JP2009204433A - コンタクトプローブの製造方法 - Google Patents

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恒司 大崎
Noriyuki Fukushima
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Abstract

【課題】コンタクトプローブを製造工程を少なく、高い寸法精度で形成できるコンタクトプローブの製造方法を提供する。
【解決手段】
絶縁性基板107上に導電性材料を積層することによりコンタクトプローブ1を形成するのであって、絶縁性基板107上に導電性材料を堆積させて犠牲層8を形成した後、この犠牲層8の表面を切削工具10を用いて切削加工することによりプローブ形成用台座5を形成する。そして、プローブ形成用台座5上に、プローブ形成用台座5を形成する導電性材料と異なる導電性材料を電気めっきにより成長させてコンタクトプローブ1を形成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、プローブカードに用いられるコンタクトプローブの製造方法に関する。さらに詳しくは、片持ち梁構造のコンタクトプローブを製造する方法に関する。
半導体ウェーハ上のデバイスが正常に動作することを確認する検査に際して、デバイスの電極パッドに接触して電気信号の送受を行うために用いられるプローブカードは、複数のコンタクトプローブ(接触探針)を備えている。複数のコンタクトプローブは、電極パッドの数およびピッチに対応して基板上に固定され、これらコンタクトプローブを電極パッドに接触させることにより、電気信号を取出すことができる。
半導体ウェーハ上のデバイスの電気的特性を検査する時は、コンタクトプローブを半導体ウェーハ上の電極パッドに接触させた後、コンタクトプローブを更に半導体ウェーハ側に押し付ける動作であるオーバードライブを行って、すべてのコンタクトプローブをそれぞれ電極パッドに確実に接触させる。
上記コンタクトプローブとしては、一端が基板に固定され、他端が自由端となる弾性変形可能な片持ち梁構造のビーム部と、このビーム部の自由端側に形成されたコンタクト部とを有するものがある(例えば特許文献1参照)。このようなコンタクトプローブは、一般に、ビーム部が基板の主面と平行に延びた状態で配置され、このビーム部の固定端側に略直角に屈曲した部分が形成されている。そして、この種のコンタクトプローブは、コンタクト部を半導体ウェーハ側に押し付けることにより、ビーム部が自然に弾性変形するようになっている。
ところで、半導体デバイスは、フォトリソグラフィ技術などの進歩による微細加工精度の著しい向上によって高集積化されてきた。その結果、半導体デバイスは、そのチップ面積に対する電極パッド数が飛躍的に増大し、最近では、千個を越える電極パッドが数ミリ角の半導体チップ上に狭ピッチで配置されるようになってきた。このような半導体チップについて電気的特性試験を行うためには、電極パッドと同様のピッチでコンタクトプローブを配置させたプローブカードが必要となる。そこで、上記した特許文献1にも開示されているように、半導体デバイスと同様のフォトリソグラフィ技術を利用して、コンタクトプローブを製造する技術が種々提案されている。
特許文献1には、マイクロマシニング技術を用いて形成された積層体からなるコンタクトプローブが開示されている。このコンタクトプローブは、プローブ基板に垂直な方向、すなわち、コンタクトプローブの高さ方向に積層された複数のめっき層によって構成される。各めっき層は、フォトリソグラフィ技術を用いてパターンニングされており、2次元形状の異なるめっき層を順に積層していくことによって、3次元形状のコンタクトプローブを形成することができる。このようにして形成された片持ち梁構造のコンタクトプローブは、ビーム部の固定端側を略直角に屈曲させた形状となる。
特開2001−91539号公報の図7(A)〜図10(O)
しかしながら、高さ方向へ積層して型持ち梁構造のコンタクトプローブを形成する場合には、ビーム部の固定側に直角に曲がる屈曲部分を有することになる。この屈曲部分は弾性変形時に応力が集中しやすく、ビーム部が破損する虞がある。そこで、ビーム部の固定端側を略直角に屈曲させるのではなく、滑らかに湾曲させた形状にすることができれば、上述したような応力集中を緩和することができると考えられる。
また、上記のようにビーム部の固定側に屈曲部分を有するコンタクトプローブは、上記オーバードライブを行って弾性変形する際に、このオーバードライブ量が多くなると、上記屈曲部分が検査対象物に接触する問題も生じた。このように十分なオーバードライブ量が得られない場合には、コンタクトプローブを検査対象物へ確実に接触させるための十分な押圧力が得られないことになる。
そこで、大きなオーバードライブ量でもコンタクトプローブが検査対象物に接触しないようにするために、コンタクトプローブのビーム部に複数の屈曲部分を階段状に形成して湾曲状にすることが考えられる。しかしながら、フォトレジストにより上記コンタクトプローブを固定部側から形成していきながら、複数の屈曲部分を形成するためには、積層方向に屈曲形状に合わせた複数のレジスト層を形成し、さらに、各層毎に形状の異なるマスクを形成し、これらマスクを用いてレジストを除去する必要があった。このように屈曲部分の数が増えるとそれだけ製造工程が多くなり、製造コストが高くなる問題がある。
以上の問題点を解決するために、湾曲部を有するコンタクトプローブをマイクロマシニング技術を用いて形成する方法として、コンタクトプローブの幅方向にめっき層を積層する製造方法を採用することも考えられる。この場合、めっき層の数を増大させることなく、高さ方向に滑らかに湾曲するコンタクトプローブを形成することができるが、多数のプローブをプローブ基板上に配列される位置関係のままで同時に形成することができない。つまり、犠牲層を介在させて配列させた複数のコンタクトプローブを製造してプローブ基板上に配置したり、あるいは、プローブ基板に対して電気めっきを行ってコンタクトプローブを形成することができず、コンタクトプローブを一つずつプローブ基板に取付けていく煩雑な作業が必要となる。
そこで、本出願人は、高さ方向へ積層してコンタクトプローブを形成する製造方法において、ビーム部に湾曲部を形成することができるコンタクトプローブの製造方法を開発した。その製造方法は、図15に示すように、絶縁性基板A上に曲面を有するプローブ用台座(犠牲層D)を1回の電気めっき処理により形成し、このプローブ用台座上に電気めっき処理によりコンタクトプローブのビーム部を形成する方法である。
具体的には、絶縁性基板A上にエッチング処理された端面を有する薄膜の導電性膜Bと、同じくエッチング処理され端面を有するプローブ下地膜Cとを、導電性膜Bとプローブ下地膜Cとが互いに絶縁された状態で形成する。そして、導電性膜Bに電圧を印加することにより、この導電性膜Bの上面に導電性材料を電気めっきして犠牲層Dを形成していく。このとき、導電性膜Bの上面だけでなくエッチング処理された端面にも導電性材料がめっきされて成長されていき、めっき層が導電性膜Bの上面からオーバーフローして絶縁性基板A上にもめっき層が形成された状態になる。
このようにして形成された犠牲層Dには、オーバーフローした部分により曲面が形成され、曲面を有するプローブ用台座(犠牲層D)を簡単に形成することができる。そして、曲面を有する犠牲層D上とプローブ下地膜C上とに電気めっき処理により導電層Eを形成すると、湾曲部分を有するビーム部を形成することができる。
ところで、図15に示すような曲面を有する上記プローブ形成用台座(犠牲層D)は、コンタクトプローブのビーム部の高さを高く形成しようとすると、犠牲層Dの高さが高くなるように形成する必要がある。このように犠牲層Dを高く形成するには、導電性膜Bの上面と端面とに成長させるめっき量を多くして、犠牲層Dの厚みを厚くする必要がある。
しかしながら、電気めっきにより犠牲層Dの厚みを厚くする場合、めっきの成長を細かく制御するのには限界がある。そのため、めっき成長が不均一になる場合があり、犠牲層Dの仕上がり寸法や形状にばらつきが生じる場合があった。特に、絶縁性基板A上に複数の犠牲層Dを形成するときは、導電性膜Bに電圧を印加して電気めっきを行うため、給電したときの各導電性膜Bまでの配線長が異なるとめっき厚にばらつきが生じてしまう。
また、湾曲部分を有する犠牲層Dを形成するためには、導電性膜Bにエッチング処理された端面を形成して、この端面にも導電性材料を堆積させる必要があるので、導電性膜Bはパターンニングしてエッチング処理をする必要がある。導電性膜Bをパターンニングしてエッチング処理をするには、まず、絶縁性基板A上の全面に導電性膜Bを形成した後、この導電性膜B上にレジスト層を形成し、このレジスト層にパターンニングし、さらに、レジストが除去された部分の導電性膜Bをドライエッチング処理により除去する製造工程を要する。
このようにエッチング処理された導電性膜Bを形成するためには、レジスト層の形成と、パターンニング処理と、ドライエッチング処理とを行わなくてはならず、製造工程数が多くなるという問題が生じる。
また、犠牲層Dを形成する場合、図16に示す犠牲層Dの部分拡大断面図のように、犠牲層Dの絶縁性基板A上にオーバーフロー状態となって形成された部分は、絶縁性基板Aから立ち上がる部分の根元が凹んだ状態になってしまうことがある。この凹んだ部分は、犠牲層D上にプローブ形成用のレジスト層Fを形成したとき、レジストとの密着性が悪いために、図16において黒く塗りつぶした部分Gが空洞になり易かった。
そして、レジスト層Fに開口部を形成し、開口部内で露出する犠牲層D上に電気めっき処理を行ってコンタクトプローブを形成したとき、上記空洞部分Gにプローブを形成するためのめっき材料が入り込み、この空洞部分Gにおいても犠牲層D上にめっきされて、隣接して形成されるコンタクトプローブが繋がってしまい、犠牲層Dを除去した後、この空洞部分Gのめっきをエッチング処理により除去する作業が必要となってしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、高さ方向に積層してコンタクトプローブを形成する方法において、コンタクトプローブを製造工程数が少なく、かつ、所望の形状及び大きさに高い寸法精度で形成できるコンタクトプローブの製造方法を提供することを目的とする。
第1の本発明によるコンタクトプローブの製造方法は、上記絶縁性基板上に導電性材料を堆積させて犠牲層を形成した後、この犠牲層の表面を切削加工することによりプローブ形成用台座を形成する工程と、上記プローブ形成用台座上に、このプローブ形成用台座を形成する導電性材料と異なる導電性材料を電気めっきにより成長させてコンタクトプローブを形成する工程とを有する構成としている。
本発明のコンタクトプローブの製造方法によれば、厚みの厚い上記犠牲層を形成しておき、この犠牲層のめっき成長面である表面を切削加工することにより、コンタクトプローブの背面形状を反転させた表面形状を有するプローブ形成用台座を高い寸法精度で形成できる。本発明の製造方法では、上記犠牲層の厚みが、コンタクトプローブの背面における最大高さの位置よりも厚くなるように上記犠牲層を形成しておけばよいので、上記犠牲層の厚みやめっき成長面の状態を細かく制御する必要が無くなる。
このように、本発明の製造方法によるプローブ形成用台座は、細かい厚み制御を必要としない上記犠牲層を1回の電気めっき処理により形成し、その後にこの犠牲層をコンタクトプローブの背面形状に合わせて切削加工してプローブ形成用台座を形成することができる。従って、本発明の製造方法は、電気めっきと切削加工を組み合わせてプローブ形成用台座を形成するので、単に電気めっきによる導電性材料の積層によりプローブ形成用台座を形成する場合に比べて寸法精度を向上できる。
また、本発明の製造方法は、従来のように、プローブ形成用台座となる犠牲層を形成するために、絶縁性基板上にパターンニングされた導電性膜を形成する必要もないので、レジスト層の形成、パターンニング処理、そして、導電性膜のドライエッチング処理が不要となり、製造工程数を少なくできる。さらに、絶縁性基板上に複数のプローブ形成用台座を形成する場合でも、プローブ形成用台座同士がつながることがないので、プローブ形成用台座形成後に、つながった部分を削除する工程も不要となる。
以上のことから、寸法精度の高いプローブ形成用台座を製造工程数を少なくして形成することができるので、高さ方向に電気めっきにより導電性材料を積層してコンタクトプローブを形成する場合でも、所望の形状、大きさのコンタクトプローブを高い寸法精度で形状がばらつくことなく、しかも、低コストで形成することができ、コンタクトプローブの形状の自由度が大きくなる。
第2の本発明によるコンタクトプローブの製造方法は、上記プローブ形成用台座を形成する工程において、上記絶縁性基板上に上記犠牲層を形成するための開口部を有する犠牲層形成用のレジスト層を形成した後に、上記開口部内の上記絶縁性基板上に上記犠牲層を形成して、切削加工することにより上記プローブ形成用台座を形成し、上記コンタクトプローブを形成する工程において、上記犠牲層形成用のレジスト層が除去された後の上記プローブ形成用台座上に上記コンタクトプローブを形成するようにしている。
本発明の製造方法によれば、上記プローブ形成用台座の平面視の形状は、上記開口部の形状によって決めることができ、上記プローブ形成用台座の高さ方向の形状は、上記犠牲層の表面の切削加工によって決めることができる。その結果、上記犠牲層を上記絶縁性基板上の所定の位置に形成しておいて、上記犠牲層の表面を切削加工することにより、切削される部分をできるだけ少なくすることができる。
第3の本発明によるコンタクトプローブの製造方法は、上記コンタクトプローブを形成する工程において、片持ち梁構造を有するビーム部を備える上記コンタクトプローブを形成し、上記プローブ形成用台座を形成する工程において、上記犠牲層を切削加工することにより、上記ビーム部に湾曲部を形成するための曲面を有する上記プローブ形成用台座を形成するようにしている。
本発明の製造方法によれば、上記プローブ形成用台座を切削加工により所望の形状に形成できるので、上記プローブ形成用台座に電気めっきすることにより、応力集中が起こらない湾曲部を有する上記コンタクトプローブを簡単に形成することができる。従って、片持ち梁構造のコンタクトプローブを基板に対して垂直な方向に電気めっきにより積層して形成する場合でも、簡単な方法で所望の形状、大きさの湾曲部を有する上記コンタクトプローブを形成することができる。
第4の本発明によるコンタクトプローブの製造方法は、上記コンタクトプローブを形成する工程において、上記プローブ形成用台座上に、電気めっきにより導電層を形成し、この導電層の表面を切削加工することによりコンタクトプローブを形成するようにしている。本発明の製造方法によれば、切削加工により上記コンタクトプローブを形成するので、所望の形状のコンタクトプローブを高い寸法精度で形成することができる。例えば、上記ビーム部とコンタクト部とを有するコンタクトプローブを形成する場合、電気めっき処理を1回行った後、切削加工により、上記ビーム部とコンタクト部とを有するコンタクトプローブを高い寸法精度で形成することができ、しかも、コンタクト部を形成するためのレジスト層の形成工程、パターンニング工程、そして、電気めっき工程を行う必要が無くなり、製造工程数も少なくできる。さらに、本発明の製造方法によれば、ビーム部とコンタクト部とを同じ導電層によって一括形成することができるので、コンタクト部の導電層がビーム部の導電層から剥がれ落ちるという問題もなくなる。
本発明によるコンタクトプローブの製造方法によれば、コンタクトプローブを高さ方向に電気めっきにより積層して形成する場合でも、製造工程数を少なく、高い寸法精度で所望の形状のコンタクトプローブを形成することができる。
実施の形態1.
以下、本発明にかかるコンタクトプローブの製造方法の実施の形態1について図面に基づいて説明する。
〔プローブ装置〕
図1は、本発明の実施の形態によるプローブカード110を含むプローブ装置100の概略構成の一例を示した図であり、プローブ装置100の内部の様子が示されている。このプローブ装置100は、プローブカード110と、検査対象物102が載置される可動ステージ103と、可動ステージ103を昇降させる駆動装置104と、可動ステージ103及び駆動装置104が収容される筐体105とにより構成される。
検査対象物102は、半導体ウェーハであり、複数の電子回路(図示せず)が形成されている。可動ステージ103は、水平な載置面を有する載置台であり、駆動装置104の駆動により、検査対象物102を載置面上に載置させた状態のまま鉛直方向に上昇又は下降するようになっている。筐体105は、上部中央部に開口部が形成されており、この開口部を封鎖するように、プローブカード110が取り付けられる。また、可動ステージ103は、この開口部の下方に配置される。
〔プローブカード〕
図2(a)及び(b)は、図1のプローブ装置100におけるプローブカード110の構成例を示した図であり、図中の(a)は、検査対象物102側(図1の下方側)から見た平面図であり、図中の(b)は、側面図である。
プローブカード110は、筐体105の開口部に取り付けられるメイン基板106と、メイン基板106に保持される矩形状のプローブ基板107と、プローブ基板107上に固着された複数のコンタクトプローブ1とを備える。
メイン基板106は、円板状のプリント基板であり、テスター装置との間で信号入出力を行うための外部端子161を有している。例えば、ガラスエポキシを主成分とする多層プリント回路基板がメイン基板106として用いられる。このメイン基板106は、その周辺部が筐体105の開口部の周縁で保持されて水平に支持される。
プローブ基板107は、メイン基板106の下方に配置され、メイン基板106に支持される。さらに、プローブ基板107は、連結部材108に電気的に接続され、この連結部材108をメイン基板106のコネクタ162に接続するようになっている。このプローブ基板107は、メイン基板106よりも小さい矩形をしており、基板上に配線パターンが形成されている。配線パターンは、電源供給線、グランド線及び信号線の各配線パターンにより形成されている。なお、検査対象物102がシリコンウェーハからなる場合には、シリコンなどの単結晶基板を用いてプローブ基板107を構成することが好ましい。このように、プローブ基板107をシリコン基板を用いて構成することにより、プローブ基板107と検査対象物102との熱膨張の状態を近づけることができる。
連結部材108は、メイン基板106及びプローブ基板107を連結し、導電線としてメイン基板106とプローブ基板107とにそれぞれ形成されている配線間を導通させている。ここでは、ポリイミドを主成分とする可撓性を有するフィルム上に配線パターンが印刷されたフレキシブルプリント回路基板(FPC)が連結部材108として用いられている。このフレキシブル基板は、その一端がプローブ基板107の周辺部に固着され、他端は着脱可能なコネクタ162を介してメイン基板106に連結されている。
本実施形態では、プローブ基板107には多数の電極パッドが形成され、各電極パッドにコンタクトプローブ1が接合されることにより、プローブ基板107上に多数のコンタクトプローブ1が形成される。プローブ基板107は、上記したように、連結部材108を介してテスター装置に接続されたメイン基板106に導通しており、当該メイン基板106とともにプローブカードを構成する。検査時には、駆動装置104によって可動ステージ103を上昇させて、半導体ウェーハにコンタクトプローブ1を接触させることにより、テスター装置と半導体ウェーハとの間で各コンタクトプローブ1を介して信号が入出力されて、半導体ウェーハの電気的特性の検査が行われるようになっている。
〔コンタクトプローブ〕
コンタクトプローブ1は、図1及び図2に示すように、検査対象物102上に形成された微細な電極パッド121に対し、弾性的に当接させるプローブ(探針)である。各コンタクトプローブ1は、プローブ基板107における一方の主面上に整列配置されて固着されている。各コンタクトプローブ1は、各コンタクトプローブ1が固着されたプローブ基板107の主面が鉛直方向下側に向けて配置されることにより、可動ステージ103に配置された検査対象物102と対向するようになっている。
図3は、コンタクトプローブ1の側面図である。コンタクトプローブ1は、検査対象物102上の電極パッド121に当接させるコンタクト部2と、一端がプローブ基板107に固定され、他端にコンタクト部2が突設されるビーム部3とにより構成される。
ビーム部3は、長尺な部材から構成され、その一端部がプローブ基板107に固着される片持ち梁(カンチレバー)からなる。即ち、このビーム部3は、プローブ基板107に固着される基板固定部31と、この基板固定部31からプローブ基板107に対して湾曲しながら立ち上がってプローブ基板107に平行して伸び、さらに、上方に向かって湾曲する弾性変形部32とから構成される。基板固定部31は、プローブ基板107との対向面側の一部が後記する導電性膜6で形成されている。
このビーム部3は、基板固定部31を固定端とし、この固定端に対する弾性変形部32の他端側を自由端として、この弾性変形部32の自由端に検査対象物102側から荷重がかかることにより、この弾性変形部32が弾性変形するようになっている。本実施形態では、可動ステージ103をプローブカード110に向けて上昇させて、ビーム部3の自由端部を検査対象物102で押圧することにより、ビーム部3の弾性変形部32が弾性変形するようになっている。
コンタクト部2は、ビーム部3の自由端部における検査対象物102に対向する面上に突出させて形成されたコンタクトチップにより構成されている。このコンタクトチップは端面が五角形の柱状体からなる。このコンタクト部2の検査対象物102と対向する面をこの検査対象物102の電極パッド121と当接する当接面としている。
本実施形態のプローブカード110では、複数のコンタクトプローブ1がプローブ基板107上にビーム幅方向に所定のピッチで配置されると共に、このようなピッチで配置されるコンタクトプローブ1の列が、ビーム先端が対向するように2列形成されている。本実施形態では、矩形のプローブ基板107の何れか1辺に平行な方向を配列方向として、コンタクトプローブ1の列が形成されている。なお、各コンタクトプローブ1の間隔は、検査対象物102上に形成されている電極パッド121間のピッチに応じて定められる。
そして、各コンタクトプローブ1は、プローブ基板107、連結部材108、メイン基板106に形成される各配線を介してメイン基板106の外部端子161と導通している。コンタクトプローブ1のコンタクト部2を検査対象物102の微小な電極パッド121に当接させることによって、この検査対象物102をテスター装置と導通させるようになっている。
〔コンタクトプローブの構成材料〕
次に、コンタクトプローブ1の各構成部分の材料について説明する。コンタクトプローブ1は、抵抗値が低いほど望ましいことから、コンタクトプローブの各構成部分は、導電率の高い材料により構成されている必要がある。このような高導電性材料には、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金銅合金(Au−Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウムニッケル合金(Pd−Ni)、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)、ニッケルタングステン(Ni−W)、白金(Pt)、金(Au)、ロジウム(Rh)などがある。本実施の形態では、後記する犠牲層8を銅により形成するため、コンタクトプローブ1のビーム部3は、銅のめっき液によって溶けない導電性材料を用いて形成することが好ましい。本実施の形態では、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)を用いてビーム部3を形成している。
また、コンタクトプローブ1のコンタクト部2は、検査対象物102の電極パッド121に繰り返し当接させるため高い耐磨耗性が要求され、しかも当接させるたびに、電極パッド121の表面を引掻いて表面のゴミや酸化膜等を除去することが求められる。そこで、コンタクト部を形成するために用いられる導電性材料としては、例えば、ロジウム(Rh)、パラジウムコバルト合金(Pd−Co)などの高耐磨耗性の導電性材料が挙げられる。なお、本実施の形態では、コンタクト部2はロジウム(Rh)を用いて形成している。
〔コンタクトプローブの製造プロセス〕
図4及び図5は、図3に示したコンタクトプローブ1の製造プロセスの一例を示した図である。コンタクトプローブ1は、いわゆるマイクロマシニング技術を用いて作製される。マイクロマシニング技術とは、フォトリソグラフィ技術及び犠牲層エッチング技術を利用して、微細な立体的構造物を作成する技術である。フォトリソグラフィ技術は、半導体製造プロセスなどで利用される感光レジストを用いた微細パターンの加工技術である。また、犠牲層エッチング技術は、犠牲層と呼ばれる下層を形成し、その上に構造物を構成する層をさらに形成した後、上記犠牲層のみをエッチングして立体的な構造物を作製する技術である。
このような犠牲層を含む各層の形成処理には、周知のめっき技術を利用することができる。例えば、陰極としての基板と、陽極としての金属片とを電解液中に浸し、両電極間に電圧を印加することにより、電解液中の金属イオンを基板表面に付着させることができる。このような処理は電気めっき処理と呼ばれている。このような電気めっき処理は、基板を電解液に浸すウエットプロセスであるため、めっき処理後は乾燥処理が行われる。また、乾燥後には、研磨処理などによって積層面を平坦化させる平坦化処理が必要に応じて行われる。
図4(a)〜(b)は、絶縁性基板であるプローブ基板107上に導電性膜を部分的に形成する導電性膜形成工程を示している。なお、この導電性膜形成工程には、絶縁膜4を形成する工程も含んでいる。
まず、図4(a)に示すように、プローブ基板107上に、二酸化珪素(SiO2)からなる絶縁膜4を形成する。さらに、この絶縁膜4の上に銅(Cu)以外の導電性材料であって、かつ、銅のめっき液に溶けない導電性材料を用いて導電性膜6を形成する。絶縁膜4及び導電性膜6は、スパッタリングなど真空蒸着により形成することが好ましい。
この導電性膜6を形成する導電性材料としては、例えば、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、金(Au)、ニッケル(Ni)などが好ましい。特に、コンタクトプローブ1のビーム部3を構成する材料と同じ材料を用いることにより、この導電性膜6をコンタクトプローブ1のプローブ下地膜として使用する場合にはコンタクトプローブ1の一部とすることができる。
そして、図示していないが、さらに導電性膜6上に、感光性有機物質からなるフォトレジストを塗布してレジスト層を形成する。その後、このレジスト層の表面を選択的に露光することにより、レジスト層を部分的に除去する。
このようにしてレジスト層が除去された部分に対して、図4(b)に示すように、アルゴンイオンによるドライエッチングを行って、レジスト層が残っている部分を除いた導電性膜6を除去する。そして、レジスト層を完全に除去することにより、図4(b)に示すように、プローブ基板107上に、部分的に導電性膜6が形成された状態になる。
本実施の形態では、導電性膜6は、絶縁膜4が露出して形成される絶縁性領域41によって囲まれた長方形状の導電性領域61が形成されるように、プローブ基板107上に形成される。本実施の形態では、この導電性膜6がプローブ形成用下地膜となる。なお、図示していないが、コンタクトプローブ1をプローブ基板107に固定する場合には、導電性膜6をプローブ基板107上に形成される複数の電極を覆うように形成することが好ましい。
次に、図示していないが、プローブ基板107上全体に、絶縁膜4及び導電性膜6を覆うように銅の薄膜を形成する。この銅の薄膜もスパッタリングなど真空蒸着により形成することが好ましい。
図4(c)は、第1開口部71aを有するように第1レジスト層71を形成する第1レジスト形成工程を示している。まず、プローブ基板107の全面に感光性有機物質からなるフォトレジストを塗布して第1レジスト層71を形成する。その後、この第1レジスト層71の表面を選択的に露光することにより、第1レジスト層71を部分的に除去する。第1レジスト層71を部分的に除去することにより、第1レジスト層71に第1開口部71aが形成される。残った第1レジスト層71は、導電性膜6の一部を覆った状態になる。
図4(d)〜(e)は、プローブ形成用台座5を形成する工程を示している。上記した図4(c)の状態から、上記銅の薄膜に電圧を印加することにより、図4(d)に示すように、第1開口部71a内で露出する銅の薄膜上に銅を電気めっきして犠牲層8を形成する。本実施の形態では、第1開口部71a内を埋めるように犠牲層8を形成する。
そして、犠牲層8が形成された後は、第1レジスト層71を除去した後、図4(e)及び図6のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、切削工具10を用いて犠牲層8の表面をコンタクトプローブ1の背面側の形状と合うように切削してプローブ形成用台座5を形成する。本実施の形態では、図4(e)の前後方向に切削工具10を移動させながら犠牲層8を切削してもよいし、図4(e)の左右方向に切削工具10を移動させながら犠牲層8を切削してもよい。
切削工具10を用いて犠牲層8を切削することにより、図4(e)及び図6に示すように、プローブ基板107上に第1曲面51と第2曲面52とを有する段状のプローブ形成用台座5が得られる。第1曲面51は、導電性膜6上から立ち上がって湾曲するように形成される。第2曲面52は、この第1曲面51よりも図4(e)において右側で、かつ、上方位置に形成される。本実施の形態では、プローブ形成用台座5は、第1曲面51の反対側の側面がプローブ基板107に対して垂直に立ち上がるように形成される。
図4(f)は、プローブ形成用台座5及び導電性膜6を露出させる長細い第2開口部72aを複数有するプローブ形成用の第2レジスト層72を形成する第2レジスト形成工程である。プローブ基板107上に、再びフォトレジストが塗布されることにより第2レジスト層72が形成され、その第2レジスト層72の表面が選択的に露光されることにより、第2レジスト層72の一部が除去され、長細い第2開口部72aが複数形成される。
図7のプローブ基板107の部分斜視図にも示すように、第2レジスト層72には、コンタクトプローブ1のビーム部3の形状に合わせた細長い第2開口部72aが所定の間隔をおいて複数形成される。
本実施の形態では、第2開口部72a内においてプローブ形成用台座5の第1曲面51が導電性膜6から立ち上がって第2開口部72aの長手方向一方側から長手方向他方側に向かって曲がるように第2開口部72aを形成している。さらに、本実施の形態では、図6及び図7に示すように、1つのプローブ形成用台座5上に複数の第2開口部72aが形成されている。
図5(a)〜(e)は、コンタクトプローブ1を形成するプローブ形成工程を示している。図5(a)に示すように、プローブ形成用台座5に電圧を印加することにより、各第2開口部72a内においてニッケルコバルト合金(Ni−Co)をプローブ形成用台座5及び導電性膜6上に電気めっきしていく。この電気めっきにより、プローブ形成用台座5及び導電性膜6上にニッケルコバルト合金(Ni−Co)が成長されてプローブ導電層91が形成されていく。このプローブ導電層91の形成により、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32に相当するプローブ導電層91が形成される。
本実施の形態では、第2レジスト層72に形成した第2開口部72a内に、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32とを同時に形成することができるので、弾性変形部32を形成するためのレジスト層を形成する必要がなくなる。その結果、レジスト層を形成する工程とレジストを除去する工程を減らすことができるとともに、レジストを除去するためのマスクも減らすことができるので、製造コストをさらに低廉にできる。
プローブ導電層91が形成された後は、第2レジスト層72を除去する。次に、図5(b)に示すように、再びフォトレジストが塗布されることにより第3レジスト層73が形成され、その第3レジスト層73の表面が選択的に露光されることにより、第3レジスト層73の一部が除去される。図5(b)では、コンタクト部2に相当する領域についてレジストの除去行い、第3開口部73aが形成される。
次に、図5(c)に示すように、第3開口部73a内に、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)、そしてコンタクトチップ先端にロジウム(Rh)を電気めっきすることにより、コンタクトチップ層92が形成される。このコンタクトチップ層92の上面は、平滑な面にする必要があるので、図5(d)に示すように、第3レジスト層73とともに、コンタクトチップ層92を研磨して、コンタクトチップ層92の上面を平坦にする。このコンタクトチップ層92がコンタクト部2を構成する。
そして、第3レジスト層73を除去すると、プローブ基板107上に複数のコンタクトプローブ1が導電性膜6を介して固定された状態になる。さらに、図5(e)及び図8のプローブ基板107の部分斜視図に示すようにプローブ形成用台座5及び露出している銅の薄膜を除去し、プローブ基板107上で露出している導電性膜6をドライエッチングにより除去する。導電性膜6の除去は、コンタクトプローブ1の下に形成された導電性膜6をコンタクトプローブ1毎に分離するように除去する。従って、プローブ導電層91で覆われている導電性膜6は残された状態になっている。このように導電性膜6が分離されることにより、各コンタクトプローブ1が導通しないようにプローブ基板107上に固定されたコンタクトプローブ1が得られる。
本実施の形態では、第1レジスト層71の第1開口部71a内を埋めるように大まかに犠牲層8を形成しておいて、この犠牲層8を切削工具10を用いてコンタクトプローブ1の背面形状に合うように切削することにより、製造工程数を少なく、かつ、高い寸法精度のプローブ形成用台座5を形成することができる。しかも、プローブ形成用台座5に電圧を印加することにより、プローブ形成用台座5上と導電性膜6上とに電気めっきを行ってビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32とを備え、かつ、複数の湾曲部を有するプローブ導電層91を一度の電気めっき処理を行うだけで形成することができる。
このように、本実施の形態によれば、片持ち梁構造のコンタクトプローブ1をプローブ基板107に対して垂直な方向に電気めっきにより積層して形成する場合でも、簡単な方法で、かつ、製造工程数を少なくして、所望の形状、大きさの湾曲部を複数有するコンタクトプローブ1を高い寸法精度で形成することができる。そして、コンタクトプローブ1を検査対象物102へ接触させて弾性変形させても、湾曲部を形成することによりコンタクトプローブ1の一部に応力が集中してしまうのを緩和することができ、コンタクトプローブ1の寿命を長くすることができる。さらに、コンタクトプローブ1は複数の湾曲部を段状に形成しているので、大きなオーバードライブ量でも、コンタクトプローブ1が検査対象物に接触するのを防ぐことができる。
また、本実施の形態にかかる製造方法によれば、コンタクトプローブ1をプローブ基板107への固定側から自由端側へと形成していくので、コンタクトプローブ1を形成すると同時にプローブ基板107にコンタクトプローブ1を固定することができる。従って、コンタクトプローブ1を1本ずつプローブ基板107に固定する作業を不要にでき、製造コストを低廉にすることができる。
実施の形態2.
上記した実施の形態1では、コンタクトプローブ1を形成する際、ビーム部3となるプローブ導電層91と、コンタクト部2となるコンタクトチップ層92とをそれぞれ別のレジスト層を形成して別々にパターンニングと電気めっき処理を行って形成した。本実施の形態2では、図9〜図14に示すように、ビーム部3とコンタクト部2とが同じ導電層によって形成されるコンタクトプローブ1を形成する製造方法について説明する。
本実施の形態のコンタクトプローブ1、犠牲層8、絶縁膜4、導電性膜6、そして、プローブ基板107は、上記した実施の形態1と同じ材料で形成され、同じ構成部分については同じ符号を付す。
本実施の形態のコンタクトプローブ1も、上記実施の形態1と同様に、検査対象物102上の電極パッド121に当接させるコンタクト部2と、一端がプローブ基板107に固定され、他端にコンタクト部2が突設されるビーム部3とにより構成される。但し、本実施の形態のコンタクトプローブ1は、図10(e)及び図14のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、コンタクト部2とビーム部3とは、同じ導電層によって形成されている。
ビーム部3は、図14に示すように長尺な形状をしており、その一端部がプローブ基板107に固着される片持ち梁構造(カンチレバー)を有している。このビーム部3は、プローブ基板107に固着される基板固定部31と、この基板固定部31からプローブ基板107に対して湾曲しながら立ち上がってプローブ基板107に平行して伸び、さらに、上方に向かって湾曲する弾性変形部32とから構成される。基板固定部31の底面には導電性膜6が形成され、この導電性膜6を介して基板固定部31がプローブ基板107に固定される。
ビーム部3は、基板固定部31を固定端とし、この固定端に対する弾性変形部32の他端側を自由端として、この弾性変形部32の自由端に連続して形成されるコンタクト部2に検査対象物102側から荷重がかかることにより、この弾性変形部32が弾性変形するようになっている。本実施形態では、可動ステージ103をプローブカード110に向けて上昇させて、ビーム部3の自由端部に形成されるコンタクト部2を検査対象物102によって押圧することにより、ビーム部3の弾性変形部32が弾性変形するようになっている。
コンタクト部2は、ビーム部3の自由端部における検査対象物102に対向する面上に突出させて形成されている。このコンタクト部2は突出端面が長方形をしており、ビーム部3と同じ導電層により連続して形成されている。コンタクト部2の幅は、ビーム部3と同じ幅を有している。また、コンタクト部2におけるビーム部長さ方向において対向する側面は、ビーム部3への根元側が末広がり状態となるように、この根元部分に曲面を有するように形成されている。このコンタクト部2の検査対象物102と対向する面をこの検査対象物102の電極パッド121と当接する当接面としている。
本実施の形態においても、プローブ形成用台座5となる犠牲層8を銅によって形成するため、コンタクトプローブ1は、銅のめっき液によって溶けない導電性材料を用いて形成することが好ましい。本実施の形態は、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)を用いてコンタクトプローブ1を形成している。コンタクトプローブ1のコンタクト部2は、ビーム部3と一体に連続して形成されているため、ビーム部3とコンタクト部2とは、ニッケルコバルト合金(Ni−Co)を用いて形成されることになる。
ところで、コンタクト部2は、検査対象物102の電極パッド121に繰り返し当接させるため高い耐磨耗性が要求され、しかも当接させるたびに、電極パッド121の表面を引掻いて表面のゴミや酸化膜等を除去することが求められる。そこで、コンタクト部2の端面に薄膜のロジウム(Rh)層を形成するようにしてもよい。
図9(a)〜(f)に示す、導電性膜6の形成工程、第1レジスト層71の形成工程、プローブ形成用台座5の形成工程、そして、第2レジスト層72の形成工程は、上記実施の形態1における図4(a)〜(f)と同じ製造工程を行うので説明を省略する。なお、上記した実施の形態1と同じ構成部分については同じ符号を付す。
図10(a)〜(e)は、コンタクトプローブ1を形成するプローブ形成工程を示している。図10(a)及び図11に示すように、プローブ形成用台座5に電圧を印加することにより、各第2開口部72a内においてニッケルコバルト合金(Ni−Co)をプローブ形成用台座5及び導電性膜6上に電気めっきしていく。この電気めっきにより、プローブ形成用台座5及び導電性膜6上にニッケルコバルト合金(Ni−Co)が成長されてプローブ導電層91が形成されていく。
このプローブ導電層91の形成により、ビーム部3の基板固定部31と弾性変形部32を含む長さのプローブ導電層91が形成される。さらに、このプローブ導電層91は、ビーム部3の弾性変形部32のプローブ高さ方向の厚みとコンタクト部2のプローブ高さ方向の厚みとを足した厚みよりも厚くなるように形成される。
プローブ導電層91が形成された後は、図10(b)及び図12のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、切削工具10を用いて第2レジスト層72をプローブ導電層91の表面の形状に合わせて切削していく。本実施の形態では、切削加工は、プローブの長手方向と直交する方向、即ち、プローブ幅方向に切削工具10を移動させながら、第2レジスト層72を切削する。なお、この切削方向は、プローブの長さ方向に切削工具10を移動させながら行ってもよい。
次に、図10(c)及び図13のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、第2レジスト層72と共に、プローブ導電層91の表面を切削してコンタクトプローブ1の表面を形成する。本実施の形態では、ビーム部3とコンタクト部2をこのプローブ導電層91により形成しており、ビーム部3とコンタクト部2とは一体に連続して形成される。さらに、本実施の形態では、切削工具10の刃の先端の形状が丸くなっているので、コンタクト部2のビーム部根元部分は、切削工具10の刃の形状に合わせて、曲面を有するように切削加工が施される。従って、コンタクト部2の根元部分におけるビーム部長手方向の長さは、先端面におけるビーム部長手方向の長さよりも長くなっており、根元側に向かって末広がるようにコンタクト部2が形成される。このようにコンタクト部2の根元部分の断面積が先端部よりも大きくなるので、コンタクト部2の強度を強くすることができる。
本実施の形態では、コンタクトプローブ1を形成するための切削加工は切削工具10をプローブ幅方向に移動させながら行う。このとき、プローブ導電層91は、隣接する第2レジスト層72によって支持されて補強された状態になるので、細長いコンタクトプローブ1であっても、この第2レジスト層72により破損することなく、所望の形状に切削することができる。なお、コンタクトプローブ1を形成するための切削加工も、切削方向は、プローブの長さ方向に切削工具10を移動させながら行ってもよい。このプローブ導電層91の切削加工により、基板固定部31と弾性変形部32とコンタクト部2とを有するプローブ導電層91が形成される。
なお、プローブ導電層91を切削加工した後、プローブ導電層91におけるコンタクト部2の先端面上に薄膜のコンタクトチップ層を形成するようにしてもよい。この場合、まず、プローブ導電層91と第2レジスト層72上に再びフォトレジストを塗布して第3レジスト層を形成する。そして、この第3レジスト層73の表面を選択的に露光して、コンタクト部2の端面となる部分に第3開口部が形成されるように第3レジスト層の一部を除去する。次に、この第3開口部内で露出するプローブ導電層91上にロジウム(Rh)を電気めっきすることにより、プローブ導電層91におけるコンタクト部2の先端面上に薄膜のコンタクトチップ層を形成する。
次に、図10(d)に示すように、第2レジスト層72を除去すると、プローブ導電層91がプローブ形成用台座5に支持された状態で、プローブ基板107上に複数のコンタクトプローブ1が導電性膜6を介して固定された状態になる。さらに、図10(e)及び図14のプローブ基板107の部分斜視図に示すように、プローブ形成用台座5と露出している銅の薄膜とを除去し、プローブ基板107上で露出している導電性膜6をドライエッチングにより除去する。導電性膜6の除去は、コンタクトプローブ1の下に形成された導電性膜6をコンタクトプローブ1毎に分離するように除去する。従って、プローブ導電層91によって覆われている導電性膜6は残された状態になっている。このように導電性膜6が分離されることにより、各コンタクトプローブ1が導通しないようにプローブ基板107上に固定されたコンタクトプローブ1が得られる。
本実施の形態では、プローブ形成用台座5上に厚みの厚いプローブ導電層91を形成しておいて、このプローブ導電層91の表面を切削工具10を用いてコンタクトプローブ1の形状となるように切削することにより所望の形状のコンタクトプローブ1を形成することができる。従って、切削工具10を用いて、プローブ導電層91をコンタクトプローブ1の最終形状に切削するので、片持ち梁構造のコンタクトプローブ1をプローブ基板107に対して垂直な方向に電気めっきにより積層して形成する場合でも、高い寸法精度で所望の形状、大きさのコンタクトプローブ1を形成することができる。
さらに、本実施の形態で形成されたコンタクトプローブ1はビーム部3に複数の湾曲部を階段状に形成しているので、コンタクトプローブ1が検査対象物102へ接触して弾性変形しても、これら湾曲部によりコンタクトプローブ1の一部に応力が集中してしまうのを緩和することができ、コンタクトプローブ1の寿命を長くすることができる。さらに、コンタクトプローブ1は複数の湾曲部を段状に形成しているので、大きなオーバードライブ量でも、コンタクトプローブ1が検査対象物に接触するのを防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、コンタクトプローブの平面視の形状は、上記開口部の形状によって決めることができ、コンタクトプローブの高さ方向の形状は、上記犠牲層の表面形状と切削加工とによって決めることができるので高い寸法精度でコンタクトプローブを形成することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、上記導電層を切削する際、上記導電層の周囲を上記レジスト層により保護して、このレジスト層とともに上記導電層を切削することができる。即ち、切削加工の際に、上記導電層が切削工具によって切削していく方向に押されても、上記レジスト層によって上記導電層を受け止めることができ、コンタクトプローブを上記レジスト層により保持しながら切削することができるので、切削抵抗の緩和により上記導電層が破損し難くなる。
また、本実施の形態にかかる製造方法によれば、コンタクトプローブ1をプローブ基板107へ固定した状態のまま形成することができるので、コンタクトプローブ1を1本ずつプローブ基板107に固定する作業を不要にでき、製造コストを低廉にすることができる。
本実施の形態では、第2レジスト層72に形成した第2開口部72a内で、ビーム部3とコンタクト部2とを形成することができる大きさのプローブ導電層91を形成しておいて、切削加工により、同じ導電層によってビーム部3とコンタクト部2とを一体に連続して形成するため、コンタクト部のみを形成するためのレジスト層の形成、パターンニング処理、そして、電気めっき処理を減らすことができるので、製造コストを低廉にできる。
本実施の形態では、切削工具10を用いて犠牲層8及びプローブ導電層91の表面を切削したが、犠牲層8及びプローブ導電層91の側面を切削することもできる。このように側面も切削することにより、コンタクトプローブの形状の自由度がさらに広がる。例えば、プローブ導電層91の場合、コンタクト部のプローブ幅方向の長さをプローブの幅よりも小さくなるように切削加工をすることもできるし、コンタクト部の形状を先端部に向けて先細るように形成することもできる。先端部を細くすることにより、検査対象物との接触面積を小さくでき、小さいオーバードライブ量でも確実にコンタクト部を検査対象物に接触させることができる。
なお、上記した各実施の形態では、コンタクトプローブ1をプローブ基板107上に固定した状態のまま形成する場合の例について説明したが、本発明のコンタクトプローブの製造方法は、これらの実施の形態に限らず、別途用意した絶縁性基板上にコンタクトプローブ1を形成して、このコンタクトプローブを例えば犠牲層と共に絶縁性基板から最終的に剥離する場合にも適用できる。
本発明の実施の形態によるプローブカード110を含むプローブ装置100の概略構成の一例を示した図であり、プローブ装置100の内部の様子が示されている。 図1のプローブ装置100におけるプローブカード110の構成例を示した図である。 本発明の実施の形態1によるコンタクトプローブの一例を示した側面図である。 実施の形態1に係るコンタクトプローブを形成する工程の一例を示した図である。 実施の形態1に係るコンタクトプローブを形成する工程の一例を示した図であり、図4(f)の続きを示している。 図4(e)に対応したプローブ基板107の部分斜視図であって、プローブ基板107上に、プローブ形成用台座5が形成された状態を示している。 図5(a)に対応したプローブ基板107の部分斜視図であって、プローブ基板107上に第2開口部72aを有する第2レジスト層72が形成され、第2開口部72aのプローブ形成用台座5上にプローブ導電層91が形成された状態を示している。 図5(e)に対応したプローブ基板107の部分斜視図であって、プローブ基板107上にコンタクトプローブ1が固定された状態を示している。 実施の形態2に係るコンタクトプローブを形成する工程の一例を示した図である。 実施の形態1に係るコンタクトプローブを形成する工程の一例を示した図であり、図9(f)の続きを示している。 図10(a)に対応したプローブ基板107の部分斜視図であって、プローブ基板107上に第2開口部72aを有する第2レジスト層72が形成され、第2開口部72aのプローブ形成用台座5上にプローブ導電層91が形成された状態を示している。 図10(b)に対応したプローブ基板107の部分斜視図であって、切削工具10を用いて、第2レジスト層72を切削した状態を示している。 図10(c)に対応したプローブ基板107の部分斜視図であって、切削工具10を用いて、第2レジスト層72と共にプローブ導電層91をコンタクトプローブ1の形状に切削した状態を示している。 図10(e)に対応したプローブ基板107の部分斜視図であって、プローブ基板107上にコンタクトプローブ1が固定された状態を示している。 従来のコンタクトプローブを形成するための説明図を示している。 図15の犠牲層における曲面部分の拡大部分断面図を示しており、ひさし空洞部分にめっき層が形成された状態を示す説明図である。
符号の説明
1 コンタクトプローブ
2 コンタクト部
3 ビーム部
31 基板固定部
32 弾性変形部
4 絶縁膜
41 絶縁性領域
5 プローブ形成用台座
51 第1曲面
52 第2曲面
6 導電性膜
61 導電性領域
71 第1レジスト層
71a 第1開口部
72 第2レジスト層
72a 第2開口部
73 第3レジスト層
73a 第3開口部
8 犠牲層
91 プローブ導電層
92 コンタクトチップ層
10 切削工具
100 プローブ装置
102 検査対象物
121 電極パッド
103 可動ステージ
104 駆動装置
105 筐体
106 メイン基板
161 外部端子
162 コネクタ
107 プローブ基板
108 連結部材
110 プローブカード

Claims (4)

  1. 絶縁性基板上に導電性材料を堆積させて犠牲層を形成した後、この犠牲層の表面を切削加工することによりプローブ形成用台座を形成する工程と、
    上記プローブ形成用台座上に、このプローブ形成用台座を形成する導電性材料と異なる導電性材料を電気めっきにより成長させてコンタクトプローブを形成する工程とを有することを特徴とするコンタクトプローブの製造方法。
  2. 上記プローブ形成用台座を形成する工程において、
    上記絶縁性基板上に上記犠牲層を形成するための開口部を有する犠牲層形成用のレジスト層を形成した後に、上記開口部内の上記絶縁性基板上に上記犠牲層を形成して、切削加工することにより上記プローブ形成用台座を形成し、
    上記コンタクトプローブを形成する工程において、
    上記犠牲層形成用のレジスト層が除去された後の上記プローブ形成用台座上に上記コンタクトプローブを形成することを特徴とする請求項1に記載のコンタクトプローブの製造方法。
  3. 上記コンタクトプローブを形成する工程において、片持ち梁構造を有するビーム部を備える上記コンタクトプローブを形成し、
    上記プローブ形成用台座を形成する工程において、
    上記犠牲層を切削加工することにより、上記ビーム部に湾曲部を形成するための曲面を有する上記プローブ形成用台座を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンタクトプローブの製造方法。
  4. 上記コンタクトプローブを形成する工程において、
    上記プローブ形成用台座上に、電気めっきにより導電層を形成し、この導電層の表面を切削加工することによりコンタクトプローブを形成することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のコンタクトプローブの製造方法。
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