JP2012038380A - 支持枠付サスペンション用基板およびその製造方法 - Google Patents

支持枠付サスペンション用基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できる支持枠付サスペンション用基板を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、サスペンション用基板および支持枠が、上記支持枠の内部開口領域で一体化している支持枠付サスペンション用基板であって、上記サスペンション用基板では、配線層の一部に配線めっき部が形成され、上記支持枠では、導体層の一部が欠損した絶縁領域が形成され、上記絶縁領域が上記内部開口領域を囲むように形成されることにより、上記絶縁領域の外側に位置する上記導体層と、上記絶縁領域の内側に位置する上記配線層とが絶縁されていることを特徴とする支持枠付サスペンション用基板を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できる支持枠付サスペンション用基板に関する。
例えば、HDD(ハードディスクドライブ)に用いられる回路基板として、磁気ヘッドスライダ等の素子を実装するサスペンション用基板が知られている。サスペンション用基板は、例えば図15に示すように、ヘッド部側に形成され、素子を実装する素子実装領域101と、テール部側に形成され、外部回路基板との接続を行う外部回路基板接続領域102と、素子実装領域101および外部回路基板接続領域102の間を電気的に接続する信号用配線層103(103a〜103d)と、を有する。
サスペンション用基板の製造では、図16に示すように、まず複数のサスペンション用基板110と支持枠111とが一体化しているシート(支持枠付サスペンション用基板)を作製する。その後、サスペンション用基板110を支持枠111から切り離し、個片のサスペンション用基板110を得る。
一方、磁気ヘッドスライダ等の素子や外部回路基板との接続を行う配線層の一部(端子部)に、劣化防止のために配線めっき部を形成することが知られている(例えば特許文献1)。
特開2006−202359号公報
配線めっき部を形成する方法として、支持枠の導体層からの給電により、配線めっき部を形成する方法が考えられる。この際、金属支持基板および導体層が絶縁層を介して絶縁されていないと、導体層に流れる電流が、金属支持基板にも流れ、金属支持基板に不要なめっき部が形成されるという問題がある。
ここで、支持枠の外周端部は、工程上、導電性異物が存在しやすい。導電性異物には、配線めっき部(例えば金めっき部)を形成する際に生じるめっき由来の異物、支持枠を切断する際に生じる金属のバリ由来の異物等が考えられる。なお、めっき由来の異物の一例としては、配線めっき部を形成する際に、支持枠の外周端部の導体層から成長しためっきが、支持枠の外周端部の金属支持基板に接触したものを挙げることができる。支持枠の外周端部に導電性異物が存在すると、配線めっき部の形成時に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できる支持枠付サスペンション用基板を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、サスペンション用基板と、支持枠とを有し、上記支持枠の内部開口領域で上記サスペンション用基板および上記支持枠が一体化している支持枠付サスペンション用基板であって、上記サスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、上記配線層の一部に形成された配線めっき部とを有し、上記支持枠は、上記金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された上記絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層とを有し、上記支持枠には、上記導体層の一部が欠損した絶縁領域が形成され、上記絶縁領域が上記内部開口領域を囲むように形成されることにより、上記絶縁領域の外側に位置する上記導体層と、上記絶縁領域の内側に位置する上記配線層とが絶縁されていることを特徴とする支持枠付サスペンション用基板を提供する。
本発明によれば、支持枠に導体層の一部が欠損した絶縁領域が形成されていることから、支持枠の外周端部に導電性異物が存在する場合であっても、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できる。
上記発明においては、上記配線層が、ビア接続配線層を有し、上記ビア接続配線層および上記金属支持基板は、上記絶縁層を貫通するビアめっき部により電気的に接続されていることが好ましい。ビアめっき部を形成する際に、不安定な導通によるめっきの異常成長を防止することができるからである。
上記発明においては、上記支持枠が、上記絶縁領域の内側の領域に、上記導体層が露出する導体層露出部と、上記金属支持基板が露出する金属支持基板露出部とを有する絶縁性検査部を有することが好ましい。導電性異物が絶縁領域の内側に存在する場合であっても、ビアめっき部を形成する際に、めっきの異常成長の原因となる導通を事前に検知できるからである。
また、本発明においては、サスペンション用基板と、支持枠とを有し、上記支持枠の内部開口領域で上記サスペンション用基板および上記支持枠が一体化している支持枠付サスペンション用基板の製造方法であって、金属支持部材と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、上記導体部材をエッチングし、配線層、および、上記内部開口領域となる位置を囲む絶縁領域を形成する導体部材エッチング工程と、上記絶縁部材をエッチングし、絶縁層を形成する絶縁部材エッチング工程と、上記絶縁領域の内側に位置する導体層からの給電によって、上記配線層の一部に配線めっき部を形成する配線めっき部形成工程と、上記金属支持部材をエッチングし、金属支持基板を形成する金属支持部材エッチング工程と、を有することを特徴とする支持枠付サスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、導体部材エッチング工程で絶縁領域を形成することから、支持枠(加工中の積層部材)の外周端部に導電性異物が存在する場合であっても、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できる。
上記発明においては、上記金属支持部材からの給電によって、上記絶縁層を貫通し、ビア接続配線層および上記金属支持部材を電気的に接続するビアめっき部を形成するビアめっき部形成工程を有することが好ましい。ビアめっき部を形成する際に、不安定な導通によるめっきの異常成長を防止することができるからである。
上記発明においては、上記導体部材エッチング工程および上記絶縁部材エッチング工程により、上記絶縁領域の内側の領域であり、かつ、上記支持枠が形成される領域に、上記導体層が露出する導体層露出部と、上記金属支持部材が露出する金属支持部材露出部とを有する絶縁性検査部を形成し、上記ビアめっき部形成工程の前に、上記絶縁性検査部を用いて絶縁性検査を行う検査工程を有することが好ましい。絶縁領域の内側に導電性異物が存在するか否かを判断でき、ビアめっき部を形成する際に、めっきの異常成長を防止することができるからである。
上記発明においては、上記検査工程の後に、上記導体層露出部および上記金属支持部材露出部の間に電圧を印加することにより、導電性異物による導通を解除する修正工程を有することが好ましい。導電性異物に電圧を印加することで、容易に導通を解除することができるからである。
本発明の支持枠付サスペンション用基板は、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できるという効果を奏する。
本発明の支持枠付サスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 本発明の支持枠付サスペンション用基板を説明する模式図である。 本発明の効果を説明する概略断面図である。 本発明におけるサスペンション用基板の素子実装領域の周辺を示す模式図である。 本発明の効果を説明する概略断面図である。 本発明におけるインターリーブ配線層を説明する概略平面図である。 本発明における絶縁領域を説明する概略平面図である。 本発明の支持枠付サスペンション用基板を説明する模式図である。 本発明における絶縁性検査部の効果を説明する概略断面図である。 本発明の支持枠付サスペンション用基板を説明する概略平面図である。 本発明の支持枠付サスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明の支持枠付サスペンション用基板の製造方法の他の例を示す概略断面図である。 ビア接続配線層が独立配線である場合を説明する概略平面図である。 本発明における修正工程を説明する概略断面図である。 サスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 支持枠付サスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。
以下、本発明の支持枠付サスペンション用基板、および支持枠付サスペンション用基板の製造方法について詳細に説明する。
A.支持枠付サスペンション用基板
本発明の支持枠付サスペンション用基板は、サスペンション用基板と、支持枠とを有し、上記支持枠の内部開口領域で上記サスペンション用基板および上記支持枠が一体化している支持枠付サスペンション用基板であって、上記サスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、上記配線層の一部に形成された配線めっき部とを有し、上記支持枠は、上記金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された上記絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層とを有し、上記支持枠には、上記導体層の一部が欠損した絶縁領域が形成され、上記絶縁領域が上記内部開口領域を囲むように形成されることにより、上記絶縁領域の外側に位置する上記導体層と、上記絶縁領域の内側に位置する上記配線層とが絶縁されていることを特徴とするものである。
図1は、本発明の支持枠付サスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。なお、便宜上、カバー層の記載は省略している。図1に示される支持枠付サスペンション用基板20は、複数のサスペンション用基板10と支持枠11とを有し、支持枠11の内部開口領域12で、複数のサスペンション用基板10と支持枠11とが一体化しているものである。また、本発明の支持枠付サスペンション用基板20は、支持枠11の導体層(図示せず)の一部が欠損した絶縁領域13を有し、絶縁領域13が内部開口領域12を囲むように形成されている。
図2(a)は図1における領域Xの拡大図であり、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。図2(a)、(b)に示すサスペンション用基板10は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成され、信号用配線層3aおよびグランド用配線層3bを有する配線層3と、配線層3を覆うカバー層4と、信号用配線層3aの一部である端子部5と、端子部5の表面に形成された配線めっき部6とを有するものである。なお、信号用配線層3aは、リード用配線層またはライト用配線層である。また、本発明における支持枠11は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された導体層7と、導体層7の一部が欠損した絶縁領域13とを有するものである。また、本発明においては、絶縁領域13が内部開口領域12を囲むように形成されることにより、絶縁領域13の外側に位置する導体層7と、絶縁領域13の内側に位置する信号用配線層3a(配線めっき部を形成する配線層)とが絶縁されていることを大きな特徴とする。
本発明によれば、支持枠に導体層の一部が欠損した絶縁領域が形成されていることから、支持枠の外周端部に導電性異物が存在する場合であっても、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できる。
この効果について、図3を用いて説明する。図3(a)に示すように、支持枠11の外周端部11aに導電性異物9が存在し、金属支持基板1および導体層7が導通している場合、導体層7からの給電によって電解めっきを行うと、導体層7に流れる電流が導電性異物9を通じて金属支持基板1に流れる。その結果、端子部5の表面に配線めっき部6が形成される(図3(b))と同時に、意図しない金属支持基板1の表面上に、不要なめっき部6aが形成されてしまう(図3(c))。
これに対して、本発明においては、図3(d)に示すように、支持枠11に導体層7の一部が欠損した絶縁領域13が形成されている。そのため、支持枠11の外周端部11aに導電性異物9が存在した場合であっても、導体層7に流れる電流は、絶縁領域13で遮断される。その結果、端子部5の表面に配線めっき部6が形成されるが(図3(e))、意図しない金属支持基板1の表面上に、不要なめっき部6aが形成されることを防止できる(図3(f))。
また、本発明における配線層がビア接続配線層を有する場合には、ビアめっき部を形成する際に、めっきの異常成長を防止できるという利点がある。ここで、図4(a)はサスペンション用基板の素子実装領域の周辺を示す概略断面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。なお、図4(a)では、便宜上、カバー層の記載は省略している。図4(a)に示すように、サスペンション用基板10は、素子実装領域101に実装される素子と電気的な接続がとれるように、信号用配線層3aおよびグランド用配線層3bが配置されている。なお、図4では、グランド用配線層3bが本発明におけるビア接続配線層に該当する。図4(b)に示すように、ビアめっき領域14において、グランド用配線層3bおよび金属支持基板1が、絶縁層2を貫通するビアめっき部8により電気的に接続されている。
図5(b)、(d)は、図4(b)における配線めっき部6を形成していない場合の断面図である。図5(a)に示すように、支持枠11の外周端部11aに導電性異物9が存在し、金属支持基板1および導体層7が導通している場合、金属支持基板1からの給電によって電解めっきを行うと、金属支持基板1に流れる電流が導電性異物9を通じて導体層7に流れ、導体層7と電気的に接続されているグランド用配線層3bにも電気が流れる。その結果、図5(b)に示すように、金属支持基板1からめっき8aが析出すると同時に、グランド用配線層3bからもめっき8aが析出し、めっきの異常成長が生じ、めっき厚が不均一になり接続信頼性が低下してしまう。
これに対して、本発明においては、図5(c)に示すように、支持枠11に導体層7の一部が欠損した絶縁領域13が形成されている。そのため、支持枠11の外周端部11aに導電性異物9が存在し、金属支持基板1に流れる電流が導電性異物9を通じて導体層7に流れた場合であっても、絶縁領域13で遮断される。その結果、グランド用配線層3bには電気が流れず、図5(d)に示すように、金属支持基板1からのみめっき8aを析出させることができる。このように、本発明においては、ビアめっき部を形成する際に、めっきの異常成長を防止することができる。
以下、本発明の支持枠付サスペンション用基板について、支持枠付サスペンション用基板の部材と、支持枠付サスペンション用基板の構成とに分けて説明する。
1.支持枠付サスペンション用基板の部材
まず、本発明の支持枠付サスペンション用基板の部材について説明する。本発明の支持枠付サスペンション用基板は、サスペンション用基板および支持枠を有するものである。また、サスペンション用基板は、少なくとも金属支持基板、絶縁層、配線層および配線めっき部を有し、支持枠は、少なくとも金属支持基板、絶縁層および導体層を有するものである。
サスペンション用基板および支持枠における金属支持基板の材料は、ばね性を有する金属であることが好ましい。具体的にはSUS等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
サスペンション用基板および支持枠における絶縁層は、それぞれ、金属支持基板上に形成されるものである。絶縁層の材料としては、例えばポリイミド樹脂(PI)等を挙げることができる。また、絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。絶縁層の厚さは、例えば5μm〜12μmの範囲内である。
サスペンション用基板における配線層は、絶縁層上に形成されるものである。また、配線層はビア接続配線層を有することが好ましい。なお、ビア接続配線層の具体例については後述する。配線層の材料としては、例えば金属を挙げることができ、中でも銅(Cu)が好ましい。また、配線層の厚さは、例えば5μm〜18μmの範囲内であり、中でも9μm〜12μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記配線層の一部には、配線めっき部が形成される。本発明においては、磁気ヘッド等の素子や、外部回路基板との接続を行う端子部に配線めっき部が形成されていることが好ましい。配線層の劣化(例えば腐食)を防止することができるからである。配線めっき部としては、例えば、Auめっき部、Niめっき部、Agめっき部、Cuめっき部等を挙げることができ、中でも、Auめっき部およびNiめっき部が好ましい。特に、本発明においては、配線層の表面側から、Niめっき部およびAuめっき部が形成されていることが好ましい。また、配線めっき部の厚さは、例えば0.1μm〜4.0μmの範囲内である。
支持枠における導体層は、絶縁層上に形成されるものである。導体層の材料は、通常、配線層と同一の材料から構成されるものである。導体層の厚さの好ましい範囲は、配線層の厚さの好ましい範囲と同様である。中でも、本発明においては、導体層の厚さと、配線層の厚さとが同じであることが好ましい。
また、本発明におけるサスペンション用基板は、絶縁層を貫通し、ビア接続配線層および金属支持基板を電気的に接続するビアめっき部を有することが好ましい。ビアめっき部としては、例えばNiめっき部、Agめっき部、Auめっき部およびCuめっき部等を挙げることができ、中でもNiめっき部であることが好ましい。導電性および耐腐食性に優れ、かつ、安価だからである。また、ビアめっき部の厚さは特に限定されるものではないが、例えばビア接続配線層上にカバー層が存在する場合は、ビアめっき部がカバー層よりも突出しない厚さであることが好ましい。ビアめっき部がカバー層よりも突出していると、例えば、素子実装領域内にビアめっき部が存在する場合は、素子実装の際に素子が傾く可能性があるからである。また、ビアめっき部の厚さは、ビア接続配線層よりも突出しない厚さであっても良い。
本発明におけるサスペンション用基板は、配線層を覆うカバー層を有していることが好ましい。配線層の劣化(例えば腐食)を防止することができるからである。カバー層の材料は、例えば樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂であることが好ましい。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。カバー層の厚さは、例えば2μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。また、本発明における支持枠は、導体層上に、カバー層を有するものであっても良い。
2.支持枠付サスペンション用基板の構成
次に、本発明の支持枠付サスペンション用基板の構成について説明する。本発明の支持枠付サスペンション用基板は、サスペンション用基板と支持枠とを有し、支持枠の内部開口領域でサスペンション用基板および支持枠が一体化しているものである。本発明においては、支持枠が一つの内部開口領域を有するものであっても良く、支持枠が二以上の内部開口領域を有するものであっても良い。また、内部開口領域は、二以上のサスペンション用基板を有することが好ましい。
本発明における配線層としては、配線めっき部を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、リード用配線層、ライト用配線層、グランド用配線層、ノイズシールド用配線層、クロストーク防止用配線層、電源用配線層、フライトハイトコントロール用配線層、センサー用配線層、アクチュエータ用配線層、熱アシスト用配線層等を挙げることができる。
また、本発明における配線層は、ビア接続配線層を有することが好ましい。絶縁領域を設けることにより、ビアめっき部を形成する際に、めっきの異常成長を防止できるからである。ビア接続配線層は、ビアめっき部を介して金属支持基板と電気的に接続されるものである。ビア接続配線層の一例としては、上記図4(a)に示したグランド用配線層3bを挙げることができる。
ビア接続配線層の他の例としては、インターリーブ配線層を挙げることができる。サスペンション用基板に形成される配線層は、一般的には、一組の配線層からなるリード用配線層と、一組の配線からなるライト用配線層とが、それぞれ絶縁層の同一表面上に形成される。さらに、このような一組の配線層は、通常、差動伝送により電気信号の伝送が行われる差動配線になっているが、一組の配線層間には、分布定数回路としての差動伝送路の特性インピーダンスである差動インピーダンスが存在する。この差動インピーダンスは、磁気ヘッドやプリアンプの低インピーダンス化に伴い、インピーダンスマッチングの観点から、低インピーダンス化することが要求されている。
この差動インピーダンスを低インピーダンス化することが可能な差動配線として、第1の電気信号を伝送する配線層と、第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する配線層が交互配置された差動配線(いわゆるインターリーブ配線)が提案されている(例えば特開平10−124837号公報)。インターリーブ配線層は、例えば、図6に示すように、ジャンパー線201で電気的に接続されて環状線路になっている一組の配線202a、202bが、相互に略U字状の部分で挟み合うように配置されており、配線202a、202bが並走する部分においては、2本の配線202aと2本の配線202bとの計4本の配線が、交互に配置された構成となっている。それゆえ、通常の差動配線のように、一組の配線層2本を配置した構成に比べ、差動インピーダンスを低減することができる。
このインターリーブ配線の構造をサスペンション用基板に形成する場合には、ジャンパー線として、裏面側の金属支持基板を加工してなる迂回配線を用い、迂回配線と表面側の配線とを電気的に接続するために、上述したビアめっき部を用いることが好ましい。このように、本発明におけるビア接続配線層は、金属支持基板をジャンパー線として用いるものであっても良い。また、ビアめっき部が形成される位置は特に限定されるものではなく、ビアめっき部の機能に応じた位置であれば良い。
本発明における絶縁領域は、図7に示すように、支持枠11の導体層7の一部が欠損したものである。通常は、導体層7の下に位置する絶縁層2が露出する。絶縁領域13の幅Wは、特に限定されるものではないが、例えば100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、200μm以上であることがさらに好ましい。幅Wが小さすぎると、配線めっき部の形成時に、絶縁領域における導体層7の端部からめっきが成長し、絶縁領域の内側と外側とが導通してしまう可能性があるからである。一方、絶縁領域13の幅Wは、特に限定されるものではないが、例えば5mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。幅Wが大きすぎると、支持枠の剛性が低くなりすぎる可能性があるからである。支持枠の剛性が低くなりすぎると、例えば、製造工程において、支持枠をクランプで挟んで移動させる際に、歪みが生じ、サスペンション用基板が変形する可能性が高くなる。このような観点から、絶縁領域13の幅Wは、十分な剛性を維持可能な値であることが好ましい。
図8(a)は、本発明の支持枠付サスペンション用基板を説明する概略平面図であり、図8(b)は図8(a)のA−A断面図である。なお、図8(a)では、便宜上、支持枠上のカバー層の記載は省略している。本発明においては、図8(a)、(b)に示すように、支持枠11が、絶縁領域13の内側の領域に、導体層7が露出する導体層露出部15aと、金属支持基板1が露出する金属支持基板露出部15bとを有する絶縁性検査部15を一または二以上有することが好ましい。導電性異物が絶縁領域の内側に存在する場合であっても、ビアめっき部を形成する際に、めっきの異常成長を防止することができるからである。
この効果について、図9を用いて説明する。まず、上述した図5で説明したように、本発明においては、絶縁領域13を設けることにより、支持枠11の外周端部11aに存在する導電性異物9の影響を排除することができる。しかしながら、導電性異物9が絶縁領域13の内側に存在する場合は、導電性異物9の影響により、同様に、めっきの異常成長が生じ得る。そのため、絶縁領域13の内側において、金属支持基板1およびビア接続配線層3cが確実に絶縁されているかを検査することが好ましい。
ここで、図9(a)に示すように、支持枠11が、導体層露出部15aおよび金属支持基板露出部15bからなる絶縁性検査部15を有していれば、導体層露出部15aおよび金属支持基板露出部15bに、絶縁性テスター16のプローブを接触させることで、金属支持基板1およびビア接続配線層3cが確実に絶縁されているかを検査することができる。仮に、図9(b)に示すように、導電性異物9がビアめっき領域14に存在している場合は、ある抵抗値を示すことになる。逆に、図9(c)に示すように、導電性異物9がビアめっき領域14に存在していない場合は、抵抗値は無限大になる。このようにして得られた抵抗値を判断することにより、導電性異物が絶縁領域の内側に存在するか否かを検査することができる。
また、絶縁性検査部を支持枠に設けることにより、以下のような利点がある。第一の利点としては、絶縁性検査部を支持枠に設けることにより、検査の作業性が大幅に向上する点が挙げられる。絶縁性検査の方法として、サスペンション用基板そのものに絶縁性テスターのプローブを接触させる方法が考えられるが、この方法では、微細なサスペンション用基板にプローブを接触させる必要があり、検査の作業性が悪いという問題がある。これに対して、絶縁性検査部を、空間的に余裕のある支持枠に設けることにより、検査の作業性が大幅に向上する。
第二の利点としては、絶縁性検査部を支持枠に設けることにより、検査の信頼性が向上する点が挙げられる。プローブを直接接触させる検査では、プローブが絶縁性検査部に確実に接触していることが重要になるが、空間的に余裕のある支持枠に絶縁性検査部を設ければ、絶縁性検査部の寸法を大きくすることが容易であり、検査の信頼性が向上する。
第三の利点としては、絶縁性検査部を支持枠に設けることにより、検査の自動化が容易になる点が挙げられる。例えば、製造工程において、支持枠をクランプで挟んで移動させる際に、そのクランプに電極を取り付けておけば、移動と同時に絶縁性検査を行うことができ、検査の自動化が容易になる。また、検査の結果、不良と判断された場合は、その不良品を別のラインに流す等の対応を取ることもできる。
導体層露出部および金属支持基板露出部の形状は、特に限定されるものではないが、例えば円状、楕円状、矩形状等を挙げることができる。また、導体層露出部および金属支持基板露出部の大きさは、プローブを確実に接触できる程度の大きさであることが好ましい。導体層露出部および金属支持基板露出部の露出面積は、それぞれ、1mm以上であることが好ましく、20mm〜400mmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明における金属支持基板露出部は、図9(a)に示すように、金属支持基板1の導体層7側の表面に形成されていることが好ましい。ビアめっき部を形成するためのレジスト製版と、金属支持基板(金属支持部材)をエッチングするためのレジスト製版とを共有化することができ、工程の簡略化を図ることができるからである。ビアめっき部を形成するためのレジスト製版と、金属支持基板をエッチングするためのレジスト製版とを同時に行う場合であって、金属支持基板の裏面(絶縁層が形成されていない側の表面)に金属支持基板露出部を設ける場合、絶縁性検査自体は行えるものの、金属支持基板露出部が、レジストから露出した状態になるため、金属支持基板をエッチングする際に、金属支持基板露出部が露出し、穴が開いてしまうからである。大きな穴が開くと、剛性の低下が生じ、安定した製造ができない可能性がある。また、導体層露出部および金属支持基板露出部は、互いに隣接して形成されたものであっても良く、互いに離れて形成されたものであっても良い。
また、図10に示すように、本発明の支持枠付サスペンション用基板20は、内部開口領域12が複数形成され、絶縁領域13が複数形成されていても良い。導電性異物による不良が生じた場合に、不良品の数を減らすことができるからである。さらに、各々の絶縁領域13に、一つ以上の絶縁性検査部15が形成されていても良い。また、絶縁領域13の内側に含まれる内部開口領域12の配列は、特に限定されるものではなく、図10に示す列単位であっても良く、行単位であっても良く、ランダムであっても良い。
B.支持枠付サスペンション用基板の製造方法
次に、本発明の支持枠付サスペンション用基板の製造方法について説明する。本発明の支持枠付サスペンション用基板の製造方法は、サスペンション用基板と、支持枠とを有し、上記支持枠の内部開口領域で上記サスペンション用基板および上記支持枠が一体化している支持枠付サスペンション用基板の製造方法であって、金属支持部材と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、上記導体部材をエッチングし、配線層、および、上記内部開口領域となる位置を囲む絶縁領域を形成する導体部材エッチング工程と、上記絶縁部材をエッチングし、絶縁層を形成する絶縁部材エッチング工程と、上記絶縁領域の内側に位置する導体層からの給電によって、上記配線層の一部に配線めっき部を形成する配線めっき部形成工程と、上記金属支持部材をエッチングし、金属支持基板を形成する金属支持部材エッチング工程と、を有することを特徴とするものである。
図11は、本発明の支持枠付サスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。なお、図11における絶縁領域は、図2(b)に示される絶縁領域13の近傍の断面に相当し、図11における配線めっき部は、図2(b)に示される端子部5の近傍の断面に相当し、図11におけるビアめっき部は、図4(b)に示される断面に相当する。図11においては、まず、金属支持部材1Xと、金属支持部材1X上に形成された絶縁部材2Xと、絶縁部材2X上に形成された導体部材3Xとを有する積層部材を準備する(図11(a−1)〜(a−3))。次に、金属支持部材1Xおよび導体部材3Xの両面に、DFRを用いてレジストパターンを作製し、そのレジストパターンから露出する金属支持部材1Xおよび導体部材3Xをウェットエッチングする。これにより、絶縁領域13を有する導体層7と、信号用配線層3aと、グランド用配線層3bとを形成する(図11(b−1)〜(b−3))。この際、配線めっき部を形成する位置の金属支持部材1Xも同時にエッチングする(図11(b−2))。
その後、導体層7、信号用配線層3aおよびグランド用配線層3bを覆うカバー層4を形成する(図11(c−1)〜(c−3))。この際、配線めっき部およびビアめっき部を形成する位置では、カバー層4に開口を設ける。なお、図11(c−1)では、絶縁領域13にカバー層4を形成しているが、このカバー層4は、存在していても良く、存在していなくても良い。次に、絶縁部材2Xをウェットエッチングし、絶縁層2を形成する(図11(d−1)〜(d−3))。この際、配線めっき部およびビアめっき部を形成する位置の絶縁部材2Xをエッチングする。次に、絶縁領域13の内側に位置する導体層7からの給電によって、信号用配線層3aおよびグランド用配線層3bの表面に、配線めっき部6を形成する(図11(e−1)〜(e−3))。次に、金属支持部材1Xからの給電によって、絶縁層2を貫通し、グランド用配線層3bおよび金属支持部材1Xを電気的に接続するビアめっき部8を形成し、さらに、金属支持部材1Xをウェットエッチングし、外形加工を行い、金属支持基板1を形成する(図11(f−1)〜(f−3))。なお、ビアめっき部8の上部の形状は、カバー層4により規定されたものである。
一方、図12は、本発明の支持枠付サスペンション用基板の製造方法の他の例を示す概略断面図である。なお、図12における絶縁領域は、図2(b)に示される絶縁領域13の近傍の断面に相当し、図12における配線めっき部は、図13におけるB−B断面に相当し、図12におけるビアめっき部は、図13におけるA−A断面図に相当する。図13は、ビア接続配線層3cが独立配線である場合を示している。図12における製造方法は、基本的には図11と同様であるが、図12(e―3)において、独立配線であるビア接続配線層3cにビアめっき部8を形成する。これにより、図12(e―2)におけるビア接続配線層3cが導通状態になり、図12(f―2)に示すように、ビア接続配線層3cの表面上に、配線めっき部6を形成することができる。なお、図12では、独立配線に対する配線めっき部の形成方法を示しているが、独立配線以外の配線については、図11と同様である。
本発明によれば、導体部材エッチング工程で絶縁領域を形成することから、支持枠(加工中の積層部材)の外周端部に導電性異物が存在する場合であっても、配線めっき部を形成する際に、金属支持基板に不要なめっき部が形成されることを防止できる。これにより、支持枠付サスペンション用基板の歩留まりを向上させることができる。
以下、本発明の支持枠付サスペンション用基板の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.積層部材準備工程
本発明における積層部材準備工程は、金属支持部材と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する工程である。
本発明に用いられる、金属支持部材、絶縁部材および導体部材の材料等については、それぞれ、上述した金属支持基板、絶縁層および配線層に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、積層部材は、金属支持部材上に、絶縁部材および導体部材を順次形成することにより製造することができる。
2.導体部材エッチング工程
本発明における導体部材エッチング工程は、上記導体部材をエッチングし、配線層、および、上記内部開口領域となる位置を囲む絶縁領域を形成する工程である。
なお、本発明においては、図11(b−2)に示すように、導体部材のエッチングと同時に、配線めっき部を形成する位置の金属支持部材1Xもエッチングすることが好ましい。フライングリード構造を有する端子部を形成することが容易になるからである。また、本工程のエッチングで、金属支持部材1Xに治具孔を同時に形成しても良い。
導体部材をエッチングする方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、ウェットエッチング等を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、導体部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、導体部材の材料が銅である場合は、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。また、本発明においては、DFR等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する導体部材をエッチングすることが好ましい。
また、本工程において、金属支持部材のエッチングを同時に行う場合、金属支持部材をエッチングする方法は特に限定されるものではないが、具体的には、ウェットエッチング等を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、金属支持部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、金属支持部材の材料がSUSである場合は、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。また、本発明においては、DFR等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する金属支持部材をエッチングすることが好ましい。
また、本発明においては、導体部材エッチング工程の後に、配線層を覆うカバー層を形成するカバー層形成工程を行うことが好ましい。また、カバー層形成工程では、さらに導体層を覆うようにカバー層を形成しても良い。また、カバー層形成工程のタイミングは、導体部材エッチング工程の後であれば特に限定されるものではないが、絶縁部材エッチング工程の前であることが好ましい。
カバー層を形成する方法は、カバー層の材料の種類によって適宜選択することが好ましい。例えば、カバー層の材料が感光性材料である場合は、カバー層の材料を塗布し、その後、露光・現像を行うことによって、所定のパターンを有するカバー層を形成することができる。一方、カバー層の材料が非感光性材料である場合は、カバー層の材料を塗布し、その後、レジストパターンを介したエッチングを行うことによって、所定のパターンを有するカバー層を形成することができる。カバー層をエッチングする方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、ウェットエッチング等を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、カバー層の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、カバー層の材料がポリイミド樹脂である場合は、アルカリ系エッチング液等を用いることができる。
3.絶縁部材エッチング工程
本発明における絶縁部材エッチング工程は、上記絶縁部材をエッチングし、絶縁層を形成する工程である。
なお、本発明においては、図11(d−2)、(d−3)に示すように、配線めっき部を形成する位置の開口と、ビアめっき部を形成する位置の開口とを、同時に形成することが好ましい。フライングリード構造を有する端子部を形成することが容易になるからである。
絶縁部材をエッチングする方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、ウェットエッチング等を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、絶縁部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、絶縁部材の材料がポリイミド樹脂である場合は、アルカリ系エッチング液等を用いることができる。また、本発明においては、DFR等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する絶縁部材をエッチングすることが好ましい。絶縁部材エッチング工程のタイミングは、通常、導体部材エッチング工程の後である。
4.配線めっき部形成工程
本発明における配線めっき部形成工程は、上記絶縁領域の内側に位置する導体層からの給電によって、上記配線層の一部に配線めっき部を形成する工程である。配線めっき部を形成する方法は、電解めっき法であることが好ましい。
5.ビアめっき部形成工程
本発明におけるビアめっき部形成工程は、上記金属支持部材からの給電によって、上記絶縁層を貫通し、ビア接続配線層および上記金属支持部材を電気的に接続するビアめっき部を形成する工程である。
ビアめっき部を形成する方法は、通常、金属支持部材からの給電による電解めっき法である。電解めっき法に用いられるめっき浴の種類は、ビアめっき部の種類によって適宜選択することが好ましい。例えば、ビアめっき部がNiめっき部である場合、用いられるNiめっき浴としては、例えばワット浴およびスルファミン酸浴等を挙げることができる。なお、めっき浴には、適宜、添加剤を用いることにより、光沢度や皮膜応力を調整することができる。また、ビアめっき部を形成しない部分は、レジストにより保護することが好ましい。
6.金属支持部材エッチング工程
本発明における金属支持部材エッチング工程は、上記金属支持部材をエッチングし、金属支持基板を形成する工程である。本工程においては、金属支持部材の外形加工を行い、金属支持基板を形成することが好ましい。また、この外形加工の際に、通常は、支持枠付サスペンション用基板の内部開口領域を形成する。また、金属支持部材エッチング工程のタイミングは、特に限定されるものではないが、配線めっき部形成工程およびビアめっき部形成工程の後であることが好ましい。なお、金属支持部材をエッチングする方法は、上記「1.導体部材エッチング工程」で記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
7.検査工程
本発明においては、導体部材エッチング工程および絶縁部材エッチング工程により、絶縁領域の内側の領域であり、かつ、支持枠が形成される領域に、導体層が露出する導体層露出部と、金属支持部材が露出する金属支持部材露出部とを有する絶縁性検査部を形成し、ビアめっき部形成工程の前に、絶縁性検査部を用いて絶縁性検査を行う検査工程を行うことが好ましい。絶縁領域の内側に導電性異物が存在するか否かを判断でき、ビアめっき部を形成する際に、めっきの異常成長を防止することができるからである。
絶縁性検査部を形成するためには、上述した導体部材エッチング工程および絶縁部材エッチング工程の際に、所望の絶縁性検査部が得られるように、導体部材および絶縁部材をエッチングすれば良い。また、絶縁性検査部を用いた絶縁性検査については、上述した図9で説明した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、検査工程により不良と判断された場合は、その不良品を廃棄しても良く、後述する修正工程により修正しても良い。
8.修正工程
本発明においては、上記検査工程の後に、上記導体層露出部および上記金属支持部材露出部の間に電圧を印加することにより、導電性異物による導通を解除する修正工程を行っても良い。絶縁領域の内側に存在する導電性異物が、例えば、配線めっき部を形成する際に生じるめっき由来の異物である場合、導電性異物は小さいことが想定される。そのため、その導電性異物に電圧を印加することで、容易に導通を解除することができる。具体的には図14(a)に示すように、絶縁性検査部15の導体層露出部15aおよび金属支持部材露出部15bの間に電圧を印加する。これにより、図14(b)に示すように、ビアめっき領域14において、導電性異物9の導通を解除することができる。また、導電性異物に電圧を印加した状態でサーモグラフィーを用い、導電性異物の存在箇所を特定することもできる。また、このようなサーモグラフィーを用いた検査を、検査工程として行っても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…金属支持基板、 2…絶縁層、 3…配線層、 3a…信号用配線層、 3b…グランド用配線層、 4…カバー層、 5…端子部、 6…配線めっき部、 7…導体層、 8…ビアめっき部、 9…導電性異物、 10…サスペンション用基板、 11…支持枠、 12…内部開口領域、 13…絶縁領域、 14…ビアめっき領域、 15…絶縁性検査部、 15a…導体層露出部、 15b…金属支持基板露出部(金属支持部材露出部)、 16…絶縁性テスター、 20…支持枠付サスペンション用基板

Claims (7)

  1. サスペンション用基板と、支持枠とを有し、前記支持枠の内部開口領域で前記サスペンション用基板および前記支持枠が一体化している支持枠付サスペンション用基板であって、
    前記サスペンション用基板は、金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された配線層と、前記配線層の一部に形成された配線めっき部とを有し、
    前記支持枠は、前記金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された前記絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体層とを有し、
    前記支持枠には、前記導体層の一部が欠損した絶縁領域が形成され、
    前記絶縁領域が前記内部開口領域を囲むように形成されることにより、前記絶縁領域の外側に位置する前記導体層と、前記絶縁領域の内側に位置する前記配線層とが絶縁されていることを特徴とする支持枠付サスペンション用基板。
  2. 前記配線層が、ビア接続配線層を有し、
    前記ビア接続配線層および前記金属支持基板は、前記絶縁層を貫通するビアめっき部により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の支持枠付サスペンション用基板。
  3. 前記支持枠が、前記絶縁領域の内側の領域に、前記導体層が露出する導体層露出部と、前記金属支持基板が露出する金属支持基板露出部とを有する絶縁性検査部を有することを特徴とする請求項2に記載の支持枠付サスペンション用基板。
  4. サスペンション用基板と、支持枠とを有し、前記支持枠の内部開口領域で前記サスペンション用基板および前記支持枠が一体化している支持枠付サスペンション用基板の製造方法であって、
    金属支持部材と、前記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、前記絶縁部材上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する積層部材準備工程と、
    前記導体部材をエッチングし、配線層、および、前記内部開口領域となる位置を囲む絶縁領域を形成する導体部材エッチング工程と、
    前記絶縁部材をエッチングし、絶縁層を形成する絶縁部材エッチング工程と、
    前記絶縁領域の内側に位置する導体層からの給電によって、前記配線層の一部に配線めっき部を形成する配線めっき部形成工程と、
    前記金属支持部材をエッチングし、金属支持基板を形成する金属支持部材エッチング工程と、
    を有することを特徴とする支持枠付サスペンション用基板の製造方法。
  5. 前記金属支持部材からの給電によって、前記絶縁層を貫通し、ビア接続配線層および前記金属支持部材を電気的に接続するビアめっき部を形成するビアめっき部形成工程を有することを特徴とする請求項4に記載の支持枠付サスペンション用基板の製造方法。
  6. 前記導体部材エッチング工程および前記絶縁部材エッチング工程により、前記絶縁領域の内側の領域であり、かつ、前記支持枠が形成される領域に、前記導体層が露出する導体層露出部と、前記金属支持部材が露出する金属支持部材露出部とを有する絶縁性検査部を形成し、
    前記ビアめっき部形成工程の前に、前記絶縁性検査部を用いて絶縁性検査を行う検査工程を有することを特徴とする請求項5に記載の支持枠付サスペンション用基板の製造方法。
  7. 前記検査工程の後に、前記導体層露出部および前記金属支持部材露出部の間に電圧を印加することにより、導電性異物による導通を解除する修正工程を有することを特徴とする請求項6に記載の支持枠付サスペンション用基板の製造方法。
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