JP2012034894A - 裏面材、及びシートクッションの製造方法 - Google Patents

裏面材、及びシートクッションの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シートクッション用成形型の型内面にセットした際に、型内面から浮き難い裏面材を提供する。
【解決手段】裏面材100は、シートクッションの背もたれ部の裏面に一体化される背部布110と、シートクッションのヘッドレスト部の凹部の内面に一体化され、下方に開口するとともに頂辺が円弧状に形成される袋状の頭部布120とを備える。頭部布120の先端部分は、凹部の前方側の内面形状に合わせて形成される頭前面部121と、凹部の後方側の内面形状に合わせて形成される頭後面部122とからなり、頭後面部122は、3つに分割された状態で頭前面部121の円弧状の頂辺から3方向に延出された第1頭部分割片122a〜cを、頂辺に沿って折り返すとともに互いを縫い合わせて形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートや家具用シートに用いられるシートクッション用の裏面材、及びその裏面材を用いたシートクッションの製造方法に関する。
従来、車両用シートに用いられるシートクッションとして、背もたれ部と、該背もたれ部の上部に一体に成形されたヘッドレスト部とがポリウレタン等の発泡樹脂により一体に成形された、いわゆるハイバック型のシートクッションが知られている(たとえば、特許文献1及び2参照)。図4に示すように、ハイバック型のシートクッション1の裏側には、シートフレームを組み付けるための構成として、ヘッドレスト部2の裏面側に下方に開口する凹部2aが形成されるとともに、背もたれ部3の肩口に対応する部位から側部にかけて裏面側から内向きに張り出したフランジ状の張り出し部3aが形成されている。また、シートクッション1の裏面側には、フェルト、粗毛布、不織布等を素材とする裏面材4が一体に裏打ちされている。この裏面材4は、シートクッションの樹脂部分と、組み付けられるシートフレームとの間に介在されることで樹脂部分とシートフレームとの接触を規制して、樹脂部分とシートフレームとが摩擦することにより生じる異音の発生を防止する。
一般に、ハイバック型のシートクッションは次のようにして製造されている。まず、シートクッション1の背もたれ部3の裏面、及びヘッドレスト部2の凹部2aの前方側の内面の形状に合わせて形成される主布4aと、ヘッドレスト部2の凹部2aの後方側の内面、及び張り出し部3aの内面の形状に合わせて形成される副布4bとを作成する(図5(a)参照)。そして、主布4aと副布4bとを重ね合わせるとともに、その外周部分を縫製することにより、下方に開口する袋状部分を上部に有する裏面材4を作成する(図5(b)参照)。次に、図6(a)に示すように、シートクッション用成形型Bの型内面に裏面材4をセットした後、成形型のキャビティ内に発泡樹脂Aを注入し、発泡させることによって、裏面材4が裏打ちされたシートクッション1が一体成形される。
特開2000−325180号公報 特開2008−194238号公報
ところで、主布4aと副布4bとを重ね合わせ、その外周部分を縫製して裏面材4を作成する場合、図5(b)に示すように、縫製ライン5の外側には必ず縫製代6が形成される。図6(b)に示すように、裏面材4は縫製後、裏返して成形型の型内面にセットされるが、このとき、裏面材4の外周に縫製代6が形成されていると、縫製代6と型内面とが干渉して型内面から裏面材4が浮いた状態になる。そのため、ヘッドレスト部の先端部分のような他の部位と比較して樹脂部分が薄肉に形成される部位では、型内面から裏面材4が浮くことにより、発泡樹脂Aの流路がより一層狭められてしまい、発泡時に発泡樹脂Aがスムーズに流動し難くなるという問題があった。そして、発泡樹脂Aの流動が過度に妨げられると、図6(c)に示すように、流路を狭める原因である裏面材4の縫製代6の近傍に内部ボイド7が形成されてしまい、シートクッションの品質が大きく低下する。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートクッション用成形型の型内面にセットした際に、型内面から浮き難い裏面材を提供することにある。また、内部ボイドの形成を抑制することのできるシートクッションの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の裏面材は、背もたれ部と、該背もたれ部の上部に一体に成形されたヘッドレスト部とを備え、前記ヘッドレスト部の裏面側で下方に開口する凹部を有するシートクッションに一体化されて用いられる裏面材であって、前記背もたれ部の裏面に一体化される背部布と、前記ヘッドレスト部の前記凹部の内面に一体化され、下方に開口するとともに頂辺が弧状に形成される袋状の頭部布とを備え、前記頭部布の先端部分は、前記凹部の前方側の内面形状に合わせて形成される前面部と、前記凹部の後方側の内面形状に合わせて形成される後面部とからなり、前記後面部は、3以上の複数に分割された状態で前記前面部の弧状の頂辺から複数方向に延出された分割片を、前記頂辺に沿って折り返すとともに互いを縫い合わせて形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、前面部の頂辺から延出される複数の分割片を同頂辺に沿って折り返すとともに、これらを互いに縫い合わせることにより、袋状の頭部布の先端部分を形成している。このように構成することで、後面部を形成する分割片同士を縫製する縫製ライン、及び分割片と前面部とを縫製する縫製ラインは全て頭部布の頂辺以外の部位に位置するようになるため、頂辺に沿って縫製を行う必要はなく、頭部布の頂辺に縫製代が形成されない。よって、シートクッション用成形型の型内面に裏面材をセットした際に、型内面と裏面材の頭部布の頂辺とを密着させることが可能になり、型内面からの裏面材の頭部布先端の浮きを抑制することができる。なお、頭部布の後面部を形成する分割片を3以上の複数片から構成することにより、頭部布の頂辺の弧形状を綺麗に形成することができる。
請求項2に記載の裏面材は、請求項1に記載の発明において、前記後面部における前記分割片同士を縫い合わせて形成される縫製ラインは、前記シートクッションの前記ヘッドレスト部の頂辺に対応する側から前記凹部の開口に対応する側へ向かう方向に延びている。
図6(a)に示すように、シートクッションの成形時において、発泡樹脂はシートクッションの背もたれ部側からヘッドレスト部側へと流動し、ヘッドレスト部の凹部を迂回するようにして前面側から後面側へと流動する。よって、ヘッドレスト部の後面側の下端部分が発泡樹脂の最終到達地点Cとなる。ここで、分割片同士を縫い合わせた縫製ラインが、ヘッドレスト部の頂辺側から凹部の開口側へ向かう方向に延びるように形成されていると、発泡樹脂が最終到達地点であるヘッドレスト部の後面側の下端部へと流れやすくなる。つまり、縫製ラインには縫製代が存在するために他の部位よりも型内面に対し突出した部分が形成される。そのため、発泡時に発泡樹脂が縫製ラインに接触すると、発泡樹脂は流動抵抗を受けつつ縫製ラインに沿って流れやすくなる。よって、分割片同士を縫い合わせた縫製ラインが上記の方向に延びるように形成されていると、ヘッドレスト部の先端を通過してきた発泡樹脂は、最終到達地点であるヘッドレスト部の後面側の下端部へと延びる上記縫製ラインに沿って同下端部へとスムーズに流れるようになる。
請求項3に記載のシートクッションの製造方法は、裏面材が一体化されたシートクッションの製造方法であって、シートクッション用成形型内に、請求項1又は請求項2に記載の裏面材をセットした状態でキャビティ内に発泡樹脂を注入して発泡させることを特徴とする。上記構成によれば、シートクッション用成形型の型内面に裏面材をセットした際に、型内面と裏面材の頂辺とを密着させることができるため、薄肉に形成されるヘッドレスト部の先端部分において、発泡樹脂の所定の流路幅を確保することができる。よって、発泡時において発泡樹脂の流れが妨げられることが抑制されて、シートクッションに内部ボイドが形成されることを抑制できる。
本発明の裏面材によれば、シートクッション用成形型の型内面にセットした際に、型内面から浮き難くなる。また、本発明のシートクッションの製造方法によれば、裏面材のセット時における型内面からの裏面材の浮きを抑制することにより、内部ボイドの形成を抑制できる。
(a)は第1実施形態の裏面材の展開図、(b)は第1実施形態の裏面材の形成途中を示す図、(c)は第1実施形態の裏面材の完成状態を示す図。 (a)は第2実施形態の裏面材の展開図、(b)は第2実施形態の裏面材の形成途中を示す図、(c)は第2実施形態の裏面材の完成状態を示す図。 (a)は第3実施形態の裏面材の展開図、(b)は第3実施形態の裏面材の形成途中を示す図、(c)は第3実施形態の裏面材の完成状態を示す図。 (a)はハイバック型シートクッションの部分断面図、(b)はハイバック型シートクッションの後面図。 (a)は従来の裏面材の分解図、(b)は従来の裏面材の完成状態を示す図。 (a)はシートクッション用成形型の断面図、(b)はヘッドレスト部先端の拡大図、(c)は発泡樹脂を充填した後のヘッドレスト部先端の拡大図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明の裏面材が一体化されるシートクッションについて説明する。図4に示すように、シートクッション1は着座者の背部を支持する背もたれ部3と、着座者の頭部を支持するヘッドレスト部2とを備え、背もたれ部3の上部にヘッドレスト部2が一体に形成された、いわゆるハイバッグ型のシートクッションである。そして、ヘッドレスト部2の裏面側には、下方に開口する凹部2aが形成されている。凹部2aが形成されたヘッドレスト部2の内側面は、先端側に向かうほど対向する内側面間の距離が狭まるような凹曲面状に形成されている。また、背もたれ部3の裏面側には、肩口に対応する部位から側部にかけて内向きに張り出したフランジ状の張り出し部3aが形成されている。なお、ヘッドレスト部2の先端は他の部位と比較して肉厚が薄くなっている。
[第1実施形態]
以下、第1実施形態の裏面材100について説明する。本実施形態の裏面材100は、上記形状のシートクッション1における背もたれ部3の裏面及び張り出し部3aの内面、並びにヘッドレスト部2の凹部2aの内面に一体化される(図4(a)参照)。この裏面材100の素材は、例えばフェルト、粗毛布、不織布等である。
図1(c)に示すように、裏面材100は、シートクッション1の背もたれ部3に一体化される背部布110と、ヘッドレスト部2に一体化される頭部布120とを備えている。背部布110は、背もたれ部3の裏面を覆うための背前面部111と、背もたれ部3に設けられる張り出し部3aの内面を覆うための背後面部112とからなる。そして、肩口に対応する部位から側部にかけて、背前面部111と背後面部112とが断面U字状に接続された二層部分が形成されている。一方、頭部布120は、ヘッドレスト部2の凹部2aの前方側の内面を覆うための頭前面部121と、凹部2aの後方側の内面を覆うための頭後面部122とからなり、全体として下方に開口する袋状に形成されている。また、頭部布120の頂辺は、凹部2aの先端形状に合わせて円弧状に形成されている。
こうした裏面材100は、図1(a)に示す形状の1枚の布材101を折り曲げ、縫製することにより形成される。布材101は、背前面部111と頭前面部121とからなるベース部分を備え、このベース部分の周縁に対して、背後面部112及び頭後面部122を分割した複数の分割片が一体に延出形成されている。詳述すると、頭後面部122の先端部分を頭前面部121の円弧状の頂辺に沿って3分割した第1頭部分割片122a〜cが、同頂辺から、頭前面部121の上下方向上側、頭前面部121の幅方向左側、及び同右側の3方向に向かってそれぞれ延出形成されている。そして、背後面部112を左右に2分割した背部分割片112a、112bが、背前面部111の両側辺から、背前面部111の幅方向左側及び同右側に向かってそれぞれ延出形成されている。また、各背部分割片112a、112bの上部には、頭後面部122の開口側(下端側)を形成する第2頭部分割片122d、122eがさらにそれぞれ延出形成されている。
次に、図1(a)に示す布材101から図1(c)に示す裏面材100を縫製する方法について説明する。まず、図1(b)に示すように、頭前面部121の頂辺に沿って、各第1頭部分割片122a〜cを折り返す。その際、シートクッション1に裏面材100を一体化させたときに外部に露出する側の面を外側とするように折り返す。図1(a)に示す布材101では、紙面奥側の面が、上記外部に露出する側の面となっている。そして、左端に位置する第1頭部分割片122a及び右端に位置する第1頭部分割片122cと頭前面部121とを縫製ライン131に沿って縫製するとともに、第1頭部分割片122a〜c同士の重なり部分を縫製ライン132に沿って縫製する。
なお、本実施形態では、第1頭部分割片122a〜c同士の重なり部分を縫製する縫製ライン132が、上下方向(頂辺側から凹部の開口側へ向かう方向)に延びるように、各第1頭部分割片122a〜cの分割形状が設定されている。具体的には、各第1頭部分割片122a〜cを、基端から先端まで所定幅をもった形状とするとともに、隣り合う第1頭部分割片122a〜c同士の重なり部分が上下方向に延びるように形成している。
続いて、図1(c)に示すように、背前面部111の両側辺に沿って各背部分割片112a、112bを図面手前側に折り返す。その際、第1頭部分割片122a〜cと同様に、各背部分割片112a、112bについても、シートクッション1に裏面材100を一体化させたときに外部に露出する側の面を外側とするように折り返す。そして、各背部分割片112a、112bと背前面部111とを縫製ライン133に沿って縫製するとともに、背部分割片112a、112b同士の重なり部分を縫製ライン134に沿って縫製する。また、各背部分割片112a、112bから延出形成される第2頭部分割片122d、122eについても、第2頭部分割片122d、122eと頭前面部121とを縫製ライン135に沿って縫製するとともに、第2頭部分割片122d、122e同士の重なり部分を縫製ライン134に沿って縫製する。さらに、第2頭部分割片122d、122eと第1頭部分割片122a〜cとの重なり部分を縫製ライン136に沿って縫製する。
このように、布材101を折り曲げ、縫製することにより、下方に開口する袋状の頭部布120を備え、背部布110の肩口に対応する部位から側部にかけて、断面U字状に接続された二層部分が設けられた裏面材100が得られる。こうして縫製された裏面材100は、縫製代が内側に位置するように裏返した状態とされて、図6(a)に示すシートクッション用成形型Bの型内面にセットされる。このとき、裏面材100の袋状をなす頭部布120の頂辺部分には縫製代が存在しないため、頭部布120の頂辺部分とシートクッション用成形型Bの型内面とが隙間なく密着した状態となる。そして、シートクッション用成形型Bのキャビティ内に発泡樹脂Aを注入するとともに、これを発泡させることにより、裏面材100が一体化されたシートクッション1が成形される。こうして形成されたシートクッション1は、車両用シートや家具用シート等に用いられる。
次に本実施形態における作用効果について、以下に記載する。
(1)裏面材100は、シートクッション1の背もたれ部3の裏面に一体化される背部布110と、シートクッション1のヘッドレスト部2の凹部2aの内面に一体化され、下方に開口するとともに頂辺が円弧状に形成される袋状の頭部布120とを備える。頭部布120の先端部分は、凹部2aの前方側の内面形状に合わせて形成される頭前面部121と、凹部2aの後方側の内面形状に合わせて形成される頭後面部122とからなり、頭後面部122の先端部分は、3つに分割された状態で頭前面部121の円弧状の頂辺から3方向に延出された第1頭部分割片122a〜cを、頂辺に沿って折り返すとともに互いを縫い合わせて形成されている。
上記構成によれば、頭後面部122の先端部分を形成する第1頭部分割片122a〜c同士の縫製部分(縫製ライン132)、及び第1頭部分割片122a〜cと頭前面部121との縫製部分(縫製ライン131)は全て頭部布120の頂辺以外の部位に位置するようになるため、頂辺に沿って縫製を行う必要はなく、頭部布120の頂辺に縫製代が形成されない。よって、シートクッション用成形型Bの型内面に裏面材100をセットした際に、型内面と裏面材100の頭部布120の頂辺とを密着させることが可能になり、型内面からの裏面材100の頭部布120先端の浮きを抑制することができる。
(2)第1頭部分割片122a〜c同士、及び第2頭部分割片122d、122e同士を縫い合わせて形成される縫製ライン132、134が、シートクッション1のヘッドレスト部2の頂辺に対応する側から凹部2aの開口に対応する側へ向かう方向に延びている。
シートクッション1の成形時において、発泡樹脂Aはシートクッション1の背もたれ部3側からヘッドレスト部2側へと流動し、ヘッドレスト部2の凹部2aを迂回するようにして前面側から後面側へと流動する。よって、ヘッドレスト部2の後面側の下端部分が発泡樹脂Aの最終到達地点Cとなる。ここで、分割片同士を縫い合わせた縫製ラインが、ヘッドレスト部2の頂辺側から凹部2aの開口側へ向かう方向に延びるように形成されていると、発泡樹脂Aは同縫製ラインにより指向性を与えられ、最終到達地点Cであるヘッドレスト部の後面側の下端部へと流れやすくなる。つまり、縫製代が存在するために縫製ラインには他の部位よりも型内面に対し突出した部分が形成される。そのため、発泡時に発泡樹脂Aが縫製ラインに接触すると、発泡樹脂Aは流動抵抗を受けつつ縫製ラインに沿って流れやすくなる。よって、第1頭部分割片122a〜c同士、及び第2頭部分割片122d、122e同士を縫い合わせて形成される縫製ライン132、134が、上記の方向に延びるように形成することにより、ヘッドレスト部2の先端を通過してきた発泡樹脂Aを最終到達地点Cであるヘッドレスト部2の後面側の下端部へとスムーズに流動させることができる。
(3)本実施形態のシートクッションの製造方法によれば、シートクッション用成形型Bの型内面に裏面材100をセットした際に、型内面と裏面材100の頂辺とを密着させることができるため、他の部位と比較して薄肉に形成されるヘッドレスト部2の先端部分において、発泡樹脂Aの所定の流路幅を確保することができる。よって、発泡時において発泡樹脂Aの流れが妨げられることが抑制されて、シートクッション1に内部ボイドが形成されることを抑制できる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態の裏面材200について説明する。第2実施形態の裏面材200は、図2(a)に示す形状の1枚の布材201を折り曲げ、縫製することにより形成される。第2実施形態の布材201は、頭後面部の先端部分を形成する第1頭部分割片の形状が第1実施形態の布材101と異なっている。詳述すると、第1実施形態では、頭後面部122の先端部分を、頭前面部121の円弧状の頂辺に沿って3分割して第1頭部分割片122a〜cを形成していたところを、第2実施形態では頭後面部222の先端部分をより細かく分割(5分割)して第1頭部分割片222a〜eを形成している。
図2(a)に示す布材201から図2(c)に示す裏面材100を縫製する方法は、基本的に第1実施形態と同じである。図2(b)に示すように、頭前面部221の頂辺に沿って、各第1頭部分割片222a〜eを折り返すとともに、第1頭部分割片222a〜e同士の重なり部分を縫製ライン231に沿って縫製する。次に、背前面部211の両側辺に沿って各背部分割片212a、212bを折り返す。そして、各背部分割片212a、212bと背前面部211とを縫製ライン232に沿って縫製するとともに、背部分割片212a、212b同士の重なり部分を縫製ライン233に沿って縫製する。また、各背部分割片212a、212bから延出形成される第2頭部分割片222f、222gについても、第2頭部分割片222f、222gと頭前面部221とを縫製ライン234に沿って縫製するとともに、第2頭部分割片222f、222g同士の重なり部分を縫製ライン233に沿って縫製する。さらに、第2頭部分割片222f、222gと第1頭部分割片222a、222eとの重なり部分を縫製ライン235に沿って縫製する。
第2実施形態においても、上記(1)及び(3)の作用効果を得ることができる。さらに、第2実施形態では、次のような作用効果を得ることができる。
(4)第1頭部分割片222a〜eを細かく設けることにより、頂辺のR形状が小さい場合にも袋状の頭部布220の先端部分をより精確に形成することができる。
(5)第2実施形態では、頭部布220の頭後面部222に形成される全ての縫製ラインの延びる方向が、シートクッション1のヘッドレスト部2の頂辺に対応する側から凹部2aの開口に対応する側へ向かう方向に対して直交しないように構成されている。これにより、シートクッション1の成形時において、頭部布220の頭後面部222に形成される縫製ラインが、ヘッドレスト部2の先端側から後面側の下端部へと流動する発泡樹脂Aの流れを妨げることを抑制することができる。
[第3実施形態]
以下、第3実施形態の裏面材300について説明する。第3実施形態の裏面材300は、図3(a)に示す形状の1枚の布材301を折り曲げ、縫製することにより形成される。第3実施形態の布材301では、第2頭部分割片の形成位置が第1実施形態の布材101と異なっている。詳述すると、第1実施形態において各背部分割片112a、112bの上部に延出形成していた各第2頭部分割片122d、122eを、第3実施系形態では共に、中央に位置する第1頭部分割片122bの先端に延出形成するとともに、背後面部112の一部(上部)を第1頭部分割片122b側にさらに延出形成している。つまり、第3実施形態では、頭後面部322全体を、先端側左部を構成する頭部分割片322aと、先端側右部を構成する頭部分割片322cと、先端側中央部及び頭後面部322の開口側を構成する頭部分割片322bとに3分割している。そして、先端側中央部及び頭後面部322の開口側を構成する頭部分割片322bに、背後面部312の上部312cをさらに延出形成している。
図3(a)に示す布材301から図3(c)に示す裏面材300を縫製する方法は、基本的に第1実施形態と同様である。図3(b)に示すように、頭前面部321の頂辺に沿って、各頭部分割片322a〜cを折り返す。そして、左端に位置する頭部分割片322a及び右端に位置する頭部分割片322cと頭前面部321とを縫製ライン331に沿って縫製するとともに、頭部分割片322a〜c同士の重なり部分を縫製ライン332に沿って縫製する。また、頭部分割片322a〜cから延出される背後面部312の上部312cと、背前面部311とを縫製ライン333に沿って縫製する。なお、本実施形態においても、頭部分割片322a〜c同士の重なり部分を縫製する縫製ライン332の一部が、上下方向(頂辺側から凹部の開口側へ向かう方向)に延びるように、各頭部分割片322a〜cの分割形状が設定されている。次に、背前面部311の両側辺に沿って各背部分割片312a、312bを折り返すとともに、背部分割片312a、312bと、頭部分割片322bに延出形成された背後面部312の上部312cとを縫製ライン334に沿って縫製する。
第3実施形態においても、上記(1)〜(3)の作用効果を得ることができる。さらに、第3実施形態では、次のような作用効果を得ることができる。
(6)本実施形態では、頭後面部322全体を、先端側左部を構成する頭部分割片322aと、先端側右部を構成する頭部分割片322cと、先端側中央部及び頭後面部322の開口側を構成する頭部分割片322bとに3分割している。これにより、第1実施形態と比較して、縫製ラインの縫製長を短くすることができる。具体的には、第1実施形態では、第2頭部分割片122d、122e同士の重なり部分を縫製する必要があったが、本実施形態ではその必要はない。縫製ラインの縫製長が短くなることにより、シートクッション用成形型Bを用いてシートクッション1を成形する際に発泡樹脂Aの流れを妨げる部位が少なくなって、同成形型Bのキャビティ全体に発泡樹脂Aを行き渡らせやすくなる。
なお、上記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。また、次の変更例を互いに組み合わせ、その組み合わせの構成のように上記各実施形態を変更することも可能である。
・ 少なくとも頭後面部122の先端部分が頭前面部121の頂辺に沿って分割され、頭前面部121の頂辺から延出形成されていれば、頭後面部122及び背後面部112を構成する各分割片については、その形状及び延出位置は特に限定されなることはなく、例えば別部材として構成してもよい。
・ 第1実施形態及び第2実施形態における第1頭部分割片、並びに第3実施形態における頭部分割片は、各分割片の大きさを考慮して3〜7程度に分割されることが好ましい。
・ 上記各実施形態では、頭部布120の頂辺を円弧状に形成したが、この頂辺の形状は正確な円弧状に限定されるものではない。たとえば、直線部分と曲線部分とが組み合わさって全体として弧状をなすように形成されていてもよい。
・ 頭後面部122及び背後面部112を構成する各分割片を折り返す順序、及び縫製順序は特に限定されるものではなく、どのような順序であってもよい。
・ 張り出し部3aを備えないシートクッション用の裏面材であってもよく、この場合には、背後面部112を設ける必要はない。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記後面部を、3〜7の分割片に分割した前記裏面材。
(ロ)前記後面部を、先端側左部を構成する分割片と、先端側右部を構成する分割片と、先端側中央部及び前記頭後面部の開口側を構成する分割片とに分割した前記裏面材。
B…シートクッション用成形型、1…シートクッション、2…ヘッドレスト部、2a…凹部、3…背もたれ部、100…裏面材、110…背部布、120…頭部布、121…頭前面部、122…頭後面部、122a〜c…第1頭部分割片、131,132,133,134,135,136…縫製ライン。

Claims (3)

  1. 背もたれ部と、該背もたれ部の上部に一体に成形されたヘッドレスト部とを備え、前記ヘッドレスト部の裏面側で下方に開口する凹部を有するシートクッションに一体化されて用いられる裏面材であって、
    前記背もたれ部の裏面に一体化される背部布と、前記ヘッドレスト部の前記凹部の内面に一体化され、下方に開口するとともに頂辺が弧状に形成される袋状の頭部布とを備え、
    前記頭部布の先端部分は、前記凹部の前方側の内面形状に合わせて形成される前面部と、前記凹部の後方側の内面形状に合わせて形成される後面部とからなり、
    前記後面部は、3以上の複数に分割された状態で前記前面部の弧状の頂辺から複数方向に延出された分割片を、前記頂辺に沿って折り返すとともに互いを縫い合わせて形成されていることを特徴とする裏面材。
  2. 前記後面部における前記分割片同士を縫い合わせて形成される縫製ラインは、前記シートクッションの前記ヘッドレスト部の頂辺に対応する側から前記凹部の開口に対応する側へ向かう方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の裏面材。
  3. 裏面材が一体化されたシートクッションの製造方法であって、
    シートクッション用成形型内に、請求項1又は請求項2に記載の裏面材をセットした状態でキャビティ内に発泡樹脂を注入して発泡させることを特徴とするシートクッションの製造方法。
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