JP2012047340A - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】肉盛溶接や焼入れを行う必要がないことから製造コストの上昇をできるだけ抑制でき、しかも優れた軸圧潰特性を有する衝撃吸収部材を提供する。
【解決手段】鋼板をプレス成形することにより得られるとともに、二つの側壁部と、底部と、側壁部及び底部をつなぐコーナ部とを有する略溝形の第1の部材を少なくとも有し、第1の部材の軸方向へ向けて負荷される衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収部材である。少なくともコーナ部が、金属板が折り重ねられた折り重ね形状部である。
【選択図】図2

Description

本発明は衝撃吸収部材に関し、具体的には、肉盛溶接や焼き入れを行うことなく安価で、優れた軸圧潰特性を有し、かつ軽量化を図ることが可能な衝撃吸収部材に関する。
周知のように、自動車の衝突時の衝突エネルギを吸収してキャビンへの衝撃力を緩和することによって乗員の保護を図るためには、例えばエンジンルームやトランクルームといったキャビン以外のスペースを優先的に潰すことが有効である。そこで、自動車の車体の前部、後部あるいは側部等の適宜箇所には、衝突時の衝撃荷重が負荷されると軸方向(本明細書では衝撃吸収部材の長手方向を意味する)へ圧潰することによって衝突エネルギを積極的に吸収するための衝撃吸収部材が配置される。このような衝撃吸収部材として、フロントサイドメンバ、サイドシルさらにはリアサイドメンバ等が知られており、近年では、軸方向へ負荷される衝撃荷重によって軸方向へ蛇腹状(アコーデオン状)に優先的に座屈することにより衝突エネルギを吸収するクラッシュボックスも採用されている。
クラッシュボックス等の衝撃吸収部材には、衝突時の衝撃エネルギを吸収するために高い耐荷重性が要求される。衝撃吸収部材の耐荷重を高めるには、板厚を大きくするか又は高強度材を用いればよい。しかし、前者では車体重量の増加を招き、また後者では製造コストの上昇を招き、いずれも自動車用の衝撃吸収部材として適当でない。
そこで、衝撃吸収部材の特定部位に肉盛溶接や高周波焼入れを施すこと、あるいは、衝撃吸収部材のコーナ部を凸形状又は凹形状に形成することによって耐荷重を高めることが提案されている。
特許文献1には、曲げ成形部材の稜線あるいは稜線の近傍の領域に例えばアークやレーザの肉盛溶接部を形成することにより軸方向の衝突の際の衝撃エネルギの吸収量を増加する発明が開示されている。
特許文献2には、プレス成形部材の特定の部位に高周波焼入れによる焼入硬化部を形成することにより軸方向の衝突の際の衝撃エネルギの吸収量を増加する発明が開示されている。
さらに、特許文献3には、横断面が略ハット状の構造部材におけるフランジとクロージングプレートとを接合した部材のフランジ部に隣接するコーナ部以外のコーナ部を、凹形状又は凸形状に成形することにより軸方向の衝突の際の衝撃エネルギの吸収量を増加する発明が開示されている。
特開2004−276031号公報 特開平11−152541号公報 特開平9−249155号公報
衝撃吸収部材の衝撃エネルギの吸収量を増加するために、特許文献1により開示された発明では肉盛溶接を行う必要があり、特許文献2により開示された発明では高周波焼入れを行う必要があり、さらに特許文献3により開示された発明では凹形状又は凸形状に成形加工する必要がある。このため、いずれの発明によっても製造コストの上昇は否めず、低コストも強く要請される自動車用の衝撃吸収部材として適用することは難しい。
本発明は、このような従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、肉盛溶接や焼入れを行う必要がないことから製造コストの上昇をできるだけ抑制でき、しかも優れた軸圧潰特性を有し、かつ軽量化を図ることができる衝撃吸収部材を提供することである。
本発明は、衝撃吸収部材を構成する略溝形の部材のコーナ部を、3重以上に折り重ねて構成すれば、この部材の素材である鋼板の板厚を増大させることなく、衝撃荷重を負荷された際に高い応力を受けるコーナ部の板厚を実質的に増加してコーナ部を強化でき、これにより、衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を向上できるという、極めて独創的な技術思想に基づくものである。
本発明は、金属板を成形することにより得られるとともに、二つの側壁部と、底部と、これら側壁部及び底部をつなぐコーナ部とを有する第1の部材を少なくとも有し、第1の部材の軸方向へ向けて負荷される衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収部材であって、少なくとも前記コーナ部の一部は、金属板がコーナ部の形状に沿うように3重に折り重ねられた折り重ね形状部であることを特徴とする衝撃吸収部材である。
この本発明では、折り重ね形状部をなす金属板の少なくとも一部が、重ね合わせ接合されることが、望ましい。
これらの本発明では、折り重ね形状部が、コーナ部の近傍であって側壁部の一部、及び/又は、底部の一部に形成されることが、望ましい。
これらの本発明では、第1の部材が、二つの側壁部に設けられたフランジを有することが望ましい。
これらの本発明では、さらに、第1の部材のフランジを介して第1の部材に接合されることにより閉じた横断面を形成するための第2の部材を有することが望ましい。
これらの本発明にかかる衝撃吸収部材における第1の部材は、例えば、金属板をプレス成形することにより得られることが例示される。
本発明により、肉盛溶接や焼き入れを行う必要がないことから製造コストの上昇をできるだけ抑制でき、しかも優れた軸圧潰特性を有する衝撃吸収部材を提供することが可能となる。
以下、本発明に係る衝撃吸収部材を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る衝撃吸収部材は、例えば、クラッシュボックス、サイドシル、クロスメンバーやサイドメンバーといった、自動車の衝突変形時に軸圧潰変形を受ける部材であれば、等しく適用可能である。
本実施の形態の衝撃吸収部材は、第1の部材と第2の部材とを有するので、これらについて説明する。
[第1の部材]
本実施の形態の衝撃吸収部材は、略溝形の第1の部材を有する。この衝撃吸収部材は、第1の部材の軸方向へ向けて衝撃エネルギを負荷されると、軸方向へ蛇腹状(アコーデオン状)に優先的に座屈することにより衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収部材である。
本実施の形態では、第1の部材の素材として普通鋼からなる鋼板を用いる。そして、第1の部材は、この鋼板を周知慣用の手段によりプレス成形することにより、二つの側壁部と、底部と、側壁部及び底部をつなぐ湾曲したコーナ部とを有する略溝形の部材として、成形される。
本実施の形態では、このプレス成形工程の一部に、少なくともコーナ部が、鋼板が折り重ねられた折り重ね形状部となる工程が設けられる。
図1(a)〜図1(d)は、第1の部材のコーナ部に折り重ね形状部を形成するための工程の一例を模式的に示す説明図である。
図1(a)に示すように、折り重ね形状部の余線長を確保するため、平板のブランク1を用い、ブランクホルダ2、パンチ3及びダイ4により構成される第1の金型5により底部に該当する部位に絞り加工を行って凹形状部1aを形成する。このとき、パネルの反転を不要とするために、図1(a)に示すように上型にブランクホルダ2及びパンチ3を配置することが望ましい。
次に、図1(b)に示すように、ダイ6、パッド7、ホルダ8及びパンチ9により構成される第2の金型10により凹形状部1aをパッド7で押圧した状態で、絞り又は曲げ成形を行ってハット形状に成形する。
次に、図1(c)に示すように、ダイ11、ホルダ12及びパンチ13により構成される第3の金型14により凹型の余線長部1bをパンチ13の肩部周辺に移動させるための予備成形を行う。折り返しを容易とするためにパンチ13の先端部は略凸形状とすることが有効である。また、ダイ11には折り返し部の移動を防止するために段差状の返し11aを設けることが有効である。
そして、図1(d)に示すように,最終工程として、ダイ15、ホルダ16及びパンチ17により構成される第4の金型18により所定の折り重ね形状部1cに成形する。
これにより、本実施の形態のクラッシュボックスを構成する第1の部材の少なくともコーナ部の少なくとも一部が、鋼板が折り重ねられた折り重ね形状部となる。また、本実施の形態では、図1(d)に示すように折り重ね形状部1cは、第1の部材のコーナ部のみではなく、コーナ部の近傍であって側壁部の一部、及び、底部の一部の一方又は双方にまで形成される。
側壁部の一部や底部の一部も折り重ね形状部となる範囲は、コーナ部に隣接し、かつコーナからコーナRの5倍程度以内の範囲であることが望ましい。この範囲を超えて形成すると、単位質量当たりのエネルギ吸収量の向上を図ることが困難となることがあるからである。
本実施の形態では、第1の部材をプレス成形により成形する場合を例にとったが、本発明はプレス成形に限定されるものではなく、例えばロールフォーミングにより成形するようにしてもよい。
本実施の形態において、コーナ部、さらにはコーナ部の近傍であって側壁部の一部、及び/又は、底部の一部を折り重ね形状部とすることにより衝撃吸収性能が向上する理由を説明する。
二つの側壁部と、これら側壁部の一方の端部に接続される湾曲したコーナ部と、このコーナ部の一方の端部に接続される底部とを備える溝型の衝撃吸収部材に、その軸方向へ衝撃荷重が負荷されると、コーナ部とその近傍には高い応力が生じる。このため、高い応力を受けるコーナ部を強化することにより衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を向上することができる。コーナ部の強化は上述したように素材の強度や素材の板厚を増大させることにより簡単に達成できるものの、これでは、重量やコストの増加を招き、衝撃吸収部材として要求される特性を確保できない。
そこで、本実施の形態では、コーナ部を折り重ね形状部に形成することにより、素材である鋼板の板厚を増大させることなく、コーナ部の板厚を実質的に増大させることが可能となり、これにより、衝撃荷重を負荷された際に高い応力を受けるコーナ部を強化することができるので、衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を向上することができる。
さらに、コーナ部のみならず、コーナ部の近傍となる底部の一部又は略溝形の横断面の側壁の一部を含む領域をも折り重ね形状部とすることにより、コーナ部とその近傍領域の板厚を実質的に増加することが可能となり、衝撃吸収性能をさらに向上することができる。
本実施の形態における折り重ね形状部は、折り返された鋼板同士が重なり合うような状態にあればよく、必ずしも折り返された鋼板同士が接触する必要はない。折り返された部分同士の隙間が板厚の5倍程度以下であればよい。板厚程度以下とするのがさらに望ましい。
折り重ね部における鋼板は、3重に折り重ねられてなることが、得られる衝撃吸収性能の向上と製造コストとの観点から望ましい。
さらに、折り重ね形状部をなす鋼板の少なくとも一部が、重ね合わせ接合されることが、望ましい。このように、折り重ね形状部に形成された鋼板を重ね合わせ接合すると、接合により折り重ね形状部に形成された鋼板同士の変形が拘束されるため、接合しない場合に比べて実質的に板厚を増加したこととなり、衝撃吸収性能がさらに向上するからである。
さらに、この重ね合わせ接合には、レーザ溶接、抵抗スポット溶接又はプラズマ溶接等の溶接や、ろう付け、機械的接合、あるいは構造接着を用いることが例示される。
なお、後述する第2の部材を接合する場合には、第1の部材の側壁部の端部に、例えば外向きフランジを設けておき、この外向きフランジを介して第2の部材を接合することが、望ましい。ただし、接合する形態や手段等によっては第1の部材の側壁部の端部を接合相手材に突き合わせて接合してもよいことはいうまでもない。
第1の部材は、以上のように構成される。
[第2の部材]
本実施の形態のクラッシュボックスは、第2の部材を有する。第2の部材は、第1の部材の二つの側壁部に、望ましくはこれら二つの側壁部に設けられたフランジを介して、例えば溶接により接合されることにより閉じた横断面を形成するための部材である。
本実施の形態では、第2の部材として平板状の背板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の部材の二つの側壁部に接合されることにより閉じた横断面を形成することができる部材であればよい。
例えば第1の部材と同じ形状を有するプレス成形部材をそれぞれのフランジを重ね合わせて反対向きに設けたり、第1の部材とは側壁部の高さが異なるプレス成形部材をそれぞれのフランジを重ね合わせて同じ向きに設けたりすることとしてもよい。
第1の部材と第2の部材とは溶接されるが、溶接方法は特に限定を要さない。例えばレーザ溶接、抵抗溶接さらにはプラズマ溶接等を用いることができる。
本実施の形態の衝撃吸収部材がクラッシュボックスである場合には第2の部材は用いるが、衝撃吸収部材が例えばフロントサイドメンバ等のメンバ類である場合には第2の部材は用いずに第1の部材を自動車車体の構成部品(例えばフードリッジ)に直接溶接するようにしてもよい。
第2の部材は、以上のように構成される。
本実施の形態の衝撃吸収部材は以上のように構成される。
このように、本実施の形態によれば、鋼板をプレス成形することにより得られるとともに二つの側壁部と、底部と、これら側壁部及び底部をつなぐコーナ部とを有する第1の部材のコーナ部を折り重ね形状部として形成するので、素材である鋼板の板厚を増大させることなくコーナ部の板厚を実質的に増加することが可能となり、これにより、衝撃荷重を負荷された際に高い応力を受けるコーナ部を強化することができる。したがって、コーナ部に肉盛溶接や焼き入れを行う必要がないことから安価で、優れた軸圧潰特性を有する衝撃吸収部材を提供することができる。
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
本発明の効果を、数値解析により検討した。
図2(a)〜図2(e)及び図3(a)〜図3(d)は、本実施例において数値解析した衝撃吸収部材20の横断面形状を部分的に示す説明図である。
図2(a)〜図2(e)は、いずれも、第1の部材21及び第2の部材22がともにいわゆるハット形の横断面を有し、両者をフランジで重ね合わせて接合することにより閉じた横断面とする場合(以下、単に「両ハット」という)を示し、図3(a)、図3(b)は、いずれも、第1の部材21がハット形の横断面を有し、かつ第2の部材23が平板の背板であり、第1の部材21のフランジで重ね合わせて接合することにより閉じた横断面とする場合(以下、単に「片ハット」という)を示し、さらに、図3(c)及び図3(d)は、いずれも、第1の部材21がハット形の横断面を有し、かつ第2の部材23が第1の部材21とは寸法が異なるハット形の横断面を有し、両者をフランジで重ね合わせて接合することにより閉じた横断面とする場合(以下、単に「ダブル開ハット」という)を示す。
なお、第1の部材21と第2の部材22〜24とのフランジの接合は、フランジ幅方向に端から10mmの位置において、軸方向両端から15mmの位置の領域を30mmの間隔で抵抗スポット溶接により点接合することにより、行った。
本実施例では、両ハット、片ハットさらにはダブルハットの各断面形状において、第1の部材21のコーナ部21aの折り重ね形状部の形状、及びその固定条件を、以下に列記するように変更して、数値解析を行った。
[部材の断面形状・寸法、折り重ね形状部の形状・寸法、溶接(固定)条件]
部材長:300mm
断面形状:両ハット(図2(a)〜図2(e))、片ハット(図3(a)及び図3(b))、ダブル開ハット(図3(c)及び図3(d))
折り重ね形状部の形状:M1、M2、M4、M5の4種類
M1:コーナを3重の折り重ね形状部に形成し、折り重ね形状部の開口部を底部側
に配置した構造(図2(b))。
M2:コーナを3重の折り重ね形状部に形成し、折り重ね形状部の開口部を側壁側
に配置した構造(図2(c))。
M4:コーナとコーナ近傍部(コーナRの2倍の範囲)とを3重の折り重ね形状部
に形成し、折り重ね形状部の開口部を底部側に配置した構造(図2(d)
及び図3(b)、図3(d))。
M5:コーナとコーナ近傍部(コーナRの2倍の範囲)とを3重の折り重ね形状部
に形成し、折り重ね形状部の開口部を側壁側に配置した構造(図2(e))。
図4(a)〜図4(h)は、解析に供した部材の折り重ね形状部M1、M2、M4、M5における重ね合わせ溶接の有無及び溶接位置を示す説明図である。
図4(a)〜図4(d)は、折り重ね形状部M1、M2、M4、M5における重ね合わせ溶接を行わないものを示し、図4(e)〜図4(h)は、折り重ね形状部M1、M2、M4、M5における丸印部において重ね合わせ溶接を行うものを示す。
そして、接合の取扱いも含めて以下の要領で解析を行った。
解析には、汎用の動的陽解法有限要素解析コードを使用した。素材は、板厚が1.0mmの590MPa級高張力鋼板とした。素材の変形特性には、Cowper−Symonds型のひずみ速度依存性を考慮した。
軸圧潰の解析は、衝撃吸収部材の上端に剛体壁を定義し、64km/hの強制変位を与え、200mmの強制変位量を与えた。このとき、200mmまでの吸収エネルギ(軸圧潰荷重×変位)を算出し、それを部材重量で除した単位重量当たりの吸収エネルギ量を求め、さらに、ベース形状の単位重量当たりの吸収エネルギで標準化した値を評価値とした。
なお、抵抗スポット溶接部はスポット溶接を模擬しナゲット径を5.5mmとしたビーム要素にて、スポット接合部に相当する両接点の位置を結合した。このとき、ビーム要素の変形特性は、降伏応力が1200MPaの弾完全塑性体とした。また、折り重ね形状部の接合は、接合する部分の両接点を剛体締結し、この締結は部材長手方向全域とした。
解析結果を表1、2に示す。なお、表1、2における「EA@200」は圧潰量200mmまでの吸収エネルギ(kJ)を示し、「Pave」は圧潰量200mmまでの軸圧潰荷重の平均値(kN)を示し、「M」は部材質量(g)を示す。
Figure 2012047340
Figure 2012047340
表1、2に示すように、両ハット、片ハット、ダブル開ハットのいずれにおいても、それぞれのベース材(折り重ね形状部が存在しない従来例)に比較して、単位質量当たりのエネルギの吸収量(EA/M)が向上することがわかる。
さらに、両ハット、片ハット、ダブル開ハットのいずれにおいても、折り重ね形状部において重ね合わせ接合を行うことにより、単位質量当たりのエネルギの吸収量(EA/M)がさらに向上することがわかる。
図1(a)〜図1(d)は、第1の部材のコーナ部に折り重ね形状部を形成するための工程の一例を模式的に示す説明図である。 図2(a)〜図2(e)は、実施例において数値解析した衝撃吸収部材の横断面形状を部分的に示す説明図である。 図3(a)〜図3(d)は、実施例において数値解析した衝撃吸収部材の横断面形状を部分的に示す説明図である。 図4(a)〜図4(h)は、解析に供した衝撃吸収部材の折り重ね形状部M1、M2、M4、M5における重ね合わせ溶接の有無及び溶接位置を示す説明図である。
1 ブランク
1a 凹形状部
1c 折り重ね形状部
2 ブランクホルダ
3 パンチ
4 ダイ
5 第1の金型
6 ダイ
7 パッド
8 ホルダ
9 パンチ
10 第2の金型
11 ダイ
11a 返し
12 ホルダ
13 パンチ
14 第3の金型
15 ダイ
16 ホルダ
17 パンチ
18 第4の金型
20 衝撃吸収部材
21 第1の部材
22〜24 第2の部材

Claims (6)

  1. 金属板を成形することにより得られるとともに、二つの側壁部と、底部と、該側壁部及び前記底部をつなぐコーナ部とを有する第1の部材を少なくとも有し、該第1の部材の軸方向へ向けて負荷される衝撃エネルギを吸収するための衝撃吸収部材であって、少なくとも前記コーナ部の一部は、前記金属板が前記コーナ部の形状に沿うように湾曲して3重に折り重ねられた折り重ね形状部であることを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 前記折り重ね形状部をなす前記金属板の少なくとも一部は、重ね合わせ接合される請求項1に記載された衝撃吸収部材。
  3. 前記折り重ね形状部は、前記コーナ部の近傍であって前記側壁部の一部、及び前記底部の一部からなる群から選ばれた一種又は二種に形成される請求項1又は請求項2に記載された衝撃吸収部材。
  4. 前記第1の部材は、前記二つの側壁部に設けられたフランジを有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材。
  5. さらに、前記フランジを介して前記第1の部材に接合されることにより閉じた横断面を形成するための第2の部材を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材。
  6. 前記衝撃吸収部材はクラッシュボックスである請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材。
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