JP2012047783A - 用紙加湿装置、及び画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙に対して均一な加湿を行って加湿むらによるうねりを形成することなく、高耐久性の用紙加湿装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】可塑剤を含有しないか又は10質量%以下の可塑剤を含有する樹脂からなり、表面に凹凸を有する加湿層を備えた一対の加湿ローラと、加湿ローラに液体を供給する給液部材とを備える用紙加湿装置。
【選択図】図6
【解決手段】可塑剤を含有しないか又は10質量%以下の可塑剤を含有する樹脂からなり、表面に凹凸を有する加湿層を備えた一対の加湿ローラと、加湿ローラに液体を供給する給液部材とを備える用紙加湿装置。
【選択図】図6
Description
本発明は、用紙加湿装置、及び該用紙加湿装置を有する画像形成システムに関する。
電子写真方式の画像形成装置では、トナー像を加熱により用紙に定着するが、定着において加熱処理された用紙からは水分が蒸発するために、用紙の水分含有率の分布に不均一が生じて、波打ち等の用紙の屈曲が発生する。
このような用紙の湾曲を防止するために、画像が形成された用紙に水を付与する用紙加湿技術が開発されている。このような用紙加湿では、用紙を加湿する場合に用紙全面に均一な加湿を行うことが必要であり、特許文献1、2のように均一な加湿を行う技術が知られている。
特許文献1では、多孔質層を有する一対の加湿ローラで用紙を挟持搬送する際に加湿ローラ表面に水を付与して用紙を加湿する用紙加湿装置が提案されている。
特許文献2では、多孔質ではないソリッドゴムからなる層を有する一対の加湿ローラで用紙の挟持搬送する際に加湿ローラ表面に水を供給して用紙を加湿する用紙加湿装置が提案されている。
毎分百枚にも及ぶ高速で送り込まれる用紙に対して、一対の加湿ローラで連続した水付与を行うには、加湿ローラに十分な量の水を保持させることが必要である。このために、例えば、金属ローラのように水を表面にのみ保持するものでは、均一で十分な量の水を用紙に付与することが困難であると考えられる。
特許文献1では、加湿ローラとして多孔質体層を有するものを用いて多孔質層中に水を含有させ、加湿ローラからしみださせることにより用紙に水を付与している。
多孔質体を用いた加湿方式では、用紙に対する水付与量が、加湿ローラからの水のしみだしにより平均化されて均一な加湿が行われる。また、加湿ローラの内部に多量の水が保持されているので、十分な量の水を用紙に付与することができる。しかしながら、大量の用紙に対する加湿処理を行う場合、多孔質体から水をしみださせる加湿方式には、次に説明する問題があることが判明した。
第1には、目詰まりの問題がある。
加湿処理においては、紙粉等の異物が用紙から分離し加湿ローラ表面に付着するが、加湿ローラを水洗することにより異物は除去される。しかしながら、多孔質体の加湿ローラにあっては、異物が一対の加湿ローラにより形成される加湿ニップにおけるニップ圧によって、多孔質体中に圧入され多孔質体中の気泡に詰まって除去されずに蓄積する。このような多孔質体の目詰まりにより、加湿ローラの加湿性能が低下し、加湿装置の性能が早期に低下してしまうことが判明した。
第2には、均一加湿が困難であるという問題がある。
一対の加湿ローラにより形成される加湿ニップにおけるニップ圧は一定ではなく、ニップ圧が変動することは避けられない。ニップ圧が変動した場合、加湿ローラからの液体のしみだし量が変動して加湿むらが生ずることが分かった。
このように、多孔質体を用い、ローラから液体をしみださせる加湿方式には、実施する上で問題があることが判明した。
特許文献2では、加湿ローラとして、ソリッドゴムからなる加湿層を有するものを用いている。
特許文献2のソリッドゴムを用いた加湿方式には、特許文献1で提案されている多孔質体を用いた方式のような問題が改善されている。なお、ソリッドゴムを用いた加湿方式では、ニップ圧の変更や、加湿ローラ表面の表面粗さを変更することにより、加湿量を変更している。
しかしながら、ソリッドゴムを用いた加湿方式には次の問題があることが判明した。
一対のローラにより形成される加湿ニップのニップ幅は、付与量の確保と加湿の均一性のために、所定値以上である必要がある。このために、加湿層は圧力によりある程度の変形をする必要があり、圧力により変形する加湿ローラを構成するゴムとしては、可塑剤を含有し適度の弾性を有するものが用いられる。
しかしながら、可塑剤を含有するソリッドゴムを用いた加湿方式には次の問題があることが判明した。図1〜3を用いてこの問題を説明する。
ゴム中の可塑剤は、加湿ローラが長時間作動した場合に、用紙と接触している部分においてゴムから抜け出し、加湿ローラの変形、具体的には加湿ローラの直径の減少が起こる。これによって、加湿むらが発生する。
図1は加湿ローラWA、WBの直径の減少を示す。非通紙領域SAにおいては、一対の加湿ローラWA、WBの径はDAで示すように一定している。これに対して、通紙領域SBでは、可塑剤のぬけだしによって、DBで示すように加湿ローラWA、WBの直径が減少する。
一方、用紙Sに対する加湿プロセスにおいては、図2に示す現象が起きている。
一対の給水ローラWCには水舟(図示せず)から供給された水の層WL1が形成され、さらに、一対の規制部材WDにより規制されて、水の層WL2が形成される。水の層WL2は給水ローラWCから加湿ローラWA、WBに移動して、一対の加湿ローラWA、WBが接触する加湿ニップの下方に、水溜まりWMが形成される。
水溜まりWMに保持される水の量は、正常な加湿においては極く僅かな量となるように装置が設計される。加湿ローラWA、WBとして、表面に微細な凹凸を有するものを用いる例では、加湿ローラWA、WBの表面の凹凸がつぶれない程度の圧力で一対の加湿ローラWA、WBが互いに接触するようにニップ圧が設定されている。このニップ圧の下では、水は凹凸を有する表面の凹部に保持されており、矢印のように下方から送り込まれる用紙Sが加湿ニップを通過しないときには、水の層WL2は加湿ニップにおいてブロックされることなく通過し、水溜まりWMは形成されないか又は形成されても水溜まりWMには極めて少量の水が保持される。
用紙Sは所定の用紙間隔を置いて一対の加湿ローラWA、WB間の加湿ニップを通過して均一な加湿が行われる。
ところが、図2における水溜まりWMにおける水の量が多い場合、用紙1枚1枚の先頭において、多量の水が水溜まりWMから供給されることになり、用紙先頭部において過剰な加湿が行われるという加湿むらを起こすことになる。
加圧手段PMの圧力を前述のように適正に設定することにより、このような加湿むらが抑制されて均一な加湿が行われるようになる。
しかしながら、前述のように、非通紙領域SAの直径DAと通紙領域SBの直径DBとの間に差ができた場合、加圧手段PMの圧力を調整したとしても圧力が非通紙領域SAに集中して、非通紙領域SAにおけるニップ圧が高くなる。このような非通紙領域SAにおける圧力の集中は、用紙Sが加湿ニップを通過しない用紙間隔において顕著になる。即ち、加湿ローラWAと加湿ローラWBとの間に用紙Sが介在する状態では、用紙Sが直径差DA−DBを埋めるので、非通紙領域SAに圧力が集中することが緩和される。しかしながら、用紙Sが介在しない用紙間隔においては、直径差DA−DBを埋めるものが無くなるために、非通紙領域SAにおいて、加圧手段PMによる圧力が集中することになる。その結果、非通紙領域SAにおいて、水の層WL2の通過がブロックされて大きな水溜まりWMが形成される。即ち、水溜まりWMに大量の水が保持される。図3に非通紙領域SAにおいて形成される水溜まりWMを示す。
用紙間隔において形成された水溜まりWMの水は矢印で示すように通紙領域SBに回り込み、用紙間隔の後に送られてくる用紙Sに付与される。その結果、用紙Sの先頭部に対して過剰な量の水が付与され、加湿装置における用紙搬送方向に関して用紙先端の両端部が加湿過多となる。
可塑剤を含有するソリッドゴムを用いた加湿ローラでは、可塑剤の抜けだしによるローラ直径の減少が原因で、このような問題が発生する。
本発明は、従来の用紙加湿装置における前述した問題を解決し、用紙に対して均一な加湿を行い、高い耐久性を有する用紙加湿装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
前記目的は下記の発明により達成される。
1.用紙を挟持搬送し、用紙に液体を付与する一対の加湿ローラと、該加湿ローラに液体を供給する給液部材とを備えた用紙加湿装置において、
前記加湿ローラは、可塑剤を含有しないか又は10質量%以下の可塑剤を含有する樹脂からなり、表面に凹凸を有する加湿層を備えることを特徴とする用紙加湿装置。
前記加湿ローラは、可塑剤を含有しないか又は10質量%以下の可塑剤を含有する樹脂からなり、表面に凹凸を有する加湿層を備えることを特徴とする用紙加湿装置。
2.前記加湿層の十点平均表面粗さRz(十点平均)が10μm〜50μmの範囲内であることを特徴とする前記1に記載の用紙加湿装置。
3.前記加湿層は、ポリプロピレン、ポリアセタール又はポリカーボネートからなることを特徴とする前記1又は2に記載の用紙加湿装置。
4.前記加湿層の表面の凹凸は斑点状であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の用紙加湿装置。
5.前記給液部材は、ゴムからなる給水層を有する給水ローラからなることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の用紙加湿装置。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の用紙加湿装置と画像形成部とを有し、前記画像形成部により、用紙に画像を形成するとともに画像形成された用紙に対して前記用紙加湿装置により液体を付与することを特徴とする画像形成システム。
本発明においては、可塑剤を含有しないか又は10質量%以下の可塑剤を含有する樹脂からなり、凹凸のある表面を有する加湿層を備えた一対の加湿ローラにより、用紙に液体を付与し加湿が行われる。これにより、均一な加湿を長期間に亘り行う高耐久性の用紙加湿装置及び画像形成システムが実現される。
以下に本発明の実施の形態により本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
<画像形成システム>
図4は本発明の実施の形態に係る画像形成システムの全体を示す図であり、該画像形成システムは画像形成装置Aと、用紙後処理装置FS1と、用紙後処理装置FS2とから構成される。
図4は本発明の実施の形態に係る画像形成システムの全体を示す図であり、該画像形成システムは画像形成装置Aと、用紙後処理装置FS1と、用紙後処理装置FS2とから構成される。
画像形成装置Aは、自動原稿搬送装置1と画像読取部2とを上部に有し、下部が画像形成部と定着部とで構成される。
画像形成部において、3は用紙Sを収納する用紙収納部である。感光体4に対して、帯電、露光及び現像を行う電子写真プロセスにより、感光体4上にトナー像を形成するプリンタエンジン5において、用紙Sに画像が形成される。形成された画像は定着部6において用紙Sに加熱定着される。定着部6は熱源6aが内蔵された加熱ローラ6bと加圧ローラ6cとで用紙Sを搬送するニップ部を形成し、用紙Sを搬送しつつ加熱・加圧してトナーを溶融し、画像を用紙Sに定着する。
用紙Sは用紙収納部3から第1給紙手段3aにより給送され、第2給紙手段3bにおいて一時停止した後に給紙されて画像形成が行われ、画像形成された用紙Sは、排紙ローラ8により排紙口から排出される。
用紙Sの搬送経路としては、用紙収納部3からプリンタエンジン5までの給紙路7と、プリンタエンジン5から定着部6と、排紙ローラ8を経て排紙口に至る搬送路9aと、反転搬送を行う裏面用搬送路9bとが設けられる。
画像形成モードとしては、片面フェースダウン排紙モードと、片面フェースアップ排紙モードと両面モードとがある。片面フェースダウン排紙モードでは、片面に画像が形成され、定着部6を通過した用紙Sは、反転処理により表裏反転した後に、排紙ローラ8で搬送されて排出される。
片面フェースアップ排紙モードでは、片面に画像形成され、搬送路9aを搬送された用紙Sは、そのまま排紙ローラ8により搬送され排出される。
両面モードにおいては、片面に画像形成され、定着部6を通過した用紙Sは、下方に走行して裏面用搬送路9bに進行し、表裏反転した後に、給紙路7に再給紙される。
再給紙された用紙Sの裏面にプリンタエンジン5において裏面画像が形成され、裏面画像形成された用紙Sは定着部6を通過し、排紙ローラ8により搬送されて排出される。
10は操作部であり、画像形成装置Aにおける各種のモードと、用紙後処理装置FS1、FS2を用いた出力モードの設定とを操作部10における操作で設定することができる。
画像形成装置Aに配置された制御ユニットC1は、通信手段C4を介して用紙後処理装置FS1の制御ユニットC2、及び用紙後処理装置FS2の制御ユニットC3に接続されている。
制御ユニットC1は画像形成装置Aにおける画像形成工程の制御及び画像形成システム全体の制御を行う。制御ユニットC2は用紙後処理装置FS1の制御を行い、制御ユニットC3は用紙後処理装置FS2の制御を行う。制御ユニットC2、C3は制御ユニットC1からの命令や情報に基づいて作動して各種の制御を行い、用紙後処理装置FS1、FS2の状態を制御ユニットC1に報告する。制御ユニットC1と、制御ユニットC2と、制御ユニットC3とにより構成される制御部が画像形成システム全体を制御する。
画像形成装置Aから排出された用紙Sは、用紙後処理装置FS1を経て用紙後処理装置FS2に搬送される。
用紙後処理装置FS1は、画像形成装置Aから排出された用紙Sを受け入れ搬送する搬入搬送部100と、用紙Sに水を付与する用紙加湿装置120と、第1デカール部160と、第2デカール部170と、用紙Sを排出し、用紙後処理装置FS2へと受け渡す排紙搬送部200とを有する。
用紙後処理装置FS2は、画像形成装置Aから排出される用紙Sに対して各種の後処理装置を行うものある。図示の例は糊付け製本機であるが、穿孔折り機、平綴じ機、中綴じ機、断裁機等を備えることも可能である。
糊付け製本機は、用紙導入部21と、排紙部22と、用紙束収納部23と、用紙束搬送部24と、糊塗布部25と、表紙供給部26と、表紙断裁部27と、表紙外装部(くるみ製本部)28と、整合部29等を備えている。
用紙導入部21に導入された用紙Sは、用紙束収納部23上に載置された後、斜め下方に逐次搬送され、用紙束搬送部24の把持部241によって把持される。把持部241は、用紙束Saを把持したまま用紙束Saに糊塗布処理をする面(背部)を下側になるように旋回して所定位置に停止する。糊塗布部25は、用紙束Saの背部に糊を塗布する。
表紙供給部26に収納された表紙Kは、表紙断裁部27を経由して表紙外装部28に搬送された後、表紙Kの後端部が表紙断裁部27によって所定長に断裁される。表紙Kの断裁長は、用紙Sの進行方向の2枚分の長さに用紙束Saの背部の厚さを加えた長さである。
表紙外装部28は、表紙供給部26から供給された表紙Kを受容して搬送し、所定位置に停止させた後、整合部29により幅方向の位置決めを行う。表紙Kは表紙外装部28により用紙束Saの糊塗布面Nに圧接して接着される。
用紙束Saの背部に対向する加圧部材の下降と、表紙外装部28の上部に配置された左右対称な一対の折曲部材の移動とにより、表紙Kは用紙束Saの糊塗布面Nの側縁に沿って折り曲げられ、用紙束Saの表裏面に表紙Kを装着した用紙束Saが形成される。
表紙Kの折り曲げ工程の終了後、表紙外装部28が下降して待避した後、整合部29の退避とともに表紙Kの幅方向外側に退避していた排出ベルト30が用紙束Saの下方の幅方向内側まで移動して停止する。その後、把持部241による挟持が解除されると、用紙束Saは下降し、用紙束Saの下方の背部が排出ベルト30の上面に当接する位置に停止する。回動する排出ベルト30は、用紙束Saに表紙Kを貼着してくるみ製本処理された冊子を装置外に排出する。
<用紙後処理装置FS1>
図5は、本発明の実施の形態に係る用紙加湿装置を備えた用紙後処理装置FS1の全体を示す図である。
図5は、本発明の実施の形態に係る用紙加湿装置を備えた用紙後処理装置FS1の全体を示す図である。
搬入搬送部100は複数の搬送ローラ101〜105を有し、画像形成装置Aから排出された用紙Sを用紙加湿装置120に向けて搬送する。
第1デカール部160と第2デカール部170とは、後述の用紙加湿装置により水が付与された用紙に対して処理を施す手段であり、互いに反対向きの用紙Sのカールを矯正する。第1デカール部160、第2デカール部170においては、搬送ローラ161、162により用紙Sが搬送される。
排紙搬送部200においては、搬送ローラ201〜203により用紙Sが搬送され、排紙ローラ204により用紙Sが排出され、用紙後処理装置FS2に送り込まれる。
<用紙加湿装置>
図6、7により用紙加湿装置120の構造と、作用とを説明する。図6は本発明の実施の形態に係る用紙加湿装置の正面断面図、図7は図6に示す用紙加湿装置の斜視図である。
図6、7により用紙加湿装置120の構造と、作用とを説明する。図6は本発明の実施の形態に係る用紙加湿装置の正面断面図、図7は図6に示す用紙加湿装置の斜視図である。
用紙を加湿する水Wを収容する水舟121は、搬送される用紙Sの最大幅(搬送方向に直角な方向の用紙長さ)よりも若干長い水槽121Aを形成する。
水舟121には、左右に並んだ給水皿121B1、121B2が形成される。
給水皿121B1、121B2は水舟121により形成される水槽121Aより高い位置で水を収容する部屋を形成する。
給水皿121B1、121B2に収容されている水はオーバーフローして水槽121Aに落下する。
水舟121の中央部には用紙Sが通過する間隙121Eが形成される。
図4に示すように、給水皿121B1、121B2と間隙121Eとを形成する用紙通過部は、水槽121A中に島状に形成される。
2個の給水皿121B1、121B2はそれぞれ、給液部材としての給水ローラ124、125の円筒形外周面に対応した円弧状の内周面を有する。
給水皿121B1、121B2は後に説明するように、給水管131から水W(図2参照)が供給され、排水溝121D1、121D2からのオーバーフローにより常に一定の水位WSが保持される。
給水皿121B1、121B2の上方には、給水皿121B1、121B2の内周面と所定の間隔を隔てて給水ローラ124、125が配置され、給水ローラ124、125の下部は給水皿121B1、121B2に収容されている水に浸漬する。
給液部材としての給水ローラ124、125は金属の軸芯1241、1251に、これら給水ローラ124、125の表面層を形成する給液層としての給水層1242、1252を形成したゴムローラからなり、給水ローラ124は矢印D1のように回転し、給水ローラ125は矢印D2のように回転する。
給水ローラ124に圧着するように加湿ローラ122が、給水ローラ125に圧着する加湿ローラ123がそれぞれ配置され、加湿ローラ122と加湿ローラ123とが圧接する。
加湿ローラ122、123はそれぞれ金属の軸芯1221、1231に、これら加湿ローラ122、123の表面を形成する加湿層1222、1232を形成したローラからなる。加湿ローラ122は矢印D3のように回転し、加湿ローラ123は矢印D4のように回転して、図示のように用紙Sを上方に挟持搬送する。
加湿ローラ122又は123のいずれかが駆動源(図示せず)により回転駆動されて駆動ローラとして回転し、他の加湿ローラ及び給水ローラ124、125は駆動ローラに従動して回転する。
126は給水ローラ124に圧着する規制部材、127は給水ローラ125に圧着する規制部材である。
規制部材126、127は金属の円筒体からなり、給水ローラ124、125に従動して回転する。規制部材126が給水ローラ124を、規制部材127が給水ローラ125をそれぞれ押圧するように、規制部材126、127はバネ134、135で付勢されている。このような構成により、加湿ローラ122と加湿ローラ123とは、規制部材126、127を付勢するバネ134、135の弾性とにより互いに圧接し、加湿ニップを形成して通過する用紙Sを挟持搬送しつつ用紙Sに水Wを付与して加湿を行う。
130は貯水槽、131は給水管、132は排水管、133はフィルタである。
水Wは貯水槽130からポンプ(図示せず)により給水管131を経て水舟121の給水皿121B1、121B2に供給され、排水管132を経て水舟121から貯水槽130に還流する。なお、水Wには、防かび剤など副成分が付加される場合もある。このように、加湿は、水を用紙Sに付与することにより行われる場合だけでなく、水に副成分が付加された液体を用紙S付与することにより行われる場合もある。従って、本発明において液体とは、水又は水に副成分が付加されたもの等を含む。
121C1〜121C4は給水口であり、給水管131を経て給水口121C1〜121C4から供給された水Wは矢印D51〜D54のように流れて排水溝121D1、121D2から流出する。
用紙に水Wを付与する過程で水Wに混入した紙粉等の異物はフィルタ133により濾過され、水Wは貯水槽130と水舟121との間で循環する。
用紙Sへの水の付与は次のようにして行われる。
用紙Sは搬送ローラ105により用紙加湿装置120に搬入され、間隙121Eを通過し加湿ローラ122、123により搬送される。加湿ローラ122、123の外周面には、水Wの層が形成されており、用紙Sには搬送の過程で連続的に水Wが付与される。給水ローラ124、125の外周面には均一な水Wの層が形成されるが、規制部材126、127により更に均一化される。用紙の水Wを付与する過程で、用紙Sから紙粉等の異物が加湿ローラ122、123に付着し、更に水Wに混入するが、水Wに混入した異物はフィルタ133により濾過される。
加湿ローラ122、123の上方、即ち、用紙搬送方向に関して、加湿ローラ122、123の下流に用紙Sや加湿ローラ122、123から余分な水を除去する除湿部150が配置される。除湿部150は両側から用紙をガイドする一対のガイド部材151、151と、一対の送風ファン152、152とで構成される。ガイド部材151は送風ファン152からの空気を通し、且つ、用紙Sをガイドする。除湿部150からの空気は用紙Sを除湿するとともに、加湿ローラ122、123から余分な水分を除去する。除湿部150において余分な水分を除去された用紙Sは搬送ローラ153によりデカール部160へと搬送される。
<加湿ローラ>
加湿ローラ122は軸芯1221上に加湿層1222を形成したローラであり、加湿ローラ123は軸芯1231上に加湿層1232を形成したローラである。
加湿ローラ122は軸芯1221上に加湿層1222を形成したローラであり、加湿ローラ123は軸芯1231上に加湿層1232を形成したローラである。
軸芯1221、1231は、金属、硬質樹脂など変形し難い材料からなる。
加湿層1222、1232は、親水性樹脂からなる。
図8を用いて、加湿ローラ122、123の加湿作用を説明する。図8は水を保持した加湿ローラの模式図である。
加湿層1222、1232はそれぞれ図8(a)に示すように表面に凹凸を有する。このような加湿層1222、1232を備えた加湿ローラ122、123においては、水Wはローラ表面の凹部に保持される。加湿ローラ122、123が矢印で示すように回転した場合、水Wは加湿ニップNPにおいてほとんどブロックされることなく通過する。したがって、加湿ニップNPの上流に水溜まりが形成されないか又は形成されても極めて小さな水溜まりが形成される。
図8(a)のように圧接している加湿ローラ122、123間に用紙Sを通したときに、用紙Sには、加湿ローラ122、123の表面の凹部に保持されている水Wが付与される。図示のように、加湿ローラ122、123の表面には、微視的な多い、少ないの変化はあるが、巨視的には均一な分布で水Wが保持されているので、用紙に対して常に一定した量の水Wが付与されて均一な加湿が行われる。
これに対して、図8(b)に示すように平坦な表面を有する加湿ローラWA、WBを互いに圧接させた場合、水Wは加湿ニップNPによりブロックされて、加湿ニップNPをほとんど通過せず、加湿ニップNPの上流(下方)に水溜まりWMが形成される。
加湿ローラWA、WB間に用紙Sを通して加湿を行うと、用紙Sの先頭部に対しては、水溜まりWMに保持されている水Wが付与される。そして、水溜まりWMの水Wが用紙Sに吸収されて水溜まりWMが消滅すると、用紙Sに付与される水Wは加湿ローラ122、123の表面上の層を形成している水Wとなり付与量が減少する。このように、加湿ニップNPの下流に水溜まりWMが形成される状態で加湿を行うと、用紙の先頭部と後続部との間で用紙に付与される水Wの量に違いができる。即ち、不均一な加湿が行われる。その結果、加湿された用紙にうねり等の湾曲が形成される。
本発明に係る加湿ローラである加湿ローラ122、123では、図8(a)に示すように表面に凹凸を有するので、このような望ましくない現象が効果的に抑制される。
前述のように、加湿層1222、1232は凹凸のある表面を有するが、このような表面の凹凸は表面粗さにより規定することが可能である。
加湿層1222、1232は表面粗さ10μm〜50μmの表面を有することが好ましい。この表面粗さはJIS B 0601:2001による十点平均粗さRzである。
表面粗さが10μmよりも細かいと、水Wがはじかれて加湿ローラ122,123上に均一に保持されない。また、表面粗さが細かいと、加湿ローラ122、123の表面が平坦面に近くなるために、図8(b)に示す水溜まりWMが形成されるようになって、加湿むらが発生しやすくなる。
表面粗さが50μmよりも粗いと、加湿ローラ122、123に保持される水の量が多くなり、過剰な加湿が行われる場合がある。
図8(a)に示すような表面の凹凸は筋状のように、方向性を持ったものではなく、斑点状のように無方向性のものが好ましい。
このような斑点状の凹凸は表面のサンドブラスト処理により形成される。
加湿層1222、1232を構成する材料としては、樹脂が用いられ、好ましくは、ポリプロピレン、ポリアセタール又はポリカーボネートが用いられる。ポリプロピレンが最も好ましい。
樹脂は可塑剤を含有しないものが最も良く、可塑剤を含有しているものでも含有量10質量%以下であることが好ましい。
加湿層1222、1232に可塑剤が含有される場合、長時間作動したときに、可塑剤が加湿層1222、1232から抜け出して、加湿ローラ122、123の直径が減少して加湿むらが発生することは前述したとおりである。可塑剤を含有しない加湿層1222、1232を有する加湿ローラ122、123を用いることにより、このような加湿むらを十分に抑制することができた。加湿層1222、1232を構成する樹脂中の可塑剤の含有量が10質量%を超えると、長時間作動時に加湿ローラ122、123の直径が通紙領域において起こり、加湿むらが発生する。
<給液部材>
給液部材としては、加湿ローラ122、123に対して、十分な量の水を供給するものであればよく、特に制限はないが、加湿ローラ122、123にそれぞれ接触する一対の給水ローラ124、125が好ましく、給水ローラ124、125は、給液水層としてのゴムからなる給水層1242、1252を有することが好ましい。
給液部材としては、加湿ローラ122、123に対して、十分な量の水を供給するものであればよく、特に制限はないが、加湿ローラ122、123にそれぞれ接触する一対の給水ローラ124、125が好ましく、給水ローラ124、125は、給液水層としてのゴムからなる給水層1242、1252を有することが好ましい。
加湿ローラ122、123に対して安定した給水を行うには、所定のニップ幅を持った給水ニップが形成されることが好ましく、このために給水層1242、125には、硬度20〜60度(JIS A)のゴムが好ましく用いられる。
給水層1242、1252を構成するゴム材料としては、親水性のNBR(ニトリルゴム)又は親水性のウレタンゴムが好ましい。
また、給水層1242、1252は、表面粗さ10μm〜30μmの表面を有することが好ましく、これにより給水ローラ124、125の表面には均一で、十分な量の水が保持され、加湿ローラ122、123に対する十分な量の水が安定して供給される。
給水層1242、1252の厚さは2.0mm〜12.0mmが好ましい。
図6に示す用紙加湿装置を用い、4Aサイズの用紙を連続通紙して加湿処理を行った。
実施例:可塑剤を含有しない親水性ポリプロピレンからなり、表面粗さ35μmRzの表面を有する加湿層を備えた加湿ローラを使用
比較例1:連続気泡型の親水性ウレタンゴム多孔質体からなる加湿層を備えた加湿ローラを使用
比較例2:可塑剤24質量%を含有する親水性NBRソリッドゴムからなり、表面粗さ25μmRzの表面を有する加湿層を備えた加湿ローラを使用
図9は加湿性能の変遷を示すグラフである。図9において、線L1は実施例の加湿性能を示し、線L2は比較例1の加湿性能を示す。
比較例1:連続気泡型の親水性ウレタンゴム多孔質体からなる加湿層を備えた加湿ローラを使用
比較例2:可塑剤24質量%を含有する親水性NBRソリッドゴムからなり、表面粗さ25μmRzの表面を有する加湿層を備えた加湿ローラを使用
図9は加湿性能の変遷を示すグラフである。図9において、線L1は実施例の加湿性能を示し、線L2は比較例1の加湿性能を示す。
図10は、加湿ローラの直径の変遷を示す。
線L3は実施例における加湿ローラの直径を示し、線L4は比較例2における加湿ローラの直径を示す。
線L1で示すように実施例においては、140000枚まで加湿性能がほとんど変化しなかった。これに対して、線L2で示すように比較例1においては、70000枚までの加湿過程において、加湿性能が顕著に低下した。
また、実施例においては、加湿ローラの直径にほとんど変化がなかったのに対して、比較例2においては、処理枚数の増加に対して、加湿ローラの直径が直線的に減少した。
比較例2においては、処理枚数70000の段階で、加湿むらによる用紙のうねりが現れ、140000枚の段階で、用紙のうねりが顕著になった。
120 用紙加湿装置
122、123 加湿ローラ
124、125 給水ローラ
1222、1232 加湿層
1242、1252 給水層
122、123 加湿ローラ
124、125 給水ローラ
1222、1232 加湿層
1242、1252 給水層
Claims (6)
- 用紙を挟持搬送し、用紙に液体を付与する一対の加湿ローラと、該加湿ローラに液体を供給する給液部材とを備えた用紙加湿装置において、
前記加湿ローラは、可塑剤を含有しないか又は10質量%以下の可塑剤を含有する樹脂からなり、表面に凹凸を有する加湿層を備えることを特徴とする用紙加湿装置。 - 前記加湿層の十点平均表面粗さRz(十点平均)が10μm〜50μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の用紙加湿装置。
- 前記加湿層は、ポリプロピレン、ポリアセタール又はポリカーボネートからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙加湿装置。
- 前記加湿層の表面の凹凸は斑点状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の用紙加湿装置。
- 前記給液部材は、ゴムからなる給水層を有する給水ローラからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の用紙加湿装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の用紙加湿装置と画像形成部とを有し、前記画像形成部により、用紙に画像を形成するとともに画像形成された用紙に対して前記用紙加湿装置により液体を付与することを特徴とする画像形成システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010186926A JP2012047783A (ja) | 2010-08-24 | 2010-08-24 | 用紙加湿装置、及び画像形成システム |
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ID=45902779
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014202900A (ja) * | 2013-04-04 | 2014-10-27 | コニカミノルタ株式会社 | 加湿装置及び画像形成システム |
-
2010
- 2010-08-24 JP JP2010186926A patent/JP2012047783A/ja active Pending
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