実施の形態1.
以下、本発明にかかるコンタクトプローブの製造方法の実施の形態1について図面に基づいて説明する。
〔プローブ装置〕
図1は、本発明の実施の形態によるプローブカード110を含むプローブ装置100の概略構成の一例を示した図であり、プローブ装置100の内部の様子が示されている。このプローブ装置100は、プローブカード110と、検査対象物102が載置される可動ステージ103と、可動ステージ103を昇降させる駆動装置104と、可動ステージ103及び駆動装置104が収容される筐体105とにより構成されている。
検査対象物102は、半導体ウエハなどの半導体装置からなり、複数の電子回路(図示せず)が形成されている。可動ステージ103は、水平な載置面を有する載置台であり、駆動装置104の駆動により、検査対象物102を載置面上に載置させた状態で鉛直方向に上昇又は下降する。筐体105は、上部中央部に開口部が形成されており、この開口部を封鎖するように、プローブカード110が取り付けられる。また、可動ステージ103は、この開口部の下方に配置される。
〔プローブカード〕
図2(a)及び(b)は、図1のプローブ装置100におけるプローブカード110の構成例を示した図であり、図中の(a)は、検査対象物102側(図1の下方側)から見た平面図であり、図中の(b)は、側面図である。
プローブカード110は、筐体105の開口部に取り付けられるメイン基板106と、メイン基板106に保持される矩形状のプローブ基板107と、プローブ基板107上に固着された複数のコンタクトプローブ1とを備えている。
メイン基板106は、円板状のプリント基板であり、テスター装置との間で信号入出力を行うための外部端子161を有している。例えば、ガラスエポキシを主成分とする多層プリント回路基板がメイン基板106として用いられる。このメイン基板106は、その周辺部が筐体105の開口部の周縁で保持されて水平に支持される。
プローブ基板107は、メイン基板106の下方に配置され、メイン基板106に支持される。さらに、プローブ基板107は、連結部材108に電気的に接続され、この連結部材108をメイン基板106のコネクタ162に接続するように構成されている。このプローブ基板107は、メイン基板106よりも小さい矩形をしており、基板上に配線パターンが形成されている。配線パターンは、電源供給線、グランド線及び信号線の各配線パターンで形成されている。なお、検査対象物102がシリコンウエハからなる場合には、シリコンなどの単結晶基板でプローブ基板107を構成することが好ましい。このように、プローブ基板107をシリコン基板で構成することにより、プローブ基板107と検査対象物102との熱膨張の状態を近づけることができる。
連結部材108は、メイン基板106及びプローブ基板107を連結し、導電線としてメイン基板106とプローブ基板107とにそれぞれ形成されている配線間を導通させている。ここでは、ポリイミドを主成分とする可撓性を有するフィルム上に配線パターンが印刷されたフレキシブルプリント回路基板(FPC)が連結部材108として用いられている。このフレキシブル基板は、その一端がプローブ基板107の周辺部に固着され、他端は着脱可能なコネクタ162を介してメイン基板106に連結されている。
本実施形態では、プローブ基板107には多数の電極パッドが形成され、各電極パッドにコンタクトプローブ1が接合されることにより、プローブ基板107上に多数のコンタクトプローブ1が形成される。プローブ基板107は、上記したように、連結部材108を介してテスター装置に接続されたメイン基板106に導通しており、当該メイン基板106とともにプローブカードを構成する。検査時には、駆動装置104によって可動ステージ103を上昇させて、半導体ウエハにコンタクトプローブ1を接触させることにより、テスター装置と半導体ウエハとの間で各コンタクトプローブ1を介して信号が入出力されて、半導体ウエハの電気的特性の検査が行われるようになっている。
〔コンタクトプローブ〕
コンタクトプローブ1は、図1及び図2に示すように、検査対象物102上に形成された微細な電極パッド121に対し、弾性的に当接させるプローブ(探針)である。各コンタクトプローブ1は、プローブ基板107における一方の主面上に整列配置されて固着されている。各コンタクトプローブ1は、各コンタクトプローブ1が固着されたプローブ基板107の主面が鉛直方向下側に向けて配置されることにより、可動ステージ103に配置された検査対象物102と対向するようになっている。
図3は、コンタクトプローブ1の側面図である。コンタクトプローブ1は、検査対象物102上の電極パッド121に当接させるコンタクト部2と、一端がプローブ基板107に固定され、他端にコンタクト部2が突設されるビーム部3とにより構成されている。
ビーム部3は、その一端部がプローブ基板107に固着される片持ち梁(カンチレバー)からなる。即ち、このビーム部3は、プローブ基板107に固着される基板固定部31と、この基板固定部31に連続して形成される弾性変形部32とから構成されている。弾性変形部32は、基板固定部31からプローブ基板107に対して湾曲しながら立ち上がってプローブ基板107に平行して延び、さらに、上方に向かって湾曲しており、その自由端部にプローブ基板107に平行して延びる直線部分を有する。このように、弾性変形部32には、基板固定部31と上記直線部分との間に、少なくとも2つの湾曲部分が階段状に形成されている。基板固定部31は、プローブ基板107との対向面側の一部が後記するプローブ形成用下地膜6aで形成されている。
このビーム部3は、基板固定部31を固定端とし、この固定端に対する弾性変形部32の他端側を自由端として、この弾性変形部32の自由端に検査対象物102側から荷重がかかることにより、この弾性変形部32を弾性変形させることができる。本実施形態では、可動ステージ103をプローブカード110に向けて上昇させて、ビーム部3の自由端部を検査対象物102で押圧することにより、ビーム部3の弾性変形部32を弾性変形させることができる。
コンタクト部2は、ビーム部3の自由端部における検査対象物102に対向する面上に突出させて形成されたコンタクトチップにより構成されている。このコンタクトチップは端面が五角形の柱状体からなる。このコンタクト部2の検査対象物102と対向する面をこの検査対象物102の電極パッド121と当接する当接面としている。
本実施形態のプローブカード110では、複数のコンタクトプローブ1がプローブ基板107上にビーム幅方向に所定のピッチで配置されると共に、このようなピッチで配置されるコンタクトプローブ1の列が、ビーム先端が対向するように2列形成されている。本実施形態では、矩形のプローブ基板107の何れか1辺に平行な方向を配列方向として、コンタクトプローブ1の列が形成されている。なお、各コンタクトプローブ1の間隔は、検査対象物102上に形成されている電極パッド121間のピッチに応じて定められる。
そして、各コンタクトプローブ1は、プローブ基板107、連結部材108、メイン基板106に形成される各配線を介してメイン基板106の外部端子161と導通している。コンタクトプローブ1のコンタクト部2を検査対象物102の微小な電極パッド121に当接させることによって、この検査対象物102をテスター装置と導通させることができる。
〔コンタクトプローブの構成材料〕
次に、コンタクトプローブ1の各構成部分の材料について説明する。コンタクトプローブ1は、抵抗値が低いほど望ましいことから、コンタクトプローブの各構成部分は、導電率の高い材料で構成されている必要がある。このような高導電性材料には、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金銅合金(Au−Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウムニッケル合金(Pd−Ni)、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)、ニッケルタングステン(Ni−W)、白金(Pt)、金(Au)、ロジウム(Rh)などがある。本実施の形態では、後記するトップ犠牲層82を銅で形成するため、コンタクトプローブ1のビーム部3は、銅のめっき液で溶けない導電性材料で形成することが好ましい。本実施の形態では、ニッケルコバルト合金を用いてビーム部3を形成している。
また、コンタクトプローブ1のコンタクト部2は、検査対象物102の電極パッド121に繰り返し当接させるため高い耐磨耗性が要求され、しかも当接させるたびに、電極パッド121の表面を引掻いて表面のゴミや酸化膜等を除去することが求められる。そこで、コンタクト部2を形成するために用いられる導電性材料としては、例えば、ロジウム(Rh)、パラジウムコバルト合金(Pd−Co)などの高耐磨耗性の導電性材料が挙げられる。なお、本実施形態では、コンタクト部2はロジウム(Rh)で形成している。
〔コンタクトプローブの製造プロセス〕
図4から図6は、図3に示したコンタクトプローブ1の製造プロセスの一例を示した図である。コンタクトプローブ1は、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて作製される。MEMS技術とは、フォトリソグラフィ技術及び犠牲層エッチング技術を利用して、微細な立体的構造物を作成する技術である。フォトリソグラフィ技術は、半導体製造プロセスなどで利用される感光レジストを用いた微細パターンの加工技術である。また、犠牲層エッチング技術は、犠牲層と呼ばれる下層を形成し、その上に構造物を構成する層をさらに形成した後、上記犠牲層のみをエッチングして立体的な構造物を作製する技術である。
このような犠牲層を含む各層の形成処理には、周知のめっき技術を利用することができる。例えば、陰極としての基板と、陽極としての金属片とを電解液中に浸し、両電極間に電圧を印加することにより、電解液中の金属イオンを基板表面に付着させることができる。このような処理は電気めっき処理と呼ばれている。このような電気めっき処理は、基板を電解液に浸すウエットプロセスであるため、めっき処理後は乾燥処理が行われる。また、乾燥後には、研磨処理などによって積層面を平坦化させる平坦化処理が必要に応じて行われる。
図4(a)〜(d)は、絶縁性基板であるプローブ基板107上に導電性膜を部分的に形成する導電性膜形成工程を示している。なお、この導電性膜形成工程には、絶縁膜4を形成する工程、第1導電性膜5を形成する工程及び第2導電性膜6を形成する工程を含んでいる。そして、第1導電性膜5を形成する工程は、第1犠牲層下地膜5aを形成する工程となる。また、第2導電性膜6を形成する工程は、第2犠牲層下地膜6bとプローブ下地膜6aを形成する工程となる。
まず、図4(a)に示すように、プローブ基板107上に、二酸化珪素(SiO2)からなる絶縁膜4を形成する。さらに、この絶縁膜4の上に銅(Cu)以外の導電性材料で、かつ、銅のめっき液に溶けない導電性材料で第2導電性膜6を形成する。絶縁膜4及び第2導電性膜6は、スパッタリングなど真空蒸着により形成することが好ましい。
この第2導電性膜6を形成する導電性材料としては、例えば、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、金(Au)、ニッケル(Ni)などが好ましい。特に、コンタクトプローブ1のビーム部3を構成する材料と同じ材料を用いることにより、この第2導電性膜6をコンタクトプローブ1のプローブ下地膜として使用する場合にはコンタクトプローブ1の一部とすることができる。
そして、図示していないが、さらに第2導電性膜6上に、感光性有機物質からなるフォトレジストを塗布してレジスト層を形成する。その後、このレジスト層の表面を選択的に露光することにより、レジスト層を部分的に除去する。
このようにしてレジスト層が除去された部分に対して、図4(b)に示すように、アルゴンイオンによるドライエッチングを行って、レジスト層が残っている部分を除いた第2導電性膜6を除去する。そして、レジスト層を完全に除去することにより、図4(b)に示すように、プローブ基板107上に、部分的に第2導電性膜6が形成された状態になる。
本実施の形態では、第2導電性膜6は、図7のプローブ基板107の部分斜視図にも示すように、絶縁膜4が露出して形成される絶縁性領域41を挟んで2箇所の第2導電性領域61が形成されるように、プローブ基板107上に形成される。図4(b)及び図7において左側に形成される長方形状の第2導電性領域61の第2導電性膜6がプローブ下地膜6aとなり、右側の長方形状の第2導電性領域61の第2導電性膜6が犠牲層8を形成するための第2犠牲層下地膜6bとなる。なお、図示していないが、コンタクトプローブ1をプローブ基板107に固定する場合には、プローブ下地膜6aをプローブ基板107上に形成される複数の電極を覆うように形成することが好ましい。
次に、図4(c)に示すように、絶縁膜4及び第2導電性膜6上に銅で第1導電性膜5を形成する。この第1導電性膜5もスパッタリングなど真空蒸着により形成することが好ましい。そして、図示していないが、第1導電性膜5上に、感光性有機物質からなるフォトレジストを塗布してレジスト層を形成する。その後、このレジスト層の表面を選択的に露光することにより、レジスト層を部分的に除去する。
このようにしてレジスト層が除去された部分に対して、アルゴンイオンによるドライエッチングを行って、レジスト層が残っている部分を除いた第1導電性膜5を除去する。そして、レジスト層を完全に除去することにより、図4(d)及び図7に示すように、プローブ基板107上に、第1導電性膜5からなる第1犠牲層下地膜5aが形成される。この第1犠牲層下地膜5aが第1導電性領域51となる。プローブ基板107上には、第1導電性膜5で構成される第1導電性領域51と、第2導電性膜6で構成される第2導電性領域61と、露出する絶縁膜4で構成される絶縁性領域41とが形成される。
本実施の形態では、上記したように、図4(d)において、プローブ基板107の中央付近に絶縁性領域41を挟んで2箇所の第2導電性領域61が形成され、これら第2導電性領域61の外側に絶縁性領域41を介して第1導電性領域51が形成されている。即ち、絶縁性領域41を挟んでプローブ下地膜6aと第2犠牲層下地膜6bとが形成され、第2犠牲層下地膜6bの外側に絶縁性領域41を介して第1犠牲層下地膜5aが形成される。第1犠牲層下地膜5a、プローブ下地膜6a及び第2犠牲層下地膜6bは、それぞれ絶縁性領域41により絶縁された状態になっている。なお、図4(d)において、プローブ基板107の両端部に形成される第1導電性膜5は、図示していないが、連続した1つの第1導電性領域51が形成されるように、第2導電性領域61を囲むように形成して導通されている。
図4(e)〜図5(a)は、絶縁性領域41を介して形成される第1導電性領域51及び第2導電性領域61を露出させる長細い第1開口部71aを複数有するように第1レジスト層71を形成する第1レジスト形成工程を示している。まず、プローブ基板107の全面に感光性有機物質からなるフォトレジストを塗布して第1レジスト層71を形成する。その後、この第1レジスト層71の表面を選択的に露光することにより、図5(a)に示すように、第1レジスト層71を部分的に除去する。第1レジスト層71を部分的に除去することにより、図8のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、第1レジスト層71に細長い第1開口部71aが複数形成される。
残った第1レジスト層71により、第2導電性膜6、絶縁膜4及び第1導電性膜5の一部が覆われる。そして、第1レジスト層71には、コンタクトプローブ1のビーム部3の形状に合わせた細長い第1開口部71aが所定の間隔をおいて複数形成される。これら第1開口部71a内には、第1犠牲層下地膜5aと第2犠牲層下地膜6bとプローブ下地膜6aとが絶縁性領域41を介して露出される。
本実施の形態では、図5(a)及び図8に示すように、第1犠牲層下地膜5aが第1開口部71aの長手方向の一方側で露出し、プローブ下地膜6aが長手方向他方側で露出し、長手方向中央部で第2犠牲層下地膜6bが露出している。
図5(b)〜(c)は、第1犠牲層下地膜5a上と第2犠牲層下地膜6b上に銅を電気めっきすることにより、ベース犠牲層81及びトップ犠牲層82で構成される犠牲層8を形成する犠牲層形成工程を示している。
上記した図5(a)の状態から、第1導電性膜5に電圧を印加することにより、図5(b)に示すように、第1犠牲層下地膜5aの上面に銅を電気めっきしていく。このとき、第1犠牲層下地膜5aの上面だけでなくエッチング面である端面にも銅がめっきされて堆積されていき、銅めっきが第1犠牲層下地膜5aの上面からオーバーフローし、第1犠牲層下地膜5aの上面及び端面を覆うだけでなく、絶縁膜4の一部の上にも形成された状態になる。このようにして銅を電気めっきすることにより図5(b)に示すようなベース曲面81aを有するベース犠牲層81が形成される。
ベース犠牲層81は、図9のプローブ基板107の部分斜視図にも示すように、絶縁膜4から立ち上がって、第1犠牲層下地膜5aに向かって曲がるベース曲面81aを有するように形成されるとともに、第1犠牲層下地膜5aと第2犠牲層下地膜6bの間の絶縁性領域41の全域を覆うまで形成される。ベース犠牲層81を形成するための電気めっき処理は、第2犠牲層下地膜6bに接触するまで行われる。
そして、上記した図5(b)の状態から、さらに第1犠牲層下地膜5aに電圧を印加し続けて、電気めっきを続ける。ベース犠牲層81と第2犠牲層下地膜6bとは接触して導通されているので、図5(c)及び図10のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、ベース犠牲層81上と第2犠牲層下地膜6b上とに銅が電気めっきされていく。このときも、第2犠牲層下地膜6bの上面だけでなくエッチング面である端面にも銅がめっきされて堆積されていき、銅めっきが第2犠牲層下地膜6bの上面からオーバーフローしたトップ犠牲層82が形成される。このトップ犠牲層82は、第2犠牲層下地膜6bの上面及び端面を覆うだけでなく、絶縁膜4の一部の上にも形成された状態になり、このようにして銅を電気めっきしていくことにより、図5(c)及び図10に示すような第1曲面82aと第2曲面82bとを有する段状のトップ犠牲層82が形成される。
第1曲面82aは、プローブ基板107に絶縁性領域41から立ち上がり、第2犠牲層下地膜6bに向かって曲がるように形成される。第2曲面82bは、この第1曲面82aより上方位置で、ベース犠牲層81のベース曲面81aの上方において形成される。本実施の形態では、ベース犠牲層81とトップ犠牲層82とにより犠牲層8が構成され、この犠牲層8は、第1曲面82aの反対側の側面がプローブ基板107に対して垂直に立ち上がるように形成される。
本実施の形態によれば、第2犠牲層下地膜6b上にベース犠牲層81が形成され始めたとき、すでに第1犠牲層下地膜5a上にはベース犠牲層81が形成されているので、トップ犠牲層82が形成されたとき、第2犠牲層下地膜6b上よりも第1犠牲層下地膜5a上の全体の犠牲層8の厚みは厚くなり、ベース犠牲層81とトップ犠牲層82とにより段部を有する犠牲層8が形成される。従って、第2犠牲層下地膜6bに向かって曲がる第1曲面82aと、ベース曲面81aに沿って形成される第2曲面82bとを有するトップ犠牲層を簡単に形成できる。
図5(d)及び図6(a)〜(d)は、コンタクトプローブ1を形成するプローブ形成工程を示している。図5(d)及び図11のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、第1犠牲層下地膜5aを介して犠牲層8に電圧を印加することにより、各第1開口部71a内においてニッケルコバルト合金(Ni−Co)を犠牲層8上に電気めっきしていく。この電気めっきにより、犠牲層8上にニッケルコバルト合金が堆積されてプローブ金属層91が形成されていく。
そして、このプローブ金属層91が、プローブ下地膜6aに接触するまで成長すると、プローブ金属層91とプローブ下地膜6aとが導通し、このプローブ下地膜6a上にもニッケルコバルト合金が堆積されてプローブ金属層91が犠牲層8からプローブ下地膜6aに亘って連続して形成される。このプローブ金属層91の形成により、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32に相当するプローブ金属層91が形成される。
プローブ金属層91が形成された後は、第1レジスト層71を除去する。次に、図6(a)に示すように、再びフォトレジストが塗布されることにより第2レジスト層72が形成され、その第2レジスト層72の表面が選択的に露光されることにより、第2レジスト層72の一部が除去される。図6(a)では、コンタクト部2に相当する領域についてレジストの除去行い、第2開口部72aが形成される。
次に、図6(b)に示すように、第2開口部72a内に、ロジウム(Rh)を電気めっきすることにより、ロジウム層92が形成される。このロジウム層92の上面は、平滑な面にする必要があるので、図6(c)に示すように、第2レジスト層72とともに、ロジウム層92を研磨して、ロジウム層92の上面を平坦にする。このロジウム層92がコンタクト部2を構成する。
そして、第2レジスト層72を除去すると、図12のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、プローブ基板107上に複数のコンタクトプローブ1がプローブ下地膜6aを介して固定された状態になる。この状態では、各コンタクトプローブ1がプローブ下地膜6aにより導通されている。
さらに、図6(d)に示すように、犠牲層8と第1導電性膜5とを除去し、プローブ基板107上で露出している第2導電性膜6をドライエッチングにより除去する。第2導電性膜6の除去は、第2犠牲層下地膜6bの全てを除去すると共に、コンタクトプローブ1の下に形成されたプローブ下地膜6aをコンタクトプローブ1毎に分離するように除去する。従って、プローブ金属層91で覆われているプローブ下地膜6aは残された状態になっている。このようにプローブ下地膜6aが分離されることにより、各コンタクトプローブ1が導通しないようにプローブ基板107上に固定されたコンタクトプローブ1が得られる。この工程が、犠牲層除去工程となる。
本実施の形態では、第1犠牲層下地膜5aと第2犠牲層下地膜6bとプローブ下地膜6aとを絶縁性領域41を介して絶縁するように形成し、第1犠牲層下地膜5aに電圧を印加することにより、第1犠牲層下地膜5a上と第2犠牲層下地膜6b上とに時間差をおいて連続して電気めっきを行う。従って、電気めっき処理を1回行うだけで、複数の曲面で形成される段部を有する犠牲層8を簡単に形成することができる。しかも、このようにして形成した犠牲層8は、全て導電性材料で形成することができるので、製造工程中に温度上昇が生じても犠牲層が破損することはないので、確実に複数の湾曲部を有するコンタクトプローブ1を形成することができる。
さらに、本実施の形態では、第1レジスト層71の第1開口部71a内で犠牲層8を形成した後、同じ第1開口部71a内でビーム部3を形成することができる。即ち、第1レジスト層71に形成した第1開口部71a内で、犠牲層8、ビーム部3の基板固定部31、そして、ビーム部3の弾性変形部32を形成することができるので、1つのレジスト層で犠牲層8の形成からビーム部3の形成までを行うことができる。従って、従来行われていた犠牲層8を形成するためのレジスト層、基板固定部31を形成するためのレジスト層、そして、弾性変形部32を形成するためのレジスト層の3つのレジスト層を形成しなくてすむ。その結果、レジスト層を形成する工程とレジストを除去する工程を減らすことができるとともに、レジストを除去するためのマスクも減らすことができるので、製造コストをさらに低廉にできる。
このように、本実施の形態によれば、片持ち梁構造のコンタクトプローブ1をプローブ基板107に対して垂直な方向に電気めっきにより積層して形成する場合でも、簡単な方法で、かつ、製造工程数を少なくして、所望の形状、大きさの湾曲部を複数有するコンタクトプローブ1を形成することができる。そして、コンタクトプローブ1を検査対象物102へ接触させて弾性変形させても、湾曲部を形成することによりコンタクトプローブ1の一部に応力が集中してしまうのをなくすことができ、コンタクトプローブ1の寿命を長くすることができる。さらに、コンタクトプローブ1は複数の湾曲部を段状に形成しているので、大きなオーバードライブ量でも、コンタクトプローブ1が検査対象物に接触するのを防ぐことができる。
また、本実施の形態にかかる製造方法によれば、コンタクトプローブ1をプローブ基板107への固定側から自由端側へと形成していくので、コンタクトプローブ1を形成すると同時にプローブ基板107にコンタクトプローブ1を固定することができる。従って、コンタクトプローブ1を1本ずつわざわざプローブ基板107に固定する作業を不要にでき、製造コストを低廉にすることができる。
実施の形態2.
上記した実施の形態1では、第1レジスト層71の複数の第1開口部71aを長手方向両端部の位置が隣り合うように並列させて形成した。本実施の形態2では、図13〜図17に示すように、第1レジスト層71の複数の第1開口部71aを長手方向に交互にずれるように形成することにより、コンタクトプローブ1がプローブ基板107上に交互にずれて配置される場合の製造方法について説明する。
本実施の形態のコンタクトプローブ1、犠牲層8、絶縁膜4、第1導電性膜5、第2導電性膜6、そして、プローブ基板107は、上記した実施の形態1と同じ材料で形成され、同じ構成部分については同じ符号を付す。
図13は、絶縁性基板であるプローブ基板107上に導電性膜を部分的に形成する導電性膜形成工程を示している。この導電性膜形成工程は、上記実施の形態1と同じ製造方法で、絶縁膜4、第1導電性膜5及び第2導電性膜6を形成するが、第1犠牲層下地膜5a、第2犠牲層下地膜6bそしてプローブ下地膜6aのパターンが異なる。なお、各導電性膜の形成方法は、上記実施の形態1と同じであるので説明を省略する。
本実施の形態では、図13に示すように、長方形状のプローブ基板107に対し、図13の右端に]字状の第1犠牲層下地膜5aが形成され、この第1犠牲層下地膜5aの凹んでいる部分に絶縁性領域41を介して、矩形状の第2犠牲層下地膜6bが形成されている。また、図13の左端にT字状のプローブ下地膜6aが形成され、このプローブ下地膜6aの基板中央へ向けて突出している部分に隣接するように、絶縁性領域41を介して2つの矩形状の第2犠牲層下地膜6bが形成されている。
図14は、絶縁性領域41を介して形成される第1犠牲層下地膜5a、第2犠牲層下地膜6b及びプローブ下地膜6aを露出させる第1開口部71aを複数有する第1レジスト層71を形成する第1レジスト形成工程を示している。第1開口部71aを有する第1レジスト層71の形成方法は、上記実施の形態1と同じ方法で形成するので説明を省略するが、第1開口部71aの形成箇所が上記実施の形態1と異なる。本実施の形態では、各第1開口部71aは、第1犠牲層下地膜5a、第2犠牲層下地膜6b及びプローブ下地膜6aが絶縁性領域41で絶縁されて各第1開口部71a内で露出するように互い違いにずれた状態で形成されている。
図15は、各第1開口部71a内の第1犠牲層下地膜5a及び第2犠牲層下地膜6b上に犠牲層8を形成する犠牲層形成工程を示している。犠牲層8の形成方法は、上記実施の形態1と同じ方法で形成するので説明を省略する。本実施の形態においても、ベース曲面81aを有するベース犠牲層81が形成された後、このベース犠牲層81上に第1曲面82aと第2曲面82bとを有する段状のトップ犠牲層82が形成されて犠牲層8が構成されている。犠牲層8が形成されると、図15に示すように、各第1開口部71a内では、犠牲層8とプローブ下地膜6a上とが絶縁性領域41を挟んだ状態で露出された状態になる。
そして、図16に示すように、各第1開口部71a内の犠牲層8及びプローブ下地膜6a上にコンタクトプローブ1を形成する。まず、第1犠牲層下地膜5aを介して犠牲層8に電圧を印加することにより、各第1開口部71a内においてニッケルコバルト合金(Ni−Co)を犠牲層8上に電気めっきしていく。この電気めっきにより、犠牲層8上にニッケルコバルト合金が堆積されてプローブ金属層91が形成されていく。
そして、このプローブ金属層91が、プローブ下地膜6aに接触するまで成長すると、プローブ金属層91とプローブ下地膜6aとが導通し、このプローブ下地膜6a上にもニッケルコバルト合金が堆積されてプローブ金属層91が犠牲層8からプローブ下地膜6aに亘って連続して形成される。このプローブ金属層91の形成により、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32に相当するプローブ金属層91が形成される。
プローブ金属層91が形成された後は、図17に示すように、第1レジスト層71を除去する。図17に示すように、各プローブ金属層91はプローブ下地膜6aで導通された状態になっている。
第1レジスト層71が除去された後は、上記実施の形態1と同じように、各プローブ金属層91の自由端部に合わせた第2開口部を有する第2レジスト層を形成し、第2開口部内にコンタクト部2となるロジウム層を電気めっきにより形成する。第2開口部を有する第2レジスト層の形成と、ロジウム層の形成も上記実施の形態1と同じ方法で形成するので説明を省略する。ロジウム層が形成された後は、第2レジスト層とともに、ロジウム層を研磨して、ロジウム層の上面を平坦にする。
そして、第2レジスト層を除去した後、犠牲層8と第1犠牲層下地膜5aとを除去し、プローブ基板107上で露出している第2導電性膜6をドライエッチングにより除去する。本実施の形態でも、第2導電性膜6の除去は、第2犠牲層下地膜6bの全てを除去すると共に、コンタクトプローブ1の下に形成されたプローブ下地膜6aをコンタクトプローブ1毎に分離するように除去する。このようにプローブ下地膜6aが分離されることにより、各コンタクトプローブ1が導通しないようにプローブ基板107上に固定されたコンタクトプローブ1が得られる。
本実施の形態のコンタクトプローブの製造方法によれば、コンタクトプローブを形成したい位置に合わせて、第1犠牲層下地膜5aと第2犠牲層下地膜6bとプローブ下地膜6aとを形成し、これら第1犠牲層下地膜5a、第2犠牲層下地膜6b及びプローブ下地膜6aが長手方向に順に露出するように第1レジスト層71の細長い第1開口部71aを形成することにより、プローブ基板107上の所望の位置にコンタクトプローブ1を形成することができる。
本実施の形態でも、第1レジスト層71に形成した第1開口部71a内で、犠牲層8と、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32とを形成することができるので、弾性変形部32を形成するためのレジスト層を形成する必要がなくなる。
実施の形態3.
上記した実施の形態1及び実施の形態2では、第1レジスト層71に形成した第1開口部71a内で1つのコンタクトプローブ1を形成した。本実施の形態3では、図18〜図21に示すように、第1開口部71a内で2つのコンタクトプローブ、具体的には、第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12を形成する製造方法について説明する。
本実施の形態の第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12は上記実施の形態1のコンタクトプローブ1と同じ材料で同じ形状に形成される。また、犠牲層8となる第1犠牲層83及び第2犠牲層84、絶縁膜4、第1導電性膜5、第2導電性膜6、そして、プローブ基板107も、上記実施の形態1と同じ材料で形成され、同じ構成部分については同じ符号を付す。
第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12も、図18に示すように、それぞれコンタクト部2と、ビーム部3とにより構成されている。第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12のビーム部3は、上記実施の形態1と同様に、基板固定部31と弾性変形部32とを有している。さらに、第1コンタクトプローブ11の基板固定部31には、第1プローブ下地膜6cが一体に形成されており、第2コンタクトプローブ12の基板固定部31には、第2プローブ下地膜6dが一体に形成されている。
また、本実施の形態では、図18に示すように、第1コンタクトプローブ11の基板固定部31の上方に第2コンタクトプローブ12の弾性変形部32が位置するように、即ち、第1コンタクトプローブ11に対して第2コンタクトプローブ12がプローブ高さ方向に一部重なるように、プローブ基板107上に第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12をMEMS技術により形成している。
さらに、本実施の形態では、図18に示すように、第1コンタクトプローブ11の弾性変形部32の下面に接触するように第1犠牲層83が形成されており、第1コンタクトプローブ11の基板固定部31及び弾性変形部32の上面に第2犠牲層84が形成されている。そして、この第2犠牲層84の上面に第2コンタクトプローブ12の弾性変形部32の下面が接触するように、第2コンタクトプローブ12を形成している。
次に、第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12の製造プロセスについて図19から図21に基づいて説明する。図19(a)は、絶縁性基板であるプローブ基板107上に導電性膜を部分的に形成する導電性膜形成工程を示している。この導電性膜形成工程は、上記実施の形態1と同じ製造方法で、絶縁膜4、第1導電性膜5及び第2導電性膜6を形成するので説明を省略する。
なお、本実施の形態では、図19(a)においてプローブ基板107の右端に第1導電性膜5で構成される第1犠牲層下地膜5aが形成され、この第1犠牲層下地膜5aの左側に絶縁性領域41を介して第2導電性膜6で構成される第2犠牲層下地膜6bが形成されている。さらに、第2犠牲層下地膜6bの左側に絶縁性領域41を介して第2導電性膜6で構成される第1プローブ下地膜6cが形成され、第1プローブ下地膜6cの左側に絶縁性領域41を介して第2導電性膜6で構成される第2プローブ下地膜6dが形成されている。プローブ基板107の左端は絶縁性領域41となっている。
図19(b)は、第1開口部71aを有する第1レジスト層71を形成する第1レジスト形成工程を示している。第1開口部71aは、第1犠牲層下地膜5a、第2犠牲層下地膜6b、第1プローブ下地膜6cそして第2プローブ下地膜6dがそれぞれ絶縁性領域41を介して露出するように形成されている。第1開口部71aを有する第1レジスト層71の形成方法は、上記実施の形態1と同じ方法で形成するので説明を省略する。
図19(c)は、第1開口部71内で露出する第1犠牲層下地膜5a上に第1犠牲層83を形成する工程を示している。第1犠牲層下地膜5aに電圧を印加することにより、第1犠牲層下地膜5aの上面に銅を電気めっきしていく。このとき第1犠牲層下地膜5aの上面だけでなくエッチング面である端面にも銅がめっきされて堆積されていき、銅めっきが第1犠牲層下地膜5aの上面からオーバーフローし、第1犠牲層下地膜5aの上面及び端面を覆うだけでなく、絶縁膜4の一部の上にも形成された状態になる。このようにして銅を電気めっきすることにより図19(c)に示すようなベース曲面81aを有するベース犠牲層81が形成される。
本実施の形態においても、ベース犠牲層81は、絶縁膜4から立ち上がって、第1犠牲層下地膜5aに向かって曲がるベース曲面81aを有するように形成されるとともに、第1犠牲層下地膜5aと第2犠牲層下地膜6bの間の絶縁性領域41の全域を覆うまで形成される。ベース犠牲層81の電気めっき処理は、第2犠牲層下地膜6bに接触するまで行われる。
そして、上記した図19(c)の状態から、第1犠牲層下地膜5aに電圧を印加し続けて、電気めっきを続ける。ベース犠牲層81と第2犠牲層下地膜6bとは接触して導通されているので、図19(d)に示すように、ベース犠牲層81上と第2犠牲層下地膜6b上とに銅が電気めっきされていく。このときも、第2犠牲層下地膜6bの上面だけでなくエッチング面である端面にも銅がめっきされて堆積されていき、銅めっきが第2犠牲層下地膜6bの上面からオーバーフローしたトップ犠牲層82が形成される。
このトップ犠牲層82は、第2犠牲層下地膜6bの上面及び端面を覆うだけでなく、絶縁膜4の一部の上にも形成された状態になり、このようにして銅を電気めっきしていくことにより、図19(d)に示すような第1曲面82aと第2曲面82bとをそれぞれ両側に有する段状のトップ犠牲層82が形成される。トップ犠牲層82の第1曲面82aは、プローブ基板107に絶縁性領域41から立ち上がり、第2犠牲層下地膜6bに向かって曲がるように形成され、第2曲面82bは、第2犠牲層下地膜6bから第1犠牲層下地膜5a側に斜め上方に向かい、ベース曲面81aの上方に形成される。本実施の形態では、ベース犠牲層81とトップ犠牲層82とにより第1犠牲層83が構成され、この第1犠牲層83は複数の曲面を有する段状で山形の形状となる。なお、第1犠牲層83を形成する場合、第1プローブ下地膜6c上に銅がめっきされないようにするため、第1プローブ下地膜6cに接触する直前でめっき処理を停止する。
そして、図20(a)に示すように、第1開口部71a内の第1犠牲層83上に第1コンタクトプローブ11を電気めっきにより形成していく。まず、第1犠牲層下地膜5aを介して第1犠牲層83に電圧を印加することにより、各第1開口部71a内においてニッケルコバルト合金(Ni−Co)を第1犠牲層83上に電気めっきしていく。この電気めっきにより、第1犠牲層83上にニッケルコバルト合金が堆積されて第1プローブ金属層93が形成されていく。
そして、この第1プローブ金属層93は、第1犠牲層83上に形成され始めるとすぐに第1プローブ下地膜6cに接触して、第1プローブ金属層93と第1プローブ下地膜6cとが導通し、この第1プローブ下地膜6c上にもニッケルコバルト合金が堆積されて第1プローブ金属層93が第1犠牲層83から第1プローブ下地膜6cに亘って連続して形成される。この第1プローブ金属層93の形成により、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32に相当する第1プローブ金属層93が形成される。
第1プローブ金属層93は、第1プローブ下地膜6c上にも形成されるので、第1犠牲層83を形成したときと同様に、第1プローブ下地膜6cの上面だけでなくエッチング面である端面にもニッケルコバルト合金がめっきされて堆積されていく。そして、ニッケルコバルト合金が第1プローブ下地膜6cの上面からオーバーフローし、第1プローブ下地膜6cの上面及び端面を覆うだけでなく、絶縁膜4の一部の上にも形成された状態になる。このようにしてニッケルコバルト合金を電気めっきすることにより、図20(a)に示すように、第1プローブ下地膜6cからオーバーフローした部分で形成される第1曲面93aと、第1犠牲層83の第1曲面82aの上に形成される第2曲面93bと、第1犠牲層83の第2曲面82bの上に形成される第3曲面93bとを有する第1プローブ金属層93が形成される。
第1プローブ金属層93が形成された後は、図20(b)に示すように、各第1開口部71a内において第1プローブ金属層93の自由端付近を覆うように、保護用レジスト層73を形成する。この保護用レジスト層73により、第1プローブ金属層93における自由端付近が電気めっきされないように保護される。保護用レジスト層73は、プローブ基板107の全面に感光性有機物質からなるフォトレジストを塗布してレジスト層を形成した後、このレジスト層の表面を選択的に露光することにより、図20(b)に示すように、第1プローブ金属層93における自由端付近を覆うようにレジスト層を部分的に除去して形成されている。保護用レジスト層73は、各第1開口部71aにおける長手方向のプローブ自由端側を埋めるように形成されている。
保護用レジスト層73が形成された後は、図20(c)に示すように、各第1開口部71a内で露出している第1プローブ金属層93上に第2犠牲層84を形成する。第1犠牲層下地膜5aに電圧を印加することにより、露出している第1プローブ金属層93上に銅を電気めっきしていく。このとき第1曲面93aを含む第1プローブ金属層93の外面全体に銅めっきが堆積されていき、銅めっきが絶縁膜4の一部の上にも形成された状態になる。このようにして銅を電気めっきすることにより、図20(c)に示すような第1プローブ金属層93の第1曲面93a上に形成される第1曲面84aと、第1プローブ金属層93の第2曲面93b上に形成される第2曲面84bとを有する第2犠牲層84が形成される。第1曲面84aは絶縁膜4から立ち上がって、第1プローブ下地膜6cに向かって曲がるように形成されている。
なお、第1プローブ金属層93の固定側端部に第1曲面93aが形成されているので、この第1曲面93aと第2曲面93bとに沿ってめっきすることにより、第2犠牲層84は、第1曲面82a及び第2曲面82bを有する第1犠牲層83と同じ形状に形成することができる。第2犠牲層84を形成するための電気めっき処理も、第2プローブ下地膜6dに接触する直前まで行われる。
そして、図20(d)に示すように、第1開口部71a内の第2犠牲層84上に第2コンタクトプローブ12を電気めっき処理により形成していく。まず、第1犠牲層下地膜5aを介して第2犠牲層84に電圧を印加することにより、各第1開口部71a内においてニッケルコバルト合金(Ni−Co)を第2犠牲層84上に電気めっきしていく。この電気めっきにより、第2犠牲層84上にニッケルコバルト合金が堆積されて第2プローブ金属層94が形成されていく。
そして、この第2プローブ金属層94は、第2犠牲層84上に形成され始めるとすぐに第2プローブ下地膜6dに接触して、第2プローブ金属層94と第2プローブ下地膜6dとが導通し、この第2プローブ下地膜6d上にもニッケルコバルト合金が堆積されて第2プローブ金属層94が第2犠牲層84から第2プローブ下地膜6dに亘って連続して形成される。この第2プローブ金属層94の形成により、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32に相当する第2プローブ金属層94が形成される。
第2プローブ金属層94は、第2プローブ下地膜6d上にも形成されるので、第2プローブ下地膜6dの上面だけでなくエッチング面である端面にもニッケルコバルト合金がめっきされて堆積されていき、ニッケルコバルト合金が第2プローブ下地膜6dの上面からオーバーフローし、第2プローブ下地膜6dの上面及び端面を覆うだけでなく、絶縁膜4の一部の上にも形成された状態になる。このようにしてニッケルコバルト合金を電気めっきすることにより、図20(d)に示すように、第2プローブ下地膜6dからオーバーフローした部分で形成される第1曲面94aと、第2犠牲層84の第1曲面84aの上に形成される第2曲面94bと、第2犠牲層84の第2曲面84bの上に形成される第3曲面94cとを有する第2プローブ金属層94が形成される。
第1プローブ金属層93が形成された後は、図21(a)に示すように、第1レジスト層71と保護用レジスト層73とを除去した後、図21(b)に示すように、第2開口部72aを有する第2レジスト層72を形成し、第2開口部72a内にコンタクト部2となるロジウム層92を電気めっきにより形成する。第2開口部72aを有する第2レジスト層72の形成と、ロジウム層92の形成も上記実施の形態1と同じ方法で形成するので説明を省略する。ロジウム層92が形成された後は、第2レジスト層72とともに、ロジウム層92を研磨して、ロジウム層92の上面を平坦にする。
そして、図21(c)に示すように第2レジスト層72を除去した後、第1犠牲層83と第2犠牲層84と第1導電性膜5とを除去し、プローブ基板107上で露出している第2導電性膜6をドライエッチングにより除去する。本実施の形態でも、第2導電性膜6の除去は、第2犠牲層下地膜6bの全てを除去すると共に、第1コンタクトプローブ11と第2コンタクトプローブ12の下に形成された第1プローブ下地膜6cと第2プローブ下地膜6dとをコンタクトプローブ1毎に分離するように除去する。このように第1プローブ下地膜6cと第2プローブ下地膜6dが分離されることにより、各コンタクトプローブ1が導通しないようにプローブ基板107上に固定されたコンタクトプローブ1が得られる。
第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12は、MEMS技術によりを同じ形状に形成するために以下の条件を満たす必要がある。図18において、第1犠牲層83における第1曲面82aと第2曲面82bとの間に形成される直線部分及び第2曲面82bのプローブ基板107と平行する方向の投影長さの合計をX1、第2犠牲層84における第1曲面84aと第2曲面84bとの間に形成される直線部分及び第2曲面84bのプローブ基板107と平行する方向の投影長さの合計をX2とする。
また、第1犠牲層83における第2曲面82bよりも自由端側に形成される直線部分の長さをX3、第2犠牲層84における第2曲面84bよりも自由端側に形成される直線部分の長さをX4とする。さらに、第1プローブ金属層93及び第2プローブ金属層94の高さ方向の厚みをY1、第1犠牲層83におけるベース犠牲層81の上面から、その上に形成されるトップ犠牲層82の上面までの高さをY2、第1犠牲層83における第1導電性膜5及び第2導電性膜6の上面からベース犠牲層81の上面までの高さをY3とする。
なお、Y2は、第1犠牲層83における第1曲面82aと第2曲面82bとの間に形成される直線部分の上面から、その上に形成される第2犠牲層84の直線部分の上面までの高さに等しい。さらに、Y3は、第1犠牲層83における第1曲面82aと第2曲面82bとの間に形成される直線部分の第1導電性膜5及び第2導電性膜6の上面からの高さに等しい。
そして、
となるように第1コンタクトプローブ11、第2コンタクトプローブ12、第1犠牲層83、第2犠牲層84を形成する必要がある。
本実施の形態では、さらに、図18に示すように、第1犠牲層下地膜5aと第2犠牲層下地膜6bとの間に形成される絶縁性領域41の長さをX5、第2犠牲層下地膜6bと第1プローブ下地膜6cとの間に形成される絶縁性領域41の長さをX6、第1プローブ下地膜6cと第2プローブ下地膜6dとの間に形成される絶縁性領域41の長さをX7とすると、X5=X6=X7となるように各絶縁性領域41を形成している。
また、第2犠牲層下地膜6b、第1プローブ下地膜6c及び第2プローブ下地膜6dの長さはそれぞれ等しくなっている。従って、本実施の形態では、これら下地膜の長さをX8とすると、X7+X8=X6+X8=X2=X1となる。
本実施の形態のコンタクトプローブの製造方法によれば、ビーム部とコンタクト部とを有する片持ち梁構造のコンタクトプローブを形成する場合、第1レジスト層71に2以上の細長い第1開口部71aを形成し、各第1開口部71a内において、2つの同じ形状の第1コンタクトプローブ11及び第2コンタクトプローブ12を時間差で形成することができる。
即ち、第1開口部71a内において、電気めっき処理により、第1犠牲層83を形成した後、続いて第1コンタクトプローブ11のビーム部3を形成し、さらに、この第1コンタクトプローブ11を利用して、この第1コンタクトプローブ11の上に第2犠牲層84を形成した後、第2コンタクトプローブ12のビーム部3を形成していくことができる。
さらに、本実施の形態では、第1コンタクトプローブ11に重ねて第2犠牲層84を形成することにより、第1コンタクトプローブ11を利用して第2コンタクトプローブ12を形成するための所定の形状の犠牲層を形成するため、第1コンタクトプローブ11と第2コンタクトプローブ12とをプローブの高さ方向で一部が重なるようにプローブ基板107上に形成することができる。従って、限られた面積のプローブ基板107上に効率良く、複数のコンタクトプローブを形成することができる。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、2段タイプの2つのコンタクトプローブをプローブ高さ方向に重ねて製造する方法について説明したが、上記実施の形態3と同様の方法で、図22に示すように、3段タイプの2つのコンタクトプローブをプローブ高さ方向に重ねて製造することもできる。
3段タイプのコンタクトプローブを形成する場合、第1犠牲層83を次のように形成する。図示していないが、上記実施の形態3のように、第1犠牲層下地膜に絶縁性領域介して隣接する第2犠牲層下地膜を形成し、この第2犠牲層下地膜と上記実施の形態3の第1プローブ下地膜との間に、絶縁性領域で第2犠牲層下地膜及び第1プローブ下地膜に対して絶縁させた状態で、第3犠牲層下地膜を形成する。この場合、第1犠牲層下地膜に電圧を印加することにより、第1犠牲層下地膜上に曲面を有するベース犠牲層が形成され、このベース犠牲層が第2犠牲層下地膜に導通して、この第2犠牲層下地膜とベース犠牲層上に上下2つの曲面を有する中間犠牲層が形成されていく。さらに、電気めっきを続けることにより、上下2つの曲面を有する中間犠牲層が上記第3犠牲層下地膜に導通して、この第2犠牲層下地膜と中間犠牲層上に上下3つの曲面を有するトップ犠牲層が形成される。これら三つの犠牲層により複数段形状の第1犠牲層83を構成している。
本実施の形態では、図22に示すように、第1犠牲層83には、第1曲面82aと第2曲面82bと第3曲面82cとが形成される。第2犠牲層84には、第1曲面84aと第2曲面84bと第3曲面84cとが形成される。そして、第1犠牲層83上に第1プローブ金属層93を形成することにより、湾曲部を階段状に3つ有する第1コンタクトプローブ11のビーム部3を形成することができ、第2犠牲層84上に第2プローブ金属層94を形成することにより、湾曲部を階段状に3つ有する第2コンタクトプローブ12のビーム部3を形成することができる。
そして、第1犠牲層83における第2曲面82bと第3曲面82cとの間に形成される直線部分及び第3曲面82cのプローブ基板107と平行する方向の投影長さの合計をX1、第1犠牲層83における第1曲面82aと第2曲面82bとの間に形成される直線部分及び第2曲面82bのプローブ基板107と平行する方向の投影長さの合計をX2、第2犠牲層84における第1曲面84aと第2曲面84bとの間に形成される直線部分及び第2曲面84bのプローブ基板107と平行する方向の投影長さの合計をX3とする。
また、第1犠牲層83における第3曲面82cよりも自由端側に形成される直線部分の長さをX4、第2犠牲層84における第3曲面84cよりも自由端側に形成される直線部分の長さをX5とする。さらに、第1プローブ金属層93及び第2プローブ金属層94の高さ方向の厚みをY1、第1犠牲層83における第2曲面82bと第3曲面82cとの間に形成される直線部分の上面から第3曲面82cよりも自由端側に形成される直線部分の上面までの長さをY2、第1犠牲層83における第1曲面82aと第2曲面82bとの間に形成される直線部分の上面から第2曲面82bと第3曲面82cとの間に形成される直線部分の上面までの長さをY3、第1犠牲層83における底面から第1曲面82aと第2曲面82bとの間に形成される直線部分の上面までの高さをY4とする。
そして、
となるように第1コンタクトプローブ11、第2コンタクトプローブ12、第1犠牲層83、第2犠牲層84を形成する。
本実施の形態では、3つ以上の湾曲部を有するコンタクトプローブを同じ開口部内で2つ形成する場合について説明したが、上記実施の形態1と同様に1つの開口部内で3つ以上の湾曲部を有するコンタクトプローブを1つ形成することもできる。この場合、犠牲層の形成は、上記実施の形態4と同様に方法で形成する。
なお、上記した各実施の形態では、コンタクトプローブ1を形成しながら、プローブ基板107上に直接コンタクトプローブ1を固定する場合の例について説明したが、本発明のコンタクトプローブの製造方法は、これらの実施の形態に限らず、別途用意した絶縁性基板上にコンタクトプローブ1を形成して、このコンタクトプローブを絶縁性基板から最終的に剥離する場合にも適用できる。
さらに、上記実施の形態では、ビーム部3の弾性変形部32に、2箇所以上の湾曲部分を形成したが、基板固定部からプローブ基板に対して湾曲しながら立ち上がった後、自由端部までプローブ基板に平行して延びるように弾性変形部が形成された1つの湾曲部を有するコンタクトプローブも上記各実施の形態と同様の方法で形成することができる。