JP2009107273A - 低放射性建築用膜材 - Google Patents

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慎 小泉
Atsushi Okubo
篤 大久保
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Abstract

【課題】本発明は、低放射特性を付与することを課題とする。
【解決手段】フッ素樹脂を被覆した耐熱性繊維織布基材31と、この耐熱性繊維織布基材31の片面に形成された金属層37とを具備することを特徴とする低放射性建築用膜材。
【選択図】 図6

Description

本発明は、大型恒久建築物の屋根材及び内装材に使用される低放射性建築用膜材に関し、特に片面に赤外線反射の高い金属膜を備えた低放射性建築用膜材に関する。
近年、体育館、競技場及び多目的ホール等の大型高級建築物の屋根材等の屋外用膜構造材あるいは吸音材、ライトシェード、トップライトカバー等の内装用膜材として、例えばガラス繊維等の耐熱性繊維からなる繊維布を基材とし、これをフッ素樹脂で被覆してなる膜材が使用されている。この膜材は、不燃性で機械的強度が大きく、しかも軽量且つ柔軟性に富むという利点を有しており、有用な建築材料としてその市場規模を年々拡大してきている。それとともに、使用例、使用地域も世界的に広がり、この建築用膜材料に要求される特性も強度、耐久性などにとどまらず、多様な各地の気象条件などに対応するために外観的、機能的なものにまでに及んできている。
例えば、上記膜材がエアーターミナル、スポーツ娯楽施設などの大型構造物の屋根材として使用される場合、昼間の照明コストを削減する目的で積極的に光を屋内に取り入れるために高透光性が要求され、あるいは逆に構造物内で開催される催し物に応じて遮光性が要求されることがある。また、暑い地域で使用される施設の屋根材料に対しては、機能性の一つとして、屋外からの赤外線を反射し、室内に熱を流入させないという、所謂、低放射(Low−e)特性を有する建築用膜材が要求される場合もある。
この低放射技術に関しては、地球温暖化を引き起こす温室効果ガス放出の規制等環境問題への関心の高まりに伴い、エネルギー消費を減少させる(所謂、省エネルギー)観点のから、主として窓ガラス業界において、建築物の内部への熱の流入を可能な限り抑制する技術が脚光を浴びつつある。具体的には、二層構造の合わせガラスを使用し、窓ガラスの屋内側内面に反射性の高い金属膜を形成し、屋外からの赤外線を反射し室内に熱を流入させないという技術であり、それを実現するための方法が数多く提案されている。
また、その動向は、例えばカーテン等内装材等の繊維業界にも広がり、この技術の導入に関心を寄せている。具体的には、合成繊維布地表面にスパッタリング、イオンプレーティング及びイオンビーム等により光反射性の金属膜を形成させた遮熱性のカーテン、ブラインド用原料シート(特許文献1)、樹脂繊維からなる不織布の表側面に金属をスパッタリングで遮熱層を形成させることで得られる遮熱シート(特許文献2)が提案されている。
特開2006−174978号公報 特開2001−115252号公報
本発明は、こうした事情を考慮してなされたもので、フッ素樹脂を被覆した耐熱性繊維織布基材と、この耐熱性繊維織布基材の片面に形成された金属層とを具備した構成にすることにより、低放射特性を付与しえる低放射性建築用膜材を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐熱性繊維織布基材と、この耐熱性繊維織布基材の片面に形成された金属層と、前記耐熱性繊維織布基材の反対面に形成されたフッ素樹脂層とを具備し、前記金属層は、アルミニウム、チタン、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物のいずれかである構成にすることにより、低放射特性を付与しえる低放射性建築用膜材を提供することを目的とする。
本発明(第1の発明)に係る低放射性建築用膜材は、フッ素樹脂を被覆した耐熱性繊維織布基材と、この耐熱性繊維織布基材の片面に形成された金属層とを具備することを特徴とする。
また、本発明(第2の発明)に係る低放射性建築用膜材は、耐熱性繊維織布基材と、この耐熱性繊維織布基材の片面に形成された金属層と、前記耐熱性繊維織布基材の反対面に形成されたフッ素樹脂層とを具備し、前記金属層は、アルミニウム、チタン、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物のいずれかであることを特徴とする。前記金属層は、スパッタリング,真空蒸着,イオンプレーティングのいずれかの物理的蒸着法により形成することができる。
本発明によれば、低放射特性を付与しえる低放射性建築用膜材を得ることができる。
以下、この発明について更に詳しく説明する。
本発明において、低放射性建築用膜材は、図1に示す片面ロールコーター装置、又は図2に示す両面塗布装置を用いて製造される。
(片面ロールコーター装置)
図1において、符番1は耐熱性織布基材2が巻かれた送り出しロールを示す。耐熱性織布基材2は、ロール3aを経てコーティング液4が収容された含浸槽5に送られる。含浸槽5の上部には、一部がコーティング液4に浸漬したロール6、及びこのロール6とともに耐熱性織布基材2を挟むロール3bが配置されている。前記含浸槽5の上方には、コーティング液4により塗布された耐熱性織布基材2を乾燥し、焼成する乾燥・焼成炉7が配置されている。乾燥,焼成された耐熱性織布基材2は、ロール3c,3d,3eを経て巻取りロール8に巻き取られる。なお、コーティング液4を収容した含浸槽5、ロール6及びロール3bよりロールコーター塗装部が構成されている。図1の片面ロールコーター装置では、耐熱性織布基材2の片面にのみフッ素樹脂が塗布される。
(両面塗布装置)
図2において、図1と同部材は同符番を付して説明を省略する。図中の符番3fは、コーティング液4中に配置されたロールを示す。図2の両面塗布装置では、耐熱性織布基材2の両面にフッ素樹脂が塗布される。また、図2では、コーティング液4を収容した含浸槽5及びロール3より塗装部が構成されている。
本発明において、耐熱性繊維織布上に金属層を形成させる装置としては、例えば図3に示すスパッタリング装置、あるいは図4に示す真空蒸着装置が挙げられる。いずれの装置も、反物状に巻かれた基材上に連続的に金属層を形成することができる。
(スパッタリング装置)
図3を参照して説明する。図3中の符番11は真空チャンバーを示す。この真空チャンバー11内には、基材12を送り出す送り出しロール13,基材12を巻き取る巻取りロール14,ターゲット金属15,電極機能を有したロール16及びその途中に介在するロール17a〜17hを備えている。ここで、前記ターゲット金属15とロール16間には直流電圧が印加される。こうした構成のスパッタリング装置を用いて基材12に金属層を形成するには、不活性ガス(アルゴン等)を真空チャンバー11内に導入しながらターゲット金属15とロール16間に直流電圧を印加し、不活性ガスのイオン化した高速プラズマによってターゲット金属15をはじき出し、基材12上に金属層を成膜することにより行う。
(真空蒸着装置)
図4を参照して説明する。但し、図3と同部材は同符番を付して説明を省略する。図4中の符番18は金属融解槽を示す。図4の装置を用いて基材に金属層を形成するには、基材12が金属融解槽18を通過する際に、基材12表面上に蒸発した金属が衝突、付着することにより行う。
本発明において、耐熱性繊維織布としては、基本的には、フッ素樹脂被覆耐熱性繊維織布を製造する工程中のフッ素樹脂の焼成温度に耐えうるものであれば、どのような耐熱性繊維織布でも使用可能である。しかし、通常、市販されている種類も豊富で、入手か容易な耐候性に優れたガラス繊維織布が好適に使用される。建築用膜材料に特に透光性が要求される場合には、目抜きの織組織を有する織布が好適に使用される。
本発明において、耐熱性繊維織布に塗布されるフッ素樹脂としては、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE),四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP),四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(PFA),フッ化ビニリデン樹脂(PVDF),三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE),四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライド三元共重合体(THV)、変性フッ化ビニル(EFEP)、軟質フッ素樹脂
(セントラル硝子(株)社製の商品名:セフラルソフト)が挙げられるが、恒久建築用膜材料としてはPTFEが主要材料として使用される。
本発明において、金属層を形成する金属としては、種々の金属が挙げられるが、膜材が風雨に曝されるような過酷な条件で使用される場合は、耐熱性繊維織布に塗布されるフッ素樹脂の種類によって密着強度の点で特に好ましい金属がある。具体的には、フッ素樹脂が四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂である場合は、金属としてアルミニウムを用いることが好ましい。また、フッ素樹脂が四フッ化エチレン樹脂である場合は、金属としてチタンを用いることが好ましい。
第2の発明では、赤外線反射率の高い金属であるアルミニウム、チタン、あるいはアンチモン錫酸化物(ATO),インジウム錫酸化物(ITO)が挙げられる。特に、透光性が要求される場合には、透明性の高いATO,ITOが有用に使用される。また、第2の発明では、上記金属以外の赤外線高反射金属として、銀やその合金も使用可能である。前述した目抜きの織組織を有する耐熱性繊維織物とこれら透明性のATO,ITOを組み合わせて使用することにより、最大20%程度の透光性を有する建築用膜材料を実現することが可能である。
前記金属層の厚さは、80〜100nmが好ましい。ここで、厚さが80nm未満では低放射効果が小さく、厚さが100nmを超えると低放射効果に変化がなくなる。また、前記金属の材料、厚さを適宜組み合わせることにより、放射率50%以下の建築用膜材料を製作することが可能となる。
次に、この発明の具体的な実施例について図面を参照して説明する。但し、実施例品及び比較例品の特性を確認するために、放射率(%),透光率(%)及び成膜された金属層の基材に対する密着強度を測定した。それらの試験は、以下の方法により実施した。
(放射率)
JIS−R−1801(セラミックの放射)に準拠した以下の方法にて実施した。
まず、50℃に設定した熱板に試料を載せ加温する。次に、試料温度が50℃に安定次第、測定器にセットした後、試料から放出される赤外線を測定する。その後、測定した赤外線を機内で積分計算を行い、放射率として数値化する。測定器としては、日本電子データム製の遠赤外線分光放射計(型式JIR−E500)を用いた。
(透光率)
まず、分光光度計に試料をセットし、380〜780nmの可視光波長の透過を測定する。次に、測定した透過波長をパソコン内にて計算し透光率として算出する。ここで、測定器としては、島津製作所製の分光光度計(型式UV−2450)を用いた。
(密着強度)
密着強度の測定は、図5(A),(B)に示すように行う。但し、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)の側面図を示す。図中の符番21はフッ素樹脂被覆耐熱性織布を示し、符番22は金属層を示す。まず、図5に示すように布ガムテープ23(寺岡製作所社製の粘着テープ:商品番号#153)をスパッタリングによって形成された金属層22の主面に貼り付ける。次に、貼り付けた布ガムテープ23を剥し、金属層22の剥離が起こるかどうかの確認を行う。なお、図中の符番24は、布ガムテープ23の剥離進行方向を示す。金属層22の剥離が見られる場合はその時点で試験を終了する。つづいて、こうしたテープ剥離試験を行い、金属層22の剥れが起きない場合はJIS−K−6405−5にて金属層22の強度を測定し、数値化する。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機(型式RTC−1250A)を用いた。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る低放射性建築用膜材について図6を参照して説明する。図中の符番31は厚さ0.5mmの耐熱性繊維織布基材を示す。この耐熱性繊維織布基材31は、耐熱性繊維織布基材縦糸31aと耐熱性繊維織布基材横糸31bからなる。ここで、前記基材31の仕様は次の通りである。即ち、使用糸は縦糸:EBC 150 4/2 3.8S,横糸:EBC 150 4/2 3.8Sであり、織り方は平織り、糸密度は縦:24.5±1.0,横:19.5±1.0である。前記耐熱性繊維織布基材31の両面には、シリコーンオイル層32a,32b、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)層33a,33b、四フッ化エチレン樹脂にガラスビーズを充填した充填層34a,34b、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)層35a,35b、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)樹脂層36a,36bが順次形成されている。FEP樹脂層36a上には、アルミニウムからなる厚さ100nmの金属層37が形成されている。
前記シリコーンオイル層32a,PTFE層33a,充填層34a,PTFE層35a,及びFEP層36aの総厚は、0.15mmである。同様に、前記シリコーンオイル層32b,PTFE層33b,充填層34b,PTFE層35b,及びFEP層36bの総厚も、0.15mmである。
前記耐熱性繊維織布縦糸・横糸31a,31b、シリコーンオイル層32a,32b、四フッ化エチレン樹脂層33a,33b、充填層34a,34b、四フッ化エチレン樹脂層35a,35b、及びFEP樹脂層36a,36bの使用原材料及び成分割合は下記表1に示すとおりである。前記金属層37の厚みは100nmであり、図3のスパッタリング装置により形成した。また、実施例1に係る低放射性建築用膜材の放射率、透光率、及び密着強度は下記表2の通りである。
Figure 2009107273
Figure 2009107273
(比較例1)
比較例1に係る建築用膜材は、図6において、アルミニウムからなる金属層37がない場合の膜材とする。他の構成部材の材質は、実施例1で述べたとおりである。
(実施例2)
本発明の実施例2に係る低放射性建築用膜材について図7を参照して説明する。図7を参照する。但し、図6と同部材は同符番を付して説明を省略する。実施例2に係る低放射性建築用膜材も上記表1と同じ成分割合で製作した。但し、最外層のフッ素樹脂層は四フッ化エチレン樹脂層35a,35bであり、金属層38はチタンからなる。金属層38の厚みは100nmであり、図3のスパッタリング装置により形成した。実施例2に係る低放射性建築用膜材の放射率、透光率、及び密着強度は上記表2の通りである。
(比較例2)
比較例2に係る建築用膜材は、図7の断面構造を有する。比較例2に係る建築用膜材は、上記表1と同じ成分割合で製作し、最外層のフッ素樹脂層は四フッ化エチレン樹脂層35a,35bである。但し、金属層38はアルミニウムからなる。金属層38の厚みは100nmであり、図3のスパッタリング装置により形成した。比較例2に係る建築用膜材の放射率、透光率、及び密着強度は上記表2の通りである。
(比較例3)
比較例3に係る建築用膜材は、図6の断面構造を有する。比較例3に係る建築用膜材は、上記表1と同じ成分割合で製作し、最外層のフッ素樹脂層はFEP樹脂層36a,36bである。但し、金属層38はチタンからなる。金属層38の厚みは100nmであり、図3のスパッタリング装置により形成した。比較例3に係る建築用膜材の放射率、透光率、及び密着強度は上記表2の通りである。
上記表2より、実施例1及び比較例2を対比した場合、放射率では若干の差異が認められかつ透光率の点では同じであるが、密着強度の点で両者は大きく異なることが確認できた。即ち、実施例1では密着強度(N/cm)が28以上であるのに対し、比較例2では粘着テープで容易に剥れることが明らかになった。一方、実施例2及び比較例3を対比して場合、放射率及び透光率の点では略同じであるが、密着強度の点で両者は大きく異なることが確認できた。即ち、実施例2では密着強度(N/cm)が25以上であるのに対し、比較例3では粘着テープで容易に剥れることが明らかになった。
(実施例3)
本発明の実施例3に係る低放射性建築用膜材について図8を参照して説明する。図8を参照する。図中の符番41は、厚さ0.25mmの耐熱性繊維織布基材(日東紡社製のガラスクロス:型式WEA26−105B)を示す。耐熱性繊維織布基材41は、耐熱性繊維織布基材縦糸41aと耐熱性繊維織布基材横糸41bとから構成されている。ここで、前記基材41の仕様は次の通りである。即ち、使用糸は縦糸:ECG75−1/0,横糸:ECH50−1/0であり、織り方は平織り、糸密度は縦:18,横:15である。
耐熱性繊維織布基材41の片面には、アルミニウムからなる厚さ100nmの金属層42が形成されている。金属層42は、図3のスパッタリング装置によりターゲット金属をアルミニウムとして形成した。前記耐熱性繊維織布基材41の反対面には、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)層43がシリコーンオイル層44を介して形成されている。PTFE層43は、図1の片面塗装装置により、下記表3に示す条件でフッ素樹脂をシリコーンオイル層44上に2回重ね塗り塗装をすることにより形成した。PTFE層43の樹脂量は50g/mとした。なお、シリコーンオイル層44とPTFE層43の総厚は0.03mmである。
実施例3の低放射性建築用膜材は、図8に示すように、厚さ0.25mmの耐熱性繊維織布基材41と、この基材41の片面に形成されたアルミニウムからなる厚さ100nmの金属層42と、基材41の反対面に形成されたPTFE層43とから構成されている。
Figure 2009107273
(実施例4)
金属層をチタンとする以外は、実施例3と同条件で低放射性建築用膜材を形成した。即ち、実施例4の低放射性建築用膜材は、耐熱性繊維織布基材41と、この基材41の片面に形成されたチタンからなる金属層42と、前記基材41の反対面に形成されたPTFE層43とから構成されている。
(実施例5)
金属層をアンチモン錫酸化物(ATO)とする以外は、実施例3と同条件で低放射性建築用膜材を形成した。即ち、実施例5の低放射性建築用膜材は、耐熱性繊維織布基材41と、この基材41の片面に形成されたATOからなる金属層42と、前記基材41の反対面に形成されたPTFE層43とから構成されている。
(実施例6)
金属層をインジウム錫酸化物(ITO)とする以外は、実施例3と同条件で低放射性建築用膜材を形成した。即ち、実施例6の低放射性建築用膜材は、耐熱性繊維織布基材41と、この基材41の片面に形成されたITOからなる金属層42と、前記基材41の反対面に形成されたPTFE層43とから構成されている。
(比較例4)
比較例4に係る建築用膜材について、図9を参照して説明する。但し、図8と同部材は同符号を付して説明を省略する。図中の符番42は、耐熱性繊維織布基材41の片面側に形成されたアルミニウムからなる厚さ100nmの金属層を示し、図3のスパッタリングを用いて形成した。前記金属層41上にはPTFE層43aが形成され、基材41の裏面側にはPTFE層43bが形成されている。PTFE層43a,43bは、図2の浸漬両面塗装装置を用いて形成し、片側当たりの樹脂量はいずれも略5g/mである。
このように、比較例4に係る建築用膜材は、図9に示すように、耐熱性繊維織布基材41と、この片面側に形成されたアルミニウムからなる厚さ100nmの金属層42と、この金属層42上に形成されたPTFE層43aと、前記基材41の裏面側に形成されたPTFE層43bとから構成されている。
(比較例5)
比較例5に係る建築用膜材について、図10を参照して説明する。但し、図9と同部材は同符号を付して説明を省略する。比較例5の建築用膜材は、基材41の両面側にPTFE層43a,43bを夫々形成し、片方のPTFE層43a上にアルミニウムからなる厚さ100nmの金属層42を形成した構成となっている。係る構成の建築用膜材は、基材41の両面側に図4の浸漬両面塗装装置を用いることにより、PTFE層42a,42bを同時に形成した後、一方のPTFE層43a上に図3のスパッタリング装置を用いてアルミニウムからなる厚さ100nmの金属層42を形成する。なお、PTFE層42a,42bの夫々の樹脂量はいずれも略5g/mである。
上記実施例3〜6及び比較例4,5に係る建築用膜材の放射率、透過率及び密着強度は下記表4に示すとおりである。なお、比較例4では、密着強度の試験に際して、PTFE層43a上に布ガムテープ23を貼り付けて剥離の有無を確認した。
Figure 2009107273
表4より、実施例3〜6及び比較例4,5を対比した場合、放射率及び透過率の点では構成によりバラツキが見られるが、密着強度(N/cm)は実施例3〜6が6.5であるのに対し、比較例4では1.0以下、比較例2ではPTFE層42上の金属層42が容易に剥れることが確認できた。これより、実施例3〜6が比較例4,5に比べて耐久性の点で優れていることが明らかである。
図11は、上記建築用膜材の温度上昇試験を行うための試験装置の概略図を示す。図中の符番51は、高さ(H)260mm,幅(W)260mmの枠状の合板枠を示す。この合板枠51内で地上高さ(H)45mmの位置に図示しない温度計が配置される。合板枠51の上部には、上記建築用膜材52が配置される。また、建築用膜材52から高さ(H)200mmの高さの位置に熱源(東芝製のフラットビームランプ150形、型式:BRF110V 120W)53が配置されている。上記実施例及び比較例のうち、実施例1〜3及び比較例1〜5について図11の試験装置を用いて時間と温度との関係を調べたところ、図12に示す結果が得られた。
図12中、符号(a),(b),(c)は夫々実施例1〜3に対応するデータを示し、符号(d)は比較例4に対するデータを示す。また、比較例1,3は上記(a)と略同じような傾向を示したが、(a)と比べ若干の温度上昇が認められた。比較例2は上記(b)と略同じような傾向を示したが、(b)と比べ若干の温度上昇が認められた。図12より、実施例1〜3は比較例4と比べ温度上昇の抑制効果が確認できたが、比較例1〜3は実施例1,2と同じような傾向が見られた。しかるに、建築用膜材は温度上昇の抑制効果のみならず、密着強度も重要であり、両者を満足して初めて低放射特性を付与し得る建築用膜材が得られる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、上記実施例では金属層の形成をスパッタリングや真空蒸着について述べたが、これに限らず、熱蒸着、イオンプレーティング、化学的気相成長、ラングミュア−ブロジェット膜法等を用いてもよい。また、上記実施例では、耐熱性繊維織布に塗布するフッ素樹脂が四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂である場合に、金属としてアルミニウムを用い、あるいはフッ素樹脂が四フッ化エチレン樹脂である場合に、金属としてチタンを用いる場合について述べた。しかし、屋内で使用される膜材等のように風雨に曝さないような場合は、フッ素樹脂被覆耐熱性織布と金属層との密着強度が屋外程要求されないので、他のフッ素樹脂や金属を用いることができる。
図1は、本発明に係る片面塗布装置の説明図を示す。 図2は、本発明に係る両面塗布装置の説明図を示す。 図3は、本発明に係るスパッタリング装置の説明図を示す。 図4は、本発明に係る真空蒸着装置の説明図を示す。 図5は、本発明に係る低放射性建築用膜材の金属層の剥離試験をするための説明図を示す。 図6は、本発明の実施例1に係る低放射性建築用膜材の断面図を示す。 図7は、本発明の実施例2に係る低放射性建築用膜材の断面図を示す。 図8は、本発明の実施例3に係る低放射性建築用膜材の断面図を示す。 図9は、比較例3に係る低放射性建築用膜材の断面図を示す。 図10は、比較例4に係る低放射性建築用膜材の断面図を示す。 図11は建築用膜材の温度上昇試験を行うための試験装置の概略図を示す。 図12は図11の試験装置による時間と温度との関係を示す特性図である。
符号の説明
1,13…送り出しロール、2…基材、5…含浸槽、7…乾燥・焼成炉、8,14…巻取りロール、11…真空チャンバー、18…金属融解槽、31…フッ素樹脂被覆耐熱性繊維織布、22,37,38…金属層、32a,32b…シリコーンオイル層、33a,33b,35a,35b…四フッ化エチレン樹脂層、36a,36b…四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)樹脂層。

Claims (5)

  1. フッ素樹脂を被覆した耐熱性繊維織布基材と、この耐熱性繊維織布基材の片面に形成された金属層とを具備することを特徴とする低放射性建築用膜材。
  2. 前記フッ素樹脂が四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂であり、前記金属がアルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の低放射性建築用膜材。
  3. 前記フッ素樹脂が四フッ化エチレン樹脂であり、前記金属がチタンであることを特徴とする請求項1記載の低放射性建築用膜材。
  4. 耐熱性繊維織布基材と、この耐熱性繊維織布基材の片面に形成された金属層と、前記耐熱性繊維織布基材の反対面に形成されたフッ素樹脂層とを具備し、前記金属層は、アルミニウム、チタン、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物のいずれかであることを特徴とする低放射性建築用膜材。
  5. 前記金属層は、スパッタリング,真空蒸着,イオンプレーティングのいずれかの物理的蒸着法により形成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の低放射性建築用膜材。
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