JP4178202B2 - 薄膜製造方法 - Google Patents

薄膜製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4178202B2
JP4178202B2 JP2004067009A JP2004067009A JP4178202B2 JP 4178202 B2 JP4178202 B2 JP 4178202B2 JP 2004067009 A JP2004067009 A JP 2004067009A JP 2004067009 A JP2004067009 A JP 2004067009A JP 4178202 B2 JP4178202 B2 JP 4178202B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
thin film
film
electrode
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004067009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005259853A (ja
Inventor
真之 呉屋
信樹 山下
義道 米倉
道雄 近藤
卓矢 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2004067009A priority Critical patent/JP4178202B2/ja
Publication of JP2005259853A publication Critical patent/JP2005259853A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4178202B2 publication Critical patent/JP4178202B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、薄膜製造方法に関するものである。
従来、光電変換装置に用いる光電変換素子の光電変換層等の薄膜は、後記の特許文献1,2に記載されているように、プラズマCVD装置等の薄膜形成装置を用いて製造される。
特許文献1に記載のこのプラズマCVD装置は、プラズマ反応室と、アノード及びカソードからなる一対のプラズマ放電電極と、これら一対のプラズマ放電電極に電力を印加するプラズマ放電電源と、アノードのカソードに対向する面上に設けられた基板ホルダーとからなるものである。
このプラズマCVD装置は、プラズマ反応室内に原料ガスを供給し、一対のプラズマ放電電極によって放電を生じさせ、原料ガスを分解して基板上に堆積させることで、基板上に薄膜を形成するものである。
特開2003−197536号公報(段落[0014]〜[0016],及び図2) 特開平05−275346号公報
薄膜形成装置には、より高品質な薄膜を、より効率よく生産することが求められているが、特許文献1に記載のプラズマCVD装置であっても、薄膜の膜質を落とさずに成膜速度をさらに上げることは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、より高品質な薄膜をより効率よく製造することができる薄膜製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の薄膜製造方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる薄膜製造方法は、チャンバー内で基板と電極とを対向配置し、前記チャンバー内に少なくともSiH を含む成膜原料及び少なくともH を含む成膜ガスをガス圧力400Pa、前記SiH :10〜15SCCM、前記H :300SCCMに保持して供給しながら前記電極に100MHzの超高周波電力を供給することで、前記成膜ガスを分解して前記成膜原料を前記基板表面に堆積させて前記基板上に前記成膜原料からなる薄膜を形成する薄膜製造方法であって、前記電極として、梯子状電極を用いて、成膜処理時には、前記梯子状電極を前記基板と平行にしてかつ該基板との距離を6mmにした状態で、成膜速度を2.0nm/sとして成膜処理を行って、前記基板上に前記薄膜を形成することを特徴とする。
ここで、本発明者らは、前記の課題を解決するために、プラズマCVD法による薄膜の形成方法についてさらに研究を進めた。
微結晶シリコンを高速で成膜するためには、成長表面上に成膜速度に応じた多量のSiH等のラジカルとシリコンを結晶化するために十分な量の原子状水素とを供給する必要がある。プラズマCVDにおいて高速成膜を行なうために、つまり上記SiHラジカルと原子状水素とを増加させるためには電極に導入する電力を増加させることが有効であるが、この手法では、高次シランの生成やイオン衝撃が増加して膜質が低下することが問題であった。太陽電池(光電変換装置)として使用可能な高品質な膜質を得るためには、高次シランやイオン衝撃等による膜の損傷を抑制する事が重要である。
高次シランを抑制する方法としてはガス圧力を低くする、ガス流量を増加してガスの滞在時間を短縮する等の方法が考えられるが、実際には高速成膜と高品質成膜を両立する結果は得られていない。
特許文献2によれば、平行平板電極のp−CVDにおいてRF=30MHz以上のsiNX膜成膜は、電極間距離d(cm)がVHF周波数をf(MHz)とするとき、d>f/30を満たすことで膜厚分布を良好にすると記載されている。30MHz以上の超高周波ではd>1cm(=10mm)とすることが必要とされた。このため、これまでは、特に、微結晶シリコンにおいては、成膜速度の向上と変換効率の向上を求めるために、30MHz以上の超高周波を用いたp−CVDにおいて電極基板間距離を10mm以下に近づけて成膜することはなかった。
なお、特許文献1に記載のプラズマCVD装置では、基板とカソードとの間隔が1mm〜1cmになるように一対のプラズマ放電電極間の間隔が設定されているが、これは、特許文献1に記載されているように、高圧力下で放電領域を基板とカソードの間に封じ込めてパウダーが生成されるのを抑制する事が目的であり、放電維持のために電極間距離を1mm〜1cmにすることが必要であった。電極間距離を狭くする事に効率を向上させる技術的な意味はなく、このプラズマCVD装置の構成に由来するものである。
特許文献1に記載のプラズマCVD装置では、電極として梯子状電極を用いていないため、一対のプラズマ放電電極による放電を維持するためには、基板とカソードとの間隔を上記範囲に設定する必要があるからである。
すなわち、上記の特許文献1に記載の構成は、特許文献1に記載のプラズマCVD装置を成立させるための必須要件であって、特段の知見に基づいてなされたものではないことは明らかである。
これに対して、本発明者らは、上記研究の過程で、プラズマを発生させるための電極として梯子状電極を用い、さらに、梯子状電極を基板と略平行かつ非接触にして、基板との間隔が10mm以下となるように設定した状態で、薄膜の形成を試みた。
この結果、上記の製造条件下では、高品質な薄膜が得られること、また、薄膜の膜質を低下させずに、成膜速度を向上させることができるということを発見した。
高次シランはSiH等のラジカル同士が衝突したり、ラジカルが母ガスであるシラン(SiH)に衝突することにより生じる。また結晶化に必要な原子状水素は母ガスであるSiHに衝突する事により消滅して減少してしまう。
このことから、上記のようにガラス基板を梯子状電極に近づけ、電極−基板間距離を狭めることで衝突頻度が低くなり高次シランおよび原子状水素の消滅が抑制されたと考えられる。またイオン衝撃が増加し結晶粒径が小粒径化等する膜質低下が予想されたのに反して、上記条件ではそのような悪影響はあらわれなかった。
このような知見は、従来は見落とされていて、本発明者らの研究によって初めて得られた、全く新規の知見である。
本発明にかかる薄膜製造方法では、梯子状電極が基板と略平行かつ非接触にして、基板との間隔が6mmとなる位置に配置された状態で、成膜処理が行われる。
このように基板と梯子状電極との間の距離を極めて小さくした状態で成膜処理を施すことによって、薄膜の膜質を低下させる原因となると考えられる高次シランの発生を抑制することができ、高い投入電力下でもイオン衝撃の悪影響を回避できる。
すなわち、この薄膜形成装置では、膜質を低下させる要因を低減した状態で薄膜の形成が行われる。
このため、この薄膜形成装置では、従来よりも高品質の薄膜を製造することができる。
また、この薄膜形成装置では、薄膜の膜質を維持したままで、従来よりも成膜速度を速めることができる。
らに、この薄膜製造方法によってアモルファス構造を有する光電変換層を製造した場合には、従来の光電変換層よりも光劣化の生じにくい光電変換層を得ることができる。
具体的には、この薄膜製造方法によって光電変換素子の光電変換層を製造した場合には、従来の薄膜製造方法と同じ成膜速度で製造したものよりも変換効率の高い光電変換層を得ることができる。また、従来の薄膜製造方法によって製造される光電変換装置と同じ変換効率の光電変換層を製造した場合には、従来よりも成膜速度を速めることができるので、生産性を向上させることができる。
また、本発明にかかる薄膜製造方法によってアモルファス構造を有する光電変換層を製造した場合には、従来の光電変換層よりも光劣化の生じにくい光電変換層を得ることができる。
また、本発明の参考例である光電変換装置は、光電変換層を有する光電変換素子を用いた光電変換装置であって、前記光電変換層として、請求項1記載の薄膜製造方法によって形成された半導体薄膜を有していることを特徴とする。
このように構成される光電変換装置は、光電変換層を構成する半導体薄膜が、請求項1記載の薄膜製造方法を用いて製造された半導体薄膜であるので、製造コストは従来と同程度でありながら、従来よりも変換効率が高い。また、光電変換層を従来と同程度の変換効率とした場合には、従来よりも製造コストが低い。
さらに、この光電変換装置では、本発明にかかる薄膜製造方法によって製造される光電変換層が、アモルファス構造を有する半導体薄膜である場合には、従来よりも光電変換層の光劣化が生じにくい。
ここで、この光電変換装置は、光電変換層を一層のみ有する構成であってもよい。また、この光電変換装置は、発電に利用する光の波長が異なる複数層の光電変換層を有する、いわゆるタンデム型光電変換装置のように、複数層の光電変換層を有する構成としてもよい。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の非晶質シリコン薄膜を有していることを特徴とする。
このように構成される光電変換装置では、光電変換層は、上記参考例の薄膜形成装置を用いて製造される非晶質シリコン薄膜、すなわち光劣化の生じにくい半導体薄膜を少なくとも一層以上有しているので、従来の光電変換装置よりも光電変換層の光劣化が生じにくい。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の非晶質シリコン・ゲルマニウム薄膜を有していることを特徴とする。
このように構成される光電変換装置では、光電変換層は、上記参考例の薄膜形成装置を用いて製造される非晶質シリコン・ゲルマニウム薄膜、すなわち光劣化の生じにくい半導体薄膜を少なくとも一層以上有しているので、従来の光電変換装置よりも光電変換層の光劣化が生じにくい。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の結晶性シリコン薄膜を有していることを特徴とする。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の結晶性シリコン・ゲルマニウム薄膜を有していることを特徴とする。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の非晶質シリコン薄膜と一層以上の結晶性シリコン薄膜とを有する積層構造であることを特徴とする。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の非晶質シリコン薄膜と二層以上の結晶性シリコン薄膜とを有する積層構造であることを特徴とする。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の非晶質シリコン薄膜と一層以上の結晶性シリコン薄膜と一層以上の結晶性シリコン・ゲルマニウム薄膜とを有する積層構造であることを特徴とする。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の非結晶性シリコンカーバイド薄膜を有していることを特徴とする。
また、本発明の参考例である光電変換装置において、前記光電変換素子は、前記半導体薄膜として、少なくとも一層以上の結晶性シリコンカーバイド薄膜を有していることを特徴とする。
このように構成される光電変換装置においても、製造コストは従来と同程度でありながら、従来よりも変換効率が高い。また、光電変換層を従来と同程度の変換効率とした場合には、従来よりも製造コストが低い。
本発明にかかる薄膜製造方法によれば、膜質を低下させる要因を低減した状態で薄膜の形成が行われる。
このため、この薄膜製造方法では、従来よりも高品質の薄膜を製造することができる。
また、この薄膜製造方法では、薄膜の膜質を維持したままで、従来よりも成膜速度を速めることができるので、従来よりも生産性が向上する。
さらに、この薄膜製造方法によってアモルファス構造を有する光電変換層を製造した場合には、従来の光電変換層よりも光劣化の生じにくい光電変換層を得ることができる。
また、本発明にかかる薄膜製造方法によれば、製造コストは従来程度でありながら、従来よりも変換効率が高い。また、光電変換層を従来と同程度の変換効率とした場合には、従来よりも製造コストが低い。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかるプラズマCVD装置1は、成膜室10として、チャンバー12を有している。
チャンバー12の略中央には、両側面に梯子状電極13が設けられた成膜ユニット14が設けられている。この成膜ユニット14の両側面側には、ヒータカバー15を介して基板加熱ヒータ16が設けられている。
ここで、梯子状電極13とヒータカバー15との間には、成膜対象となる基板Kを設置するためのスペースが設けられている。また、梯子状電極13と成膜ユニット14との間には、製膜ユニット14を覆って製膜ユニット14への膜の付着(形成)を防止するための防着板22が設けられている。
さらに、チャンバー12には、図示せぬ減圧装置と、SiH4とHとからなる原料ガスを含む処理原料ガスを供給する成膜ガス供給源とが接続されている。ここで、本実施形態では、図1及び図2に示す梯子状電極13からガス吹き出しを行う構成としたが、これに限られることなく、例えばガスを供給するマニホールドを、梯子状電極13の後方の、プラズマの発生に支障の無い位置に設置してもよい。
このプラズマCVD装置1では、図3に示すように、梯子状電極13は、少なくとも成膜処理時には、ヒータカバー15との間に設置される基板Kと略平行かつ非接触にして、基板Kとの間隔Dが10mm以下となる位置に配置されている。
ここで、梯子状電極13と基板Kとの間隔は、極力小さくすることが好ましい。本実施の形態では、梯子状電極13と基板Kとの間隔の下限値は、各部材の位置精度の関係から、1mmとされている。
そして、このプラズマCVD装置1では、減圧装置によってチャンバー12内を減圧しチャンバー12内に成膜ガス供給源から製膜ガスを送り込むとともに、梯子状電極13に超高周波電力を供給することで、梯子状電極13と防着板22との間にプラズマを発生させて、基板加熱ヒータ16によって加熱されたガラス基板Kに製膜が施されるようになっている。
ここで、梯子状電極13に供給する超高周波電力は、40MHz以上とすることが好ましい。
このように基板Kと梯子状電極13との間の距離Dを極めて小さくした状態で成膜処理を施すことによって、薄膜の膜質を低下させる原因となると考えられる高次シランの発生を抑制することができ、高い投入電力下でもイオン衝撃の悪影響を回避できる。
このため、このプラズマCVD装置1では、膜質を低下させる要因を低減した状態で薄膜の形成が行われることとなり、従来よりも高品質の薄膜を製造することができる。
また、このプラズマCVD装置1では、薄膜の膜質を維持したままで、従来よりも成膜速度を速めることができる。
実際にこのプラズマCVD装置1によって薄膜の形成を行った結果、薄膜の膜質を維持したままで、従来の4倍にまで成膜速度を速めることができた。
ここで、このプラズマCVD装置1によって、図4に示す光電変換素子31を作成し、この光電変換素子31を用いて光電変換装置を作成した。
この光電変換素子31は、ガラス基板K上に、SnOやZnO等の透明性電極材料からなる第一透明電極層33が形成されている。
この第一透明電極層33上には、p型シリコン層34、第一光電変換層35(i層)、及びn型シリコン層36とが、この順番で形成されている。
さらに、n型シリコン層36上には、ZnOやITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極材料からなる第二透明電極37とAlやAg等の金属材料からなる裏面電極38とが、この順番に形成されている。
この光電変換素子31では、上記のp型シリコン層34、第一光電変換層35(i層)、及びn型シリコン層36とによって第一のpin構造が構成されている。すなわち、光電変換素子31は、第一光電変換層35に太陽光等のバンドギャップ以上のエネルギーの光が入射すると、そのエネルギーを吸収して、電子(e)と正孔(h)との対を発生させるものである。
この光電変換素子31では、第一透明電極層33と裏面電極38とは、それぞれ外部負荷40に接続されるようになっており、このように上記pin構造中に電子と正孔との対が発生することで、外部負荷40に電流が流れる。
また、このプラズマCVD装置1によって、図5に示す光電変換素子41を作成し、この光電変換素子41を用いて光電変換装置を作成した。
図5に示す光電変換素子41は、図4に示す光電変換素子31において、上記第一のpin構造と第二透明電極37との間に、第一のpin構造とは波長感度の異なる第二のpin構造を形成したものである。
光電変換素子41は、n型シリコン層36上に、p型シリコン層42、i層となる第二光電変換層43、及びn型シリコン層44とを、この順番で形成し、n型シリコン層44上に、透明電極37と裏面電極38とを、この順番で形成したものである。
この光電変換素子41は、第一のpin構造と第二のpin構造とで波長感度が異なっていることを利用して、総合的な変換効率を向上させた、タンデム型の光電変換素子である。
ここで、上記光電変換素子31,41の第一光電変換層35、第二光電変換層43は、例えば、非晶質または結晶性のシリコン薄膜や、非晶質または結晶性のシリコン・ゲルマニウム薄膜とされる。
このようにプラズマCVD装置1によって製造された光電変換素子を用いた光電変換装置では、従来の薄膜形成装置と同じ成膜速度で製造したものに比べて、光電変換層の変換効率が高かった。
また、光電変換層を従来と同程度の変換効率とした場合には、従来よりも成膜速度を速めることができるので、これら光電変換装置は従来よりも低コストで製造することができる。
さらに、光電変換層が、アモルファス構造を有する半導体薄膜である場合には、従来よりも光電変換層の光劣化が生じにくかった。
具体的には、この光電変換層は、従来よりも光劣化後の安定化効率が1.07倍に向上していた。
[実施例1]
ここで、上記プラズマCVD装置1の性能を検証するため、プラズマCVD装置1において、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dを、本発明の範囲内(すなわちD≦10mm)に設定した場合と、本発明の範囲外に設定した場合とで、得られる光電変換素子の変換効率の比較を行った。
この比較試験では、基板Kとして、5cm角のガラス基板を用いて、第一光電変換層35が微結晶シリコン薄膜からなる光電変換素子31を作成した。このときの成膜条件は、チャンバー12の内圧が133[Pa]、梯子状電極13に入力する超高周波電力は出力15W、周波数100MHzとし、チャンバー12内への原料ガスの供給量は、SiH:10〜15SCCM、H:300SCCMとした。
この比較試験の結果を、図6のグラフに示す。なお、このグラフで示す変換効率の値は、距離Dを9mmに設定して得られた光電変換素子の変換効率を1とした場合の相対値である。
図6のグラフに示すように、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dが小さいほど、得られる光電変換素子の変換効率が高くなることがわかる。
また、プラズマCVD装置1において、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dを本発明の範囲内に設定した状態での、成膜速度と得られる光電変換素子の変換効率との関係を調べた。この結果を、図7のグラフに示す。
ここで、距離Dを10mmとした場合及び7mmとした場合におけるチャンバー12の内圧は133[Pa]、距離Dを6mmとした場合におけるチャンバー12の内圧は400[Pa]である。また、このグラフで示す変換効率の値は、距離Dを10mmに設定し、かつ成膜速度を約0.7nm/sに設定して得られた光電変換素子の変換効率を1とした場合の相対値である。
図7のグラフに示すように、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dを10mmとした場合には、成膜速度を速めることで、得られる光電変換素子の変換効率が低下することがわかる。
一方、距離Dを7mmとした場合には、成膜速度を速めても、得られる光電変換素子の変換効率の低下は、距離Dを10mmとした場合に比べて緩やかであることがわかる。
さらに、距離Dを6mmとした場合には、距離Dを7mmとした場合及び10mmとした場合よりも得られる光電変換素子の変換効率が高く、また、成膜速度を速めても、得られる光電変換素子の変換効率の低下はほとんど生じないことがわかる。
[実施例2]
次に、第一光電変換層35がアモルファスシリコン薄膜からなる光電変換素子31を、プラズマCVD装置1の梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dを変えて複数種類作成し、距離Dによる性能の差を検証した。なお、成膜速度は、従来の一般的な成膜速度(0.3nm/s程度)に比べて高速の、1nm/sに設定した。
この結果を、図8〜図11のグラフに示す。
ここで、図8は、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dと、FT−IR測定(フーリエ変換赤外分光分析計による測定)により求められるSiH/SiH比(モル比)との関係を示すグラフ、図9は距離Dと初期変換効率との関係を示すグラフ、図10は距離Dと劣化率との関係を示すグラフ、図11は距離Dと安定化効率との関係を示すグラフである。
なお、これら図8〜図11に示す、距離Dに対する各値は、距離Dを25mmとした光電変換素子31の数値を1とした場合の相対値である。
これらのグラフからわかるように、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dが小さいほど、劣化率との相互関係が良く知られているSiH/SiH比が改善され、劣化率自体も改善されており、結果として、安定化効率が向上している。
そして、距離Dが本発明にかかる範囲(10mm)にある場合には、そうでない場合に比べて、上記改善効果が明確に現れている。
[実施例3]
次に、プラズマCVD装置1の梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dを本発明にかかる範囲内に設定して、第一光電変換層35が微結晶シリコン・ゲルマニウム薄膜からなる光電変換素子31を、光電変換層の成膜速度を0.5nm/sとしたものと、1.5nm/sとしたものとの二種類作成し、これらの性能評価を行った。
この結果を、図12〜図15のグラフに示す。
ここで、図12は、成膜速度と光電変換素子31の短絡電流密度との関係を示すグラフ、図13は成膜速度と光電変換素子31の開放電圧との関係を示すグラフ、図14は成膜速度と第一光電変換層35の形状因子との関係を示すグラフ、図15は成膜速度と光電変換素子31の変換効率との関係を示すグラフである。
なお、これら図12〜図15に示す、成膜速度に対する各値は、成膜速度を0.5nm/sとした光電変換素子31の数値を1とした場合の相対値である。
これらのグラフから、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dが本発明の範囲内に設定されたプラズマCVD装置1によって製造された光電変換素子31では、高速成膜を行っても、性能の低下がほとんど生じないことがわかる。
[実施例4]
次に、プラズマCVD装置1の梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dを本発明にかかる範囲内に設定して、光電変換素子41の第二光電変換層43の成膜速度が0.7nm/sであるものと、2nm/sであるものとの二種類作成し、これらの性能評価を行った。
なお、この光電変換素子41の第一光電変換層35はアモルファスシリコン薄膜によって構成し、第二光電変換層43は微結晶シリコン薄膜によって構成した。
この結果を、図16〜図19のグラフに示す。
ここで、図16は、成膜速度と光電変換装置41の短絡電流密度との関係を示すグラフ、図17は成膜速度と光電変換装置41の開放電圧との関係を示すグラフ、図18は成膜速度と光電変換層の形状因子との関係を示すグラフ、図19は成膜速度と光電変換素子41の初期変換効率との関係を示すグラフである。
なお、これら図16〜図19に示す、成膜速度に対する各値は、成膜速度を0.5nm/sとした光電変換素子41の数値を1とした場合の相対値である。
これらのグラフから、梯子状電極13と基板Kとの間の距離Dが本発明の範囲内に設定されたプラズマCVD装置1によって製造された光電変換素子41では、高速成膜を行っても、性能の低下がほとんど生じないことがわかる。
本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置の構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換素子の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換素子の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、梯子状電極と基板との距離に対する変換効率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と変換効率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、梯子状電極と基板との距離に対する組成との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、梯子状電極と基板との距離に対する初期変換効率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、梯子状電極と基板との距離に対する光劣化率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、梯子状電極と基板との距離に対する安定化効率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と短絡電流密度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と開放電圧との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と形状因子との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と変換効率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と短絡電流密度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と開放電圧との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と形状因子との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかるプラズマCVD装置を用いて作成した光電変換層の、成膜速度と初期変換効率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 プラズマCVD装置
10 成膜室
12 チャンバー
13 梯子状電極
14 成膜ユニット
15 ヒータカバー
16 基板加熱ヒータ
22 防着板
31 光電変換素子
33 第一透明電極
34 p型シリコン層
35 第一光電変換層
36 n型シリコン層
37 第二透明電極
38 裏面電極
39 集電電極
40 外部負荷
42 p型シリコン層
43 第二光電変換層
44 n型シリコン層
31,41 光電変換素子
K 基板

Claims (1)

  1. チャンバー内で基板と電極とを対向配置し、前記チャンバー内に少なくともSiH を含む成膜原料及び少なくともH を含む成膜ガスをガス圧力400Pa、前記SiH :10〜15SCCM、前記H :300SCCMに保持して供給しながら前記電極に100MHzの超高周波電力を供給することで、前記成膜ガスを分解して前記成膜原料を前記基板表面に堆積させて前記基板上に前記成膜原料からなる薄膜を形成する薄膜製造方法であって、
    前記電極として、梯子状電極を用いて、
    成膜処理時には、前記梯子状電極を前記基板と平行にしてかつ該基板との距離を6mmにした状態で、成膜速度を2.0nm/sとして成膜処理を行って、前記基板上に前記薄膜を形成することを特徴とする薄膜製造方法。
JP2004067009A 2004-03-10 2004-03-10 薄膜製造方法 Expired - Lifetime JP4178202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067009A JP4178202B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 薄膜製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067009A JP4178202B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 薄膜製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005259853A JP2005259853A (ja) 2005-09-22
JP4178202B2 true JP4178202B2 (ja) 2008-11-12

Family

ID=35085308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004067009A Expired - Lifetime JP4178202B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 薄膜製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4178202B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010114299A (ja) 2008-11-07 2010-05-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 光電変換装置の製造方法及び光電変換装置
KR20110021654A (ko) 2009-08-25 2011-03-04 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 미결정 반도체막의 제조방법, 및 반도체장치의 제조방법
KR101722903B1 (ko) 2009-08-25 2017-04-04 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 광전 변환장치의 제조방법
US9177761B2 (en) 2009-08-25 2015-11-03 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Plasma CVD apparatus, method for forming microcrystalline semiconductor film and method for manufacturing semiconductor device
CN110835745A (zh) * 2018-08-17 2020-02-25 中智(泰兴)电力科技有限公司 用于太阳电池制造的8腔体卧式hwcvd-pvd一体化设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005259853A (ja) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8389389B2 (en) Semiconductor layer manufacturing method, semiconductor layer manufacturing apparatus, and semiconductor device manufactured using such method and apparatus
US7993700B2 (en) Silicon nitride passivation for a solar cell
JP4797083B2 (ja) 薄膜太陽電池モジュール
JP4411338B2 (ja) 薄膜太陽電池モジュール
JP4940290B2 (ja) 光電変換装置及びその製造方法
WO2011065343A1 (ja) 光電変換装置及びその製造方法
JP2020017763A (ja) 光電変換装置の製造方法
Shin et al. Optimization of intrinsic hydrogenated amorphous silicon deposited by very high-frequency plasma-enhanced chemical vapor deposition using the relationship between Urbach energy and silane depletion fraction for solar cell application
US20110303289A1 (en) Process for producing photovoltaic device and photovoltaic device
WO2010023947A1 (ja) 光電変換装置の製造方法、光電変換装置、及び光電変換装置の製造システム
JP4178202B2 (ja) 薄膜製造方法
JP4758496B2 (ja) 薄膜太陽電池モジュール
JP4712127B2 (ja) 太陽電池の製造方法及び製造装置
US8338221B2 (en) Method for manufacturing thin film type solar cell
JP4758495B2 (ja) 薄膜太陽電池モジュール
JP2001291882A (ja) 薄膜の製造方法
JP2004253417A (ja) 薄膜太陽電池の製造方法
WO2010146846A1 (ja) 光電変換装置及び光電変換装置の製造方法
JP2004259853A (ja) 結晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造装置及び製造方法
Das et al. Deposition of microcrystalline silicon solar cells via the pulsed PECVD technique
JP2012238713A (ja) シリコン系薄膜の製造方法
JP2013149839A (ja) 光電変換装置の製造方法
JP2000188413A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置とその製造方法
WO2010023948A1 (ja) 光電変換装置の製造方法、光電変換装置、及び光電変換装置の製造システム
JP2000133827A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4178202

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term