JP2012025105A - インモールド転写用フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に設けられた塗布層が帯電防止成分及び少なくとも2種のシリコーンを含有し、かかるシリコーン成分が(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンと(2)エポキシ基を含む有機基、カルボキシル基を含む有機基、アミノ基を含む有機基および加水分解によりシラノール基を生成する有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む反応性シリコーンもしくはジメチルシロキサンとを少なくとも含有し、該塗布層中の全シリコーン成分の重量を基準として(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンの割合が50重量%以上90重量%以下であるインモールド転写用フィルムによって得られる。
【選択図】なし
Description
このインモールド用転写箔は、成形転写後に離型層面と印刷層面との間で剥がされ、分離される。すなわち、成形転写後に印刷層は成形品の表面に接着して製品として取出され、離型層は転写箔のベースフィルムのうえに設けられた状態で製品から取り除かれる。また、インモールド用転写箔に適したフィルムとして、離型層とベースフィルムとの接着力を高めるために両層間に接着層を設けることも検討されている。
また、帯電防止層において使用する離型剤として、特許文献3には反応性基を有するシリコーン離型成分が記載されている。このようなシリコーン離型成分を用いる場合、優れた離型効果が得られるものの、ロール状態などで反対面に移行することがあり、反対面に印刷を施す際にはじきによる印刷抜けが生じることがあった。
このように、インモールド用転写箔の帯電防止層に用いられる離型成分に対し、帯電防止層と印刷層とのはりつき(ブロッキング)を防止し、帯電防止剤との相溶性が良好で透明性に優れ、さらに反対面に移行しにくいことが求められているのが現状である。
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。
ポリエステルフィルムの厚みは、インモールド転写として使用する場合にハンドリング性、成形性、透明性の点から必要な強度を得るために、好ましくは12〜100μm、さらに好ましくは25〜75μmである。
本発明のフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に帯電防止成分及び少なくとも2種のシリコーンを含有する塗布層(帯電防止層)が設けられており、かかるシリコーン成分が(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンと(2)エポキシ基を含む有機基、カルボキシル基を含む有機基、アミノ基を含む有機基および加水分解によりシラノール基を生成する有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む反応性シリコーンもしくはジメチルシロキサンとを少なくとも含有し、該塗布層中の全シリコーン成分の重量を基準として(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンの割合が50重量%以上90重量%以下であることを要する。かかる層を有することにより、インモールド用転写箔を取り扱う際に帯電やブロッキングによる転写箔同士の貼付きや転写箔表面へのゴミや埃付着の発生がなく、また離型成分に起因した印刷はじきがなく、帯電防止層の透明性に優れており、特に転写箔同士のブロッキング性については室温の環境下のみならず、80℃を超える高温下でも耐ブロッキング性に優れる。
本発明の帯電防止層に用いるシリコーン成分のうち、その少なくとも1種は炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンである。また、該帯電防止層中の全シリコーン成分の重量を基準として(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンの割合は50重量%以上90重量%以下であり、好ましくは55重量%以上80重量%以下、さらに好ましくは60重量%以上80重量%以下である。
かかるシリコーン成分(1)として、下記式(I)で表わされる化合物が例示される。
これらの中でも、Ryの炭素数6〜20の炭化水素基として、帯電防止剤との相溶性がより良好なフェニル基が最も好ましく用いることができる。
シリコーン成分(1)は直鎖状であることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で、一部に網目構成因子であるRSiO3/2を含む網目構造を部分的に有していてもよい。
本発明の帯電防止層に用いるシリコーン成分のうち、シリコーン成分(1)に加え、さらにその他のシリコーン成分として(2)エポキシ基を含む有機基、カルボキシル基を含む有機基、アミノ基を含む有機基および加水分解によりシラノール基を生成する有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む反応性シリコーンもしくはジメチルシロキサンを含有することを要する。シリコーン成分(1)を単独で用いた場合、印刷を施した転写箔がロールの状態で80℃を超える高温下で保管される場合に印刷層と帯電防止層とがブロッキングしやすく貼り付きが生じるため、シリコーン成分(1)に加えてさらにシリコーン成分(2)を所定量併用することにより、印刷はじき、塗布斑、特に80℃を超える高温下での転写箔同士のブロッキングについても解消することができる。
反応性シリコーンのうち、エポキシ基を含む有機基としては、γ−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシ−β−メチル−プロピル基といったグリシドキシアルキル基、2−グリシドキシカルボニル−エチル基、2−グリシドキシカルボニル−プロピル基といったグリドキシカルボニルアルキル基を例示することができる。
これらシリコーン成分(2)のうち、印刷層との耐ブロッキング性の高いものとして、エポキシ基を含む有機基を含むシリコーン成分もしくはジメチルシロキサンが特に好ましい。
塗布層(帯電防止層)中における全シリコーン成分の含有量は、該塗布層の重量を基準として1重量%以上50重量%以下の範囲で含有されることが好ましい。ここで全シリコーン成分とはシリコーン成分(1)とシリコーン成分(2)を合計したものである。
該シリコーン成分の含有量の下限値は10重量%であることがさらに好ましく、20重量%であることが特に好ましい。また該シリコーン成分の含有量の好ましい上限値は40重量%であることが好ましく、さらには30重量%であることが好ましい。全シリコーン成分の含有量が下限値に満たないと印刷層とのブロッキングが発生することがあり、一方、上限値を超えると塗膜均一性が低下して透明性が損なわれたり、印刷はじきが発生することがある。
本発明の帯電防止層は、帯電防止成分としてカチオンポリマーを含有する。カチオンポリマーとして、下記式(II)で表される成分(a)、非反応性成分(b)、および反応性成分(c)等の共重合成分で構成されるポリマーが例示される。
30モル%≦a成分<89モル%
10モル%≦b成分<100−(a+c)モル%
1モル%≦c成分≦40モル%
具体的には、共重合成分(a)が30モル%未満であると帯電防止性が1×1013Ω/□よりも高くなることがある。一方、共重合成分(a)が89モル%以上であると帯電防止層の耐水性が悪くなり水洗浄後の帯電防止性が低下することがある。
また非反応性の共重合成分(b)が10モル%未満であるとポリエステルフィルムへの密着性、塗膜の凝集性が低くなることがある。一方、非反応性の共重合成分(b)が上限値を超えると帯電防止性が低下することがある。
反応性の共重合成分(c)が1モル%未満であると耐水帯電防止性が低くなり、50℃温水に10時間浸漬した後の表面固有抵抗変化率が100を越えてしまうことがある。一方、反応性の共重合成分(c)が40モル%を越えると架橋点が多くなり、帯電防止層を塗布する際の造膜性が低下することがある。
シリコーン成分は、塗工時の取扱い易さ、作業環境から水分散液あるいは乳化液の形態で使用するのが好ましい。良好な水分散、乳化液の形態を得るには、界面活性剤の使用が好ましく、塗液の他の成分との分散安定性のため、ノニオン系界面活性剤が特に好ましい。
界面活性剤を含む場合、その含有量は帯電防止層の重量を基準として5重量%以上26重量%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上20重量%以下、さらに好ましくは5重量%以上15重量%以下である。
また、帯電防止層には架橋剤を添加させることが塗膜の凝集力向上や加熱時の析出オリゴマー抑制させるために好ましい。架橋剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物を例示することができ、その他一般的にカップリング剤と称される化合物を用いることもできる。取り扱いやすさや塗液のポットライフが長いことからエポキシ化合物、オキサゾリン化合物を用いることが好ましく、カップリング剤を用いることも好ましい。
エポキシ化合物は、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが挙げられ、さらに詳しくはそれらのグリシジルエーテル化合物、グリシジルアミン化合物が例示される。
オキサゾリン化合物としては、オキサゾリン基を含有する重合体が好ましい。付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーとして、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーについては、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば特に制限されない。
またシランカップリング剤以外のカップリング剤として、ジルコニウム、チタン、アルミニウムといった金属を含む有機金属化合物を用いることができる。
帯電防止層は、塗布によりポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に設けられることが好ましい。帯電防止層の厚みは、乾燥後の厚みとして、好ましくは0.01〜0.1μm、さらに好ましくは0.01〜0.06μmである。帯電防止層の厚みが下限値に満たないと帯電防止性が十分に発現しないことがあり、また上限値を超えると転写箔同士のブロッキングを起こし易くなることがある。
本発明において、離型層(メジューム層)との接着性を高める目的で、ポリエステルフィルムの帯電防止層とは反対側に易接着層が設けられることが好ましい。易接着層は塗布により設けられた易接着性の塗布層であることが好ましい。
易接着層には、ポリエステルフィルムおよび易接着層上にさらに積層する離型層(メジューム層)との高い接着性を得るために、高分子バインダーとして共重合ポリエステルを使用することが好ましい。
すなわち、多価塩基成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。高分子バインダーを構成するポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
ポリエステルには、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分、あるいはp−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
ポリエステルのジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
共重合ポリエステルの含有量は、易接着層の重量を基準として55重量%以上100重量%以下であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上95重量%以下、さらに好ましく80重量%以上95重量%以下、特に好ましくは85重量%以上90重量%以下である。
易接着性の塗布層中には粒子が含有されることが好ましい。易接着層に用いる粒子として、好ましくは平均粒子径20〜100nm、さらに好ましくは40〜80nmのものを用いるとよい。平均粒子径が下限値に満たないものであると、フィルムを巻き取った時のブロッキング性やフィルムの巻取り性が劣ることがあり、一方、上限値を超えると粒子の欠落や塗布層の透明性が悪化することがある。
粒子を添加する場合、好ましくは易接着層の重量を基準として30重量%以下の割合で用いる。30重量%を超えると易接着層の強度が低下し、後の工程で塗膜削れなどのトラブルを生じることがある。
易接着層の塗設に際し、さらに界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗布液の濡れ性を高めたり、塗液の安定性を向上させるために用いられ、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩などのアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に15重量%以下の範囲で含まれていることが好ましく、5〜10重量%であることがさらに好ましい。
易接着層の厚みは、乾燥後の最終厚みとして、好ましくは0.05〜0.3μm、さらに好ましくは0.07〜0.2μmである。塗膜の厚さが下限値に満たないと接着性が十分に得られないことがあり、また上限値を超えるとブロッキングを起こし易くなることがある。
帯電防止層および易接着層の塗設に用いられる上記組成物は、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成しやすいよう、水溶液、水分散液あるいは乳化液などの水性塗液(以下、水性塗布液と称することがある)の形態で使用されることが好ましい。
水性塗布液の固形分濃度は、該塗布液の重量を基準として通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。固形分濃度が下限値に満たないと、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがある。また固形分濃度が上限値を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が低下することがある。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向させた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向させたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸して配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィルム)などを含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向させた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸を行い、さらに熱固定処理を施すことが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独または組合せて用いることができる。
本発明のフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に帯電防止層を有し、かかる帯電防止離型層が離型成分として上述のシリコーン成分(1)とシリコーン成分(2)とを所定量併用することにより、インモールド転写箔フィルムとして用いた際、インモールド用転写箔の取り扱い時の帯電やブロッキングによる転写箔同士の貼付き、転写箔表面へのゴミや埃付着の発生がなく、また離型成分に起因した印刷はじきがなく、帯電防止層の透明性に優れている。特に転写箔同士のブロッキング性については室温の環境下のみならず、80℃を超える高温下でも耐ブロッキング性に優れている。かかる特性を備えることにより、インモールド転写に際し、高速成形性および高品位な印刷性に適したインモールド転写用フィルムとして好適に用いることができる。また、帯電防止層の塗布斑の目立ちにくいため、印刷工程で転写箔の外観検査を行う際に外観欠点と誤認されることなく、高い生産性を維持することができる。
フィルムの帯電防止層の表面を指で10cm長を10往復擦りつけ、塗膜の欠落状態を観察し、帯電防止層の密着性を下記の基準で評価した。
A+:変化無し
A:若干表面に変化有り、擦過場所に欠落は生じていない
B:擦過面積の半分までが欠落
C:擦過面積の50%を超えて欠落
この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
サンプルフィルムの帯電防止層表面について、タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%の条件で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定する。なお、表面固有抵抗値は1×1013[Ω/□]以下が好ましく、1×1012以下がさらに好ましい。
さらにサンプルフィルムを50℃の純水に10時間浸漬し、処理後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値を上記同様に測定して、未処理の表面固有抵抗値と50℃の純水に10時間浸漬処理後の表面固有抵抗値の変化率を求める。
なお、その変化率は100以下が好ましく、さらに好ましくは10以下である。ここで表面固有抵抗値の変化率とは、50℃の純水に10時間浸漬処理後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値を未処理の帯電防止層表面の表面固有抵抗値で割った値である。
サンプルフィルムの帯電防止層面とインモールド用転写箔の印刷面との耐ブロッキング性を評価するため、スタンピングホイルの顔料箔(COLORIT)Pタイプ(クルツ社製)を使用して、帯電防止面と印刷面を合わせ、
[条件1] 温度60℃、圧力1kg/cm2 または
[条件2] 温度90℃、圧力1kg/cm2
の条件で圧力を加えて24時間その環境に保持した後、帯電防止層面とラベルのシール面(印刷面)のブロッキング状態を観察し、それぞれの条件について下記の基準で評価した。
A+:印刷層の剥離面積0%、印刷層表面に変化無し
A:印刷層の剥離面積0%、印刷層表面が白化
B:印刷層の剥離面積1%以上30%以下
C:全体的に剥離面積30%超100%以下
この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
サンプルフィルムを易接着層面と帯電防止層面を重ね合わせ、温度50℃、圧力50kg/cm2、時間24時間の処理を実施した後、はがした易接着層表面について38〜40mN/mの濡れ張力を有するマジックを用いて濡れ状態を観察し、下記の基準で評価した。
A+:均一に塗れる
A:エッジのみ若干はじく(1%未満のはじき)
B:1%以上10%未満はじく
C:10%以上はじく
この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用して、下記式(1)より帯電防止層のヘーズを測定した。式中、フィルムヘーズとは、ポリエステルフィルム上に帯電防止層が形成されたフィルム全体のヘーズ値であり、帯電防止層未塗工フィルムヘーズとは、帯電防止層を塗工していない状態でのフィルムヘーズを指す。
帯電防止層のヘーズ=フィルムヘーズ−帯電防止層未塗工フィルムヘーズ ・・・(1)
A+:0.1%未満
A:0.1%以上0.4%未満
B:0.4%以上0.8%未満
C:0.8%以上
この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
包埋樹脂でフィルムを固定し、断面をミクロトームで切断して2%オスミウム酸で60℃、2時間染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子製、JEM2010)を用い、塗布層の厚みを測定した。
平均粒子径が2μmの酸化ケイ素の粒子を0.01wt%を含む溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.64dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、表1に示す塗布層構成成分からなる易接着層用塗布液(8wt%塗布液)をフィルムの表面に、帯電防止離型層用塗布液(4wt%塗布液)をフィルムの裏面にそれぞれロールコーターで均一に塗布した。
次いで、この塗布フィルムを引き続いて105℃で乾燥し、140℃で横方向に3.5倍に延伸し、さらに220℃で熱固定して表1に示す二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ50μm)を得た。
帯電防止層を設けなかった以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを製造した。
シリコーン1:フェニル基変性シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名「SM8627EX」)
シリコーン2:炭素数6以上の長鎖アルキル基変性シリコーン(信越化学工業株式会社製 商品名「X−52−8046」)
シリコーン3:アラルキル基変性シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名「TSM6362」)
シリコーン4:エポキシ基変性シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名「TSF4700」)
シリコーン5:アミノ基変性シリコーン(東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名「FZ−4640」)
シリコーン6:ジメチルシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社 商品名「NP2406」
カチオンポリマー:下記式(III)に示す構造が85モル%/メチルアクリレート10モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%からなる共重合体である。
界面活性剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名「ナロアクティーN−70」)
共重合ポリエステル: 酸成分がテレフタル酸50モル%/イソフタル酸45モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=40℃)。ポリエステルは、下記の通り製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル30部、イソフタル酸ジメチル27部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5部、エチレングリコール36部、ジエチレングリコール3部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、共重合ポリエステルを得た。
界面活性剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名「ナロアクティーN−70」)
Claims (5)
- ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に設けられた塗布層が帯電防止成分及び少なくとも2種のシリコーンを含有し、かかるシリコーン成分が(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンと(2)エポキシ基を含む有機基、カルボキシル基を含む有機基、アミノ基を含む有機基および加水分解によりシラノール基を生成する有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む反応性シリコーンもしくはジメチルシロキサンとを少なくとも含有し、該塗布層中の全シリコーン成分の重量を基準として(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンの割合が50重量%以上90重量%以下であることを特徴とするインモールド転写用フィルム。
- 前記(1)炭素数6以上の炭化水素基を有する非反応性シリコーンにおける炭素数6以上の炭化水素基の含有率が、ケイ素原子に直接結合した全有機基数を基準とした割合(%)で5%以上50%以下である請求項1または2に記載のインモールド転写用フィルム。
- 前記(2)エポキシ基を含む有機基、カルボキシル基を含む有機基、アミノ基を含む有機基および加水分解によりシラノール基を生成する有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む反応性シリコーンにおけるこれら反応性有機基の含有率が、ケイ素原子に直接結合した全有機基数を基準とした割合(%)で5%以上50%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のインモールド転写用フィルム。
- 該塗布層の重量を基準として、全シリコーン成分の含有量が1重量%以上50重量%以下、帯電防止成分の含有量が20重量%以上90重量%以下であり、さらに9重量%以上30重量%以下の範囲でその他の成分を含む請求項1〜4のいずれかに記載のインモールド転写用フィルム。
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