JP2012036264A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、耐衝撃性に優れ、かつ表面硬度が高く、耐傷付き性が良好で、さらに成形時のリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体を提供する。
【解決手段】組成物に、質量平均分子量が15,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)40〜95質量%、芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)とメチルメタクリレート単位(b2)の質量%比(b1/b2)が5〜80/20〜95で、質量平均分子量が5,000〜30,000である(メタ)アクリレート共重合体(B)5〜60質量%からなる(A)と(B)の樹脂成分の合計100質量部と、リン系安定剤(C)0.001〜1質量部と、イオウ系酸化防止剤(D)0.001〜1質量部とを含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、透明性を維持しつつ表面硬度が良好であり、成形時のリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。
従来より、芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性などに優れ、しかも、得られる成形品は寸法安定性などにも優れることから、電気・電子機器のハウジング類、自動車用部品類、または、光ディスク関連の部品などの精密成形品類の製造用原料樹脂として広く使用されている。特に、家電機器、電子機器、画像表示機器の筐体などにおいては、その美麗な外観を活かし、商品価値の高い商品が得られる。
しかし、芳香族ポリカーボネート樹脂単独の成形品類は、金属製やガラス製などの製品類に比べると表面硬度が低いため、耐擦傷性に劣り、布で拭いたり、手荒に扱った場合は、表面に傷が付き易い欠点を有している。
これに対し、芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した製品の表面に、表面硬度の高い塗膜を形成する方法が提案され、膜材料としては、例えば、シリコン系樹脂やアクリル系樹脂のコーティング剤が知られているが、これらは、コーティング膜の密着性に問題があり、複雑な形状の製品にはコーティングが難しく、価格も高価であり、工業的な使用には制限がある。また、製品表面を塗装する方法も知られているが、この方法は、コーティングと同様に、製品形状によっては均一な塗膜を得ることが難しく、有機溶剤を使用するために、ポリカーボネート樹脂の溶剤劣化を招き易く、しかも、塗装膜厚が厚くないと、表面硬度の改良効果が低い。さらには、コーティング面や塗膜面のはがれにより、外観を損なう欠点がある。
また、ポリカーボネート樹脂に硬度の高い無機化合物を配合する方法も知られているが、この方法は、表面硬度の改良効果が僅かであり、しかも、無機化合物を添加した場合は、添加物の屈折率と芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率が異なるため、芳香族ポリカーボネート樹脂の大きな特徴である透明性が損なわれるという欠点がある。
一方、透明性および剛性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を得るため、芳香族ポリカーボネート樹脂に、ビフェニル化合物、ターフェニル化合物、ポリカプロラクトンの群から選ばれる化合物を添加する方法が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。しかし、この方法は、本発明者らの検討の結果によれば、高い耐擦傷性の要求を満足することが出来ず、上述の工業製品に利用するには未だ不十分である。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂に、メチルメタアクリレート等のアクリレートやABS樹脂を配合した耐擦傷性の組成物も多数提案されている。
例えば、特許文献4では、シアン化ビニル化合物−芳香族ビニル化合物共重合体とメチルメタアクリレートを配合することが記載されている。また、特許文献5には、ポリエステル樹脂とABS樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリメチルメタアクリレートからなる樹脂組成物が記載されている。また、特許文献6には、(メタ)アルキルアクリレート−芳香族ビニル−ポリカーボネート樹脂と反応性のあるビニルモノマーからなる共重合体を配合することが記載されている。さらに、特許文献7では、ABS樹脂等のゴム変性グラフト共重合体とポリメチルメタアクリレート等のビニルモノマー共重合体を配合することが提案されている。
しかしながら、これらの方法は、耐衝撃性、硬度、透明性の物性バランスが共に優れた樹脂組成物とは言いがたい。
特開平03−143950号公報 特開平05−257002号公報 特開2000−169695号公報 特開2001−49072号公報 特開2001−234040号公報 特開2008−56798号公報 WO2009/128601号公報
本発明は上述の課題に鑑みて創案されたもので、ポリカーボネート樹脂が本来有する高い耐熱性を損なうことなく、透明性を維持しつつ、表面硬度が高く、さらに成形時のリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
本発明の発明者は上記課題を解決するために、特定のアクリル系樹脂および特定の安定剤に注目し、鋭意検討した。
その結果、芳香族ポリカーボネート樹脂に、特定の(メタ)アクリル共重合体、イオウ系安定剤を含有させることで、耐熱性を損なうことなく、透明性を維持しつつ、表面硬度が高く、さらに成形時のリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の第1の発明によれば、質量平均分子量が15,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)40〜95質量%、芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)とメチルメタクリレート単位(b2)の質量%比(b1/b2)が5〜80/20〜95で、質量平均分子量が5,000〜30,000である(メタ)アクリレート共重合体(B)5〜60質量%、からなる(A)と(B)の樹脂成分の合計100質量部に対し、リン系安定剤(C)0.001〜1質量部、イオウ系酸化防止剤(D)0.01〜1質量部を含有することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明においてイオウ系安定剤(C)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明に係る樹脂組成物からなる成形品が提供される。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
[1.概要]
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、少なくとも、芳香族ポリカーボネート樹脂と、特定の(メタ)アクリレート共重合体と、リン系安定剤と、イオウ系酸化防止剤を含有する。また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。
このように、芳香族ポリカーボネート樹脂に特定の(メタ)アクリレート共重合体、リン系安定剤、およびイオウ系酸化防止剤を含有させることにより、耐衝撃性及び耐熱性のいずれも損なうことなく、透明性を維持しつつ、表面硬度を向上、すなわち耐傷付き性を向上させることができ、さらに成形時のリサイクル安定性を向上させることができる。
[2.芳香族ポリカーボネート樹脂]
本発明に使用される(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。また、溶融法を用いた場合には、末端基のOH基量を調整したポリカーボネート樹脂を使用することができる。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。また、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、上述した芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を、以下の分岐剤、即ち、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物や、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等の化合物で置換すればよい。これら置換する化合物の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、上述した中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が好ましい。また、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体であってもよい。更には、上述した芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価の芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、例えば、m−及びp−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
本発明に用いる(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は用途により任意であり、適宜選択して決定すればよいが、成形性、強度等の点から(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリカーボネート(PC)換算の質量平均分子量[Mw]で、15,000〜40,000、更には15,000〜30,000のものが好ましい。この様に、質量平均分子量を15,000以上とすることで機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、40,000以下とすることで流動性低下を、より抑制し改善する傾向にあり、成形加工性容易の観点からより好ましい。
質量平均分子量は中でも、17,000〜30,000、特に19,000〜27,000であることが好ましい。また質量平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよく、この際には、質量平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。この場合、混合物の質量平均分子量は上記範囲となるのが望ましい。
[3.(メタ)アクリレート共重合体]
本発明の(メタ)アクリレート共重合体(B)は、芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)とメチルメタクリレート単位(b2)とを含有する。尚、本発明において、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを示す。
芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)を構成する芳香族(メタ)アクリレートとは、エステル部分に芳香族基を有する(メタ)アクリレートのことを言う。芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、好ましくはフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートであり、より好ましくはフェニルメタクリレートである。芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)を有することで、芳香族ポリカーボネート樹脂と混合した成形体の透明性を向上させることができる。
メチルメタクリレート単位(b2)を構成する単量体は、メチルメタクリレートである。メチルメタクリレート単位(b2)は、ポリカーボネート系樹脂と良分散する効果を有し、成形体表面へ移行するため成形体の表面硬度を向上させることができる。
(メタ)アクリレート共重合体(B)は、芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)5〜80質量%及びメチルメタクリレート単位(b2)20〜95質量%を含有する(但し、(b1)と(b2)の合計は100質量%である)。(メタ)アクリレート共重合体(B)中の芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)の含有率が5質量%以上であれば、(メタ)アクリレート共重合体(B)の高添加領域において透明性が維持され、80質量%以下であれば、芳香族ポリカーボネートとの相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下しない。
また、(メタ)アクリレート共重合体(B)の高添加領域において、透明性を維持しつつ高い表面硬度を発現することから、(メタ)アクリレート共重合体(B)は、芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)20〜70質量%及びメチルメタクリレート単位(b2)30〜80質量%を含有することが好ましい。
(メタ)アクリレート共重合体(B)中の芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)の含有率が5質量%以上であれば、(メタ)アクリレート共重合体(B)の高添加領域において透明性が維持され、79.9質量%以下であれば、芳香族ポリカーボネートとの相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下しない。
(メタ)アクリレート共重合体(B)中のメチルメタクリレート単位(b2)の含有率が20質量%以上であれば、芳香族ポリカーボネートとの相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下せず、94.9質量%以下であれば、(メタ)アクリレート共重合体(B)の高添加領域において透明性が維持される。
表面硬度向上剤を得るための単量体の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の公知の方法を使用することができる。好ましくは懸濁重合法や塊状重合法であり、さらに好ましくは懸濁重合法である。また、重合に必要な添加剤等は必要に応じて適宜添加することができ、例えば、重合開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤が挙げられる。
(メタ)アクリレート共重合体(B)の質量平均分子量は、5,000〜30,000であり、10,000〜25,000が好ましく、13,000〜20,000が特に好ましいい。質量平均分子量が5,000〜30,000において、芳香族ポリカーボネートとの相溶性が良好であり、表面硬度の向上効果に優れる。なお、(メタ)アクリレート共重合体(B)の質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、溶媒としてクロロホルムやテトラヒドロフラン(THF)を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定を行うことができる。なお、分子量はポリスチレン(PS)換算の値である。
本発明において、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と、(メタ)アクリレート共重合体(B)との質量比は、(A)成分が40〜95質量%に対し、(B)成分が5〜60質量%である。好ましくは(A)成分50〜90質量%に対し、(B)成分が10〜50質量%であり、さらに好ましくは55〜85質量%に対し、(B)成分が15〜45質量%である。質量比がこの範囲にあることで、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、透明性を維持しつつ物性バランスを保ち、表面硬度を向上させることができる。
[4.リン系安定剤]
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、さらにリン系安定剤を含有する。リン系安定剤は一般的に、ポリカーボネート樹脂を溶融混練する際、高温下での滞留安定性や樹脂成形体使用時の耐熱安定性向上に有効である。
本発明に用いるリン系化合物としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも3価のリンを含み、変色抑制効果を発現しやすい点で、ホスファイト、ホスホナイト等の亜リン酸エステルが好ましい。
ホスファイトとしては、具体的には例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)テトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
また、ホスホナイトとしては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
また、アシッドホスフェートとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
亜リン酸エステルの中では、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、耐熱性が良好であることと加水分解しにくいという点で、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。
本発明に用いるリン系安定剤(C)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と(メタ)アクリレート共重合体(B)の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.003質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上であり、0.1質量部以下、好ましくは0.08質量部以下、より好ましくは0.06質量部以下である。リン系安定剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、熱安定効果が不十分となる可能性があり、リン系安定剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
[5.イオウ系酸化防止剤]
本発明の樹脂組成物はさらにイオウ系酸化防止剤(D)を含有する。イオウ系酸化防止剤を含有することで、成形時にリサイクル安定性を向上させることができる、すなわちリサイクル前後の色相変化が少ない成形品を得ることができる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などをあげることができる。上記のうち、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
本発明組成物中のイオウ系酸化防止剤(D)の含有量は、芳香族ポリカーボネート(A)100質量部に対し0.01〜1質量部である。含有量が0.01質量部より少ないと、リサイクル安定性が不十分であり、1質量部を越えて添加してもそれ以上の効果は得られない。イオウ系酸化防止剤の添加量は好ましくは0.02〜0.5質量部であり、より好ましくは0.03〜0.1質量部である。
[6.離型剤]
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望により離型剤を含有することができる。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。
なお、上述した離型剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
[7.ヒンダードフェノール系酸化防止剤]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望によってヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤を含有することで、色相劣化や、熱滞留時の機械物性の低下が抑制できる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、チバ社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、アデカ社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と(メタ)アクリレート共重合体(B)の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.0001質量部以上、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常3質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以下である。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
[8.紫外線吸収剤]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の耐候性を向上できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ701」、「シーソーブ705」、「シーソーブ703」、「シーソーブ702」、「シーソーブ704」、「シーソーブ709」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、アデカ社製「LA−32」、「LA−38」、「LA−36」、「LA−34」、「LA−31」、チバ・スペシャリティケミカルズ社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物の具体例としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−n−ドデシロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられ、このようなベンゾフェノン化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ100」、「シーソーブ101」、「シーソーブ101S」、「シーソーブ102」、「シーソーブ103」、共同薬品社製「バイオソーブ100」、「バイオソーブ110」、「バイオソーブ130」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ10」、「ケミソーブ11」、「ケミソーブ11S」、「ケミソーブ12」、「ケミソーブ13」、「ケミソーブ111」、BASF社製「ユビヌル400」、BASF社製「ユビヌルM−40」、BASF社製「ユビヌルMS−40」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV9」、「サイアソーブUV284」、「サイアソーブUV531」、「サイアソーブUV24」、アデカ社製「アデカスタブ1413」、「アデカスタブLA−51」等が挙げられる。
サリシレート化合物の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート等が挙げられ、このようなサリシレート化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ201」、「シーソーブ202」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ21」、「ケミソーブ22」等が挙げられる。
シアノアクリレート化合物の具体例としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられ、このようなシアノアクリレート化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ501」、共同薬品社製「バイオソーブ910」、第一化成社製「ユビソレーター300」、BASF社製「ユビヌルN−35」、「ユビヌルN−539」等が挙げられる。
オギザニリド化合物の具体例としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリニックアシッドビスアリニド等が挙げられ、このようなオキザリニド化合物としては、具体的には例えば、クラリアント社製「サンデュボアVSU」等が挙げられる。
マロン酸エステル化合物としては、2−(アルキリデン)マロン酸エステル類が好ましく、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類がより好ましい。このようなマロン酸エステル化合物としては、具体的には例えば、クラリアントジャパン社製「PR−25」、チバ・スペシャリティケミカルズ社製「B−CAP」等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と(メタ)アクリレート共重合体(B)の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、通常3質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.4質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、耐候性の改良効果が不十分となる可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こす可能性がある。なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[9.染顔料]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって染顔料を含有することが好ましい。染顔料を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の隠蔽性、耐候性を向上できるほか、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる成形体のデザイン性が向上する。
染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青などの珪酸塩系顔料;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青などのフェロシアン系顔料などが挙げられる。
有機顔料および有機染料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料;ニッケルアゾイエロー等のアゾ系染顔料;チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系などの縮合多環染顔料;アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料などが挙げられる。
これらの中では、熱安定性の点から、酸化チタン、カーボンブラック、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系化合物などが好ましい。
なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。また、染顔料は、押出時のハンドリング性改良、樹脂組成物中への分散性改良の目的のために、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂とマスターバッチ化されたものも用いてもよい。
染顔料の含有量は、必要な意匠性に応じて適宜選択すればよいが、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)と(メタ)アクリレート共重合体(B)の樹脂成分の合計100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、通常3質量部以下、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。染顔料の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、効果が十分に得られない可能性があり、染顔料の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こす可能性がある。なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[10.その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上述したもの以外にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
・・樹脂添加剤
樹脂添加剤としては、例えば、リン系・金属塩系・シリコン系の難燃剤、フルオロポリマー等の滴下防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、摺動性改質剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[11.ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、(メタ)アクリレート共重合体(B)、リン系安定剤(C)、イオウ系酸化防止剤(D)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
[12.成形体]
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体(樹脂組成物成形体)として用いる。この成形体の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
成形体の例を挙げると、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品が挙げられる。これらの中でも、特に電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品へ用いて好適であり、電気電子機器、照明機器の部品、シート部材に用いて特に好適である。
前記の電気電子機器としては、例えば、パソコン、ゲーム機、テレビ、カーナビ、電子ペーパーなどのディスプレイ装置、プリンター、コピー機、スキャナー、ファックス、電子手帳やPDA、電子式卓上計算機、電子辞書、カメラ、ビデオカメラ、携帯電話、電池パック、記録媒体のドライブや読み取り装置、マウス、テンキー、CDプレーヤー、MDプレーヤー、携帯ラジオ・オーディオプレーヤー等が挙げられる。なかでも、テレビ、パソコン、カーナビ、電子ペーパー等の筐体の意匠性部品等に好適に用いることができる。
前記の照明機器の部品としては、LED照明、EL照明等のカバー等に好適に用いることができる。
成形体の製造方法は、特に限定されず、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
得られた本発明の成形体は、上述したようにポリカーボネート樹脂の優れた性質を損なうことなく、透明性を維持しつつ、表面硬度が高い実用的な成形体として用いることが可能である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、以下の説明において「部」とは、特に断らない限り質量基準に基づく「質量部」を表す。
なお、実施例及び比較例で用いた測定・評価法は、以下のとおりである。
[1.芳香族ポリカーボネート樹脂の質量平均分子量(Mw)]
まず、標準ポリマーとしてポリスチレン(PS)を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件にて平均分子量の測定を行った。
装置;Waters社製Alliance
カラム;昭和電工製「Shodex K−805L」(2本)
検出器;UV検出器 254nm
溶離液;クロロホルム
次いで、GPC測定後、ユニバーサルキャリブレーション法により溶出時間とポリカーボネート(PC)の分子量の関係を求めて検量線とした。PCの溶出曲線(クロマトグラム)を検量線の場合と同一の条件で測定し、溶出時間(分子量)とその溶出時間のピーク面積(分子数)とから質量平均分子量を求めた。
質量平均分子量(Mw)は分子量Miの分子数をNiとすると
Mw=Σ(NiMi2)/Σ(NiMi)
で表される。
換算式としては以下の計算式を使用した。計算式中、MPCはPCの分子量、MPSは
PSの分子量を示す。計算式は、以下の極限粘度[η]と分子量Mの関係を表したMark−Houwinkの式から求めたものである。ただし、K、αの値は、PSの場合、K:1.11×10−4,α:0.725、PCの場合、K:3.89×10−4,α:0.700の値を使用した。
(換算式)
MPC=0.47822MPS1.01470
MPS=2.0689MPC0.98551
[η]=KMα
そして、ポリカーボネートの溶出曲線(クロマトグラム)を検量線の場合と同一の条件で測定し、溶出時間(分子量)とその溶出時間のピーク面積(分子数)とから芳香族ポリカーボネート樹脂の質量平均分子量を求めた。この値はポリカーボネート(PC)換算である。
[2.流動性評価]
後述の製造方法で得られたペレットを100℃で4時間以上乾燥した後、高荷式フローテスターを用いて、280℃、荷重160kgfの条件下で組成物の単位時間あたりの流出量Q値(単位:×10−2cc/sec)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。結果を表1〜表2に示す。なお、表中、「流動性」と表記する。
[3.耐衝撃性評価]
耐衝撃性(アイゾット衝撃強度)(単位:J/m):
ASTM D256に準拠して、後述の方法で成形した厚さ3.2mmのノッチ付き試験片について、23℃の温度でアイゾット衝撃強度(単位:J/m)を測定した。数値が大きいほど、耐衝撃性が優れていることを意味する。結果を表1〜表2に示す。なお、表中、「Izod」と表記する。
[4.耐熱性評価]
DTUL(荷重たわみ温度)(単位:℃):
後述の方法で成形したISO多目的試験片を用い、ISO75−1&2に従い、荷重1.80MPaの条件(A法)にて測定を行った。結果を表1〜表2に示す。なお、表中、「DTUL」と表記する。
[5.透明性評価]
Haze(ヘイズ値)(単位:%):
JIS K−7105に準じ、後述の平板状試験片(3mm厚)を試験片とし、日本電色工業(株)製のNDH−2000型ヘイズメーターでヘイズ値(単位「%」)を測定した。ヘイズ(Haze)は、樹脂の濁度の尺度として用いられる値であり、数値が小さい程、透明性が高いことを示し、好ましい。結果を表1〜表2に示す。なお、表中、「Haze」と表記する。
[6.初期色相評価]
初期YI値:
後述の平板状試験片(3mm厚)を試験片とし、JIS K−7105に準拠し、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、透過法によりYI値(Yellow Index)を測定した。YI値が小さいほど樹脂の黄変度合いが低いことを示し好ましい。結果を表1〜表2に示す。なお、表中、「初期YI」と表記する。
[7.表面硬度評価]
鉛筆硬度:
後述の方法で成形した3mm厚の平板試験片に、JIS K5400に準じ、5回の引掻き試験を行い硬度の評価を行った。結果表1〜表2に示す。なお、表中、「鉛筆硬度」と表記する。
[8.リサイクル成形後の色相評価]
リサイクル成形後の色相変化(△YI):
後述の製造方法で得られたペレットを100℃で5時間乾燥させた後、名機製作所製「M150AII−SJ」にて、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形した50×90×3mm厚の平板試験片(リサイクル前の平板)を得た。この260℃成形品を粉砕したペレット大の粉砕品を再度、同じ成形機で同じ条件(260℃)で成形(リサイクル1回目)し、さらに4回同様の操作を繰返し行って、50×90×3mm厚の平板試験片(リサイクル5回後の平板)を得た。リサイクル前の平板とリサイクル5回後の平板の色相を、JIS K−7105に準拠し、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、リサイクル成形前後の色相変化を透過法により測定した。結果を表1〜表2に示す。なお、表中。「△YI」と表記する。
(実施例1〜6、比較例1〜5)
[樹脂ペレット製造]
後述する各成分を、表1〜表2に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度260℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
[試験片の作製]
上述の製造方法で得られたペレットを100℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(名機製作所製「M150AII−SJ」)にて、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、アイゾット衝撃試験片、および50×90×3mm厚の平板試験片を作製した。
また、上述の製造方法で得られたペレットを100℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75T)にて、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片を作製し、DTUL(耐熱性)評価に用いた。
使用した使用材料は以下のとおりである。なお、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、(メタ)アクリレート共重合体(B)として使用した各材料の鉛筆硬度は、上記[7.表面硬度評価]と同様にして測定した。
[使用材料]
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂:
(A−1)三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「ユーピロン(登録商標)S−3000」、質量平均分子量 26,800、鉛筆硬度 2B
(A−2)三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「ユーピロン(登録商標)E−2000」、質量平均分子量 35,500、鉛筆硬度 2B
((A−1)および(A−2)の質量平均分子量はポリカーボネート換算の値である)
(B)(メタ)アクリレート共重合体:
温度計、窒素導入管、還流冷却管、及び攪拌装置を備えた加温可能な反応容器中に脱イオン水 200部、分散剤 0.3部、硫酸ナトリウム 0.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.3部、フェニルメタクリレート 33部、メチルメタクリレート 66部、メチルアクリレート 1部、n−オクチルメルカプタン 1.8部を仕込み、反応容器内を窒素で置換し、80℃に昇温した。4時間攪拌後、得られたビーズ状の重合体を水洗、乾燥し、(メタ)アクリレート共重合体を得た。鉛筆硬度は2Hであり、質量平均分子量は15,000であった。この質量平均分子量はクロロホルムを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定したポリスチレン(PS)換算の値である。
なお、分散剤として、カリウムメタクリレート70部、メチルメタクリレート30部を共重合した重合体、及びナトリウム2−スルホエチルメタクリレート65部、カリウムメタクリレート10部、メチルメタクリレート25部を共重合した重合体を質量比1:1で混合し、この混合した重合体の10%水溶液を用いた。
(C)リン系熱安定剤:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
アデカ社製、商品名「アデカスタブ2112」
(D)イオウ系酸化防止剤:
(D−1)ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)。
(D−2)ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート。
(E)アクリル樹脂:
ポリメチルメタクリレート
三菱レイヨン社製「アクリペットVH−001」、鉛筆硬度 2H、質量平均分子量60,000(ポリスチレン換算)。
Figure 2012036264
Figure 2012036264
実施例に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、透明性を維持しつつ表面硬度が良好であり、またリサイクル前後の色相変化も少なく、成形時のリサイクル安定性も良好であることがわかる。
一方比較例1では、本発明の(メタ)アクリレート共重合体を含有していないので、表面硬度が不十分であり、比較例2および3は、本発明の範囲の添加剤を含有していないため、リサイクル前後の色相変化が大きく熱安定性に劣る結果となった。
また比較例4は、芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が不十分なアクリル樹脂を含有しているので、表面硬度は良好であるが、不透明である。また、比較例5では、本発明の(メタ)アクリレート共重合体の含有量が多すぎるため、流動性が高すぎ、耐衝撃性が劣る。
本発明は産業上の幅広い分野に利用することが可能であり、例えば、電気電子機器やその部品、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器などの分野に用いて好適である。

Claims (3)

  1. 質量平均分子量が15,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)40〜95質量%、
    芳香族(メタ)アクリレート単位(b1)とメチルメタクリレート単位(b2)の質量比(b1/b2)が5〜80/20〜95で、質量平均分子量が5,000〜30,000である(メタ)アクリレート共重合体(B)5〜60質量%、
    からなる(A)と(B)の樹脂成分の合計100質量部に対し、
    リン系安定剤(C)0.001〜1質量部、
    イオウ系酸化防止剤(D)0.01〜1質量部
    を含有することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
  2. イオウ系酸化防止剤(D)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物からなる成形品。
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