JP2004158685A - 多結晶シリコン薄膜およびその製法 - Google Patents

多結晶シリコン薄膜およびその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004158685A
JP2004158685A JP2002323847A JP2002323847A JP2004158685A JP 2004158685 A JP2004158685 A JP 2004158685A JP 2002323847 A JP2002323847 A JP 2002323847A JP 2002323847 A JP2002323847 A JP 2002323847A JP 2004158685 A JP2004158685 A JP 2004158685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thickness
deposition
sec
polysilicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002323847A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tokunaga
博之 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002323847A priority Critical patent/JP2004158685A/ja
Publication of JP2004158685A publication Critical patent/JP2004158685A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】電気特性に優れたポリシリコン膜を得る。比較的に薄い膜厚で、大きな粒径のポリシリコン膜を得る。
【解決手段】成膜速度の変調、原料ガス組成の変調、成長とエッチングの交互操作などを組合わせて、膜厚1000Åの時の平均粒径が100Å以上の、ポリシリコン膜を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多結晶薄膜に係わり、より詳しくは薄膜トランジスタや太陽電池の半導体層として用いられる多結晶シリコン(ポリシリコン)薄膜の構造及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリシリコン薄膜は、数Å〜数μmの微細な結晶粒が多数結合した状態で、その形成方法には、固相成長法、レーザーアニール法、気相成長法などがある。固相成長法は基板上にまずアモルファスシリコンを堆積した後、長時間加熱アニールして固相反応でポリシリコンを形成させるものである。レーザーアニール法は、高出力レーザーによって短時間にこのアニールを行うものである。一方、気相成長法によるポリシリコンの形成は、古くは熱CVD法が用いられてきたが、低温でガラス上に成長する手法として、特開平2−202018や特開平3−250624が開示されている。これは、SiH などの原料ガスに、FやClなどのハロゲンを含んだガスを添加して、プラズマや光のエネルギーを加えて分解反応させ、基板上にポリシリコンを直接堆積するものである。これは、アニール工程を用いないので、コストやスループットの面から有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の製法によって得られたポリシリコン膜は、表面の結晶粒径は比較的大きいが、堆積初期の結晶核成長を制御していないため、基板界面近傍の結晶粒が著しく小さくなっていた。膜下部の界面の結晶粒が小さいと、界面近傍で電荷を輸送するボトムゲート型のトランジスタの電気特性が非常に悪くなるというような問題点があった。また、トップゲート型トランジスタにおいても、ポリシリコンの粒径を大きくしようとすると、半導体層を厚くしなければならない。これを液晶表示素子に応用する際に、ゲート絶縁膜と積層で補助容量を形成すると、容量が減少し補助容量の面積を大きくせねばならず、素子面積が拡大して開口率が低下するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記のような問題点は、本発明で被堆積物界面から1000Å厚までの多結晶の平均粒径が、100Å以上であることを特徴とするポリシリコン薄膜を提供することで解決される。前記ポリシリコン膜のプロセス温度は、500℃以下であって、膜厚と共に成長速度を大きくしていくことを特徴としている。前記ポリシリコン膜は、成膜初期で膜成長を一旦止めて、膜をエッチングし、被堆積物表面の微小核の密度を減少させてから再成長する成膜方法によって達成された。前記ポリシリコン膜は、膜厚と共に膜中に含まれるハロゲン濃度を減少させていくことによって達成された。
【0005】
(作用)
以下に本発明による、ポリシリコン膜の作用を説明する。
【0006】
本発明によれば、被堆積物界面から1000Å厚までの多結晶の平均粒径が、100Å以上であることを特徴とするポリシリコン薄膜によって、ボトムゲート型のトランジスタでは電気特性が大幅に改善される。また、トップゲート型トランジスタにおいても半導体層を薄くすることが可能になり、液晶用素子の設計の自由度が広がる。
【0007】
[実験1]
以下に、本発明に係わるポリシリコン膜の粒径評価法について述べる。
【0008】
膜厚を1000Åに統一したポリシリコン膜について、ラマン分光法で測定しZ IqbalとS Veprekの解析方法(Solid State Phys 15(1982)p.377−392)で、そのピークシフト値から粒径の見積もりを行った。
【0009】
成膜方法は、プラズマCVD法で、主要な作製パラメータは次のようであった。
【0010】
Figure 2004158685
図2は、堆積速度と粒径の関係を示したものである。ある程度の粒径までは、堆積速度が小さいほど粒径が大きくなる傾向がある。堆積速度が0.4Å/sec以下である時、平均粒径が100Å以上になっていることが判る。
【0011】
しかし、この堆積速度は、工業的には非常に遅く量産向きではない。一般に多結晶薄膜のCVD法による堆積では、堆積初期の多結晶の粒径が小さくなり、膜厚とともに粒径が大きくなる傾向がある。そこで、堆積条件を変えて、堆積速度を(1)0.3Å/sec(2)1Å/secの2段階に変化させてポリシリコンの成膜を行った。図3は堆積速度0.3Å/secの条件で堆積した膜厚と、平均粒径の関係を示したものである。(トータル膜厚は1000Åである)堆積初期の200Åまでを、0.3Å/secの条件で成長したものが、平均粒径100Å以上になっていることが判る。
【0012】
[実験2]
堆積初期の結晶性を改善する方法として、原料ガスにハロゲン系ガスを高濃度に添加する方法を試みた。ハロゲン系ガスの濃度が高いと結晶性は良くなるが、成長速度が低下したり、膜応力が増加して膜ハガレが発生する。
【0013】
SiH /SiF =10/700
基板サイズ 300×300mm
基板温度 400℃
RFパワー 1.5W/cm
圧力 0.8torr
以上の条件で成長したところ、堆積速度は0.3Å/secで、1000Åの膜厚で膜ハガレが発生した。
【0014】
(2−a)
そこで、成長初期にハロゲン系添加ガス(SiF や、HCl、HF、SiH Cl など)の濃度を相対的に高くして、膜成長に伴って濃度を低下させた。
【0015】
SiH とSiF を用いてガス組成を
(1)SiH /SiF =10/700 堆積速度 0.3Å/sec
(2)SiH /SiF =30/700 堆積速度 1.2Å/sec
と2段階で変化させた。図4は成膜条件と結晶性の関係を示したものである。横軸は、トータル膜厚1000Åの内で、条件(1)で成膜した初期膜厚の割合を示したもので、縦軸は平均粒径を表している。SiF の組成比の大きい(1)の条件で成長する割合を大きくすると、結晶性が向上している。
【0016】
(2−b)
さらに、ガス組成の割合を3段階で変化させた。
(1)SiH /SiF =10/700 堆積速度 0.3Å/sec
(2)SiH /SiF =30/700 堆積速度 1.2Å/sec
(3)SiH /SiF =40/200 堆積速度 1.9Å/sec
図5は成膜条件と結晶性の関係を示したものである。同様にSiF の組成比の大きい(1)の条件で成長する割合を大きくすると、結晶性が向上している。また、前述の(2−a)と比べてみると、トータルの成長速度が大きくても同様の結晶性が得られている。原料ガス中のハロゲンガスの濃度を低下させていくことは、結晶性と生産性の双方に効果があることが判った。
【0017】
図6は実験(2−b)のサンプルの一つをSIMS(二次イオン質量分析)法による組成分析のプロファイルである。膜中のF濃度が、基板界面で高く、膜厚が厚くなると低下していることを示している。
【0018】
(2−c)
同様にSiH とHClとH を用いてガス組成を
(1)SiH /HCl/H =20/10/500
(2)SiH /HCl/H =40/2/500
と2段階で変化させた。図7は成膜条件と結晶性の関係を示したものである。横軸は、トータル膜厚1000Åの内で、条件(1)で成膜した初期膜厚の割合を示したもので、縦軸は平均粒径を表している。HClの組成比の大きい(1)の条件で成長する割合を大きくすると、結晶性が向上している。
【0019】
[実験3]
次に堆積初期の膜を気相中でエッチングして、微細な多結晶を除去して粒径の大きなものだけを残し、更に堆積を続けるという方法を試みた。
【0020】
まず、前述のCVDで堆積速度1Å/secで堆積80Åのポリシリコンを堆積した(この条件で1000Åのポリシリコンを堆積すると、平均粒径は30Åとなる)。次に、エッチングガスを導入し気相でエッチングして、さらに同様に堆積速度1Å/secで1000Åの膜厚までポリシリコンを再成長させて、ラマン分光法を使って平均粒径の評価を行った。エッチングには、Arで3%に希釈したNF を用いた。図8はエッチングする時の膜厚と、再成長後の粒径の関係を示したものである。エッチングをかけるまえの膜厚が150Å以下の時、再成長後の平均粒径が100Å以上になっていることが判る。
【0021】
[実験4]
さらに、堆積初期のエッチングを複数回繰り返すことにより、結晶性の改善を試みた。堆積速度に換算して50Åの膜厚ごとに、前述の気相エッチングを繰り返して、できた膜の平均粒径を測った(最終膜厚は1000Å。堆積速度は、1Å/secであった)。図9は、エッチングの回数と、粒径の関係を示したものである。これらの結果から、エッチング回数が5回くらいまで、堆積初期のエッチングが最終膜の粒径を大きくするのに有効であることが判った。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による実施態様例を示すポリシリコン膜の断面の模式図である。図10は、従来の方法で作製されたポリシリコン膜の断面を示したものである。本発明においては、基板界面近傍の結晶粒径が著しく大きくなっている。
【0023】
以下に本発明によるポリシリコン膜の堆積方法の実施態様の一例を述べる。高融点ガラス、石英やセラミックなどを基板として用いる。その上に、Mo、Ni、Ta、Cu、Alなどでゲート配線をパターニングして、さらにSiO やSiNx、TaOxなどの絶縁膜で覆っても良い。この基板を、プラズマCVD装置の中に設置し、真空に排気して加熱する。この時の基板温度は、一般には150℃〜500℃、好ましくは200℃〜480℃、最適には250℃〜450℃である。次に、Siを含む原料ガスに場合によっては希釈ガスを添加したものを導入し、高周波等によって分解し、ポリシリコン膜を堆積する。Siを含む原料ガスは、例えばSiH 、Si 、SiF 、SiCl 、SiCl などで、それらの混合ガスでも良い。希釈ガスとしては、H やHe、Arなどの不活性ガスなどが適用可能である。本発明においては、ポリシリコンの成膜速度を変化させることを特徴としている。ポリシリコンの膜厚が100Åになるまでの成膜速度は、一般には1.5Å/sec以下、好ましくは1.0Å/sec以下、最適には0.5Å/sec以下である。膜厚が100〜300Åまでの成膜速度は、一般には5.0Å/sec以下、好ましくは3.0Å/sec以下、最適には2.0Å/sec以下である。膜厚が300Å以上の成膜速度は、一般には8.0Å/sec以下、好ましくは5.0Å/sec以下、最適には3.0Å/sec以下である。
【0024】
本発明の他の実施態様例として、原料ガス中のハロゲン含有ガスの添加量を膜厚の増加と共に減少させる手法がある。
【0025】
また、他の態様例では、堆積初期に成長を止めて気相でエッチングをしてから再成長をする手法がある。エッチングをかける際の膜厚は、一般には300Å以下、好ましくは250Å以下、最適には100Å以下である。さらに、エッチングと堆積を繰り返しても良い。エッチングから次のエッチングまでの堆積膜厚は、一般には300Å以下、好ましくは200Å以下、最適には100Å以下である。
【0026】
(実施例1)
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0027】
厚さ1mm、300×300mmの低アルカリガラス基板(旭硝子AN635)に、プラズマCVD法によりポリシリコン膜を1000Å堆積した。堆積条件は、膜厚の増加にともなって、以下のように2段階に変化させた。
【0028】
(1)膜厚300Åまで
SiH 5sccm
3000sccm
圧力 0.5torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
[堆積速度 0.31Å/sec]
(2)膜厚1000Åまで
SiH 30sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
[堆積速度 1.54Å/sec]
堆積された膜を、波長514.5nmのArレーザーを使ってラマン分光分析を行って、平均粒径の評価を行ったところ110Åであった。また、X線回折法で回折ピークを測定しScherrerの方法で、その半値幅から粒径の見積もりを行ったところ、105Åであった。
【0029】
(比較例1)
以下に、比較例を説明する。
【0030】
実施例1と同様に、プラズマCVD法によりポリシリコン膜を1000Å堆積した。堆積条件は、膜厚による変化をさせず、実施例1(2)を用いた。
【0031】
*堆積条件(膜厚1000Åにおいて一定)
SiH 30sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
[堆積速度 1.54Å/sec]
堆積された膜を、ラマン分光分析を行って、平均粒径の評価を行ったところ40Åであった。また、X線回折法で回折ピークを測定しScherrerの方法で、その半値幅から粒径の見積もりを行ったところ、45Åであった。
【0032】
(実施例2)
以下に、本発明を他の実施例を説明する。
【0033】
実施例1と同様に厚さ1mm、300×300mmの低アルカリガラス基板(旭硝子AN635)に、プラズマCVD法によりポリシリコン膜を1000Å堆積した。堆積条件は、膜厚の増加にともなって、以下のように3段階に変化させた。
【0034】
(1)膜厚200Åまで
SiH 3sccm
3000sccm
圧力 0.5torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
[堆積速度 0.23Å/sec]
(2)膜厚600Åまで
SiH 20sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
[堆積速度 1.32Å/sec]
(3)膜厚1000Åまで
SiH 30sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
[堆積速度 1.54Å/sec]
堆積された膜を、波長514.5nmのArレーザーを使ってラマン分光分析を行って、平均粒径の評価を行ったところ120Åであった。また、X線回折法で回折ピークを測定しScherrerの方法で、その半値幅から粒径の見積もりを行ったところ、110Åであった。
【0035】
(実施例3)
以下に、本発明の他の実施例を説明する。
【0036】
実施例1と同様に、プラズマCVD法によりポリシリコン膜を1000Å堆積した。堆積条件は、膜厚の増加にともなって、以下のように3段階に変化させた。
【0037】
(1)膜厚300Åまで
SiF 200sccm
SiH 5sccm
1000sccm
圧力 0.5torr
RFパワー 600W
基板温度 420℃
[堆積速度 0.31Å/sec]
(2)膜厚600Åまで
SiF 100sccm
SiH 10sccm
1000sccm
圧力 0.5torr
RFパワー 600W
基板温度 420℃
[堆積速度 1.48Å/sec]
(3)膜厚1000Åまで
SiH 30sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 600W
基板温度 420℃
[堆積速度 1.54Å/sec]
堆積された膜を、ラマン分光分析を行って、平均粒径の評価を行ったところ100Åであった。また、X線回折法で回折ピークを測定しScherrerの方法で、その半値幅から粒径の見積もりを行ったところ、110Åであった。一方、膜中のF濃度をSIMS分析で測定したところ、基板近傍で1×10exp21atom/cm 、膜厚500Åのところで、5×10exp20atom/cm 、膜厚900Åのところで、2×10exp20atom/cm であった。
【0038】
(実施例4)
以下に、本発明の他の実施例を説明する。
【0039】
実施例1と同様の基板に、堆積の途中で気相エッチングを加えて再成長するという手法で、ポリシリコン膜を1000Å堆積した。
【0040】
まず下記の堆積条件で、膜厚の100Åのポリシリコン膜を堆積した。
【0041】
(1)初期膜の堆積条件
SiH 20sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
次に以下の条件で膜のエッチングを行った。
【0042】
(2)エッチング条件
NF 100sccm
Ar 900sccm
圧力 0.1torr
RFパワー 100W
エッチング時間 20秒
さらに第二の条件で、1000Åまでポリシリコン膜を堆積した。
【0043】
(3)第二の堆積条件
SiH 50sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
堆積された膜を、ラマン分光分析を行って、平均粒径の評価を行ったところ120Åであった。また、X線回折法で回折ピークを測定しScherrerの方法で、その半値幅から粒径の見積もりを行ったところ、115Åであった。
【0044】
(実施例5)
以下に、本発明の他の実施例を説明する。
【0045】
実施例1と同様の基板に、堆積の途中で気相エッチングと堆積を繰り返するという手法で、ポリシリコン膜を1000Å堆積した。
【0046】
まず下記の堆積条件で、膜厚の100Åのポリシリコン膜を堆積した。
【0047】
(1)初期膜の堆積条件
SiH 20sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
次に以下の条件で膜のエッチングを行った。
【0048】
(2)エッチング条件
NF 100sccm
Ar 900sccm
圧力 0.1torr
RFパワー 100W
エッチング時間 20秒
これを3回繰り返して、さらに第二の条件で、1000Åまでポリシリコン膜を堆積した。
【0049】
(3)第二の堆積条件
SiH 50sccm
3000sccm
圧力 0.7torr
RFパワー 800W
基板温度 420℃
堆積された膜を、ラマン分光分析を行って、平均粒径の評価を行ったところ140Åであった。また、X線回折法で回折ピークを測定しScherrerの方法で、その半値幅から粒径の見積もりを行ったところ、125Åであった。
【0050】
(実施例6)
実施例1と比較例1の条件で作製した薄膜に、水素プラズマを使って結晶粒界のパッシベーションを行った。処理条件は以下のようであった。
【0051】
圧力 1.3torr
RFパワー 0.5W/cm
基板温度 280℃
時間 300秒
処理した基板を10mm□に切って、Hall測定を行ったところHall移動度は
*実施例1のサンプル 15cm /VS
*比較例1のサンプル 3cm /VS
であった。
【0052】
(実施例7)
実施例1の作製条件を半導体層の堆積条件に用いて、図11に示すようなボトムゲート型のTFTを作製した。ゲートメタルはCr1000Å、ゲート絶縁膜はSiO 2000Å、Si層は1000Å、n+Siは500Å、ソースドレインはTi300Å/Al 6000Å/Ti500Åとした。素子プロセスの最後に、実施例6の条件で水素プラズマ処理を行った。移動度を測定したところ、10cm /VSであった。
【0053】
(比較例2)
比較例1の作製条件を半導体層の堆積条件に用いて、実施例7と同じ構成のTFTを作製した。同様に素子プロセスの最後に、実施例6の条件で水素プラズマ処理を行った。移動度を測定したところ、1cm /VSであった。
【0054】
(実施例8)
実施例1の作製条件を半導体層の堆積条件に用いて、図12に示すようなトップゲート型のTFTを作製した。ソースドレインメタルはCr500Å、n+Siは500Å、Si層は2000Å、ゲート絶縁膜SiNx 2000Å、ゲートメタルはTi300Å/Al 8000Å/Ti500Åとした。素子プロセスの最後に、実施例6の条件で水素プラズマ処理を行った。移動度を測定したところ、21cm /VSであった。
【0055】
(比較例3)
比較例1の作製条件を半導体層の堆積条件に用いて、実施例8と同じ構成のTFTを作製した。同様に素子プロセスの最後に、実施例6の条件で水素プラズマ処理を行った。移動度を測定したところ、9cm /VSであった。
【0056】
(比較例4)
比較例3のトップゲート型TFTで、Si半導体層の厚みを5000Åにしたところ、移動度19cm /VSが得られた。
【0057】
(実施例9)
図13は本発明のTFTを用いた液晶ディスプレイの断面の一部を示したものである。TFTは実施例8と同様の構成で作製した。TFTの上にアクリル性平坦化膜603(JSR製 PC403)を2μm堆積し、コンタクトホール610を形成した後ITO604 900Å画素電極を形成した。その上に、ポリイミド配向膜605(住友ベークライト製 CRD6)100Åを塗布した。
【0058】
対向基板には、全面にITO607を700Å形成した上に、ポリイミド配向膜608を100Å塗布し両方の基板のラビング方向が互いに反平行になるようにラビングした。スペーサーとして平均粒径2μmのシリカビーズ606を散布し張り合わせ、以下に示す液晶組成物611を調整し等方相の温度で注入した。
【外1】
Figure 2004158685
【0059】
【外2】
Figure 2004158685
【0060】
これをカイラルスメティック液晶相を示す温度まで冷却し、この際Ch−SmC*相転移前後において−5Vのオフセット電圧を印加して冷却を行う処理をした。
【0061】
画素サイズは300μm×100μm、TFTサイズはL/W=6μm/20μmであった。液晶の自発分極が1.2nCあり、セルギャップ2μmと狭いために負荷容量が大きいにも関わらず、この液晶素子を動作したところ、50μsecの応答速度で動作した。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、被堆積物界面から1000Å厚までの多結晶の平均粒径が、100Å以上であるポリシリコン薄膜を用いることで、ボトムゲート型TFTの電気特性が大幅に改善された。また、トップゲート型トランジスタにおいても半導体層を薄くしても高移動度が得られた。このことによって液晶表示素子に応用する際に、素子段差を小さく設計できるので、歩留まりや液晶配向性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリシリコンの断面概念図。
【図2】堆積速度と平均粒径の関係を示す図。
【図3】堆積速度を変調させた時の平均粒径の関係を示す図。
【図4】ガス組成を変調させた時の平均粒径の関係を示す図。
【図5】ガス組成を変調させた時の平均粒径の関係を示す図。
【図6】ガス組成を変調させた時の膜中のF濃度分布。
【図7】ガス組成を変調させた時の平均粒径の関係を示す図。
【図8】エッチング処理を行ったポリシリコンの初期膜の厚さと、得られた膜の平均粒径の関係。
【図9】エッチングと堆積の繰り返し回数と、得られた膜の平均粒径の関係。
【図10】従来のポリシリコンの断面構造。
【図11】ボトムゲート型TFT。
【図12】トップゲート型TFT。
【図13】TFTを用いたディスプレイの断面の一部を示す図。
【符号の説明】
101 ガラス基板
102 ゲート
103 ゲート絶縁膜
104 Si半導体層
105 n+Si
106 ソースドレイン
201 ガラス基板
202 ソースドレイン電極
203 n+Si
204 Si半導体層
205 ゲート絶縁膜
206 ゲート
601 ガラス基板
602 TFT
603 平坦化膜
604 ITO電極
605 配向膜
606 スペーサー
607 ITO電極
608 配向膜
609 シール剤
610 コンタクトホール
611 液晶

Claims (8)

  1. 被堆積物界面から1000Å厚までの多結晶の平均粒径が、100Å以上であることを特徴とする多結晶シリコン薄膜。
  2. 前記被堆積物は融点が700℃以下のガラスであることを特徴とする請求項1記載のポリシリコン薄膜。
  3. 膜厚と共に膜中に含まれるハロゲン濃度が減少していくことを特徴とする請求項1記載のポリシリコン薄膜。
  4. プロセス温度が500℃以下であることを特徴とする請求項1記載のポリシリコン薄膜の製造方法。
  5. 堆積速度が0.4Å/sec以下であることを特徴とする請求項1記載のポリシリコン薄膜の製造方法。
  6. 膜厚と共に成長速度を大きくしていくことを特徴とする、前記ポリシリコン薄膜の製造方法。
  7. 成膜初期で膜成長を一旦止めて、膜をエッチングし、それから再成長することを特徴とする請求項1記載のポリシリコン薄膜の成長方法。
  8. 膜成長を停止する膜厚が、200Å以下であることを特徴とする請求項7記載のポリシリコン薄膜の成膜方法。
JP2002323847A 2002-11-07 2002-11-07 多結晶シリコン薄膜およびその製法 Withdrawn JP2004158685A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002323847A JP2004158685A (ja) 2002-11-07 2002-11-07 多結晶シリコン薄膜およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002323847A JP2004158685A (ja) 2002-11-07 2002-11-07 多結晶シリコン薄膜およびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004158685A true JP2004158685A (ja) 2004-06-03

Family

ID=32803612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002323847A Withdrawn JP2004158685A (ja) 2002-11-07 2002-11-07 多結晶シリコン薄膜およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004158685A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012019118A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Casio Comput Co Ltd トランジスタ構造体、トランジスタ構造体の製造方法及び発光装置
JP2012064604A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Casio Comput Co Ltd トランジスタ構造体、トランジスタ構造体の製造方法及び発光装置
WO2012117439A1 (ja) * 2011-02-28 2012-09-07 パナソニック株式会社 薄膜半導体装置及びその製造方法
WO2023199656A1 (ja) * 2022-04-15 2023-10-19 信越半導体株式会社 ポリシリコンウェーハの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012019118A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Casio Comput Co Ltd トランジスタ構造体、トランジスタ構造体の製造方法及び発光装置
JP2012064604A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Casio Comput Co Ltd トランジスタ構造体、トランジスタ構造体の製造方法及び発光装置
WO2012117439A1 (ja) * 2011-02-28 2012-09-07 パナソニック株式会社 薄膜半導体装置及びその製造方法
WO2012117718A1 (ja) * 2011-02-28 2012-09-07 パナソニック株式会社 薄膜半導体装置及びその製造方法
US9178075B2 (en) 2011-02-28 2015-11-03 Panasonic Liquid Crystal Display Co., Ltd. Thin-film semiconductor device and method for manufacturing the same
WO2023199656A1 (ja) * 2022-04-15 2023-10-19 信越半導体株式会社 ポリシリコンウェーハの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI484633B (zh) 用於多通道場效電晶體之中間產物及用於獲得中間產物的方法
TWI404123B (zh) 半導體膜之選擇性磊晶成長
KR100306527B1 (ko) 박막반도체장치의제조방법,박막반도체장치
US7411274B2 (en) Silicon semiconductor substrate and its manufacturing method
TWI291235B (en) Low temperature process for TFT fabrication
JPH0878691A (ja) ゲイト絶縁膜の処理方法およびゲイト絶縁膜の処理装 置
KR20010052812A (ko) 박막 트랜지스터 및 그 제조방법
JP2004165682A (ja) 薄膜トランジスタのための多段階cvd法
US7198997B2 (en) Method for producing semiconductor substrate, method for producing field effect transistor, semiconductor substrate, and field effect transistor
JP2001274404A (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
US5893949A (en) Solid phase epitaxial crystallization of amorphous silicon films on insulating substrates
Labrot et al. Low thermal budget for Si and SiGe surface preparation for FD-SOI technology
US5707744A (en) Solid phase epitaxial crystallization of amorphous silicon films on insulating substrates
JP2004158685A (ja) 多結晶シリコン薄膜およびその製法
US20100062585A1 (en) Method for forming silicon thin film
JP3281431B2 (ja) 薄膜トランジスタ
EP0782178A1 (en) Solid phase epitaxial crystallization of amorphous silicon films on insulating substrates
KR19990013304A (ko) 비정질 막을 결정화하는 방법
KR100469503B1 (ko) 비정질막을결정화하는방법
KR101031759B1 (ko) 미세 실리콘 결정화 방법과 이를 포함하는 박막트랜지스터 제조방법
JPH0738111A (ja) 薄膜トランジスタの形成方法
TWI386512B (zh) 薄膜電晶體用之黏著層
KR100233146B1 (ko) 다결정 실리콘의 제조 방법
JP2011216864A (ja) 半導体装置とその製造方法
JP2000260997A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110