JP2012036060A - スズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子及びその製造方法 - Google Patents

スズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光の波長領域のみならず、赤外光の波長領域において高透明性を示す導電膜を形成するための酸化インジウム系粒子を提供すること。
【解決手段】本発明のスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子は、Sn/Inのモル比が0.1〜0.3で、Sb/Inのモル比が0.03〜0.4である。この粒子は、インジウム塩及びスズ塩を含む水溶液にアルカリを添加し、次いでこの液に、アンチモン塩及び酸を含む水溶液を添加し、それによって生成した沈殿物を大気中で焼成して得られたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、スズ及びアンチモンがドープされた酸化インジウム粒子及びその製造方法に関する。本発明の酸化インジウム粒子は、例えば太陽電池用の透明電極の形成に好適に用いられる。
本出願人は先に、ドーパントとして酸化スズを含む酸化インジウム系粉末と、ドーパントとして酸化アンチモンを含む酸化スズ系粉末との混合物を焼成して得られる複合導電性粉末、及びこの複合導電性粉末を用いて形成された膜を提案した(特許文献1参照)。この複合導電性粉末から形成された膜は高透明性を有し、かつ導電性に優れているという利点を有する。また材料コストの高いインジウムの含量を低減させることができ、塗布法で用いても高透明性と高導電性とを両立させ得るという利点も有する。
ところで近年、化石燃料の燃焼に起因する大気中の二酸化炭素の濃度上昇の問題から、化石燃料の代替エネルギー源が種々検討されている。そのような代替エネルギー源の一つして、太陽電池を用いた発電がさかんに研究されている。太陽電池には透明電極が使用されているところ、該透明電極の透明性が太陽電池の発電効率に影響を及ぼす。発電効率を一層高めるためには、透明電極は、可視光に対する透明性のみならず、赤外光に対する透明性も高いことが有利である。上述した複合導電性粉末を用いて形成された透明電極は、可視光の波長領域においては高透明性を有するものの、赤外光の吸収率が高く赤外光の波長領域における透明性を高めることが容易ではなかった。
特開平7−335031号公報
本発明の目的は、前述した従来技術の酸化インジウム系粒子よりも、導電膜に形成したときの性能が一層向上した酸化インジウム系粒子及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、Sn/Inのモル比が0.1〜0.3で、Sb/Inのモル比が0.03〜0.4であり、
インジウム塩及びスズ塩を含む水溶液にアルカリを添加し、次いでこの液に、アンチモン塩及び酸を含む水溶液を添加し、それによって生成した沈殿物を大気中で焼成して得られたものであることを特徴とするスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子を提供するものである。
また本発明は、インジウム塩及びスズ塩を含む水溶液にアルカリを添加し、次いでこの液に、アンチモン塩及び酸を含む水溶液を添加し、それによって生成した沈殿物を大気中、300〜700℃で0.5〜3時間焼成することを特徴とするスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子の製造方法を提供するものである。
本発明のスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子によれば、これを用いて導電膜を形成すると、その導電膜は高い導電性を示しつつ、可視光の波長領域のみならず、赤外光の波長領域において高透明性を示すものとなる。
図1は、実施例1で得られたスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子の透過型電子顕微鏡像である。 図2は、実施例及び比較例で得られた酸化インジウム系粒子の可視光及び赤外光の波長領域での透過率を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子(以下「AITO粒子」とも言う。)は、酸化インジウム(In23)にスズ及びアンチモンがドープされてなるものである。本発明のAITO粒子は、これを原料として塗膜を形成した場合、該塗膜の透明性及び導電性が高いことによって特徴付けられる。特に可視光の波長領域のみならず赤外光の波長領域においても透明性が高いことによって特徴付けられる。
前記の特徴が発現するメカニズムについては未だ検討の余地があるところ、本発明者らの検討の結果、前記の特徴を有するAITOは、インジウム塩、スズ塩及びアンチモン塩を含む水溶液にアルカリを添加して生成した沈殿物を大気中、300〜700℃で0.5〜3時間焼成するプロセスによって得られることが判明した。このプロセスにおいて重要な点は、焼成を大気中で行う点にある。従来、透明導電膜を形成するために用いられる酸化インジウム系粒子の製造においては、インジウムを含む水酸化物やオキシ水酸化物を、水素等の還元雰囲気で焼成して酸化物となすことが常識的であった。高温還元雰囲気で焼成することで、酸化物から酸素を強制的に引き抜き、導電性を発現させる酸素欠損を生じさせるためである。これに対して、本発明者らは意外にも、大気中での焼成、換言すれば酸化性雰囲気での焼成によって、可視光の波長領域のみならず赤外光の波長領域においても透明性が高い導電膜を形成し得る酸化インジウム系粒子を得ることができることを知見したものである。
可視光の波長領域のみならず赤外光の波長領域においても透明性が高い導電膜を得るためには、AITO粒子において、Sn/Inのモル比が0.1〜0.3、好ましくは0.15〜0.2に設定されている必要がある。Sn/Inのモル比が0.1未満の場合には、高い透明性は得られるが、導電性が低下する。一方、Sn/Inのモル比が0.3を超えると、透明性及び導電性ともに低下する。AITO粒子におけるSn/Inのモル比は、例えば、AITO粒子を鉱酸に溶解し、その溶液中のスズとインジウムの含有量をICP分析法によって測定し、その量から算出することができる。
Sn/Inのモル比が前記の範囲内であることに加え、AITO粒子においては、Sb/Inのモル比が0.03〜0.4、好ましくは0.05〜0.2に設定されている必要がある。Sb/Inのモル比が0.03未満の場合には、赤外領域での透明性は高いが分散性が低下する。一方、Sb/Inのモル比が0.4を超えると導電性が悪化してしまう。Sb/Inのモル比は、Sn/Inのモル比と同様の方法で測定することができる。
Sn/Inのモル比及びSb/Inのモル比に加え、AITO粒子においては、Sb/Snのモル比が0.1〜2、特に0.2〜1.5であることが、赤外領域での透明性が高く、かつ分散性が良好となる点から好ましい。Sb/Snのモル比は、Sn/Inのモル比と同様の方法で測定することができる。
上述のSn/Inモル比及びSb/Inモル比を有するAITO粒子は、例えば後述する製造方法を採用することによって得ることができる。
本発明においてアンチモンを酸化インジウムにドープする理由は、それによって得られるAITO粒子の分散性が向上するからである。酸化インジウムに錫をドープしただけでは十分な分散性が図れず、膜を形成したときのヘイズを十分に低下させることができない(後述する実施例1及び比較例2参照)。
本発明のAITO粒子は、その粒径が、動的光散乱法による測定で、5〜50nm、特に10〜30nmであることが好ましい。粒径がこの範囲内であることによって、粒子の分散性が良好であり、かつ導電膜の透明性が良好になるという有利な効果が奏される。
AITO粒子の形状に特に制限はない。例えば球状、アメーバー状等の形状のAITO粒子を用いることができる。AITO粒子の形状は、後述するAITO粒子の製造方法において、各成分の濃度や反応時の温度等を適切に制御することによってコントロールすることができる。
本発明のAITO粒子は、好適には次の方法で製造される。インジウム源としては、例えば硝酸インジウム、塩化インジウム、硫酸インジウムのような水溶性インジウム化合物等のインジウム塩を用いることが好ましい。スズ源としては、例えば塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化スズ、硝酸スズ、酢酸スズ、硫酸スズのような水溶性スズ化合物等のスズ塩を用いることが好ましい。アンチモン源としては、例えば三塩化アンチモンのような水溶性アンチモン化合物等のアンチモン塩を用いることが好ましい。これらの各化合物は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記の水溶性インジウム化合物と水溶性スズ化合物を水に溶解して水溶液となす。水溶液中におけるインジウムイオンの濃度は0.05〜0.3mol/L、特に0.1〜0.25mol/Lに設定することが好ましい。一方、スズイオンの濃度は0.005〜0.02mol/L、特に0.01〜0.015mol/Lに設定することが好ましい。また、インジウムイオン及びスズイオンの濃度がこの範囲内であることを条件として、混合水溶液中におけるスズイオン/インジウムイオンのモル比は、0.1〜0.3、特に0.1〜0.2であることが、目的とするAITO粒子におけるSn/Inのモル比を上述した範囲内に容易に設定し得る点から好ましい。
次に、インジウム及びスズを含む水溶液に、アルカリ(塩基)を添加してインジウム及びスズの中和反応を行う。アルカリとしては、例えばアンモニアや、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を用いることができる。これらのアルカリは水溶液の状態で添加することが好ましい。アルカリの添加は、一括添加でも逐次添加でもよい。インジウム及びスズの中和反応を均一に行う観点からは、所定の時間にわたって逐次添加することが好ましい。添加の間、インジウム及びスズを含む水溶液のpHが2〜7、特に3〜5の範囲内に維持されるように、アルカリを添加することが好ましい。アルカリの添加の間、水溶液は常温のままでもよく、あるいは加熱によって所定温度に維持しておいてもよい。
アルカリの添加が完了したら、次にアンチモン化合物の水溶液を、インジウム及びスズを含む液に添加する。それに先立ち、インジウム及びスズを含む液を所定温度に加熱することが好ましい。この理由は、これらの元素を粒子の内部に取り込みやすくするためである。加熱温度は30〜70℃、特に40〜55℃とすることが好ましい。
アンチモン化合物の水溶液には、塩酸等の鉱酸を添加して該水溶液のpHを酸性側に設定することが好ましい。この理由はアンチモンの加水分解を防止するためである。好ましいpHの範囲は0.1〜2であり、更に好ましい範囲は0.5〜1である。
アンチモン化合物の添加量は、液中に含まれているインジウムの量に対して、モル比で、アンチモン/インジウム=0.03〜0.4、特に0.1〜0.2となるような量とすることが好ましい。また、液中に含まれているスズの量に対して、モル比で、アンチモン/スズ=0.1〜2、特に0.2〜1.5となるような量とすることが好ましい。アンチモン化合物の添加量をこのようにすることで、目的とする組成を有するAITO粒子を容易に得ることができる。
インジウム及びスズを含む液へのアンチモンの水溶液の添加は一括添加でもよく、あるいは逐次添加でもよい。反応を均一に行う観点からは、所定の時間にわたって逐次添加することが好ましい。アンチモンの水溶液の添加の間、インジウム及びスズを含む液は、先に述べた加熱温度に維持しておくことが好ましい。
以上の操作によって液中に、インジウム、スズ及びアンチモンを含む沈殿物が生成する。この沈殿物の生成が安定するまで、液をエージングすることが好ましい。エージングは例えば常温下に0.5〜5時間程度行えばよい。
生成した沈殿物は、主として、インジウム、スズ及びアンチモンを含む水酸化物若しくはオキシ水酸化物又はそれらの混合物であると考えられる。この沈殿物のTEM観察による粒径は、5〜50nm、特に10〜30nmであることが好ましい。粒径の制御は、例えば上述したアルカリの添加速度、アルカリが添加されたインジウム、スズ及びアンチモンを含む液のpH等によって達成される。
生成した沈殿物は、濾別及び洗浄される。洗浄には水又はデカン等の有機溶媒を用い、その導電率が好ましくは500μS、更に好ましくは300μS以下となるまで洗浄を行い、不純物を除去することが好ましい。洗浄が完了したら、凍結乾燥機等の非加熱の水分除去手段によって、沈殿物に含まれている水分を除去する。
水分が除去された沈殿物は、焼成工程に付される。焼成に付す前の沈殿物を粉砕して、所望の粒径に整えてもよい。粉砕には例えばフォースミル、ピンミルを用いることができる。沈殿物を粉砕した後に焼成を行う。本製造方法は、この焼成工程に特徴の一つを有するものである。具体的には、焼成工程を大気中のみで行う。これに対して、これまで知られている導電性酸化インジウム系粒子の製造方法においては、焼成工程は、還元雰囲気中のみで行われるか、又は還元雰囲気中と大気中を組み合わせて行われるかが通常であった。大気焼成のみを行うことで、可視光の波長領域のみならず赤外光の波長領域においても透明性が高い導電膜を形成し得る酸化インジウム系粒子を得ることができる。
大気焼成の条件は、温度を300〜700℃、好ましくは450〜650℃に設定する。焼成温度が300℃に満たないと、十分に焼成が進行せず、目的とするAITO粒子を得ることができない。一方、焼成温度が700℃を超えると、粒子間の焼結が過度に進行して、分散性が悪化することがある。焼成時間は、焼成温度が前記の範囲内であることを条件として、0.5〜3時間、好ましくは1〜2.5時間に設定する。焼成時間が0.5時間に満たないと、焼成温度を高めに設定したとしても、十分に焼成が進行せず、目的とするAITO粒子を得ることができない。焼成は、焼成炉内で静置状態を行うことができる。
このようにして目的とするAITO粒子が得られる。得られたAITO粒子は常法に従い、所望の粒径に粉砕してもよい。
このようにして得られたAITO粒子は、これを用い、厚さが1μm以下であり、含有量が30〜80重量%である膜を製造したときに、該膜における可視光の透過率が、波長400〜800nmにわたって85%以上、特に90%以上という高透過性を示す。これに加えて、該膜は、赤外線の透過率が、波長800〜2000nmにわたって80%以上、特に85%以上という高透過性を示す。
前記の膜の調製方法は次のとおりである。すなわち、AITO粒子とエチレングリコール等の分散媒とを混合し、メディアミル等を用いて分散処理を行い、分散液を得る。該分散液とZr系カップリング剤等のカップリング剤とを混合し、混合分散液を得る。そして、該混合分散液をガラス等の基板上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させることで、前記の膜を調製する。
本発明のAITO粒子は、これまで説明したとおり、可視光の波長領域のみならず赤外光の波長領域においても透明性が高い導電膜を形成し得るものなので、この特徴を活かして、例えば、太陽電池用の透明電極として好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
硝酸インジウム水溶液(310g/L)903.2mlと、35%塩化第二スズ水溶液186.1gを混合し、更に純水を加えて全量で14Lにした。この溶液に8%アンモニア水1.7Lを常温で60分かけて添加した(この液を、以下、「インジウム・スズ混合水溶液」という)。この間の液のpHは3.8であった。アンモニア水の添加終了後、液温を50℃に上げた。この液温を保持しつつ、33%三塩化アンチモン水溶液84.5gに36%HCl水溶液30mlを加え純水で全量を250mlに調整した液を、pHを4に保ちながら60分かけて添加した。添加終了後、50℃で1時間エージングを行った。このようにして得られたスラリーについて、デカンリパルプ洗浄を行った。リパルプ洗浄は、液の導電率が300μSになるまで繰り返した。洗浄後のスラリーを凍結乾燥機によって脱水処理を行った。この処理によって得られた乾燥粉を、フォースミルを用いて粉砕した後、焼成炉中で、大気雰囲気下に650℃で1時間静置焼成した。このようにして得られたAITO粒子を、ビーズミルを用いて粉砕した。得られたAITO粒子の粒径を、動的光散乱法(マイクロトラックUPA)で測定したところ、20nmであった。また、TEM観察による粒子の形状はアメーバー状であった。そのTEM像を図1に示す
〔実施例2〕
硝酸インジウム水溶液(310g/L)903.2mlと、35%塩化第二スズ水溶液232.6gを混合し、更に純水を加えて全量で14Lにした。この溶液に8%アンモニア水1.8Lを常温で60分かけて添加した。この間の液のpHは3.6であった。その後は、実施例1と同様の操作を行い、AITO粒子を得た。この粒子の粒径及び形状を実施例1と同様に測定・観察したところ、15nmのアメーバー状であった。
〔実施例3〕
33%三塩化アンチモン水溶液338.0gに36%HCl水溶液120mlを加え純水で全量を1000mlに調整した液を、実施例1で用いたインジウム・スズ混合水溶液と同様の水溶液に、pHを4に保ちながら60分かけて添加した。その後は、実施例1と同様の操作を行い、AITO粒子を得た。この粒子の粒径及び形状を実施例1と同様に測定・観察したところ、20nmのアメーバー状であった。
〔比較例1〕
本比較例では、AITO粒子を、還元焼成によって製造した。実施例1において、焼成条件として、大気雰囲気に代えて、1体積%の水素を含む窒素雰囲気を採用し、かつ450℃で1時間焼成した以外は実施例1と同様にしてAITO粒子を得た。この粒子の粒径及び形状を実施例1と同様に測定・観察したところ、25nmのアメーバー状であった。
〔比較例2〕
本比較例では、スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子を、大気焼成によって製造した。硝酸インジウム水溶液(310g/L)451.6mlと、35%塩化第二スズ水溶液93.1gを混合し、更に純水を加えて全量で14Lにした。この溶液に8%アンモニア水0.8Lを常温で30分かけて添加した。この間の液のpHは3.8であった。アンモニア水の添加終了後、常温で1時間エージングを行った。このようにして得られたスラリーについて、デカンリパルプ洗浄を行った。リパルプ洗浄は、液の導電率が300μSになるまで繰り返した。洗浄後のスラリーを凍結乾燥機によって脱水処理を行った。この処理によって得られた乾燥粉を、フォースミルを用いて粉砕した後、焼成炉中で、大気雰囲気下に650℃で1時間静置焼成した。このようにして得られたITO粒子を、ビーズミルを用いて粉砕した。得られたITO粒子の粒径及び形状を実施例1と同様に測定・観察したところ、15nmのアメーバー状であった。
〔比較例3〕
本比較例では、スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子を、還元焼成によって製造した。比較例2において、焼成条件として、大気雰囲気に代えて、1体積%の水素を含む窒素雰囲気を採用し、かつ450℃で1時間焼成した以外は比較例2と同様にしてITO粒子を得た。この粒子の粒径及び形状を実施例1と同様に測定・観察したところ、20nmのアメーバー状であった。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた粒子について、上述した方法でSn/Inのモル比及びSb/Inのモル比を測定した。また、以下の方法で製膜を行い、その膜の可視光及び赤外光の透過率を以下の方法で測定した。その結果を図1に示す。また、膜の表面抵抗及びヘイズを以下の方法で測定した。それらの結果を表1に示す。
〔膜の可視光及び赤外光の透過率〕
容積100mlのポリエチレン製ボトルに、AITO粒子又はITO粒子10gとエチレングリコール40gとを入れた。更に、ジルコニアビーズ(Φ0.1mm)300gを入れ、ペイントシェイカーを用いて3時間分散処理を行った。得られた分散液を、加圧濾過器を使用して、0.2μmのメンブランフィルターを通過させた。得られたスラリー1gとZr系カップリング剤(ZB−125)0.2gを、自転・公転ミキサー(シンキー社製の「あわとり錬太郎」)を用いて60秒間混合しインクを得た。このインクを、スピンコーター(ミカサ社製IH−D7)を用いてガラス基盤(OA−10)に塗布し成膜を行った。この膜を120℃の乾燥機中で1時間乾燥させて、導電性薄膜を得た。この薄膜の膜厚を電子顕微鏡で観察したところ0.4μmであった。この薄膜を日本電色工業社の光線透過率測定装置NDH−1001DPを用いて全光線透過率を測定した。
〔膜の表面抵抗〕
前記の透過率を測定した膜について、四探針抵抗測定機(三菱化学製ロレスタGP)を用いて表面抵抗を測定した。
〔膜のヘイズ〕
前記の透過率を測定した膜について、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製 濁度計NDH2000)を用いて、そのヘイズ(曇り)を測定した。
表1に示す結果から明らかなように、実施例1ないし3で得られたAITO粒子を用いて得られた膜は、低抵抗及び低ヘイズを有しつつ、可視光から赤外光の波長領域にわたって透明性が高いことが判る。これに対して還元焼成によって得られたAITO粒子及びITO粒子(比較例1及び3)は、赤外光の波長領域で大きな吸収が観察されることが判る。また、大気焼成は行ったものの、アンチモンを含んでいない比較例2のITO粒子は、可視光から赤外光の波長領域にわたって透明性が高いものであるが、分散性が高くないことに起因して、ヘイズが高くなってしまうことが判る。

Claims (4)

  1. Sn/Inのモル比が0.1〜0.3で、Sb/Inのモル比が0.03〜0.4であり、
    インジウム塩及びスズ塩を含む水溶液にアルカリを添加し、次いでこの液に、アンチモン塩及び酸を含む水溶液を添加し、それによって生成した沈殿物を大気中で焼成して得られたものであることを特徴とするスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子。
  2. 前記粒子を用い、厚さが1μm以下で、含有量が30〜80重量%である膜を製造したとき、該膜における赤外線の透過率が、波長800〜2000nmにわたって80%以上であることを特徴とするスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子を含む膜。
  3. 前記膜の可視光の透過率が、波長400〜800nmにわたって85%以上である請求項2記載のスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子を含む膜。
  4. インジウム塩及びスズ塩を含む水溶液にアルカリを添加し、次いでこの液に、アンチモン塩及び酸を含む水溶液を添加し、それによって生成した沈殿物を大気中、300〜700℃で0.5〜3時間焼成することを特徴とするスズ・アンチモンドープ酸化インジウム粒子の製造方法。
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