JP2012033513A - 誘導加熱コイルおよび誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル導線1が軸方向に複数段および径方向に複数層巻かれて筒状に形成された誘導加熱コイル300であって、複数段の1段毎または所定の数の段毎で、1段同士の間に、径方向に通風自在な通気体通気孔303wを具備する平板状通気体303が、配置されている。
【選択図】図4
Description
このとき、誘導加熱コイルは、グリル部(魚等を焼くためのロースターに同じ)との間の制約された空間内に配置され、巻き数を多く積層したものになっている。そして、被加熱体の底面の温度分布を均一にするため、渦巻き型の加熱コイルを、断面略U字状のドーナツ型の磁性体で保持する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このとき、周波数が高くなればなるほど、表皮効果によって高周波電流が、誘導加熱コイルの表面付近だけに集中して流れ、その表面自体の温度が上昇する。そこで、かかる表面温度の上昇を防止して、より高い周波数領域においても、電磁誘導加熱コイルの損失改善を実現するため、素線を互いに撚り合わせた複合導体を被覆管で被覆して、複合導体と被覆管との間に冷却媒体が流れる通路を形成する発明が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
なお、本発明において、巻線(コイル導線)は軸方向(高さ方向)に複数段および径方向(水平方向)に複数層巻かれた(捲回された)ものであって、軸方向の「段数」または径方向の「層数」のそれぞれ、または両方の積を「巻き数」と称している。
図1は本発明の実施の形態1に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、(a)は全体を模式的に示す側面視の断面図である。(b)は捲回部を模式的に示す側面視の断面図である。なお、以下の説明において同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
誘導加熱コイル100の捲回部は、巻線(コイル導線に同じ)1が軸方向に複数段および径方向に複数層、筒状に巻かれている。このとき、巻線1の層間(1層目と2層目、2層目と3層目等)には、筒状通気体3が配置されている。筒状通気体3は複数であって、それぞれ、軸方向(高さ方向)に通風自在な通気体通気孔3wを具備する筒状である。
また、コイルベース6は、中心孔61を具備する環状の底面63と、底面63の内周に沿って形成され、底面63に垂直な内面62と、底面63の外周に沿って形成され、底面63に垂直な外面64と、を具備し、底面63には通風自在なコイルベース通気孔6wが形成されている。さらに、底面63の下方には風路ダクト7が形成されている。
なお、誘導加熱コイル100の巻き数(巻線1が捲回される段数や層数)は、限定されるものではなく、要求される発熱量に応じて変更されるものである。また、図1では、全ての層間に筒状通気体3を配置しているが、本発明はこれに限定するものではなく、筒状通気体3を配置しない層間が存在してもよい。
さらに、通気体通気孔3wを具備する筒状通気体3を使用することにより、高寿命で確実な風路を形成することが可能となる。また、筒状通気体3が所定の硬さ(対変形性)を具備するから、巻き上げ作業が容易になり、誘導加熱コイル100の製作コストの上昇が抑えられる。
図2および図3は本発明の実施の形態2に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、図2の(a)は全体を模式的に示す斜視図、図2の(b)は捲回部の内径寄りを模式的に示す斜視図、図2の(c)は捲回部の内径寄りを模式的に示す側面視の断面図、図3の(a)は捲回部の内径寄りを模式的に示す平面視の部分断面図、図3の(b)は風流れを模式的に示す側面視の部分断面図である。
したがって、風路ダクト7に供給された冷却風は、コイルベース通気孔6wを通過して筒状通気体203の通気体通気孔203wに流入し、誘導加熱コイル200の内部の巻線1を冷却することになる(図3の(b)参照)。
なお、誘導加熱コイル200は、3層毎に筒状通気体203が配置されるものであるが、本発明はこれに限定するものではなく、要求される冷却性能に応じて、筒状通気体203が配置される間隔(筒状通気体203によって挟まれる層数)は適宜決定されるものである。また、筒状通気体203が配置される間隔は、内径寄りと外径寄りで相違してもよい。
図4は本発明の実施の形態3に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、捲回部を模式的に示す側面視の断面図である。
図4において、誘導加熱コイル300の捲回部には、巻線(コイル導線に同じ)1が軸方向(高さ方向)に複数段および径方向(水平方向)に複数層巻かれ、筒状に形成されている。このとき、巻線1の段間(1段目と2段目、2段目と3段目等)には、平面状通気体303が配置されている。平面状通気体303は複数枚であって、それぞれ面と平行な方向(水平方向)に通風自在な通気体通気孔303wを具備する平板状である。
なお、誘導加熱コイル300の巻き数は限定されるものではなく、巻き数は要求される発熱量に応じて変更されるものである。また、図4では、全ての段間に平面状通気体303を配置しているが、本発明はこれに限定するものではなく、平面状通気体303を配置しない段間が存在してもよい。
図5は本発明の実施の形態4に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、(a)は製造途中の捲回部を模式的に示す側面視の部分断面図、(b)は完成した捲回部を模式的に示す側面視の部分断面図、(c)は完成した捲回部を模式的に示す平面視の部分断面図である。
図5において、誘導加熱コイル400の巻線(コイル導線に同じ)1の外周は、被覆体4によって覆われている。そして、被覆体4で覆われた巻線1を巻き上げる際、風路を形成したい位置に、棒状通気体403を挟み込んで捲回している(図5の(a)参照)。そして、巻線1を捲回した後、加熱することによって、被覆体4の当接部を溶融して、相互に固着させている。
なお、棒状通気体403の形状(径あるいは、厚さや幅)、間隔(数量)等は、誘導加熱コイル400の発熱量や冷却風量に応じて、冷却性能を補償するように決定されるものである。
さらに、以上は、棒状通気体403を軸方向(高さ方向)に配置しているが、これを径方向(平面方向)に配置してもよい。棒状通気体403を径方向(平面方向)に配置することによって、誘導加熱コイル300(実施の形態3)と同様の効果が得られる。
図6は本発明の実施の形態5に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、部分を模式的に示す側面視の断面図である。
図6において、誘導加熱コイル500はコイルベース506に収納されている。コイルベース506の底面563には、所定間隔で、筒状の筒状リブ503(例えば、厚さ数mm程度)が形成され、筒状リブ503には軸方向に通風自在なリブ通気孔503wが形成されている。
したがって、筒状リブ503を巻き込むように巻線1を巻いておけば、コイルベース506の下面に到達した冷却風は、リブ通気孔503wに流入して、誘導加熱コイル500の内部の巻線1を冷却し、さらに、筒状リブ503の先端から内部へ流出して、広い範囲に冷却風が到達することになる。なお、コイルベース506の底面563には、コイルベース通気孔563wが形成されている。
なお、筒状リブ503に挟まれた範囲の捲回部(巻線1が直接当接している範囲)に、実施の形態1〜4に説明した通気体(筒状、平面状、棒状)を配置してもよい。
図7は本発明の実施の形態6に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、(a)は捲回部の内径寄りを模式的に示す平面視の部分断面図、(b)は風流れを模式的に示す側面視の部分断面図である。
棒状スペーサ603は軸方向(高さ方向)に平行であって、円周方向に所定の間隔を空けて配置されている、したがって、巻線1は棒状スペーサ603を介して互いに当接し、巻線1同士の棒状スペーサ603に当接しない範囲では、隙間2wが形成されている。
したがって、コイルベース通気孔6wを通過した冷却風は、隙間2wに流入し、誘導加熱コイル600の内部の巻線1を冷却することになる。したがって、誘導加熱コイル200(実施の形態2)と同様の効果が得られる。
さらに、誘導加熱コイル300(実施の形態3)における平面状通気体303に代えて、棒状スペーサ603を径方向(水平方向)に配置してもよい。このとき、誘導加熱コイル300(実施の形態3)と同様の効果が得られる。
図8は本発明の実施の形態7に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、(a)は捲回部の内径寄りを模式的に示す平面視の部分断面図、(b)は風流れを模式的に示す側面視の部分断面図である。
棒状リブ705はコイルベース706の底面763に設けられたものであって、軸方向(高さ方向)に平行であって、円周方向に所定の間隔を空けて配置されている。したがって、巻線1は棒状リブ705を介して互いに当接し、巻線1同士の棒状リブ705に当接しない範囲では、隙間2wが形成されている。
したがって、コイルベース通気孔6wを通過した冷却風は、隙間2wに流入し、誘導加熱コイル700の内部の巻線1を冷却することになる。したがって、誘導加熱コイル500(実施の形態5)と同様の効果が得られる。
図9は本発明の実施の形態8に係る誘導加熱コイルを説明するものであって、捲回部の内径寄りを模式的に示す平面視の部分断面図である。
図9において、前記した誘導加熱コイル400(実施の形態4)においては、巻線1の間(層間)に棒状通気体403が配置されているのに対し、実施の形態8に係る誘導加熱コイル800では、棒状通気体403に相当する位置に通風自在な隙間が形成されるものである。
すなわち、巻線1を風路形成部材(図示しない)と共に筒状に捲回し、被覆体4を溶着して互いに固定した後、前記風路形成部材を撤去し、該撤去した跡に形成される隙間を、通風自在な隙間2wとするものである(図5の(c)において、棒状通気体403を削除して、通気体通気孔403wを通風自在な隙間と読み替えたものに同じ)。
したがって、誘導加熱コイル800において、誘導加熱コイル400(実施の形態4)と同様の効果が得られる。
図10および図11は本発明の実施の形態9に係る誘導加熱調理器の一例を示すものであって、図10は斜視図、図11は部分を示す側面視の断面図である。
図10および図11において、誘導加熱調理器900は、上面及び前面が開口する箱状の本体ケース10と、本体ケース10の上面開口部に装着された天板(トッププレート)12と、天板12の周囲を保持する保持枠11と、天板12の直下に配置された誘導加熱コイル100a、100b、100c(実施の形態1参照)と、誘導加熱コイル100等を冷却するための冷却手段(図示しない)と、保持枠11の後部側に設けられた外気導入口15と、を有している。
また、本体ケース10の前面には前面パネル21が設けられており、前面パネル21には操作部22が、前面開口部には引出し式のロースタ23が設けられている。
図10および図11において、本体ケース10の内部には、天板12と平行して中位平面8が設けられ、中位平面8にコイルベース6が設置されている。そして、中位平面8とコイルベース6の底面63との間に、風路ダクト7が形成され、捲回部と天板12との間に所定の間隔が形成されている。
また、本発明の誘導加熱調理器は、装備する誘導加熱コイルの冷却信頼性が優れているから、信頼性の高い家庭用および事業用の各種誘導加熱調理器、さらに調理に限定されない各種誘導加熱装置として広く利用することができる。
Claims (6)
- コイル導線が軸方向に複数段および径方向に複数層巻かれて筒状に形成された誘導加熱コイルであって、
前記複数段の1段毎または所定の数の段毎で、前記1段同士の間に、径方向に通風自在な通気体通気孔を具備する平板状通気体が、配置されている
ことを特徴とする誘導加熱コイル。 - コイル導線が軸方向に複数段および径方向に複数層巻かれて筒状に形成された誘導加熱コイルであって、
前記コイル導線は、前記複数段の1段毎または所定の数の段毎で、前記1段同士の間に、径方向に配置された棒状スペーサを介して互いに当接するとともに、前記棒状スペーサを除く互いに対峙する範囲に通風自在な隙間が形成されている
ことを特徴とする誘導加熱コイル。 - 環状の底面と、前記底面の内周に沿って形成された前記底面に垂直な内面と、前記底面の外周に沿って形成された前記底面に垂直な外面と、を具備するコイルベースに収納され、
前記底面、前記内面または前記外面の少なくとも何れかに、前記通風自在なコイルベース通風孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱コイル。 - 前記コイルベースに形成された通風孔に空気を供給する風路ダクトを有する
ことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱コイル。 - 調理容器が置載される天板と、
該天板の直下に配置された請求項1乃至4の何れかに記載の誘導加熱用コイルと、
該誘導加熱用コイルに供給する高周波電流を制御する加熱制御部と、
を有する
ことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記誘導加熱用コイルに空気を供給する冷却手段を有する
ことを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。
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