膜の製造の際に使用されるシリコン原料のガスのシリコン原子数に対して、0.01%以上1%以下の原子数のゲルマニウムを含むガスを同時に同一空間内に存在させることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜が非晶質であることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜の製造方法において、原料ガスがプラズマ放電により分解されることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記プラズマ放電のパワー密度が0.2mW/cm以上10mW/cm以下であることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜の製造方法において、シリコン原料のガスがモノシランを主として含むことを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜の製造方法において、ゲルマニウムを含むガスがモノゲルマンを主として含むことを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜が1200cm以上のサイズの基体上に形成されることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜が光電変換層に用いられることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜が被製膜基体の温度が100℃以上300℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、該シリコン系薄膜の製造の際に使用されるシリコン原料のガスのシリコン原子数に対して、0.01%以上1%以下の原子数のゲルマニウムを含むガスを同時に同一空間内に存在させることで、ゲルマニウムを含むガスが分解される際の励起エネルギーを用いて、シリコン原料のガスを分解する際の放電トリガーとなり、低パワー密度で放電を維持することが出来るようになり、形成されるシリコン系薄膜がダメージの少ない高品質なものとなる。また膜中へ含まれるゲルマニウムの量は微量であるため、シリコン系薄膜の膜物性に悪影響を与えない。これらの効果により本発明のシリコン系薄膜の製造方法を用いることで、高品質なシリコン系薄膜を得ることが出来る。
本発明の実施の形態による光電変換装置1である。 実施例1の膜厚分布である。 比較例2の膜厚分布である。 比較例3の膜厚分布である。 本発明の実施の形態による集積化光電変換装置1の断面模式図である。 本発明の実施の形態による集積化光電変換装置1の平面模式図である。
以下において本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお本願の各図において、厚さや長さなどの寸法関係については図面の明瞭化と簡略化のため適宜変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。また、各図において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表している。
本発明の実施の形態による光電変換装置1の各構成要素について図1を参照し説明する。なお、当該実施形態は、本発明のシリコン系薄膜の製造方法を用いて形成されたシリコン系薄膜を光電変換装置中の光電変換層に用いた場合の実施形態となる。
透明絶縁基板2としては、例えば、ガラス板や透明樹脂フィルムなどを用いることができる。例えばガラス板としては、大面積な板が安価に入手可能で、透明性・絶縁性が高い、SiO、NaO及びCaOを主成分とする、両主面が平滑なソーダライム板ガラスを用いることができる。この透明絶縁基板の一方の主面に、透明導電膜3および各光電変換ユニット等が積層され、他方の主面側から入射された太陽光等の光が光電変換される。また透明絶縁基板2の光入射側の主面には、反射防止効果を奏するために、微小な凹凸構造を有したり、シリカなどを主成分とする微粒子を塗布したり、あるいはMgFなどの低屈折率材料をコーティングすることもできる。また他方の透明導電膜3側の主面も微小なランダム凹凸構造を有したり、シリカなどを主成分とする微粒子を塗布したり、あるいはシリコン窒化物などをコーティングすることもできる。
透明導電膜3は、ITO(酸化インジウム・スズ)、SnOあるいは酸化亜鉛(以下、ZnOともいう)等の導電性金属酸化物から形成されることが好ましく、CVD、スパッタ、蒸着、電着、塗布等の方法を用いて形成されることが好ましい。透明導電膜3はその表面に微小なランダム凹凸構造を有することにより、入射光の散乱を増大させる効果を発現することもできる。また透明導電膜3が平坦な透明絶縁基板2上に形成される際は、必ずその表面に微小なランダム凹凸構造が現れるような形成方法が用いられる。
光電変換ユニット4は、光電変換層である光電変換半導体層42、並びに導電型層であるp型半導体層41およびn型半導体層41を備えており、透明導電膜3側からp型半導体層41、光電変換半導体層42及びn型半導体層43を順次積層した構造を有する。また、透明導電膜3側からn型半導体層43、光電変換半導体層42及びp型半導体層41を順次積層した構造を有する場合もある。p型半導体層41及びn型半導体層43は、例えばCVD、スパッタ、蒸着、溶液成長、塗布法あるいはそれらの複合法等により形成することができる。
p型半導体層41は、例えば、シリコン、シリコンカーバイド、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコンゲルマニウム等のシリコン合金に、ボロンやアルミニウム等のp導電型決定不純物原子をドープすることにより形成することができる。n型半導体43は、シリコン、シリコンカーバイド、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコンゲルマニウム等のシリコン合金に、燐や窒素等のn導電型決定不純物原子をドープすることにより形成することができる。
p型半導体層41あるいはn型半導体層43が光吸収によるロスが問題にならない程度に十分薄くかつ透明絶縁基板2と平行方向に十分な導電率を有している場合、透明導電膜3を介さず直に透明絶縁基板2上に形成することができる。また、その際、透明絶縁基板2上にシリコン窒化物などの絶縁物からなる薄膜を、p型半導体層41あるいはn型半導体43を形成する前に形成する場合もある。いずれにせよこの際、p型半導体層41あるいはn型半導体層43の膜厚は5nm〜500nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmの範囲である。また導電率は、好ましくは10S/cm以上10S/cm以下、より好ましくは10S/cm以上10S/cm以下の範囲である。この範囲の導電率を有することにより、導電型層である41あるいは43は光電変換半導体層42内に光電変換作用により発生した電子と正孔を分離収集するために必要な拡散電位を生じさせるためだけではなく、収集した電子あるいは正孔を透明絶縁基板2に平行な方向へ導電させることが可能となり、電極としても使用可能となる。
これら光電変換ユニット4の光電変換層である光電変換半導体層42は、シリコン系薄膜で形成することができる。シリコン系薄膜はシリコンを主成分とし、更に炭素やゲルマニウムあるいは酸素や窒素などを含んでもよく、いずれも非晶質及び結晶質共に用いることができる。なお、ここで使用する用語「結晶質」は、多結晶及び微結晶を包含するものである。また、用語「多結晶」及び「微結晶」は、部分的に非晶質を含むものをも意味するものとする。
本発明のシリコン系薄膜の製造方法は、特に光電変換半導体層42形成の際に用いられる。シリコン系薄膜からなる光電変換半導体層42の品質は少数キャリアのライフタイムに大きく依存することはよく知られているが、ライフタイムを短くする大きな要因は未結合手などの欠陥であり、これら欠陥を減らすことが光電変換特性の改善につながる。シリコン系薄膜からなる光電変換半導体層42を高品質で大面積に均一に形成するために、平行平板型のPECVD法を用いることが出来る。PECVD法によるシリコン系薄膜からなる光電変換半導体層42の製造においては、シリコン原料としてシリコンを含む無機化合物、例えばモノシラン、ジシラン、ジクロルシランなどが用いられ、あるいは有機化合物、例えばテトラメチルシラン、テトラエチルシランなどが用いられる。また必要に応じて水素やヘリウムあるいはアルゴンなどの希釈ガスを同時に用いることも出来る。大面積に均一にPECVDによるシリコン系薄膜を形成するためには、被製膜基体と電極の間に面内分布が小さく均一な放電を維持する必要があり、そのためには高いプラズマ放電のパワー密度が必要とされるが、高いパワー密度により生じたプラズマは高エネルギーのラジカルあるいはイオンを多く含むこととなり、シリコン系薄膜形成時に膜へダメージを与え、あるいはイオンの取り込みによる未結合手の増加につながるなど、光電変換特性を低下させる原因となる。そこで本発明のシリコン系薄膜の製造方法は、先述の高いパワー密度による光電変換特性の低下を改善するため、原料ガスのシリコン原子数に対して、0.01%以上1%以下の原子数のゲルマニウムを含むガスを同時に同一空間内に存在させることを特徴とする。ゲルマニウムを含むガスとしては、モノゲルマンあるいはジゲルマンなどを用いることが出来る。ゲルマニウムを含むガスの結合エネルギーはシリコンを含むガスと比較して小さいため、低エネルギーで分解が可能となり、そのように低パワーで分解されたゲルマニウムを含むラジカルあるいはイオンのエネルギーがシリコンを含むガスの分解を促進し、低エネルギーでシリコンを含むガスのプラズマ放電を実現できる。0.01%未満ではゲルマニウムの量が不十分で効果が十分に得られず、また1%より大きければシリコンゲルマニウム合金成分により物性に大きな変化が現れ、更にゲルマニウムは原子量の大きい比較的に重い元素であるため、ゲルマニウムラジカルあるいはイオンによる膜へのダメージも無視できない量になってくる。
また、シリコン系薄膜からなる光電変換半導体層42が非晶質の際に本発明の効果はより顕著に現れ、その際の面内に均一にプラズマ放電を維持するために必要なパワー密度がゲルマニウムを含むガスを用いない場合と比較して低下させることが可能となり、具体的には0.2mW/cm以上10mW/cm以下であることが好ましい。またシリコン系薄膜からなる光電変換半導体層42は十分な光電変換作用を得るために10nm以上2000nm以下の膜厚を有することが好ましく、更に好ましくは十分な内部電界を維持するために50nm以上400nm以下であることが好ましい。また、シリコン系薄膜からなる光電変換半導体層42はその生産性及び被製膜基体の熱に対する耐性から温度が100℃以上300℃以下で形成されることが好ましい。またラジカルの膜表面でのマイグレーションによる再配置や水素脱離の問題から更に好ましくは150℃以上250℃以下である。
以上のように形成された光電変換ユニット4に、裏面電極膜5を形成することで、薄膜光電変換装置が製造される。裏面電極膜5は電極としての機能を有するだけでなく、透明絶縁基板2から光電変換ユニット4に入射し裏面電極膜5に到着した光を反射して光電変換ユニット4内に再入射させる反射層としての機能も有している。裏面電極膜5は、銀やアルミニウム等を用いて、蒸着法やスパッタリング法等により、例えば200nm〜400nm程度の厚さに形成することができる。
なお、裏面電極膜5と光電変換ユニット4との間には、例えば両者の間の接着性を向上させるために、ZnOのような非金属材料からなる透明電導性薄膜を設けることができる。
以下に、本発明による光電変換装置として実施例1、2,3、4及び5を、図を参照しつつ、比較例と比較しながら説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り以下の記載例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42の単層を形成した。360×465×4mmのサイズの白板ガラスから成る透明絶縁基板2を400×500mmの電極サイズを有する平行平板型PECVD装置の製膜室に0.01Pa以下の真空状態で導入し、透明絶縁基板2を200℃に加熱された基板ステージに静置し10分間加熱を行った。このとき透明絶縁基板2の基板ステージと逆側の主面上の温度は面内で190±5℃に収まっていることは熱電対、あるいは到達温度検出用シールにより事前に確認されている。製膜室中に、モノシランガスを100sccm、水素ガスを1slm、1%に水素希釈されたモノゲルマンガスを10sccm導入し、300Paに圧力をコントロールした後、5Wの13.56MHzの高周波電力にて放電した。この際モノゲルマンはモノシランに対して0.1%であり、パワー密度は2.5mW/cmである。そのまま40分間放電を維持し、透明絶縁基板2の一主面上に非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42の単層を形成した。
上記により得られた非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42の単層は目視で均一であり、また分光エリプソメトリーによる膜厚測定を13点実施し膜厚分布を計測した。図2に示す膜厚分布を有しており標準偏差/平均値が3.8%という非常に均一な膜を得ることが出来た。
(比較例1)
実施例1の非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42に対して、モノゲルマンを用いず、他は全て同条件で高周波電力を投入したところ、5Wでは放電を維持することが出来なかった。
(比較例2)
実施例1の非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42に対して、モノゲルマンを用いず、また高周波電力を30Wとし、放電は10分間維持して、その他は同一条件とした。30Wでは均一に放電を維持することが可能であり、図3に示すように比較的に均一な膜厚分布となった(標準偏差/平均値:7.2%)。製膜速度は実施例1の4倍程度の速度となった。
(比較例3)
実施例1の非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42に対して、モノシランガスを100sccm、水素ガスを0.5slm、1%に水素希釈されたモノゲルマンガスを500sccm導入し、その他は同一条件とした。この際、モノゲルマンはモノシランに対して5%である。均一な放電を維持することが可能であり、図4に示すように比較的に均一な膜厚分布となった(標準偏差/平均値:5.7%)。製膜速度は実施例1の1.2倍程度の速度となった。
(実施例2)
図1、図5、図6を参照して説明された実施の形態に対応して、実施例2として光電変換装置1を形成した。360×465×4mmのサイズの白板ガラスから成る透明絶縁基板2の一主面上に、1.5μmの膜厚を有するZnOからなる透明導電膜3を熱CVD法により形成した。ZnOからなる透明導電膜3はその表面に微小なランダム凹凸構造を有しており、電子顕微鏡観察により高低差が200〜400nmであり、該凸部の頂点同士の距離が200〜600nmであった。また原子間力顕微鏡観察により、ZnOからなる透明導電膜3の凹凸の表面面積比が65%であった。またC光源を用いた透過率は88%であり、4端子法によるシート抵抗は16Ω/□であった。
集積型光電変換装置を作製するため、レーザー加工機により、8.9mm間隔で幅約80μmでZnOが除去された透明導電膜分離溝61を形成した。
次に、光電変換ユニット4を形成するために、透明導電膜分離溝61が設けられた透明導電膜3が形成された透明絶縁基板2をPECVD装置内に導入し、200℃の基板ステージ温度で加熱し安定させた後、この透明導電膜3の上に、反応ガスとしてシラン、水素、ジボラン及びメタンを用いp型非晶質シリコンカーバイド41を15nmの膜厚で形成した。次に実施例1と同条件で非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42を240nm形成し、その後反応ガスとしてシラン、水素及びホスフィンを導入しn型結晶質シリコン層43を設定膜厚で20nm形成し、これにより光電変換ユニット41を形成した。
なお、光電変換ユニット4の各層の設定膜厚は以下のように決定した。つまり、実施例1と同様、図4の光電変換装置1のものとは別の白板ガラス基板2上に各層をそれぞれ単層で300nm〜400nm程度形成し、それぞれを分光エリプソメトリーから膜厚を算出し、その膜厚から形成速度を一定として形成速度を算出した。以上のようにして得られた各層の形成速度が透明導電膜3上や透明導電膜3上に形成された他の膜上に形成される場合も変化せず一定であるとして形成時間より設定膜厚を決定した。
光電変換ユニット4形成後、幅約60μmのシリコン分離溝62をレーザー加工機により、透明導電膜分離溝61から100μm程度離れたところに平行に形成した。
さらに、透明反射層51として、スパッタ法にてZnO層51を90nm形成後、同じくスパッタ法にて金属電極膜である裏面反射層52としてAg層52を200nm形成し、金属電極膜を含む裏面電極膜5を形成した。
裏面電極膜5形成後、幅約60μmのメタル分離溝63をレーザー加工機により、シリコン分離溝62から100μm程度離れたところに平行に形成した。最後に周囲を分離するために、基板の両短辺から内側に20mmの所及び両長辺から内側に17mmの所にそれぞれ短辺あるいは長辺と平行に絶縁溝7を形成した。絶縁溝7は透明導電膜3、光電変換ユニット4、裏面電極膜5が全て除去されている。最後に両端にリード線8をつけることにより、集積型の光電変換装置1が形成された。この際の光電変換装置1のサイズは1674cm(実際の分離溝を含む発電面積は1370cm)である。
以上のようにして得られた実施例2の光電変換装置1にAM1.5の光を100mW/cmの光量で照射して光電変換特性を測定したところ、開放電圧(Voc)が41.5V、短絡電流(Isc)が0.4973A、曲線因子(F.F.)が0.726、そして初期出力が15.0Wであった。
更に、非晶質シリコンは光劣化特性を有するため、50℃でAM1.5の光を100mW/cmの光量で500時間照射し、再度光電変換特性を測定した。なお、途中の200時間、400時間での結果から500時間で十分特性は安定化したとみなし、500時間後の出力を安定化後出力と呼ぶ。光電変換特性の結果は、開放電圧(Voc)が40.7V、短絡電流(Isc)が0.4909A、曲線因子(F.F.)が0.663、そして安定化後出力が13.3Wであり、安定化後出力を初期出力で割った値である保持率は0.882と高い値を示した。表1の実施例2にこれらの値を示す。
Figure 2012049416
(比較例4)
モノゲルマンを約0.1%含む実施例1の光電変換半導体層を含む実施例2の光電変換装置1の構造に対して、モノゲルマンを含まない比較例2と同条件で非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42を240nm形成し、その他はすべて実施例2と同様にした。
この時の比較例4の光電変換装置1に初期の光電変換特性を測定したところ、開放電圧(Voc)が42.9V、短絡電流(Isc)が0.4607、曲線因子(F.F.)が0.714、そして初期出力が14.1Wであった。また安定化後の光電変換特性の結果は、開放電圧(Voc)が41.7V、短絡電流(Isc)が0.4419A、曲線因子(F.F.)が0.622、そして安定化後出力が11.5Wであり、保持率は0.812であった。表1の比較例4にこれらの値を示す。
比較例4では実施例2に比べて、非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42製膜時の高周波電力が高いため、光学的バンドギャップが大きくなっていると思われ、初期で開放電圧が高く、短絡電流が低めとなっている。初期出力も実施例2と比較して低い値となっているが、安定化後は更に差が大きくなっており、特に曲線因子の差が大きく、曲線因子は膜中欠陥などが多くなるほど低下するため、比較例4の光電変換半導体層42は実施例2と比較して大幅に品質で劣るといえる。
(比較例5)
モノゲルマンを約0.1%含む実施例1の光電変換半導体層を含む実施例2の光電変換装置1の構造に対して、モノゲルマンを約5%含む実施例1の光電変換半導体層を含む比較例3と同条件で非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42を240nm形成し、その他はすべて実施例2と同様にした。
この時の比較例5の光電変換装置1に初期の光電変換特性を測定したところ、開放電圧(Voc)が39.6V、短絡電流(Isc)が0.5289、曲線因子(F.F.)が0.696、そして初期出力が14.6Wであった。また安定化後の光電変換特性の結果は、開放電圧(Voc)が38.6V、短絡電流(Isc)が0.5066A、曲線因子(F.F.)が0.627、そして安定化後出力が12.3Wであり、保持率は0.841であった。表1の比較例5にこれらの値を示す。
比較例5では実施例2に比べて、非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42製膜時のモノゲルマンの流量が多いため、非晶質シリコンゲルマニウムの成分が多くなり光学的バンドギャップが小さくなっていると思われ、初期で開放電圧が低く、短絡電流が高めとなっている。初期出力も実施例2と比較して低い値となっているが、安定化後は更に差が大きくなっており、特に曲線因子の差が大きく、曲線因子は膜中欠陥などが多くなるほど低下するため、比較例5の光電変換半導体層42は実施例2と比較して大幅に品質で劣るといえる。
1 光電変換装置
2 透明絶縁基板
3 透明導電膜
4 光電変換ユニット
41 p型半導体層
42 光電変換半導体層
43 n型半導体層
5 裏面電極膜
51 透明反射層
52 裏面反射層
6 分離溝
61 透明導電膜分離溝
62 シリコン分離溝
63 メタル分離溝
7 絶縁溝
8 リード線

Claims (9)

  1. シリコン系薄膜の製造方法であって、該シリコン系薄膜の製造の際に使用されるシリコン原料のガスのシリコン原子数に対して、0.01%以上1%以下の原子数のゲルマニウムを含むガスを同時に同一空間内に存在させることを特徴とするシリコン系薄膜の製造方法。
  2. 前記シリコン系薄膜が非晶質であることを特徴とする請求項1記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  3. 前記シリコン系薄膜の製造方法において、原料ガスがプラズマ放電により分解されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  4. 前記プラズマ放電のパワー密度が0.2mW/cm2以上10mW/cm2以下であることを特徴とする請求項3に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  5. 前記シリコン系薄膜の製造方法において、シリコン原料のガスがモノシランを主として含むことを特徴とする請求項1から4に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  6. 前記シリコン系薄膜の製造方法において、ゲルマニウムを含むガスがモノゲルマンを主として含むことを特徴とする請求項1から4に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  7. 前記シリコン系薄膜が1200cm2以上のサイズの基体上に形成されることを特徴とする請求項1に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  8. 前記シリコン系薄膜が光電変換層に用いられることを特徴とする請求項1に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  9. 前記シリコン系薄膜が被製膜基体の温度が100℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
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