JP2012046379A - 水素発生材料組成物及び水素発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素発生の安定性に優れ、簡便且つ効率よく水素を発生させ得る水素発生材料組成物及び水素発生装置を提供する。
【解決手段】本発明の水素発生材料組成物は、水と反応して水素を発生させる金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、且つ水と反応して発熱する発熱材料とを含み、水素発生材料組成物全体に含まれる前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を含み、前記偏在部以外の部分には、第1発熱材料が含まれ、前記偏在部には、前記第1発熱材料とは異なる第2発熱材料が含まれ、前記第1発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第1発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/g以下であり、前記第2発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第2発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/gより大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の水素発生材料組成物は、水と反応して水素を発生させる金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、且つ水と反応して発熱する発熱材料とを含み、水素発生材料組成物全体に含まれる前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を含み、前記偏在部以外の部分には、第1発熱材料が含まれ、前記偏在部には、前記第1発熱材料とは異なる第2発熱材料が含まれ、前記第1発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第1発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/g以下であり、前記第2発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第2発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/gより大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、水と反応して水素を発生させる水素発生材料組成物、及びその水素発生材料組成物を用いた水素発生装置に関する。
近年、パーソナルコンピューター、携帯電話等のコードレス機器の普及に伴い、その電源である電池は、ますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、このリチウムイオン二次電池は出力容量に限界があり、使用されるコードレス機器の種類によっては十分な連続使用時間を保証することができないという問題がある。
このような問題の解決に向けて、例えば固体高分子型燃料電池等の燃料電池の開発が進められている。燃料電池は、燃料及び酸素の供給を行えば連続的に使用することが可能である。例えば、固体高分子型燃料電池(PEMFC:Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)は、電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料(水素、メタノール等)を用いるものであり、リチウムイオン二次電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。このPEMFCで使用する燃料に関してはいくつかの候補が挙げられているが、現在のところ候補となっている燃料はそれぞれ問題点を有している。
PEMFCの燃料として水素を用いる場合には、水素を高圧タンク或いは水素吸蔵合金タンクに蓄えて供給する方法が一部で実用化されているが、このような水素タンクを設けることは、燃料電池としての体積及び重量が大きくなりエネルギー密度が低下するため、ポータブル電源用途には適さない。また、炭化水素系燃料を改質して水素を取り出す方法も提案されているが、改質装置が必要となり改質装置への熱の供給及び断熱等の問題があるため、やはりポータブル電源用途には不適である。
一方、PEMFCの燃料としてメタノールを用い、直接電極でメタノールを燃料として反応させる直接メタノール型燃料電池の場合には、小型化が容易であることから将来のポータブル電源として期待されているが、負極のメタノールが固体電解質を透過して正極に達するクロスオーバーが生じ、電圧の低下やエネルギー密度の減少が生じるという問題がある。
このような状況下において、水と、例えばアルミニウム、マグネシウム、ケイ素、亜鉛等の水素発生物質とを、100℃以下の低温で化学反応させて水素を発生させ、発生した水素を燃料として用いる燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載された方法によれば、酸化カルシウムをアルミニウムとの総量において15重量%以上添加しなければ、水素を発生させることができないばかりか、反応時間とともに水素発生速度が大きく変動し、水素発生反応の効率や安定性の点で十分ではない。また、特許文献2に記載された方法では、水素発生反応を効率的に進行させるためには多量の添加剤を必要とし、効率的且つ安定的に水素を製造する方法を提供できるものではない。水素発生物質以外の物質の比率が高くなるとエネルギー密度が減少するため、結果的に水素発生量が少なくなる。
本発明者らは、特許文献1〜2に記載の方法の抱える上記の問題を回避すべく検討を重ね、水と反応して水素を発生させる金属材料と、水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料について、一部の領域において、発熱材料を偏在させてその含有率を高くすることにより、上記偏在部分における発熱材料が水と反応して生じる反応熱を、金属材料と水との反応に有効に利用する技術を開発し、これを特許文献3で提案している。特許文献3に記載の技術であれば、水素発生材料中の、発熱材料が偏在している部分における発熱材料と水との反応で生じる反応熱を、金属材料と水との反応に有効に利用でき、水素発生反応を短時間で容易に開始させることができる。そのため、特許文献3に記載の水素発生材料であれば、水素発生材料全体での発熱材料の含有量を低減することができ、水素をより効率よく発生させることができる。
しかし、特許文献3に開示の技術においても、水素発生の安定性の向上の上で、水素発生材料の構成材料について、未だ改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水素発生の安定性に優れ、簡便且つ効率よく水素を発生させ得る水素発生材料組成物及び水素発生装置を提供することにある。
本発明の水素発生材料組成物は、水と反応して水素を発生させる金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、且つ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、前記水素発生材料組成物は、前記水素発生材料組成物全体に含まれる前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を含み、前記偏在部以外の部分には、第1発熱材料が含まれ、前記偏在部には、前記第1発熱材料とは異なる第2発熱材料が含まれ、前記第1発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第1発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/g以下であり、前記第2発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第2発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/gより大きいことを特徴とする。
また、本発明の水素発生装置は、上記本発明の水素発生材料組成物を収納した容器を含むことを特徴とする。
本発明によれば、水素発生の安定性に優れ、簡便且つ効率よく水素を発生させ得る水素発生材料組成物及び水素発生装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<水素発生材料組成物>
本発明の水素発生材料組成物に含有される金属材料は、主に、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムといった金属やこれらの金属元素を主体とする合金で構成されており、各種の形状を有する粒子として用いる。このような粒子は、一般に、上記金属や合金を金属状態で含有する粒子内部と、該粒子内部の少なくとも一部を被覆する表面皮膜(酸化皮膜)とで構成されている。そして、このような金属材料と水との反応の際には、上記表面皮膜に水が浸透して、粒子内部の金属や合金にまで水が到達すると、水と金属材料とが反応して水素が発生する。
本発明の水素発生材料組成物に含有される金属材料は、主に、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムといった金属やこれらの金属元素を主体とする合金で構成されており、各種の形状を有する粒子として用いる。このような粒子は、一般に、上記金属や合金を金属状態で含有する粒子内部と、該粒子内部の少なくとも一部を被覆する表面皮膜(酸化皮膜)とで構成されている。そして、このような金属材料と水との反応の際には、上記表面皮膜に水が浸透して、粒子内部の金属や合金にまで水が到達すると、水と金属材料とが反応して水素が発生する。
上記金属材料は、少なくとも常温以上に加温された状態において、水と反応して水素を発生させることができる。しかし、表面に安定な酸化皮膜が形成されるため、低温下、若しくは、板状、ブロック状等のバルクの形状では、水素を発生しないか、又は水素を発生し難い材料である。一方、上記酸化皮膜の存在により、空気中での取り扱いは容易である。
例えば、上記金属材料の1つであるアルミニウムと水との反応は、下記式(1−1)〜(1−3)のいずれかによって進行していると考えられる。下記式(1−1)による発熱量は、419kJ/molである。
2Al+6H2O→Al2O3・3H2O+3H2 (1−1)
2Al+4H2O→Al2O3・H2O+3H2 (1−2)
2Al+3H2O→Al2O3+3H2 (1−3)
2Al+4H2O→Al2O3・H2O+3H2 (1−2)
2Al+3H2O→Al2O3+3H2 (1−3)
本発明の水素発生材料組成物は、水と反応して水素を発生させる金属材料と、上記金属材料以外の材料であり、且つ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、上記水素発生材料組成物は、上記水素発生材料組成物全体に含まれる上記発熱材料の平均含有率よりも、上記発熱材料の含有率が高い偏在部を有している。以下、便宜上、上記偏在部における組成物(金属材料及び発熱材料で構成される組成物)を「水素発生材料組成物A」といい、上記偏在部以外の部分における組成物(金属材料及び発熱材料で構成される組成物)を「水素発生材料組成物B」という場合がある。
水素発生材料組成物と水との反応は、水素を発生させる反応であれば、反応機構等によって特に限定されるものではない。この反応の一例は、先ず、発熱材料の含有率が高い偏在部における組成物、即ち水素発生材料組成物Aで発熱材料と水との発熱反応が起こり、次に、この発熱反応によって発生する熱により、水素発生材料組成物Aに含まれる金属材料と水との反応が開始される。続いて、水素発生材料組成物Aで生じた反応熱が、水素発生材料組成物Aに隣接する位置に存在する水素発生材料組成物Bに伝わり、これを起点として水素発生材料組成物Bでの水素発生反応が開始される。水素発生材料組成物に含有される金属材料と水との反応も発熱反応であるため、一度反応が始まると、水素発生材料組成物Aから水素発生材料組成物Bへ供給される熱量が少なくなっても、水素発生材料組成物Bにおいて水素発生反応を持続させることができ、発熱材料を多く含有する水素発生材料組成物Aから水素発生材料組成物Bに徐々に水素発生反応を進行させることができる。そして、最終的に、水素発生材料組成物全体で反応を生じさせることができる。
そのため、水素発生材料組成物Bでは、発熱材料の含有量を水素発生材料組成物Aよりも大幅に低減することができることから、結果として、水素発生材料組成物全体に含まれる発熱材料の量を低減することができる。これにより、水素発生材料組成物全体における金属材料の割合を増加させて、水素発生量を大きくすることができる。また、発熱材料の含有率の高い水素発生材料組成物Aからなる偏在部を含むことにより、偏在部に水が供給されてからすぐに、局所的に大きな発熱が生じて、金属材料と水との反応を誘起することになるため、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間を短縮させることができる。本発明の水素発生材料組成物では、以上の反応により、簡便且つ効率よく水素を発生させることができる。
水素発生材料組成物と水との反応の他の一例は、先ず、発熱材料が多い水素発生材料組成物Aが存在する領域、即ち偏在部で発熱材料と水との発熱反応が起こる。その際、発熱材料が塩基性物質の場合には、水に溶解して高濃度のアルカリ水溶液が生成され、これが水素発生材料組成物Aに含有される金属材料の表面に形成された酸化皮膜を溶解させる。この酸化皮膜を溶解する反応も、金属材料と水との反応の起点となり得る。即ち、水素発生材料組成物Aで生じた反応熱及びアルカリが、水素発生材料組成物Aに隣接する位置に存在する水素発生材料組成物Bに伝わり、これを起点として水素発生材料組成物Bでの水素発生反応が開始される。そして、上述したように、水素発生材料組成物Aから水素発生材料組成物Bに徐々に水素発生反応が進行し、最終的に、水素発生材料全体で反応を生じさせることができる。
そのため、水素発生材料組成物Bでは、発熱材料の含有率を水素発生材料組成物Aよりも大幅に低減することができることから、結果として、水素発生材料組成物全体に含まれる発熱材料の量を低減することができる。これにより、水素発生材料組成物全体における金属材料の割合を増加させて、水素発生量を大きくすることができる。また、発熱材料が塩基性物質の場合、水素発生材料組成物Aに水が供給されてからすぐに、局所的に大きな発熱が生じると共に、金属材料の酸化皮膜を溶解させ、金属材料と水との反応を誘起することになるため、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間を短縮させることができる。本発明の水素発生材料組成物では、以上の反応により、簡便且つ効率よく水素を発生させることができる。
更に、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、水と反応して水素を発生させる金属材料と、上記金属材料以外の材料であり、且つ水と反応して発熱する発熱材料とを含み、全体に含まれる上記発熱材料の平均含有率よりも、上記発熱材料の含有率が高い偏在部を含む水素発生材料組成物において、上記偏在部以外の部分に含まれる発熱材料の種類と、上記偏在部に含まれる発熱材料の種類とを異ならせることによって、水素発生の安定性に大きな差が生じることを見出した。
より具体的には、偏在部以外の部分における発熱材料が例えば酸化カルシウムの場合、反応条件によっては、反応初期において過度な発熱が生じ、水素発生速度が安定しないといった問題が生じることが判明した。一方、偏在部以外の部分における発熱材料が例えば水酸化カルシウムの場合は、過度な発熱が生じず、水素発生の安定性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。この理由の詳細は不明であるが、水酸化カルシウムの発熱量が影響を及ぼしていると推察される。酸化カルシウムと水との反応は、下記式(2−1)及び(2−2)によって進行する。即ち、酸化カルシウムと水とが反応して水酸化カルシウムが生成する反応(下記式(2−1)に該当する。)、及び下記式(2−1)によって生成した水酸化カルシウムが水に溶解して解離する反応(下記式(2−2)に該当する。)によって進行する。下記式(2−1)による発熱量は、1.13kJ/g、下記式(2−2)による発熱量は、0.22kJ/gである。従って、発熱材料が酸化カルシウムの場合における発熱量は、1.13+0.22=1.35kJ/gとなり、発熱材料が水酸化カルシウムの場合における発熱量は、0.22kJ/gとなる。この発熱量の差が水素発生の安定性に差が生じた要因であると推察される。
CaO+H2O→Ca(OH)2 (2−1)
Ca(OH)2→Ca2++2OH- (2−2)
Ca(OH)2→Ca2++2OH- (2−2)
即ち、本発明の水素発生材料組成物は、上記偏在部以外の部分には、第1発熱材料が含まれ、上記偏在部には、第1発熱材料とは異なる第2発熱材料が含まれ、第1発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、第1発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/g以下であり、第2発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、第2発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/gより大きいことを特徴とする。
上記偏在部以外の部分を構成する水素発生材料組成物Bに含まれる第1発熱材料としては、例えば、表1に記載の発熱材料が使用できる。
上記第1発熱材料としては、燃料電池の特性低下に影響する硫酸根等をなるべく含まない、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、特に、潮解性が小さく取り扱いが容易な水酸化リチウム一水和物及び反応後の体積膨張率が小さい水酸化カルシウムが好ましい。また、水素を安定的に発生させるために、第1発熱材料と水との反応により生じる発熱量は、第1発熱材料の単位質量当たり0.1kJ/g以上であることが好ましい。上記第1発熱材料は、1種のみを使用していてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記第1発熱材料は、下記(i)〜(iii)のいずれかを満たす粒子であることが好ましい。
(i)粒径が、0.1〜70μmの粒子を80体積%以上、より好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%含む。
(ii)平均粒径が、0.1μm以上で、20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
(iii)比表面積が、5m2/g以上で、30m2/g以下、より好ましくは10m2/g以上、更に好ましくは15m2/g以上である。
(i)粒径が、0.1〜70μmの粒子を80体積%以上、より好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%含む。
(ii)平均粒径が、0.1μm以上で、20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
(iii)比表面積が、5m2/g以上で、30m2/g以下、より好ましくは10m2/g以上、更に好ましくは15m2/g以上である。
上記第1発熱材料において、粒径が0.1μmを下回る粒子の含有量が多すぎるか、平均粒径が小さすぎるか、比表面積が大きすぎると、取り扱いが困難になり、また、水素発生材料組成物の嵩密度が小さくなるため、充填密度が低下して、エネルギー密度が低下する。
また、上記第1発熱材料において、粒径が70μmを上回る粒子の含有量が多すぎるか、平均粒径が大きすぎるか、比表面積が小さすぎると、詳しい理由は不明であるが、発熱材料の反応性が低下するため、水素発生材料組成物Bに含有される金属材料と水との反応が促進されないためか、金属材料の反応性が低下し、エネルギー密度が低下しやすくなる。
上記第1発熱材料は、上記(i)〜(iii)のいずれかを満足していることが好ましいが、それらの2以上を満足していることがより好ましく、例えば、(i)と(ii)の両者を満足していたり、(i)と(iii)の両者を満足していたり、(ii)と(iii)の両者を満足していたり、(i)と(ii)と(iii)の三者を満足していたりすることがより好ましい。上記偏在部以外の部分は、上記(i)〜(iii)のいずれかを満足する第1発熱材料を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
本明細書でいう「平均粒径」は、体積基準の積算分率50%における直径の値(D50)を意味している。また、本明細書でいう「粒度分布」や「平均粒径」は、レーザ回折・散乱法を用いて測定した値である。ここで、「粒度分布」とは、特定の粒径の粒子をどれだけ含有しているかを示すものである。具体的には、水等の液相又は気相に分散させた測定対象物質にレーザ光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法である。レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装社製の「マイクロトラックHRA」等を用いることができる。
一方、上記偏在部を構成する水素発生材料組成物Aに含まれる第2発熱材料としては、例えば、表2に記載の発熱材料が使用できる。
表2に挙げた第2発熱材料以外にも、水との反応により生じる発熱量が、単位質量当たり0.5kJ/gより大きい発熱材料として、水素化バリウム(BaH2)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、水素化ホウ素マグネシウム(Mg(BH4)2)、水素化ホウ素カルシウム(Ca(BH4)2)、水素化ホウ素ストロンチウム(Sr(BH4)2)、水素化ホウ素バリウム(Ba(BH4)2)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、水素化アルミニウムナトリウム(NaAlH4)、水素化アルミニウムカリウム(KAlH4)等が挙げられる。
上記第2発熱材料としては、取り扱いが容易なアルカリ土類金属の酸化物が好ましく、特に酸化カルシウムが好ましい。また、第2発熱材料と水との反応により生じる発熱量の上限は特に限定されず、第2発熱材料の種類に応じて定まる。
上記第2発熱材料は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、第2発熱材料が塩基性物質であれば、水素発生反応に用いられる水に溶解して、高濃度のアルカリ水溶液を生成するので、金属材料の表面に形成された酸化皮膜を溶解させ、水との反応性を大きくすることができるので好ましい。この酸化皮膜を溶解する反応は、金属材料と水との反応の起点となることもある。特に、第2発熱材料がアルカリ土類金属の酸化物であれば、塩基性物質であり且つ取り扱いが容易であるのでより好ましい。
上記第2発熱材料としては、粒径が0.1〜70μmの粒子を、好ましくは80体積%以上、より好ましくは90体積%以上含む粒子であるか、又は平均粒径が、好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下の粒子であることが望ましく、粒径が0.1〜70μmの粒子を80体積%以上含み、且つ平均粒径が上記好適値を満足するものであることがより望ましい。このような粒度の発熱材料は、篩により分級するなどして得ることができる。
上記第2発熱材料において、粒径が70μmを超える粒子を多く含んでいるか、平均粒径が大きすぎると、発熱材料の反応速度が低下するため、金属材料と水との反応を誘起させるのに必要な発熱反応又は酸化皮膜溶解反応が進むまでの時間が長く掛かり、その分、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間が長く掛かるようになる虞があると考えられる。また、第2発熱材料において、粒径が0.1μmを下回る粒子を多く含んでいるか、平均粒径が小さすぎると、取り扱いが困難になる。
本発明の水素発生材料組成物における上記偏在部は、金属材料として、アルミニウム又はアルミニウム合金を含有しており、且つ上記アルミニウム又はアルミニウム合金の粒子が、下記(1)〜(3)のいずれかを満たすことが好ましい。
(1)粒径が、15〜120μmの粒子を80体積%以上、好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%含む。
(2)平均粒径が、15μm以上、好ましくは25μm以上で、75μm以下、好ましくは55μm以下である。
(3)形状が鱗片状であり、且つ厚みが、0.1μm以上で、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
(2)平均粒径が、15μm以上、好ましくは25μm以上で、75μm以下、好ましくは55μm以下である。
(3)形状が鱗片状であり、且つ厚みが、0.1μm以上で、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
本明細書でいう鱗片状の金属材料の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより求めることができる。
上記偏在部が、金属材料として上記(1)〜(3)のいずれかを満たすアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子を含有していれば、水素発生反応の初期段階での、偏在部における水素発生反応をスムーズに進行させ、効率よく水素を発生させることができる。
一般に、アルミニウムは、アルミニウム金属である粒子内部の表面に、アルミニウム酸化物又はアルミニウム水酸化物で構成される緻密な難水溶性の酸化皮膜が形成されている。アルミニウムと水との反応の際には、上記表面皮膜に水が浸透して、粒子内部のアルミニウム金属まで水が到達すると、水素が発生する。その際、生成するアルミナ水和物は皮膜として成長する。また、アルミナ水和物は難水溶性であるので、皮膜の成長に伴い内部まで水が浸透しにくくなる。その結果、アルミニウムの粒径や厚みによっては、アルミニウム金属が完全に酸化される前に水との反応は終了する。そのため、アルミニウムの粒径の増加に伴い、反応性は低下すると考えられる。また一般に、アルミニウムの粒径の増加に伴い、比表面積は減少するので、反応速度は低下すると考えられる。
更に、一般に、アルミニウムの表面は、緻密な酸化皮膜に覆われているため、アルミニウムの粒径の低下に伴い、通常は比表面積が増加し、その結果酸化皮膜量も増加すると考えられる。酸化皮膜量が増加すると、上述した金属材料と水との反応を誘起させるのに必要な発熱反応又は酸化皮膜溶解反応も多く進行する必要があり、その分、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間が長く掛かることになると考えられる。
これに対し、偏在部に含まれるアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子が、上記の(1)〜(3)のいずれかを満たす場合には、粒子表面に酸化皮膜が形成されていても、発熱材料と水との反応熱が加わることで、水との反応を良好に開始できるようになる。即ち、偏在部に含まれるアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子において、粒径が15μmを下回る粒子の含有量が多すぎるか、平均粒径が小さすぎるか、形状が鱗片状であり且つ厚みが小さすぎると、酸化皮膜量が過度に増加するため、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでに要する時間が長く掛かるようになる。
また、上記偏在部に含まれるアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子において、粒径が120μmを超える粒子を多く含んでいるか、平均粒径が大きすぎるか、形状が鱗片状であり且つ厚みが大きすぎると、酸化皮膜量が少ないために短時間で水素が発生するが、粒径の増加に伴う反応速度の低下、即ち水素発生材料組成物Aに含有される金属材料と水との反応速度の低下により、水素発生材料組成物Bでの水素発生反応への起点となる発熱反応又は酸化皮膜溶解反応が進むまでの時間が長く掛かるため、水素発生速度が最大となるまでに要する時間が長く掛かるようになる。
上記偏在部が含有する金属材料粒子は、上記(1)〜(3)のいずれかを満足していることが好ましいが、それらの2以上を満足していることがより好ましく、例えば、(1)と(2)の両者を満足していたり、(1)と(3)の両者を満足していたり、(2)と(3)の両者を満足していたり、(1)と(2)と(3)の三者を満足していたりすることがより好ましい。また、偏在部は、上記(1)〜(3)のいずれかを満足する金属材料粒子を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
本発明の水素発生材料組成物における上記偏在部以外の部分は、金属材料として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料を含み、且つ上記金属材料が下記(a)〜(c)のいずれかを満足する粒子を含むことが好ましい。
(a)粒径が、0.1〜60μmの粒子を80体積%以上、より好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%含む。
(b)平均粒径が、0.1μm以上で、30μm以下、より好ましくは20μm以下である。
(c)形状が鱗片状であり、且つ厚みが、0.1μm以上で、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
(a)粒径が、0.1〜60μmの粒子を80体積%以上、より好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%含む。
(b)平均粒径が、0.1μm以上で、30μm以下、より好ましくは20μm以下である。
(c)形状が鱗片状であり、且つ厚みが、0.1μm以上で、5μm以下、好ましくは3μm以下である。
本発明で、「主体とする合金」とは、主体となる元素を合金全体で80質量%以上含む合金をいう。
上記偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子において、粒径が0.1μmを下回る粒子の含有量が多すぎるか、平均粒径が小さすぎるか、形状が鱗片状であり、且つ厚みが小さすぎると、空気中で発火性が高くなるため取り扱いが困難になり、また、水素発生材料組成物の嵩密度が小さくなるため、充填密度が低下して、エネルギー密度が低下しやすくなる。
また、上記偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子において、粒径が60μmを超える粒子を多く含んでいるか、平均粒径が大きすぎるか、形状が鱗片状であり且つ厚みが大きすぎると、反応性が低下するため、エネルギー密度が低下しやすくなる。
上記偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子は、上記(a)〜(c)のいずれかを満足していることが好ましいが、それらの2以上を満足していることがより好ましく、例えば、(a)と(b)の両者を満足していたり、(a)と(c)の両者を満足していたり、(b)と(c)の両者を満足していたり、(a)と(b)と(c)の三者を満足していたりすることがより好ましい。また、偏在部以外の部分は、上記(a)〜(c)のいずれかを満足する金属材料粒子を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
また、上記偏在部及び偏在部以外の部分が含有する金属材料粒子は、その形状が鱗片状の場合には、燃焼赤外吸収法により測定される粒子表面での炭素含有量が、0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。鱗片状の粒子表面における炭素含有量が多い場合には、水との親和性が悪化するため、水と反応させようとしても水との接触が良好でないことから、水素発生反応が進行しにくくなる傾向にある。上記粒子表面の炭素は、鱗片状の金属材料粒子の製造方法に起因して存在するものである。上記炭素含有量は0質量%であることが最も好ましいが、0質量%とすることは難しく、現実的な下限値は、0.01質量%程度である。
上記偏在部を構成する水素発生材料組成物Aは、前述のとおり、金属材料として、アルミニウム又はアルミニウム合金の粒子を少なくとも含有していることが好ましく、その割合は、偏在部に存在する金属材料全体の90質量%以上とすることが望ましい。また、アルミニウム及びアルミニウム合金以外に用いることのできる金属材料としては、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びそれら元素の1種以上を主体とする合金等を例示することができる。アルミニウム及びアルミニウム合金以外の金属材料を含有させる場合にも、その形状としては、前述の(1)〜(3)のいずれかを満たすことが望ましい。
また、上記偏在部以外の部分を構成する水素発生材料組成物Bは、前述のとおり、金属材料として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料を含有していることが好ましいが、中でも、金属材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金を含有することが望ましく、その割合は、偏在部以外の部分に存在する金属材料全体の90質量%以上とすることが望ましい。上記金属材料以外の金属材料を含有させる場合にも、その形状としては、上記の(a)〜(c)のいずれかを満たすことが望ましい。
上記偏在部における金属材料は、全てが前述の(1)〜(3)のいずれかを満たす形状のアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子で構成されていることがより望ましく、偏在部以外の部分における金属材料は、全てが前述の(a)〜(c)のいずれかを満たす形状のアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子で構成されていることがより望ましい。
本発明の水素発生材料組成物に使用する金属材料の製造方法は特に限定されず、機械的粉化法やアトマイズ法等が挙げられ、これらのいずれの方法により作製された金属材料も用いることができるが、例えば、アトマイズ法のような急冷凝固法により形成された金属材料粒子[アルミニウム粉末(アルミニウム粒子)又はアルミニウム合金粉末(アルミニウム合金粒子)等]が好ましく用いられる。即ち、急冷凝固法で金属材料を形成することにより、結晶粒が微細化して活性点となる粒界が増加し、水との反応が進行しやすくなることが期待される。また、急冷凝固法による金属材料では、水との濡れ性が比較的高いため、反応を生じやすくなることも期待される。
アトマイズ法では、金属の溶湯を細い溶湯流として、ガスや回転ディスク等によりせん断力を与えて分散させ粉状(粒状)とする。ガスの場合の分散媒は、空気、又は窒素やアルゴン等の不活性ガスを使用することができ、分散媒によって分散された溶体粒子が凝固時に吹き付けられる液体又は気体によって急冷処理され、金属粉体が得られる。上記冷却媒体としての液体又は気体には、水、液体窒素、空気、窒素ガス、アルゴンガス等が用いられる。
そして、アトマイズ法によって得られた金属材料粒子を篩によって分級するなどして、前述の(1)又は(2)の粒度を有する金属材料粒子や、前述の(a)又は(b)の粒度を有する金属材料粒子を得ることができる。
一方、機械的粉化法では、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金の粒子の場合、アルミニウムに対する腐食性を有する有機溶媒を含む処理溶媒中で、アルミニウム又はアルミニウム合金を機械的に粉砕して形成された金属材料が好ましく用いられる。上記方法を用いて作製した粉末は、金属光沢を有しており、粉砕時間にもよるが、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、厚みが5μm以下で、長径が数十μmの鱗片状の形態を有していることが確認される。上記厚みを小さくすることにより、アルミニウムと水との反応による酸化皮膜の形成による影響が小さくなり、粒子の中心まで水と反応しやすくなると考えられる。
上記の「アルミニウムに対する腐食性を有する」とは、アルミニウムと化学的な反応を生じることを意味しており、このような性質を有する有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルミニウムと反応してアルコキシドを生成するアルコール類;酢酸等のアルミニウムを溶解することのできる有機酸;N−メチルピロリドン等が挙げられる。上記アルコール類としては、上記メタノール及びエタノールの他、例えば、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、2−メチル−1−プロパノール、ベンジルアルコール、エトキシエタノール等も例示することができる。また、上記有機酸としては、炭素数が10以下のものが好ましく、シュウ酸やクエン酸のように室温で固体の状態で存在するものであっても、それを溶解可能な有機溶媒に溶解させて用いることもできる。アルミニウムとの反応性や、得られる粉末の表面物性等の点からは、アルコール類が特に好適に用いられる。
アルミニウムに対する腐食性を有する有機溶媒は、これを単独で処理溶媒として用いることもできるが、トルエン等の、アルミニウムに対して不活性な有機溶媒と混合して処理溶媒としてもよい。また、上記有機溶媒中には、僅か(例えば、1質量%以下)であれば水が含まれていてもよい。
上記機械的粉砕方法は、特に制限されるものではなく、例えば、ボールミル、サンドミル、振動ミル又はジェットミル等を採用できる。粉砕時の雰囲気は特に限定されず、不活性雰囲気でも大気中でもかまわない。
上記機械的粉化法によって、前述の(3)及び(c)の形態を有し、また、燃焼赤外吸収法により測定される粒子表面での炭素含有量が前述の好適値を満たす金属材料を得ることができる。
<水素発生材料組成物の組成>
水素発生材料組成物のうち、水素発生材料組成物Aからなる偏在部においては、第2発熱材料の含有率が、30質量%以上であることが好ましく、また、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。偏在部における発熱材料の含有率を上記のようにすることで、発熱材料の反応によって水素が発生するまでの時間をより短縮させることができる。
水素発生材料組成物のうち、水素発生材料組成物Aからなる偏在部においては、第2発熱材料の含有率が、30質量%以上であることが好ましく、また、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。偏在部における発熱材料の含有率を上記のようにすることで、発熱材料の反応によって水素が発生するまでの時間をより短縮させることができる。
また、水素発生材料組成物のうち、水素発生材料組成物Bからなる偏在部以外の部分においては、第1発熱材料(例えば水酸化カルシウム)の含有率が高すぎると、水素発生材料組成物全体における発熱材料の量を低減することによる効果を確保し難くなる場合がある。そのため、偏在部以外の部分の第1発熱材料(例えば、水酸化カルシウム)の含有率は、偏在部の第2発熱材料の含有率よりも低くし、具体的には、1質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。
また、水素発生材料組成物全体中の金属材料の含有率(金属材料と発熱材料との合計量を100質量%とした場合の金属材料の含有率)は、より多くの水素を発生させる観点から、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、また、前述の第1発熱材料及び第2発熱材料の効果をより確実に確保する観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下である。言い換えれば、水素発生材料組成物全体中の発熱材料の含有率(金属材料と発熱材料との合計量を100質量%とした場合の発熱材料の含有率)は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
また、水素発生材料組成物全体における偏在部の割合は、水素発生量をより多くする観点から、40質量%以下であることが好ましく、より効率よく水素を発生させる観点から、1質量%以上であることが好ましい。
<水素発生材料組成物の調製>
本発明の水素発生材料組成物は、例えば、発熱材料の含有率が高い偏在部を構成するための水素発生材料組成物Aと、偏在部以外の部分を構成するための水素発生材料組成物Bとを別々に調製し、これら水素発生材料組成物Aと水素発生材料組成物Bとを完全に混合することなく水素発生材料組成物Aによる偏在部が残るように合わせて調製することができる。また、調製後の水素発生材料組成物を、偏在部を残しつつ加圧成形してペレット状等にしてもよい。
本発明の水素発生材料組成物は、例えば、発熱材料の含有率が高い偏在部を構成するための水素発生材料組成物Aと、偏在部以外の部分を構成するための水素発生材料組成物Bとを別々に調製し、これら水素発生材料組成物Aと水素発生材料組成物Bとを完全に混合することなく水素発生材料組成物Aによる偏在部が残るように合わせて調製することができる。また、調製後の水素発生材料組成物を、偏在部を残しつつ加圧成形してペレット状等にしてもよい。
上記水素発生材料組成物を調製するにあたり、偏在部以外の部分を構成するための単位組成物である水素発生材料組成物Bとしては、1種類の単位組成物のみを用いてもよく、金属材料及び発熱材料の組成や形状の異なる2種類以上の単位組成物を用いてもよい。
水素発生材料組成物A及びBは、顆粒状であることが好ましい。顆粒状の水素発生材料組成物A及びBは、金属材料と発熱材料等とを混合して得られた粉末状の組成物を造粒することで得られる。水素発生材料組成物A及びBを顆粒状にすることで、粒径の調節が容易となり、例えば、水素発生材料組成物A及びBを、粒径が5〜300μmの顆粒状にすることで、水素が発生するまでの時間を短縮できる。
例えば、水素発生材料組成物A及びBを顆粒状にする場合、金属材料を水と反応しやすくするためには、金属材料のみからなる1mm以上の大きさの凝集体が形成されないようにすることが好ましい。上記凝集体の形成を防ぐためには、例えば、水素発生材料組成物A及びBを調製する際に、金属材料と発熱材料とを撹拌混合したり、金属材料を発熱材料でコーティングしたりすればよい。
水素発生材料組成物Aと水素発生材料組成物Bとを合わせて本発明の水素発生材料組成物を調製する場合、水素発生材料組成物Aを、水素発生材料組成物全体の中で、その表面部又は隅部に配置することが好ましい。そのような配置であれば、最初に水素発生材料組成物Aに水を供給して、その中に含まれる発熱材料と水とを素早く接触させることが可能となり、より短時間で水素発生反応を開始させることができるようになる。
他方、本発明の水素発生材料組成物には、偏在部を構成するための発熱材料の含有率が最も高い単位組成物である水素発生材料組成物Aと、偏在部以外の部分を構成するための単位組成物である水素発生材料組成物Bとを一体化せずに、それぞれ別個独立に固形物化した態様のものも含まれる。このような態様の水素発生材料組成物の場合には、水素製造に際して、水素発生材料組成物Aと水素発生材料組成物Bとを完全に混合することなく合わせて用いることができる。この場合、例えば、水素発生材料組成物Bが2種類以上の単位組成物で構成されていれば、それぞれの単位組成物を固形物化すればよい。
<水素発生材料組成物による水素製造方法>
本発明の水素発生材料組成物を用いた水素製造方法の一例を以下に示す。水素発生材料を準備する工程は、特に限定されないが、例えば、予め調製した水素発生材料組成物を、偏在部を残したまま反応容器内に投入してもよいし、発熱材料の含有率の異なる複数種の単位組成物(水素発生材料組成物A及びB)を、それぞれ反応容器内に投入し、発熱材料の含有率が最も高い水素発生材料組成物Aにより偏在部が形成されるようにしてもよい。
本発明の水素発生材料組成物を用いた水素製造方法の一例を以下に示す。水素発生材料を準備する工程は、特に限定されないが、例えば、予め調製した水素発生材料組成物を、偏在部を残したまま反応容器内に投入してもよいし、発熱材料の含有率の異なる複数種の単位組成物(水素発生材料組成物A及びB)を、それぞれ反応容器内に投入し、発熱材料の含有率が最も高い水素発生材料組成物Aにより偏在部が形成されるようにしてもよい。
続いて、このようにして準備された水素発生材料組成物に水を供給する。水を供給する工程は、水素発生材料組成物を水と反応可能にするものであれば、特に限定されない。即ち、水を供給する反応容器内の箇所や供給速度等は適宜選択することができる。この工程によって、供給された水が水素発生材料組成物中の発熱材料と反応し、その反応により放出される熱によって、また、発熱材料が塩基性物質の場合は反応により生成するアルカリによる金属材料の酸化皮膜の溶解によって、金属材料と水との反応が開始される。そして、発熱材料の反応による反応熱、アルカリによる金属材料の酸化皮膜の溶解、又は金属材料と水との反応による反応熱を起点として、新たな金属材料と水との反応が開始され、水素発生反応が継続することになる。
但し、供給する水を発熱材料及び金属材料と効率よく反応させるためには、水素発生材料組成物における発熱材料の含有率が最も高くなっている偏在部(即ち、水素発生材料組成物Aの箇所)に、先に水を供給することが好ましい。これにより、最初に水素発生反応を開始させるのに必要な熱量又はアルカリ量を生じさせることができれば、それ以降の反応を効率的に進行させることができるからである。
<水素発生装置>
次に、本発明の水素発生装置の一例を図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の水素発生材料組成物を収容した容器(水素発生材料組成物収容容器)を備えた水素発生装置の模式断面図であり、発熱材料の含有率が高い偏在部が存在するように、水素発生材料組成物を配置したものである。図1で示される水素発生装置は、カートリッジの形態を有している。
次に、本発明の水素発生装置の一例を図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の水素発生材料組成物を収容した容器(水素発生材料組成物収容容器)を備えた水素発生装置の模式断面図であり、発熱材料の含有率が高い偏在部が存在するように、水素発生材料組成物を配置したものである。図1で示される水素発生装置は、カートリッジの形態を有している。
図1において、カートリッジ10は、本発明の水素発生材料組成物2を収容可能な容器本体1aと、蓋1bとからなる容器1を備え、蓋1bには容器本体1aに水を供給する水供給管3と、水素を導出する水素導出管5とが設けられている。図1では水供給管3は、水平方向(図1の左右方向)に配置されているが、鉛直方向(図1の上下方向)に配置してもよい。また、図1では、水供給管3をL字状に形成したが、水供給管3の全体を直線状に形成してもよい。
図1において、カートリッジ10は、容器1の内部に、水素発生材料組成物2aと水素発生材料組成物2bとからなる本発明の水素発生材料組成物2が配置されている。水素発生材料組成物2aは、偏在部を構成する水素発生材料組成物Aに相当し、水素発生材料組成物2bは、偏在部以外の部分を構成する水素発生材料組成物Bに相当する。
カートリッジ10は、上記のような構成にすることによって、水素発生材料組成物2全体に含まれる発熱材料の量が少なくても、水素を効率よく発生させることができる装置である。カートリッジ10は、特に、前述の水素製造方法の実施に適したものである。
水素発生材料組成物のうち、偏在部を構成する水素発生材料組成物2aに、最初に水が供給されるように、例えば、図1に示すように、水素発生材料組成物2aを水供給管3の水供給口4の近傍に配置することが特に好ましい。容器1内において、偏在部を構成する水素発生材料組成物2aを上記のように配置することで、より短時間で効率よく水素を発生させることができるようになる。
カートリッジ10では、マイクロポンプ等のポンプ(図示せず。)を用いて、水供給管3の水供給口4を通じて容器1に水を供給し、容器1内において水素発生材料組成物2と水とを反応させて水素を発生させる。よって、容器1は、水素発生材料組成物2と水との反応容器としての役割も担っている。容器1で発生した水素は、水素導出口6から水素導出管5を経て、水素を必要とする燃料電池等の機器に供給される。
容器1の大きさ、形状等は特に限定されないが、容器1は水素発生材料組成物2と水とを反応させる反応容器として用いられるので、水や水素が漏れない材質や形状が好ましい。また、容器1に用いる材質は、耐熱性を有する材質、例えば、120℃程度に加熱しても破損しない材質等が好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル等の金属;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂;アルミナ、シリカ、チタニア等のセラミックス;耐熱ガラス等の材料を用いることができる。容器1の形状としては、角柱状、円柱状等が採用できる。
水素発生材料組成物2が水と反応することで生じる反応生成物は、反応前の水素発生材料組成物2よりも体積が大きくなる場合がある。そのため、容器1は、こうした反応生成物の生成に伴う内蔵物の体積膨張が生じた場合に破損してしまわないように、水素発生材料組成物2と水との反応に応じて変形可能であることが好ましい。このような観点からは、容器1の材質として、上記例示の中でもPEやPP等の樹脂がより好ましい。
水素導出口6は、水素を外部に導出できる構造であれば特に限定されず、例えば、蓋1bに形成された開口であってもよく、また、蓋1bに直接接続されたパイプ(図1の水素導出管5に該当する。)を水素導出口とするものであってもよい。水素導出口6には、フィルターを配置すれば、容器1の内容物が外に漏れ出さないのでより好ましい。
図1に示したカートリッジ10では、更に、容器1の内部における水供給口4及び水素導出口6のそれぞれの先端部に、吸水材7a、7bが配置されている。吸水材7a或いは7bは、必ずしも必要ではないが、水素発生反応による水の消費に応じて、吸水材7a或いは7bに保持された水が水素発生材料組成物2に供給され、水素発生速度の時間変動をある程度抑制することが可能となるので、配置するのが好ましい。更には、吸水材7bは、水素発生反応の際に、水素発生材料組成物2が水素導出口6から水素導出管5を経て、水素を必要とする燃料電池等の機器に流出することを防止するフィルターの役割も担うため、配置することが好ましい。吸水材7a、7bは、水を吸って保持することのできる材質のものであれば特に限定されるものではなく、一般には脱脂綿や不織布等を用いることができる。
また、水供給管3は、後に詳述するが、水の供給量を制御できるポンプと接続されていれば、水の供給量を調節することによって、発生する水素の量を制御することができるのでより好ましい。
本発明の水素発生装置では、水素発生材料組成物2を収容する容器1の内部に水を供給する水供給部と、上記水の供給量を制御する水供給量制御部とを備えていることが好ましい。水の供給量を制御することにより、上記水素発生材料に定常供給速度で水を供給して、定常状態で水素製造を継続することが好ましい。水と水素発生材料との発熱反応が開始しても、水の供給量が過多となれば反応温度が低下して反応速度が低下する場合がある。また、水の供給量が過少となれば反応効率が低下する場合がある。そこで、水の供給量を制御することにより、容器の内部を発熱反応が維持できる温度に保持することが好ましい。これにより、水と水素発生材料との発熱反応を安定して継続でき、簡便で効率よく且つ安定的に水素を製造できる。また、水の供給量の制御は、水の供給速度を制御することにより行うことが好ましい。
ここで、本明細書でいう「定常状態」とは、水素発生速度が最大値に達した後に、水素発生速度がほぼ一定となった状態をいう。この定常状態になれば、水素発生材料に定常供給速度で水を供給し続けることで、水素発生材料と水との反応が制御されて安定した水素製造を行うことができる。
また、本明細書でいう「定常供給速度」とは、水素発生材料との反応によって安定して所定の発生速度での水素発生を行うことができる、単位時間当たりの水の供給量を意味する。従って、定常供給速度で水を供給するとは、連続的に常に一定の供給速度(供給流量)で水を供給する場合に限られるものではなく、水の供給速度が所定の値を中央値として一定範囲で変化する場合や、水の供給速度がパルス状に変化する場合、即ち水の供給を断続的に行う場合をも含む概念である。ここで、本発明のように、水と水素発生材料との発熱反応によって水素を発生させる場合には、その反応速度から考えて、水の供給速度を把握する単位時間を分単位とすることが相当である。特に、水素の発生状態が、定常状態若しくはそれに近い状態となっている場合には、既に一定量の水が供給されて水素発生材料との発熱反応が生じている場合であるから、微視的に見た水の供給速度(供給流量)には一定の裕度がある。従って、例えば、所定の供給速度Vで水を6秒間供給した後、水の供給を停止し、54秒間待機するといった1分間のサイクルによって水を断続的に供給する場合と、供給速度V/10で連続して水を供給する場合とは、いずれも同じ定常供給速度として把握することができる。この時、いずれの場合においても、同等の水素発生速度で安定した水素製造を行うことができる。
本明細書では以降、定常状態において、定常供給速度で水を供給することにより得られる水素発生速度を「定常水素発生速度」と呼称する。
上記発熱反応が維持できる温度は、通常は40℃以上であり、水素発生速度の制御の点から100℃以下とすることが好ましい。
上記水供給部としては特に限定されず、水供給管、水供給口等を容器1に設ければよい。また、上記水供給部には、ポンプ等を接続することもできる。
上記水供給量制御部としては、水の供給量(供給速度)を正確に制御できるものであれば特に限定されず、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプ或いはシリンジポンプ等が用いられる。また、水の供給速度が異なる少なくとも2系統の水の供給経路を備えることにより、水の供給量を調整することもでき、例えば、それぞれの経路の内径を適宜調整することにより、少なくとも2種類の供給速度を実現することができる。
容器1の外部には、更に保温材8を配置することが好ましい。これにより、水と金属材料との発熱反応を維持できる温度を保持しやすくなり、また、外気温の影響も受けにくくなる。保温材8の材質は、断熱性が高い材質であれば特に限定されず、例えば、発泡スチロール、ポリウレタンフォーム、発泡ネオプレンゴム等の多孔性断熱材、或いは真空断熱構造を有する断熱材等を用いることができる。
以上に説明した本発明の水素発生装置によれば、条件により変化するものの、例えば、金属材料が全て反応したと仮定したときの理論水素発生量(アルミニウムの場合は、1g当たりの理論水素発生量は、25℃換算で約1360mlとなる。)に対し、実際に得られる水素発生量は、およそ60%以上、より好ましくは80%以上となり、効率的に水素を発生させることが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した本発明の水素発生装置の一例を示すカートリッジ10を用いて以下の通り水素発生試験を行なった。
図1に示した本発明の水素発生装置の一例を示すカートリッジ10を用いて以下の通り水素発生試験を行なった。
表3に示す粒度分布及び平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末1.0g(金属材料)と、表3に示す粒度分布及び平均粒径を有する酸化カルシウム粉末1.0g(発熱材料)とを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物A(発熱材料の含有率:50質量%)を調製した。また、表4に示す粒度分布及び平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末106.5g(金属材料)と、表4に示す粒度分布、平均粒径及び比表面積を有する水酸化カルシウム粉末13.5g(発熱材料)とを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物B(発熱材料の含有率:11質量%)を作製した。水素発生材料組成物2全体に対し、水素発生材料組成物Aの割合は1.6質量%であり、アルミニウム粉末の割合は88質量%であった。
第1発熱材料として用いた水酸化カルシウムと水との反応により生じる発熱量は、水酸化カルシウムの単位質量当たり0.22kJ/gである。また、第2発熱材料として用いた酸化カルシウムと水との反応により生じる発熱量は、酸化カルシウムの単位質量当たり1.35kJ/gである。
次に、ポリプロピレン製の容器1(縦53mm、横53mm、高さ82mm、内容積170cm3)の内部に、水素発生材料組成物A(図1中、2a)2gと、水素発生材料組成物B(図1中、2b)120.0gとを、図1に示したように充填した。更に、上記水素発生材料組成物Bの上に、吸水材7bとして脱脂綿を0.4g入れた。
続いて、図1に示したように、水を供給するためのアルミニウム製の水供給管3(内径2mm、外径3mm)の管口部(水供給口4、先端に吸水材7aとして脱脂綿を0.1g付してある。)が上記水素発生材料組成物Aの近傍になるように配置し、水素を導出させるアルミニウム製の水素導出管5(内径3mm、外径4mm)を備えたシリコン栓で蓋をし、本実施例の水素発生材料組成物2を内部に収容したカートリッジ(水素発生装置)10を得た。そして、容器1の外部表面に、容器1の表面温度を検出するための温度センサ(図示せず。)を取り付けた。また、容器1の外周を包むように厚み1.5mmの発泡ネオプレンゴム製の保温材8を設置した。水素発生試験前におけるカートリッジ10の体積は262mlであった。
次に、水供給管3の先端(容器1側とは反対側の先端)に、上記水素発生材料組成物A及びBに水を供給するためのポンプ(図示せず。)を設置した。即ち、上記ポンプを用いて水収容容器(図示せず。)から水を供給することによって、先ず、水と上記水素発生材料組成物Aに含まれる第2発熱材料(酸化カルシウム粉末)とが発熱反応し、続いて、水と上記水素発生材料組成物A及びBに含まれる金属材料(アルミニウム粉末)とが水素発生反応を開始することとなる。
更に、水素導出管5の先端(容器1側とは反対側の先端)に、水素発生材料組成物2からの水素発生量を検出するためのコフロック社製のマスフローメータ「MODEL8300 SERIES」(図示せず。)を設置した。また、水素導出管5とマスフローメータとの間に、塩化カルシウム管(図示せず。)を配置し、発生した水素に含まれる水分を除去した。
次に、上記ポンプから水道水を3.4ml/minの速度で30秒間送り出し、一旦水の供給を停止した。その後、水素が発生し、マスフローメータによって検出された水素発生量が300ml以上となった際、上記ポンプから3.3ml/minの定常供給速度で水道水を送り出し、カートリッジ10の内部に水を供給することによって、水素発生材料組成物2と水とを反応させて水素を発生させた。25℃において、水素が発生しなくなるまで水を供給し、水素導出管5から水素を導出させた。そして、マスフローメ−タによって、水素が発生するまでの時間、水素発生速度が最大となるまでの時間、アルミニウムの反応率及び試験後におけるカートリッジ10の体積を求めた。ポンプにより供給される水が、水供給口4の先端に到達した時を水素発生試験の開始時とした。
アルミニウムの反応率は、25℃、1気圧でのアルミニウム1g当りの理論水素発生量(1360ml)を基準として、使用したアルミニウム1g当たりの実際の水素発生量の上記理論水素発生量に対する割合として求めた。
水素が発生するまでの時間は、マスフローメータにより計測される瞬間水素発生速度が2ml/minを超えるまでに要する時間として求めた。また、水素発生速度が最大となるまでの時間は、マスフローメータにより計測される瞬間水素発生速度が最大となるまでに要する時間として求めた。
(実施例2)
金属材料として実施例1の水素発生材料組成物Bを調製する際に用いた平均粒径6μmのアルミニウム粉末106.5gと、表4に示す粒度分布、平均粒径及び比表面積を有する水酸化リチウム一水和物粉末13.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物Bを作製した以外は、実施例1と同様にしてカートリッジ10を作製し、更に、実施例1と同様にして水素を発生させた。本実施例で第1発熱材料として用いた水酸化リチウム一水和物と水との反応により生じる発熱量は、水酸化リチウム一水和物の単位質量当たり0.15kJ/gである。
金属材料として実施例1の水素発生材料組成物Bを調製する際に用いた平均粒径6μmのアルミニウム粉末106.5gと、表4に示す粒度分布、平均粒径及び比表面積を有する水酸化リチウム一水和物粉末13.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物Bを作製した以外は、実施例1と同様にしてカートリッジ10を作製し、更に、実施例1と同様にして水素を発生させた。本実施例で第1発熱材料として用いた水酸化リチウム一水和物と水との反応により生じる発熱量は、水酸化リチウム一水和物の単位質量当たり0.15kJ/gである。
(比較例1)
金属材料として実施例1の水素発生材料組成物Bを調製する際に用いた平均粒径6μmのアルミニウム粉末106.5gと、実施例1の水素発生材料組成物Aを調製する際に用いた平均粒径4μmの酸化カルシウム粉末13.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物Bを作製した以外は、実施例1と同様にしてカートリッジ10を作製し、更に、実施例1と同様にして水素を発生させた。本比較例で第1発熱材料として用いた酸化カルシウムと水との反応により生じる発熱量は、酸化カルシウムの単位質量あたり1.35kJ/gである。
金属材料として実施例1の水素発生材料組成物Bを調製する際に用いた平均粒径6μmのアルミニウム粉末106.5gと、実施例1の水素発生材料組成物Aを調製する際に用いた平均粒径4μmの酸化カルシウム粉末13.5gとを乳鉢で混合して、水素発生材料組成物Bを作製した以外は、実施例1と同様にしてカートリッジ10を作製し、更に、実施例1と同様にして水素を発生させた。本比較例で第1発熱材料として用いた酸化カルシウムと水との反応により生じる発熱量は、酸化カルシウムの単位質量あたり1.35kJ/gである。
実施例1〜2及び比較例1の水素発生材料組成物の構成を表3〜表5に示す。
図2、図3及び図4に、実施例1、実施例2及び比較例1の水素発生装置における容器温度の時間変化及び水素発生速度の時間変化を表すグラフをそれぞれ示す。また、実施例1、実施例2及び比較例1の水素発生試験の結果を表6に示す。
図2から明らかなように、実施例1の場合、水素の発生が観測されてから容器温度が単調に上昇し、容器温度が約90℃まで上昇し続けた。その後、容器温度はその温度を維持し続けた。そして、試験開始から4.5分から7.5分までの間に定常水素発生速度に比べて低い水素発生速度が観測され、定常水素発生速度に比べて水素発生速度が最大で約80ml/min(図2の幅A)まで低下した。
また、図3から明らかなように、実施例2の場合、水素の発生が観測されてから容器温度が単調に上昇し、容器温度が約97℃まで上昇し続けた。その後、容器温度はその温度から緩やかに下降し続け、実施例1と同様に約90℃の温度で維持し続けた。そして、試験開始から3分から3.5分までの間に定常水素発生速度に比べて低い水素発生速度が観測され、定常水素発生速度に比べて水素発生速度が最大で約90ml/min(図3の幅B)まで低下した。
一方、図4から明らかなように、比較例1の場合、水素の発生が観測されてから容器温度が単調に上昇し、容器温度が約104℃まで上昇し続けた。その後、一旦容器温度が約90℃まで下降し、実施例1と同様に約90℃の温度で維持し続けた。その際、試験開始から4分から18分までの間に定常水素発生速度に比べて低い水素発生速度が観測され、定常水素発生速度に比べて水素発生速度が最大で約180ml/min(図4の幅C)まで低下した。
実施例1、実施例2及び比較例1の結果から、実施例1及び実施例2に示した本発明の水素発生材料組成物は、水素発生の安定性に優れ、簡便且つ効率よく水素を発生させ得ることができた。これは、水素発生材料組成物Bの発熱材料として、酸化カルシウムに比べて発熱量が低い水酸化カルシウム或いは水酸化リチウム一水和物を用いたことにより、反応初期における過度な発熱が抑制され、その結果、水素発生が安定したものと推察される。
実施例1、実施例2及び比較例1の試験結果のうち、反応後のカートリッジ10の体積に注目すると、表6から明らかなように、実施例1に示した本発明の水素発生材料組成物は、実施例2及び比較例1に比べて、水素発生反応に伴うカートリッジ10の膨張を抑制することができた。この結果から、実施例1に示した本発明の水素発生材料組成物は、他の水素発生材料組成物に比べて容器1内への充填量を増加させることができることから、エネルギー密度の向上も期待でき、水素発生材料組成物Bに含有される発熱材料として、水酸化カルシウムが特に好ましいことを示唆している。
(実施例3、4、6)
表3に示す粒度分布及び平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Aの金属材料として用い、表3に示す粒度分布及び平均粒径を有する酸化カルシウム粉末を水素発生材料組成物Aの発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、これらの水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
表3に示す粒度分布及び平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Aの金属材料として用い、表3に示す粒度分布及び平均粒径を有する酸化カルシウム粉末を水素発生材料組成物Aの発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、これらの水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
(実施例5)
アトマイズ法により作製された平均粒径が53μmのアルミニウム粉末6g及びメタノール18gを、ジルコニア製のビーズと共に遊星ボールミルの粉砕用ポットに入れ、200rpmの回転速度でポットを回転させることによりアルミニウム粉末を粉砕した。その後、減圧乾燥によりメタノールを除去して、アルミニウム粉末を得た。粉砕後のアルミニウム粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、長径が約10〜200μmで、厚みが約0.5〜5μmの金属光沢を有する鱗片状の粒子に変化していることが確認された。また、燃焼赤外吸収法により上記粉砕後のアルミニウム粉末の表面での炭素含有量を測定したところ、0.06質量%であった。上記粉砕後のアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Aの金属材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
アトマイズ法により作製された平均粒径が53μmのアルミニウム粉末6g及びメタノール18gを、ジルコニア製のビーズと共に遊星ボールミルの粉砕用ポットに入れ、200rpmの回転速度でポットを回転させることによりアルミニウム粉末を粉砕した。その後、減圧乾燥によりメタノールを除去して、アルミニウム粉末を得た。粉砕後のアルミニウム粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、長径が約10〜200μmで、厚みが約0.5〜5μmの金属光沢を有する鱗片状の粒子に変化していることが確認された。また、燃焼赤外吸収法により上記粉砕後のアルミニウム粉末の表面での炭素含有量を測定したところ、0.06質量%であった。上記粉砕後のアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Aの金属材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、この水素発生材料組成物Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
(実施例7)
実施例5で水素発生材料組成物Aの調製に用いたものと同じアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Bの金属材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、この水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例5で水素発生材料組成物Aの調製に用いたものと同じアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Bの金属材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、この水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
(実施例8〜10)
表4に示す粒度分布及び平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Bの金属材料として用い、表4に示す粒度分布、平均粒径及び比表面積を有する水酸化カルシウム粉末を水素発生材料組成物Bの発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、これらの水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
表4に示す粒度分布及び平均粒径を有するアトマイズ法により作製されたアルミニウム粉末を水素発生材料組成物Bの金属材料として用い、表4に示す粒度分布、平均粒径及び比表面積を有する水酸化カルシウム粉末を水素発生材料組成物Bの発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、これらの水素発生材料組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
(比較例2)
実施例1で水素発生材料組成物Bの調製に用いたものと同じ水酸化カルシウム粉末を水素発生材料組成物Aの発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、また、実施例8と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、この水素発生材料組成物A及びBを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例1で水素発生材料組成物Bの調製に用いたものと同じ水酸化カルシウム粉末を水素発生材料組成物Aの発熱材料として用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生材料組成物Aを調製し、また、実施例8と同様にして水素発生材料組成物Bを調製し、この水素発生材料組成物A及びBを用いた以外は、実施例1と同様にしてカートリッジを作製し、水素を発生させた。
実施例3〜10及び比較例2の水素発生材料組成物の構成は、表3〜表5に示している。また、実施例1〜10及び比較例2の水素発生材料組成物を用いて水素発生を行った際の、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでの時間、及びアルミニウムの反応率の測定結果を表7に示す。
表7から明らかなように、実施例1〜10の場合、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでの時間がいずれも約3分以内と短時間であった。このため、水を供給し始めてから短時間で反応が定常状態に達し、安定して水素を取り出すことができた。これは、水素発生材料組成物Aに含有される発熱材料として、水との反応により生じる発熱量が0.5kJ/gより大きい酸化カルシウムを用いたため、金属材料(アルミニウム粉末)と水との反応の開始に十分な熱量がアルミニウム粉末に与えられ、水素発生反応が促進されたためと考えられる。
一方、水素発生材料組成物Aに含有される発熱材料として、水酸化カルシウムを用いた比較例2の水素発生材料組成物の場合は、約2分後に水素発生が観測され、水素発生速度が最大となるまでの時間が3分以上掛かった。これは、水素発生材料組成物Aに含有される発熱材料として、水との反応により生じる発熱量が0.5kJ/gより小さい水酸化カルシウムを用いたため、金属材料(アルミニウム粉末)と水との反応の開始に十分な熱量が、アルミニウム粉末に与えられなかったためと推察される。
また、実施例1に比べて偏在部(水素発生材料組成物A)に含有されるアルミニウム粉末の粒径が小さい実施例3の場合は、実施例1に比べて水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでの時間が延長した。これは、粒径が小さいアルミニウム粉末の場合、酸化皮膜量が過度に増加するため、水素が発生するまでの時間及び水素発生速度が最大となるまでの時間が長く掛かったためと考えられる。また、実施例1に比べて偏在部(水素発生材料組成物A)に含有されるアルミニウム粉末の粒径が大きい実施例4の場合は、短時間で水素が発生するものの、水素発生速度が最大となるまでの時間が約3分掛かった。これは、粒径が大きいアルミニウム粉末の場合、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)での水素発生反応への起点となる発熱反応又は酸化皮膜溶解反応が進むまでの時間が長く掛かるため、水素発生速度が最大となるまでの時間が長く掛かったためと考えられる。
また、表7から明らかなように、実施例1〜10の場合、いずれも30%以上のアルミニウム反応率で水素を発生させることができた。特に、実施例1、実施例3〜7及び実施例9の場合には、いずれも80%以上という高いアルミニウム反応率が得られ、水素を効率よく発生させることができた。
また、表7に示す実施例1、実施例9及び実施例10の水素発生試験結果から、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有される水酸化カルシウム粉末の粒径が大きくなる、或いは比表面積が小さくなるにつれて、アルミニウムの反応率が低下することが確認できた。この詳しい理由は不明であるが、粒径の大きい或いは比表面積の小さい水酸化カルシウム粉末の場合、水酸化カルシウムの反応性が低下し、偏在部以外の部分(水素発生材料組成物B)に含有されるアルミニウム粉末と水との反応が促進され難くなるため、アルミニウムの反応率が低下したと考えられる。
以上のように本発明の水素発生材料組成物を用いた水素発生装置は、100℃以下の低温において、簡便で効率よく水素を製造できる。本発明の水素発生装置により製造した水素は、燃料電池に供給でき、特に小型携帯機器用の燃料電池の燃料源として幅広く利用可能である。
1 容器
1a 容器本体
1b 蓋
2 水素発生材料組成物
2a 水素発生材料組成物A
2b 水素発生材料組成物B
3 水供給管
4 水供給口
5 水素導出管
6 水素導出口
7a、7b 吸水材
8 保温材
10 カートリッジ
1a 容器本体
1b 蓋
2 水素発生材料組成物
2a 水素発生材料組成物A
2b 水素発生材料組成物B
3 水供給管
4 水供給口
5 水素導出管
6 水素導出口
7a、7b 吸水材
8 保温材
10 カートリッジ
Claims (14)
- 水と反応して水素を発生させる金属材料と、前記金属材料以外の材料であり、且つ水と反応して発熱する発熱材料とを含む水素発生材料組成物であって、
前記水素発生材料組成物は、前記水素発生材料組成物全体に含まれる前記発熱材料の平均含有率よりも、前記発熱材料の含有率が高い偏在部を含み、
前記偏在部以外の部分には、第1発熱材料が含まれ、
前記偏在部には、前記第1発熱材料とは異なる第2発熱材料が含まれ、
前記第1発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第1発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/g以下であり、
前記第2発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第2発熱材料の単位質量当たり0.5kJ/gより大きいことを特徴とする水素発生材料組成物。 - 前記第1発熱材料と水との反応により生じる発熱量が、前記第1発熱材料の単位質量当たり0.1kJ/g以上である請求項1に記載の水素発生材料組成物。
- 前記第1発熱材料が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物である請求項1又は2に記載の水素発生材料組成物。
- 前記第1発熱材料が、水酸化リチウム一水和物又は水酸化カルシウムである請求項3に記載の水素発生材料組成物。
- 前記第1発熱材料は、下記(i)〜(iii)のいずれかを満たす粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
(i)粒径が0.1〜70μmの粒子を80体積%以上含む。
(ii)平均粒径が0.1〜20μmである。
(iii)比表面積が5〜30m2/gである。 - 前記第2発熱材料が、アルカリ土類金属の酸化物である請求項1〜5のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
- 前記第2発熱材料が、酸化カルシウムである請求項6に記載の水素発生材料組成物。
- 前記第2発熱材料は、粒径が0.1〜70μmの粒子を80体積%以上含む粒子であるか、又は平均粒径が0.1〜20μmの粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
- 前記偏在部は、前記金属材料として、下記(1)〜(3)のいずれかを満たすアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子を含む請求項1〜8のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
(1)粒径が15〜120μmの粒子を80体積%以上含む。
(2)平均粒径が15〜75μmである。
(3)形状が鱗片状であり、且つ厚みが0.1〜5μmである。 - 前記偏在部以外の部分は、前記金属材料として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム及びこれらの1種以上の金属元素を主体とする合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料を含み、且つ前記金属材料が、下記(a)〜(c)のいずれかを満たす粒子を含む請求項1〜9のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
(a)粒径が0.1〜60μmの粒子を80体積%以上含む。
(b)平均粒径が0.1〜30μmである。
(c)形状が鱗片状であり、且つ厚みが0.1〜5μmである。 - 前記偏在部における前記第2発熱材料の含有率が、30〜90質量%である請求項1〜10のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
- 前記水素発生材料組成物全体に含まれる前記金属材料の含有率が、85〜99質量%である請求項1〜11のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
- 前記偏在部の割合が、前記水素発生材料組成物全体の40質量%以下である請求項1〜12のいずれかに記載の水素発生材料組成物。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の水素発生材料組成物を収納した容器を含むことを特徴とする水素発生装置。
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---|---|---|---|
JP2010190382A JP2012046379A (ja) | 2010-08-27 | 2010-08-27 | 水素発生材料組成物及び水素発生装置 |
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JP2013006734A (ja) * | 2011-06-24 | 2013-01-10 | Kri Inc | 水素発生剤、及び水素製造方法 |
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- 2010-08-27 JP JP2010190382A patent/JP2012046379A/ja not_active Withdrawn
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