JP2012019118A - トランジスタ構造体、トランジスタ構造体の製造方法及び発光装置 - Google Patents

トランジスタ構造体、トランジスタ構造体の製造方法及び発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に薄膜トランジスタを作り分けること。
【解決手段】ボトムゲート構造の第1薄膜トランジスタである駆動トランジスタ6と、トップゲート構造の第2薄膜トランジスタであるスイッチトランジスタ5とを形成する際、基板10と第1絶縁膜11の間に駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aを形成する工程と、第2絶縁膜5d上にスイッチトランジスタ5の第2ゲート電極5aを形成する工程を別工程にし、それ以外の薄膜トランジスタの構成を共通の工程によって形成する。こうして、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aと、スイッチトランジスタ5の第2ゲート電極5aを形成する以外の工程を共通の製造工程とする製造方法によって、駆動トランジスタ6とスイッチトランジスタ5を作り分けることを可能にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランジスタ構造体、トランジスタ構造体の製造方法及び発光装置に関する。
従来、EL(Electro Luminescence)素子を用いたEL発光表示装置が知られている。EL発光表示装置には各画素にEL素子が備えられており、このEL発光表示装置をアクティブマトリックス回路により駆動するため、各EL素子に対して供給する電流を制御する薄膜トランジスタが画素毎に設けられている。
アクティブマトリックス方式のEL発光表示装置は、例えば信号線(データ線)に連結されてデータ信号を制御するスイッチトランジスタと、スイッチトランジスタから伝達されたデータ信号に応じた電流をEL素子に流す駆動トランジスタと、を備えている。
このEL発光表示装置がより良好な発光表示特性を発揮するために、スイッチトランジスタと駆動トランジスタは、それぞれ異なった特性を有することが要求される。
また、結晶性シリコンを含む半導体膜を備える薄膜トランジスタを駆動トランジスタとして機能させ、非晶質シリコンからなる半導体膜を備える薄膜トランジスタをスイッチトランジスタとして機能させる発光表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−256926号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、一方の薄膜トランジスタを形成した後、他方の薄膜トランジスタを形成するため、薄膜トランジスタ毎に絶縁膜、半導体膜、金属膜などの成膜とそれら成膜した膜のパターニングを繰り返すことになる。そして、薄膜トランジスタ毎に各工程を繰り返すために通常の倍程度の工程が必要になるので、工程数の増加が製造コストの増大を招いてしまうという問題があった。
本発明は、互いに異なる形態の薄膜トランジスタを効率よく作ることができるトランジスタ構造体、その製造方法及びそれを備えた発光装置を提供することを目的とする。
本発明のトランジスタ構造体は、
第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極を覆う第1絶縁膜と、前記第1ゲート電極に対応する位置の前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第1半導体膜と、前記第1半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を備える第1薄膜トランジスタと、
前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第2半導体膜と、前記第2半導体膜上の中央側に形成されて前記第2半導体膜のチャネル領域を覆う第2絶縁膜と、前記第2半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2絶縁膜上に形成された第2ゲート電極と、を備える第2薄膜トランジスタと、
を備え、
前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記一対の端部は、それぞれ不純物半導体領域であり、
前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記チャネル領域は、前記第1絶縁膜側となる第1領域と、その反対面側となる第2領域と、を有し、前記第1領域と前記第2領域の何れか一方のシリコンの結晶化度が他方に比べて高いことを特徴とする。
好ましくは、前記第1薄膜トランジスタの前記第1半導体膜における前記チャネル領域の第1領域が、前記第1半導体膜の電流経路になり、前記第2薄膜トランジスタの前記第2半導体膜における前記チャネル領域の第2領域が、前記第2半導体膜の電流経路になる。
好ましくは、前記第1薄膜トランジスタの前記第1半導体膜の前記チャネル領域上に前記第2絶縁膜と同じ材料で、前記第2絶縁膜と同じ厚さの絶縁膜が形成されている。
好ましくは、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの少なくともいずれかに接続された電圧供給線と、前記電圧供給線と重なる、前記第2ゲート電極と同じ材料からなる導電層と、を有する。
本発明のトランジスタ構造体の製造方法は、
第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを備えるトランジスタ構造体の製造方法であって、
前記第1薄膜トランジスタの第1ゲート電極を形成する第1ゲート電極形成工程と、
前記第1ゲート電極上に第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、
第1半導体膜及び第2半導体膜が形成される前記第1絶縁膜上に、結晶性シリコンを含む半導体層を成膜する半導体層成膜工程と、
前記半導体層上に第2絶縁層を成膜する第2絶縁層形成工程と、
前記半導体層における前記第1半導体膜のチャネル領域となる領域及び前記第2半導体膜のチャネル領域となる領域を除いて、前記半導体層にイオンドーピングを行い不純物半導体領域を形成する不純物半導体領域形成工程と、
前記第2絶縁層をパターニングして、前記第2薄膜トランジスタのチャネル領域となる領域上に第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、
前記半導体層をパターニングして、前記第1半導体膜及び前記第2半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、
前記第2絶縁膜上に前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極を形成する第2ゲート電極形成工程と、
前記第1半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を形成する工程と、を備え、
前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記チャネル領域は、前記第1絶縁膜側となる第1領域と、その反対面側となる第2領域と、を有するように形成し、前記第1領域と前記第2領域の何れか一方のシリコンの結晶化度を他方に比べて高く形成することを特徴とする。
好ましくは、第2絶縁膜形成工程は、前記第2絶縁層をパターニングして、前記第1薄膜トランジスタのチャネル領域となる領域上に、前記第2薄膜トランジスタの前記第2絶縁膜とは異なる第2絶縁膜を形成する第2薄膜トランジスタの第2絶縁膜形成工程を含む。
本発明の発光装置は、
第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極を覆う第1絶縁膜と、前記第1ゲート電極に対応する位置の前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第1半導体膜と、前記第1半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を備える第1薄膜トランジスタと、
前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第2半導体膜と、前記第2半導体膜上の中央側に形成されて前記第2半導体膜のチャネル領域を覆う第2絶縁膜と、前記第2半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2絶縁膜上に形成された第2ゲート電極と、を備える第2薄膜トランジスタと、
前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの制御によって発光する発光素子と、
を備え、
前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記一対の端部は、それぞれ不純物半導体領域であり、
前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記チャネル領域は、前記第1絶縁膜側となる第1領域と、その反対面側となる第2領域と、を有し、前記第1領域と前記第2領域の何れか一方のシリコンの結晶化度が他方に比べて高いことを特徴とする。
好ましくは、前記第1薄膜トランジスタの前記第1半導体膜の前記チャネル領域上に前記第2絶縁膜と同じ材料で、前記第2絶縁膜と同じ厚さの絶縁膜が形成されている。
好ましくは、前記第1領域のシリコンの結晶化度を前記第2領域よりも高く形成することで、前記第2薄膜トランジスタを、前記第1薄膜トランジスタを制御するスイッチトランジスタとして機能させ、前記第1薄膜トランジスタを、前記第2薄膜トランジスタの制御に応じた電流を前記発光素子に流す駆動トランジスタとして機能させる。
好ましくは、前記第2領域のシリコンの結晶化度を前記第1領域よりも高く形成することで、前記第1薄膜トランジスタを、前記第2薄膜トランジスタを制御するスイッチトランジスタとして機能させ、前記第2薄膜トランジスタを、前記第1薄膜トランジスタの制御に応じた電流を前記発光素子に流す駆動トランジスタとして機能させる。
好ましくは、前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの少なくともいずれかに接続された電圧供給線と、前記電圧供給線と重なる、前記第2ゲート電極と同じ材料からなる導電層と、を有する。
本発明によれば、互いに異なる形態の薄膜トランジスタを効率よく作ることができる。
ELパネルの画素の配置構成を示す平面図である。 ELパネルの概略構成を示す平面図である。 ELパネルの1画素に相当する回路を示した回路図である。 実施形態1のELパネルの1画素を示した平面図である。 図4のV−V線に沿った面の矢視断面図である。 図4のVI−VI線に沿った面の矢視断面図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態1の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2のELパネルの1画素を示した平面図である。 図20のXXI−XXI線に沿った面の矢視断面図である。 図20のXXII−XXII線に沿った面の矢視断面図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 実施形態2の薄膜トランジスタの製造工程を示す説明図である。 表示パネルにELパネルが適用された携帯電話機の一例を示す正面図である。 表示パネルにELパネルが適用されたデジタルカメラの一例を示す正面側斜視図(a)と、後面側斜視図(b)である。 表示パネルにELパネルが適用されたパーソナルコンピュータの一例を示す斜視図である。 ラマン分光法による半導体の結晶化度の測定方法を説明するための図である。 ELパネルの1画素に相当する他の回路を示した回路図である。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
(実施形態1)
図1は、発光装置であるELパネル1における複数の画素Pの配置構成を示す平面図であり、図2は、ELパネル1の概略構成を示す平面図である。
図1、図2に示すように、ELパネル1には、複数の画素Pが所定のパターンでマトリクス状に配置されている。複数の画素Pは、R(赤)を発光する赤画素Pと、G(緑)を発光する赤画素Pと、B(青)を発光する赤画素Pと、を有している。
このELパネル1には、複数の走査線2が行方向に沿って互いに略平行となるよう配列され、複数の信号線3が平面視して走査線2と略直交するよう列方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。また、隣り合う走査線2の間において電圧供給線4が走査線2に沿って設けられている。そして、互いに隣接する二本の走査線2と、互いに隣接する二本の信号線3と、によって囲われる範囲が、画素Pに相当する。
また、ELパネル1には、走査線2、信号線3、電圧供給線4の上方を覆うように、隔壁であるバンク13が設けられている。このバンク13は例えば格子状に設けられ、バンク13によって囲われてなる略長方形状の複数の開口部13aが画素Pごとに形成されている。このバンク13の開口部13a内に所定のキャリア輸送層(後述する正孔注入層8b、発光層8c)が設けられ、画素Pの発光領域となる。キャリア輸送層とは、電圧が印加されることによって正孔又は電子を輸送する層である。なお、バンク13は、上述のように、画素Pごとに開口部13aを設けるものばかりでなく、信号線3上を覆い且つ列方向に沿って延在するとともに、列方向に並んだ後述する複数の画素Pの各画素電極8aの中央部をまとめて露出するようなストライプ状の開口部を有しているものであってもよい。
図3は、アクティブマトリクス駆動方式で動作するELパネル1の1画素に相当する回路の一例を示した回路図である。
図3に示すように、ELパネル1には、走査線2と、走査線2と交差する信号線3と、走査線2に沿う電圧供給線4とが設けられており、このELパネル1の各画素Pは、第2薄膜トランジスタであるスイッチトランジスタ5と、第1薄膜トランジスタである駆動トランジスタ6と、キャパシタ7と、発光素子であるEL素子8とを備えている。スイッチトランジスタ5と駆動トランジスタ6は、EL素子8を発光させる駆動素子として機能する。
各画素Pにおいては、スイッチトランジスタ5のゲートが走査線2に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの一方が信号線3に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの他方がキャパシタ7の一方の電極及び駆動トランジスタ6のゲートに接続されている。駆動トランジスタ6のソースとドレインのうちの一方が電圧供給線4に接続され、駆動トランジスタ6のソースとドレインのうち他方がキャパシタ7の他方の電極及びEL素子8のアノードに接続されている。なお、全ての画素PのEL素子8のカソードは、一定電圧Vcomに保たれている(例えば、接地されている)。
また、このELパネル1の周囲において各走査線2が走査ドライバに接続され、各電圧供給線4が一定電圧を出力する電圧源又は適宜電圧信号を出力する電圧ドライバに接続され、各信号線3がデータドライバに接続され、これらドライバによってELパネル1がアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。電圧供給線4には、電圧源による一定電圧又は電圧ドライバによる電圧信号が供給される。
次に、ELパネル1と、その画素Pの回路構造について、図4〜図6を用いて説明する。ここで、図4は、ELパネル1の1画素Pに相当する平面図であり、図5は、図4のV−V線に沿った面の矢視断面図、図6は、図4のVI−VI線に沿った面の矢視断面図である。なお、図4においては、電極及び配線を主に示す。
図4に示すように、各画素Pのトランジスタ構造体56は、このスイッチトランジスタ5と駆動トランジスタ6とを備える。スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6は、信号線3に沿うように配列され、スイッチトランジスタ5の近傍にキャパシタ7が配置され、駆動トランジスタ6の近傍にEL素子8が配置されている。また、各画素Pにおいて、走査線2と電圧供給線4の間に、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7及びEL素子8が配置されている。
図4〜図6に示すように、基板10上に第1ゲート電極6aが設けられ、その第1ゲート電極6aを覆うように基板10の上面に第1絶縁膜11が成膜されている。この第1絶縁膜11の上に、第1半導体膜6b及び第2半導体膜5bが設けられ、第1半導体膜6bのチャネル領域6c上にはチャネル領域6cを覆う第2絶縁膜6dが設けられ、第2半導体膜5bのチャネル領域5c上にはチャネル領域5cを覆う第2絶縁膜5dが設けられている。第2絶縁膜5d上に第2ゲート電極5aが形成されている。第2絶縁膜5dは、第2ゲート電極5a及び走査線2の下に、第2ゲート電極5a及び走査線2と略同一形状に形成されている。第2絶縁膜6dは、第1半導体膜6bのチャネル領域6cと略同一形状に形成されている。第1半導体膜6b、第2絶縁膜6d、第2ゲート電極5a、第2半導体膜5b及び第1絶縁膜11の露出部分を覆うように保護絶縁膜12が成膜されている。なお、第1半導体膜6bのチャネル領域6cを挟む一対の端部が一対の不純物半導体領域6f、6gとして形成され、第2半導体膜5bのチャネル領域5cを挟む一対の端部が一対の不純物半導体領域5f、5gとして形成されている。さらに、保護絶縁膜12上に、ドレイン電極6hおよびソース電極6iと、ドレイン電極5hおよびソース電極5iとが形成され、ドレイン電極5h,6h及びソース電極5i,6iを覆うように保護絶縁膜12の上面に窒化シリコン等の絶縁性のパッシベーション膜14が成膜されている。なお、ドレイン電極6hは保護絶縁膜12のコンタクトホールを介して不純物半導体領域6fに、ソース電極6iは保護絶縁膜12のコンタクトホールを介して不純物半導体領域6gに接続され、ドレイン電極5hは保護絶縁膜12のコンタクトホールを介して不純物半導体領域5fに、ソース電極5iは保護絶縁膜12のコンタクトホールを介して不純物半導体領域5gに接続されている。
また、信号線3は、基板10と第1絶縁膜11との間に形成されている。
走査線2は、第1絶縁膜11と保護絶縁膜12との間に形成され、更に詳述すると、第2絶縁膜5dと保護絶縁膜12との間に設けられている。
電圧供給線4は、補助導電膜4aに積層されてパッシベーション膜14の下に形成されている。補助導電膜4aは、第1絶縁膜11と保護絶縁膜12との間に形成され、詳述すると、補助導電膜4aは第2ゲート電極5aと同じ材料で同じ厚さに形成されて第1絶縁膜11上に形成されている。この補助導電膜4a上の保護絶縁膜12には、補助導電膜4aを露出する溝が形成され、この溝内に補助導電膜4aを覆う電圧供給線4が設けられている。電圧供給線4と補助導電膜4aが接触するように重なることで、電圧供給線4の低抵抗化を図り、駆動トランジスタ6を介してEL素子8へ供給する電流量の安定化を図っている。
また、図4、図6に示すように、スイッチトランジスタ5は、コプラナー型トップゲート構造の第2薄膜トランジスタである。このスイッチトランジスタ5は、第2ゲート電極5a、第2半導体膜5b、第2絶縁膜5d、不純物半導体領域5f,5g、ドレイン電極5h、ソース電極5i等を有するものである。
基板10の上面に成膜されている絶縁性の第1絶縁膜11は、例えば、光透過性を有し、シリコン窒化物又はシリコン酸化物を有する。この第1絶縁膜11上であって第2ゲート電極5aに対応することになる位置に第2半導体膜5bが形成されている。
第2半導体膜5bは、例えば、結晶性シリコン、特に微結晶シリコン(マイクロクリスタルシリコン)を含んでいる。この第2半導体膜5bは、第2絶縁膜5dに覆われたチャネル領域5cと、チャネル領域5cを挟む一対の不純物半導体領域5f、5gとを有している。
チャネル領域5cは、第1絶縁膜11側となる第1領域51と、その反対面側(第2ゲート電極5a側)に位置する第2領域52とを有している。ここでは、第1領域51のシリコンの結晶化度が第2領域52に比べて高く形成されている。換言すれば、第2半導体膜5bにおけるチャネル領域5cの第1領域51は、第2領域52に比べて相対的にシリコンの結晶化度が高く、結晶性シリコン領域の割合が第2領域52に比べてより高い。そして、第2半導体膜5bにおけるチャネル領域5cの第2領域52は、第1領域51に比べて非晶質シリコン(アモルファスシリコン)領域の割合が高く、好ましくは実質的に非晶質シリコンのみの領域である。このチャネル領域5c上に絶縁性の第2絶縁膜5dが形成されており、チャネル領域5cにチャネルが形成される。
不純物半導体領域5f、5gは、第2半導体膜5bのチャネル長方向の両端であってドーパントを含む領域であり、第2半導体膜5bの不純物半導体領域を成している。そして、不純物半導体領域5f、5gはそれぞれ第2半導体膜5bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体領域5f、5gはn型半導体であるが、これに限らず、スイッチトランジスタ5がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
第2絶縁膜5dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物を有し、第2半導体膜5bの略中央部上に形成されてチャネル領域5cを覆っている。この第2絶縁膜5dの上面に第2ゲート電極5aが形成されている。
第2ゲート電極5aは、ゲート絶縁膜として機能する第1絶縁膜11下であって、チャネル領域5cに対応する位置に形成されている。この第2ゲート電極5aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、及びAlTiNd合金膜の中から選択された材料で形成されることが好ましい。
第2ゲート電極5a、第2絶縁膜5d、第2半導体膜5b、第1絶縁膜11の上には、絶縁性の保護絶縁膜12が成膜され、第2ゲート電極5a、第2絶縁膜5d、第2半導体膜5b等が保護絶縁膜12によって被覆されている。保護絶縁膜12は、例えば、光透過性を有し、窒化シリコン又は酸化シリコンを有する。
保護絶縁膜12上には、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、及びAlTiNd合金膜の中から選択された材料で形成されたドレイン電極5h及びソース電極5iが形成されている。ドレイン電極5hは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域5fに接続しており、ソース電極5iは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域5gに接続している。
保護絶縁膜12上のドレイン電極5h及びソース電極5iは、パッシベーション膜14で覆われている。パッシベーション膜14は、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンを有する。
そして、スイッチトランジスタ5は、パッシベーション膜14によって被覆されるようになっている。
このスイッチトランジスタ5において、第2ゲート電極5aの電界が作用する第2半導体膜5bにおける第2絶縁膜5dで覆われたチャネル領域5cにチャネルが形成される。特に、第2半導体膜5bのチャネル領域5cにおいて第2ゲート電極5a側となる、チャネル領域5cの第2領域52にチャネルが形成され、その第2領域52がソース電極5iとドレイン電極5hの間の電流経路になる。
そして、第2半導体膜5bにおけるチャネル領域5cの第2領域52は、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)をより多く含んでいる半導体層であるので、その第2領域52をチャネルの電流経路とするスイッチトランジスタ5は、非晶質シリコンを有する半導体膜(或いは、非晶質シリコンを主成分とする半導体膜)を備える薄膜トランジスタに相当する。つまり、スイッチトランジスタ5の第2領域52の非晶質シリコンは、微結晶シリコンのような結晶性シリコンと比べてリーク電流が少なく、(オン時に半導体層に流れる電流)/(オフ時に半導体層に流れる電流)が高いので、駆動トランジスタ6のオン/オフを制御するスイッチトランジスタとして好適に機能する。
特に、トップゲートである第2ゲート電極5aは、ソース電極5iとドレイン電極5hと重ならない配置であって、ソース電極5iとドレイン電極5hよりも第2半導体膜5bに近接した配置に設けられているので、第2ゲート電極5aの電界が全て第2半導体膜5bに作用することとなって、チャネル領域5cに適正にチャネルが形成される。第2絶縁膜5d及び保護絶縁膜12が互いにほぼ同じ厚さに成膜された場合、ソース電極5iとドレイン電極5hが第2ゲート電極5aの上方に位置するのに比べて、保護絶縁膜12上のソース電極5iと不純物半導体領域5gとの距離、及び保護絶縁膜12上のドレイン電極5hと不純物半導体領域5fとの距離が短くなり、第2ゲート電極5aの重なりによる干渉の影響がないので、ソース電極5i、ドレイン電極5hそれぞれの電圧が、第2半導体膜5bにより伝搬しやすい。
また、図4、図5に示すように、駆動トランジスタ6は、コプラナー型ボトムゲート構造の第1薄膜トランジスタである。この駆動トランジスタ6は、第1ゲート電極6a、第1半導体膜6b、第2絶縁膜6d、不純物半導体領域6f,6g、ドレイン電極6h、ソース電極6i等を有するものである。
第1ゲート電極6aは、基板10と第1絶縁膜11の間に形成されている。この第1ゲート電極6aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、及び又はAlTiNd合金膜の中から選択された材料で形成されることが好ましい。また、第1ゲート電極6aの上に絶縁性の第1絶縁膜11が成膜されており、その第1絶縁膜11によって第1ゲート電極6aが被覆されている。この第1絶縁膜11上であって第1ゲート電極6aに対応する位置に第1半導体膜6bが形成されており、第1半導体膜6bが第1絶縁膜11を挟んで第1ゲート電極6aと相対している。
第1半導体膜6bは、例えば、結晶性シリコン、特に微結晶シリコン(マイクロクリスタルシリコン)を含んでいる。この第1半導体膜6bは、第2絶縁膜6dに覆われたチャネル領域6cと、チャネル領域6cを挟む一対の不純物半導体領域6f、6gとを有している。
チャネル領域6cは、第1絶縁膜11側(第1ゲート電極6a側)に位置する第1領域61と、その反対面側となる第2領域62とを有している。ここでは、第1領域61のシリコンの結晶化度が第2領域62に比べて高く形成されている。換言すれば、第1半導体膜6bの第1領域61は、第2領域62に比べて相対的にシリコンの結晶化度が高く、結晶性シリコン領域の割合が第2領域62に比べてより高い。そして、第1半導体膜6bの第2領域62は、第1領域61に比べて非晶質シリコン(アモルファスシリコン)領域の割合が高く、好ましくは実質的に非晶質シリコンのみの領域である。チャネル領域6c上に絶縁性の第2絶縁膜6dが形成されており、チャネル領域6cにチャネルが形成される。
不純物半導体領域6f、6gは、第1半導体膜6bのチャネル長方向の両端であってドーパントを含む領域であり、第1半導体膜6bの不純物半導体領域を成している。そして、不純物半導体領域6f、6gはそれぞれ第1半導体膜6bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体領域6f、6gはn型半導体であるが、これに限らず、駆動トランジスタ6がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
第1半導体膜6bの第1領域61は、第2半導体膜5bの第1領域51と同じ組成で且つ同じ厚さであり、第1半導体膜6bの第2領域62は、第2半導体膜5bの第2領域52と同じ組成且つ同じ厚さであり、不純物半導体領域6f,6gは、不純物半導体領域5f,5gと同一材料で構成され且つ同じ厚さである。したがって、不純物半導体領域6f,6g及び不純物半導体領域5f,5gは、後述するように、同一材料層である不純物半導体領域9fを用いて同一プロセスで一括して製造することが可能となる。このため、第1半導体膜6b及び第2半導体膜5bは、後述するように、同一材料層である半導体層9bを用いて同一プロセスで一括して製造することが可能となる。
第2絶縁膜6dは、第2絶縁膜5dと同一材料で構成され且つ同じ厚さであり、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物を含むことが好ましい。このため、第2絶縁膜6d及び第2絶縁膜5dは、後述するように、同一材料層である保護絶縁層9dを用いて同一プロセスで一括して製造することが可能となる。第2絶縁膜6dは、第1半導体膜6bの略中央部上に形成されてチャネル領域6cを覆っている。
第2絶縁膜6d、第1半導体膜6bの上には、絶縁性の保護絶縁膜12が成膜され、第2絶縁膜6d、第1半導体膜6b等が保護絶縁膜12によって被覆されている。
保護絶縁膜12上には、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、及びAlTiNd合金膜の中から選択された材料で形成されたドレイン電極6h及びソース電極6iが形成されている。ドレイン電極6hは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域6fに接続しており、ソース電極6iは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域6gに接続している。ドレイン電極6h,ソース電極6iは、ドレイン電極5h、ソース電極5iと同一材料で構成され且つ同じ厚さである。ドレイン電極6h,ソース電極6i及びドレイン電極5h、ソース電極5iは、後述するように、同一材料層である導電膜9aを用いて同一プロセスで一括して製造することが可能となる。
保護絶縁膜12上のドレイン電極6h及びソース電極6iは、パッシベーション膜14で覆われている。
すなわち、駆動トランジスタ6は、パッシベーション膜14によって被覆されるようになっている。
この駆動トランジスタ6において、第2絶縁膜6dはゲート絶縁膜として機能し、第1ゲート電極6aの電界が作用するチャネル領域6cにチャネルが形成される。特に、第1半導体膜6bのチャネル領域6cにおいて第1ゲート電極6a側となる、チャネル領域6cの第1領域61にチャネルが形成され、その第1領域61がソース電極6iとドレイン電極6hの間の電流経路になる。
そして、第1半導体膜6bにおけるチャネル領域6cの第1領域61は、結晶性シリコンの割合が第2領域62に比べてより高いので、その第1領域61をチャネルの電流経路とする駆動トランジスタ6は、結晶性シリコンを有する半導体膜(或いは、結晶性シリコンを主成分とする半導体膜)を備える薄膜トランジスタに相当する。つまり、駆動トランジスタ6の第1領域61内の微結晶シリコンは、結晶粒径が概ね50〜100nmの結晶性シリコンであり、非晶質シリコンに比べてトランジスタの駆動による閾値電圧のシフトが少ないことからトランジスタの劣化を抑えられる上に、キャリア移動度が高いので、スイッチトランジスタ5の制御によってEL素子8に電流を流す駆動トランジスタとして好適に機能する。
キャパシタ7は、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aとソース電極6iとの間に接続されている。具体的には、キャパシタ7の電極7aは、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aに接続され、キャパシタ7の電極7bは、駆動トランジスタ6のソース電極6iに接続されている。そして、図4、図6に示すように、基板10と第1絶縁膜11との間にキャパシタ7の一方の電極7aが形成され、保護絶縁膜12とパッシベーション膜14との間にキャパシタ7の他方の電極7bが形成され、電極7aと電極7bが誘電体である第1絶縁膜11と保護絶縁膜12を挟んで相対している。
なお、信号線3、キャパシタ7の電極7a、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aは、基板10に一面に成膜した導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成したものである。
また、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iは、保護絶縁膜12に一面に成膜した導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成したものである。
また、走査線2、スイッチトランジスタ5の第2ゲート電極5a、補助導電膜4aは、第2絶縁膜5dおよび第1絶縁膜11に成膜した導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成したものである。
また、第1絶縁膜11と保護絶縁膜12には、ドレイン電極5hと信号線3とが重なる領域にコンタクトホール11bが形成され、第1ゲート電極6aとソース電極5iとが重なる領域にコンタクトホール11cが形成されており、コンタクトホール11b、11c内にコンタクトプラグ20b、20cがそれぞれ埋め込まれている。コンタクトプラグ20bによってスイッチトランジスタ5のドレイン電極5hと信号線3が電気的に導通し、コンタクトプラグ20cによってスイッチトランジスタ5のソース電極5iとキャパシタ7の電極7aが電気的に導通するとともにスイッチトランジスタ5のソース電極5iと駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aが電気的に導通する。なお、コンタクトプラグ20b、20cを介することなく、ドレイン電極5hが直接信号線3と接触し、ソース電極5iが直接第1ゲート電極6aと接触して導通させてもよい。
また、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aがキャパシタ7の電極7aに一体に連なっており、駆動トランジスタ6のドレイン電極6hが電圧供給線4に一体に連なっており、駆動トランジスタ6のソース電極6iがキャパシタ7の電極7bに一体に連なっている。
画素電極8aは、第1絶縁膜11と保護絶縁膜12を介して基板10上に設けられており、画素Pごとに独立して形成されている。画素電極8a側からEL素子8の光を出射するボトムエミッション構造であれば、この画素電極8aは透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びカドミウム−錫酸化物(CTO)の中から選択された材料で形成されることが好ましい。また、対向電極8d側からEL素子8の光を出射するトップエミッション構造の場合、画素電極8aは、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層を下層として光反射性層とし、上層として上述の透明電極の積層構造とすることが好ましい。なお、画素電極8aの一部が、駆動トランジスタ6のソース電極6iに重なり、画素電極8aとソース電極6iとが互いに接続されている。
そして、図4、図5に示すように、パッシベーション膜14が、走査線2、信号線3、電圧供給線4、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、画素電極8aの周縁部、キャパシタ7の電極7b及び保護絶縁膜12を覆うように形成されている。つまりパッシベーション膜14には、各画素電極8aの中央部が露出するように開口部14aが形成されている。そのため、パッシベーション膜14は平面視して格子状に形成されている。
EL素子8は、図4、図5に示すように、アノードとなる第1電極としての画素電極8aと、画素電極8aの上に形成された化合物膜である正孔注入層8bと、正孔注入層8bの上に形成された化合物膜である発光層8cと、発光層8cの上に形成された第2電極としての対向電極8dとを備えている。対向電極8dは全画素Pに共通の単一電極であって、全画素Pにわたって連続して形成されている。
正孔注入層8bは、例えば、導電性高分子であるPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)及びドーパントであるPSS(polystyrene sulfonate;ポリスチレンスルホン酸)を有する層であって、画素電極8aから発光層8cに向けて正孔を注入するキャリア注入層である。
発光層8cは、画素P毎にR(赤),G(緑),B(青)のいずれかを発光する材料を含み、例えば、ポリフルオレン系発光材料やポリフェニレンビニレン系発光材料を有する層であって、対向電極8dから供給される電子と、正孔注入層8bから注入される正孔との再結合に伴い発光する。このため、R(赤)を発光する画素P、G(緑)を発光する画素P、B(青)を発光する画素Pは互いに発光層8cの発光材料が異なる。なお、画素PのR(赤),G(緑),B(青)は、例えば縦方向に同色画素が配列されるストライプパターンで配列される。なお、この配列パターンはストライプパターンに限らず、デルタ配列であってもよい。ストライプパターンの場合、バンク13の開口部13aは、各画素Pの配列パターンに沿った格子状又は列方向に沿って複数の画素Pの画素電極8aの中央部をまとめて露出するようなストライプ状に設けられる。
対向電極8dは、画素電極8aよりも仕事関数の低い材料で形成されており、カソードとして適用される場合、例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属の少なくとも一種を含む単体又は合金の下層及びシート抵抗を下げるための上層の積層体で形成されている。上層は、対向電極8d側からEL素子8の光を出射するトップエミッション構造の場合、透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びカドミウム−錫酸化物(CTO)の中から選択された材料で形成されることが好ましく、画素電極8a側からEL素子8の光を出射するボトムエミッションであれば、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層が好ましい。
この対向電極8dは全ての画素Pに共通した電極であり、発光層8cなどの化合物膜とともに後述するバンク13を被覆している。
このように、パッシベーション膜14及びバンク13によって発光部位となる発光層8cが画素Pごとに仕切られている。
そして、開口部13a内において、キャリア輸送層としての正孔注入層8b及び発光層8cが、画素電極8a上に積層されている。なお、正孔注入層8bは、複数の画素Pに跨るように連続して形成されていてもよい。この場合、正孔注入性のある酸化ゲルマニウムが好ましい。
具体的には、バンク13は、正孔注入層8bや発光層8cを湿式法により画素Pのバンク13で囲まれた所定の領域に形成するに際して、正孔注入層8bや発光層8cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体が、バンク13を介して隣接する画素Pに流出しないように堰き止める隔壁として機能する。
例えば、図5に示すように、パッシベーション膜14の上に設けられたバンク13の開口部13aの開口端は、パッシベーション膜14の開口部14aの開口端より内側に位置しているため、バンク13は、パッシベーション膜14全面を覆っている。なお、パッシベーション膜14をバンク13よりも幅広となり、パッシベーション膜14の開口部14aの開口端における側面が、バンク13の開口部13aから露出するようにしてもよい。
そして、各開口部13aに囲まれた各画素電極8a上に、正孔注入層8bとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第1のキャリア輸送層である正孔注入層8bとなる。
さらに、各開口部13aに囲まれた各正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第2のキャリア輸送層である発光層8cとなる。
なお、この発光層8cとバンク13を被覆するように対向電極8dが設けられている。
そして、このELパネル1においては、ボトムエミッション構造の場合、画素電極8a、基板10、第1絶縁膜11及び保護絶縁膜12が透明であり、発光層8cから発した光が画素電極8a、保護絶縁膜12、第1絶縁膜11及び基板10を透過して出射する。そのため、基板10の裏面が表示面となる。
なお、基板10側ではなく、反対側が表示面となるトップエミッション構造でもよい。この場合、上述したように対向電極8dを透明電極とし、画素電極8aを反射電極として、発光層8cから発した光が対向電極8dを透過して出射する。
このELパネル1は、次のように駆動されて発光する。
全ての電圧供給線4に所定レベルの電圧が印加された状態で、走査ドライバによって走査線2に順次電圧が印加されることで、これら走査線2が順次選択される。選択された走査線2に対応する各画素Pのスイッチトランジスタ5はオンになる。
各走査線2が選択されている時に、データドライバによって階調に応じたレベルの電圧が全ての信号線3に印加されると、その選択されている走査線2に対応する各画素Pのスイッチトランジスタ5がオンになっていることから、その信号線3における電圧が駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される。
この駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された所定の階調に対応するレベルの電圧に応じて、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間の電位差が定まって、駆動トランジスタ6におけるドレイン−ソース電流の大きさが定まり、EL素子8がそのドレイン−ソース電流に応じた明るさで発光する。その後、その走査線2の選択が解除されると、スイッチトランジスタ5がオフとなるので、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧にしたがった電荷がキャパシタ7に蓄えられ、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6i間の電位差は保持される。このため、駆動トランジスタ6は選択時と同じ電流値のドレイン−ソース電流を流し続け、EL素子8の輝度を維持するようになっている。
つまり、スイッチトランジスタ5によって、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される電圧が、信号線3に印加された所定階調レベルの電圧に切り替えられ、駆動トランジスタ6は、そのゲート電極6aに印加された電圧のレベルに応じた電流値のドレイン−ソース電流(駆動電流)を電圧供給線4からEL素子8に向けて流し、EL素子8を電流値(電流密度)にしたがった所定の階調で発光させる。
このように、スイッチトランジスタ5と駆動トランジスタ6を備えるトランジスタ構造体56の駆動、制御によってEL素子8が発光して、ELパネル1が発光する。
次に、本発明にかかるELパネル1におけるトランジスタ構造体56を構成するスイッチトランジスタ5と駆動トランジスタ6の製造方法について、図7から図19の工程図を用いて説明する。
なお、この工程説明図で示すスイッチトランジスタ5と駆動トランジスタ6とは、実際には一部形状等が異なるが、ここでは便宜上、各薄膜トランジスタを同等のサイズとして示し、各薄膜トランジスタの主要部を概念的に図示して説明する。図中左側が駆動トランジスタ6、図中右側がスイッチトランジスタ5である。
まず、図7に示すように、基板10上に例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜等の導電層をスパッタリングで堆積させ、フォトリソグラフィー法及びエッチング法等によってパターニングして、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aとともに、信号線3、キャパシタ7の電極7aを形成する(図5、図6参照)。
次いで、図8に示すように、プラズマCVD(PE−CVD)によって、窒化シリコン等の第1絶縁膜11を成膜する。
さらに、図8に示すように、第1絶縁膜11上に、結晶性シリコンを含む半導体層9bをプラズマCVDにより成膜する。半導体膜(5b、6b)となる半導体層9bを成膜する際、先にシリコンの結晶化度が比較的高い第1シリコン層91を成膜し、続けてシリコンの結晶化度が相対的に第1シリコン層91より比較的低い第2シリコン層92を成膜する。第2シリコン層92は、好ましくは実質的に非晶質シリコンのみである。
具体的に、第1シリコン層91は、SiHガスとHガスをプラズマ分解させてから成膜するが、SiHガスに対するHガスの割合を圧倒的に多くし、また、より結晶化度を高くするためにプラズマパワーと圧力を大きくすることで、結晶シリコン領域を第2シリコン層92よりも多く含む第1シリコン層91を成膜することができる。本実施例では、キャリアガスとしてアルゴンを用い、ガス流量をSiH/H=50/10500[SCCM]とし、パワー密度0.134[W/cm]、圧力300[Pa]の条件で第1シリコン層91を成膜した。その後、SiHガスに対するHガスの割合を下げ、プラズマパワーと圧力を下げることで、非晶質シリコン領域を第1シリコン層91よりも多く含む第2シリコン層92を成膜した。
ここで、微結晶シリコン薄膜である第1シリコン層91には、その表面に凹凸が生じてしまう傾向があるが、第1シリコン層91に非晶質シリコン薄膜である第2シリコン層92を積層しているので、第1シリコン層91の表面凹凸は第2シリコン層92によってカバーされて緩和されている。
また、第1シリコン層91をプラズマCVDにより成膜するのではなく、非晶質シリコン薄膜にレーザ光を照射して微結晶シリコン薄膜に改質する手法で形成してもよい。その場合、第1絶縁膜11上に非晶質シリコン薄膜を成膜した後、CVD装置のチャンバから基板を取り出してレーザ光照射処理を行って第1シリコン層91を形成し、その後再びCVD装置のチャンバ内に基板を入れ、第1シリコン層91上に第2シリコン層92を積層する。
なお、半導体層9bにおける第1シリコン層91と第2シリコン層92(半導体膜における第1領域と第2領域)のシリコンの結晶化度については、例えばラマン分光測定により算出した結晶化度に基づいて判別することができる。この場合、例えば、アモルファスシリコンは、480cm−1付近にブロードなピークを有するスペクトルを与える。グレインバウンダリーまたは結晶径5nm以下の非常に微小な結晶シリコンは、500cm−1付近にブロードなピークを有するスペクトルを与える。結晶化シリコンは、520cm−1付近に比較的シャープなピークを有するスペクトルを与える。測定対象である第1シリコン層91、第2シリコン層92のシリコン薄膜のスペクトルは、例えば、図39に示すように、各成分スペクトル、すなわちアモルファスシリコン、グレインバウンダリーまたは結晶径5nm以下の非常に微小な結晶シリコン、結晶化シリコンの各スペクトルをある特定の比率で重ね合わせたものとして表すことができる。この比率を公知の解析手法により求めることで、結晶化度d(%)を算出することができる。あるシリコン薄膜のスペクトルに含まれるアモルファスシリコンの成分スペクトルの強度がIa−Si、グレインバウンダリーまたは結晶径5nm以下の非常に微小な結晶シリコンの成分スペクトルの強度がIuc−Si、結晶化シリコンの成分スペクトルの強度がIc−Si、である場合、結晶化度d(%)は、下記の式1により算出される。
d(%)=(Ic−Si+Iuc−Si)/(Ic−Si+Iuc−Si+Ia−Si)×100…(1)
この結晶化度d(%)が高いほど、シリコン薄膜に結晶化したシリコンが含まれる。結晶化度が20%以上であれば微結晶シリコン薄膜であると定義し、結晶化度が20%未満であれば非晶質シリコン薄膜であると定義する。
また、第1絶縁膜11上に半導体層9bを成膜する前処理として、第1絶縁膜11の表面にプラズマ処理を施すことが好ましい。第1絶縁膜11にプラズマ処理を施すことによれば、第1絶縁膜11の表面を改質して、その第1絶縁膜11上に成膜する結晶性シリコンの結晶化度を高めることができる。
本実施形態におけるプラズマ処理としては、例えばNOガスを用い、ガス流量2000[SCCM]、パワー密度0.356[W/cm]、圧力80[Pa]の条件で行うことができる。このプラズマ処理ではNOガスを使用したが、NOガスの代わりに酸素ガスや水素ガスを適切な条件において使用することも可能である。
さらに、図8に示すように、半導体層9b(第2シリコン層92)上に、CVD法などによってシリコン窒化物などの保護絶縁層9dを成膜する。
次いで、図9に示すように、保護絶縁層9d上にフォトレジストを塗布して成膜した後パターニングして、チャネル領域6c、5cに対応する位置にレジスト膜30を形成する。
次いで、図10に示すように、レジスト膜30をマスクとして用い、半導体層9bにおける両端側にイオンドーピングを施す。
このレジスト膜30によってマスクされていた半導体層9b部分が、第1領域61と第2領域62とを有するチャネル領域6c、第1領域51と第2領域52とを有するチャネル領域5cとなる。そして、このイオンドーピングによって、チャネル領域6c、5cを挟む両側がドーパントを含んだ不純物半導体領域9f、9gに形成されている。
n型の不純物半導体領域9f、9gをイオンドーピングで形成する場合はドーパントのリン(P)、砒素(As)を含むガスとしてフォスフィン(PH)ガス、アルシン(AsH)が一般に用いられる。ドーパントガスをHガスと混合し、放電分解処理をすることにより、P、PHもしくはAs、AsHのドーパントを含むイオン種と、H、H 等水素のみを含むイオン種が発生する。これらのイオン種を質量分離せずに大口径のイオンビームとしてターゲットとなる基板に照射することで、半導体層9bにドーパントが注入され、不純物半導体領域9f、9gが形成される。なお、レジスト膜30でマスクされた部分に照射されたドーパントはレジスト膜30を貫通せず、保護絶縁層9d及び半導体層9bまで到達しないため、マスクされた範囲の保護絶縁層9d及び半導体層9b部分であるチャネル領域6c、5cにはドーピングされない。イオンドーピングは窒化シリコン膜の保護絶縁層9dの膜厚が2000Å、ドーズ量1〜5×1016[atom/cm]、イオンエネルギー80〜100[100keV]、ドーパントガスをHガスで5%に希釈した条件で行う。イオンドーピング後350℃で1時間アニール処理を行い、不純物半導体領域9f、9gを活性化させ、かつイオンドーピングにより不純物半導体領域9f、9g内に生じた欠陥を修復する。
なお、p型の不純物半導体領域9f、9gを形成する場合はジボラン(B)ガス等とHガスの混合ガスを用いて、ドーズ量とイオンエネルギーを適切に調整しイオンドーピングを行えばよい。
次いで、図11に示すように、レジスト膜30をマスクとしたまま、保護絶縁層9dをエッチング法等によってパターニングして、半導体層におけるチャネルとなる領域(チャネル領域6c、チャネル領域5c)を覆う駆動トランジスタ6の第2絶縁膜6dと、スイッチトランジスタ5の第2絶縁膜5dを形成する。
ここで、不純物半導体領域9f、9gの表面側は、第2シリコン層92に由来し、非晶質シリコン薄膜がドーパントを含む不純物半導体を有するため、保護絶縁層9dをエッチングによってパターニングする際、第1シリコン層91に由来する微結晶シリコン薄膜がエッチング環境下に晒されないので、半導体層9b(不純物半導体領域9f、9g)が膜減りするなどの損傷を受けることはない。
例えば、従来、半導体層を結晶性シリコン(特に微結晶シリコン)の単層とした構造では、半導体層の表面には凹凸が多く、またシリコンの柱状結晶構造の柱間が疎になる部分があるために、その半導体層のチャネル形成領域上に保護絶縁膜を形成する際のドライエッチング時にエッチングガスが結晶性シリコンの凹部や柱間を通過して半導体層下の第1絶縁膜11まで届き、第1絶縁膜11の一部が削れてしまうことがある。そして、第1絶縁膜11の一部が削れていて、さらに結晶性シリコンの凹凸が多い半導体層上にソース・ドレイン電極を積層した場合、正常な構造の薄膜トランジスタに形成できず、ソース電極とドレイン電極の間の電流経路に異常が生じて、導通不良などの不具合が発生してしまうことがある。
それに対し、本実施形態の半導体層9bでは、微結晶シリコン薄膜の第1シリコン層91に非晶質シリコン薄膜の第2シリコン層92を積層して、第1シリコン層91の凹凸やシリコンの柱状結晶の間隙をカバーしているので、エッチングによって半導体層9b(不純物半導体領域9f、9g)や第1絶縁膜11が損傷してしまうことはなく、駆動トランジスタ6の第2絶縁膜6dと、スイッチトランジスタ5の第2絶縁膜5dとを良好に形成することができる。
次いで、図12に示すように、不純物半導体領域9f、9gをフォトリソグラフィー法・エッチング法等によって図示しないレジスト膜を用いてパターニングして、チャネル領域6cを挟む不純物半導体領域6f、6gと、チャネル領域5cを挟む不純物半導体領域5f、5gと、を形成する。レジスト膜30は、図示しないレジスト膜とともにこの後剥離してもよいし、不純物半導体領域5f、5g、6f、6gの形成前に剥離してもよい。このチャネル領域6cと不純物半導体領域6f、6gとによって第1半導体膜6bが構成され、チャネル領域5cと不純物半導体領域5f、5gとによって第2半導体膜5bが構成される。
なお、本実施形態では、半導体層9bにイオンドーピングを施して、半導体層9b内に不純物半導体領域9f、9gを形成しているので、第1半導体膜6bにおける不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとの界面に境界面はあっても接合面はなく、また、第2半導体膜5bにおける不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとの界面に境界面はあっても接合面はない。つまり、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとは一体の半導体膜(第1半導体膜6b)であり、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとは良好に電気的に繋がっている接合をなしている。同様に、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとは一体の半導体膜(第2半導体膜5b)であり、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとは良好に電気的に繋がっている。
これに対し、チャネル領域6c,5c(半導体膜6b,5b)と不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとを別体で形成する場合、チャネル領域6c,5cと不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとの界面に、レジストの残渣等の汚染物が残留してしまう恐れがある。その界面に汚染物が残留していると、チャネル領域6c,5cと不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとの電気的連結の妨げになり、コンタクト抵抗が高くなる不具合が生じてしまうことがある。よって、半導体層9bにイオンドーピングを施して形成した不純物半導体領域9f、9gから不純物半導体領域6f、6g,5f、5gを形成することによれば、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとの電気的連結と、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとの電気的連結を、より良好にすることができる。
更に、本実施形態の場合、不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gの一部は、第1シリコン層91に由来する微結晶シリコンを含有しているので、不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gが全て非晶質シリコン構造であるものに比べて、不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gの低抵抗化が図られている。この不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gの低抵抗化によって、トランジスタのオン電流が向上するメリットがある。
次いで、図13に示すように、第2絶縁膜6dおよび第1半導体膜6bと、第2絶縁膜5dおよび第2半導体膜5bとを覆うように、第1絶縁膜11上に例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜等の導電層9aをスパッタリングなどにより成膜する。
次いで、図14に示すように、導電層9aをフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によってパターニングして、スイッチトランジスタ5の第2ゲート電極5aを第2絶縁膜5d上に形成するとともに、走査線2、補助導電膜4aを形成する(図4参照)。
次いで、図15に示すように、第2絶縁膜6dと第1半導体膜6b、第2ゲート電極5aと第2絶縁膜5dと第2半導体膜5b、走査線2、補助導電膜4aをそれぞれ覆うように第1絶縁膜11上に保護絶縁膜12を成膜する。
次いで、図16に示すように、ドライエッチングにより保護絶縁膜12をパターニングして、不純物半導体領域6f、6gを露出させる開口12hと、不純物半導体領域5f、5gを露出させる開口12hとを、それぞれ形成するとともに、補助導電膜4a上の保護絶縁膜12に溝を形成する。
次いで、図17に示すように、保護絶縁膜12上および開口12h内に、例えばスパッタリングなどによって、ソース電極およびドレイン電極となる導電層9hを成膜する。
次いで、図18に示すように、導電層9hをフォトリソグラフィー法・エッチング法等によってパターニングして、駆動トランジスタ6のソース電極6i及びドレイン電極6h、スイッチトランジスタ5のソース電極5i及びドレイン電極5h、キャパシタ7の電極7b、補助導電膜4a上の溝内の電圧供給線4を形成する。駆動トランジスタ6のソース電極6iは不純物半導体領域6gに接続し、ドレイン電極6hは不純物半導体領域6fに接続している。スイッチトランジスタ5のソース電極5iは不純物半導体領域5gに接続し、ドレイン電極5hは不純物半導体領域5fに接続している。
次いで、図19に示すように、駆動トランジスタ6のソース電極6i及びドレイン電極6hや、スイッチトランジスタ5のソース電極5i及びドレイン電極5hなどを覆うパッシベーション膜14を保護絶縁膜12上に成膜する。なお、パッシベーション膜14の成膜前に、駆動トランジスタ6のソース電極6iと導通する画素電極8aを形成している(図5参照)。
更に、パッシベーション膜14をフォトリソグラフィーでパターニングすることで画素電極8aの中央部が露出する開口部14aを形成する(図5参照)。
次いで、ポリイミド等の感光性樹脂を堆積後、露光して画素電極8aが露出する開口部13aを有する、例えば格子状のバンク13を形成する(図5参照)。
次いで、バンク13の開口部13aに、正孔注入層8bとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体を塗布し、その液状体を乾燥させることによって、キャリア輸送層である正孔注入層8bを成膜し、バンク13の開口部13a内の正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体を塗布し、その液状体を乾燥させることによって、発光層8cを成膜する(図5参照)。
次いで、バンク13の上及び発光層8cの上に対向電極8dを一面に成膜することで、EL素子8が製造されて(図5参照)、ELパネル1が製造される。
以上のように、ボトムゲート構造の第1薄膜トランジスタである駆動トランジスタ6と、トップゲート構造の第2薄膜トランジスタであるスイッチトランジスタ5とを形成する際、基板10と第1絶縁膜11の間に駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aを形成する工程と、第2絶縁膜5dの上面にスイッチトランジスタ5の第2ゲート電極5aを形成する工程を別工程にし、それ以外の薄膜トランジスタの構成を共通の工程によって形成することができる。
つまり、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aを形成する工程と、スイッチトランジスタ5の第2ゲート電極5aを形成する工程以外の工程を共通の製造工程とする製造方法によって、駆動トランジスタ6と、スイッチトランジスタ5を作り分けることができる。
このように、駆動トランジスタ6の第1ゲート電極6aとスイッチトランジスタ5の第2ゲート電極5a以外を共通の製造工程で形成するトランジスタ構造体56の製造方法であれば、製造工程数を抑えて、従来よりも少ない工程数で駆動トランジスタ6とスイッチトランジスタ5を作り分けることができる。
そして、スイッチトランジスタ5の第2半導体膜5bは、第2ゲート電極5a側に第2領域52を配置したため、第2半導体膜5b(チャネル領域5c)における非晶質シリコンの割合が相対的に第1領域51より高い第2領域52をチャネルの電流経路とするので、このスイッチトランジスタ5は、非晶質シリコンを有する半導体膜を備える薄膜トランジスタに相当する機能を有することになる。そして、スイッチトランジスタ5は、駆動トランジスタ6のオン/オフを制御する薄膜トランジスタとして好適に機能する。
また、駆動トランジスタ6の第1半導体膜6bは、第1ゲート電極6a側に第1領域61を配置したため、第1半導体膜6b(チャネル領域6c)における結晶性シリコンの割合が相対的に第2領域62より高い第1領域61をチャネルの電流経路とするので、この駆動トランジスタ6は、結晶性シリコンを有する半導体膜を備える薄膜トランジスタに相当する機能を有することになる。そして、駆動トランジスタ6は、スイッチトランジスタ5の制御によってEL素子8に電流を流す薄膜トランジスタとして好適に機能する。
このように、駆動トランジスタ6とスイッチトランジスタ5は、それぞれ異なったトランジスタ特性を有しており、それぞれの機能を発揮することで、ELパネル1を良好に発光させることができる。
また、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとが一体の第1半導体膜6bをなし、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとが一体の第2半導体膜5bをなすことで、チャネル領域6c,5cと不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとを良好に電気的に繋がっており、更に、微結晶シリコンを含有させることで不純物半導体領域6f、6g,5f、5gの低抵抗化を図っているので、トランジスタ構造体56におけるトランジスタのオン電流を向上させることができ、ELパネル1を良好に発光させることができる。
(実施形態2)
次に、本発明に係るELパネル、トランジスタ構造体の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
実施形態2におけるELパネル1のトランジスタ構造体560について、図20〜図22を用いて説明する。ここで、図20は、ELパネル1の1画素Pに相当する平面図であり、図21は、図20のXXI−XXI線に沿った面の矢視断面図、図22は、図20のXXII−XXII線に沿った面の矢視断面図である。なお、図20においては、電極及び配線を主に示す。
図20に示すように、各画素Pのトランジスタ構造体560は、スイッチトランジスタ50と駆動トランジスタ60とを備える。第1薄膜トランジスタであるスイッチトランジスタ50及び第2薄膜トランジスタである駆動トランジスタ60は、信号線3に沿うように配列され、スイッチトランジスタ50の近傍にキャパシタ7が配置され、駆動トランジスタ60の近傍にEL素子8が配置されている。また、各画素Pにおいて、走査線2と電圧供給線4の間に、スイッチトランジスタ50、駆動トランジスタ60、キャパシタ7及びEL素子8が配置されている。
図20〜図22に示すように、基板10上に第1ゲート電極5aが設けられ、その第1ゲート電極5aを覆うように基板10の上面に第1絶縁膜11が成膜されている。この第1絶縁膜11の上に、第1半導体膜5bおよび第1半導体膜5bのチャネル領域5cを覆う第2絶縁膜5dと、第2半導体膜6bおよび第2半導体膜6bのチャネル領域6cを覆う第2絶縁膜6dと、その第2絶縁膜6d上に配された第2ゲート電極6aと、が形成され、それらを覆うように保護絶縁膜12が成膜されている。なお、第1半導体膜5bのチャネル領域5cを挟む一対の端部が一対の不純物半導体領域5f、5gとして形成され、第2半導体膜6bのチャネル領域6cを挟む一対の端部が一対の不純物半導体領域6f、6gとして形成されている。さらに、保護絶縁膜12上に、ドレイン電極5hおよびソース電極5iと、ドレイン電極6hおよびソース電極6iとがそれぞれ所定の位置に形成され、ドレイン電極5h,6h及びソース電極5i,6iを覆うように保護絶縁膜12の上面にパッシベーション膜14が成膜されている。なお、ドレイン電極6hは不純物半導体領域6fに、ソース電極6iは不純物半導体領域6gに接続され、ドレイン電極5hは不純物半導体領域5fに、ソース電極5iは不純物半導体領域5gに接続されている。
また、信号線3は、基板10と第1絶縁膜11との間に形成されている。
走査線2は、補助導電膜2aに積層されてパッシベーション膜14の下に形成されている。補助導電膜2aは、第1絶縁膜11と保護絶縁膜12との間に形成され、詳述すると、補助導電膜2aは第2ゲート電極6aと同じ材料で同じ厚さに形成されて第1絶縁膜11上に形成されている。この補助導電膜2a上の保護絶縁膜12には、補助導電膜2aを露出する溝が形成され、この溝内に補助導電膜2aを覆う走査線2が設けられている。走査線2と補助導電膜2aが接触するように重なることで、走査線2の配線抵抗を低くでき、信号遅延を抑制できる。
電圧供給線4は、補助導電膜4aに積層されてパッシベーション膜14の下に形成されている。補助導電膜4aは、第1絶縁膜11と保護絶縁膜12との間に形成され、詳述すると、補助導電膜4aは第2ゲート電極6aと同じ材料で同じ厚さに形成されて第1絶縁膜11上に形成されている。この補助導電膜4a上の保護絶縁膜12には、補助導電膜4aを露出する溝が形成され、この溝内に補助導電膜4aを覆う電圧供給線4が設けられている。電圧供給線4と補助導電膜4aが接触するように重なることで、電圧供給線4の低抵抗化を図り、駆動トランジスタ60を介してEL素子8へ供給する電流量の安定化を図っている。
また、図20、図22に示すように、スイッチトランジスタ50は、コプラナー型ボトムゲート構造の第1薄膜トランジスタである。このスイッチトランジスタ50は、第1ゲート電極5a、第1半導体膜5b、第2絶縁膜5d、不純物半導体領域5f,5g、ドレイン電極5h、ソース電極5i等を有するものである。
第1ゲート電極5aは、基板10と第1絶縁膜11の間に形成されている。この第1ゲート電極5aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、及びAlTiNd合金膜の中から選択された材料で形成されることが好ましい。また、第1ゲート電極5aの上に絶縁性の第1絶縁膜11が成膜されており、その第1絶縁膜11によって第1ゲート電極5aが被覆されている。この第1絶縁膜11上であって第1ゲート電極5aに対応する位置に第1半導体膜5bが形成されており、第1半導体膜5bが第1絶縁膜11を挟んで第1ゲート電極5aと相対している。
第1半導体膜5bは、例えば、結晶性シリコン、特に微結晶シリコン(マイクロクリスタルシリコン)を含んでいる。この第1半導体膜5bは、第2絶縁膜5dに覆われたチャネル領域5cと、チャネル領域5cを挟む一対の不純物半導体領域5f、5gとを有している。
チャネル領域5cは、第1絶縁膜11側(第1ゲート電極5a側)に位置する第1領域51と、その反対面側に位置する第2領域52とを有している。ここでは、第2領域52のシリコンの結晶化度が第1領域51に比べて高く形成されている。換言すれば、第1半導体膜5bの第2領域52は、第1領域51に比べて相対的にシリコンの結晶化度が高く、結晶性シリコン領域の割合が第1領域51に比べてより高い。そして、第1半導体膜5bの第1領域51は、第2領域52に比べて非晶質シリコン(アモルファスシリコン)領域の割合が高く、好ましくは実質的に非晶質シリコンのみの領域である。このチャネル領域5c上に絶縁性の第2絶縁膜5dが形成されており、チャネル領域5cにチャネルが形成される。
不純物半導体領域5f、5gは、第1半導体膜5bのチャネル長方向の両端であってドーパントを含む領域であり、第1半導体膜5bの不純物半導体領域を成している。そして、不純物半導体領域5f、5gはそれぞれ第1半導体膜5bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体領域5f、5gはn型半導体であるが、これに限らず、スイッチトランジスタ50がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
第2絶縁膜5dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物を有し、第1半導体膜5bの略中央部上に形成されてチャネル領域5cを覆っている。
第2絶縁膜5d、第1半導体膜5bの上には、絶縁性の保護絶縁膜12が成膜され、第2絶縁膜5d、第1半導体膜5b等が保護絶縁膜12によって被覆されている。保護絶縁膜12は、例えば、光透過性を有し、窒化シリコン又は酸化シリコンを有する。
保護絶縁膜12上には、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、及びAlTiNd合金膜の中から選択された材料で形成されたドレイン電極5h及びソース電極5iが形成されている。ドレイン電極5hは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域5fに接続しており、ソース電極5iは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域5gに接続している。
保護絶縁膜12上のドレイン電極5h及びソース電極5iは、パッシベーション膜14で覆われている。パッシベーション膜14は、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンを有する。
このため、スイッチトランジスタ50は、パッシベーション膜14によって被覆されるようになっている。
このスイッチトランジスタ50において、第1ゲート電極5aの電界が作用する第1半導体膜5bにおける第2絶縁膜5dで覆われたチャネル領域5cにチャネルが形成される。特に、第1半導体膜5bのチャネル領域5cにおいて第1ゲート電極5a側となる、チャネル領域5cの第1領域51にチャネルが形成され、その第1領域51がソース電極5iとドレイン電極5hの間の電流経路になる。
そして、第1半導体膜5bにおけるチャネル領域5cの第1領域51は、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)をより多く含んでいる半導体層であるので、その第1領域51をチャネルの電流経路とするスイッチトランジスタ50は、非晶質シリコンを有する半導体膜(或いは、非晶質シリコンを主成分とする半導体膜)を備える薄膜トランジスタに相当する。つまり、スイッチトランジスタ50の第1領域51の非晶質シリコンは、微結晶シリコンのような結晶性シリコンと比べてリーク電流が少なく、(オン時に半導体層に流れる電流)/(オフ時に半導体層に流れる電流)が高いので、駆動トランジスタ60のオン/オフを制御するスイッチトランジスタとして好適に機能する。
また、図20、図21に示すように、駆動トランジスタ60は、コプラナー型トップゲート構造の第2薄膜トランジスタである。この駆動トランジスタ60は、第2ゲート電極6a、第2半導体膜6b、第2絶縁膜6d、不純物半導体領域6f,6g、ドレイン電極6h、ソース電極6i等を有するものである。
基板10の上面に成膜されている絶縁性の第1絶縁膜11は、例えば、光透過性を有し、シリコン窒化物又はシリコン酸化物を有する。この第1絶縁膜11上であって第2ゲート電極6aに対応することになる位置に第2半導体膜6bが形成されている。
第2半導体膜6bは、例えば、結晶性シリコン、特に微結晶シリコン(マイクロクリスタルシリコン)を含んでいる。この第2半導体膜6bは、第2絶縁膜6dに覆われたチャネル領域6cと、チャネル領域6cを挟む一対の不純物半導体領域6f、6gとを有している。
チャネル領域6cは、第1絶縁膜11側に位置する第1領域61と、その反対面側(第2ゲート電極6a側)に位置する第2領域62とを有している。ここでは、第2領域62のシリコンの結晶化度が第1領域61に比べて高く形成されている。換言すれば、第1半導体膜6bの第2領域62は、第1領域61に比べて相対的にシリコンの結晶化度が高く、結晶性シリコン領域の割合が第1領域61に比べてより高い。そして、第1半導体膜6bの第1領域61は、第2領域62に比べて非晶質シリコン(アモルファスシリコン)領域の割合が高く、好ましくは実質的に非晶質シリコンのみの領域である。このチャネル領域6c上に絶縁性の第2絶縁膜6dが形成されており、チャネル領域6cにチャネルが形成される。
不純物半導体領域6f、6gは、第2半導体膜6bのチャネル長方向の両端であってドーパントを含む領域であり、第2半導体膜6bの不純物半導体領域を成している。そして、不純物半導体領域6f、6gはそれぞれ第2半導体膜6bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体領域6f、6gはn型半導体であるが、これに限らず、駆動60がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
第2半導体膜6bの第1領域61は、第1半導体膜5bの第1領域51と同じ組成で且つ同じ厚さであり、第2半導体膜6bの第2領域62は、第1半導体膜5bの第2領域52と同じ組成且つ同じ厚さであり、不純物半導体領域6f,6gは、不純物半導体領域5f,5gと同一材料で構成され且つ同じ厚さである。したがって、不純物半導体領域6f,6g及び不純物半導体領域5f,5gは、後述するように、同一材料層である不純物半導体領域9fを用いて同一プロセスで一括して製造することが可能となる。このため、第2半導体膜6b及び第1半導体膜5bは、後述するように、同一材料層である半導体層9bを用いて同一プロセスで一括して製造することが可能となる。
第2絶縁膜6dは、第2絶縁膜5dと同一材料で構成され且つ同じ厚さであり、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物を含むことが好ましい。このため、第2絶縁膜6d及び第2絶縁膜5dは、後述するように、同一材料層である保護絶縁層9dを用いて同一プロセスで一括して製造することが可能となる。第2絶縁膜6dは、第2半導体膜6bの略中央部上に形成されてチャネル領域6cを覆っている。この第2絶縁膜6dの上面に第2ゲート電極6aが形成されている。
第2ゲート電極6aは、ゲート絶縁膜として機能する第2絶縁膜6d上であって、チャネル領域6cに対応する位置に形成されている。この第2ゲート電極6aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、及びAlTiNd合金膜の中から選択された材料で形成されることが好ましい。
第2ゲート電極6a、第2絶縁膜6d、第2半導体膜6bの上には、絶縁性の保護絶縁膜12が成膜され、第2ゲート電極6a、第2絶縁膜6d、第2半導体膜6b等が保護絶縁膜12によって被覆されている。
保護絶縁膜12上には、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜を有するドレイン電極6h及びソース電極6iが形成されている。ドレイン電極6hは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域6fに接続しており、ソース電極6iは、保護絶縁膜12に形成された開口部を通じて不純物半導体領域6gに接続している。
保護絶縁膜12上のドレイン電極6h及びソース電極6iは、パッシベーション膜14で覆われており、駆動トランジスタ60は、パッシベーション膜14によって被覆されるようになっている。
この駆動トランジスタ60において、第2ゲート電極6aの電界が作用する第2半導体膜6bにおける第2絶縁膜6dで覆われたチャネル領域6cにチャネルが形成される。特に、第2半導体膜6bのチャネル領域6cにおいて第1ゲート電極6a側となる、チャネル領域6cの第2領域62にチャネルが形成され、その第2領域62がソース電極6iとドレイン電極6hの間の電流経路になる。
そして、第2半導体膜6bにおけるチャネル領域6cの第2領域62は、結晶性シリコンをより多く含んでいる半導体層であるので、その第2領域62をチャネルの電流経路とする駆動トランジスタ60は、結晶性シリコンを有する半導体膜(或いは、結晶性シリコンを主成分とする半導体膜)を備える薄膜トランジスタに相当する。
なお、このトップゲート構造の駆動トランジスタ60において、第2半導体膜6b(チャネル領域6c)のチャネルの電流経路は、第1領域61よりも、より第2ゲート電極6aに近い第2領域62側になり、特に、第2領域62における第1領域61側よりも第2絶縁膜6d側の方が駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6aに近いため、チャネルの電流経路となる。第2半導体膜6bの第2領域62は、第1領域61と比べてシリコンの結晶化度がより一層高く、駆動トランジスタ60の第2領域62内の微結晶シリコンは、結晶粒径が概ね50〜100nmの結晶性シリコンであり、非晶質シリコンに比べてトランジスタの駆動による閾値電圧のシフトが少ないことからトランジスタの劣化を抑えられる上に、キャリア移動度が高いので、スイッチトランジスタ50の制御によってEL素子8に電流を流す駆動トランジスタとして好適に機能する。そして、第2領域62内における第2絶縁膜6d側と第1領域61側とでは、第1領域61にインキュベーション領域があるために、第1領域61側よりも第2絶縁膜6d側の方が駆動トランジスタ60の電流経路に適している。
これは、結晶性シリコンを有する第2領域62を成膜する当初はシリコンの結晶化が安定しておらず、第2領域62の第1領域61との界面側にはシリコンの結晶化度が比較的悪いインキュベーション領域が生じやすく、第2絶縁膜6dとの界面側の第2領域62にはシリコンの結晶化が安定した半導体膜の成膜が可能なことによる。
そして、シリコンの結晶化が安定して成膜された第2絶縁膜6dとの界面側の第2領域62の方がより一層電流経路に適しているので、その第2領域62を電流経路とするように駆動トランジスタ60がトップゲート構造を成すことで、駆動トランジスタ60は、駆動トランジスタとしてより一層好適に機能することになる。
特に、トップゲートである第2ゲート電極6aは、ソース電極6iとドレイン電極6hと重ならない配置であって、ソース電極6iとドレイン電極6hよりも第2半導体膜6bに近接した配置に設けられているので、第2ゲート電極6aの電界が全て第2半導体膜6bに作用することとなって、チャネル領域6cに適正にチャネルが形成される。第2絶縁膜6d及び保護絶縁膜12が互いにほぼ同じ厚さに成膜された場合、ソース電極6iとドレイン電極6hが第2ゲート電極6aの上方に位置するのに比べて、保護絶縁膜12上のソース電極6iと不純物半導体領域6gとの距離、及び保護絶縁膜12上のドレイン電極6hと不純物半導体領域6fとの距離が短くなり、第2ゲート電極6aの重なりによる干渉の影響がないので、ソース電極6i、ドレイン電極6hそれぞれの電圧が、第2半導体膜6bにより伝搬しやすい。
キャパシタ7は、駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6aとソース電極6iとの間に接続されている。具体的には、キャパシタ7の電極7aは、駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6aに接続され、キャパシタ7の電極7bは、駆動トランジスタ60のソース電極6iに接続されている。そして、図20、図22に示すように、基板10と第1絶縁膜11との間にキャパシタ7の一方の電極7aが形成され、保護絶縁膜12とパッシベーション膜14との間にキャパシタ7の他方の電極7bが形成され、電極7aと電極7bが誘電体である第1絶縁膜11と保護絶縁膜12を挟んで相対している。
なお、信号線3、キャパシタ7の電極7a、スイッチトランジスタ50の第1ゲート電極5aは、基板10に一面に成膜した導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成したものである。
また、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ50のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ60のドレイン電極6h,ソース電極6iは、保護絶縁膜12に一面に成膜した導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成したものである。
また、駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6a、補助導電膜4a、補助導電膜2aは、第2絶縁膜6dおよび第1絶縁膜11に成膜した導電層9aをフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成したものである。
また、第1絶縁膜11と保護絶縁膜12には、第1ゲート電極5aと走査線2とが重なる領域にコンタクトホール11aが形成され、ドレイン電極5hと信号線3とが重なる領域にコンタクトホール11bが形成され、第2ゲート電極6aとソース電極5iとが重なる領域にコンタクトホール11cが形成されている。このコンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cがそれぞれ埋め込まれている。コンタクトプラグ20aによってスイッチトランジスタ50の第1ゲート電極5aと走査線2が電気的に導通し、コンタクトプラグ20bによってスイッチトランジスタ50のドレイン電極5hと信号線3が電気的に導通し、コンタクトプラグ20cによってスイッチトランジスタ50のソース電極5iとキャパシタ7の電極7aが電気的に導通するとともにスイッチトランジスタ50のソース電極5iと駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6aが電気的に導通する。なお、コンタクトプラグ20a〜20cを介することなく、走査線2が直接第1ゲート電極5aと接触し、ドレイン電極5hが直接信号線3と接触し、ソース電極5iが直接第2ゲート電極6aと接触して導通させてもよい。
また、駆動トランジスタ60のドレイン電極6hが電圧供給線4に一体に連なっており、駆動トランジスタ60のソース電極6iがキャパシタ7の電極7bに一体に連なっている。
このスイッチトランジスタ50と駆動トランジスタ60とで構成されるトランジスタ構造体560の駆動、制御によっても同様にEL素子8が発光し、トランジスタ構造体560を備えるELパネル1も同様に発光する。
次に、本発明にかかるELパネル1におけるトランジスタ構造体560を構成するスイッチトランジスタ50と駆動トランジスタ60の製造方法について、図23から図35の工程図を用いて説明する。
なお、この工程説明図で示すスイッチトランジスタ50と駆動トランジスタ60とは、実際には一部形状等が異なるが、ここでは便宜上、各薄膜トランジスタを同等のサイズとして示し、各薄膜トランジスタの主要部を概念的に図示して説明する。図中左側が駆動トランジスタ60、図中右側がスイッチトランジスタ50である。
まず、図23に示すように、基板10上に例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜等の導電層をスパッタリングで堆積させ、フォトリソグラフィー法及びエッチング法等によってパターニングして、スイッチトランジスタ50の第1ゲート電極5aとともに、信号線3、キャパシタ7の電極7aを形成する(図5、図6参照)。
次いで、図24に示すように、プラズマCVD(PE−CVD)によって、窒化シリコン等の第1絶縁膜11を成膜する。
さらに、図24に示すように、第1絶縁膜11上に、結晶性シリコンを含む半導体層9bをプラズマCVDにより成膜する。半導体膜(5b、6b)となる半導体層9bを成膜する際、先にシリコンの結晶化度が比較的低い第1シリコン層91を成膜し、続けて相対的に第1シリコン層91よりシリコンの結晶化度が比較的高い第2シリコン層92を成膜する。第1シリコン層91は、好ましくは実質的に非晶質シリコンのみである。
具体的に、SiHガスに対するHガスの割合が低く、プラズマパワーと圧力が低い条件で、非晶質シリコン領域を第2シリコン層92よりも多く含む第1シリコン層91を成膜した。その後、SiHガスに対するHガスの割合を圧倒的に多くし、また、より結晶化度を高くするためにプラズマパワーと圧力を大きくすることで、微結晶シリコン領域を第1シリコン層91よりも多く含む第2シリコン層92を成膜した。本実施例では、キャリアガスとしてアルゴンを用い、ガス流量をSiH/H=50/10500[SCCM]とし、パワー密度0.134[W/cm]、圧力300[Pa]の条件で第2シリコン層92を成膜した。
なお、半導体層9bにおける第1シリコン層91と第2シリコン層92(半導体膜における第1領域と第2領域)のシリコンの結晶化度に関し、ラマン分光測定により算出した結晶化度に基づいて判別することについては、実施形態1で前述した通りであり、結晶化度が20%以上であれば微結晶シリコン薄膜であると定義し、結晶化度が20%未満であれば非晶質シリコン薄膜であると定義する(図39参照)。
また、第1絶縁膜11上に半導体層9bを成膜する前処理として、第1絶縁膜11の表面にプラズマ処理を施すことが好ましい。第1絶縁膜11にプラズマ処理を施すことによれば、第1絶縁膜11の表面を改質して、その第1絶縁膜11上に成膜する結晶性シリコンの結晶化度を高めることができる。
本実施形態におけるプラズマ処理としては、例えばHガスを用い、ガス流量1000[SCCM]、パワー密度0.178[W/cm]、圧力80[Pa]の条件で行った。
さらに、図24に示すように、半導体層9b(第2シリコン層92)上に、CVD法などによってシリコン窒化物などの保護絶縁層9dを成膜する。
次いで、図25に示すように、保護絶縁層9d上にフォトレジストを塗布して成膜した後パターニングして、チャネル領域6c、5cに対応する位置にレジスト膜30を形成する。
次いで、図26に示すように、レジスト膜30をマスクとして用い、半導体層9bにおける両端側にイオンドーピングを施す。
このレジスト膜30によってマスクされていた半導体層9b部分が、第1領域61と第2領域62とを有するチャネル領域6c、第1領域51と第2領域52とを有するチャネル領域5cとなる。そして、このイオンドーピングによって、チャネル領域6c、5cを挟む両側がそれぞれドーパントを含んだ不純物半導体領域9f、9gに形成されている。
なお、イオンドーピング法により、n型の不純物半導体領域9f、9gを形成する場合のドーパントや、p型の不純物半導体領域9f、9gを形成する場合のドーパントについて、またイオンドーピングの処理条件については、実施形態1で前述した通りである。
次いで、図27に示すように、レジスト膜30をマスクとしたまま、保護絶縁層9dをエッチング法等によってパターニングして、半導体層におけるチャネルとなる領域(チャネル領域6c、チャネル領域5c)を覆う駆動トランジスタ60の第2絶縁膜6dと、スイッチトランジスタ50の第2絶縁膜5dを形成する。
次いで、図28に示すように、不純物半導体領域9f、9gをフォトリソグラフィー法・エッチング法等によって図示しないレジスト膜を用いてパターニングして、チャネル領域6cを挟む不純物半導体領域6f、6gと、チャネル領域5cを挟む不純物半導体領域5f、5gと、を形成する。レジスト膜30は、図示しないレジスト膜とともにこの後剥離してもよいし、不純物半導体領域5f、5g、6f、6gの形成前に剥離してもよい。このチャネル領域6cと不純物半導体領域6f、6gとによって第2半導体膜6bが構成され、チャネル領域5cと不純物半導体領域5f、5gとによって第1半導体膜5bが構成される。
なお、本実施形態では、半導体層9bにイオンドーピングを施して、不純物半導体領域9f、9gを形成しているので、第2半導体膜6bにおける不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとの界面に境界面はあっても接合面はなく、また、第1半導体膜5bにおける不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとの界面に境界面はあっても接合面はない。つまり、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとは一体の半導体膜(第2半導体膜6b)であり、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとは良好な電気的接合をなしている。同様に、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとは一体の半導体膜(第1半導体膜5b)であり、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとは良好に電気的に繋がっている。
これに対し、チャネル領域6c,5c(半導体膜6b,5b)と不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとを別体で形成する場合、チャネル領域6c,5cと不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとの界面に、レジストの残渣等の汚染物が残留してしまう恐れがある。その界面に汚染物が残留していると、チャネル領域6c,5cと不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとの電気的連結の妨げになり、コンタクト抵抗が高くなる不具合が生じてしまうことがある。よって、半導体層9bにイオンドーピングを施して形成した不純物半導体領域9f、9gから不純物半導体領域6f、6g,5f、5gを形成することによれば、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとの電気的連結と、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとの電気的連結を、より良好にすることができる。
更に、本実施形態の場合、不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gの一部は、第2シリコン層92に由来する微結晶シリコンを含有しているので、不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gが全て非晶質シリコン構造であるものに比べて、不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gの低抵抗化が図られている。この不純物半導体領域6f、6gおよび不純物半導体領域5f、5gの低抵抗化によって、トランジスタのオン電流が向上するメリットがある。
次いで、図29に示すように、第2絶縁膜6dおよび第2半導体膜6bと、第2絶縁膜5dおよび第1半導体膜5bとを覆うように、第1絶縁膜11上に例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜等の導電層9aをスパッタリングなどにより成膜する。
次いで、図30に示すように、導電層9aをフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によってパターニングして、駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6a、補助導電膜2a、補助導電膜4aを形成する。
次いで、図31に示すように、第2ゲート電極6aと第2絶縁膜6dと第2半導体膜6b、第2絶縁膜5dと第1半導体膜5b、補助導電膜2a、補助導電膜4aをそれぞれ覆うように第1絶縁膜11上に保護絶縁膜12を成膜する。
次いで、図32に示すように、ドライエッチングにより保護絶縁膜12をパターニングして、不純物半導体領域6f、6gを露出させる開口12hと、不純物半導体領域5f、5gを露出させる開口12hとを、それぞれ形成するとともに、補助導電膜2a、補助導電膜4a4上の保護絶縁膜12にそれぞれ溝を形成する。
次いで、図33に示すように、保護絶縁膜12上および開口12h内に、例えばスパッタリングなどによって、ソース電極およびドレイン電極となる、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜等の導電層9hを成膜する。
次いで、図34に示すように、導電層9hをフォトリソグラフィー法・エッチング法等によってパターニングして、駆動トランジスタ60のソース電極6i及びドレイン電極6h、スイッチトランジスタ50のソース電極5i及びドレイン電極5h、キャパシタ7の電極7b、補助導電膜2a上の保護絶縁膜12の溝内に走査線2、補助導電膜4a4上の保護絶縁膜12の溝内に電圧供給線4を形成する。駆動トランジスタ60のソース電極6iは不純物半導体領域6gに接続し、ドレイン電極6hは不純物半導体領域6fに接続している。スイッチトランジスタ50のソース電極5iは不純物半導体領域5gに接続し、ドレイン電極5hは不純物半導体領域5fに接続している。
次いで、図35に示すように、駆動トランジスタ60のソース電極6i及びドレイン電極6hや、スイッチトランジスタ50のソース電極5i及びドレイン電極5hなどを覆うパッシベーション膜14を保護絶縁膜12上に成膜する。なお、パッシベーション膜14の成膜前に、駆動トランジスタ60のソース電極6iと導通する画素電極8aを形成している(図21参照)。
更に、パッシベーション膜14をフォトリソグラフィーでパターニングすることで画素電極8aの中央部が露出する開口部14aを形成する(図21参照)。
次いで、ポリイミド等の感光性樹脂を堆積後、露光して画素電極8aが露出する開口部13aを有する、例えば格子状のバンク13を形成する(図21参照)。
次いで、バンク13の開口部13aに、正孔注入層8bとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体を塗布し、その液状体を乾燥させることによって、キャリア輸送層である正孔注入層8bを成膜し、バンク13の開口部13a内の正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体を塗布し、その液状体を乾燥させることによって、発光層8cを成膜する(図21参照)。
次いで、バンク13の上及び発光層8cの上に対向電極8dを一面に成膜することで、EL素子8が製造されて(図21参照)、ELパネル1が製造される。
以上のように、ボトムゲート構造の第1薄膜トランジスタであるスイッチトランジスタ50と、トップゲート構造の第2薄膜トランジスタである駆動トランジスタ60とを形成する際、基板10と第1絶縁膜11の間にスイッチトランジスタ50の第1ゲート電極5aを形成する工程と、第2絶縁膜6dの上面に駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6aを形成する工程を別工程にし、それ以外の薄膜トランジスタの構成を共通の工程によって形成することができる。
つまり、スイッチトランジスタ50の第1ゲート電極5aと、駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6aを形成する以外の工程を共通の製造工程とする製造方法によって、駆動トランジスタ60と、スイッチトランジスタ50を作り分けることができる。
このように、スイッチトランジスタ50の第1ゲート電極5aと駆動トランジスタ60の第2ゲート電極6a以外を共通の製造工程とするトランジスタ構造体560の製造方法であれば、製造工程数を抑えて、従来よりも少ない工程数で駆動トランジスタ60とスイッチトランジスタ50を作り分けることができる。
そして、スイッチトランジスタ50の第1半導体膜5bは、第1ゲート電極5a側に第1領域51を配置したため、第1半導体膜5b(チャネル領域5c)における非晶質シリコンの割合が相対的に第2領域52より高い第1領域51をチャネルの電流経路とするので、このスイッチトランジスタ50は、非晶質シリコンを有する半導体膜を備える薄膜トランジスタに相当する機能を有することになる。そして、スイッチトランジスタ50は、駆動トランジスタ60のオン/オフを制御する薄膜トランジスタとして好適に機能する。
また、駆動トランジスタ60の第2半導体膜6bは、第2ゲート電極6a側に第2領域62を配置したため、第2半導体膜6b(チャネル領域6c)における結晶性シリコンの割合が相対的に第1領域61より高い第2領域62をチャネルの電流経路とするので、この駆動トランジスタ60は、結晶性シリコンを有する半導体膜を備える薄膜トランジスタに相当する機能を有することになる。そして、駆動トランジスタ60は、スイッチトランジスタ50の制御によってEL素子8に電流を流す薄膜トランジスタとして好適に機能する。
このように、駆動トランジスタ60とスイッチトランジスタ50は、それぞれ異なったトランジスタ特性を有しており、それぞれの機能を発揮することで、ELパネル1を良好に発光させることができる。
また、不純物半導体領域6f、6gとチャネル領域6cとが一体の第2半導体膜6bをなし、不純物半導体領域5f、5gとチャネル領域5cとが一体の第1半導体膜5bをなすことで、チャネル領域6c,5cと不純物半導体領域6f、6g,5f、5gとを良好に電気的に接合しており、更に、微結晶シリコンを含有させることで不純物半導体領域6f、6g,5f、5gの低抵抗化を図っているので、トランジスタ構造体560におけるトランジスタのオン電流を向上させることができ、ELパネル1を良好に発光させることができる。
また、第2半導体膜6bのチャネル領域6cにおいてシリコンの結晶化が安定している第2絶縁膜6dとの界面側の第2領域62を電流経路とするように、駆動トランジスタ60がトップゲート構造を成しているので、この駆動トランジスタ60は、駆動トランジスタとして一層良好に機能する。
また、EL素子8を発光駆動する際、全画素に共通の電極である対向電極8dによる電界が駆動トランジスタ60に作用することがあるが、駆動トランジスタ60はトップゲート構造を成しているので、第2ゲート電極6aがその電界を遮断することができる。第2ゲート電極6aが対向電極8dによる電界を遮断することで、その電界はチャネル領域6cに達しないので、その電界によるソース・ドレイン間の電圧変化を防ぎ、駆動トランジスタ60の駆動電流の低下を抑えることができ、駆動トランジスタ60の駆動トランジスタとしての機能を維持する。
そして、以上のように形成されて製造されたELパネル1は、各種電子機器の表示パネルとして用いられる。
例えば、図36に示す、携帯電話機200の表示パネル1aや、図37(a)(b)に示す、デジタルカメラ300の表示パネル1bや、図38に示す、パーソナルコンピュータ400の表示パネル1cに、ELパネル1を適用することができる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記各実施形態では、各画素がスイッチトランジスタ及び駆動トランジスタの2つのトランジスタを備えていたが、これに限らず、例えば、図40に示すようなトランジスタ構成でもよい。この場合、スイッチトランジスタ501及びスイッチトランジスタ502は、上述したスイッチトランジスタ5或いはスイッチトランジスタ50と同様の構造であり、駆動トランジスタ601は上述した駆動トランジスタ6或いは駆動トランジスタ60と同様の構造とすればよい。
1 ELパネル(発光装置)
2 走査線
2a 補助導電膜(導電層)
3 信号線
4 電圧供給線
4a 補助導電膜(導電層)
5 スイッチトランジスタ(第2薄膜トランジスタ)
50 スイッチトランジスタ(第1薄膜トランジスタ)
5a 第2ゲート電極、第1ゲート電極
5b 第2半導体膜、第1半導体膜
5c チャネル領域
51 第1領域
52 第2領域
5d 第2絶縁膜
5f 不純物半導体領域
5g 不純物半導体領域
5h ドレイン電極
5i ソース電極
6 駆動トランジスタ(第1薄膜トランジスタ)
60 駆動トランジスタ(第2薄膜トランジスタ)
6a 第1ゲート電極、第2ゲート電極
6b 第1半導体膜、第2半導体膜
6c チャネル領域
61 第1領域
62 第2領域
6d 第2絶縁膜
6f 不純物半導体領域
6g 不純物半導体領域
6h ドレイン電極
6i ソース電極
56 トランジスタ構造体
560 トランジスタ構造体
7 キャパシタ
8 EL素子(発光素子)
9a 導電層
9b 半導体層
9d 保護絶縁層
9f、9g 不純物半導体層
9h 導電層
10 基板
11 第1絶縁膜
12 保護絶縁膜
13 バンク
14 パッシベーション膜

Claims (11)

  1. 第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極を覆う第1絶縁膜と、前記第1ゲート電極に対応する位置の前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第1半導体膜と、前記第1半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を備える第1薄膜トランジスタと、
    前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第2半導体膜と、前記第2半導体膜上の中央側に形成されて前記第2半導体膜のチャネル領域を覆う第2絶縁膜と、前記第2半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2絶縁膜上に形成された第2ゲート電極と、を備える第2薄膜トランジスタと、
    を備え、
    前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記一対の端部は、それぞれ不純物半導体領域であり、
    前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記チャネル領域は、前記第1絶縁膜側となる第1領域と、その反対面側となる第2領域と、を有し、前記第1領域と前記第2領域の何れか一方のシリコンの結晶化度が他方に比べて高いことを特徴とするトランジスタ構造体。
  2. 前記第1薄膜トランジスタの前記第1半導体膜における前記チャネル領域の第1領域が、前記第1半導体膜の電流経路になり、
    前記第2薄膜トランジスタの前記第2半導体膜における前記チャネル領域の第2領域が、前記第2半導体膜の電流経路になることを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ構造体。
  3. 前記第1薄膜トランジスタの前記第1半導体膜の前記チャネル領域上に前記第2絶縁膜と同じ材料で、前記第2絶縁膜と同じ厚さの絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ構造体。
  4. 前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの少なくともいずれかに接続された電圧供給線と、
    前記電圧供給線と重なる、前記第2ゲート電極と同じ材料からなる導電層と、
    を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のトランジスタ構造体。
  5. 第1薄膜トランジスタと第2薄膜トランジスタとを備えるトランジスタ構造体の製造方法であって、
    前記第1薄膜トランジスタの第1ゲート電極を形成する第1ゲート電極形成工程と、
    前記第1ゲート電極上に第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、
    第1半導体膜及び第2半導体膜が形成される前記第1絶縁膜上に、結晶性シリコンを含む半導体層を成膜する半導体層成膜工程と、
    前記半導体層上に第2絶縁層を成膜する第2絶縁層形成工程と、
    前記半導体層における前記第1半導体膜のチャネル領域となる領域及び前記第2半導体膜のチャネル領域となる領域を除いて、前記半導体層にイオンドーピングを行い不純物半導体領域を形成する不純物半導体領域形成工程と、
    前記第2絶縁層をパターニングして、前記第2薄膜トランジスタのチャネル領域となる領域上に第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、
    前記半導体層をパターニングして、前記第1半導体膜及び前記第2半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、
    前記第2絶縁膜上に前記第2薄膜トランジスタの第2ゲート電極を形成する第2ゲート電極形成工程と、
    前記第1半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を形成する工程と、を備え、
    前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記チャネル領域は、前記第1絶縁膜側となる第1領域と、その反対面側となる第2領域と、を有するように形成し、前記第1領域と前記第2領域の何れか一方のシリコンの結晶化度を他方に比べて高く形成することを特徴とするトランジスタ構造体の製造方法。
  6. 第2絶縁膜形成工程は、前記第2絶縁層をパターニングして、前記第1薄膜トランジスタのチャネル領域となる領域上に、前記第2薄膜トランジスタの前記第2絶縁膜とは異なる第2絶縁膜を形成する第2薄膜トランジスタの第2絶縁膜形成工程を含むことを特徴とする請求項5記載のトランジスタ構造体の製造方法。
  7. 第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極を覆う第1絶縁膜と、前記第1ゲート電極に対応する位置の前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第1半導体膜と、前記第1半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、を備える第1薄膜トランジスタと、
    前記第1絶縁膜上に形成された結晶性シリコンを含む第2半導体膜と、前記第2半導体膜上の中央側に形成されて前記第2半導体膜のチャネル領域を覆う第2絶縁膜と、前記第2半導体膜の前記チャネル領域を挟む一対の端部に接続されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2絶縁膜上に形成された第2ゲート電極と、を備える第2薄膜トランジスタと、
    前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの制御によって発光する発光素子と、
    を備え、
    前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記一対の端部は、それぞれ不純物半導体領域であり、
    前記第1半導体膜および前記第2半導体膜の前記チャネル領域は、前記第1絶縁膜側となる第1領域と、その反対面側となる第2領域と、を有し、前記第1領域と前記第2領域の何れか一方のシリコンの結晶化度が他方に比べて高いことを特徴とする発光装置。
  8. 前記第1薄膜トランジスタの前記第1半導体膜の前記チャネル領域上に前記第2絶縁膜と同じ材料で、前記第2絶縁膜と同じ厚さの絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
  9. 前記第1領域のシリコンの結晶化度を前記第2領域よりも高く形成することで、
    前記第2薄膜トランジスタを、前記第1薄膜トランジスタを制御するスイッチトランジスタとして機能させ、
    前記第1薄膜トランジスタを、前記第2薄膜トランジスタの制御に応じた電流を前記発光素子に流す駆動トランジスタとして機能させることを特徴とする請求項7又は8に記載の発光装置。
  10. 前記第2領域のシリコンの結晶化度を前記第1領域よりも高く形成することで、
    前記第1薄膜トランジスタを、前記第2薄膜トランジスタを制御するスイッチトランジスタとして機能させ、
    前記第2薄膜トランジスタを、前記第1薄膜トランジスタの制御に応じた電流を前記発光素子に流す駆動トランジスタとして機能させることを特徴とする請求項7又は8に記載の発光装置。
  11. 前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタの少なくともいずれかに接続された電圧供給線と、
    前記電圧供給線と重なる、前記第2ゲート電極と同じ材料からなる導電層と、
    を有することを特徴とする請求項7〜10の何れか一項に記載の発光装置。
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