JP2012019761A - プロセスチーズ類とその製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定剤やゲル化剤等の添加物を用いない条件下で、口溶けに優れ、ねちゃつきが少なく、且つ滑らかな食感と外観を呈するプロセスチーズ類、及びその製法を提供する。
【解決手段】硬質プロセスチーズの内部に直径が10μmから800μmの気泡を体積比率で3%以上、且つ10%未満含有する硬質プロセスチーズ類、及びチーズ原料を乳化するための乳化工程と、前記乳化されたチーズ原料の粘度を測定する粘度測定工程と、前記粘度測定結果から温度制御工程によりチーズ原料の粘度を100±30ポアズにする物性調整工程と、前記乳化されたチーズ原料を定量供給する工程と、前記定量供給する工程から定量供給されたチーズ原料に気泡を含有させる含気工程を有する硬質プロセスチーズ類の製法。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来のハードタイプのプロセスチーズ類とは異なった、喫食時の口溶けが非常に優れ、ねちゃつきが少なく、且つざらつき感の無い滑らかな食感と外観を呈するハードタイプのプロセスチーズ類に関する。
プロセスチーズは、複数の原料ナチュラルチーズに、所定量の水や溶融塩等を加え、これを少なくとも80℃以上の温度まで撹拌しながら均一に加熱して溶融チーズとし、これを充填包装し、冷却して製造される。この加熱操作は、加熱によってクエン酸塩やリン酸塩等の溶融塩が原料ナチュラルチーズ中のカゼインタンパク質に作用し、これを膨潤、切断、可溶化して化学的に変化させ、同時に可溶化したたんぱく質によって脂肪を乳化し安定化させるという複雑なプロセスからなる。一般的な乳化とは異なるが、チーズ産業界では特に混乱がない場合、このプロセス全体を乳化と呼んでいる。
乳化処理によって得られた溶融チーズは、プラスチックフィルムやアルミ箔等の包装材料を用いて成形・包装され、冷却されて製品となる。このような加熱溶融状態で包装する製造方法をホットパック法という。また、包装前に冷却し、成形・固化させたものを包装するコールドパックと呼ばれる方法もある。このようにして製造されるプロセスチーズは、通常、喫食時は固形状であり、直接手で持って食したり、他の食品の間に挟んだりして食されることが多い。このような喫食時に流動性がなく、固形状であるプロセスチーズをハードタイプ・プロセスチーズと呼んでいる。また、喫食時にペースト状で、一般的にパンやクラッカー等他の食材に塗りつけて食するタイプのプロセスチーズをソフトタイプ・プロセスチーズと呼んでいる。
食品製造の分野では、例えばアイスクリームやホイップクリーム等のように、軽い食感や滑らかさの付与、あるいは全く新規の食感の創造の目的で、一定量の気体を食品に含有させる、いわゆる含気処理は広く一般的に行われている。気体の含有による食品物性の変化は食品の種類によって異なっており、単に気泡の比率分だけ、硬さが低減して食感が軽くなるものもあれば、アイスクリームのように微細気泡を取り囲むように乳化系が再構築され、基本物性が大きく変化する場合もある。
食品に気体を含有させる装置としては、一般的にホイッピング装置と呼ばれる特殊な撹拌・混合装置が用いられることが多い。ホイッピング装置は、その撹拌・混合部(含気装置)内に多数の櫛状の羽根を持つ回転体(ローター)と、内壁に櫛上の羽根を固定した容器(ステータ)から成り、ここに対象とする流体状食品と、一定比率の気体を導入し、これらを高速で撹拌・混合して含気処理を行う。このとき、対象とする流体状食品には、一定の粘性や表面張力等の物性を備えることが必要である。特に、粘性は重要で、水のような低粘性のものは含気処理を行っても、すぐに気泡が重力によって浮上し散逸してしまう。一方、スラリーや粘土のような高粘性、あるいは塑性流体は気体を取り込ませることが難しく、このような装置で含気させることは極めて困難である。
プロセスチーズの含気処理に関しては、ソフトタイプのプロセスチーズでは、例えば含気・プロセス・クリームチーズのように含気処理を施したものが市販されており、一般的な技術となっている。これは、クリームチーズでは水分含有率が高く、適度の流動性と粘性があり、上述のホイッピング装置等により比較的容易に含気処理が行えることによる。この場合、含気により食感が軽くなり、また他の食品への塗り付けも容易になることが多い。
一方、ハードタイプのプロセスチーズに関しては、報告は多くなく、市場でも製品化されていない。特許文献1には、ゲル化剤としてネイティブジェランガムを添加することにより撹拌時に気泡が固定化されたプロセスチーズが提案されている。また、特許文献2には、炭酸塩類又は水溶性高分子物を混合した溶融物に対して、固化の間に含気させる製造方法が提案されている。特許文献3には、チーズ類と水溶性高分子物の混合物又はそれに起泡剤を混在させて、成形した含気泡チーズ類加工食品の製造方法が提案されている。特許文献4には、セルロースを用いる含気泡チーズ類加工食品の製造方法、特許文献5には、安定剤を添加して溶融したチーズに不活性ガスを通気し、高速撹拌及び冷却させて含気構造を形成させる方法、特許文献6には、キトサンを用いる高発泡チーズ類の製造方法、更に、特許文献7には、アルカリ金属ラクトアルブミンホスフェイトを混入することを特徴とする改良された通気チーズ組成物の製造方法が提案されている。
添加物を使用しない方法として特許文献8には、窒素ガスを導入した2軸エクストルーダによる膨化(加熱圧縮状態から大気圧への減圧)を用いる方法が提案されている。また、特許文献9には、気体を通気して含気させたチーズ類を真空下で発泡させ、つづいて凍結乾燥もしくは真空乾燥する乾燥チーズの製造方法が提案されており、特許文献10には、原料チーズに水分を加え加熱融解して乳化させ、該乳化物をモルドに流し込み、真空槽で減圧発泡させた内部に多数の気泡を形成させたチーズ製品が提案されている。
特許第4340029号公報 特開昭62−138137号公報 特開昭62−143636号公報 特開昭63−209544号公報 特開平2−92238号公報 特開平5−137505号公報 特開昭50-95452号公報 特開平1−291748号公報 特公平7−114629号公報 特開平4−11836号公報
上記特許文献1〜7は、安定剤やゲル化剤等の添加物を用いて物性を変化させ含気させたものである。このような添加物を使用する含気プロセスチーズの場合は、安定剤やゲル化剤を用いてチーズ中に気泡を分散させて保持するが、同時にチーズ自体の食感や風味を大きく変化させるため、本来のハードタイプのプロセスチーズの風味や食感は著しく損なわれるという欠点がある。特に喫食時に、組織の可塑的な軟化によって歯や口蓋等へのねちゃつきを発生しやすい。逆に言えば、このような柔らかく、ねちゃつきくような物性が気泡の保持力を発現させていると云える。従って、このような方法で製造された製品は本来のプロセスチーズとは異質の食感を呈し、従来のハードタイプのプロセスチーズの範疇で販売することは困難である。
また、特許文献8のエクストルーダを用いたプロセスチーズの混練では強いせん断が加わり、クリーミング作用によりチーズ物性が変化して口溶けが悪くなる。また、同時に膨化による含気処理であるので、気泡が急激な減圧(除圧)によって爆発的に生成されることから、気泡の直径の制御が困難で、一般的に大きな気泡が形成され、表面性状が悪いという欠点がある。特許文献9は、最終製品としてはプロセスチーズとは言えない即席食品用の湯戻り復元性に優れた乾燥チーズである。さらに特許文献10は、減圧下で発泡させる方法(膨化)であり、これにより得られるチーズは気泡の安定化や微細気泡の発生が難しい欠点がある。いずれも、減圧法を用いた場合は、気泡の中には基本的に水蒸気が多量に存在するため、冷却過程や保存中にそれらが水に転化するに従い、気泡は収縮し、消滅していく。このため、通常のプロセスチーズのような約1年間の長期の賞味期間を維持することは極めて困難である。
本発明者らは、ハードタイプのプロセスチーズ特有の基本的な組織や外観を維持した上で、ねちゃつきを無くし、口溶けを向上させ、滑らかでざらつきの無い、優れた風味・食感を呈する本格的な硬質プロセスチーズ類の開発に取り組んだ。
硬質プロセスチーズ類に対して、安定剤やゲル化剤等の添加物を用い含気処理した製品が市場に出ていない理由は、その実現の技術的困難性にあると考えられる。即ち、通常のハードタイプ・プロセスチーズ製造のための乳化処理によって得られる溶融プロセスチーズは、粘性が非常に高く、上述のホイッピング装置で含気処理を行っても、気泡を含有させることは極めて困難で、且つ、温度も高いため含有した気泡も膨張して容易に散逸する。本発明者らも、様々な原料配合条件や装置運転条件を試みたが、希望する含気状態は容易には得られなかった。
本発明は、安定剤やゲル化剤等の添加物を用いない条件下で、ハードタイプのプロセスチーズ類(以下、「硬質プロセスチーズ類」という)に一定量の気体を含有させ、硬質プロセスチーズ類を形成することを課題とする。形成される硬質プロセスチーズ類は、物理的に柔らかくなり、同時にその内部に脂肪を乳化する作用を持つたんぱく質を持つことから、アイスクリームのような気泡を取り囲む新たな乳化系を構成させ、ねちゃつきの少ない、口溶けや滑らかさに優れた硬質プロセスチーズ類とすることができる。尚、過剰な含気をさせた場合、他の含気食品でも見られるように喫食事の軽さは増加するものの、組織が粗くなり、滑らかさが低下することが予想される。そこで本発明では、なるべく低い含気率で硬質プロセスチーズ類を含気させ、軽さよりむしろ、口溶け性の向上、ねちゃつき性の低減、滑らかさの向上等、チーズ物性自体の改質を目的とする。
即ち、本発明の課題は、安定剤やゲル化剤等の添加物を用いない条件下で、なるべく低い含気率で、口溶けに優れ、ねちゃつきが少なく、且つ滑らかな食感を呈する硬質プロセスチーズ類を提供することを課題とする。
本発明は、下記のいずれかの構成からなる発明である。
(1)直径が10μmから800μmの気泡を硬質プロセスチーズ類に対する体積比率で3%以上、且つ10%未満含有する硬質プロセスチーズ類。
(2)前記気泡の含有率が5%以上、且つ10%未満である上記(1)に記載の硬質プロセスチーズ類。
(3)増粘剤及び/又はゲル化剤を使用しない上記(1)又は(2)に記載の硬質プロセスチーズ類。
(4)チーズ原料を乳化するための乳化工程と、前記乳化されたチーズ原料の粘度を測定する粘度測定工程と、前記粘度測定結果から温度制御工程によりチーズ原料の粘度を100±30ポアズにする物性調整工程と、前記乳化されたチーズ原料を定量供給する工程と、前記定量供給する工程から定量供給されたチーズ原料に気泡を含有させる含気工程を有する硬質プロセスチーズ類の製造方法。
(5)前記チーズ原料の粘度を100±30ポアズに調整する物性調整工程として、排気工程を有する上記(4)に記載の硬質プロセスチーズ類の製造方法。
(6)チーズ原料を乳化するための乳化手段、前記乳化されたチーズ原料の粘度を測定する粘度測定手段、前記粘度測定手段からの出力に基づいて前記乳化されたチーズ原料の粘度を制御する物性調整手段、前記乳化されたチーズ原料を定量供給する手段、前記定量供給する手段から定量供給されたチーズ原料に気泡を含有させる含気手段を有する硬質プロセスチーズ類の製造装置。
(7)前記チーズ原料の粘度を制御する物性調整手段として温度制御手段及び/又は排気手段を有する上記(6)に記載の硬質プロセスチーズ類の製造装置。
本発明の硬質プロセスチーズ類は、微細な気泡を均一に且つ安定的に含有しているので、ハードタイプのプロセスチーズ特有の基本的な組織や外観を維持した上で、ねちゃつきが少なく、且つ口溶けや滑らかさに優れた硬質プロセスチーズ類を実現できる。
本発明による硬質プロセスチーズ類の製造装置図 口溶けの官能評価結果を示す図 ねちゃつきの官能評価結果を示す図 滑らかさの官能評価結果を示す図 肌荒れの官能評価結果を示す図 試料Bの粒径分布を示す図 試料Eの粒径分布を示す図
本発明は、乳中に含まれる脂肪球の代替物して微細な気泡をプロセスチーズ類に導入し、これによって口溶けや滑らかさ等の官能特性を改善するという発想に端を発している。従って、通常の含気処理のように高い含気率が重要なのではなく、微細な気泡を均一に且つ安定的にプロセスチーズ類に導入することが重要である。
本発明において、プロセスチーズ類とは、複数の原料ナチュラルチーズに所定量の水や溶融塩等を加え、これを少なくとも80℃以上の温度まで加熱溶融して乳化したのち、プラスチックフィルムやプラスチック成形容器、アルミ箔等の包装材料を用いて成型・包装され、冷却して製品となったプロセスチーズ、コールドパックと呼ばれる方法によるプロセスチーズ、チーズフード、乳等を主要原料とする食品等を意味する。このようにして製造されるプロセスチーズ類は、喫食時には固形状であり、直接手に持って食したり、他の食品の間に挟んだりして食されることが多い。本発明でいう硬質プロセスチーズ類とは、このハードタイプのプロセスチーズ類を意味する。
予備試験によれば、1辺が10mmの立方体に切り出したプロセスチーズ類試料の最大応力が0.6kgf未満になると、食感が柔らかすぎ、また手に持ったときの付着性が発生して、不快な状態を呈することが確認された。そこで、硬質プロセスチーズ類の定量的な定義として本発明では、1辺が10mmの立方体に切り出したプロセスチーズ試料を、5℃で80%の垂直圧縮(2mmまで圧縮)したときの最大応力が0.6kgf以上であるプロセスチーズ類と定義する(以下、この試験方法をTP試験という)。
一方、プロセスチーズ類には、例えばプロセス・クリームチーズのように、製造時に成形容器に充填され、喫食時にペースト状で、一般的にパンやクラッカー等の他の食材に塗り付けて食するタイプのものもある。このようなチーズは一般的に柔らかく、力を加えると流動性があり、ソフトタイプ・プロセスチーズと呼ばれている。本発明は、このソフトタイプ・プロセスチーズには関していない。
本発明の硬質プロセスチーズ類の原料用チーズとしては、ゴーダ、チェダー、エメンタール等の硬質ナチュラルチーズ及びクリーム、カッテージ、カマンベール等の軟質ナチュラルチーズ等の中から、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、溶融塩としては、通常のプロセスチーズ類と同じく、クエン酸塩及びリン酸塩の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの溶融塩は、原料チーズに対し、0.5〜3.0重量%添加するとよい。また、本発明では目的とする最終製品に合わせ、風味等を付与する目的で調味料、着色剤等を適量添加してもよく、また、pHを調整する目的で重炭酸ナトリウムや乳酸等を適量添加してもよい。
安定剤やゲル化剤等の添加物を使用しない条件下で、通常の硬質プロセスチーズ類を製造する乳化工程で得られる溶融プロセスチーズを一般的なホイッピング装置に誘導しても含気は非常に不安定で、同じ条件化でも僅かに含気することもあれば全く含気しない場合もあり、再現性の乏しい結果であった。なお、本発明における安定剤やゲル化剤とは一般的に用いられているものをいう。
さらに、得られたチーズの特性も不安定で、ほぼ同程度の含気処理であっても、硬く口溶けの悪いものもあれば、柔らかく、滑らかなものもあった。本発明者らは、先ずこの点に着目し、鋭意この不安定さの原因の解析を行った。その結果、硬質プロセスチーズ類への含気に関与する大きな二つの因子を発見した。一つは、乳化直後の見掛け粘度(以下、粘度という)の受容範囲であり、もう一つはホイッピング処理時の溶融チーズの粘度上昇である。
前者は、通常のプロセスチーズの製造工程でも管理指標の一つであり、特殊なパラメータではないが、問題はその精度である。通常のプロセスチーズ類の製造工程では、現場用の簡易型粘度計の見掛け粘度の読み値で、数10〜200ポアズの中のある目標値で管理されるが、目標値に対して±50ポアズ程度の誤差は容易に発生する場合が多い。しかし、鋭意検討した結果、本発明の実現に必要な粘度の範囲は100±30ポアズ程度であり、許容範囲が狭く、高精度を要することが判明した。
このような高精度の乳化は従来の乳化の管理では難しい。その理由は、通常の硬質プロセスチーズ類は、最終製品の消費者受容性から、経験的にそれほどの粘度管理を必要とせず、そのため溶融チーズの粘度に影響する水分率、pH、溶融塩量、乳化温度、乳化時間、直接加熱蒸気からの加水量、撹拌強度、乳化温度等の多数の因子の管理が従来の粘度管理を満足する、比較的緩い基準の下で行われているからである。逆に、人手による乳化作業ではこのレベルの基準が管理限界であったことも考えられる。即ち、これら多数の因子の小さなばらつきの集積の結果が上述の目標値±50ポアズ程度のばらつきであり、この精度を高めるには、原料配合の精度から、装置の稼動精度、運転条件の精度等の全てを見直す必要があった。装置の構造や原料等、個々の因子の管理水準を見直して高精度化し、その結果、安定的な含気処理を可能にする、高精度の溶融チーズの粘度管理を実現することができた。
もう一つの因子は、ホイッピング処理時の溶融チーズの粘度上昇である。これは、上述の方法で適正な粘度の80℃程度の溶融チーズをホイッピング装置に供しても、装置内において溶融チーズの粘度が上昇し、結果的に含気処理ができない現象が見られた。解析の結果、この現象は主に以下に述べる3つの原因に起因していた。
一つ目は、プロセスチーズのクリーミング作用である。一般的に、プロセスチーズは乳化後の溶融状態で撹拌処理を行うと、業界でクリーミング作用と呼ばれる増粘作用が発現する。この作用のメカニズムはまだ十分には解明されていないが、実用的には良く知られており、クリーミング操作を施すと、溶融チーズの粘度が上昇し、最終製品(プロセスチーズ類)の硬度が上昇し、割れ易く、脆い物性になり、また製品の再加熱時の溶融性が低下する傾向がある。従って、最終製品にこのような特性を望むときは、乳化終了後にクリーミング工程を設ける場合がある。また、クリーミング作用の発現は、原料チーズの種類、溶融塩の種類や量、水分率、pH、乳化温度や乳化時の撹拌速度等の多数の因子に影響されるため、製造に際しては各製品に適した原料選択や製造条件管理を行っている。
一般的に、原料チーズの熟度が高いほど、溶融塩使用量が多いほど、水分率・乳化温度が高いほど、撹拌速度が速いほど、乳化時間が長いほど、またクエン酸系の溶融塩よりポリリン酸系の溶融塩を使用した場合等にクリーミング作用が高くなる傾向がある。さらに、製造工程において一旦乳化処理を行った中間原料(リワークという)は、冷却後その一部を原料チーズに混ぜると、極めて少量であってもクリーミング作用を強める効果(リワーク効果)があることが知られており、この現象も市販のプロセスチーズ製造に一般的に広く利用されている。
本発明者らは、含気処理におけるホイッピング装置内での粘度上昇の原因はこのクリーミング作用であり、この作用の低減が含気処理に必須であることを見出した。尚、一旦クリーミングが発現すると、溶融チーズの温度を高めて粘度を下げても含気は困難であった。これは、一旦クリーミングが始まった後で温度を上げると、更にクリーミングが進行し易くなることに起因していた。以上の点を考慮し、ホイッピング装置内でのクリーミング作用の発現を抑制するため、先ず原料チーズの熟度を下げ、溶融塩量を低下させ、同時にホイッピング装置への供給時の溶融チーズの温度を低下させる等の方法を同時に用いる。
2つ目の要因は、撹拌速度である。撹拌速度を上げることにより、気体の分散は進むと考えられる。しかしながら、このとき撹拌速度が過度に速くなると上記のクリーミング作用も高まり、含気率は低下した。逆に回転速度が低すぎると含気は殆ど進まない。従って、溶融チーズの物性や装置構成に応じた撹拌速度の最適化を行う必要がある。尚、溶融チーズの粘度が高いため、高速撹拌時には摩擦による発熱も相当あり、これによる粘度変化も問題となる。そこでローターの回転速度の最適化と併せて、含気装置周囲のジャケット化による温度制御も合わせて実施する。
3つ目の要因は、ホイッピング装置内出口の背圧制御である。これは含気量を増加させるため供給気体量を増やすと、溶融チーズの供給気体の保持力が低いために、供給気体が含気装置内の上部に空間を造り、そのまま出口に噴出する現象が見られた。これを供給気体量はそのままで、気体のみの空間を消去するために含気装置出口に背圧制御装置を設置し、背圧により含気装置内の気体の体積を減少させる方法が実施できる。背圧制御装置としては、例えば圧縮機、弁等、圧力を調整することができるものであればどのようなものでも用いることができる。その結果、気体の空間は消去され、予定の含気処理が行える。なお、含気チーズ排出後に、加圧した分だけ気泡が膨張する現象が見られるが、実用上の問題は認められない。
以上のような原材料から装置構成、運転条件に渡る多数の繊細な手段を包括的に同時に実施することにより、チーズ原料を混合し、混合した原料を乳化して、乳化後の粘度を100±30ポアズ、好ましくは100±20ポアズに調整することができる。この乳化後の粘度を調整したチーズ原料に気泡を含気させることで、最終的に本発明の安定剤やゲル化剤等の添加物を使用しない条件下で、口溶けに優れ、ねちゃつきが少なく、且つ滑らかな食感を呈する硬質プロセスチーズ類を実現することができる。
本発明の硬質プロセスチーズ類の製造において、加熱溶融については常法に従って行えばよく、例えば、ケトル型乳化機、高速剪断乳化機、ダブルスパイラルクッカー、サーモシリンダー式乳化機等、プロセスチーズの乳化に一般に用いられる装置を使用可能である。乳化したチーズの粘度調整は、温度制御や真空による減圧装置等によって行うことができる。このような物性調整機構は乳化装置と一体化させたり、また別装置として分離することもできる。
本発明において含気に用いる気体としては、食品に影響を与えない不活性ガスならば如何なるもの使用できる。例えば、窒素ガス、二酸化炭素、空気、及びこれらの混合物が例示できるが、なかでも硬質プロセスチーズ類が酸化を受け易いことから、窒素ガスを用いるのがより好ましい。窒素ガスの供給においては、その流量を安定化させるために気体の定質量供給装置が使用できる。
本発明において含気処理に用いる装置としては、上述のホイッピング装置を利用することができる。ただし、既に述べたように、その温度制御や撹拌速度、背圧制御をそれぞれ調整する必要がある。
また、全く異なる手段として、一般的なプロセスチーズの乳化装置として用いられる縦型の撹拌羽根を持つケトル釜と呼ばれる混合分散装置も利用することができる。この場合、撹拌羽根の下部は溶融チーズ中に、上部は含気させる気体で充満させた釜のヘッドスペース中にあるように配置して羽根を水平面内で回転させると、羽根の後流部の液面のくぼみから気体が自然に取り込まれる、いわゆる自然含気も本発明に用いることが可能である。実用上は、前者は連続系であり、後者はバッチ系、あるいは半バッチ系であり、製造工程の要求に応じて選択が可能である。
硬質プロセスチーズ類の官能評価に関しては、僅か3%〜5%程度の含気率であっても口溶けの向上と、ねちゃつきの低減は極めて著しく、物理的な含気率に伴う硬度の低下だけではなく、化学的な構造の変化が示唆される。一方、10%程度以上の含気率では、含気に伴う軽さはあまり発現しておらず、いわゆる含気感は感じにくい。よって、本発明では、気泡を該プロセスチーズ類に対する体積比率で3%以上、且つ10%未満含有することとする。
含有する気泡の調整は、含気工程にて供給するガス量を質量流量計で制御し、乳化したチーズとの混合比を適宜変更しながら含気率を調整することができる。
例えば含気率を5%にする場合は、含気装置に導入される溶融プロセスチーズに対する体積比率で5〜8%となるように気体流量を圧力制御装置等により調整する。なお、この時の体積は、標準状態に換算した時の気体の体積である。
比較的少量の含気率範囲で口溶けやねちゃつきを大きく向上させており、物性構造的な改善を実現できる。また、気泡は収縮し、消滅することなく、通常のプロセスチーズのような約1年間の長期の賞味期間を維持することができる。
本発明の硬質プロセスチーズ類は、直径が10から800μmの気泡を含有する。含気処理に真空発泡技術や膨化技術を活用すると、気泡含有率の高いチーズを得ることができるが、こうして得られたチーズは直径が800μmを超える気泡径を多数含有するため、チーズの組織が荒くなり、ザラザラもしくはボソボソとしたスナック菓子様の、プロセスチーズ類とはいい難い食感になってしまうため好ましくない。また、直径が10μm未満の気泡は喫食時の食感にほとんど影響しないと考えられる。このため、本発明の硬質プロセスチーズ類に含有される気泡の直径は10から800μmの範囲である。
気泡の大きさを調整する方法としては、撹拌速度を変化させることにより調整することができる。すなわち、既に述べたクリーミング効果による悪影響が少ない範囲で回転数を上げると、気泡の大きさを小さくする効果がある。例えば、実施例1で使用したホイッピング装置(Trefa社、T−50)においては、回転速度を200〜300rpmにすることにより、気泡直径を10から800μmにすることができる。
上述するように、乳化後の粘度や含有させる気泡の大きさを調整することにより、ねちゃつきが少なく、且つ滑らかな食感を呈する硬質プロセスチーズ類を提供できる。例えば、乳化後の粘度が低すぎた場合には気泡をチーズ中に保持することができずに、気泡が浮いてしまいチーズから抜け出てしまう。また、例えば1000μm程度の大きい気泡の場合では、気泡が浮いてしまいチーズから気泡が抜け出てしまう。つまり、乳化後の粘度や含有させる気泡の大きさを調整することによって目的量の気泡を含有させたプロセスチーズ類を調製することができる。
直径の測定は、凍結したチーズの割断面を、解凍後メチレンブルーで染色し、これをレーザ顕微鏡で観察することにより行った。
含気率の測定方法であるが、硬質プロセスチーズ類を20mm角の立方体に切り出し、電子天秤を用いて水中における比重を測定した。測定した比重値から下記式により含気率(チーズ中に取り込まれた気泡のチーズ体積比)を求めた。
なお、含気率の測定方法であるが、レーザ顕微鏡を用いて求めることもできる。例えば、凍結したプロセスチーズ類の割断面を、解凍後メチレンブルーで染色し、これをレーザ顕微鏡で観察して、プロセスチーズ類中に含有する気体の割合を測定して含気率を求めた。このようにして求めた含気率は、観察する視野を十分に広く取ることにより、上述の比重を用いる含気率計測法による値と一致した。
次に実施例を示し、本発明を詳細に説明する。なお、以下に記載する実施例は本発明を説明するものであり、本発明は実施例の記述に限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の一実施態様である硬質プロセスチーズ類の製造装置を図1に示した。以下、図1に基づいて説明する。
ニュージーランド製のチェダーチーズ10kg及び雪印乳業(株)製のゴーダチーズ10kgを粉砕して混合した。粉砕したチーズ原料、リン酸ナトリウムを主成分とする溶融塩を345g、重炭酸ナトリウムを60g、水を1830gを乳化装置(1)に加え、蒸気を吹き込みながら撹拌し、87℃の温度まで昇温して乳化した。乳化したチーズ原料を物性調整装置(3)に送液し、溶融したチーズ原料の粘度を粘度計(ビスコテスター(VT−04F、RION社製)(2)を用いて測定したところ、このときの溶融チーズ原料の粘度は25ポアズであった。温度制御装置(4)や真空排気装置(6)によりチーズ原料の粘度を100±30ポアズに調整した。この溶融チーズ原料を定量供給装置(5)にて50kg/hの流量で含気装置(Trefa社、T−50)(9)に送液した。含気装置はジャケット(温度制御装置(10))により温度が管理されており、含気装置を流れるチーズの温度及び粘度が大きく変動しないように温度を調整した。圧力制御装置(7)、質量流量計(8)を用いて、目標とする最終製品の含気率に合わせてガス供給量を適宜調節した。図示はしなかったが、含気装置の出口には背圧制御装置を配し、供給した窒素ガスにより含気装置内に気体(ガス)のみの空間が形成されないよう背圧を調節した。
含気工程にて供給する窒素ガス量を質量流量計(8)で制御し、乳化したチーズとの混合比を変えながら含気率の異なる6種類の試料を得た。これらの試料の含気率を比重法で計測したところ、それぞれほぼ、0%(A)、3%(B)、5%(C)、8%(D)、10%(E)、14%(F)であった。なお、レーザ顕微鏡を用いて含気率を求めた結果、同等の値であった。また、これらの試料のTP試験結果は、それぞれ、1.96(A)、1.92(B)、1.80(C)、1.72(D)、1.64(E)、1.51(F)(単位はkgf)であり、含気率の増加に伴って、柔らかくなる傾向が見られたが、硬質プロセスチーズの下限値0.6kgfよりは十分高く、プロセスチーズ特有の硬さを有していた。
これらの試料を官能検査に供した結果を、図2〜5に示した。評価項目は、(a)口溶け、(b)ねちゃつき、(c)滑らかさ、(d)肌荒れとし、5名の訓練したパネラーにより評価した。評価に当たっては、試料の温度や大きさ、形状を一定にし、評価の安定化を図った。評価は5段評価とし、評点が高いほど良好な評価とした。即ち、5=非常に好ましい、4=好ましい、3=どちらとも言えない、2=好ましくない、1=非常に好ましくない、と定義した。
解析においては、まず(a)〜(d)の特性それぞれの結果を含気率を因子とする1元配置実験として分析した結果、全ての特性が有意水準1%で有意であり、含気率によりこれらの特性が有意に変化することを確認した。図2〜5には各水準における平均値を示した。
口溶けに関しては、図2に示したように、含気率0の試料(A)にくらべ、含気率3%の試料(B)は口溶けが大きく改善していた。3%以上の含気率では、わずかな上昇は見られるものの、ほぼ一定値となった。
ねちゃつきに関しては、図3に示したように、口解けとほぼ同様の傾向を示し、含気率3%以上でねちゃつきが大きく低減した。
図4には喫食事の口中での滑らかさの評価を示した。この場合、口溶けやねちゃつきと同様、試料(A)−試料(B)間で変化が大きく滑らかさが向上したが、10%以上の含気率では少しざらついて、滑らかさが低下する傾向が見られた。図5には、外観的な肌荒れの評価を示した。この場合、含気率が10%以上では肌荒れが目立つようになり、評価が低下した。
以上の結果より、口溶けやねちゃつきは僅か3%程度の含気処理によって大きく改善され、それ以上の含気率ではあまり変化がなかった。一方、滑らかさは、3%程度の含気処理で向上したが、10%以上では低下し、また、外観的な肌荒れの評価も低下した。従って、本発明が提供する窒素気泡を体積比率で3%以上、且つ10%未満含有する硬質プロセスチーズにおいて、口溶けが優れ、ねちゃつきが少なく、また食感的に滑らかで、外観的にも肌荒れの少ない滑らかな特性が実現された。
[実施例2]
実施例1で得られた試料(B)(含気率3%)から試料(F)(含気率14%)に関して、粒径分布を測定した。測定は、凍結したチーズの割断面を、解凍後メチレンブルーで染色し、これをレーザ顕微鏡で観察することにより行った。得られた粒径分布はほぼ同様の結果となったことから、試料(B)(含気率3%)及び試料(E)(含気率10%)に関する結果を図6と図7に示した。
図から分かるように、共に粒径の平均値及び標準偏差は同様の値であり、粒径分布に大きな違いは認められなかった。分布の特徴としては、粒子径は0から約800μmに広がる非対称分布で、平均粒径付近に最大値を示した。
従って、プロセスチーズがその内部に直径が10μm から800μmの窒素気泡を有するとき、図2から図5に示したような官能特性が得られることが確認された。
〔実施例3〕
ニュージーランド製のチェダーチーズ8kg、雪印乳業(株)製のゴーダチーズ6kg、雪印乳業(株)製のグリーンチーズ4kg、雪印乳業(株)製のクリームチーズ2kgを粉砕して混合した。粉砕したチーズ原料、リン酸ナトリウムを主成分とする溶融塩を345g、重炭酸ナトリウムを70g、水を1600gを乳化装置(1)に加え、蒸気を吹き込みながら撹拌し、85℃の温度まで昇温して乳化した。乳化したチーズ原料を物性調整装置(3)に送液し、溶融したチーズ原料の粘度を粘度計(ビスコテスター(VT−04F、RION社製)(2)を用いて測定したところ、このときの溶融チーズ原料の粘度は40ポアズであった。温度制御装置(4)や真空排気装置(6)によりチーズ原料の粘度を100±30ポアズに調整した。この溶融チーズ原料を定量供給装置(5)にて50kg/hの流量で含気装置(Trefa社、T−50)(9)に送液した。含気装置はジャケット(温度制御装置(10))により温度が管理されており、含気装置を流れるチーズの温度及び粘度が大きく変動しないように温度を調整した。圧力制御装置(7)、質量流量計(8)を用いて、目標とする最終製品の含気率に合わせてガス供給量を適宜調節した。図示はしなかったが、含気装置の出口には背圧制御装置を配し、供給した窒素ガスにより含気装置内に気体(ガス)のみの空間が形成されないよう背圧を調節した。
含気工程にて供給する窒素ガス量を質量流量計(8)で制御し、含気率5%のプロセスチーズを調製した。
得られたプロセスチーズを実施例1と同様の官能検査に供した結果、(a)口溶け、(b)ねちゃつき、(c)滑らかさ、(d)肌荒れ、の全ての評価において4点以上を有する評価を得ることができた。
この実施例では、最終製品の硬さを少し高めて歯応えを出し、同時にクリームチーズによるさわやかさな風味の発現を目的とした。得られたプロセスチーズはこれらの目的特性を十分に備えており、かつ、ねちゃつきがなく、滑らかな舌触りで、外見上も肌荒れが無くスムーズな組織を呈しており、本発明の効果が確認された。
喫食時の口溶けに優れ、ねちゃつきが少なく、且つ滑らかな食感を呈する硬質プロセスチーズ類を提供できる。製法として、チーズ原料を混合する工程と、前記混合した原料を乳化して乳化後の粘度を100±30ポアズに調整する工程と、前記乳化したチーズ原料に不活性ガスを供給する含気工程を有することで、容易に喫食時の口溶けに優れ、ねちゃつきが少なく、且つ滑らかな食感を呈する硬質プロセスチーズ類を製造できる。
1:乳化装置
2:粘度計
3:物性調整装置
4:温度制御装置
5:定量供給装置
6:真空排気装置
7:圧力制御装置
8:質量流量計
9:含気装置
10:温度制御装置

Claims (7)

  1. 直径が10μmから800μmの気泡を硬質プロセスチーズ類に対する体積比率で3%以上、且つ10%未満含有する硬質プロセスチーズ類。
  2. 前記気泡の含有率が5%以上、且つ10%未満である請求項1に記載の硬質プロセスチーズ類。
  3. 増粘剤及び/又はゲル化剤を使用しない請求項1又は2に記載の硬質プロセスチーズ類。
  4. チーズ原料を乳化するための乳化工程と、前記乳化されたチーズ原料の粘度を測定する粘度測定工程と、前記粘度測定結果から温度制御工程によりチーズ原料の粘度を100±30ポアズにする物性調整工程と、前記乳化されたチーズ原料を定量供給する工程と、前記定量供給する工程から定量供給されたチーズ原料に気泡を含有させる含気工程を有する硬質プロセスチーズ類の製造方法。
  5. 前記チーズ原料の粘度を100±30ポアズに調整する物性調整工程として、排気工程を有する請求項4に記載の硬質プロセスチーズ類の製造方法。
  6. チーズ原料を乳化するための乳化手段、前記乳化されたチーズ原料の粘度を測定する粘度測定手段、前記粘度測定手段からの出力に基づいて前記乳化されたチーズ原料の粘度を制御する物性調整手段、前記乳化されたチーズ原料を定量供給する手段、前記定量供給する手段から定量供給されたチーズ原料に気泡を含有させる含気手段を有する硬質プロセスチーズ類の製造装置。
  7. 前記チーズ原料の粘度を制御する物性調整手段として温度制御手段及び/又は排気手段を有する請求項6に記載の硬質プロセスチーズ類の製造装置。
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