JP2012046927A - 補強金物の製造方法及び取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単に製造することができるとともに構造材を破損することなく耐震できる補強金物の製造方法を提供する。
【解決手段】短冊状平板130に設定した折曲線Cを始点とし互いに対向する長辺のうち一方の長辺に向かって拡開するV字型の切欠部と、この切欠部に連続する円形の孔13Cとを形成する工程と、短冊状平板130を折曲線Cに沿ってL字状に折り曲げて2つのウェブ131,132を有するチャンネル状部材13を成形する工程と、このチャンネル状部材13を折曲線Cと直交する線分であって切欠部及び円形の孔13Cの中心を通る線分に沿ってL字状に折り曲げるとともに、切欠部を構成する各切欠縁辺部13Aを対向させ、かつ、切欠縁辺部13Aを溶接する工程と、を備える。
【選択図】図7
【解決手段】短冊状平板130に設定した折曲線Cを始点とし互いに対向する長辺のうち一方の長辺に向かって拡開するV字型の切欠部と、この切欠部に連続する円形の孔13Cとを形成する工程と、短冊状平板130を折曲線Cに沿ってL字状に折り曲げて2つのウェブ131,132を有するチャンネル状部材13を成形する工程と、このチャンネル状部材13を折曲線Cと直交する線分であって切欠部及び円形の孔13Cの中心を通る線分に沿ってL字状に折り曲げるとともに、切欠部を構成する各切欠縁辺部13Aを対向させ、かつ、切欠縁辺部13Aを溶接する工程と、を備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、それぞれ躯体を構成するとともに互いに直角に接続される第一の構造材と第二の構造材とに取り付けられる補強金物を製造する方法、並びに、その取付構造に関する。
軸組建物は、柱、梁、土台等の躯体を構成する構造材同士が互いに直角に接続された構造である。この軸組建物には、構造材が耐震補強されているものがある。
従来、軸組建物の耐震補強は、筋交いと耐震金物を用いる構造が一般的である。耐震金物は、平板状で、柱と梁又は土台と、筋交いとの接合部を覆うように取付けられ、接合部の接合離れや外れを抑制するために用いられ、耐震性は、主に、筋交いが負っている。
従来、軸組建物の耐震補強は、筋交いと耐震金物を用いる構造が一般的である。耐震金物は、平板状で、柱と梁又は土台と、筋交いとの接合部を覆うように取付けられ、接合部の接合離れや外れを抑制するために用いられ、耐震性は、主に、筋交いが負っている。
一方、筋交いを設ける代わりに、柱と梁、あるいは、柱と土台とが直角に接続される角部(コーナー)に、三角形状の金具を取り付けて開口壁体の耐震強度を補強する補強金物が知られている(特許文献1)。
この特許文献1に記載の補強金物は、L状固定部と、このL状固定部の先端部の間を連結する連結部とを備えた構造であり、これらの部材は土台と柱との角部に取り付けられるように直角に形成されている。そして、補強金物は、鉄板からL状固定部と連結部を平面に展開した板材を切り取り、それらを折り曲げ、さらに溶接等することで構成される。
この特許文献1に記載の補強金物は、L状固定部と、このL状固定部の先端部の間を連結する連結部とを備えた構造であり、これらの部材は土台と柱との角部に取り付けられるように直角に形成されている。そして、補強金物は、鉄板からL状固定部と連結部を平面に展開した板材を切り取り、それらを折り曲げ、さらに溶接等することで構成される。
特許文献1で示される従来例では、板材を折り曲げて直角に形成するため、L状固定部の直角三角形の直角が正確に形成できにくい。しかも、L状固定部の先端部に連結部の両端部を溶接固定するため、金具全体として剛構造となる。このため、地震等の揺れが建物に加わった場合、柱と梁、あるいは、柱と土台との接続部の補強にはなるが、柱そのものに大きな負荷が掛かり、柱の折損を生じる可能性がある。
このため、柱と梁、あるいは、柱と土台、等の躯体を構成する構造材同士の接続部の補強を行いつつ、地震などの揺れに対して、多少のゆがみを許容する粘りのある補強金物を製造する技術が望まれている。
このため、柱と梁、あるいは、柱と土台、等の躯体を構成する構造材同士の接続部の補強を行いつつ、地震などの揺れに対して、多少のゆがみを許容する粘りのある補強金物を製造する技術が望まれている。
本発明の目的は、簡単に製造することができるとともに構造材を破損することなく耐震できる補強金物の製造方法及び取付構造を提供することにある。
本発明の補強金物の製造方法は、それぞれ躯体を構成する第一の構造材と第二の構造材とが互いに直角に接続される軸組建物に用いられる補強金物を製造する方法であって、短冊状平板にその長手方向に延びた折曲線を仮想し、この折曲線を始点とし2つの長辺のうち一方の長辺に向かって拡開するV字型の切欠部と、この切欠部と前記折曲線との交差位置に前記切欠部と連続する円形の孔とを形成し、前記短冊状平板を前記折曲線に沿ってL字状に折り曲げて2つのウェブを有するチャンネル状部材を成形し、このチャンネル状部材を前記折曲線と交差する線分であって前記切欠部と前記円形の孔との中心を通る線分に沿ってL字状に折り曲げて第一片部と第二片部とを形成し、かつ、前記切欠部を構成する各切欠縁辺部を対向させるとともに前記各切欠縁辺部を溶接することを特徴とする。
この構成の本発明では、短冊状平板を折曲線に沿って折り曲げ、これを折曲線と直交する線に沿ってさらに折り曲げる際に、折曲線やこの線に直交する線を含む部位に応力が集中するが、この応力集中は円形の孔で拡散され、短冊状平板に皺やひび割れ等が生じることを防止できる。従って、短冊状平板を正確に直角に折り曲げることができるので、補強金物を簡単に製造することができる。しかも、短冊状平板の折り曲げ前に、切欠部や円形の孔を短冊状平板に形成するので、折り曲げ後に切欠部や円形の孔を形成する場合に比べて作業が容易となる。
このように製造された補強金物を第一の構造材と第二の構造材との角部に設置する。これらの構造材とともに補強金物に地震による振動が加わると、チャンネル状部材の折り曲げられた部位に応力が集中するが、この応力集中を円形の孔で拡散することになるので、構造材同士の接続部の補強を行いつつ、地震等の揺れに対して、多少のゆがみを許容する粘りのあるものとなり、第一の構造材や第二の構造材の破損を防止することができる。
このように製造された補強金物を第一の構造材と第二の構造材との角部に設置する。これらの構造材とともに補強金物に地震による振動が加わると、チャンネル状部材の折り曲げられた部位に応力が集中するが、この応力集中を円形の孔で拡散することになるので、構造材同士の接続部の補強を行いつつ、地震等の揺れに対して、多少のゆがみを許容する粘りのあるものとなり、第一の構造材や第二の構造材の破損を防止することができる。
本発明の補強金物の取付構造は、前述の補強金物の製造方法で製造された補強金物を、前記第一の構造材と前記第二の構造材とに取り付ける構造であって、前記第一片部の一方のウェブは前記第一の構造材に取り付けられ、前記第一片部の他方のウェブは前記第一の構造体に対して立ち上がって配置され、前記第二片部の一方のウェブは前記第二の構造材に取り付けられ、前記第二片部の他方のウェブは前記第二の構造材に対して立ち上がって配置され、前記第一片部と前記第二片部の少なくとも一方の立ち上がったウェブは、その長手方向に沿った中心線が、前記第一の構造材と前記第二の構造材との少なくとも一方の中心線と一致していることを特徴とする。
この構成の本発明では、地震に際して、第一片部と第二片部の一方の立ち上がったウェブに力が集中するが、この力が第一の構造材や第二の構造材の中心線に沿って伝達されるので、耐震補強が確実に行われることになる。
本発明の実施形態を図面に基づいて参照して説明する。ここで、各実施形態において、同一構成部材には同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
図1から図7には本発明の第1実施形態が示されている。
図1及び図2には第1実施形態にかかる補強金物が取り付けられた軸組建物の要部が示されている。
図1において、基礎1の上には複数本(図1では1本のみ示す)の角材からなる土台2が設けられ、この土台2の上には互いに所定間隔離れた複数本(図1では3本)の柱3が設けられ、これらの柱3の上には梁4が設けられている。
これらの土台2、柱3及び梁4は、それぞれ建物の建造物の主要構造体部分である躯体であり、本実施形態では、土台2と梁4とがそれぞれ第一の構造材を構成し、柱3が第二の構造材を構成する。
本実施形態では、土台2と柱3とは互いに直角に接続されており、この直角の入隅部分には補強金物10が取り付けられている。
図1から図7には本発明の第1実施形態が示されている。
図1及び図2には第1実施形態にかかる補強金物が取り付けられた軸組建物の要部が示されている。
図1において、基礎1の上には複数本(図1では1本のみ示す)の角材からなる土台2が設けられ、この土台2の上には互いに所定間隔離れた複数本(図1では3本)の柱3が設けられ、これらの柱3の上には梁4が設けられている。
これらの土台2、柱3及び梁4は、それぞれ建物の建造物の主要構造体部分である躯体であり、本実施形態では、土台2と梁4とがそれぞれ第一の構造材を構成し、柱3が第二の構造材を構成する。
本実施形態では、土台2と柱3とは互いに直角に接続されており、この直角の入隅部分には補強金物10が取り付けられている。
第一の構造材である土台2と、第二の構造材である柱3との直角の入隅部に取り付けられた補強金物10について説明する。
図1及び図2に示される通り、補強金物10は、土台2に固定される長尺状の第一片部11と、柱3に固定される長尺状の第二片部12とを有するチャンネル状部材13を備えている。このチャンネル状部材13は冷間圧延鋼板(JIS3141)から形成される。なお、本実施形態では、想像線で示される通り、第一片部11と第二片部12の先端部間には折り曲げ方向(第一片部11と第二片部12の先端部同士が近接する方向)のたわみを許容する短冊状の連結材14が設けられている。この連結材14の両端部と第一片部11及び第二片部12の先端部とは溶接、ボルト付け、その他の固定方法で固定される。連結材14は冷間圧延鋼板(JIS3141)から形成される。
図1及び図2に示される通り、補強金物10は、土台2に固定される長尺状の第一片部11と、柱3に固定される長尺状の第二片部12とを有するチャンネル状部材13を備えている。このチャンネル状部材13は冷間圧延鋼板(JIS3141)から形成される。なお、本実施形態では、想像線で示される通り、第一片部11と第二片部12の先端部間には折り曲げ方向(第一片部11と第二片部12の先端部同士が近接する方向)のたわみを許容する短冊状の連結材14が設けられている。この連結材14の両端部と第一片部11及び第二片部12の先端部とは溶接、ボルト付け、その他の固定方法で固定される。連結材14は冷間圧延鋼板(JIS3141)から形成される。
図3及び図4には補強金物10の詳細な構成が示されている。
図3及び図4に示される通り、補強金物10の第一片部11と第二片部12とは、それぞれ、その長手方向に延びた折曲線Cに沿って互いに直角に折り曲げられた2つのウェブ131,132を有し、かつ、第一片部11と第二片部12とを区画し折曲線Cと直交する線Nに沿ってL字状に折り曲げられている。
第一片部11のウェブ131は複数の取付孔13HにボルトBが挿通され土台2の上面に固定される。
第一片部11のウェブ132はウェブ131及び土台2の上面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線WCは土台2の長手方向に沿った中心線CCと平面視で一致する(図2及び図3参照)。なお、隣り合う補強金物10では、ウェブ131が設けられる向きが土台2の中心線CCを挟んで相違する(図2参照)。
図3及び図4に示される通り、補強金物10の第一片部11と第二片部12とは、それぞれ、その長手方向に延びた折曲線Cに沿って互いに直角に折り曲げられた2つのウェブ131,132を有し、かつ、第一片部11と第二片部12とを区画し折曲線Cと直交する線Nに沿ってL字状に折り曲げられている。
第一片部11のウェブ131は複数の取付孔13HにボルトBが挿通され土台2の上面に固定される。
第一片部11のウェブ132はウェブ131及び土台2の上面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線WCは土台2の長手方向に沿った中心線CCと平面視で一致する(図2及び図3参照)。なお、隣り合う補強金物10では、ウェブ131が設けられる向きが土台2の中心線CCを挟んで相違する(図2参照)。
第二片部12のウェブ131は複数の取付孔13HにそれぞれボルトBが挿通され柱3の側面に固定される。
第二片部12のウェブ132はウェブ131及び柱3の側面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線WCは柱3の長手方向に沿った中心線CCと側面視で一致する(図3参照)。
第一片部11のウェブ132の先端部と第二片部12のウェブ132の先端部とは、それぞれ連結材14の固定部とされる。
補強金物10は、補強する構造材との関係で設定される。例えば、土台2が105mm×105mmの角材からなる場合では、第一片部11の長さは370mmであり、そのウェブ131の幅寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmであり、ウェブ132の高さ寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmである。ウェブ131に形成された取付孔13Hのうち隣り合う取付孔13Hの間の寸法は100mmである。
柱3が105mm×105mmの角材からなる場合では、第二片部12の長さは600mmであり、そのウェブ131の幅寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmであり、ウェブ132の高さ寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmである。ウェブ131に形成された取付孔13Hのうち隣り合う取付孔13Hの間の寸法は108mmである。これらのウェブ131,132の厚さは例えば4.3mmである。
第二片部12のウェブ132はウェブ131及び柱3の側面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線WCは柱3の長手方向に沿った中心線CCと側面視で一致する(図3参照)。
第一片部11のウェブ132の先端部と第二片部12のウェブ132の先端部とは、それぞれ連結材14の固定部とされる。
補強金物10は、補強する構造材との関係で設定される。例えば、土台2が105mm×105mmの角材からなる場合では、第一片部11の長さは370mmであり、そのウェブ131の幅寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmであり、ウェブ132の高さ寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmである。ウェブ131に形成された取付孔13Hのうち隣り合う取付孔13Hの間の寸法は100mmである。
柱3が105mm×105mmの角材からなる場合では、第二片部12の長さは600mmであり、そのウェブ131の幅寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmであり、ウェブ132の高さ寸法(長手方向と直交する方向の寸法)は40mmである。ウェブ131に形成された取付孔13Hのうち隣り合う取付孔13Hの間の寸法は108mmである。これらのウェブ131,132の厚さは例えば4.3mmである。
第一片部11のウェブ132の一端部には切欠縁辺部13Aが形成され、第二片部12のウェブ132の一端部には切欠縁辺部13Aが形成され、これらの一対の切欠縁辺部13Aは互いに対向している。これらの切欠縁辺部13Aは互いに当接した状態であってもよいが、隙間がある状態でもよい(図3及び図4では切欠縁辺部13Aが互いに当接された状態が示されている)。
一対の切欠縁辺部13Aは、後述するように、折曲線Cを始点とし一方の長辺に向かって拡開するV字型の切欠部13B(図5参照)を構成する。そして、切欠部13Bの中心線、つまり、一対の切欠縁辺部13Aの間の中間位置を示す線と折曲線Cとの交差位置に円形の孔13Cが切欠部13Bと連続して形成されている。
なお、符号Tは切欠縁辺部13A同士を接合する溶接部である。この溶接部Tは第一片部11の一面であって、孔13Cを避けるように設けられている。
一対の切欠縁辺部13Aは、後述するように、折曲線Cを始点とし一方の長辺に向かって拡開するV字型の切欠部13B(図5参照)を構成する。そして、切欠部13Bの中心線、つまり、一対の切欠縁辺部13Aの間の中間位置を示す線と折曲線Cとの交差位置に円形の孔13Cが切欠部13Bと連続して形成されている。
なお、符号Tは切欠縁辺部13A同士を接合する溶接部である。この溶接部Tは第一片部11の一面であって、孔13Cを避けるように設けられている。
図1に示される通り、梁4と柱3とへの補強金物10の取付構造は、土台2と柱3とへの補強金物10と同じである。
つまり、補強金物10は、梁4に固定される第一片部11と、柱3に固定される第二片部12とを有するチャンネル状部材13を備えており、第一片部11と第二片部12の先端部間に連結材14が設けられている。
第一片部11と第二片部12とは、それぞれ、2つのウェブ131,132を有し、かつ、L字状に形成されている。
第一片部11のウェブ131は梁4の下面に固定され、第一片部11のウェブ132はウェブ131及び梁4の下面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線は梁4の長手方向に沿った中心線と一致する。
第二片部12のウェブ132はウェブ131及び柱3の側面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線は柱3の長手方向に沿った中心線と一致する。
つまり、補強金物10は、梁4に固定される第一片部11と、柱3に固定される第二片部12とを有するチャンネル状部材13を備えており、第一片部11と第二片部12の先端部間に連結材14が設けられている。
第一片部11と第二片部12とは、それぞれ、2つのウェブ131,132を有し、かつ、L字状に形成されている。
第一片部11のウェブ131は梁4の下面に固定され、第一片部11のウェブ132はウェブ131及び梁4の下面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線は梁4の長手方向に沿った中心線と一致する。
第二片部12のウェブ132はウェブ131及び柱3の側面に対して立ち上がって配置されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線は柱3の長手方向に沿った中心線と一致する。
次に、第1実施形態の補強金物10の製造方法について、図5から図7に基づいて説明する。
[短冊状平板の加工工程]
金属製の板材をミルシートにて板厚、数量等を確認した後、この板材を切断して短冊状平板とする。この短冊状平板の寸法を検査する。切断された短冊状平板130は、長手方向の寸法が970mm、長手方向と直交する幅寸法が80mm、厚さ寸法が4.3mmである。この設定通りに厚さ寸法、長さ寸法等を有するかを、ガバリスケール(測定治具)にて検査する。
[短冊状平板の加工工程]
金属製の板材をミルシートにて板厚、数量等を確認した後、この板材を切断して短冊状平板とする。この短冊状平板の寸法を検査する。切断された短冊状平板130は、長手方向の寸法が970mm、長手方向と直交する幅寸法が80mm、厚さ寸法が4.3mmである。この設定通りに厚さ寸法、長さ寸法等を有するかを、ガバリスケール(測定治具)にて検査する。
[孔明加工工程]
そして、図5に示される通り、検査済みの短冊状平板130に、V字型の切欠部13B、円形の孔13C、及び取付孔13H(図5では図示を省略)を同時に形成する。
この工程にあたり、まず、短冊状平板130の長手方向と直交する幅方向の中間位置で長手方向に沿って折曲線Cを仮想線として設定する。この仮想線は、実際の線を短冊状平板130に刻設等で形成してもよい。そして、短冊状平板130にV字型の切欠部13Bを、折曲線Cを始点とし互いに対向する長辺のうち一方の長辺に向かって拡開するように形成する。このV字の角度は90°である。円形の孔13Cは切欠部13Bと折曲線Cとの交差位置に切欠部13Bの基部と連続して形成される。この孔13Cは、真円が好ましい。
例えば、取付孔13Hの直径は5.5mmであり、円形の孔13Cの直径は8.6mmである。ここで、円形の孔13Cは真円が好ましく、その直径は短冊状平板130の厚さ寸法の2倍を基準として設定される。切欠部13BのV字は、90°の角度を持って設定され、かつ、その基端縁は折曲線Cの線上に位置する。円形の孔13Cの円中心は、切欠部13Bの基端縁と一致する。
孔明工程にあたっては、パンチングマシン、その他の適宜な装置を用いる。
そして、図5に示される通り、検査済みの短冊状平板130に、V字型の切欠部13B、円形の孔13C、及び取付孔13H(図5では図示を省略)を同時に形成する。
この工程にあたり、まず、短冊状平板130の長手方向と直交する幅方向の中間位置で長手方向に沿って折曲線Cを仮想線として設定する。この仮想線は、実際の線を短冊状平板130に刻設等で形成してもよい。そして、短冊状平板130にV字型の切欠部13Bを、折曲線Cを始点とし互いに対向する長辺のうち一方の長辺に向かって拡開するように形成する。このV字の角度は90°である。円形の孔13Cは切欠部13Bと折曲線Cとの交差位置に切欠部13Bの基部と連続して形成される。この孔13Cは、真円が好ましい。
例えば、取付孔13Hの直径は5.5mmであり、円形の孔13Cの直径は8.6mmである。ここで、円形の孔13Cは真円が好ましく、その直径は短冊状平板130の厚さ寸法の2倍を基準として設定される。切欠部13BのV字は、90°の角度を持って設定され、かつ、その基端縁は折曲線Cの線上に位置する。円形の孔13Cの円中心は、切欠部13Bの基端縁と一致する。
孔明工程にあたっては、パンチングマシン、その他の適宜な装置を用いる。
[ベンダー加工工程]
所定の位置に孔明加工が実施されたか検査した後、ベンダー加工工程を実施する。
切欠部13B、円形の孔13C、取付孔13Hが正しい位置、径、並びに大きさに形成されたことをガバリスケール(測定器具)で確認した後、短冊状平板130を折り曲げてLチャンネル状部材13を形成する。
つまり、図5に示される通り、短冊状平板130を折曲線Cに沿ってベンダーマシン(図示せず)等を用いてL字状に折り曲げる。これにより、2つのウェブ131,132が長手方向に沿って形成されたチャンネル状部材13が形成される(図6参照)。
なお、短冊状平板130を折り曲げる際に、その折曲線Cやこの線に直交する線Nを含む部位に応力が集中するが、この応力は円形の孔13Cによって分散される。つまり、応力は円形の孔13Cの半径方向に放射状、あるいは、周方向に沿って分散して伝達されることになり、所定の箇所での集中が回避される。
所定の位置に孔明加工が実施されたか検査した後、ベンダー加工工程を実施する。
切欠部13B、円形の孔13C、取付孔13Hが正しい位置、径、並びに大きさに形成されたことをガバリスケール(測定器具)で確認した後、短冊状平板130を折り曲げてLチャンネル状部材13を形成する。
つまり、図5に示される通り、短冊状平板130を折曲線Cに沿ってベンダーマシン(図示せず)等を用いてL字状に折り曲げる。これにより、2つのウェブ131,132が長手方向に沿って形成されたチャンネル状部材13が形成される(図6参照)。
なお、短冊状平板130を折り曲げる際に、その折曲線Cやこの線に直交する線Nを含む部位に応力が集中するが、この応力は円形の孔13Cによって分散される。つまり、応力は円形の孔13Cの半径方向に放射状、あるいは、周方向に沿って分散して伝達されることになり、所定の箇所での集中が回避される。
[仮組溶接工程]
図7に示される通り、チャンネル状部材13を角度定規やスケール等で検査した後、折曲線Cと直交する線分であって切欠部13Bと孔13Cとの中心を通る線分N(図5参照)に沿ってチャンネル状部材13をL字状に折り曲げて第一片部11と第二片部12とを形成する。この際、切欠部13Bを構成する各切欠縁辺部13Aを対向させた状態とし、この対向部分の一面、ウェブ131が配置された側の面を溶接する。
さらに、第一片部11のウェブ132と第二片部12のウェブ132との先端部に連結材14の両端を位置決めし、その後、接合する。
なお、必要に応じて補強金物10に防錆処理をする。
図7に示される通り、チャンネル状部材13を角度定規やスケール等で検査した後、折曲線Cと直交する線分であって切欠部13Bと孔13Cとの中心を通る線分N(図5参照)に沿ってチャンネル状部材13をL字状に折り曲げて第一片部11と第二片部12とを形成する。この際、切欠部13Bを構成する各切欠縁辺部13Aを対向させた状態とし、この対向部分の一面、ウェブ131が配置された側の面を溶接する。
さらに、第一片部11のウェブ132と第二片部12のウェブ132との先端部に連結材14の両端を位置決めし、その後、接合する。
なお、必要に応じて補強金物10に防錆処理をする。
以上のように製造された補強金物10を軸組建物に取り付ける。そのため、土台2と柱3との入隅部分、並びに、梁4と柱3の入隅部分に補強金物10を配置するとともにボルトBやねじ、ビスなどで固定する。補強金物10の設置にあたり、土台2、柱3及び梁4に、それぞれ長手方向の中心線に沿って線を引いておき、この線に補強金物10のウェブ132の中心線を合わせる。
補強金物10が設置された建物に地震が発生した際に、土台2と柱3に対して梁4が相対的に傾くが、土台2、柱3及び梁4にかかる力は補強金物10で受けることになる。補強金物10ではチャンネル状部材13の折り曲げられた部位に応力が集中するが、この応力は円形の孔13Cのほぼ全周に分散して伝達され、所定の箇所での応力集中がなくなる。
さらに、第一片部11と第二片部12との先端部同士が近接すると、この力が連結材14に伝達され、この連結材14は第一片部11と第二片部12とを含む平面と直交する方向に向かって湾曲して撓みを許容する。
地震等によって、溶接部Tがウェブ132から剥がれた場合、第一片部11と第二片部12とが接続されているため、土台2に対して柱3が傾いて第一片部11と第二片部12とが変位しても、これらの第一片部11と第二片部12とが接続されているため、土台2から柱3が外れることがない。
補強金物10が設置された建物に地震が発生した際に、土台2と柱3に対して梁4が相対的に傾くが、土台2、柱3及び梁4にかかる力は補強金物10で受けることになる。補強金物10ではチャンネル状部材13の折り曲げられた部位に応力が集中するが、この応力は円形の孔13Cのほぼ全周に分散して伝達され、所定の箇所での応力集中がなくなる。
さらに、第一片部11と第二片部12との先端部同士が近接すると、この力が連結材14に伝達され、この連結材14は第一片部11と第二片部12とを含む平面と直交する方向に向かって湾曲して撓みを許容する。
地震等によって、溶接部Tがウェブ132から剥がれた場合、第一片部11と第二片部12とが接続されているため、土台2に対して柱3が傾いて第一片部11と第二片部12とが変位しても、これらの第一片部11と第二片部12とが接続されているため、土台2から柱3が外れることがない。
従って、第1実施形態では次の作用効果を奏することができる。
(1)補強金物10は、土台2又は梁4に固定される第一片部11と、柱3に固定される第二片部12とを有するチャンネル状部材13を備え、このチャンネル状部材13は、短冊状平板130の長手方向に延びた折曲線Cに沿ってL字状に折り曲げられて2つのウェブ131,132を有し、一方のウェブ131に折曲線Cを始点とし1つの長辺に向かって拡開するV字型の切欠部13Bを形成するとともに、この切欠部13Bと折曲線Cとの交差位置に円形の孔13Cを切欠部13Bと連続して形成し、かつ、折曲線Cと直交するとともに第一片部11と第二片部12とを区画する線Nに沿ってL字状に形成して切欠部13Bを構成する一対の切欠縁辺部13Aを互いに対向させた構成である。そのため、短冊状平板130を折曲線Cに沿ってL字状に折り曲げ、これを折曲線と直交する線に沿ってさらに折り曲げる際に、折曲線やこの線に直交する線を含む部位に応力が集中するが、この応力集中が円形の孔13Cで分散され、短冊状平板130に皺やひび割れ等が生じることを防止できる。そして、土台2や梁4と柱3との入隅角部に設置された補強金物10に地震による振動が加わると、チャンネル状部材13の折り曲げられた部位に応力が集中するが、この応力集中を円形の孔13Cで分散することになるので、構造材同士の接続部の補強を行いつつ、地震等の揺れに対して、多少のゆがみを許容する粘りのあるものとなり、土台2、柱3、梁4の破損を防止することができる。さらに、本実施形態では、短冊状平板130を正確に直角に折り曲げることができるので、補強金物を簡単に製造することができる。
(1)補強金物10は、土台2又は梁4に固定される第一片部11と、柱3に固定される第二片部12とを有するチャンネル状部材13を備え、このチャンネル状部材13は、短冊状平板130の長手方向に延びた折曲線Cに沿ってL字状に折り曲げられて2つのウェブ131,132を有し、一方のウェブ131に折曲線Cを始点とし1つの長辺に向かって拡開するV字型の切欠部13Bを形成するとともに、この切欠部13Bと折曲線Cとの交差位置に円形の孔13Cを切欠部13Bと連続して形成し、かつ、折曲線Cと直交するとともに第一片部11と第二片部12とを区画する線Nに沿ってL字状に形成して切欠部13Bを構成する一対の切欠縁辺部13Aを互いに対向させた構成である。そのため、短冊状平板130を折曲線Cに沿ってL字状に折り曲げ、これを折曲線と直交する線に沿ってさらに折り曲げる際に、折曲線やこの線に直交する線を含む部位に応力が集中するが、この応力集中が円形の孔13Cで分散され、短冊状平板130に皺やひび割れ等が生じることを防止できる。そして、土台2や梁4と柱3との入隅角部に設置された補強金物10に地震による振動が加わると、チャンネル状部材13の折り曲げられた部位に応力が集中するが、この応力集中を円形の孔13Cで分散することになるので、構造材同士の接続部の補強を行いつつ、地震等の揺れに対して、多少のゆがみを許容する粘りのあるものとなり、土台2、柱3、梁4の破損を防止することができる。さらに、本実施形態では、短冊状平板130を正確に直角に折り曲げることができるので、補強金物を簡単に製造することができる。
(2)第一片部11と第二片部12の先端部間にこれらの部材が配置される平面内から突出した折り曲げ方向のたわみを許容する連結材14を取り付けたから、地震によって補強金物10に振動が加わった際に、第一片部11と第二片部12だけでなく、連結材14によっても振動を吸収することができるので、耐震効果が大きなものとなる。
(3)第一片部11の一方のウェブ131を土台2又は梁4に取り付け、第一片部11の他方のウェブ132を土台2又は梁4に対して立ち上げて配置し、第二片部12の一方のウェブ131を柱3に取り付け、第二片部12の他方のウェブ132を柱3に対して立ち上げて配置し、第一片部11と第二片部12の立ち上げたウェブ132の長手方向に沿った中心線WCを、土台2又は梁4の中心線CCや梁4の中心線と一致させた。従って、地震によって、第一片部11と第二片部12の立ち上がったウェブ132に力がかかるが、この力が土台2、梁4や柱3の中心線CCに沿って伝達されるので、耐震補強が確実に行われる。
(4)補強金物10の製造方法を、短冊状平板130に設定した折曲線Cを始点とし互いに対向する長辺のうち一方の長辺に向かって拡開するV字型の切欠部13Bと、この切欠部13Bに連続する円形の孔13Cとを形成する孔明加工工程と、短冊状平板130を折曲線Cに沿ってL字状に折り曲げて2つのウェブ131,132を有するチャンネル状部材13を成形する工程と、このチャンネル状部材13を折曲線Cと直交する線分であって切欠部13B及び円形の孔13Cの中心を通る線分Nに沿ってL字状に折り曲げるとともに、切欠部13Bを構成する各切欠縁辺部13Aを対向させ、かつ、切欠縁辺部13Aを溶接する工程と、を備えて構成したから、短冊状平板130に切欠部13Bや孔13Cを正確に形成することができるので、補強金物10の製造が簡易となる。
(5)孔明加工工程では、切欠部13B及び円形の孔13Cだけでなく、土台2又は梁4と柱3とに補強金物10を取り付けるために必要な取付孔13Hも同時に形成したので、補強金物10の製造時間を短いものにできる。
(6)補強金物10の切欠部13Bを構成する各切欠縁辺部13Aが所定寸法離れた状態で対向した構成とすると、地震によって切欠縁辺部13A同士を接合する溶接部Tが剥がれた場合、互いに対向する切欠縁辺部13A同士が当接しない程度の小さな地震では、第一片部11と第二片部12とが接続されているため、土台2、基礎1と柱3の変位に伴って柔軟に変位することで、土台2や梁4から柱3が外れるということを回避することができる。しかも、大きな地震に伴って、切欠縁辺部13A同士が当接する場合、第一片部11と第二片部12との相対的な変位が規制されることになり、耐震効果を大きなものにできる。
(7)溶接部Tはウェブ132の片面に設けられているので、ウェブ132の他面に溶接による出っ張りがなくなり、外観が良好となる。
次に、本発明の第2実施形態を図8から図11に基づいて説明する。
第2実施形態は、チャンネル状部材の断面構造が第1実施形態と相違するもので、他の構造は第1実施形態と同じである。
図8は第2実施形態の補強金物20の全体構成が示されている。
図8において、補強金物20は、土台2に固定される長尺状の第一片部21と、柱3に固定される長尺状の第二片部22とを有するチャンネル状部材23を備えている。
第一片部21と第二片部22とは、その長手方向に延びた折曲線Cに沿って互いに直角に折り曲げられた2つのウェブ131,132を有し、2つのウェブ131,132のうち一方のウェブ131の長手方向に沿った端部にはリブ133が一体に形成されている。
第2実施形態は、チャンネル状部材の断面構造が第1実施形態と相違するもので、他の構造は第1実施形態と同じである。
図8は第2実施形態の補強金物20の全体構成が示されている。
図8において、補強金物20は、土台2に固定される長尺状の第一片部21と、柱3に固定される長尺状の第二片部22とを有するチャンネル状部材23を備えている。
第一片部21と第二片部22とは、その長手方向に延びた折曲線Cに沿って互いに直角に折り曲げられた2つのウェブ131,132を有し、2つのウェブ131,132のうち一方のウェブ131の長手方向に沿った端部にはリブ133が一体に形成されている。
第一片部21のウェブ131は複数の取付孔(図8では図示略)にボルトが挿通され土台2の上面に固定される。第一片部21のウェブ132はウェブ131及び土台2の上面に対して立ち上がって形成されている。このウェブ132の長手方向に沿った中心線WCは土台2の長手方向に沿った中心線CCと平面視で一致する。
リブ133はウェブ132と平行に形成されており、かつ、その長手方向に沿った中心線LCは土台2の長手方向に沿った線MCと平面視で一致する。
リブ133とウェブ131との境界部分にはウェブ131とウェブ132との境界部分と同様に孔13Cが形成されている。
リブ133の第一片部21の一端部には切欠縁辺部13Aが形成され、第二片部22の一端部には切欠縁辺部13Aが形成され、これらの一対の切欠縁辺部13Aは互いに対向している。切欠縁辺部13Aは、後述するように、折曲線Cを始点としウェブ端部に向かって拡開するV字型の切欠部13Bを構成する。そして、切欠部13Bの中心線と折曲線Cとの交差位置に切欠部13Bと連続して円形の孔13Cが形成されている。互いに対向した切欠縁辺部13Aには孔13Cを避けるように溶接部Tが設けられている。
リブ133はウェブ132と平行に形成されており、かつ、その長手方向に沿った中心線LCは土台2の長手方向に沿った線MCと平面視で一致する。
リブ133とウェブ131との境界部分にはウェブ131とウェブ132との境界部分と同様に孔13Cが形成されている。
リブ133の第一片部21の一端部には切欠縁辺部13Aが形成され、第二片部22の一端部には切欠縁辺部13Aが形成され、これらの一対の切欠縁辺部13Aは互いに対向している。切欠縁辺部13Aは、後述するように、折曲線Cを始点としウェブ端部に向かって拡開するV字型の切欠部13Bを構成する。そして、切欠部13Bの中心線と折曲線Cとの交差位置に切欠部13Bと連続して円形の孔13Cが形成されている。互いに対向した切欠縁辺部13Aには孔13Cを避けるように溶接部Tが設けられている。
次に、第2実施形態の補強金物10の製造方法について、図9から図11に基づいて説明する。
[短冊状平板の加工工程]
図9に示される通り、検査済みの短冊状平板130に、V字型の切欠部13B、円形の孔13C、及び取付孔(図9では図示を省略)を同時に形成する。この形成にあたっては、パンチングマシン、その他の適宜な装置を用いる。切断される短冊状平板130は第1実施形態のものと同じであってもよい。
[短冊状平板の加工工程]
図9に示される通り、検査済みの短冊状平板130に、V字型の切欠部13B、円形の孔13C、及び取付孔(図9では図示を省略)を同時に形成する。この形成にあたっては、パンチングマシン、その他の適宜な装置を用いる。切断される短冊状平板130は第1実施形態のものと同じであってもよい。
[孔明加工工程]
そして、短冊状平板130に2本の折曲線Cを仮想線として長手方向に沿って設定する。これらの2本の折曲線Cを始点とし、この折曲線Cに近接する長辺に向かってそれぞれ拡開するように2つの切欠部13Bを形成する。折曲線Cは互いに対向する長辺の間の寸法の3等分の位置である。切欠部13Bの形成と同時に円形の孔13Cを形成する。この円形の孔13Cは切欠部13Bと折曲線Cとの交差位置に切欠部13Bの基部と連続して形成する。
そして、短冊状平板130に2本の折曲線Cを仮想線として長手方向に沿って設定する。これらの2本の折曲線Cを始点とし、この折曲線Cに近接する長辺に向かってそれぞれ拡開するように2つの切欠部13Bを形成する。折曲線Cは互いに対向する長辺の間の寸法の3等分の位置である。切欠部13Bの形成と同時に円形の孔13Cを形成する。この円形の孔13Cは切欠部13Bと折曲線Cとの交差位置に切欠部13Bの基部と連続して形成する。
[ベンダー加工工程]
切欠部13Bと円形の孔13Cとが正しい位置に形成されたことを確認した後、短冊状平板130を折り曲げてチャンネル状部材23を形成する。つまり、図10に示される通り、短冊状平板130を1つの折曲線Cに沿ってベンダーマシン(図示せず)等を用いてL状に折り曲げてウェブ131,132を形成し、その後、残り1つの折曲線Cに沿って短冊状平板130をL字状に折り曲げてウェブ131とリブ133とを長手方向に沿って形成する。これにより、断面コ字状のチャンネル状部材23が製造される。
切欠部13Bと円形の孔13Cとが正しい位置に形成されたことを確認した後、短冊状平板130を折り曲げてチャンネル状部材23を形成する。つまり、図10に示される通り、短冊状平板130を1つの折曲線Cに沿ってベンダーマシン(図示せず)等を用いてL状に折り曲げてウェブ131,132を形成し、その後、残り1つの折曲線Cに沿って短冊状平板130をL字状に折り曲げてウェブ131とリブ133とを長手方向に沿って形成する。これにより、断面コ字状のチャンネル状部材23が製造される。
[仮組溶接工程]
図11に示される通り、チャンネル状部材23を角度定規やスケール等で検査した後、折曲線Cと直交する線分であって切欠部13Bと孔13Cとの中心を通る線分N(図9参照)に沿ってL字状に折り曲げて第一片部21と第二片部22とを形成する。この際、切欠部13Bを構成する各切欠縁辺部13Aを対向させた状態とし、この対向部分の一面に溶接部Tを施す。
さらに、第一片部11のウェブ131と第二片部12のウェブ132との先端部に連結材14の両端を接合する。
このように製造された補強金物20を第1実施形態と同様に、軸組建物に設置する。
図11に示される通り、チャンネル状部材23を角度定規やスケール等で検査した後、折曲線Cと直交する線分であって切欠部13Bと孔13Cとの中心を通る線分N(図9参照)に沿ってL字状に折り曲げて第一片部21と第二片部22とを形成する。この際、切欠部13Bを構成する各切欠縁辺部13Aを対向させた状態とし、この対向部分の一面に溶接部Tを施す。
さらに、第一片部11のウェブ131と第二片部12のウェブ132との先端部に連結材14の両端を接合する。
このように製造された補強金物20を第1実施形態と同様に、軸組建物に設置する。
従って、第2実施形態では第1実施形態の(1)から(7)と同様の効果を奏することができる他、次の作用効果を奏することができる。
(8)2つのウェブ131,132とリブ133によってチャンネル状部材23を断面コ字状としたから、補強金物20での補強効果を大きなものにできる。
(8)2つのウェブ131,132とリブ133によってチャンネル状部材23を断面コ字状としたから、補強金物20での補強効果を大きなものにできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、躯体を構成する第一の構造材として、土台2又は梁4とし、同じく躯体を構成する第二の構造材として柱3として、鉛直面内での補強を行う補強金物10,20を説明したが、本発明を、水平面内での補強を行う補強金物としてもよい。つまり、図12に示される通り、躯体を構成する第一の構造材と第2の構造材とを、水平面内で互いに直交して接続される土台2としてもよく、あるいは、水平面内で互いに直交して接続される梁4としてもよい。
図12に示される通り、基礎1の上には複数本(図12では4本示す)の角材からなる土台2が設けられている。これらの土台2は互いに直交配置されており、本発明の補強金物10,20はこれらの土台2の入隅に設置されている。
例えば、前記実施形態では、躯体を構成する第一の構造材として、土台2又は梁4とし、同じく躯体を構成する第二の構造材として柱3として、鉛直面内での補強を行う補強金物10,20を説明したが、本発明を、水平面内での補強を行う補強金物としてもよい。つまり、図12に示される通り、躯体を構成する第一の構造材と第2の構造材とを、水平面内で互いに直交して接続される土台2としてもよく、あるいは、水平面内で互いに直交して接続される梁4としてもよい。
図12に示される通り、基礎1の上には複数本(図12では4本示す)の角材からなる土台2が設けられている。これらの土台2は互いに直交配置されており、本発明の補強金物10,20はこれらの土台2の入隅に設置されている。
本発明では、連結材14を必ずしも設けることを要せず、チャンネル状部材13,23から補強金物10,20を形成するものでもよい。
さらに、第1実施形態では、ウェブ131の幅方向に沿った先端部とウェブ132の幅方向に沿った先端部とをさらに折り曲げた構成としてもよく、第2実施形態では、ウェブ132の先端部とリブ133の先端部とをさらに折り曲げた構成としてもよい。
また、溶接部Tをウェブ132の両面に施すものであってもよい。
さらに、第1実施形態では、ウェブ131の幅方向に沿った先端部とウェブ132の幅方向に沿った先端部とをさらに折り曲げた構成としてもよく、第2実施形態では、ウェブ132の先端部とリブ133の先端部とをさらに折り曲げた構成としてもよい。
また、溶接部Tをウェブ132の両面に施すものであってもよい。
本発明の第1実施形態に用いられるチャンネル状部材13から構成された補強金物10は、図13のやや左寄りに示されるように、補強金物10とは長手方向に沿って勝手違いに形成された補強金物30を用いるものでもよい。
補強金物30は、その形状が勝手違いである以外、補強金物10と同様な構成であり、同様な素材、寸法等で構成されている。すなわち、補強金物30は、土台2に固定される長尺状の第一片部31と、柱3に固定される長尺状の第二片部32とを有するチャンネル状部材33を備えている。第一片部31と第二片部32の先端部間には、必要に応じて短冊状の連結材34が設けられる。
補強金物30の第一片部31と第二片部32とは、それぞれ、その長手方向に延びた折曲線Cに沿って互いに直角に折り曲げられた2つのウェブ331,332を有し、かつ、第一片部31のウェブ331は、ウェブ331に設けられた複数の取付孔33Hにボルト等(図示せず)が挿通されて土台2の上面に固定される。また、第二片部32のウェブ331にも複数の取付孔(図示せず)が設けられ、それぞれボルトが挿通されて柱3の側面に固定される。
補強金物30は、その形状が勝手違いである以外、補強金物10と同様な構成であり、同様な素材、寸法等で構成されている。すなわち、補強金物30は、土台2に固定される長尺状の第一片部31と、柱3に固定される長尺状の第二片部32とを有するチャンネル状部材33を備えている。第一片部31と第二片部32の先端部間には、必要に応じて短冊状の連結材34が設けられる。
補強金物30の第一片部31と第二片部32とは、それぞれ、その長手方向に延びた折曲線Cに沿って互いに直角に折り曲げられた2つのウェブ331,332を有し、かつ、第一片部31のウェブ331は、ウェブ331に設けられた複数の取付孔33Hにボルト等(図示せず)が挿通されて土台2の上面に固定される。また、第二片部32のウェブ331にも複数の取付孔(図示せず)が設けられ、それぞれボルトが挿通されて柱3の側面に固定される。
この図13に示される補強金物30によれば、土台2の上面から立上ったウェブ332に対し、取付孔33Hが躯体の同じ側、図13では下側に配置されるため、リフォームにおいて、本発明にかかる補強金物30を用いる場合、躯体の両面の壁の内、一方、例えば内壁のみを取り壊して、補強金物30を取り付けることができ、工期を短縮できるとともに、施工コストを低減できるという効果がある。すなわち、第1実施形態の補強金物10では、壁の両側からドライバ等の工具を使ってボルトをねじ込む必要があり、新築工事なら問題ないが、リフォームでは、取り壊し箇所が増加してしまう。
一方、第1実施形態の補強金物10では、すべてのコーナー部に同一部品を使用できるので、部品点数を減少でき、在庫管理等が容易となるメリットがある。
一方、第1実施形態の補強金物10では、すべてのコーナー部に同一部品を使用できるので、部品点数を減少でき、在庫管理等が容易となるメリットがある。
本発明は、柱、梁、土台等の躯体を構成する構造材同士が互いに直角に接続された軸組建物に利用することができる。
1…基礎、2…土台(第一の構造材)、3…柱(第二の構造材)、4…梁(第一の補強材)、10,20,30…補強金物、11,21,31…第一片部、12,22,32…第二片部、13,23,33…チャンネル状部材、14…連結材、131,132,331,332…ウェブ、133…リブ
Claims (2)
- それぞれ躯体を構成する第一の構造材と第二の構造材とが互いに直角に接続される軸組建物に用いられる補強金物を製造する方法であって、
短冊状平板にその長手方向に延びた折曲線を仮想し、この折曲線を始点とし2つの長辺のうち一方の長辺に向かって拡開するV字型の切欠部と、この切欠部と前記折曲線との交差位置に前記切欠部と連続する円形の孔とを形成し、
前記短冊状平板を前記折曲線に沿ってL字状に折り曲げて2つのウェブを有するチャンネル状部材を成形し、
このチャンネル状部材を前記折曲線と交差する線分であって前記切欠部と前記円形の孔との中心を通る線分に沿ってL字状に折り曲げて第一片部と第二片部とを形成し、かつ、前記切欠部を構成する各切欠縁辺部を対向させるとともに前記各切欠縁辺部を溶接する
ことを特徴とする補強金物の製造方法。 - 請求項1に記載された補強金物の製造方法で製造された補強金物を、前記第一の構造材と前記第二の構造材とに取り付ける構造であって、
前記第一片部の一方のウェブは前記第一の構造材に取り付けられ、前記第一片部の他方のウェブは前記第一の構造体に対して立ち上がって配置され、前記第二片部の一方のウェブは前記第二の構造材に取り付けられ、前記第二片部の他方のウェブは前記第二の構造材に対して立ち上がって配置され、前記第一片部と前記第二片部の少なくとも一方の立ち上がったウェブは、その長手方向に沿った中心線が、前記第一の構造材と前記第二の構造材との少なくとも一方の中心線と一致している
ことを特徴とする補強金物の取付構造。
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2010
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