JP2012025797A - ポリスチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

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Abstract

【課題】二次発泡倍率の低下が抑えられ、成形性に優れ、しかも長期間保存した場合であっても爆発などの危険性がなく、食品容器などに好適に使用し得るポリスチレン系樹脂発泡シートを提供することを課題としている。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂50質量部以上90質量部以下とポリフェニレンエーテル系樹脂10質量部以上50質量部以下とを含む樹脂混合物を、イソブタン濃度59質量%以上70質量%未満であり且つノルマルブタン濃度が30質量%を超え41質量%以下である発泡剤で発泡させてなり、前記樹脂混合物100質量部に対する前記発泡剤の残存量が、2.0質量部以上3.5質量部以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シートを提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡シートに関し、具体的には例えば、二次発泡能力の保持性に優れ、二次発泡成形性に優れたポリスチレン系樹脂発泡シートに関する。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、二次発泡成形を施すことが容易であり、また、得られた成形体が美麗でかつ軽量であり、しかも断熱性に優れ、安価であることから、食器容器などに使用されている。この種のポリスチレン系樹脂発泡シートは、一般に、ポリスチレン、タルクや炭酸カルシウムなどの造核剤および流動パラフィンなどの成形性調整剤を、押出機を用いて溶融、混合し、発泡剤を圧入したのち、サーキュラーダイより押出し発泡させてシート化することによって製造されている(例えば、特許文献1)。
従来、発泡剤としては、ブタンを主成分とし不純物を比較的多く含む工業用ブタンなどが使用されている。
発泡剤として工業用ブタンを用いてつくられたポリスチレン系樹脂発泡シートは、二次発泡成形性を有するものであるが、ポリスチレン系樹脂発泡シートからの工業用ブタンの逸散性が大きく、短時間にポリスチレン系樹脂発泡シート中の該工業用ブタン含量が低下し、二次発泡成形性が低下するため、ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造後から二次発泡成形を施すことができるまでの期間(以下、製品ライフという)が短いという問題がある。また、斯かるポリスチレン系樹脂発泡シートは、ラミネート加工により樹脂フィルムを積層させて積層シートにすると、その積層シートの二次成形において、発泡シートに含まれる残存発泡剤により気泡(バブル)が発生して積層シートの外観を損ね得ることから、二次発泡成形性が必ずしも満足できるものではないという問題がある。しかも、可燃性を呈するブタンガスが多量にシート中から逸散するため、火気などに対して非常に慎重な取扱いが要求されるという問題がある。
特開平5−271456号公報
近年、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させてポリスチレン系樹脂発泡シートの耐熱性の向上を図ることが検討されているが、このようなポリスチレン系樹脂発泡シートが用いられてなるポリスチレン系樹脂発泡シート積層体に関しては、上記のような問題についての対策が殆どなされていない。
本発明は、上記問題点等に鑑み、優れた製品ライフ、耐熱性、及び優れた二次発泡成形性の双方を具備し、しかも取扱い上の危険性が抑えられたポリスチレン系樹脂発泡シートを提供することを課題とする。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、ポリスチレン系樹脂50質量部以上90質量部以下とポリフェニレンエーテル系樹脂10質量部以上50質量部以下とを含む樹脂混合物を、イソブタン濃度59質量%以上70質量%未満であり且つノルマルブタン濃度が30質量%を超え41質量%以下である発泡剤で発泡させてなり、前記樹脂混合物100質量部に対する前記発泡剤の残存量が、2.0質量部以上3.5質量部以下であることを特徴とする。
また、本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、二次発泡能力としての二次発泡倍率が1.71倍以上であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、二次発泡倍率の低下が抑えられ、樹脂フィルムを積層させた後であっても二次成形性に優れ、しかも長期間保存した場合であっても火気などに対する危険性が抑制されており、例えば、食品容器などに好適に使用できる。
以下に、本発明に係るポリスチレン系樹脂発泡シートの一実施形態について説明する。
本実施形態のポリスチレン系樹脂発泡シートは、ポリスチレン系樹脂50質量部以上90質量部以下とポリフェニレンエーテル系樹脂10質量部以上50質量部以下とを含む樹脂混合物100質量部に対して、イソブタン濃度59質量%以上70質量%未満であり且つノルマルブタン濃度が30質量%を超え41質量%以下である発泡剤の残存量が、2.0質量部以上3.5質量部以下であるものである。また、好ましくは、二次発泡能力として二次発泡倍率が1.71倍以上であるものである。
前記ポリスチレン系樹脂は、分子中にスチレン骨格を有するスチレン系単量体が重合してなるものである。
前記スチレン系単量体としては、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、α,4‐ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどが挙げられる。
前記スチレン系樹脂としては、前記スチレン系単量体の1種の単独重合体、又は前記スチレン系単量体の複数種の共重合体などが挙げられる。また、前記スチレン系単量体と、他のビニルモノマーとの共重合体などが挙げられる。
他のビニルモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸、アクリルアミドなどが挙げられる。
なお、スチレン系樹脂としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性の観点からはポリスチレン樹脂(スチレン単独重合体)などが好ましい。
前記樹脂混合物には、耐熱性の付与に有効となるポリフェニレンエーテル系樹脂が含まれている。
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂は、次の一般式(1)で表される。
Figure 2012025797
ここでR1及びR2は、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、nは重合度を表す正の整数である。
例示すれば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等が本実施形態において用いられ得る。
また、重合度nは、通常10〜5000の範囲内である。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下となる割合の量で用いられる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、耐熱性の向上に有効なものではあるが、ポリフェニレンエーテル系樹脂を、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂との合計100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下となる割合で樹脂混合物に含有させることが好ましいのは、10質量部以上であることにより、ポリフェニレンエーテル系樹脂の添加効果が確実に発揮されることによる。また、50質量部を超えた含有割合であってもポリフェニレンエーテル系樹脂の添加効果がそれ以上に発揮されにくい。
また、一般的には、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、ポリスチレン系樹脂に比べて高価であるために上記範囲を超えてポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させると材料コストの観点において好ましいとはいえない。
通常、JIS K7206(B法、50℃/h)に基づいて測定されるポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度は、102℃程度であるが、上記のようなポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させることにより、ビカット軟化温度を110〜155℃の範囲に向上させることができ、該ポリフェニレンエーテル系樹脂を含んだ樹脂混合物を使用することで、得られるポリスチレン系樹脂発泡シートや該ポリスチレン系樹脂発泡シートを二次加工した製品などの耐熱性向上を図ることができる。
一般にポリスチレン系樹脂が用いられてなる製品に耐熱性が求められる場合には、スチレンホモポリマーよりもビカット軟化温度の高いスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体、ポリパラメチルスチレン樹脂などのコポリマーをその形成材料に採用することが行われている。
一方で、上記のようにポリフェニレンエーテル系樹脂をブレンドする方法は、単に製品に耐熱性を付与することができるばかりでなく、優れた靱性を付与することができる点においても優れている。
したがって、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含んだポリスチレン系樹脂発泡シートを使用して発泡トレーなどを形成させることにより、急激な変形が加えられても割れたりすることのない発泡トレーを形成させることができる。
ただし、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、特有の臭いを有していることから、特に臭気を嫌う用途などにおいては消臭のための成分を含有させることが好ましい。
この消臭成分としては、ゼオライト系やリン酸ジルコニウム系の無機物粒子が挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法では、イソブタン濃度59質量%以上70質量%未満であり且つノルマルブタン濃度が30質量%を超え41質量%以下であるブタンが発泡剤として用いられる。
前記ブタン中においてイソブタン濃度が59質量%以上且つノルマルブタン濃度が41質量%以下であることにより、製造後から二次発泡成形を施すことができるまでの期間(製品ライフ)を比較的長くできる。
また、イソブタン濃度が70質量%未満であり且つノルマルブタン濃度が30質量%を超えることにより、ポリスチレン系樹脂発泡シートがラミネート適正に優れたものになり得る。なお、“ラミネート適正に優れる”との用語は、ラミネート加工によってポリスチレン系樹脂発泡シートに樹脂フィルムを積層させた積層シートにおいて、その二次加工時に、残存発泡剤から発生する気泡(バブル)によって外観が損なわれず外観上欠陥のない加工体が得られることを表している。
即ち、発泡剤としてのブタン中において、イソブタン濃度を59質量%以上且つ70質量%未満とし、しかもノルマルブタン濃度を30質量%を超えて41質量%以下とすることにより、ポリスチレン系樹脂発泡シートが上記のラミネート適正に優れると同時に、ポリスチレン系樹脂発泡シートにおける二次発泡性能の経時的低下が抑制でき、熱成形用の原材料としてのポリスチレン系樹脂発泡シートの製品ライフを比較的長いものにできる。
前記製造方法において、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とを含む樹脂混合物からポリスチレン系樹脂発泡シートを得る方法としては、樹脂混合物と造核剤などの添加剤とを混合した後、押出機に投入し、樹脂混合物を溶融した後に発泡剤としてのブタンを圧入して押出す方法を採用することができる。
前記製造方法においては、発泡剤としての前記ブタンを樹脂混合物100部(質量部、以下同じ)に対して2.5〜5.0部用いる。また、得られるポリスチレン系樹脂発泡シート中にブタンが樹脂混合物100部に対して2.0〜3.5部残存するように押出条件などを調整する。該ブタンの残存量が2.0部未満であると、ポリスチレン系樹脂発泡シートの二次発泡能力が不足し、満足できる成形体が得られないおそれがある。また、該ブタンの残存量が3.5部を超えると、二次発泡能力が大きくなりすぎて二次発泡倍率を制御することができなくなるおそれや、逸散ガス量が多くなり、取扱い上、火災などに対する危険性が増大するおそれがある。
なお、本発明においては、発泡剤が残存後においてまでイソブタン濃度59質量%以上70質量%未満であり且つノルマルブタン濃度30質量%を超え41質量%以下となる要件を充足させる必要性はなく、前記樹脂混合物100部に対して2.0〜3.5部残存している発泡剤の内訳は上記割合である必要はない。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、満足できる成形体を得るために、二次発泡倍率が1.71倍以上の二次発泡能力を有するように製造される。好ましくは、製造後40日経過後の二次発泡倍率が1.71倍以上の二次発泡能力を有するように製造される。
製造されるポリスチレン系樹脂発泡シートは、通常、厚さ1.0〜2.5mm、坪量100〜250g/m2となるように調整されるが、これらの範囲に限定されるものではない。
ブタンの残存量が樹脂混合物100部に対して2.0〜3.5部のポリスチレン系樹脂発泡シートは、袋などに入れて保管したり出荷したりするにあたっては、袋などにあらかじめ針孔などをあけるなどの処置を施しておけば、該袋内のブタンガス濃度が常にブタンの爆発燃焼範囲以下に保たれ、保管時の自然発火、移送・取扱時の静電気による着火などを未然に防止し得るため、斯かる処置は、非常に効果的である。
製造されたポリスチレン系樹脂発泡シートの成形性、強度、脆さ、表面性などの品質は、従来の発泡剤として工業用ブタンガスを用いて製造したものと同程度又はそれより優れたものになり得る。
次に、実施例をあげて具体的に本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は斯かる実施例のみに限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3および比較例1〜3)
ポリスチレン樹脂(商品名「XC−515」 DIC社製)70質量部、及び、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合樹脂(商品名「ノリルEFN4230」 サビック社製 PPE/PS=70/30)30質量部の樹脂混合物100質量部に対して、造核剤(商品名「DSM1401A」 東洋スチレン社製)1質量部をブレンドし、115mm押出機に投入してブレンド物を加熱(約270℃)して溶融させた後、表1に示すイソブタンとノルマルブタン組成の発泡剤(ブタンガス)を樹脂混合物100質量部に対して3.5質量部の割合で押出機に圧入して樹脂と発泡剤ガスとを充分に混合した。
次に、接続された150mm押出機にて発泡温度(約175℃)まで樹脂を冷却した後、サーキュラーダイを通して押出発泡し、坪量150g/m2、厚さ1.8mm、厚さ方向のセル数13〜20個のポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
次に、得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの残存発泡剤量、二次発泡倍率の低下能を以下の方法に基づいて調べた。
<残存発泡剤量>
サーキュラーダイより押出発泡されたポリスチレン系樹脂発泡シートを30分間経過後に180℃の乾燥機中に30分間放置した後の加熱減量から算出した。
<二次発泡倍率の低下能>
得られたポリスチレン系樹脂発泡シートを押出成形した後、4〜60日にわたって180℃で10秒間加熱したときの二次発泡倍率を調べ、押出後経日数(X)と二次発泡倍率(Y)との関係式:Y=A−BlnX(Aは定数項を示す)から二次発泡倍率の低下能(B)を求めた。
(積層シートの作製)
ポリスチレン系発泡シートと樹脂フィルムとを積層した積層シートを作製すべく、まず、無延伸ポリスチレンフィルム(CPS 厚さ20μm)と無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP 厚さ30μm)とをドライラミネート加工で張り合わせた樹脂フィルムを用意した。
次に、ポリスチレン系発泡シートの製造から37日経過後に、上記樹脂フィルムと各実施例又は各比較例のポリスチレン系発泡シートとを、180℃に加熱したφ250の加熱ロールを用いて圧着ラミネート加工し積層シートを作製した。ラミネート加工においては、ラインスピードを9m/分とし、φ170の圧着ロールを用い、圧力0.5MPaのφ100シリンダーを左右2本用いた。
そして、作製した積層シートの二次発泡倍率、積層シートのラミネート適正(バブル発生の確認)、積層シートを用いて成形したトレーの成形性を以下の方法によって調べた。
<二次発泡倍率>
積層シートの製造から3日経過後に、該積層シートを180℃で13秒間加熱したときのポリスチレン系発泡シートの二次発泡倍率を調べた。
<バブル発生の確認>
積層シートの製造から3日経過後に、該積層シートを145℃で2分30秒間加熱したときの最大二次発泡時におけるバブル発生確認を行った。
(判定基準)
○:バブルが発生せず、外観上問題ない
×:バブルが発生
<トレーの成形性>
積層シートの製造から3日経過後に、該積層シートを用いて、180℃で13秒間加熱後、10cm×18cm、深さ2.7cmの格子模様つきトレーを成形したときのトレーの状態を調べ、下記の判定基準で評価した。なお、トレーの内面側に樹脂フィルムが配されるように成形した。
(判定基準)
○:金型の形状に沿った成形体が問題なく得られる。格子模様も明瞭に出る。
△:角部を中心として金型形状とずれがあり、模様も出ない。
成形体底部が若干湾曲している。
×:成形体表面に割れが発生し、成形体が得られない。
以上の評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2012025797
以上の結果より、実施例1〜2で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートは、優れたラミネート適正を有し、成形性、二次発泡倍率の低下能の点においても優れていることがわかる。
次に、実施例2および比較例3で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて、それぞれ別個に幅1047mm、長さ200mのロール巻品(巻芯径:250mm)を作製し、これを縦および横15mmごとに針孔(孔径:約0.2mm)を設けたポリエチレン製の袋(縦:2000mm、横:1400mm)に入れて25℃にて10日間保管し、巻芯部のブタンガスの滞留状況を調べた。
実施例2で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートを用いたものは巻芯部のブタンガス濃度は最高で16500ppm程度であったが、比較例3で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートを用いたものは巻芯部のブタンガス濃度は、測定直後から最高で28000ppmにも達し、しかもブタンガスの爆発限界の下限の濃度18000ppmを超える期間は3日間続いた。
上記のことから比較例3で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートは、取扱い上、爆発の危険性があるのに対し、実施例2で得られたポリスチレン系樹脂発泡シートは、爆発の危険性が低く、きわめて取扱いやすいものであることがわかる。
(参考例)
以下に、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂とを含有させた樹脂混合物で形成した発泡シートと、ポリスチレン系樹脂で形成した発泡シートとにおいて割れ難さを評価した事例を示す。
(シート1)
スチレン系樹脂(DIC社製GPPS[スチレンホモポリマー]商品名「XC−515」)70質量%、及び、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とスチレン系樹脂(PS)との混合樹脂(サビック社製 商品名「ノリルEFN4230」 PPE/PS=70/30)30質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、消臭成分として東亜合成社製のリン酸ジルコニウム系消臭剤(商品名「ケスモンNS−10」)を0.5質量部含有する樹脂組成物を押出し発泡して、厚み2.0mm、目付け180g/m2の発泡シートを作製した。
(シート2)
GPPS、PPE、及び、消臭成分を含む樹脂組成物に代えてアクリル系モノマーとスチレンモノマーとの共重合体を押出し発泡してシート1と同じ厚みで同じ目付けの発泡シートを作製した。
(シート3)
GPPS、PPE、及び、消臭成分を含む樹脂組成物に代えてGPPSのみを押出し発泡してシート1と同じ厚みで同じ目付けの発泡シートを作製した。
(耐熱性評価:示差走査熱量測定)
上記シートから6.5±0.5mgのサンプルを採取し、JIS K7121に基づいて示差走査熱量測定を実施した(使用装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、示差走査熱量計装置、型名「DSC6220」)。
その結果、シート1、2のサンプルにおいては、JIS K7121 9.3(1)に記載の「中間点ガラス転移温度(Tmg)」が120℃付近に観察され、シート3のサンプルでは、106℃に観察された。
(靱性評価:ダイナタップ衝撃試験)
上記シート1〜3から、100×100mmのテストピースを採取して、該テストピースに対して、ASTM D3763に基づくダイナタップ衝撃試験を実施した(使用装置:General Research Corp.社製、ダイナタップ衝撃試験装置、型名「GRC8250」)。
その結果、シート2のテストピースについては、最大点変位3.2mm、最大荷重29Nという結果となり、シート3のテストピースについては、最大点変位4.0mm、最大荷重36Nという結果となった。
一方でシート1のテストピースについては、最大点変位4.4mm、最大荷重42Nという結果となった。
このことからもシート1は、PPE系樹脂が含有されることによって変位と荷重が大きな割れ難い状態となっていることがわかる。

Claims (2)

  1. ポリスチレン系樹脂50質量部以上90質量部以下とポリフェニレンエーテル系樹脂10質量部以上50質量部以下とを含む樹脂混合物を、イソブタン濃度59質量%以上70質量%未満であり且つノルマルブタン濃度が30質量%を超え41質量%以下である発泡剤で発泡させてなり、前記樹脂混合物100質量部に対する前記発泡剤の残存量が、2.0質量部以上3.5質量部以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡シート。
  2. 二次発泡能力としての二次発泡倍率が1.71倍以上である請求項1記載のポリスチレン系樹脂発泡シート。
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