JP2012238713A - シリコン系薄膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコン系薄膜の製造方法に関して、大面積の基板を用いた場合においても、高品質かつ均一な薄膜を得られる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 少なくとも、高周波電極と、該高周波電極と対向して配置される基板と、該高周波電極と対向して配置され、かつ、該基板を保持するホルダとを含み、プラズマCVD装置を使用するシリコン系薄膜の製造方法であって、
該高周波電極面と該ホルダ面との距離(E/H)、および該高周波電極面と該ホルダに保持された基板の面との距離(E/S)の差D=(E/S)−(E/H)が、
2mm以上4mm以下であり、かつ該距離(E/S)が、5mm以上10mm以下であることを特徴とするシリコン系薄膜の製造方法である。好ましくは該シリコン系薄膜が非晶質シリコン系薄膜であることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、シリコン系薄膜の製造方法に関する。
シリコン系薄膜は、薄膜太陽電池やTFTなど産業上幅広い用途で用いられており、製造コストを低減させるべく大面積での製膜技術が実現している。特に化学気相堆積法(CVD法)による製膜が最も一般的に用いられており、CVD法ではシリコンを含む原料ガスを減圧下で製膜室内に導入し、原料ガスにエネルギーを与えることで原料ガスを分解し、被製膜基体上で化学反応により膜を形成・堆積する。原料ガスの分解に用いられるエネルギーには、熱エネルギー、電気的エネルギー、光エネルギーなどが用いられる。その中でも高周波電力を用い、グロー放電を起こし、ラジカルの温度を上げず低温で膜形成が可能なプラズマ励起CVD法(PECVD法)が産業上その生産性から最も広く用いられている。
プラズマ励起CVD装置は、基板搬送用のホルダを必要とするか否かによっても2つに大別できる。基板搬送用ホルダを有する容量結合型プラズマCVD装置の内部は、直径0.2〜1mm程度の穴が多数開いたシャワープレートと呼ばれるガスを噴出する高周波電極と、それに対抗する面に基板と基板を保持するホルダから構成されるのが一般的である。図3に一般的な基板搬送用ホルダの模式的断面図を示す。ホルダ10は、基板11の外形よりもやや大きめの内形状を有するステンレスやアルミ製の外枠13からなり、この外枠13には基板11の表面を支持する段部14が一定の厚みで設けられている。ホルダ10使用時には、この段部14に基板11を設置し、基板11の裏面を支持するために基板上に押さえ板12を設置する。基板11の押さえ板12側の反対側の面は、開口しており、基板製膜面7とされる。また、押さえ板12を外枠13に保持するために、例えば、押さえ板12を保持するように、固定部材15が外枠にネジで固定されている。
図4に、特許文献1に記載されているホルダの模式断面図を示す。最大サイズのガラス基板の外形よりもやや大きめの内形状をもつ開口部を有するステンレスやアルミニウム製の方形の外枠13と、この外枠13に嵌めはずしが可能な補助枠部材16とからなる。この外枠13の開口部の全内周にわたって、最大サイズの基板を支持するための段部14が、一定の厚みで設けられている。一方、補助枠部材16にも基板を支持するための補助枠部材段部17が一定の厚みで設けられており、補助枠部材16の大きさの範囲内で単数または複数の基板11を支持することができる。特許文献1では、このような構成とすることにより基板サイズの変更に要する工数を大幅に減らし、安価でかつ簡単に部品交換できる旨が記載されている。
ところで、シリコン系薄膜を薄膜太陽電池への適用する場合、シリコン系薄膜の光学的・電気的特性は非常に重要であり、特に少数キャリアの寿命が特性に大きく影響することは一般的によく知られている。また、生産性の観点から、より大面積の基板上に、高い製膜速度でシリコン系薄膜を形成することが望ましいが、大面積の基板上に、均一かつ高速で製膜するためには高い高周波電力が必要となり、このような高い高周波電力で製膜した場合、膜中に未結合手などの欠陥を多数生じさせるなどの問題がある。
このような課題を解決する手段として、比較的高い圧力下(低真空)で、高周波電極面と基板面の距離を短くし、比較的低い高周波電力を用いて製膜する方法が知られており、この方法により膜中欠陥の少ない高品質な膜を、高い製膜速度で得ることが出来る。
一方、図3や図4のように、ホルダ10は、基板11の外縁を厚み方向に支持するための段部14または段部17が絶対的に必要であるため、ホルダ10が基板11を支持する段部14または段部17の厚み分だけ基板製膜面7とホルダ表面8に段差ができてしまう。高周波電極とホルダ表面8との距離(以降、「E/H」と称す)と高周波電極と基板製膜面7との距離(以降、「E/S」と称す)が異なる。
このような高周波電極面とホルダに保持された基板の面との距離(E/S)と、高周波電極面とホルダ面との距離(E/H)との差D=(E/S)−(E/H)として、一般的にD=1.5mm程度の厚みのものが用いられており、特に1000cm程度もしくはそれ以上の大面積の基板を用いる場合、重量の観点から基板を安定的に保持するために必要な厚みと考えられる。
上記のように段差がある場合、前述の通り、膜質を向上させるためにE/Sの狭い製膜条件にするにつれて、E/SとE/Hの解離割合が大きくなり、高周波電極とホルダ10の間の一部分でのみプラズマが発生するという傾向がある。つまり、E/Sの狭い領域で基板全面に高品質な膜を製膜するという点で課題がある。
ここで「E/SとE/Hの解離割合」とは、E/Sの狭い領域にするにつれて、段部14の厚みの影響が大きくなることを意味する。
上記の点を解決するべく、特許文献2においては、基板製膜面7とホルダ表面8が略同一平面に配置されるような構造の新ホルダ20が開示されている(特許文献2:図5および図6)。ここで「略同一平面に配置される」とは、平面と平面とが±1mm以内の間隔で配置される状態のことをいう。基板製膜面7とホルダ表面8が略同一平面上、すなわちD=0mm以上1mm以下の新ホルダ20を用いた場合、E/Sの狭い領域においてもE/SとE/Hの解離割合が小さく、高品質な膜を製造することができる。
しかしながら、新ホルダ20は基板を横から保持する機構のため、特に基板サイズが大きくなればなるほど、温度による変形や基板自体の重量などを考慮し精度の高い複雑な機構が必要となり、製造にかかる費用が大きくなるという問題があった。
特許第3747580号公報 特開2007−184505号公報
以上のことに鑑み本発明者が検討を行った結果、E/Sが狭い領域において、高品質かつ均一な薄膜を得られるシリコン系薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、Dを、通常より厚いD=2mm〜4mmと敢えてすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下に関する。
少なくとも、高周波電極と、該高周波電極と対向して配置される基板と、該高周波電極と対向して配置され、かつ、該基板を保持するホルダとを含み、プラズマCVD装置を使用するシリコン系薄膜の製造方法であって、
該高周波電極面と該ホルダ面との距離(E/H)、および該高周波電極面と該ホルダに保持された基板の面との距離(E/S)の差D=(E/S)−(E/H)が、
2mm以上4mm以下であり、かつ前記距離(E/S)が、5mm以上10mm以下であることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜の製造方法において、プラズマ放電のパワー密度が5mW/cm以上50mW/cm以下であり、かつプラズマ放電時の圧力が500Pa以上3000Pa以下であることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜の製造方法において、シリコン系薄膜が非晶質シリコン系薄膜であることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜の製造方法において、前記基板のサイズが1200cm以上であることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜が光電変換半導体層に用いられることを特徴とする。
好ましい実施形態は、前記シリコン系薄膜の製膜温度が100℃以上300℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高周波電極面とホルダに保持された基板の面との距離(E/S)と、高周波電極面とホルダ面との距離(E/H)との差D=(E/S)−(E/H)を2mm以上4mm以下とすることにより、E/Sが5mm以上10mm以下といった狭い領域においても、基板面内に均一にシリコン系薄膜が製造できるようになり、結果として比較的速い製膜速度で高品質なシリコン系薄膜を得ることが出来る。
本発明の実施の形態による光電変換装置1である。 本発明の実施の形態による集積化光電変換装置1の断面模式図である。 従来ホルダの模式的断面図1及び高周波電極との配置図である。 従来ホルダの模式的断面図2である。 新規ホルダの模式的断面図1である。 新規ホルダの模式的断面図2である。 実施例1の膜厚分布である。 比較例1の膜厚分布である。 本発明の実施の形態による集積化光電変換装置1の平面模式図である。
以下において本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお本願の各図において、厚さや長さなどの寸法関係については図面の明瞭化と簡略化のため適宜変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。また、各図において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表している。
本発明の実施の形態による光電変換装置1の各構成要素について図1を参照し説明する。なお、当該実施形態は、本発明のシリコン系薄膜の製造方法を用いて形成されたシリコン系薄膜を、光電変換装置中の光電変換層に用いた場合の実施形態となる。
透明絶縁基板2としては、例えば、ガラス板や透明樹脂フィルムなどを用いることができる。例えばガラス板としては、大面積な板が安価に入手可能で、透明性・絶縁性が高い、SiO、NaO及びCaOを主成分とする、両主面が平滑なソーダライム板ガラスを用いることができる。この透明絶縁基板2の一方の主面に、透明導電膜3および各光電変換ユニット等が積層され、他方の主面側から入射された太陽光等の光が光電変換される。また透明絶縁基板2の他方の主面側、すなわち光入射側の主面には、反射防止効果を奏するために、微小な凹凸構造を有したり、シリカなどを主成分とする微粒子を塗布したり、あるいはMgFなどの低屈折率材料をコーティングすることもできる。
また一方の主面側、すなわち透明導電膜3側の主面にも、微小なランダム凹凸構造を有したり、シリカなどを主成分とする微粒子を塗布したり、あるいはシリコン窒化物などをコーティングすることもできる。
透明導電膜3は、ITO(酸化インジウム・スズ)、SnOあるいは酸化亜鉛(以下、ZnOともいう)等の導電性金属酸化物から形成されることが好ましく、CVD、スパッタ、蒸着、電着、塗布等の方法を用いて形成されることが好ましい。透明導電膜3はその表面に微小なランダム凹凸構造を有することにより、入射光の散乱を増大させる効果を発現することもできる。また透明導電膜3が平坦な透明絶縁基板2上に形成される際は、必ずその表面に微小なランダム凹凸構造が現れるような形成方法が用いられる。この際、該凹凸構造の凹凸差は、光の散乱による光閉じ込めの観点から50〜800nmが好ましく、良好な光電変換ユニットの形成の観点から100〜500nmがより好ましい。
また透明導電膜3は透明性が高ければ高いほどよく、透明絶縁基板2を含めた透明導電膜3の、波長600nmにおける透過率は75%以上が好ましく、より好ましくは85%以上である。
更に、透明導電膜3は電極としての役割を果たすため電気抵抗は低いほどよく、透明絶縁基板2を含めた透明導電膜3の、膜面内の抵抗性を表すシート抵抗は30Ω/□以下が好ましく、20Ω/□がより好ましい。
光電変換ユニット4は、光電変換層である光電変換半導体層42、並びに導電型層であるp型半導体層41およびn型半導体層43を備えており、透明導電膜3側からp型半導体層41、光電変換半導体層42及びn型半導体層43を順次積層した構造を有する。また、透明導電膜3側からn型半導体層43、光電変換半導体層42及びp型半導体層41を順次積層した構造を有する場合もある。p型半導体層41及びn型半導体層43は、例えばCVD、スパッタ、蒸着、溶液成長、塗布法あるいはそれらの複合法等により形成することができる。
p型半導体層41は、例えば、シリコン、シリコンカーバイド、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコンゲルマニウム等のシリコン合金に、ボロンやアルミニウム等のp導電型決定不純物原子をドープすることにより形成することができる。n型半導体層43は、シリコン、シリコンカーバイド、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはシリコンゲルマニウム等のシリコン合金に、燐や窒素等のn導電型決定不純物原子をドープすることにより形成することができる。
導電型層であるp型半導体層41および/またはn型半導体層43は、光電変換半導体層42内に光電変換作用により発生した正孔及び電子をそれぞれp型半導体層41及びn型半導体層43に分離収集するために必要な拡散電位を生じさせる役割を担うが、収集された正孔あるいは電子は、それぞれ透明導電膜3あるいは裏面電極膜5へそれぞれ移動する。このため、p型半導体層41および/またはn型半導体層43は必ずしも高い導電性を必要とせず、光吸収によるロスを低減するためには十分な拡散電位が形成可能で、かつ透明導電膜3あるいは裏面電極膜5と十分な電気的接合が形成できることが好ましい。従って、p型半導体層41および/またはn型半導体層43の膜厚は、できる限り薄いほうがよく、2nm〜20nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは5nm〜15nmの範囲である。
またp型半導体層41および/またはn型半導体層43の導電率は、好ましくは10−4S/cm以上10S/cm以下、より好ましくは10−2S/cm以上10S/cm以下の範囲である。
p型半導体層41あるいはn型半導体層43が光吸収によるロスが問題にならない程度に十分薄くかつ透明絶縁基板2と平行方向に十分な導電率を有している場合、透明導電膜3を介さず直に透明絶縁基板2上に形成することができる。また、その際、p型半導体層41あるいはn型半導体43を形成する前に、透明絶縁基板2上にシリコン窒化物などの絶縁物からなる薄膜を形成する場合もある。いずれにせよこの際、p型半導体層41および/またはn型半導体層43の膜厚は5nm〜500nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmの範囲である。
またp型半導体層41および/またはn型半導体層43の導電率は、好ましくは10S/cm以上10S/cm以下、より好ましくは10S/cm以上10S/cm以下の範囲である。この範囲の導電率を有することにより、導電型層であるp型半導体層41あるいはn型半導体層43は、光電変換半導体層42内に光電変換作用により発生した正孔及び電子をそれぞれp型半導体層41及びn型半導体層43に分離収集するために必要な拡散電位を生じさせるためだけではなく、分離収集した電子あるいは正孔を透明絶縁基板2に平行な方向へ導電させることが可能となり、電極としても使用可能となる。
これら光電変換ユニット4の光電変換層である光電変換半導体層42としては、シリコン系薄膜を用いることができる。シリコン系薄膜はシリコンを主成分とするものであり、シリコン以外に更に炭素やゲルマニウムあるいは酸素や窒素などを含んでもよい。中でも、太陽光スペクトルとの材料的な光学吸収係数の観点から、シリコンを主成分とし、ゲルマニウムを含むシリコン系薄膜を用いることが好ましい。
当該シリコン系薄膜としては、非晶質または/及び結晶質を用いることができる。ここで、「シリコンを主成分とする」とは、シリコン系薄膜のうち、シリコンを50atom%より多く含有することを意味し、好ましくは70atom%以上、より好ましくは85atom%以上含有する。
また、ここで使用する用語「結晶質」は、多結晶及び微結晶を包含するものであり、用語「多結晶」及び「微結晶」は、部分的に非晶質を含むものをも意味するものとする。
なお、本発明においては、シリコン系薄膜形成前にホルダに配置したものを「基板」という。すなわち透明導電膜3上にシリコン系薄膜を形成する場合は透明導電膜3までのもの、また透明絶縁基板2上にシリコン系薄膜を形成する場合は透明絶縁基板2までのものを「基板」という。
本発明のシリコン系薄膜の製造方法は、光電変換ユニット4の形成、中でも特に光電変換半導体層42形成の際に用いられる。
光電変換半導体層42の品質は、少数キャリアのライフタイムに大きく依存することはよく知られているが、ライフタイムを短くする大きな要因は未結合手などの欠陥であり、これら欠陥を減らすことが光電変換特性の改善につながる。光電変換半導体層42を、大面積の基板上に高品質かつ均一に形成するために、例えばCVD法を用いることができ、中でも平行平板型のPECVD法を用いることが好ましい。PECVD法による光電変換半導体層42の製造においては、シリコン原料としてシリコンを含む無機化合物、例えばモノシラン、ジシラン、ジクロルシランなどが用いられ、あるいは有機化合物、例えばテトラメチルシラン、テトラエチルシランなどが用いられる。また必要に応じて水素やヘリウムあるいはアルゴンなどの希釈ガスを同時に用いることも出来る。
本発明において特徴となるホルダ10を、図5を用いて説明するが、これに限定されるものではない。
ホルダ10は、基板11の外縁を厚み方向に支持するための段部14を有しており、高周波電極面とホルダに保持された基板製膜面7との距離(E/S)と、高周波電極面とホルダ表面8との距離(E/H)との差D=(E/S)−(E/H)は2mm以上4mm以下の値を有する。ここで、本発明における「ホルダ表面」には上記段部を含み、上記距離(E/H)は、高周波電極面と段部の表面との距離を意味する。
なお、上記段部が高周波電極面と平行な表面のみからなる場合は、上記距離(E/H)は、段部の表面と高周波電極面との距離を意味し、上記段部が高周波電極面と平行な表面のみからならない場合、すなわち段部が丸みを帯びた形状等の場合は、高周波電極面と段部の最小値を意味する。また、上記「段部」は、基板の四辺全体に形成されていても良く、基板の一部のみを保持するもの(クリップ状)であっても良いが、より高品質で均一な膜を製膜するためには、基板の四辺全体に形成されたものであることが好ましい。
本発明によれば、D=(E/S)−(E/H)を2mm以上4mm以下とすることにより、E/S=5mm以上10mm以下といった狭い領域においても、基板面内に均一にシリコン系薄膜が製造できるようになる。これにより結果として、一般的なD=1.5mmのものより均一で、比較的速い製膜速度でより高品質なシリコン系薄膜を略同一平面上のものより設備的な観点から安定的に得ることが出来る。
また、一般的なDの厚み(D=1.5mm程度)より十分厚いため、小面積の基板だけでなく、大面積の基板を用いた場合も、基板を安定的に保持することが十分可能となる。
ここで、Dが大きいほど、高周波電極とホルダとの間でインピーダンスのマッチングが著しく困難になるため、ホルダ表面8でのプラズマ放電を防ぐことができ、一方、高周波電極とホルダに保持された基板の面との間では、インピーダンスのマッチングが容易となり、基板面との間でプラズマ放電が起こりやすくなる。そのため、基板に再現性よくシリコン系薄膜を形成できる。しかしながら、重量や搬送上の干渉など設備的観点から、本発明においてはDを4mm以下としたホルダを用いる。
本発明においては、基板製膜面7と高周波電極表面との距離であるE/Sが、5mm以上10mm以下であることを特徴とする。D=2mm以上4mm以下であり、かつE/S=5mm以上10mm以下とすることで、ホルダ表面8でプラズマ放電が発生せず、基板製膜面7でのみプラズマ放電を発生させることが期待できる。これは、E/Sの距離を上記範囲とすることで、基板製膜面7とホルダ表面8では、高周波電極表面との距離の割合が大きく異なり、安定的にプラズマ放電が起こる条件が大きく異なるためと考えられる。
上記より、低パワー密度・高圧条件による膜中への低ダメージ化によるシリコン系薄膜の高品質化が期待できる。中でも、膜の均一性及び設備的な安定性の観点から6mm以上9mm以下がより好ましい。
本発明において、高周波電力、すなわちプラズマ放電のパワー密度は比較的低いことが好ましく、またプラズマ放電時の圧力は比較的高いことが好ましい。具体的には、プラズマ放電のパワー密度が5mW/cm以上50mW/cm以下、かつプラズマ放電時の圧力が500Pa以上3000Pa以下であるような条件で製膜することが好ましい。
D=2mm以上4mm以下、かつE/S=5mm以上10mm以下の条件下において、パワー密度および圧力を上記範囲とすることで、さらにホルダ表面8ではプラズマ放電が発生しにくくなり、逆に基板製膜面7では安定的にプラズマ放電が起こりやすいようになる。
一方、D=2mm未満、かつE/S=5mm以上10mm以下の条件下においては、上記範囲のパワー密度および圧力で製膜した場合、ホルダ面上でプラズマ放電がおきやすい状態となり、上記パワー密度では基板面までプラズマ放電を広げるためにはパワー密度が低すぎるために基板上で均一な膜が形成されなくなってしまう。従って、均一な膜を形成するため、パワー密度を50mW/cmより大きく、好ましくは70mW/cm以上にする必要がある。
以上のことから、本発明においては、これまでより均一な膜が得られると考えられてきたD=2mm未満のものよりも、さらに高品質かつ均一な膜を製造することが可能となる。
ここでプラズマによる原料ガスの分解時にイオン種やラジカル種が発生し、このようなイオン種やラジカル種のうちの一部(例えばSiHラジカルなど)が膜中欠陥に大きな悪影響を及ぼすことが知られている。しかしながら、パワー密度を低くすることで、上記悪影響を及ぼすイオン種やラジカル種の発生を抑制可能となり、高品質な膜の形成が可能となる。この点から、パワー密度は50mW/cm以下が好ましい。
また、プラズマの放電開始及びプラズマの放電を維持するための電子の供給不足などを防ぐ観点から、5mW/cm以上が好ましい。
さらにプラズマ放電時の圧力が高いほど、原料ガスからプラズマにより分解されたイオン種やラジカル種の密度が多くなるため、それぞれが有する運動エネルギーが小さくなり、形成途上の膜への衝突ダメージによる原始欠損や未結合手の発生を抑制することが可能となる。従って、プラズマ放電時の圧力は500Pa以上が好ましい。
また、圧力が高すぎると、プラズマ中でのイオン種やラジカル種同士の衝突確率が上昇し、このようなイオン種やラジカル種のうちの一部が衝突することでポリシランなどの副生成物がプラズマ中に発生する。このような副生成物が膜中に取り込まれることで欠陥となり、膜質の低下を招くことが懸念される。従って、このような膜質の低下などを防ぐ観点から、圧力は高すぎないことが好ましく、中でも3000Pa以下がより好ましい。
これは「パッシェンの法則」と呼ばれる、圧力とE/SあるいはE/Hとの関係から説明可能であり、圧力とそれら距離の最適値をE/SとE/Hでずれを敢えて生じさせている状態である。
段部14の形状としては、特に制限はなく、図5のように基板に対して垂直であってもよく、また図6にあるように、段部14が傾斜を有し、基板製膜面7とホルダ表面8の段差がなだらかに変化するような構造でもよく、こうすることで段部でのプラズマ放電をより安定させることが出来る。
なお、プラズマ放電開始時には、再現性よくパワーを発生させるため、一時的にトリガーとも言われる2倍から10倍程度の高いパワー密度をかけ、その後パワー密度を下げて安定化させることが一般的であるため、放電開始時におけるプラズマ放電のパワー密度は、50mW/cmより大きくても構わない。なお本発明で規定するプラズマ放電のパワー密度は、トリガーのパワー密度は除外したパワー密度を用いるものとする。
本発明における光電変換半導体層42としては、特に限定されないが、非晶質シリコン系薄膜を用いることが好ましい。
非晶質のシリコン系薄膜を用いることにより、本発明の効果がより顕著に現れる。
なぜならば、非晶質シリコン系薄膜は代表的な欠陥となるシリコン原子の未結合手の膜中密度が大きくなればなるほど光電変換特性に悪影響を及ぼすことが知られており、プラズマ放電のパワー密度が高いほどそれら欠陥の増加が顕著になる。従って、本発明の製造方法で製膜することにより、低いパワー密度で高品質の薄膜を製膜できるためである。
本発明における基板のサイズとしては、1200cm以上であることが好ましい。1200cm以上とすることで、ホルダと基板の境界部分の僅かな不均一な影響が割合的に小さくなり、品質向上の効果がさらに期待できる。
また光電変換半導体層42は、十分な光電変換作用を得るために10nm以上2000nm以下の膜厚を有することが好ましく、十分な内部電界を維持するために50nm以上400nm以下であることがより好ましい。
光電変換半導体層42は、その生産性及び被製膜基板の熱に対する耐性から、100℃以上300℃以下の温度で形成されることが好ましい。またラジカルの膜表面でのマイグレーションによる再配置の観点から150℃以上がより好ましく、上記水素脱離を防ぐ観点から250℃以下がより好ましい。上記のようにして、光電変換ユニット4を形成することができる。
また本発明における光電変換ユニット4は、一つの光電変換ユニットから形成してもよく、複数の光電変換ユニットから形成してもよい。上記複数の光電変換ユニットから形成する場合、非晶質光電変換ユニット/微結晶光電変換ユニット、非晶質光電変換ユニット/非晶質光電変換ユニット、更には非晶質光電変換ユニット/非晶質光電変換ユニット/微結晶光電変換ユニットなどの場合が考えられる。この際、光吸収の最適化の観点から、それぞれ光入射側から順に、光電変換半導体層のバンドギャップあるいは光学的バンドギャップが大きいものから順に形成することが好ましい。
以上のように形成された光電変換ユニット4上に、裏面電極膜5を形成することで、薄膜光電変換装置が製造される。
裏面電極膜5は電極としての機能を有するだけでなく、透明絶縁基板2から光電変換ユニット4に入射し裏面電極膜5に到着した光を反射して光電変換ユニット4内に再入射させる反射層としての機能も有する裏面反射層52を有する。裏面反射層52としては、銀やアルミニウム等を用いることが好ましく、蒸着法やスパッタリング法等により、例えば200nm〜400nm程度の厚さに形成することができる。
また裏面電極膜5としては、裏面反射層52以外に透明反射層51を用いることもできる。この場合、透明反射層51は裏面反射層52と光電変換ユニット4との間に形成することが好ましく、透明反射層51として例えばZnOのような非金属材料からなる透明電導性薄膜を設けることができる。このような透明反射層51を形成することにより、裏面反射層52と光電変換ユニット4との接着性を向上させることができる。
本発明における上記光電変換装置としては、集積型光電変換装置を用いることができる。ここで、「集積型光電変換装置」とは、以下に示すように、複数個の光電変換装置を直列に接続したものを意味する。
上記集積型光電変換装置は、図2に示すように透明導電膜3に透明導電膜分離溝61を形成後、光電変換ユニット4を形成し、それに引き続きシリコン分離溝62を形成しその後、裏面電極膜5を形成したのちメタル分離溝63を形成することで形成され、各光電変換装置が直列に接続された構造を有する。なお各分離溝6は例えばYAGやYVOを用いたパルスレーザーなどで掃引することにより作製できる。
特に大面積な光電変換装置を用いる場合、裏面電極膜5や透明導電膜3での抵抗損の影響を最小限とすることができるため好ましい。
以下に、本発明による光電変換装置として実施例1、2を、図を参照しつつ、比較例と比較しながら説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り以下の記載例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1としては、光電変換ユニット4として、非晶質シリコンを主成分とする光電変換半導体層42の単層を形成した。
360×465×4mmのサイズの白板ガラスから成る透明絶縁基板2を、図5で示されるホルダ10に保持して縦型PECVD装置内(電極サイズ:400×500mm)に導入し、ランプヒーターにより190℃±10℃に加熱後、輻射熱型のヒーターにより温度を保持し安定させた。この際、基板は図5に示される構造のホルダに保持されており、E/Sは9mmであり、E/Hは6mmであった(D=3mm)。ただし上記E/S、E/Hは各々5点測定した平均であり、E/Sの最大値は9.2mm、最小値は8.8mm、またE/Hの最大値は6.2mm、最小値は5.8mmであった。
このとき透明絶縁基板2の基板ステージと逆側の主面(すなわち光電変換ユニット4の製膜面と逆側の主面)上の温度は、熱電対、あるいは到達温度検出用シールにより面内で190±10℃であることを事前に確認した。製膜室中に、モノシランガスを100sccm、水素ガスを10slm、10%に水素希釈されたモノゲルマンガスを100sccm導入し、900Paに圧力をコントロールした。その後、13.56MHz、300Wの高周波電力でトリガーパワーを導入してプラズマ放電を開始し、放電開始後5秒以内に80Wまでパワーを低下させた。この際パワー密度は40mW/cmであった。そのまま40分間放電を維持し、透明絶縁基板2の一主面上に光電変換半導体層42として非晶質シリコンゲルマニウム(ゲルマニウムの含有量:8atom%)の単層を形成した。
なお、このときの基板サイズは1674cmであった。
上記により得られた光電変換半導体層42の単層は目視で均一であった。また分光エリプソメトリーによる膜厚測定を13点実施し膜厚分布を計測したところ、図7に示す膜厚分布を有しており、標準偏差を平均値で割った値、すなわち標準偏差/平均値=6.0%という均一な膜を得ることが出来た。
(比較例1)
E/Hを7.8mm(D=1.2mm)とした以外は、全て実施例1と同条件で製膜を行ったところ、図8に示すように、周辺部のみの放電となり、基板のほとんどに膜が付かない結果となった。なお上記E/S、E/Hは各々5点測定した平均であり、E/Hの最大値は8.0mm、最小値は7.6mmであった。
以上のように、実施例1で均一な膜を得ることができたのに対し、比較例1で基板に膜がほとんど形成されなかった。これは、実施例1ではD=3mmであるため、ホルダ表面へのプラズマ放電が起こらず、基板表面のみでプラズマ放電が起こったのに対し、比較例1ではDの値がD=1.2mmと小さく、比較的低いパワー密度(40mW/cm)で製膜したため、ホルダ表面でのプラズマ放電が優先され、基板表面でプラズマ放電が起こらなかったと考えられる。
(実施例2)
図1、図2、図5、図9を参照して説明された実施の形態に対応して、実施例2として光電変換装置1を形成した。
360×465×4mmのサイズの白板ガラスから成る透明絶縁基板2の一主面上に、1.0μmの膜厚を有するSnOからなる透明導電膜3を熱CVD法により形成した。SnOからなる透明導電膜3はその表面に微小なランダム凹凸構造を有しており、電子顕微鏡観察により高低差が200〜400nmであり、該凸部の頂点同士の距離が200〜600nmであった。また原子間力顕微鏡観察により、SnOからなる透明導電膜3の凹凸の表面面積比が35%であった。またC光源を用いた透過率は88%であり、4端子法によるシート抵抗は12Ω/□であった。
集積型光電変換装置を作製するため、レーザー加工機により、8.9mm間隔で幅約80μmでSnOが除去された透明導電膜分離溝61を形成した。
次に、光電変換ユニット4を形成するために、上記透明導電膜分離溝61が設けられた基板を図5で示されるホルダ10に保持して縦型PECVD装置内に導入した。その後、ランプヒーターにより190℃±10℃に加熱し、輻射熱型のヒーターにより温度を保持し安定させた後、上記透明導電膜3の上に、反応ガスとしてシラン、水素、ジボラン及びメタンを用いp型非晶質シリコンカーバイド41を15nmの膜厚で形成した。次に、実施例1と同条件で光電変換半導体層42として非晶質シリコンゲルマニウム(ゲルマニウムの含有量:8atom%)を100nm形成し、その後反応ガスとしてシラン、水素及びホスフィンを導入しn型結晶質シリコン層43を膜厚で20nm形成し、これにより光電変換ユニット4を形成した。
なお、光電変換ユニット4を形成する各層の膜厚は以下のように決定した。
(1)実施例1と同様、白板ガラス基板2上に各層をそれぞれ単層で300nm〜400nm程度形成した。
(2)分光エリプソメトリーより、各層の膜厚を算出した。
(3)(2)にて算出した膜厚から、各層の形成速度を一定であると仮定して形成速度を算出した。
(4)上記各層の形成速度が、透明導電膜3上や、透明導電膜3上に形成された他の膜上に形成される場合も変化せず一定であると仮定して、形成時間より設定膜厚を決定した。
光電変換ユニット4形成後、幅約60μmのシリコン分離溝62をレーザー加工機により、透明導電膜分離溝61から100μm程度離れたところに平行に形成した。さらに、透明反射層51として、スパッタ法にてZnO層51を90nm形成後、同じくスパッタ法にて裏面反射層52として金属電極膜であるAg層52を200nm形成し、金属電極膜を含む裏面電極膜5を形成した。
裏面電極膜5形成後、幅約60μmのメタル分離溝63をレーザー加工機により、シリコン分離溝62から100μm程度離れたところに平行に形成した。最後に周囲を分離するために、図9にあるように基板の両短辺から内側に20mmの所及び両長辺から内側に17mmの所にそれぞれ短辺あるいは長辺と平行に絶縁溝18を形成した。絶縁溝18は透明導電膜3、光電変換ユニット4、裏面電極膜5が全て除去されている。最後に両端にリード線19をつけることにより、集積型の光電変換装置1を形成した。この際の光電変換装置1の基板のサイズは1674cm(実際の分離溝を含む発電面積は1370cm)であった。
以上のようにして得られた実施例2の光電変換装置1にAM1.5の光を100mW/cmの光量で照射して光電変換特性を測定したところ、開放電圧(Voc)が38.2V、短絡電流(Isc)が0.5408A、曲線因子(F.F.)が0.702、そして初期出力が14.5Wであった。なお、「初期出力」とは、光照射開始直後の出力であって、少なくとも上記光量条件下あるいは太陽光など比較的に強い光に10分以上曝露されていない状況下における出力を意味する。
更に、光電変換半導体層42として用いた非晶質シリコンゲルマニウムは光劣化特性を有するため、50℃でAM1.5の光を100mW/cmの光量で500時間照射し、再度光電変換特性を測定した。なお、照射途中の200時間、400時間での結果から、光電変換特性は500時間で十分安定化したとみなした。なお、500時間後の出力を「安定化後出力」と呼ぶ。
光電変換特性の結果は、開放電圧(Voc)が36.8V、短絡電流(Isc)が0.5283A、曲線因子(F.F.)が0.642、そして安定化後出力が12.5Wであり、安定化後出力を初期出力で割った値である保持率(=安定化後出力/初期出力)は0.859と高い値を示した。表1の実施例2にこれらの値を示す。
(比較例2)
実施例2の光電変換装置1の構造に対して、E/Sが9mmであり、E/Hが7.8mmである(D=1.2mm)、図4で示される通常のホルダ10を用い、光電変換半導体層42製膜時13.56MHz、300Wの高周波電力でトリガーパワーを導入しプラズマ放電を開始し、放電開始後5秒以内に150Wまでパワーを低下させ、その状態にて100nm形成した。この際パワー密度は75mW/cmであった。その他はすべて実施例2と同様にした。なお上記E/S、E/Hは各々5点測定した平均であり、E/Hの最大値は8.0mm、最小値は7.6mmであった。
比較例2では、基板上に膜厚分布が比較的均一(±10%)な膜が形成された。
この時の比較例2の光電変換装置1に初期の光電変換特性を測定したところ、開放電圧(Voc)が39.2V、短絡電流(Isc)が0.5083、曲線因子(F.F.)が0.695、そして初期出力が13.8Wであった。また安定化後の光電変換特性の結果は、開放電圧(Voc)が35.9V、短絡電流(Isc)が0.4938A、曲線因子(F.F.)が0.622、そして安定化後出力が11.0Wであり、保持率は0.796であった。表1の比較例2にこれらの値を示す。
比較例1では、基板上に膜がほとんど形成されなかったのに対し、比較例2で、膜厚分布が比較的均一(±10%)な膜が形成されたのは、比較例2では比較的高いパワー密度(75mW/cm)で製膜したためと考えられる。
しかしながら比較例2では実施例2に比べて、初期で開放電圧が高く、短絡電流が低くなった。これは、比較例2では、光電変換半導体層42製膜時の高周波電力が高く、光学的バンドギャップが大きくなったためと推測される。
また初期出力も実施例2と比較して、比較例2では1.3W低い値となり、安定化後出力は1.5W低い値といったように更に差が大きくなった。
光電変換特性のうち、特に曲線因子の差が大きく、比較例2の方が実施例2よりも低くなった。これは、比較例2では、E/S=9mmの狭い範囲においてD=1.2mm、また比較的高いパワー密度(75mW/cm)で製膜したため、膜中欠陥などが多くなったと推測される。従って、比較例2の光電変換半導体層42は実施例2と比較して大幅に品質で劣ると考えられる。
1 光電変換装置
2 透明絶縁基板
3 透明導電膜
4 光電変換ユニット
41 p型半導体層
42 光電変換半導体層
43 n型半導体層
5 裏面電極膜
51 透明反射層
52 裏面反射層
6 分離溝
61 透明導電膜分離溝
62 シリコン分離溝
63 メタル分離溝
7 基板製膜面
8 ホルダ表面
9 高周波電極
10 ホルダ
11 基板
12 押さえ板
13 外枠
14 段部
15 固定部材
16 補助枠部材
17 補助枠部材段部
18 絶縁溝
19 リード線

Claims (6)

  1. 少なくとも、高周波電極と、該高周波電極と対向して配置される基板と、該高周波電極と対向して配置され、かつ、該基板を保持するホルダとを含み、プラズマCVD装置を使用するシリコン系薄膜の製造方法であって、
    該高周波電極面と該ホルダ面との距離(E/H)、および該高周波電極面と該ホルダに保持された基板の面との距離(E/S)の差D=(E/S)−(E/H)が、2mm以上4mm以下であり、かつ前記距離(E/S)が、5mm以上10mm以下であることを特徴とするシリコン系薄膜の製造方法。
  2. 前記シリコン系薄膜の製造方法において、プラズマ放電のパワー密度が5mW/cm以上50mW/cm以下であり、かつプラズマ放電時の圧力が500Pa以上3000Pa以下であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  3. 前記シリコン系薄膜の製造方法において、シリコン系薄膜が非晶質シリコン系薄膜であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  4. 前記シリコン系薄膜の製造方法において、前記基板のサイズが1200cm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  5. 前記シリコン系薄膜が光電変換半導体層に用いられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製造方法。
  6. 前記シリコン系薄膜の製膜温度が100℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のシリコン系薄膜の製造方法。
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