JP2012035575A - インクジェット記録装置、そのインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、そのインクジェット記録装置の制御方法 Download PDF

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祥之 本田
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稔 勅使川原
Makoto Torigoe
真 鳥越
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Hitoaki Murayama
仁昭 村山
Susumu Hirozawa
進 廣澤
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豊 狩野
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健太郎 室
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Abstract

【課題】記録装置の性能を損なうことなく、記録ヘッドの昇温を防ぐための記録ヘッドとインクタンクの間をインク循環を行う構成を備えたインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッドとインクタンクとの間で各色のインクを循環させる循環手段とを備えたインクジェット記録装置であって、循環手段によるインクの循環量を段階的に変化させて、各循環量に対応する当該インクの吐出速度を測定し、測定された吐出速度と前記インクの循環量とを対応づけた速度循環量対応テーブルを複数色のインク分、生成する。生成された速度循環量対応テーブルそれぞれにおいて、予め定められた基準となる吐出速度に最も近い吐出速度に対応する循環量を特定する。特定された循環量で、記録ヘッドとインクタンクとの間で各色のインクを循環させるように循環手段を制御する。
【選択図】図9

Description

本発明は、記録ヘッドの昇温を防ぐ構成を備えたインクジェット記録装置、そのインクジェット記録装置の制御方法に関する。
近年、市場からの更なる高画質化と高速化の要求を実現するために、記録ヘッド及びインクジェット記録装置(以下、記録装置ともいう)は、多色化、高密度、小ドロップ化、多ノズル化が進められている。その結果、普通紙に対するWebやテキストの印刷の他、特殊媒体に印刷することで銀円写真と比べても遜色のない写真画像をユーザに提供することができるインクジェット記録装置が実現されている。一方、レーザービームプリンタなみに印刷速度を上げたビジネスユース、産業向けのインクジェット記録装置も実現され始めている。
そのようなビジネスユースや産業向けのインクジェット記録装置は、印刷速度を上げるため、記録ヘッドのノズルを長尺にしているものやノズルチップを連結させたフルラインタイプの記録ヘッドを搭載している場合が多い。また、印刷速度を上げるために、ノズルから吐出される単位時間当りの排出インク量を増加させる必要がある。そのために、記録ヘッドに補充するインク量を追従して多くできるように構成し、排出インク量を保証する。しかしながら、ノズルから吐出される単位時間当りの排出インク量が増加すると、記録ヘッドにおいて急激な昇温が発生してしまう。記録ヘッドにおける一定温度以上の昇温は、記録ヘッドの寿命低下やノズルから吐出されるインク量変動を招き、出力画像の画質を低下させてしまう。
このようなインクの補充構成と記録ヘッドの急激な昇温防止とを両立させるために、特許文献1では、インクタンクと記録ヘッドとの間でインクを循環させるインク循環供給の構成について記載されている。特許文献1の記載によると、記録ヘッドの外側で貯蔵されたインクタンクよりインク経路を通じて充分なインク供給を実現することができると記載されている。更に、記録ヘッドからインクを吐出する際に発生する記録ヘッドに残ってしまう残熱を記録ヘッドから排出するために、記録ヘッド内のインクをインクタンクに戻すように循環させる経路構成とされている。更に、特許文献1には、インク循環経路内において循環しているインク温度を検知し、その検知結果に応じて、記録ヘッドとインクタンクを繋げる循環経路内のインク循環量を可変に制御することが記載されている。
特開2008−23806号公報
特許文献1においては、記録ヘッドとインクタンクとを分離し、その間を接続した環状経路によってインク循環を行うように構成されている。その構成において、循環経路内のインク温度の検出結果に基づいてインク循環量を可変に制御して、インク温度を一定範囲内に制御している。
しかしながら、複数色が印刷可能なインクジェット記録装置においては、1つのインク色に対して、記録ヘッド、インクタンク、インク循環経路が1組必要となり、例えば4色であれば、4組分のインク循環構成が必要となってしまう。
例えば、そのような4色印刷が可能なインクジェット記録装置において、インク循環経路内のインク温度を30℃として、4つのインクセットで印刷耐久試験を実施した。その結果、記録装置本体内に特定色の多量のインク付着が観察され、記録装置内の搬送部品に付着したインクが記録用紙にも付着し転写汚れの原因となる等の現象が発生し、記録装置の耐久性能が著しく劣化してしまうことが分かった。
この現象の原因解析のために、上記4色のインクについて記録ヘッドから吐出される記録媒体に着弾する大きなインク滴(主滴)の吐出速度と、記録媒体に着弾しない微小インク滴(ミスト)について調査した。その結果、記録装置内に付着した色と同じ色のインクの主滴の吐出速度が他の3色に比べて約20%以上速いことが分かった。また、吐出時間が一定条件下で発生しているミスト体積(=ミスト粒子径×ミストカウント数)が約30%以上大きくなっていることが分かった。また、その1色のインクの粘度がインク温度30℃の条件において、他のインクに比べて約20%程度低く、表面張力が10%程度高いことも分かった。
以上の結果より、記録装置の耐久性能の劣化の原因は、同じインク温度条件下(30℃)においてこの該当の1色のインク物性(粘度、表面張力)が他のインクと異なり、その結果、吐出速度が大きくなってミスト発生量が増加していると想定される。
上記の試験とは別に、同じインクジェット記録装置において、インク循環経路内のインク温度を30℃として、4つのインクセットで印刷耐久試験を実施した。その結果、あるインクを吐出する記録ヘッドにおいて、一定時間休止後に行うインク吐出が不安定になり、画像不良率が上がってしまうことが分かった。
この現象の原因解析のために、上記の同様に、4色のインクについて記録ヘッドから吐出される記録媒体に着弾する大きなインク滴(主滴)の吐出速度と、記録媒体に着弾しない微小インク滴(ミスト)について調査した。その結果、一定時間休止後に行うインク吐出が不安定になったインクと同じ色のインクの主滴の吐出速度が他の3色に比べて約20%以上遅いことが分かった。また、その1色のインクの粘度がインク温度30℃の条件において他のインクに比べて約20%程度高いことも分かった。
つまり、ヘッド昇温を防ぐためにインク循環経路のインク温度に基づきインク循環量を制御するように構成しても、一定温度条件下において特定色のインクの物性が異なってしまうので、インク差による吐出速度に差が生じてしまう。その結果、吐出速度に依存してミスト発生量にも差が発生して記録装置の耐久性能の劣化の原因となったり、一定時間休止後に行うインク吐出が不安定になって画像不良率が上がってしまう。
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。本発明は、記録装置の性能を損なうことなく、記録ヘッドの昇温を防ぐための記録ヘッドとインクタンクの間をインク循環を行う構成を備えたインクジェット記録装置、そのインクジェット記録装置の制御方法を提供することを目的とする。
そこで、上記の点に鑑み、本発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドと、前記記録ヘッドに複数色のインクを供給するインクタンクと、前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間で各色のインクを循環させる循環手段とを備えたインクジェット記録装置であって、前記循環手段によるインクの循環量を段階的に変化させて、各循環量に対応する当該インクの吐出速度を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された吐出速度と前記インクの循環量とを対応づけた速度循環量対応テーブルを前記複数色のインク分、生成する生成手段と、前記生成手段により生成された速度循環量対応テーブルそれぞれにおいて、予め定められた基準となる吐出速度に最も近い吐出速度に対応する循環量を色ごとに特定する特定手段と、前記特定手段により特定された循環量で、前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間で各色のインクを循環させるように前記循環手段を制御する制御手段とを備える。
本発明によると、記録装置の性能を損なうことなく、記録ヘッドの昇温を防ぐことができる。
インクジェット記録装置の記録ヘッドの構成の一例を示す図である。 図1に示す記録ヘッドの断面を示す図である。 ベース基板を中心とした記録ヘッドの斜視図を示す図である。 ヘッド液室部材を中心とした記録ヘッドの断面を示す図である。 インクジェット記録装置の供給系全般の概略を示す図である。 液体温調装置の構成を示す図である。 各色インクについて、循環量と吐出速度との関係について示す図である。 記録ヘッドのノズル吐出口でのメニスカス位置の変化を示す図である。 実施例1におけるインクジェット記録装置の制御方法の手順を示す図である。 本実施例における他の制御方法の手順を示す図である。 インク滴の吐出速度の検出を説明するための図である。 各色インクについて、罫線間距離を読み取った結果を示す図である。 インク粘度とインク循環量との関係と、インク温度の変化に応じて循環量を選択するためのテーブルを示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
[実施例1]
<記録ヘッド部分の構成説明>
本実施例におけるインクジェット記録装置で用いられる記録ヘッド部について説明する。記録ヘッド部はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の複数色(本実施例では4色)の記録ヘッドで構成されている。それぞれの記録ヘッドの構成は同一であり、図1は、記録ヘッドの構成の一例を示す図である。記録ヘッド103は、図1に示すように、シリコンで形成された有効吐出幅が約1インチの長さを持つ8枚のチップ(素子基板)101が、支持部材であるベース基板118に千鳥状に接着されている。その両端部にある電極部では、図2に示すフレキシブル配線基板106とワイヤボンディングにより電気的に接続されている。チップ101には、チップ温度を計測する温度センサが取り付けられている(不図示)。記録ヘッド103は、有効吐出幅が約8インチの長さを有しており、A4の記録紙の短辺方向の長さとほぼ一致した長さで、A4の記録用紙縦送りで1パスにより連続印刷が可能な長さの液体噴射ヘッドである。各色ごとに同じ液体噴射ヘッドを有し、フルカラー印刷が可能な液体噴射記録装置を構成している。なお、図1には、本実施例の記録ヘッドとしてチップが千鳥状に配置されたものが示されているが、このような千鳥構成に限定されるものではない。また、後述するフローチャートの説明は、図1に示すような記録紙の短辺方向の長さとほぼ一致したいわゆるフルラインヘッドの構成に限定されるものではない。図1に示す記録ヘッドは、本インクジェット記録装置内部のCPU(不図示)によって制御される。
実際の記録動作は、チップ101の中央付近の表面側に液体を吐出するための吐出口102が複数開口しており、各吐出口102から吐出される液体の液滴によって記録を行う。チップ101上には、各々の吐出口102に対応して吐出エネルギ発生素子として不図示の発熱素子(電気熱変換素子または加熱ヒータ)が形成されている。発熱素子は、通電加熱して液体を発泡させ、その運動エネルギで液体を吐出口102から吐出させる。
図2は、図1に示す記録ヘッド103の断面を示す図である。チップ101の背面側には、図2に示すように、フィルタ支持部材150を介してフィルタ部材151が取り付けられている。フィルタ部材151は、吐出口102を通過できず、塞いでしまうような大きさの粒径を持った異物を通過させないよう、ステンレスの極細線を編みこんだものである。本実施例では、直径10μm以上の異物が通過しないような目をもったフィルタ部材を用いている。この、フィルタ支持部材150とフィルタ部材151は全てのチップ101に対して同じものが取り付けられている。フィルタ部材151は、一つのチップ101で、全吐出ノズルが液吐出動作を行うような場合の最大の液体流量に対し、大きな圧力損失を生じないように十分の面積を有している。フィルタ部材151の面積が小さく、最大液体流量のときにフィルタ部材151での圧力損失が大きくなる場合には、吐出口102に十分な量の液体が供給されないこととなり、一回の吐出での液体と吐出量が減少し、印刷時の濃度低下や不吐出が生じる。
図3は、図1に示すベース基板118を中心とした斜視図を示す図である。図3に示すように、ベース基板118にスリット状開口部が設けられ、1つのチップ101に対して1対1に対応し、液体を保持するための共通液室110が形成されている。図5に示すように共通液室110は、吐出口列の長さと略等しい長さで開口し、チップ101にはその背面側の共通液室110内の液体を表面側に供給するためのテーパ状のスリット104がある。共通液室110に隣接して、ベース基板111に対してチップ101と反対側にフィルタ支持部材150とフィルタ部材151が存在し、ベース基板111とともに共通液室110を形成している。ベース基板111のフィルタ接着側には、各チップに対応して接着されたフィルタ部材151全てを覆い、ヘッド液室109を形成するヘッド液室部材112が接着されている。
図4は、図2に示すヘッド液室部材112を中心とした記録ヘッド103の断面図である。図4に示すように、ヘッド液室部材112のほぼ両端には、ヘッド液室109と連通するように設けられたインク流入口113とインク流出口114が設けられている。また、インクタンクと記録ヘッド103との間がチューブで接続され、印刷用液体の流入流出が可能なように構成されている。ヘッド液室部材112の両端部には、図1で示すように固定用穴108が設けられており、装置本体に固定可能になっている。
ヘッド液室109内で、インク流入口113からインク流出口114の間、フィルタが設けられていないため、インク流入口113から流入した印刷用の液体は、圧力損失なくインク流出口114へと流れることが可能である。液体を吐出することによって消費される液体は、ヘッド液室109から、各チップ101に対応したフィルタ部材151を通過して、共通液室110、スリット104を経由して、各吐出口102へと供給される。
次に、インク供給系の全体構成について、図5、図6を用いて説明する。図5は、供給系全般の概略図を示す図である。ポンプ200によってメインタンク161からサブタンク201にインクがくみ上げられる。ポンプ202により、サブタンクからインクがインク流入口113に流され、記録ヘッド103のヘッド液室109を矢印の向きにインクが流れる。なお、ポンプ203とポンプ202の強弱具合によってヘッド液室109を所望の負圧状態に保つことで吐出口102からのインク垂れを防ぐ。インク流出口114から出たインクは、記録ヘッド103の吐出動作により発生した熱を奪って昇温した状態で、チューブを介して液体温調装置133に入る。液体温調装置133は、図6に示すような構成で、インク流出口114から流れてくるインクが液体流入口144に流入し、インクに対し耐性の高いステンレスできた管状のインク経路140を通過し、液体流出口145から出て行くような構成になっている。図6に示すように、インク経路140は温調装置134により一定の温度に保たれている液体の中に浸されている。つまり、インク経路140も一定の温度に保たれているため、温調装置134により設定されている温度Xよりも低い温度のインクがインク経路140を通った場合にはインク温度はXまで温められる。また、温度Xよりも高い温度のインクがインク経路140を通った場合にはインク温度はXまで冷却される。温度の熱交換が十分になされるようにインク経路140は、らせん状の形状をしており経路長さを長くした構成となっている。ここでは、設定温度Xは、30℃とする。
このようにインク流出口114から出た昇温されたインクを液体温調装置133により冷却し、再びサブタンク201に戻してインク流入口113に流す循環機構を設けることでインク昇温を抑え一定の温度30℃に保つ構成となっている。
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色印刷可能な上述した記録ヘッドとインク循環構成を備えたインクジェット記録装置において、インク循環経路内のインク温度を30℃と設定する。また、ある4つのインクセットで印刷耐久試験を実施したところ、記録装置本体内にシアン(C)の多量のインク付着が観察され、記録装置内の搬送部品に付着したインクが搬送する記録用紙にも、転写汚れとして影響してしまう等の現象が発生した。このような現象は、プリンタ耐久性能を著しく劣化させる原因となってしまう。更に、マゼンタ(M)インクでは一定時間休止後に行うインク吐出が不安定になり、画像不良率が上がってしまった。
このような現象の原因解析のために、上記4種類のインクについてインク循環経路におけるインク温度が30℃になる場合のポンプの駆動周波数を600pps、インク循環量を70[ml/min]とした。各場合の、吐出後、記録媒体へ着弾する大きなインク滴(主滴)の吐出速度と主滴以外の記録媒体へ着弾しないミスト(微小滴)発生量と一定時間休止後の吐出安定性についての調査と、インク温度30℃のときのインク物性(粘度、表面張力)の調査を行った。その調査結果を、図7(a)に示す。
記録装置内に付着したシアン(C)インクについては、インク主滴の吐出速度がイエロー(Y)、ブラック(K)インクに比べて約20%以上速く、またミスト発生量についても吐出時間一定条件下において約30%以上多くなっていることが分かった。また、シアン(C)インクの粘度が上述したインク循環経路におけるインク温度30℃の条件において、イエロー(Y)、ブラック(K)インクに比べて約20%程度低く、表面張力が10%程度高いことも分かった。
一方、一定時間休止後に行うインク吐出が不安定となったマゼンタ(M)インクではミスト発生量は少ないが吐出速度がイエロー(Y)、ブラック(K)インクに比べて約20%以上遅いことが分かった。また、インクの粘度が上述したインク循環経路におけるインク温度30℃の条件において、イエロー(Y)、ブラック(K)インクに比べて約25%程度高いことも分かった。
インクジェット記録装置の分野においてインク物性とミスト発生のメカニズムは、定性的にではあるが、低粘度でかつ高表面張力であるほど、吐出時のインク滴形成の過程でミストになりやすい傾向がある。また、吐出速度が増加すると、インク滴の滴形成においてインク尾引きが長くなるために、ミスト発生量が増加する傾向がある。しかしながら、インク循環量と吐出量、吐出速度、及びミスト発生量の相関関係については、明確でなかった。
そこで次にミスト発生の多かったシアンインクについて、記録ヘッドに印加する電圧とパルス幅については同じ条件でインク循環量だけを変えて、主滴の吐出量、吐出速度とミスト発生量について調べた。その結果は、図7(b)に示すように、インク循環量が0[ml/min]のときの吐出速度は18.0[m/sec]であるのに対して、インク循環量が増加するにつれて吐出速度も速くなっているのが分かる。また、ミストの発生量についても、インク循環量と吐出速度の関係と同様に、インク循環量が増加するにつれてミスト発生量も増加していることが分かる。例えば、インク循環量が0[ml/min]のときの発生量を1とした場合に、インク循環量が120[ml/min]では1.2倍までミスト発生量は増加している。しかしながら、インク循環量を変えた場合の吐出量変化については、インク循環量が増加しても変化は少なくほぼ一定であった。ただし、吐出量についてはインク温度の変化に対して線形的な変化をするため、インク循環量を変化させた場合の吐出量変化の値には30℃の補正を実施している。
液体から気体へ変化する際に発生する圧力でインク滴を飛翔・吐出させるタイプのインクジェット記録装置においては、記録ヘッドのヒータへの印加電圧を上げる、駆動パルス幅を長くする等で投入エネルギを変化させる。その場合のインク吐出量と吐出速度の関係は、投入エネルギを増加させればインク吐出量も吐出速度も増え、反対に、投入エネルギを低減させればインク吐出量も吐出速度も同様に減少する。この特徴を使ったインク吐出量制御として、駆動電圧制御やPWM制御が公知の技術として知られている。
そのような技術からも、今回行った記録ヘッドに印加する電圧とパルス幅について同じ条件で、インク循環量だけを変えた場合に起こる「インク循環量が多くなるとインク滴の吐出速度が上がる」という傾向は、他の物理現象に起因していると考えられる。
そこで、次にインク循環量を変化させた場合において、記録ヘッドのノズル吐出口でのメニスカス位置について顕微鏡を使用して観察検討を行った。その様子を、図8に模式的に表し、記録ヘッド直下において正面からノズルの吐出口301に張ったメニスカス位置を点線で表し、吐出面からの距離について顕微鏡300で、矢印で示した観察方向から計測した。
インク循環を停止させて循環量0[ml/min]とした場合、吐出口に張ったインクメニスカスの深さは吐出口から点線で示したAの位置(約1.0μm)であった。一方、インク循環量を増加に伴いメニスカス位置が深くなり、120[ml/min]では、Bの位置(約2.5μm)までメニスカス位置が後退していることが分かった。今回検討を行ったインクジェット記録装置では、インク循環を行うポンプには減圧方式のポンプを採用しており、インク循環量を増加させると記録ヘッドの吐出口に対して負圧が発生するために吐出口に張ったインクのメニスカスが後退していると考えられる。
更に、記録ヘッドのノズル吐出口に張ったメニスカス位置と吐出速度の関係を調べる為、記録ヘッドノズルの吐出口に対してインクタンクの高さを変えて水頭圧差を発生させた状態で、吐出量と吐出速度を調べる検討を行った。
水頭差0[mmaqa]のときに、ノズルの吐出口からのメニスカス位置が約1.0μmであり、このときのインク滴の吐出量は3.0[ng]で吐出速度は18.0[m/sec]となった。一方、水頭差500[mmaqa]のときに、吐出口からのメニスカス位置が約2.5μmであり、このときのインク滴の吐出量は3.0[ng]で吐出速度は21.0[m/sec]となった。つまり、記録ヘッドのノズル吐出口に張ったインクメニスカスの位置の約1.0〜2.5μmの範囲における深さ変化は、吐出量には大きく影響しないが吐出速度に対しては大きく影響し、メニスカス位置が後退するとインク吐出速度が大きくなることが分かる。
上述のようにインク循環量が変わると、記録ヘッドのノズル吐出口に対して掛かる圧力に変化が発生し、吐出口に張ったインクメニスカス位置が変化し、吐出されたインク滴の吐出速度が増減することが分かった。また、ミスト発生量は、ほぼ一義的に吐出速度に依存していると考えられる。
一方、マゼンタインクについても、記録ヘッドに印加する電圧とパルス幅について同じ条件で、インク循環量だけを変えて主滴の吐出量、吐出速度とミスト発生量、及び一定時間休止後(6.0sec間の吐出休止)に行うインク吐出安定性について調べた。その結果は、図7(c)に示すように、インク循環量が0[ml/min]のときの吐出速度は10.8[m/sec]であるのに対して、インク循環量が増加するにつれて吐出速度も速くなっているのが分かる。また、休止時間6.0sec後のインク吐出安定性についてもインク循環量が90[ml/min]から良化している。
しかしながら、インク循環量を変えた場合の吐出量変化については、インク循環量が増加しても変化は少なくほぼ一定であり、ミスト発生量についても増減なく少ないままであった。ただし、吐出量についてはインク温度の変化に対して線形的な変化をするため、インク循環量を変化させた場合の吐出量変化の値には30℃の補正を実施している。この結果から、インク循環量を増やすと吐出速度が上がるため、吐出速度に依存してインク吐出安定性が良くなるということが分かった。
従って、本実施例においては、どのインク色でも概してインク滴の吐出速度を13.0<V<20.0[m/sec]となる範囲で制御する。その結果、吐出速度が大きすぎる場合に生じるミストの発生や、吐出速度が小さすぎる場合に生じる一定時間休止後に吐出が不安定となる問題を防ぐことができる。
本実施例においては、記録ヘッドとインクタンクとを分離して、その間を接続した環状経路でインク循環を行うインク循環構成を備えたインクジェット記録装置において、インク滴の吐出速度に応じて、インク循環量を制御する。以下、図9を参照しながら、記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出速度を検出してインク循環量を決定する構成及びフローチャートについて説明する。以下の説明においては、インク循環量を多段階ステップで段階的に設定可能なインクジェット記録装置を例に挙げる。
まず、S1において、本インクジェット記録装置のCPUは、インク循環量ステップを最小に設定し、各色それぞれでインク循環を行う。次に、S2において、CPUは、各インク色について、記録ヘッドの駆動条件を設定する。S3において、CPUは、予め記録媒体に記録された、搬送方向に垂直な基準罫線が記録ヘッドの対象とするノズルの直下に搬送されたタイミングで、そのノズルからインク滴を吐出する。つまり、S3においては、その吐出されたインク滴により、予め記録媒体に記録された基準罫線と同じパターンの罫線が記録されることになる。
S4において、CPUは、インク循環量ステップが最大であるか否かを判定する。ここで、インク循環量ステップが最大でないと判定された場合にはS5に進み、CPUは、インク循環量を1ステップ分大きく設定する。その後、再度、S3において罫線パターンを記録し、インク循環量ステップが最大になるまでS3〜S5の処理を繰返す。
一方、S4においてインク循環量ステップが最大であると判定された場合には、S6に進む。S6においては、CPUは、罫線パターンが記録された記録媒体がインクジェット記録装置本体に設置されたスキャナ部に搬送され、スキャナ部において、罫線パターンと基準罫線との間の罫線間距離を読み取る。
図11は、S3において記録された罫線パターン(テストパターン)と基準罫線との間の罫線間距離からのインク滴の吐出速度の測定を説明するための図である。例えば、記録ヘッドの対象のノズル直下に基準罫線が搬送されたタイミングでインク滴を吐出した場合、記録媒体の搬送速度が25[inch/sec]であり、記録ヘッドと記録媒体との間の距離が1.5[mm]と固定されているとする。その場合に、基準罫線と記録された罫線パターンとの間の罫線間距離が63.5[μm]と検出されると、インク滴の吐出速度は、15.0[m/sec]と求められる。記録媒体に着弾したインク滴の吐出速度が遅いほど、罫線間距離は広がる。また、本実施例においては、罫線パターンを用いてインク滴の吐出速度を求める場合を説明しているが、同様の検出が可能であれば、別のパターンが用いられても良い。
次に、S7において、CPUは、インクジェット記録装置本体に予め記憶された基準となる罫線間距離に対して、各インク循環量ステップにおいて読み取られた罫線間距離のうち、最も近い距離のインク循環量ステップを特定する。S8において、CPUは、S7において特定されたインク循環量ステップをインクジェット記録装置本体に設定して、その値でインク循環を実行する。図9に示す処理は、複数色のインク分、実行される。
上述した構成及びフローチャートは、インクジェット記録装置の初期動作時や記録ヘッド交換時、インクタンク交換時などにおいて実行すれば良い。その結果、それ以後の記録装置における印刷動作時のミスト発生の抑制や、一定時間休止後のインク吐出安定性を保証することができる。
次に、図7(a)に示す4色のインク色で図9に示すフローチャートを用いて、各インク色のインク滴の吐出速度によって変わる罫線間距離からインク循環量を選択した場合について説明する。
4色の記録ヘッドそれぞれにおいて、インク循環量ステップを50、70、90、115[ml/min]と4段階持つ場合を例にあげる。図9のS1において、最小のインク循環量である50[ml/min](ポンプ駆動周波数300pps)でインク循環を行う。S2において、各インク色の記録ヘッドに対して、それぞれの最適な記録ヘッドの駆動条件を設定する。S3において、各インク色それぞれで予め印刷された基準罫線が記録ヘッドの対象となるノズル直下に搬送されたタイミングで、インク滴を吐出して罫線パターンを印刷する。S4とS5において、各インク色のインク循環量を上げていき、4段階全てで罫線パターンを印刷する。S6において、スキャナにより、各インク循環量ステップにおいて罫線パターンと基準罫線との間の罫線間距離を読み取り、図12に示すようなテーブルを生成する。図12は、罫線間距離を読み取った結果を示す速度循環量対応テーブルの一例を示す図である。
S7において、インクジェット記録装置本体に予め記憶された基準となる罫線間距離に対して、各インク循環量ステップにおいて読み取られた罫線間距離のうち、最も近い距離のインク循環量ステップを特定する。本例においては、基準となる罫線間距離としてインクジェット記録装置本体に予め57.7[μm]が記憶されている。この値は、基準罫線が記録ヘッドの対象となるノズル直下に搬送されたタイミングにおいて、記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出速度が16.5[m/sec]の場合で、かつ、特定の条件下で罫線パターンを印刷した場合の罫線間距離である。ここで、特定の条件とは、記録媒体の搬送速度が25[inch/sec]で記録ヘッドと記録媒体との間の距離が1.5[mm]という条件である。また、16.5[m/sec]は、13.0<V<20.0[m/sec]の範囲の中心値を表す。
図12に示すように、S7においては、各インク色のインク循環量において、シアン(C)は50[ml/min]、マゼンタ(M)は115[ml/min]、イエロー(Y)とブラック(K)は90[ml/min]が特定される。S8において、S7で特定された各インク色のインク循環量をインクジェット記録装置本体内に記憶し、以後の印刷は次回に本フローチャートを実行するタイミングまで、記憶されたインク循環量でインク循環を実行する。
従来、インク循環経路におけるインク温度だけでインク循環量を制御していた場合に、シアンインク滴の吐出速度が速すぎるためにミスト発生量が多くなり、マゼンタインク滴の吐出速度が遅すぎるために一定時間休止後の吐出が不安定となっていた。本実施例においては、インクの吐出速度でインク循環量を制御することにより、上記の課題が解決されることができる。
図10は、本実施例の他の一例を示すフローチャートである。図10においては、予め特定のインク色においてインク循環量を固定し、そのインク循環量に対応する吐出速度に対して、他のインク色のインク循環量を特定して、インク色間の吐出速度を揃える。
まず、S1において、本インクジェット記録装置のCPUは、予め吐出速度が最も安定しているインク色を基準インク色とする。その基準インク色について、固定されたインク循環量によりインク循環を行う。ここで、予め吐出速度が最も安定しているインク色とは、例えば、図7(a)においてミスト発生量も少なく、発一特性も安定しているイエローやブラックインクである。それらのインク色でのインク循環量を固定値(図10では70[ml/min])として、インク循環を行う。S2において、CPUは、基準インク色の記録ヘッドの最適な駆動条件を設定する。
S3において、CPUは、基準インク色について、罫線パターンを印刷する。罫線パターンについては、図9のフローチャートで説明した罫線パターンと同じで良い。S4においてCPUは、基準インク色の罫線パターンが印刷された記録媒体は、インクジェット記録装置本体に設置されたスキャナ部に搬送されて、そのスキャナ部により、罫線パターンと基準罫線との間の罫線間距離の読み取りが行なわれる。S5において、CPUは、S4で読み取られた基準インク色の罫線間距離の値をインクジェット記録装置本体の記憶部に格納する。
S6において、CPUは、他のインク色について、最小のインク循環量でインク循環を行う。S7において、CPUは、各インク色の記録ヘッドの最適な駆動条件を設定する。S8において、CPUは、各インク色について、罫線パターンを印刷する。S9において、CPUは、インク循環量ステップが最大であるか否かを判定する。ここで、インク循環量ステップが最大でないと判定された場合には、S10において、CPUは、インク循環量ステップをカウントUPして、1ステップ分大きく設定する。そして、再度S8において、罫線パターンを印刷する。インク循環量ステップが最大になるまで、S8〜S10の処理を繰り返す。
一方、S9において、インク循環量ステップが最大であると判定された場合には、S11において、CPUは、罫線パターンを印刷した記録媒体はインクジェット記録装置本体に設置されたスキャナ部に搬送される。そのスキャナ部により、罫線パターンと基準罫線との間の罫線間距離の読み取りが行わなれる。
S12において、CPUは、S5において記憶された基準インク色の罫線間距離に対して、その他のインク色について各インク循環量ステップにおける罫線間距離のうち、最も近い距離のインク循環量ステップを特定する。S12で特定されたインク循環量をインクジェット記録装置本体に設定して、インク循環を実行する。
本実施例において、インク滴の吐出速度の他の検出方法として、一定時間内に記録ヘッドから吐出されるインク滴の移動距離を直接カメラにて計測するストロボ方法などを用いても良い。
本実施例においては、インク滴の吐出速度によりインク循環量を制御することで、従来一定のインク循環量の条件下で発生していたインク滴の吐出速度の差を抑制することが可能となる。従って、異なるインク色で共通のインク循環量を用いた場合に発生していたインク滴の吐出速度が大きすぎることによるミストの発生や、インク滴の吐出速度が小さすぎることが原因となる一定時間休止後のインク滴の吐出の不安定さを防止することができる。その結果、インク滴の吐出速度に応じてインク循環量を制御することで、記録ヘッドの昇温に起因した記録ヘッドの寿命低下や画像品質劣化だけでなく、特に産業用用途として必要度の高い高耐久性能も実現したインクジェット記録装置を提供することができる。
[実施例2]
本実施例として、インク色による吐出速度差を考慮して、予めインク色によってインク循環量を異ならせる例について説明する。
実施例1で使用した4色のインクの物性値(粘度、表面張力)は、図7(a)で示すようにインク温度30℃の条件下で、イエロー、ブラックインクの粘度は2.00[cp]であり、表面張力は30.0[dyne/N]である。また、マゼンタインクの粘度は2.50[cp]であり、表面張力は30.0[dyne/N]である。また、シアンインクの粘度は1.65[cp]であり、表面張力は33.0[dyne/N]である。吐出速度が総じて速く、ミスト発生量が多いシアンインクは、イエロー、ブラックに比べて粘度が約20%程度低く、表面張力が10%程度高い。反対に、吐出速度が総じて遅く、一定時間休止後の吐出が不安定となるマゼンタインクは、イエロー、ブラックに比べて粘度が約20%程度高い。
上述の例のように、インクジェット記録装置の分野においてインク物性とミスト発生のメカニズムは、定性的にではあるが、低粘度でかつ高表面張力である程、吐出時のインク滴形成の過程でミストを発生させやすい傾向がある。更に、吐出速度の増加は、インク滴の滴形成においてインク尾引きが長くなるために、ミスト量を増加させてしまう傾向がある。反対に、粘度が高いインクは、インク滴を飛翔させる為にヒータに印加するエネルギーを一定とした場合に、ヒータ直上の前方抵抗が大きくなるため、吐出速度は総じて遅くなる。このため、一定時間休止後の吐出が不安定となる現象は定性的であるが粘度の高いインクほど顕著になる傾向がある。
本実施例においては、ある一定のインク循環量とインク温度条件下で、インク物性(特に粘度)によって発生するインク色間の吐出速度差について、各インク色でインク滴の吐出速度を所望の範囲に入るように、予めインク循環量を最適化する。その結果、吐出速度が速すぎるために発生するミスト量増加を抑制し、吐出速度が遅すぎるために発生する一定時間休止後の吐出が不安定な現象を抑制することができる。
例えば、図7(a)に示す4色のインクセットにおいて、実施例1で説明したように、4色の吐出速度を13.0<V<20.0[m/sec]の範囲に制御するために、インク温度30℃でのインク粘度とインク循環量との関係を図13(a)に示す。最も粘度の大きいマゼンタインクについて、インク循環量を115[ml/min]と設定する。また、最も粘度の小さいシアンインクについて、インク循環量を50[ml/min]と設定する。また、イエローインクとブラックインクについて、インク循環量を90[ml/min]と設定する。上記のように予めインク循環量を設定してインク循環を実行する。
インク温度が変化した場合には、その変化に従って、インク粘度も変化する。インクの粘度−温度特性については、低温になるとインク粘度は大きくなり、高温になるとインク粘度は小さくなる。インク温度22.5〜40.0℃の範囲でのインク循環量を選択するためのテーブルを図13(b)に示す(温度循環量対応テーブルの一例)。図13(b)に示すように、図13(a)に示すインク温度30℃のときの各インクのインク循環量に対して、インク温度22.5〜27.5℃の場合は、各色インク循環量を1段階下げて制御する。反対に、インク温度35.0〜40.0℃の場合は、各色インク循環量を1段階上げて制御する。
従って、インク温度が22.5〜40.0℃まで変動しても、それぞれのインク温度で各色のインク循環量を制御するので(循環量制御の一例)、4色のインクについての吐出速度を13.0<V<20.0[m/sec]となる範囲に制御することができる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (6)

  1. 記録ヘッドと、前記記録ヘッドに複数色のインクを供給するインクタンクと、前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間で各色のインクを循環させる循環手段とを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記循環手段によるインクの循環量を段階的に変化させて、各循環量に対応する当該インクの吐出速度を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された吐出速度と前記インクの循環量とを対応づけた速度循環量対応テーブルを前記複数色のインク分、生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された速度循環量対応テーブルそれぞれにおいて、予め定められた基準となる吐出速度に最も近い吐出速度に対応する循環量を色ごとに特定する特定手段と、
    前記特定手段により特定された循環量で、前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間で各色のインクを循環させるように前記循環手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記基準となる吐出速度は、シアンインクが前記記録ヘッドの吐出口から吐出された後、記録媒体に着弾する主滴以外の前記記録媒体に着弾しない微小滴が発生しない吐出速度であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記循環手段は、ポンプであり、
    前記ポンプにより前記循環量を変化させると、前記記録ヘッドの吐出口におけるインクのメニスカスが変化して前記吐出速度が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記循環手段により循環するインクの温度を検出する検出手段と、
    前記インクの温度と前記循環量とを予め対応づけた前記複数色のインク分の温度循環量対応テーブルと、
    前記制御手段による制御の後、前記温度循環量対応テーブルに従って、前記検出手段により検出されたインクの温度に対応する前記循環量で、前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間で各色のインクを循環させるように前記循環手段を制御する循環量制御手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッドが複数並べられてフルラインヘッドを構成していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 記録ヘッドと前記記録ヘッドに複数色のインクを供給するインクタンクとを備え、前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間で各色のインクを循環させる循環手段を備えたインクジェット記録装置において実行されるインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記インクジェット記録装置の測定手段が、前記循環手段によるインクの循環量を段階的に変化させて、各循環量に対応する当該インクの吐出速度を測定する測定工程と、
    前記インクジェット記録装置の生成手段が、前記測定工程において測定された吐出速度と前記インクの循環量とを対応づけた速度循環量対応テーブルを前記複数色のインク分、生成する生成工程と、
    前記インクジェット記録装置の特定手段が、前記生成工程において生成された速度循環量対応テーブルそれぞれにおいて、予め定められた基準となる吐出速度に最も近い吐出速度に対応する循環量を色ごとに特定する特定工程と、
    前記インクジェット記録装置の制御手段が、前記特定工程において特定された循環量で、前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間で各色のインクを循環させるように前記循環手段を制御する制御工程と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016049738A (ja) * 2014-09-01 2016-04-11 東芝テック株式会社 インク循環装置

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