JP2012024723A - 廃水処理装置および廃水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニア性窒素およびアルカリ土類金属イオンを含有する廃水の処理において、廃水の処理を良好に行なうことができる廃水処理装置、および廃水処理方法を提供する。
【解決手段】廃水処理装置10は、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換する亜硝酸化槽11と;亜硝酸化槽11の処理水2から、アルカリ土類金属イオンを除去する中間処理槽12と;中間処理槽12の処理水3から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を除去するアンモニア脱窒槽13と;アンモニア脱窒槽13に充填され、アンモニア性窒素を水素供与体とし亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養脱窒菌を付着固定する微生物担体と;亜硝酸化槽11および中間処理槽12のpHを測定するpH測定手段16a、16bと;亜硝酸化槽11のpHを6.0以上7.0以下に、および、中間処理槽12のpHを8.5以上9.5以下に調整するpH調整手段14、15とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニア性窒素を含有する廃水から窒素を除去する廃水処理装置および廃水処理方法に関する。
有機性廃水を処理するUASBなどのメタン発酵処理槽からの処理水、有機性汚泥の嫌気性消化脱離液、有機性汚泥の脱水分離液、し尿、各種工場排水などの廃水には、多量のアンモニア性窒素が含まれている。このような廃水を処理する方法として、近年、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とするアンモニア脱窒細菌(アナモックス細菌)が発見され、その細菌を利用した廃水処理プロセスが数多く研究されている。この処理プロセスでは、図9に示すように、前段の亜硝酸化槽11において廃水中のアンモニア性窒素の全量または一部を亜硝酸性窒素まで酸化し、後段のアンモニア脱窒槽13において、亜硝酸性窒素とアンモニア性窒素とから窒素ガスを生成させ窒素を除去する。
しかし、廃水中にアルカリ土類金属が含まれる場合、アルカリ土類金属イオンに起因する化合物の結晶化により、析出物が亜硝酸化槽やアンモニア脱窒槽内品へ固着し、槽内品の破損を生じさせることがある。また、槽内に微生物担持用担体が充填されている場合、析出物が微生物担持用担体表面に付着すると、微生物担持可能領域が減少し、その結果、廃水処理の性能が低下する。
特許文献1には、カルシウムイオンに起因する炭酸カルシウムの析出による配管等の閉塞や汚泥中菌体比の低下を抑制する、窒素含有排水の処理方法が開示されている(段落0007−0008)。この処理方法では、亜硝酸化反応槽2の前段にCa除去装置1を配置し、廃水処理の前に含有するカルシウムイオンを除去する(図1)。カルシウムイオンの除去は、イオン交換、電気脱塩、凝集沈殿、晶析、電気泳動、凝集−分離膜等から選ばれる方法により行なわれる(段落0014)。
特開2007−125484号公報
しかし、廃水中には、通常多様な化学物質が含まれており、析出し不具合を生じさせる化合物は炭酸カルシウムに限られない。例えば、カルシウムイオンとリン酸イオンによる化合物(ヒドロキシアパタイト:HAP)や、他のアルカリ土類金属イオンに起因する化合物(例えば、リン酸マグネシウムアンモニウム:MAP)等が析出し、槽内に付着したり、微生物担持用担体表面に付着したりすることがある。
そこで本発明は、アンモニア性窒素およびアルカリ土類金属イオンを含有する廃水を処理する際に、アルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出をより簡便な方法で抑制し、亜硝酸化槽での亜硝酸型硝化およびアンモニア脱窒槽でのアンモニア脱窒を良好に行なうことのできる廃水処理装置および廃水処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様に係る廃水処理装置10は、例えば図1に示すように、アンモニア性窒素およびアルカリ土類金属イオンを含有する廃水1(被処理水1)を処理する廃水処理装置10であって、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換する亜硝酸化槽11と;亜硝酸化槽11の処理水2から、アルカリ土類金属イオンを除去する中間処理槽12と;中間処理槽12の処理水3から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を除去するアンモニア脱窒槽13と;アンモニア脱窒槽13に充填され、アンモニア性窒素を水素供与体とし亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養脱窒菌を付着固定する微生物担体と;亜硝酸化槽11および中間処理槽12のpHを測定するpH測定手段16a、16bと;亜硝酸化槽11のpHを6.0以上7.0以下に、および、中間処理槽12のpHを8.5以上9.5以下に調整するpH調整手段14、15とを備える。
なお本明細書において、「被処理水」とは、本願の廃水処理装置に処理される前の原水をいう。被処理水には、例えば、有機性廃水を処理するUASBなどのメタン発酵処理槽からの処理水、有機性汚泥の嫌気性消化脱離液、有機性汚泥の脱水分離液、し尿、各種工場排水などの廃水が含まれる。「処理水」とは、本願の廃水処理装置が備える処理槽により処理されたものをいう。例えば、図1では、亜硝酸化槽11までの処理がなされた処理水を処理水2、中間処理槽12までの処理がなされた処理水を処理水3、アンモニア脱窒槽13までの処理がなされた処理水を処理水4として区別する。「微生物担体」とは、生物膜法で用いられ、微生物がその表面に付着・固定化する微生物担持用担体をいい、担体に保持された微生物は、付着・固定化した状態で廃水と接触する。微生物担体としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレタン(PU)、アクリルや活性炭、セラミックなどが挙げられる。なお、微生物担体は、固定床担体であっても流動床担体であってもよい。
このように構成すると、亜硝酸化槽のpHが6.0以上7.0以下(中性または酸性)に保たれるため、アルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を抑制するだけでなく、アンモニア性窒素の亜硝酸性窒素への変換(亜硝酸型硝化)を良好に行なうことができる。さらに、アンモニア脱窒槽の前段に中間処理槽が設けられ、pHの調整といった簡便な方法によりアルカリ土類金属イオンが除去される。そのため、アンモニア脱窒槽においてアルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を抑制することができる。
本発明の第2の態様に係る廃水処理装置20は、上記本発明の第1の態様に係る廃水処理装置10において、例えば図2に示すように、中間処理槽12の処理水3に含まれるアルカリ土類金属イオン濃度を測定するためのアルカリ土類金属イオン測定手段21を備え;pH調整手段14、15は、前記アルカリ土類金属イオン濃度が20mg/L以下になるように、中間処理槽12のpHを制御するpH制御機構22を有する。なお、図2では、亜硝酸化槽11およびアンモニア脱窒槽13へのpH調整手段(薬品タンク14、注入ポンプ15)および配管を省略している。
このように構成すると、アンモニア脱窒槽内に流入する処理水3中に含まれるアルカリ土類金属イオンの濃度が常に20mg/L以下に保たれる。そのため、アンモニア脱窒槽内において、アルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を十分に抑制することができ、廃水処理装置の処理能力を長期的に維持することができる。
本発明の第3の態様に係る廃水処理方法は、例えば図1に示すように、アンモニア性窒素およびアルカリ土類金属イオンを含有する廃水を処理する廃水処理方法であって、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換する亜硝酸化ステップと;前記亜硝酸化ステップ後の処理水から、アルカリ土類金属イオンを除去するアルカリ土類金属イオン除去ステップと;前記アルカリ土類金属イオン除去ステップ後の処理水から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を除去する窒素除去ステップと;前記亜硝酸化ステップおよび前記アルカリ土類金属イオン除去ステップでのpHを測定するステップと;前記亜硝酸化ステップでのpHを6.0以上7.0以下に、および、前記アルカリ土類金属イオン除去ステップでのpHを8.5以上9.5以下に調整するステップとを備え;前記窒素除去ステップでは、アンモニア性窒素を水素供与体とし亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養脱窒菌を付着固定する微生物担体が用いられる。
このように構成すると、亜硝酸化ステップでのpHが6.0以上7.0以下(中性または酸性)に保たれるため、亜硝酸化ステップでのアルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を抑制するだけでなく、アンモニア性窒素の亜硝酸性窒素への変換(亜硝酸型硝化)を良好に行なうことができる。さらに、窒素除去ステップの前段にアルカリ土類金属イオン除去ステップが設けられ、pHの調整といった簡便な方法によりアルカリ土類金属イオンが除去される。そのため、窒素除去ステップにおいてアルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を抑制することができる。
本発明の第4の態様に係る廃水処理方法は、上記本発明の第3の態様に係る廃水処理方法において、例えば図2に示すように、前記アルカリ土類金属イオン除去ステップ後の処理水に含まれるアルカリ土類金属イオン濃度を測定するステップを備え;前記pH調整ステップは、前記アルカリ土類金属イオン濃度が20mg/L以下になるように、前記アルカリ土類金属イオン除去ステップでのpHを制御するステップを有する。
このように構成すると、窒素除去ステップに流入する処理水3中に含まれるアルカリ土類金属イオンの濃度が常に20mg/L以下に保たれる。そのため、窒素除去ステップにおいて、アルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を十分に抑制することができ、廃水処理の処理能力を長期的に維持することができる。
本発明によれば、アンモニア性窒素およびアルカリ土類金属イオンを含有する廃水を処理する際に、アルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出をより簡便な方法で抑制することができ、さらに、亜硝酸化槽での亜硝酸型硝化およびアンモニア脱窒槽でのアンモニア脱窒を良好に行なうことができる。
本発明の第1の実施の形態に係る廃水装置10の構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る廃水装置20の構成図である。 制御機構22が行なう制御のフローチャートの一例であり、(a)はアルカリ土類金属イオンの濃度が設定値以上となったときのフローであり、(b)はpHが設定値以上となったときのフローである。 (a)は中間処理槽とアンモニア脱窒槽を1の槽とした場合の構成図である。(b)は、二重に構成された円筒状の槽を用いて中間処理槽とアンモニア脱窒槽を構成した場合の構成図である。(c)は(b)の上面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る廃水装置30の構成図である。 本発明の第4の実施の形態に係る廃水装置40の構成図である。 本発明の第5の実施の形態に係る廃水装置50の構成図である。 実施例1の被処理水および処理水中に含まれる物質の量を示す表である。 従来の廃水装置100の構成図である。 実施例1と比較例1の窒素除去速度の経時変化を示すグラフである。 実施例2の窒素除去速度の経時変化を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一または相当する部分には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
本発明の廃水処理装置は、多様な化学物質を含む様々な廃水において、廃水中の成分に影響されずに、十分に性能を発揮できる装置を提供するという目的を、以下のように、各処理槽のpHを調整し各槽での処理を良好に行なうとともに、pHの調整によりアルカリ土類金属イオンを除去し、該イオンの結晶化により各槽で生じる不具合を回避することにより実現した。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る廃水処理装置10が備える亜硝酸化槽11、中間処理槽12、アンモニア脱窒槽13について説明する。
廃水処理装置10では、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とするアンモニア脱窒細菌(アナモックス細菌)を用いる。まず、亜硝酸化槽11において廃水中のアンモニア性窒素の一部のみを亜硝酸性窒素まで酸化する。その後、アンモニア脱窒槽13において、亜硝酸性窒素と残りのアンモニア性窒素から窒素ガスを生成させ窒素を除去する。したがって、亜硝酸化槽11では、廃水中のアンモニア性窒素の一部のみを亜硝酸性窒素まで酸化し、酸化反応を亜硝酸性窒素で停止させる部分硝化処理が必要となる。
しかし、通常の環境下では、アンモニア性窒素はアンモニア酸化細菌により亜硝酸性窒素に酸化され、亜硝酸性窒素は亜硝酸酸化細菌により硝酸性窒素まで酸化されてしまう。そのため、亜硝酸化槽11では、亜硝酸酸化細菌を選択的に阻害する必要がある。その方法の一つに、亜硝酸酸化細菌がアンモニア酸化細菌に比べ遊離アンモニアや遊離亜硝酸により阻害を受けやすいことを利用して、選択的に亜硝酸酸化細菌の増殖および活性を阻害する方法がある。具体的には、水中における遊離アンモニアや遊離亜硝酸の存在量は、水温やpHによって変化する。よって、pHを操作することにより、遊離アンモニアや遊離亜硝酸の存在量を調整する方法が用いられている。
ところで、硝化反応は、反応に伴って水素イオンを生成し、水中のアルカリ度を消費する。そのため、通常、硝化槽のpHは中性よりもアルカリ性側に調整されることが多い。同様に、アンモニア性窒素を硝酸性窒素まで酸化せず、亜硝酸性窒素まで酸化することを目的とする亜硝酸化槽11においても、pHは中性よりもアルカリ性側に調整されることが多い。その結果、以下の2つの化学反応式の平衡は右に傾き、遊離アンモニアまたは遊離亜硝酸の阻害作用は、遊離アンモニアの作用によるところが大きいと考えられる。
NH ⇔ NH+ H
HNO ⇔ NO + H
上記のとおり、pHをアルカリ性側に調整すればするほど遊離アンモニアの濃度が高くなる。よって、より強い阻害作用とアルカリ度を確保するため、亜硝酸化槽11は、一般的には、pH7以上、多くはpH7.5以上に制御されることが多い。
しかし、廃水中にアルカリ土類金属イオンが含まれる場合、一例としての以下の溶解度積が示すとおり、pHをアルカリ性側にすることによって、より低いアルカリ土類金属イオンの濃度であっても、廃水中のアルカリ土類金属イオンとリン酸イオンが結合したリン化合物の結晶が生成しやすくなる。
SP=〔Ca2+10・〔PO 3−・〔OH
SP=〔Mg2+〕・〔NH 〕・〔HPO 2−〕・〔OH
廃水である被処理水1には、高濃度のアンモニア性窒素が含まれている。その上で遊離アンモニアの阻害作用を有効に利用するために亜硝酸化槽11のpHをアルカリ性側に設定すると、水酸化物イオン濃度の増加と高濃度のアンモニウムイオン濃度により、マグネシウムイオンとアンモニウムイオンとオルトリン酸イオンの化合物であるMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)が析出しやすくなる。MAPが析出すると、亜硝酸化槽内品への固着に伴う槽内品の破損、あるいは、槽内に充填された微生物担体への付着に伴う担体表面の微生物担持可能領域の減少により、処理性能が劣化するなど、さまざまな不具合が生じる。
したがって、図1示す廃水処理装置10が備える亜硝酸化槽11では、pHを6.0以上7.0以下(すなわち中性より酸性側)に保つ。これにより、遊離アンモニアの阻害作用は低下するものの、遊離亜硝酸の阻害作用は増加し、亜硝酸酸化細菌に対して優先的に阻害を与え、亜硝酸化槽11での亜硝酸化型硝化を良好に行なう。このように、本発明に係る廃水処理装置が備える亜硝酸化槽では、pHを6.0以上7.0以下に保つことで、亜硝酸化槽でのMAPの生成を回避することができ、かつ、遊離亜硝酸の作用で亜硝酸酸化細菌の活性および増殖を阻害し、亜硝酸型硝化を良好に達成することができる。
図1に示すアンモニア脱窒槽13では、亜硝酸化槽11での硝化処理によりアンモニウムイオンの濃度が低下するため、MAP生成のリスクは低下する。しかし、アンモニア脱窒は弱アルカリ性側で活性が高いことが知られている。そのため、アンモニア脱窒槽13は弱アルカリ性側に調整されることが多い。その結果、廃水中にカルシウムイオンが含まれる場合、カルシウムイオンとリン酸イオンの化合物であるHAP(ヒドロキシアパタイト)が析出しやすくなる。HAPが析出すると、アンモニア脱窒槽内品への固着に伴う槽内品の破損、あるいは、槽内に充填された微生物担体への付着に伴う担体表面の微生物担持可能領域の減少により、処理性能が劣化するなど、さまざまな不具合が生じる。
なお、廃水中に含まれるリンの除去を目的としてHAPを晶析させ、除去することは広く行なわれている。しかし、HAPは溶解度積が小さく、カルシウムイオン濃度への依存が大きい。そのため、例えば東京都の新設下水処理場に適用されるリンの排出基準である1mg/Lを下回る濃度のリンを含有した廃水であっても、pHがアルカリ性側であれば十分にHAPが晶析する危険性を有する。すなわち、リンの除去を必要としない廃水(リンの除去を目的としてHAPを析出させリンを除去する必要のない廃水)であっても、HAPの析出により不具合が生じ、処理装置の性能に著しい障害を与える可能性がある。
したがって、図1に示す廃水処理装置10が備えるアンモニア脱窒槽13のpHを、アンモニア脱窒処理に適切なpH7.0以上8.0以下にした場合、この範囲はアルカリ土類金属イオンが析出しやすいpH領域に含まれる。そのため、アルカリ土類金属イオンに対して、何の処理も施していない廃水を通水した場合には、アンモニア脱窒槽13内でアルカリ土類金属イオンの化合物が析出し、アンモニア脱窒槽内品への固着、あるいは、微生物担体への付着に伴う担体表面の微生物担持可能領域の減少による微生物保持量の低下により、アンモニア脱窒槽13での処理性能が低下する。
そのため、廃水処理装置10では、亜硝酸化槽11の後段であって、アンモニア脱窒槽13の前段に、アルカリ土類金属イオンを除去する中間処理槽12を設ける。その上で、中間処理槽のpHを8.5以上9.5以下(すなわちアンモニア脱窒槽13よりアルカリ性側)に設定することにより、アルカリ土類金属イオンの除去効果を高める。このようにすると、後段のアンモニア脱窒槽13のpHがアルカリ性側に設定された場合でも、アンモニア脱窒槽13でのアルカリ土類金属イオンの析出による不具合を回避することができる。
さらに、中間処理槽12の流出水(処理水3)中のアルカリ土類金属イオンの濃度を20mg/L以下に制御することにより、アンモニア脱窒槽13でのアルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を抑制し、排水処理装置の処理能力をより長期間維持することができる。
このように、本発明の廃水処理装置では、亜硝酸化槽とアンモニア脱窒槽の間に中間処理槽を設け、各槽のpHのみを調整することにより、簡便に亜硝酸化槽およびアンモニア脱窒槽の処理性能を維持することができる。さらに、アルカリ土類金属イオンに起因する析出物による不具合、例えば槽内品への固着による槽内品の破損やそれに伴うメンテナンス費の増加、および、担体表面での析出による処理能力の低下など、を簡便に回避することができる。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る廃水処理装置10についてさらに詳細に説明する。図1の廃水処理装置10は、上記のとおり、亜硝酸化処理を行う亜硝酸化槽11、アルカリ土類金属イオンを除去する中間処理槽12、およびアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を除去するアンモニア脱窒槽13を備える。さらに、廃水処理装置10は、各槽11〜13にpH測定手段16a、16b、16cをそれぞれ備えるとともに、pH調整手段としての、アルカリ薬品タンク14a、酸薬品タンク14b、およびアルカリ薬品注入ポンプ15a、酸薬品注入ポンプ15bとを備え、該薬品の注入により亜硝酸化槽11、中間処理槽12、アンモニア脱窒槽13のpHをそれぞれ変更する。アルカリ薬品タンク14aには、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の一価の水酸化物が貯蔵される。酸薬品タンク14bには、一般的な酸性物質が貯蔵される。例えば、硫酸や塩酸等を用いることができる。
図1に示すように、亜硝酸化槽11に供給された被処理水1は、アンモニア酸化細菌の作用によって、被処理水中のアンモニア性窒素が亜硝酸性窒素に変換される。亜硝酸化槽11のpHは、6.0以上7.0以下にすることが好ましい。6.0以上7.0以下にすると、MAPの生成を回避し、かつ、亜硝酸酸化細菌の活性および増殖を阻害できるため、亜硝酸型硝化を良好に達成することができる。亜硝酸化された処理水2は、中間処理槽12に導入され、アルカリ土類金属イオンが除去される。中間処理槽12のpHは、8.5以上9.5以下にすることが好ましい。8.5以上9.5以下にすると、アンモニア脱窒槽13の前段で、効果的にアルカリ土類金属イオンを除去することができる。アルカリ土類金属イオンが除去された処理水3は、アンモニア脱窒槽13に導入され、アンモニア脱窒細菌により、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が除去され、処理水4を得る。アンモニア脱窒槽13のpHは、アンモニア脱窒細菌の活性が高まるpH7.0以上8.0以下にすることが好ましい。
亜硝酸化槽11では、土や砂などの水に溶解しない自然界にそのまま存在する粒子を担持担体として利用したり、あるいはポリビニルアルコールまたはポリエチレングリコールなどの高分子を主成分として作成された化学物質を担持担体として利用したりすることにより、担体に保持された状態のアンモニア酸化細菌を保持する。または、活性汚泥状態のアンモニア酸化細菌を保持してもよい。または、担体に保持された状態のアンモニア酸化細菌と活性汚泥状態のアンモニア酸化細菌とを併用してもよい。
亜硝酸化槽11では、亜硝酸化(硝化)を行なうために必要なアルカリ度を補給するために、アルカリ剤を投入する装置(アルカリ薬品タンク14aやアルカリ注入ポンプ15a)を設けることが好ましい。アルカリ剤は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の一価の水酸化物が好ましい。一価の水酸化物を用いることにより、水酸化カルシウム等に含まれる二価のアルカリ土類金属イオンの増加により生ずる不具合のリスクを軽減させることができる。
亜硝酸化槽11から流出する処理水2中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の比は、アンモニア性窒素:亜硝酸性窒素=1:1.3とすることが好ましい。1:1.3とすると、後段のアンモニア脱窒槽13におけるアンモニア脱窒反応の理論比に合わせた比にすることができる。
中間処理槽12では、アルカリ土類金属イオンが晶析または凝集によって除去される。中間処理槽12での水理学的滞留時間(HRT)は、長ければ長いほど反応時間が長くなり、アルカリ土類金属イオンの除去率は上昇する。なお、装置のランニングコスト等をも合わせて考慮すると、水理学的滞留時間は、0.5時間以上10時間以下が好ましく、1時間以上7時間以下がより好ましく、3時間以上5時間以下が特に好ましい。また、中間処理槽12で処理された処理水3中のアルカリ土類金属イオンの濃度は、20mg/L以下が好ましく、より好ましくは10mg/L以下、特に好ましくは5mg/L以下である。なお、中間処理槽12には攪拌機(不図示)を設けてもよい。攪拌機により、槽内のpHを均一にすることができる。
アンモニア脱窒槽13には、アンモニア性窒素を水素供与体とし亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養脱窒菌(アナモックス細菌)を付着固定する微生物担体が充填される。微生物担体としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレタン(PU)、アクリルや活性炭、セラミックなどを用いることができる。
図2に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る廃水処理装置20は、第1の実施の形態に係る廃水処理装置10にさらに中間処理槽12中の処理水3に含まれるアルカリ土類金属イオンの濃度を測定するためのアルカリ土類金属イオン測定手段21と、中間処理槽12のpHを制御するpH制御機構22を備える。pH制御機構22は、図3(a)に示すように、アルカリ土類金属イオン測定手段21からアルカリ土類金属イオンの濃度値を入手し、該濃度値が設定値以上になると、アルカリ注入ポンプ15aを作動させ、アルカリ薬品タンク14aに貯蔵された薬品を中間処理槽12に投入し、pHを上げる。
例えば、アルカリ薬品に水酸化ナトリウムを用いた場合は、アルカリ土類金属イオンはHAPやMAP、あるいは水酸化物の生成により晶析し、アルカリ土類金属イオンは減少する。アルカリ土類金属イオンが設定値以下となったら、アルカリ注入ポンプ15aを待機状態にし処理を終了する。さらに、図3(b)に示すように、pH測定手段16b(図1参照)から中間処理槽12のpHを入手し、pHが設定値以上になった場合に、酸注入ポンプ15bを作動させ、酸薬品タンク14bに貯蔵された薬品を中間処理槽12に投入し、pHを下げる。例えば、酸薬品に希塩酸を用いた場合は、水素イオン(H)によりpH値は下がる。pH値が設定値以下となったら、酸注入ポンプを待機状態にし処理を終了する。
中間処理槽12のアルカリ土類金属イオンの濃度が、20mg/L以下、より好ましくは10mg/L以下、特に好ましくは5mg/L以下になるように、pH制御機構22を用いて中間処理槽12のpHを制御する。このように、アルカリ土類金属イオンの濃度を考慮したpHの制御により、中間処理槽12でのアルカリ土類金属イオンの除去効果を高めることができる。
なお、pH制御機構22を用いて、亜硝酸化槽11およびアンモニア脱窒槽13に設置されたpH測定手段16aおよび16cからそれぞれpHを入手し、アルカリ注入ポンプ15aと酸注入ポンプ15bを運転/運転待機させることにより、亜硝酸化槽11およびアンモニア脱窒槽13のpHを自動制御する構成としてもよい。
さらに、廃水処理装置10、20では、中間処理槽12とアンモニア脱窒槽13は、2つの槽に分かれている必要はなく、図4に示すように1つの槽を2つに分けた形状としてもよい。例えば、図4(a)に示すように1槽内に仕切板17を設けて2槽としてもよいし、図4(b)のように、二重に構成された円筒状の槽の内槽を中間処理槽12、外槽をアンモニア脱窒槽13としてもよい。なお、図4(c)は、図4(b)に示す円筒状の槽の上面図である。このように構成すると、廃水処理装置全体を小型化することができる。
図5を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る廃水処理装置30について説明する。図5の廃水処理装置30は、廃水処理装置10にさらに沈殿槽31を備える。沈殿槽31は、亜硝酸化槽11と中間処理槽12の間に設けられ、沈降した汚泥を亜硝酸化槽11に返送する。よって、亜硝酸化槽11内のアンモニア酸化細菌の濃度を高めることができる。
図6を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る廃水処理装置40について説明する。図6の廃水処理装置40は、廃水処理装置10にさらに沈殿槽41を備える。沈殿槽41は、中間処理槽12とアンモニア脱窒槽13との間に設けられる。沈殿槽41により、中間処理槽12での析出物を排出させ、析出物がアンモニア脱窒槽13内に流入するのを抑制してもよい。
図7を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る廃水処理装置50について説明する。図7の廃水処理装置50は、廃水処理装置10にさらに沈殿槽31および沈殿槽41の両槽を備える。
以下に、本発明の実施例を説明する。しかし、本発明の実施例は以下の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示す廃水処理装置10を用いて、下水汚泥の嫌気性消化脱離液の処理を行った。亜硝酸化槽11の容量を約100L、中間処理槽12の容量を約70L、アンモニア脱窒槽13の容量を約100Lとした。亜硝酸化槽11と中間処理槽12のpH調整剤には水酸化ナトリウムを、アンモニア脱窒槽13のpH調整剤には硫酸を用いた。亜硝酸化槽11には、ポリエチレングリコール製の微生物担体を、アンモニア脱窒槽13には、ポリビニルアルコール製の微生物担体を用いた。亜硝酸化槽11のpHを6.5に、中間処理槽12のpHを8.9〜9.1に、アンモニア脱窒槽13のpHを7.5になるように調整した。中間処理槽12の滞留時間は4時間とした。亜硝酸化槽11およびアンモニア脱窒槽13には、それぞれ微生物担体を反応槽容量に対して20vol%充填した。
図1の被処理水1は、亜硝酸化槽11に供給されて、アンモニア酸化細菌によりアンモニア性窒素の一部が亜硝酸性窒素に変換された。中間処理槽12では、処理水2中のアルカリ土類金属イオンが、リン酸イオンあるいは炭酸イオンなどのイオンと反応し、HAPやMAP、炭酸カルシウムなどの固形物となって析出した。アンモニア脱窒槽13では、アンモニア脱窒細菌が、処理水3中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を窒素ガスに変換して、処理水3中から除去した。
図8に示す表1は、図1に示す廃水処理装置10を用いて、廃水を処理した結果である。廃水としての被処理水1中の、NH −Nは623mg/L、S−Caは35.2mg/Lであった。しかし、亜硝酸化槽11および中間処理槽12を経た流出水(処理水3)中の、NH −Nは270mg/L、NO −Nは332mg/L、S−Caは4.7mg/Lとなり、良好に亜硝酸型硝化が行なわれた。さらに中間処理槽12により、十分にアルカリ土類金属イオンであるS−Caが除去された。アンモニア脱窒槽13を経た処理水4のNH −Nは57mg/L、NO −Nは35mg/L、NO −Nは48mg/Lとなり、窒素除去率が約78%の良好な処理水を得ることができた。なお、表1中の「NH −N」は、NH 中に含まれるNの量を示す。「S−Ca」は、溶解性カルシウムの量を示す。
上記のとおり、廃水処理装置10が中間処理槽12を備え、各槽11〜13を前記のpHに調整し、中間処理槽12の滞留時間を前記の時間に設定した結果、アルカリ土類金属イオンの析出物による不具合を回避し、廃水処理装置10の処理性能を長期間に渡って安定的に維持することができた(図10参照)。
[比較例1]
図9に示す廃水処理装置100(従来型の装置、中間処理槽なし)を用いて、下水汚泥の嫌気性消化脱離液の処理を行った。亜硝酸化槽11およびアンモニア脱窒槽13の容量、pH調整に使用する調整剤、各槽に充填した微生物担体、T‐N負荷、亜硝酸化槽11およびアンモニア脱窒槽13のpHは、実施例1と同様とした。また、実験に用いた原水水質は、図8に示す表1の被処理水1と同様である。図10に示すように、比較例1は、当初は実施例1と同様に良好な処理水を得ることができた。しかし、運転を継続するにしたがって、アンモニア脱窒槽13に充填した微生物担体表面をアルカリ土類金属イオンの析出物が覆い、結果微生物担持量が減少し、アンモニア脱窒処理速度が低下して、良好な処理水を得ることができなくなった。すなわち、実施例1と同様に処理性能を長期間に渡って安定的に維持することはできなかった。
[実施例2]
図2に示す廃水処理装置20を用いて、下水汚泥の嫌気性消化脱離液の処理を行った。亜硝酸化槽11、中間処理槽12およびアンモニア脱窒槽13の容量、pH調整に使用する調整剤、各槽に充填した微生物担体、T‐N負荷、実験に用いた原水水質は、実施例1と同様である。亜硝酸化槽11のpHを6.5に、中間処理槽12のpHを8.5〜9.5に、アンモニア脱窒槽13のpHを7.5になるように調整した。中間処理槽12の滞留時間は4時間とした。亜硝酸化槽11およびアンモニア脱窒槽13には、それぞれ微生物担体を反応槽容量に対して20vol%充填した。さらに、アルカリ土類金属イオン測定手段21とpH制御機構22を用いて、処理水3(中間処理槽流出水)のアルカリ土類金属イオン濃度を30mg/L、20mg/L、10mg/Lにそれぞれ制御した。
図11は、図2に示す廃水処理装置20を用いて、廃水を処理した結果である。処理水3(中間処理槽流出水)中のアルカリ土類金属イオン濃度を30mg/Lに制御した場合、ある程度の期間は安定した窒素除去速度を得ることができた。しかし、運転を継続するにしたがって、アンモニア脱窒槽13に充填した微生物担体表面をアルカリ土類金属イオンの析出物が覆い、結果微生物担持量が減少し、アンモニア脱窒処理速度が低下した。処理水3(中間処理槽流出水)中のアルカリ土類金属イオン濃度を10mg/Lおよび20mg/Lに制御した場合は、より長期間に渡って安定的に窒素除去速度を維持することができた。アルカリ土類金属イオン濃度が10mg/L以下、または20mg/L以下であれば、析出物が全く発生しないわけではないと考えられるが、少なくとも240日に渡り廃水処理装置の処理性能の低下は生じなかった。
本発明は、アルカリ土類金属に着目し、廃水中に含まれるアルカリ土類金属イオンに起因する化合物の析出を抑制して、アンモニア性窒素を含有する廃水から窒素を除去する廃水処理装置の処理性能を長期間に渡り維持できる簡易な方法および装置を見出したものである。具体的には、本発明の廃水処理装置は、亜硝酸化槽と中間処理槽とアンモニア脱窒槽を備え、亜硝酸化槽のpHを中性または酸性である6.0以上7.0以下に、中間処理槽のpHを8.5以上9.5以下(アンモニア脱窒槽よりも高いpH)に調整することによって、亜硝酸化槽およびアンモニア脱窒槽におけるアルカリ土類金属イオンの析出による様々な不具合を回避するものである。
特に、アナモックス細菌は生物膜の形で増殖する。そのため、アンモニア脱窒槽には微生物担体を充填し、アナモックス細菌が生物膜を形成しやすくする。しかし、槽内に析出物が発生し、このような微生物担体に付着すると、装置の処理性能を長期間に渡り維持することが困難になる。
本発明の廃水処理装置では、各槽のpHを的確に調整することのみで析出物の発生を抑え、亜硝酸化処理およびアンモニア脱窒処理を長期間に渡って良好に維持することができる。このように、本発明は、様々な物質を含有する多様な廃水の窒素除去を長期間に渡って、良好にかつ安価に行なうことができる。
1 廃水、被処理水
2、3、4 処理水
10、20、30、40、50 廃水処理装置
11 亜硝酸化槽
12 中間処理槽
13 アンモニア脱窒槽
14a アルカリ薬品タンク
14b 酸薬品タンク
15a アルカリ注入ポンプ
15b 酸注入ポンプ
16a、16b、16c pH測定手段
17 仕切板
21 アルカリ土類金属イオン測定手段
22 pH制御機構
31、41 沈殿槽
100 従来の廃水処理装置

Claims (4)

  1. アンモニア性窒素およびアルカリ土類金属イオンを含有する廃水を処理する廃水処理装置であって、
    アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換する亜硝酸化槽と;
    前記亜硝酸化槽の処理水から、アルカリ土類金属イオンを除去する中間処理槽と;
    前記中間処理槽の処理水から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を除去するアンモニア脱窒槽と;
    前記アンモニア脱窒槽に充填され、アンモニア性窒素を水素供与体とし亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養脱窒菌を付着固定する微生物担体と;
    前記亜硝酸化槽および前記中間処理槽のpHを測定するpH測定手段と;
    前記亜硝酸化槽のpHを6.0以上7.0以下に、および、前記中間処理槽のpHを8.5以上9.5以下に調整するpH調整手段とを備える;
    廃水処理装置。
  2. 前記中間処理槽の処理水に含まれるアルカリ土類金属イオン濃度を測定するためのアルカリ土類金属イオン測定手段を備え;
    前記pH調整手段は、前記アルカリ土類金属イオン濃度が20mg/L以下になるように、前記中間処理槽のpHを制御するpH制御機構を有する;
    請求項1に記載の廃水処理装置。
  3. アンモニア性窒素およびアルカリ土類金属イオンを含有する廃水を処理する廃水処理方法であって、
    アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換する亜硝酸化ステップと;
    前記亜硝酸化ステップ後の処理水から、アルカリ土類金属イオンを除去するアルカリ土類金属イオン除去ステップと;
    前記アルカリ土類金属イオン除去ステップ後の処理水から、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を除去する窒素除去ステップと;
    前記亜硝酸化ステップおよび前記アルカリ土類金属イオン除去ステップでのpHを測定するステップと;
    前記亜硝酸化ステップでのpHを6.0以上7.0以下に、および、前記アルカリ土類金属イオン除去ステップでのpHを8.5以上9.5以下に調整するステップとを備え;
    前記窒素除去ステップでは、アンモニア性窒素を水素供与体とし亜硝酸性窒素を水素受容体とする独立栄養脱窒菌を付着固定する微生物担体が用いられる;
    廃水処理方法。
  4. 前記アルカリ土類金属イオン除去ステップ後の処理水に含まれるアルカリ土類金属イオン濃度を測定するステップを備え;
    前記pH調整ステップは、前記アルカリ土類金属イオン濃度が20mg/L以下になるように、前記アルカリ土類金属イオン除去ステップでのpHを制御するステップを有する;
    請求項3に記載の廃水処理方法。
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