JP2012021256A - 透光性遮熱シートの製造方法、該製造方法により製造した透光性遮熱シート、これを利用した障子シート、ブラインドのスラット、開口建具用のシートおよび開口建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る透光性遮熱シートは繊維構造体からなり、この繊維構造体は、少なくとも光反射性の繊維が三次元的に配置されていることにより通気性を有し、繊維構造体の一方の面側から他方の面側が透けて見えることがないように形成されている。光反射性の繊維が三次元的に配置されて形成された通気性を有する繊維構造体からなり、可視光透過率が15%以上、熱伝導率が0.045W/m・K以下、日射熱取得率が0.4以下である。
【選択図】図18
Description
<繊維構造体の材質>
本発明に用いる上記湿熱接着性繊維を構成する樹脂は、熱により軟化して自己接着または他の繊維に接着するものであり、特に約95〜100℃の熱水で軟化して接着するものが好ましい。例えば、アクリルアミドを一成分とする共重合体、ポリ乳酸、エチレン−ビニルアルコール系共重合体などが挙げられる。
<繊維構造体の性能>
上述したように本発明における繊維構造体を構成する繊維は、光を反射する性質を有し、この繊維を用いた本発明に係る繊維構造体は、繊維が三次元的に配置されており、表面側から裏面側が透けて見えることがなく、繊維構造体を形成した場合に効果的に日射光を反射し、日射遮蔽係数に優れている。
<繊維構造体の形態>
本発明に係る繊維構造体は、それ自体あるいはそれと他の部材との組合せで使用することができる。たとえば、上述したように密度、目付、厚みを所定の範囲とした繊維構造体それ自体を用いて、カーテンやブラインドのスラットを形成することもできるし、本発明における湿熱接着性繊維を含み不織繊維構造を有する繊維構造体と和障子の枠に接着した状態としてもよい。
<繊維構造体の製造方法>
その概略は以下における実施例等で明らかであるが、詳細には以下の方法である。
<透光性遮熱シート>
本発明に係る透光性遮熱シートは、上記繊維構造体のみからなるシートとするとともに、この上記繊維構造体であるシートを、0.05〜0.2g重/cm3の密度(目付50〜2000g重/m2、および厚み10〜1mm)とすることで、シートを可視光透過率10%以上、熱伝導率0.045W/m・K以下、および日射熱取得率を0.4以下とすることができる。このシートの密度、目付、厚みについては、シート全体に渡って一様でなくともよい。
(密度)
シートの密度は0.05〜0.20g重/cm3が好ましく、0.07〜0.15g重/cm3、さらに好ましくは0.10〜0.15g重/cm3である。シートの密度が0.05g重/cm3未満の場合には、軽量性を有するものの、十分な曲げ硬さの確保やシートの形状を保持することが難しくなる。逆に、シートの密度が0.20g重/cm3を超えると、シートの硬さは十分確保できるが十分な透光性を得るのが難くなる。
(熱伝導率)
シートの熱伝導率は、0.045W/m・K以下であることが好ましく、0.040W/m・K以下であることがより好ましい。繊維構造体の熱伝導率が0.045W/m・Kを超えると日射により加熱されて高温となったシートの日射面の熱が室内側に多量に伝達されることとなり好ましくない。
(日射熱取得率)
さらに冷房負荷の指標であるシートの日射熱取得率は0.4以下であることが好ましい。シートの日射熱取得率が0.4を超えると室内に熱が多く進入することとなる。さらに、本発明に係る透光性遮熱シートを、湿熱性繊維を用いて上述したように製造した不織繊維構造の繊維構造体のみを用いたものとすれば、より適した圧縮強度、曲げ強度といった機械的強度を有する透光性遮熱シートが得られる。これにより透光性遮熱シートを軽量かつ安価にすることができる。
(密度と日射との関係)
図25に示すように、繊維構造体を用いて例えばバーチカルブラインドのスラットを形成し、厚みを5mmの一定としてスラットの密度を変更していくと、スラットの密度に応じてスラットに差し込む日射の反射率、吸収率、透過率が変化する。
η(厚み3mm透明ガラス)=0.86
(繊維構造体の製造)
[製造例1]
湿熱性接着性繊維として、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール系共重合体(エチレン含有量44モル%、ケン化度98.4モル%、芯鞘比=50/50)である芯鞘型複合ステープル繊維(クラレ社製、「ソフィスタ」、3dtex、51mm長、捲縮数21個/インチ、捲縮率13.5%)を準備した。上記芯鞘型複合ステープル繊維を用いて、カード法により目付約300g/m2のカード(くしけずり)したパラレルのウェブを作成した。
<繊維構造体>
(可視光透過率)
[実施例1〜6]
製造例1で図1(上の表)に示すように厚みを2mmの一定とし、目付(g/m2)を調節することで密度(g重/cm3)を変化させて不織繊維構造の繊維構造体を製造し、各繊維構造体の可視光透過率(%)を測定した。
[実施例7〜10]
製造例1で図1に示すように密度と厚みを変化させて不織繊維構造の繊維構造体を製造し、各繊維構造体の可視光透過率(%)を測定した。
(熱伝導率)
[実施例11〜13]
製造例1で図3の表に示すように厚みを約10mmの一定とし、密度(g重/cm3)を変化させて不織繊維構造の繊維構造体を製造し、各繊維構造体の熱伝導率を評価した。
(日射熱取得率)
[実施例14〜21]
実施例14〜21では、図6の表に示す条件(厚み、密度)にて製造例1で不織繊維構造の繊維構造体を製造し、各繊維構造体の密度と日射熱取得率の関係を厚み別(約10mm、約5mm、2mm、1mm)に示した(実施例14〜21)。
[実施例22〜29]
実施例22〜29では、製造例1で図8に示す目付、密度、厚みで繊維構造体を形成し、各繊維構造体の夏季と冬季の日射熱取得率(平均値)を評価した。図9に密度別の実施例22〜29、参照例1〜3と、密度別の近似線を示し、密度別の厚みと日射熱取得率との関係を示す。
(各要素の総合比較)
図10にCAL式1、2、5を示し、繊維構造体の密度に応じた各要素(熱伝導率、熱取得率、遮蔽係数、可視透過率)の変化を示す。なお、図10中の矢印は繊維構造体の厚み変化でCAL式1,5の線がシフトすることを示している。
<障子紙>
(透光性)
[実施例30〜39]
実施例30〜39では、繊維構造体の目付及び密度と透光性の関係を示すため、製造例1で図11に示すような目付、厚み、密度で繊維構造体を形成し、各繊維構造体について透光性(%)を上記試験方法に従って調べた。各条件と結果は図11,12に示す通りである。図12に示すように、実施例30〜39の透光性(%)の結果を累積近似したところ、高い相関をしめた。これをCAL式7として図12に示す。
[比較例1〜5]
比較例1として塩化ビニル樹脂を和紙の両面にラミネートした「ワーロン障子」(ワーロン社製)、比較例2として高密度ポリエチレンの不織布「タイベック」(デュポン社製、商標登録)を用いた「クール障子」(日本テキスタイル株式会社)、比較例3としてポリエステル70%、パルプ20%、ビニロンバインダー10%の「4倍破れにくい障子」(アサヒペン社製)、比較例4として「モルザ障子」(モルザ社製)、比較例5として「明るく・貼りやすい障子」(アサヒペン社製)のそれぞれについて透光性を評価した。各結果を図11,図12に示す。
[実施例40,41]
実施例40,41では、製造例1で図13に示す通りの条件(目付、厚み)で繊維構造体を製造し、近赤外線(IR:800〜2000nm)、紫外線(UV:280〜400nm)、可視光線(VL:400〜800nm)を透過性について評価した。
[比較例6〜10]
比較例6では「クールスクリーン」(タイベック社製)、比較例7では「ワーロン障子」(ワーロン社製)、比較例8では「モルザ障子」(モルザ社製)、比較例9では一般的な和紙の障子、比較例10では「4倍破れにくい障子」(アサヒペン社製)をそれぞれ用いて、図13に示す条件(目付、厚み)にて実施例40と同様に各波長域の透過性について評価した。
[実施例42]
実施例42では、製造例1にて図14の条件(目付,厚み,密度)の繊維構造体を製造し、これを切断してサンプルサイズ15mm幅×150mm長の試験片を3枚作成した。この試験片の端部を試験用の2つのチャックにそれぞれ把持させて試験片を引張し、引張強力(たて、よこ)の評価を行った。なお、この評価は各試験片について行い、チャック間は100mmに設定した。また、試験時の引張のスピードは100mm/分とし、このときのデータをオートグラフで記録した。ここで、「たて」とは試験片の長尺方向の引張強力(MD)をいい、「よこ」(CD)とは試験片の横断方向の引張強力をさす。
[実施例43]
実施例43では、図14に示すように、実施例42とは異なる条件(目付,厚み,密度)で製造例1にて繊維構造体を製造し、それ以外は実施例42と同様にして引張強力(N/m)と破断強力(kPa)について評価した。各条件と結果を図14に示す。
[比較例11〜15]
比較例11〜15では、それぞれ図14に示す「クール障子」(比較例11、日本テキスタイル株式会社)、「4倍破れにくい障子」(比較例12、アサヒペン社製)、「ワーロンシート」(比較例13、ワーロン社製)、「明るく・貼りやすい障子」(比較例14、アサヒペン社製)、「モルザ障子」(比較例15、モルザ社製)を実施例42と同様に引張強力(N/m)と破断強力(kPa)について評価した。各結果を図14に示す。
(曲げ強度)
[実施例44〜47]
図15の表に示す条件(密度、厚み、目付)とし、それ以外は製造例1と同様に不織繊維構造の繊維構造体を製造した。これを障子紙として図15に示す項目(通気度、可視光透過率、日射熱取得率、熱伝導率、曲げ応力、1.5倍変位応力)について評価した(図15参照)。
[比較例16]
製造例1で密度0.25(g重/cm3)とする等、図15に示す条件で不織繊維構造の繊維構造体を製造し、障子紙として実施例44と同様に評価した。
[比較例17]
製造例1で密度0.045(g重/cm3)、厚み20(mm)とする等、図15に示す条件(密度、厚み、目付)で不織繊維構造の繊維構造体を製造し、これを障子紙として実施例44と同様に評価した。
[比較例18]
図15に示す条件(密度、厚み、目付)の「4倍破れにくい障子」(アサヒペン社製)の障子紙について、図15に示す日射熱取得率、熱伝導率及び1.5倍変位応力以外の項目を実施例44と同様に評価した。
[比較例19]
図15に示す条件(密度、厚み、目付)の不織布「タイベック」(デュポン社製、商標登録)を用いた「クール障子」(日本テキスタイル株式会社)について図15に示す日射熱取得率以外の項目を実施例44と同様に評価した。
[比較例20]
図15に示す条件(密度、厚み、目付)の「ワーロン障子」(ワーロン社製)を障子紙について可視光透過率、日射熱取得率について実施例44と同様に評価した(図15参照)。
<障子>
[実施例48]
次に、実施例44で製造した繊維構造体の障子紙をハサミで切断成形して、障子枠に両面テープで貼り付けて障子とし、この障子について以下のように冬季と夏季に分けてそれぞれ照射試験を行った。
(夏季照射試験)
夏季については、日射しが差し込む部屋の構造や日照などの条件が一定(南向きの4.5畳相当等)の部屋を使用して照射試験を行った。この部屋には約1.8m×1.8m程度のペアサッシが室内外を仕切るように設けられており、上記障子を室内側の窓面に対向するように設置して、室内を略密閉空間とするとともに、窓面と室外側障子面との空間とを略密閉空間とした。
(冬季照射試験)
冬季については、窓枠を有する試験用部屋のユニット(4畳弱等)を恒温槽内に完全に包まれるように設置等し、障子による冬季の室内の保温性、断熱性を評価した。この試験用部屋の窓枠には室内外を仕切るシングルガラス(約1.8m×1.8m)を設置した。この室内側の窓面に対向するように上記障子を夏季照射試験の場合と同様に取り付け、さらに、上記のような測定・撮影が可能なようにサーモカメラ等を設置し、恒温槽の温度(部屋の外気温度)を5℃に設定した。
[実施例49〜51]
実施例49では、実施例45で製造した繊維構造体を成形して障子紙として用いて障子とし、実施例48と同様に夏季照射試験を行い、室内照度のみを評価した(図16参照)。また、実施例50,51では、それぞれ実施例46,47で製造した繊維構造体を成形して障子紙として用い、夏季の室内照度と室内温度を実施例48と同様に測定した(図16参照)。
[比較例21,22]
次に比較例21,22では、比較例16、17で製造した繊維構造体を障子紙としたものを用いて障子として夏季照射試験を行い、室内照度と室内温度を実施例48と同様に測定した。
[比較例23〜25]
比較例23〜25では、比較例18〜20の障子紙を用いて障子とし、夏季照射試験と冬季照射試験を行い、各項目を実施例48と同様に測定した(図16参照)。また、比較例23については、サーモカメラで撮影した夏季照射試験と冬季照射試験での障子の温度分布を図17に示した。[比較例26]窓ガラスと障子を取り付けずに、窓を全開にした状態とした以外は実施例48と同様に冬季照射試験を行い、室内温度低下の測定を行った(図16参照)。
(夏効果について)
図17(A)のサーモグラフィの図を参照して、夏季において、比較例23では障子の全面に渡り約44℃の一様な温度分布を示し高温で室温上昇が激しく冷房負荷が大きい。これに対し実施例48では障子の7,8割の領域が34℃〜37℃でひやり感があり冷房負荷が小さい。
(冬効果について)
図16を参照して、実施例48のものは、比較例23〜25の他の障子に比べて、室内暖房を“切”にしてから室内温度が低下しにくい結果となり、冬季の暖房負荷を低減する効果を有する。
<ブラインド>
[実施例52]
実施例52では、製造例1に従って厚み5mm、密度(0.1g重/ cm3)、サイズ(巾90mm,長さ1800mm)のバーチカルブラインドのスラットの形状に加工成形した繊維構造体を製造し、これを複数用いてバーチカルブラインドを形成した。
[実施例53]
実施例53では、実施例52のバーチカルブラインドのスラットをレースの袋に入れて、これを実施例52のバーチカルブラインドのスラットの代わりに設置して実施例52と同様に試験を行った(図20(B),図21〜24参照)。
[比較例27]
比較例27では、「ハニカム・サーモスクリーン 標準タイプ(パールホワイト)」(セイキ産業社製)を実施例52のバーチカルブラインドの代わりに設置して実施例52と同様に試験を行った(図20(A),図21〜24参照)。
[比較例28]
比較例28では、遮熱ブラインド「セレーノ25Q(AX-25Q)C011S(ホワイト)」(ニチベイ社製)を実施例52のバーチカルブラインドの代わりに設置して実施例52と同様に試験を行った(図20(D),図21〜24参照)。
[比較例29]
比較例29では、実施例52のバーチカルブラインドを取り外してブラインド等を何も取り付けていない状態で実施例52と同様に試験を行った(図20(E)参照、図21〜24参照)。
[比較例30]
比較例30では、一般バーチカルブラインドとして「ハープ89」(ヨコタ社製)を実施例52のバーチカルブラインドの代わりに設置して実施例52と同様に試験を行った(図20(F),図21〜24参照)。
(遮熱性)
(室内側ブラインド面温度)
室内側ブラインド面温度(℃)は、図21に示すように、全体的に一般バーチカル(比較例30)>遮熱ブラインド(比較例28)>ハニカム(比較例27)>FLXレース(実施例53)>FLX(実施例52)となった。
(室内中央温度)
図22を参照して、室内中央温度(℃)は、全体的に障子無し(比較例29)>ハニカム(比較例27)>FLX(実施例52)>遮熱ブラインド(比較例28)>一般バーチカル(比較例30)>FLXレース(実施例53)となった。
(床温度)
図23を参照して、照射開始から1時間経過した時点の試験室内の床温度(℃)は、障子無し(比較例29)>ハニカム(比較例27)>一般バーチカル(比較例30)>遮熱ブラインド(比較例28)>FLX(実施例52)>FLXレース(実施例53)となった。
<採光性>
(水平面照度, 垂直面照度)
図24を参照して、水平面照度と垂直面照度は、それぞれで障子無し(比較例30)>>ハニカム(比較例27)>一般バーチカル(比較例29)>FLX(実施例52)>FLXレース(実施例53)>遮熱ブラインド(比較例28)となった。
(総合評価)
実施例52,53のものは、遮熱ブラインドより明るく、一般バーチカル(比較例30)やハニカム(比較例27)より遮熱性に優れる傾向にあり、性能面でのバランスがよい。
[実施例54]
図26に実施例54のスラットの説明図を示す。
(夏季)
図27(A)は、夏の日射が差し込む窓Wに実施例54のバーチカルブラインド1を設け、室外側に高密度のスラット2、室内側に低密度のスラット3を配置した状態を示している。なお、符号Wは室内外を仕切る仕切り窓を示している。
(冬季)
図27(B)は、冬の日射が差し込む窓Wに実施例54のバーチカルブラインド1を設け、図27(A)に示す状態から、スラットを表裏反転させた状態、すなわち、室外側に低密度のスラット3、室内側に高密度のスラット2を配置した状態を示している。
[実施例55]
実施例55では、実施例54のスラット3と、透光性を有する熱線遮蔽フィルムとを用いて2層構造のバーチカルブランド用のスラットを形成した。このフィルムとしては反射材としての「熱線遮蔽フィルムマルチレイヤーNANO」シリーズの商品「3MTMスコッチティントTMガラスフィルム製品スペックNANO90S(ナノ90S)」(住友3M社製)を使用した(図28参照)。
(照射試験)
照射試験では、日射に相当する全波長の光源ランプを用いて、室外側から試験部屋の窓を介して一定の照射強度で室内を照射した。この照射の際に、バーチカルブラインドのスラットにより遮蔽される紫外線、可視光線及び近赤外線の割合から、各波長域についてのスラットの遮蔽率(%)を決定した(図28参照)。
[実施例56]
実施例56では、実施例55の窓ガラスを除去した状態、つまり、実施例55のスラット(フィルムとスラット3)自体の遮熱性能について実施例55と同様に照射試験を行った(図28参照)。
[実施例57]
実施例57では、実施例54のスラット3のみを用いて実施例55と同様に窓ガラスを介した照射等をして照射試験を行った(図28参照)。
[実施例58]
実施例57の窓ガラスを除去し、スラット3のみを取り付けた状態で実施例55と同様に照射試験を行った(図28参照)。
[比較例31]
窓ガラスのみを取り付けた状態として、実施例55と同様に照射試験を行った(図28参照)。
[比較例32]
窓ガラスの室内側の面にフィルム「ナノ90S」の接着のみをした状態(比較例32)とし、実施例55と同様に照射試験を行った(図28参照)。(結果)図28に示すように、比較例31で窓ガラスのみを取り付けた状態では、可視光透過率は89%、熱線を遮蔽する全体量の指標となる近赤外線の遮蔽率は16%となった。これに対して、実施例57で窓ガラスの室内側に透光性遮熱シートのスラット3を取り付けると、可視光透過率は89%から22%に低下するが、近赤外線の遮蔽率は16%から83%に上昇する。
Claims (13)
- 光反射性の繊維が三次元的に配置されて形成された繊維構造体からなる透光性遮熱シートの製造方法であって、
前記繊維構造体の厚みに応じて変化する前記繊維構造体の密度と日射熱取得率の関係において、該日射熱取得率が0.4以下となる範囲で、前記繊維構造体の厚みと密度を選択することにより、所望の日射熱取得率に設定して、可視光透過率が15%以上、熱伝導率が0.045W/m・K以下、日射熱取得率が0.4以下、密度が0.05〜0.2g重/cm3であり、且つ、厚みが10〜1mmとなるように、前記繊維構造体を製造することを特徴とする透光性遮熱シートの製造方法。 - 請求項1に記載の透光性遮熱シートの製造方法により製造されていることを特徴とする透光性遮熱シート。
- 請求項2に記載の透光性遮熱シートからなることを特徴とする障子シート。
- 請求項2に記載の透光性遮熱シートからなることを特徴とするブラインドのスラット。
- 請求項2に記載の透光性遮熱シートと、この透光性遮熱シートより光反射率が高い反射材とを使用して2層構造としたことを特徴とする開口建具用のシート。
- 請求項2に記載の透光性遮熱シートと、透光性遮熱シートより高密度の透光性遮熱シートとを使用して2層構造としたことを特徴とする開口建具用のシート。
- 請求項2に記載の透光性遮熱シートを有し、該透光性遮熱シートの表面側と裏面側の密度が異なることを特徴とする開口建具用のシート。
- 請求項5〜7のいずれか1項に記載の開口建具用のシートが表裏反転可能に取り付けられたことを特徴とする開口建具。
- 前記繊維構造体の引っ張り強力(よこ)が4800N/m以上であり、引っ張り強力(たて)が19800N/m以上であることを特徴とする請求項2に記載の透光性遮熱シート。
- 前記繊維構造体の破裂強力が1000kPa以上であることを特徴とする請求項2又は9に記載の透光性遮熱シート。
- 前記繊維構造体の繊維が湿熱接着性繊維であり、該湿熱接着性繊維がエチレン単位の含有量が10〜60モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなることを特徴とする請求項2,9及び10のいずれか1項に記載の透光性遮熱シート。
- 前記繊維構造体における湿熱接着性繊維が、エチレン単位の含有量が10〜60モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体と、これとは異なる繊維形成性重合体とからなり、各々の成分の質量比が90/10〜10/90であり、なおかつ該エチレン−ビニルアルコール系共重合体が繊維表面の一部を長さ方向に連続して占めることを特徴とする請求項11に記載の透光性遮熱シート。
- 前記繊維構造体における湿熱接着性繊維が芯鞘型複合繊維であり、このうち鞘成分がエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなり、芯成分が繊維形成性重合体からなり、かつ該繊維形成性重合体がポリエステルであることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の透光性遮熱シート。
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