JP2013149839A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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昌浩 伊達
Takako Shimizu
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Abstract

【課題】シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜の均一性を向上させ、よって、光電変換装置の特性を向上させる。
【解決手段】光電変換装置の製造方法は、シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成する工程を含む。シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成する工程では、成膜室内の第1のプラズマ発生用電極の上に設けられた基板の上に形成された第1導電型半導体膜の堆積面と、第1導電型半導体膜の堆積面に対向して成膜室内に配置され且つ原料ガスおよびキャリアガスの少なくとも一方が第1導電型半導体膜の堆積面へ向かって噴出されるガス噴出孔が形成された第2のプラズマ発生用電極の噴出面との間隔Gが、第2のプラズマ発生用電極において隣り合うガス噴出孔の中心間距離dの1/2倍以上であり隣り合うガス噴出孔の中心間距離d未満である。
【選択図】図3

Description

本発明は、光電変換装置の製造方法に関する。
光電変換装置としては、たとえば2つ以上の光電変換層が積層されて構成された積層型光電変換装置が知られている。ここで、短波長の光は禁制帯幅の大きい光電変換層で吸収され、長波長の光は禁制帯幅の小さい光電変換層で吸収される。このため、積層型光電変換装置では、光電変換層が1つである光電変換装置に比べて、より広い波長帯域の太陽光を光電変換に寄与させることができるため、光電変換効率の向上を図ることが可能になる。また、特許文献1には、光電変換効率の向上を図るために微結晶シリコンゲルマニウム膜を光電変換層として用いることが開示されている。
ところで、特許文献2には、シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法として、1枚のプラズマ放電電極上に装着された基板の堆積面と基板に対向する電極(対向電極)の表面との間の距離を1cm以内に設定することが開示されている。また、特許文献2には、光電変換層の堆積時には上記距離を1cm以下に設定できるように上記距離を可変とするプラズマCVD装置が開示されており、対向電極の表面には2個/cm2以上の密度でガス放出口が形成されていることおよび、ガス放出口の各々が0.1〜1mmの範囲内の径を有することも開示されている。
特開平10−125944号公報 特開平11−330520号公報
特許文献2に記載の方法にしたがってシリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成すると、得られた微結晶膜の面内にゲルマニウム濃度が局所的に高い部分が存在することが分かった。シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を含む光電変換装置では、ゲルマニウム濃度が光電変換装置の特性に著しく影響する。そのため、特許文献2に記載の方法にしたがって形成されたシリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を用いて光電変換装置を作製すると、得られた光電変換装置が所望の特性を有しないことがあった。このことは、基板の面積が大きな光電変換装置において顕著であった。それだけでなく、同一条件で光電変換装置を作製した場合であっても得られた光電変換装置の特性が異なることがあり、光電変換装置の特性が不安定となる場合があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜の膜均一性(たとえばゲルマニウム濃度分布の均一性または欠陥密度分布の均一性)を向上させることにより、この微結晶膜を備えた光電変換装置の特性を向上させることにある。
我々は鋭意研究を行った結果、本発明に係る光電変換装置の製造方法を完成させるに至った。
本発明に係る光電変換装置の製造方法は、基板の上に第1導電型半導体膜を形成する工程と、第1導電型半導体膜の上にプラズマCVD法によって形成されたシリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を含む実質的に真性な半導体膜を形成する工程と、実質的に真性な半導体膜の上に第1導電型とは逆導電型を有する第2導電型半導体膜を形成する工程とを備える。実質的に真性な半導体膜を形成する工程においてシリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成するときには、シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜が形成される成膜室内の第1のプラズマ発生用電極の上に設けられた基板の上に形成された第1導電型半導体膜の堆積面と、第1導電型半導体膜の堆積面に対向して成膜室内に配置され且つ原料ガスおよびキャリアガスの少なくとも一方が第1導電型半導体膜の堆積面へ向かって噴出されるガス噴出孔が形成された第2のプラズマ発生用電極の噴出面との間隔が、第2のプラズマ発生用電極において隣り合うガス噴出孔の中心間距離の1/2倍以上であり隣り合うガス噴出孔の中心間距離未満である。
シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成するときには、成膜室に供給されるゲルマニウム系ガスの流量は当該成膜室に供給されるシラン系ガスの流量に対して5体積%以上20体積%以下であることが好ましく、成膜室の内圧は800Pa以上であることが好ましい。
ここで、「シリコンゲルマニウム系化合物」は、シリコンとゲルマニウムとが化学結合されてなる化合物を意味し、SiGeだけでなく、水素化SiGe、フッ素化SiGeならびに、水素化およびフッ素化SiGeなどを含む。
「実質的に真性な半導体膜」とは、n型不純物原子およびp型不純物原子が全くドープされていない半導体膜を意味するだけでなく、微量のn型不純物原子または微量のp型不純物原子を含み且つ光電変換機能を十分に備えている半導体層をも意味する。
「ゲルマニウム系ガス」とは、ゲルマニウム原子を含むガスを意味し、たとえばGeH4ガスまたはGeF4ガスなどが挙げられる。また、「ゲルマニウム系ガス」には、ゲルマニウム原子を含むガスがその他のガスと混合されてなる混合ガスも含まれ、水素ガスで希釈された、ゲルマニウム原子を含むガスも含まれる。
「シラン系ガス」とは、ケイ素原子を含むガスを意味し、たとえばSiH4ガス、Si26ガスまたはSiF4ガスなどが挙げられる。また、「シラン系ガス」には、ケイ素原子を含むガスがその他のガスと混合されてなる混合ガスも含まれ、水素ガスで希釈された、ケイ素原子を含むガスも含まれる。
本発明によれば、シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜の均一性を向上させることができるため、光電変換装置の特性を向上させることができる。
本発明における光電変換装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明において使用されるプラズマCVD装置の構成の一例を示す模式図である。 (a)は本発明におけるシリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成する方法を説明するための断面図であり、(b)は図3(a)に示す第2のプラズマ発生用電極の平面図である。 本発明における光電変換装置の構成の別の一例を示す断面図である。 実験結果を示すグラフである。
以下、本発明の光電変換装置の製造方法について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚み、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
本発明において、非晶質の半導体からなる半導体膜を「非晶質層」といい、微結晶の半導体からなる半導体膜を「微結晶層」といい、非晶質または微結晶の半導体からなる膜を「半導体層」ということがある。「微結晶」とは、結晶粒径が小さい(数十から千Å程度)結晶成分と非晶質成分との混合相が形成されている状態を意味する。
<光電変換装置の製造方法>
本発明の光電変換装置の製造方法は、基板の上に第1導電型半導体膜を形成する工程と、第1導電型半導体膜の上にプラズマCVD法によって形成されたシリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜(以下では「微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜」と記すことがある)を含む実質的に真性な半導体膜を形成する工程と、実質的に真性な半導体膜の上に第1導電型とは逆導電型を有する第2導電型半導体膜を形成する工程とを備える。以下では、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の形成方法を示す。
<微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の形成方法>
まず、第1導電型半導体膜が形成された基板を第1のプラズマ発生用電極の上に設け、第2のプラズマ発生用電極を第1導電型半導体膜の堆積面(微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜が形成される第1導電型半導体膜の面)に対向させる。第1および第2のプラズマ発生用電極は、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜が形成される成膜室内に設けられている。第2のプラズマ発生用電極は、第1のプラズマ発生用電極の反対側の極であり、第2のプラズマ発生用電極には、原料ガスおよびキャリアガスの少なくとも一方のガスが噴出されるガス噴出孔が形成されている。そして、第1導電型半導体膜の堆積面と第2のプラズマ発生用電極の噴出面(原料ガスおよびキャリアガスの少なくとも一方のガスが第1導電型半導体膜の堆積面へ向かって噴出される第2のプラズマ発生用電極の面)との間隔Gは、第2のプラズマ発生用電極において隣り合うガス噴出孔の中心間距離dの1/2倍以上であり隣り合うガス噴出孔の中心間距離d未満である(d/2≦G<d、図3(a)参照)。これにより、膜均一性に優れた微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜を形成することができる。
微結晶シリコン膜を形成する条件と同一の条件にしたがって微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜を形成することができるが、ゲルマニウムの添加量が多くなるにつれて結晶化し難くなるという傾向にある。一方、水素希釈率(原料ガスの流量に対する水素ガスの流量の割合)または放電電力(プラズマ放電を行なうためにプラズマ発生用電極に印加される電力)を高くすることにより結晶化の促進が図れるが、水素希釈率または放電電力を高くすることによって結晶化の促進を図ると、光電変換装置の開放電圧が著しく低下する傾向にある。したがって、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜においては、ゲルマニウム濃度の可変範囲および結晶化度の可変範囲は狭い。
大面積な微結晶シリコン膜を形成する方法として、シャワーヘッドを備えたカソード電極を用いることが提案されている。しかし、大面積な微結晶シリコン膜の形成に使用されるカソード電極(シャワーヘッドを備えたカソード電極)を用いて微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜を形成すると、ガス噴出孔周囲に対向する位置に形成された微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜とガス噴出孔周囲に対向する位置以外の位置に形成された微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜とで特性が異なる場合があった。上述のように、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜におけるゲルマニウム濃度の可変範囲および微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の結晶化度の可変範囲は狭い。そのため、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜におけるゲルマニウム濃度または微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の結晶化度を変更することにより上記特性の相違を小さく抑えることは困難を伴う。
しかし、d/2≦G<dであれば、好ましくは3d/5≦G≦4d/5であれば、第2のプラズマ発生用電極のガス噴出孔周囲に対向する第1導電型半導体膜の上にゲルマニウムが高密度に含まれた微結晶シリコン膜が形成されることを防止できる。よって、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の主な成長方向に対して垂直な面内における組成分布を精度良く制御でき、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜における欠陥密度分布を精度良く制御することができる。よって、膜均一性に優れた微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜を形成することができるので、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の入射光に対する光感度が向上する。したがって、光電変換効率に優れた光電変換装置を提供することができる。なお、第1導電型半導体膜の堆積面と第2のプラズマ発生用電極の噴出面との間隔Gは微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の成膜速度の向上などを考慮すれば10mm以上40mm以下であることが好ましく、第2のプラズマ発生用電極において隣り合うガス噴出孔の中心間距離dは第1導電型半導体膜の堆積面に対するガスの均一な噴出などを考慮すれば、12mm以上80mm以下であることが好ましい。
一方、d/2>Gであれば、第2のプラズマ発生用電極のガス噴出孔周囲に対向する第1導電型半導体膜の上にはゲルマニウムが高密度に含まれた微結晶シリコン膜が形成される傾向にある。この理由としては、ゲルマニウムが第2のプラズマ発生用電極のガス噴出孔周囲で激しく分解され、ゲルマニウムの過剰な分解により生じたラジカルが第2のプラズマ発生用電極のガス噴出孔周囲に対向する第1導電型半導体膜の上に優先的に付着するからであると考えられる。ゲルマニウムが高密度に含まれた微結晶シリコン膜は高い欠陥密度を有するため、ゲルマニウムが高密度に含まれた微結晶シリコン膜を光電変換機能を有する層とすると光電変換装置の光電変換効率が低くなる傾向にある。
また、G≧dであれば、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の成膜速度の低下を招くため、光電変換装置の製造の長期化を招くことがある。それだけでなく、第2のプラズマ発生用電極に設けられたガス噴出孔の単位面積当たりの数が多くなりすぎ、よって、ガス供給側の圧力損失が大きくなる。そのため、ガス流量の不安定化を招くことがあり、また全てのガス噴出孔からの均一なガス噴出が困難になることもある。
微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜が形成される成膜室には、たとえば、原料ガスとしてゲルマニウム系ガスおよびシラン系ガスを含み、且つ、キャリアガスとして水素ガスを含むガスが供給されることが好ましい。ゲルマニウム系ガスの流量とシラン系ガスの流量との流量比は特に限定されないが、ゲルマニウム系ガスの流量はゲルマニウム系ガスの流量とシラン系ガスの流量との合計に対して5体積%以上20体積%以下であることが好ましく、ゲルマニウム系ガスの流量とシラン系ガスの流量との合計に対して5体積%以上10体積%以下であることがより好ましい。これにより、良好な光感度特性を有する微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜が形成される。
水素ガスの流量は特に限定されないが、ゲルマニウム系ガスの流量とシラン系ガスの流量との合計に対して10倍以上であることが好ましく、30倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることがさらに好ましい。また、水素ガスの流量は、ゲルマニウム系ガスの流量とシラン系ガスの流量との合計に対して200倍以下であることが好ましく、120倍以下であることがより好ましい。これにより、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の結晶化度を最適化することができる。
成膜室の内圧は、例えば200Pa以上3000Pa以下とすることが好ましく、より好ましくは800Pa以上とすることであり、さらに好ましくは1000Pa以上2000Pa以下とすることである。これにより、イオンダメージによる微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の膜質低下を防止することができる。
基板の温度は200℃以下であることが好ましい。これにより、光電変換装置の開放電圧の低下を防止することができる。
第1のプラズマ発生用電極および第2のプラズマ発生用電極の少なくとも一方に印加される交流電力の周波数は13.56MHzであることが一般的であるが、13.56MHzに限定されず、たとえばHF帯(3MHz〜30MHz)〜VHF帯(30MHz〜300MHz)であっても良い。また、第1のプラズマ発生用電極および第2のプラズマ発生用電極の少なくとも一方に印加される交流電力の電力密度は、印加される交流電力の周波数に依存するが、たとえば0.05W/cm2以上1.0W/m2以下であることが好ましく、より好ましくは0.1W/cm2以上0.3W/cm2以下である。
以上説明したように本発明の光電変換装置の製造方法では、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の膜均一性が向上するので、光電変換効率に優れた光電変換装置を提供することができる。
また、基板の大きさに限定されることなく微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の膜均一性が向上するので、大きな面積(2m2程度)の基板を用いて光電変換装置を構成した場合であっても微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の膜均一性が向上する。よって、本発明の光電変換装置の製造方法は、光電変換効率に優れた大型光電変換装置の提供にも貢献する。
以下では、上記<微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の形成方法>を含む光電変換装置の製造方法を具体的に説明する。図1は、本発明における光電変換装置の構成の一例を示す断面図である。
図1に示す光電変換装置を製造する方法は、基板1の上に第1電極2を形成する工程と、第2電極の上に光電変換層3を形成する工程と、光電変換層3の上に第2電極4を形成する工程とを備える。光電変換層3を形成する工程は、第2電極の上に第1導電型半導体膜3Aを形成する工程と、第1導電型半導体膜3Aの上に実質的に真性な半導体膜3B,3C,3Dを形成する工程と、実質的に真性な半導体膜3Dの上に第2導電型半導体膜3Eを形成する工程とを含む。図1に示す光電変換装置を製造する方法では、上記<微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の形成方法>を用いて光電変換層3における微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cを形成する。よって、光電変換効率に優れた光電変換装置を得ることができる。
<第1電極2の形成>
まず、基板1の上に第1電極2を形成する。第1電極2の形成方法としては、特に限定されないが、CVD法、スパッタ法または蒸着法などを用いることができる。
ここで、基板1の材料は特に限定されないが、受光面となる部分では光透過性が必要となるため、光透過性を有する材料からなることが好ましい。また、基板1は、プラズマCVD法による製膜プロセスにおける熱処理に対する耐熱性に優れた材料からなることが好ましい。たとえば、基板1は、ポリイミド等の樹脂基板またはガラス基板などであることが好ましい。基板1の厚みは特に限定されず、光電変換装置の基板の厚みとして通常採用されている厚みであることが好ましい。
第1電極2の材料は特に限定されないが、受光面となる部分では光透過性が必要となるため、光透過性を有する材料からなることが好ましい。たとえば、第1電極2は、SnO2、ZnO、または酸化インジウム錫(ITO)などの透明導電膜であることが好ましい。第1電極2の厚みは特に限定されず、薄膜太陽電池の透明導電膜の厚みとして通常採用されている厚みであることが好ましい。
<第1導電型半導体膜3Aの形成>
第1電極2の上に第1導電型半導体膜3Aを形成する。第1導電型半導体膜3Aの形成方法としては特に限定されないが、たとえば図2に示すプラズマCVD装置内で第1導電型半導体膜3Aを形成することが好ましい。図2は本発明で使用されるプラズマCVD装置の模式図である。以下では、まず、図2に示すプラズマCVD装置の構成を示す。
プラズマCVD装置は、図2に示すように、半導体層を内部で形成するために密閉可能に構成された成膜室220と、成膜室220内にガス212を導入するためのガス導入部211と、成膜室220内からガスを排気するためのガス排気部206とを備える。成膜室220の容積はたとえば1m3程度であることが好ましい。
上記成膜室220内において、カソード電極222とアノード電極223とは互いに平行に配置されている。カソード電極222とアノード電極223との電極間距離は所望の処理条件に従って決定されることが好ましく、たとえば数mmから数十mm程度に設定されることが好ましい。アノード電極223は電気的に接地されており、アノード電極223上には基板1が設置される。なお、基板1は、カソード電極222上に載置されても良いが、プラズマ中のイオンダメージによる膜質低下を低減するためにはアノード電極223上に設置されることが好ましく、第1電極2が形成された状態でアノード電極223上に設置されることが好ましい。
成膜室220の外部には、電力供給部208とインピーダンス整合回路205とが設置されている。電力供給部208は、カソード電極222に電力を供給するものであり、電力供給部208としては、たとえばパルス変調(オンオフ制御)された交流出力または切り替えによるCW(連続波形)交流出力が可能なものを用いることができる。このような電力供給部208は、第1電力導入線208aを介してインピーダンス整合回路205に接続されている。インピーダンス整合回路205は、カソード電極222とアノード電極223との間のインピーダンス整合を行なうものであり、第2電力導入線208bを介してカソード電極222に接続されている。
ガス導入部211からは、希釈ガス、材料ガス、またはドーピングガスなどのガス212が導入される。希釈ガスとしては、たとえば水素ガスを含むガスが挙げられる。材料ガスとしては、たとえばシラン系ガス、メタンガス、またはゲルマニウム系ガスなどが挙げられる。ドーピングガスとしては、ジボランガス等のp型不純物ドーピングガス、またはホスフィンガス等のn型不純物ドーピングガスなどが挙げられる。
成膜室220のガス排気口209には、ガス排気部206と圧力調整のためのバルブ(圧力調整用バルブ)207とが直列に接続されており、圧力調整用バルブ207により、成膜室220内のガス圧力が略一定に保たれている。ガス導入部211またはガス排気口209の近傍で成膜室220内のガス圧力を測定すると若干の誤差を生じるため、ガス導入部211またはガス排気口209から離れた位置で成膜室220内のガス圧力を測定することが望ましい。
ガス排気部206としては、成膜室220内のガス圧力を1.0×10-4Pa程度の高真空に排気できるものであることが好ましく、たとえばロータリーポンプ、メカニカルブースターポンプ、ソープションポンプ、またはターボ分子ポンプ等を用いることができ、これらを組合せて用いても良い。ガス排気部206の典型的な構成としては、ロータリーポンプとメカニカルブースターポンプとを直列に接続したものを挙げることができる。なお、基板1の大型化に伴って成膜室220が大容量化したためにガス排気部206として高性能なポンプを使用すると、プラズマCVD装置の複雑化および高コスト化を招くことがある。そのため、プラズマCVD装置の簡易化、低コスト化およびスループットの向上などの観点からは、ガス排気部206は、成膜室220内のガス圧力を0.1Pa程度の圧力とする排気能力を有するものであっても良い。
このような成膜室220では、カソード電極222に電力を供給することにより、カソード電極222とアノード電極223との間にプラズマが発生し、導入されたガス212が分解される。よって、基板1の上面上(具体的には基板1の上面上に設けられた第1電極2の上面上)に半導体層が形成される。
なお、本発明で使用されるプラズマCVD装置は、成膜室220とは別にロードロック室および加熱室を備えていても良く、また成膜室220とは異なる成膜室を備えていても良い(つまりマルチチャンバ方式のプラズマCVD装置であっても良い)。
第1導電型半導体膜の形成方法について示す。具体的には、成膜室220内を0.001Paまで排気し、基板1の温度を200℃以下に設定する。次に、成膜室220内に混合ガスを導入し、圧力調整用バルブ207により成膜室220内の圧力を略一定(たとえば200Pa以上3000Pa以下)に保つ。成膜室220内に導入される混合ガスとしては、例えばシランガス、水素ガスおよびジボランガスを含むガスを使用することが好ましく、炭素原子を含むガス(例えばメタンガス)をさらに含むガスを使用しても良い。水素ガスの流量をシランガスの流量に対して数倍〜数十倍程度とすることが好ましい。
成膜室220内の圧力が安定した後、カソード電極222に数kHz〜80MHzの交流電力(カソード電極222の単位面積あたりの電力密度は0.05W/cm2以上0.3W/cm2以下であることが好ましい)を供給して、カソード電極222とアノード電極223との間にプラズマを発生させる。これにより、シランガスおよびジボランガスなどが分解されて、第1導電型半導体膜3Aが形成される。所望の厚みの第1導電型半導体膜3Aが形成されれば、交流電力の供給を停止して成膜室220内を真空排気する。
p型微結晶シリコンからなる第1導電型半導体膜3Aが形成されるように、第1導電型半導体膜3Aの形成条件を設定することが好ましい。第1導電型半導体膜3Aの厚みは、カソード電極222に供給された総電力量(電力密度×時間)に比例するが、光電変換機能を備える層(実質的に真性な半導体膜)に十分な内部電界を与えるという点では2nm以上であることが好ましく5nm以上であることがより好ましく、第1導電型半導体膜3A(入射側に位置する非活性層)での光吸収量を抑えるという点では50nm以下であることが好ましく30nm以下であることがより好ましい。
<i型微結晶シリコン層3Bの形成>
成膜室220内のバックグラウンド圧力が0.1Pa程度となるように成膜室220内を真空排気する。
次に、成膜室220内に混合ガスを導入し、圧力調整用バルブ207により成膜室220内の圧力を略一定(例えば200Pa以上3000Pa以下)に保つ。成膜室220内に導入される混合ガスとしては、例えばシランガスおよび水素ガスを含むガスを使用することができる。水素ガスの流量をシランガスの流量に対して数倍〜数十倍程度とすることが好ましい。
第1成膜室220内の圧力が安定した後、カソード電極222に数kHz〜80MHzのCW(連続波形)交流電力(カソード電極222の単位面積あたりの電力密度は0.05W/cm2以上0.3W/cm2以下であることが好ましい)を供給して、カソード電極222とアノード電極223との間にプラズマを発生させる。これにより、シランガスなどが分解されて、i型微結晶シリコン層3Bが第1導電型半導体膜3Aの上に形成される。所望の厚みのi型微結晶シリコン層3Bが形成されれば、交流電力の供給を停止して成膜室220内を真空排気する。
i型微結晶シリコン層3Bの厚みは、第1導電型半導体膜3Aから微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cへのボロン原子の拡散を抑えるためには2nm以上であることが好ましく、i型微結晶シリコン層3B(入射側に位置する非活性層)での光吸収量を抑えるという点では50nm以下であることが好ましい。
カソード電極222にCW(連続波形)交流電力を印加することによりi型微結晶シリコン層3Bを形成すれば、成膜室220内の雰囲気中におけるボロン原子濃度が低下するので、次に形成される微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cへのボロン原子の混入を防止することができる。よって、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cの短波長域の感度が低下することを防止できる。また、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cが微結晶シリコンゲルマニウム膜である場合には、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cがp型半導体膜となることを防止できる。
なお、i型微結晶シリコン層3Bを形成することなく微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cを形成しても良い。
<微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cの形成>
微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cを形成する。以下では、図3(a)〜(b)を用いて微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cの形成方法を示す。図3(a)は本発明における微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜を形成する方法を説明するための断面図であり、図3(b)は図3(a)に示すカソード電極の平面図である。
具体的には、図3(a)に示すように、i型微結晶シリコン層3Bが形成された基板1を成膜室220内のアノード電極223の上に設け、カソード電極222をi型微結晶シリコン層3Bに対向して成膜室220内に設ける。このとき、i型微結晶シリコン層3Bの堆積面とカソード電極222の噴出面との間隔Gが隣り合うガス噴出孔222aの中心間距離dの1/2倍以上であり隣り合うガス噴出孔222aの中心間距離d未満を満たすように、カソード電極222およびアノード電極223を成膜室220内に配置する。その後、成膜室220内に混合ガスを導入し、圧力調整用バルブ207により成膜室220内の圧力を略一定に保つ。
成膜室230内に導入される混合ガス、成膜室220内の圧力、および基板1の温度などは、上記<微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の形成方法>で記載の通りである。
成膜室220内の圧力が安定した後、カソード電極222に交流電力を供給し、カソード電極222とアノード電極223との間にプラズマを発生させる。これにより、シランガスおよびゲルマンガスなどが分解されて、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cがi型微結晶シリコン層3Bの上に形成される。所望の厚みの微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cが形成されれば、交流電力の供給を停止して成膜室220内を真空排気する。微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cの厚みは、特に限定されないが、光吸収量を考慮して0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。
カソード電極222に印加される交流電力の周波数およびカソード電極222に印加される交流電力の電力密度などは、上記<微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜の形成方法>で記載の通りである。
<i型非単結晶シリコン層3Dの形成>
i型非単結晶シリコン層3Dを形成する。まず、成膜室220内のバックグラウンド圧力が0.1Pa程度となるように成膜室220内を真空排気する。
次に、成膜室220内に混合ガスを導入し、圧力調整用バルブ207により成膜室220内の圧力を略一定(たとえば200Pa以上3000Pa以下)に保つ。成膜室220内に導入される混合ガスとしては、例えばシランガスおよび水素ガスを含むガスを使用することができる。水素ガスの流量をシランガスの流量に対して数倍〜数十倍程度とすることが好ましい。
第1成膜室220内の圧力が安定した後、カソード電極222に数kHz〜80MHzのCW(連続波形)交流電力(カソード電極222の単位面積あたりの電力密度は0.05W/cm2以上0.3W/cm2以下であることが好ましい。)を供給して、カソード電極222とアノード電極223との間にプラズマを発生させる。これにより、シランガスなどが分解されて、i型非単結晶シリコン層3Dが微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cの上に形成される。所望の厚みのi型非単結晶シリコン層3Dが形成されれば、交流電力の供給を停止して成膜室220内を真空排気する。
i型非単結晶シリコン層3Dの厚みは、特に限定されないが、ゲルマニウム原子が微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cから第2導電型半導体膜3Eへ拡散することを抑えるためには2nm以上であることが好ましく、i型非単結晶シリコン層3D(非活性層)での光吸収量を抑えるという点では50nm以下であることが好ましい。
カソード電極222にCW(連続波形)交流電力を印加することによりi型非単結晶シリコン層3Dを形成すれば、成膜室220内の雰囲気中におけるゲルマニウム原子濃度が低下するので、次に形成される第2導電型半導体膜3Eへのゲルマニウム原子の混入を防止することができる。よって、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cの長波長域の感度の低下を防止できる。
なお、i型非単結晶シリコン層3Dを形成することなく第2導電型半導体膜3Eを形成しても良い。
i型非単結晶シリコン層3Dは、微結晶シリコン層が形成されるようにi型非単結晶シリコン層3Dの形成条件を設定しても良いし、非晶質シリコン層が形成されるようにi型非単結晶シリコン層3Dの形成条件を設定しても良いし、微結晶シリコン層と非晶質シリコン層との積層膜が形成されるようにi型非単結晶シリコン層3Dの形成条件を設定しても良い。
また、i型非単結晶シリコン層3Dは、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cよりも結晶化度の低い層であることが好ましい。これによって、i型非単結晶シリコン層3Dは、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cよりも確実にバンドギャップが大きい膜となるため、光電変換装置の光入射側から離れた場所である裏面側でのキャリア再結合の発生を抑制でき、よって、光電変換効率が向上する。このようなi型非単結晶シリコン層3Dを作製する条件は、微結晶シリコン層の作製条件であることが好ましいが、さらに好ましくは基板1がガラス基板からなる場合には200nm程度の膜厚では非晶質となる条件に調整することが好ましい。これにより、次に形成される第2導電型半導体膜3Eにおけるゲルマニウム原子の残留濃度を十分に低下させることができる。そのうえ、非晶質シリコン材料は非単結晶シリコン材料の中でも最もバンドギャップが大きいシリコン材料であるので、上述のキャリア再結合の発生の抑制効果も十分に得ることができる。
<第2導電型半導体膜3Eの形成>
第2導電型半導体膜3Eを形成する。成膜室220内のバックグラウンド圧力が0.1Pa程度となるように成膜室220内を真空排気する。
次に、成膜室220内に混合ガスを導入し、圧力調整用バルブ207により成膜室220内の圧力を略一定(たとえば200Pa以上3000Pa以下)に保つ。成膜室220内に導入される混合ガスとしては、シランガス、水素ガスおよびホスフィンガスを含むガスを使用することができる。水素ガスの流量をシランガスの流量に対して5倍以上300倍以下とすることが好ましい。水素ガスの流量をシランガスの流量に対して30倍〜300倍程度とすれば、n型微結晶層を形成することができる。このように水素ガスの流量を調整しながら第2導電型半導体膜3Eを形成すれば、第2導電型半導体膜3Eを非晶質シリコン層と微結晶シリコン層との積層膜とすることができる。
成膜室220内の圧力が安定した後、カソード電極222に数kHz〜80MHzの交流電力(カソード電極222の単位面積あたりの電力密度は0.01W/cm2以上0.3W/cm2以下であることが好ましい)を供給し、カソード電極222とアノード電極223との間にプラズマを発生させる。これにより、第2導電型半導体膜3Eが形成される。所望の厚みの第2導電型半導体膜3Eが形成されれば、交流電力の供給を停止して成膜室220内を真空排気する。
n型非晶質シリコン層が形成されるように第2導電型半導体膜3Eの形成条件を設定しても良いし、n型微結晶シリコン層が形成されるように第2導電型半導体膜3Eの形成条件を設定しても良いし、n型非晶質シリコン層とn型微結晶シリコン層との積層膜が形成されるように第2導電型半導体膜3Eの形成条件を設定しても良い。第2導電型半導体膜3Eの厚みは、i型微結晶シリコン層3B、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cおよびi型非単結晶シリコン層3Dに十分な内部電界を与えるためには2nm以上であることが好ましく、第2導電型半導体膜3E(非活性層)での光吸収量を抑えるためにはできる限り薄いことが好ましく、通常50nm以下であることが好ましい。
<第2電極4の形成>
第2導電型半導体膜3Eの上に第2電極4を形成する。第2電極4の形成方法は特に限定されないが、CVD法、スパッタ法、または蒸着法等であることが好ましい。
第2電極4の構成は特に限定されないが、第2電極4は透明導電膜と金属膜とからなることが好ましく、光電変換層3の上に透明導電膜と金属膜とが順に積層されて構成されていることが好ましい。透明導電膜は、SnO2、ITOまたはZnOなどからなることが好ましい。金属膜は、銀またはアルミニウム等の金属からなることが好ましい。なお、第2電極4は金属膜のみからなっても良い。このようにして図1に示す光電変換装置が製造される。
図1に示す光電変換装置では、基板1の上に第1電極2と光電変換層3と第2電極4とが順に積層されている。光電変換層3は、第1導電型半導体膜3Aとi型微結晶シリコン層3Bと微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cとi型非単結晶シリコン層3Dと第2導電型半導体膜3Eとが積層されて構成されている。そして、微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3C(光電変換機能を有する層)は膜均一性に優れているので、図1に示す光電変換装置は光電変換効率に優れる。
なお、第1導電型がp型であり且つ第2導電型がn型であっても良い。
また、第1のプラズマ発生用電極がカソード電極であり且つ第2のプラズマ発生用電極がアノード電極であっても良い。
また、p型不純物原子はボロンに限定されず、たとえばアルミニウムであっても良い。n型不純物原子はリンに限定されない。
また、第1導電型半導体膜3A、i型微結晶シリコン層3B、i型非単結晶シリコン層3Dおよび第2導電型半導体膜3Eは、いずれも、水素化されていても良いし、フッ素化されていても良いし、水素化およびフッ素化されていても良い。
また、本発明の光電変換装置の製造方法にしたがって製造される光電変換装置は図1に示す構成に限定されず、たとえば図4に示すように2つ以上の光電変換層を備えた光電変換装置であっても良い。図4は、本発明における光電変換装置の構成の別の一例を示す断面図である。
図4に示す光電変換装置では、基板1の上に、第1電極2、第1光電変換層13、第2光電変換層23、光電変換層3および第2電極4が形成されている。よって、図4に示す光電変換装置においても、光電変換機能を有する層(微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3C)が膜均一性に優れているので、光電変換効率に優れる。
なお、第1光電変換層13は、p型非晶質層13Aとバッファ層13Bとi型非晶質シリコン層13Cとn型非晶質層13Dとが積層されて構成されている。p型非晶質層13Aおよびバッファ層13Bは非晶質シリコンカーバイドからなることが好ましく、i型非晶質シリコン層13Cおよびn型非晶質層13Dは非晶質シリコンからなることが好ましい。
第2光電変換層23は、p型微結晶層23Aとi型微結晶シリコン層23Bとn型半導体層23Cとが積層されて構成されている。p型微結晶層23Aおよびi型微結晶シリコン層23Bは微結晶シリコンからなることが好ましく、n型半導体層23Cは非晶質シリコンからなることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例では、図2に示すプラズマCVD装置を用いて図1に示す光電変換装置を製造した。本実施例で用いたプラズマCVD装置の成膜室は、1m×1m×50cmの大きさを有していた。
<p型微結晶層の形成>
ZnO膜(第1電極2)が形成されたガラス基板(基板11000mm×1400mm)を準備し、基板1をアノード電極223の上に配置した。基板1の温度を200℃とし、成膜室220内の圧力を1000Paとし、カソード電極222には単位面積当たりの電力密度が0.15W/cm2である交流電力を印加した。成膜室220内にはSiH4ガス、B26ガスおよびH2ガスを導入し、SiH4ガスの流量を150sccmとし、B26ガス(0.1%水素希釈)の流量を30sccmとし、SiH4ガスの流量に対するH2ガスの流量の割合を150とした。このようにして、膜厚が40nmであるp型微結晶層(第1導電型半導体膜3A)がZnO膜の上に形成された。
<i型微結晶シリコン層の形成>
基板1の温度を200℃とし、成膜室220内の圧力を2000Paとし、カソード電極222には単位面積当たりの電力密度が0.15W/cm2である交流電力を印加した。成膜室220内にはSiH4ガスおよびH2ガスを導入し、SiH4ガスの流量を250sccmとし、SiH4ガスの流量に対するH2ガスの流量の割合を80とした。このようにして、膜厚が10nmであるi型微結晶シリコン層(i型微結晶シリコン層3B)がp型微結晶層の上に形成された。
<i型微結晶シリコンゲルマニウム層の形成>
基板1の温度を200℃とし、成膜室220内の圧力を2000Paとし、カソード電極222には単位面積当たりの電力密度が0.15W/cm2である交流電力を印加した。成膜室220内にはGeH4ガス、SiH4ガスおよびH2ガスを導入し、GeH4ガスの流量を5sccmとし、SiH4ガスの流量を250sccmとし、SiH4ガスの流量とGeH4ガスの流量との合計に対するH2ガスの流量の割合を100とした。また、i型微結晶シリコンゲルマニウム層の堆積速度を0.22nm/s〜0.28nm/sとした。このようにして、膜厚が1.2μmであるi型微結晶シリコンゲルマニウム層(微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3C)がi型微結晶シリコン層の上に形成された。形成された微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜3Cの結晶化度(Ic/Ia)は3〜5であった。
本実施例では、表1に示すようにi型微結晶シリコン層の堆積面とカソード電極222の噴出面との間隔Gを変えて、i型微結晶シリコンゲルマニウム層を形成した。ここで、カソード電極222には平面視円形(直径が0.6mm)のガス噴出孔222aがマトリックス状に形成されており、隣り合うガス噴出孔222aの中心間距離dは25mmであった。
得られたi型微結晶シリコンゲルマニウム層の上面を目視により観察すると、カソード電極222において隣り合うガス噴出孔222aの中心間距離dと同じ間隔の水玉模様が確認された。そして、水玉部分と水玉以外の部分とに対して、膜厚、結晶化度、およびゲルマニウム濃度をそれぞれ測定し、各測定値の比率を算出した。その結果を表1および図5に示す。
Figure 2013149839
表1において、膜厚比=水玉部分の膜厚/水玉以外の部分の膜厚であり、膜厚比が1に近いほどi型微結晶シリコンゲルマニウム層が膜均一性に優れることを意味する。
同様に、結晶化度比=水玉部分の結晶化度/水玉以外の部分の結晶化度であり、結晶化度比が1に近いほどi型微結晶シリコンゲルマニウム層が膜均一性に優れることを意味する。X線回折法によりi型微結晶シリコンゲルマニウム層の結晶化度を測定した。
同様に、ゲルマニウム濃度比=水玉部分のゲルマニウム濃度/水玉以外の部分のゲルマニウム濃度であり、ゲルマニウム濃度比が1に近いほどi型微結晶シリコンゲルマニウム層が膜均一性に優れることを意味する。二次イオン質量分析法(SIMS)によりi型微結晶シリコンゲルマニウム層におけるゲルマニウム濃度を測定した。
表1に示すNo.1〜4のi型微結晶シリコンゲルマニウム層では、表1に示すNo.5〜6のi型微結晶シリコンゲルマニウム層に比べて、水玉模様が目立ち難かった。
表1に示すNo.1〜4のi型微結晶シリコンゲルマニウム層では、膜厚比は1以上1.1未満であり、結晶化度比は0.8よりも高く、ゲルマニウム濃度比は1以上1.2未満であった。よって、d/2≦G<dであれば、i型微結晶シリコンゲルマニウム層が膜均一性に優れることが分かる。
表1に示すNo.1およびNo.3のi型微結晶シリコンゲルマニウム層では、No.2およびNo.4のi型微結晶シリコンゲルマニウム層に比べて、ゲルマニウム濃度比は1により近い値を示した。よって、ゲルマニウム系ガスの流量はシラン系ガスの流量に対して5体積%以上10体積%以下であることがより好ましいことが分かる。
<i型非単結晶シリコン層の形成>
i型微結晶シリコンゲルマニウム層が製膜条件1〜4(表1)にしたがって形成された基板1の温度を200℃とし、成膜室220内の圧力を2000Paとし、カソード電極222には単位面積当たりの電力密度が0.15W/cm2である交流電力を印加した。成膜室220内にはSiH4ガスおよびH2ガスを導入し、SiH4ガスの流量を250sccmとし、SiH4ガスの流量に対するH2ガスの流量の割合を60とした。このようにして、膜厚が10nmであるi型非単結晶シリコン層(i型非単結晶シリコン層3D)がi型微結晶シリコンゲルマニウム層の上に形成された。
<n型半導体層の形成>
基板1の温度を200℃とし、成膜室220内の圧力を500Paとし、カソード電極222には単位面積当たりの電力密度が0.05W/cm2である交流電力を印加した。成膜室220内にはPH3ガス、SiH4ガスおよびH2ガスを導入し、SiH4ガスの流量を150sccmとし、PH3ガス(1%水素希釈)の流量を30sccmとし、SiH4ガスの流量に対するH2ガスの流量の割合を5とした。このようにして、膜厚が25nmであるn型半導体層(第2導電型半導体膜3E)がi型非単結晶シリコン層の上に形成された。
<第2電極の形成>
スパッタ法により、n型半導体層の上にZnO膜およびAg膜を順に積層させた。これにより、図1に示す光電変換装置が形成された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、2 第1電極、3 光電変換層、3A 第1導電型半導体膜、3B 微結晶シリコン層、3C 微結晶シリコンゲルマニウム系化合物膜、3D 非単結晶シリコン層、3E 第2導電型半導体膜、4 第2電極。

Claims (2)

  1. 基板の上に、第1導電型半導体膜を形成する工程と、
    前記第1導電型半導体膜の上に、プラズマCVD法によって形成されたシリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を含む実質的に真性な半導体膜を形成する工程と、
    前記実質的に真性な半導体膜の上に、第1導電型とは逆導電型を有する第2導電型半導体膜を形成する工程とを備え、
    前記実質的に真性な半導体膜を形成する工程において前記シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成するときには、
    前記シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜が形成される成膜室内の第1のプラズマ発生用電極の上に設けられた基板の上に形成された第1導電型半導体膜の堆積面と、前記第1導電型半導体膜の堆積面に対向して前記成膜室内に配置され且つ原料ガスおよびキャリアガスの少なくとも一方が前記第1導電型半導体膜の堆積面へ向かって噴出されるガス噴出孔が形成された第2のプラズマ発生用電極の噴出面との間隔が、前記第2のプラズマ発生用電極において隣り合う前記ガス噴出孔の中心間距離の1/2倍以上であり前記隣り合うガス噴出孔の中心間距離未満である光電変換装置の製造方法。
  2. 前記シリコンゲルマニウム系化合物からなる微結晶膜を形成するときには、
    前記成膜室に供給されるゲルマニウム系ガスの流量は当該成膜室に供給されるシラン系ガスの流量に対して5体積%以上20体積%以下であり、
    前記成膜室の内圧は800Pa以上である請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
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