JP2012014783A - 磁気記録ヘッド及び磁気記録装置 - Google Patents

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雅哉 大竹
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Abstract

【課題】 効率的に高周波磁界を印加することが可能な磁気記録ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る磁気記録ヘッドは、磁気記録媒体に記録磁界を発生させるための主磁極と、前記主磁極と対を成すリターンヨークと、前記主磁極と前記リターンヨークとの間に設けられた、発振層およびスピン注入層を含むスピントルク発振子と、前記主磁極と前記スピントルク発振子との間および前記リターンヨークと前記スピントルク発振子との間の少なくとも一方に設けられた3層以上の非磁性金属層から成る積層体であって、前記非磁性金属層の厚さは0.5nm以上2nm以下であり、前記積層体の積層方向の長さは前記積層体の積層面内方向の最小の長さより小さい積層体と、前記積層体と前記スピントルク発振子との間に設けられた電極とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、スピントルク発振子を用いた磁気記録ヘッドおよび磁気記録装置に関する。
従来、磁性発振素子の電極としてTa/Cu/Ta積層膜およびAu/Cu/Ta積層膜を用いた磁気センサが知られている。これらの電極には、比較的膜厚の厚い非磁性金属層が用いられている。
また、従来、スピントルク発振子を備えた磁気記録ヘッドが知れている。スピントルク発振子は、例えば第1の電極、スピン注入層、中間層、発振層および第2の電極をこの順に積層したものである。第1の電極および第2の電極が単層の非磁性金属層で形成されている。
特開2008−84482号公報 特開2009−70541号公報
従来のスピントルク発振子を用いた磁気記録ヘッドは、スピントルク発振子を効率的に発振させることができないという課題があった。
本発明の目的は、スピントルク発振子を効率的に発振させることができる磁気記録ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置を提供することにある。
実施形態に係る磁気記録ヘッドは、磁気記録媒体に記録磁界を発生させるための主磁極と、前記主磁極と対を成すリターンヨークと、前記主磁極と前記リターンヨークとの間に設けられた、発振層およびスピン注入層を含むスピントルク発振子と、前記主磁極と前記スピントルク発振子との間および前記リターンヨークと前記スピントルク発振子との間の少なくとも一方に設けられた3層以上の非磁性金属層から成る積層体であって、前記非磁性金属層の厚さは0.5nm以上2nm以下であり、前記積層体の積層方向の長さは前記積層体の積層面内方向の最小の長さより小さい積層体と、前記積層体と前記スピントルク発振子との間に設けられた電極とを有する。
実施形態に係る磁気記録ヘッドおよび磁気記録媒体を示す斜視図。 実施形態に係る磁気記録ヘッドおよび磁気記録媒体を示す断面図。 第2の実施形態に係る磁気記録ヘッドおよび磁気記録媒体を示す断面図。 各種の積層体の抵抗値を示す図。 従来の磁気記録ヘッドにおける電流の偏流を示す模式図。 実施形態の磁気記録ヘッドにおける電流の偏流を示す模式図。 実施形態に係る磁気記録装置を示す分解斜視図。 電流とビットエラーレートとの関係について、従来技術と実施形態との比較を示す図。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る磁気記録装置において、磁気記録ヘッド100および磁気記録媒体200を示す斜視図である。
第1の実施形態に係る磁気記録ヘッド100は、磁気記録媒体200に記録磁界を発生させるための主磁極1、主磁極1と対を成すリターンヨーク2、主磁極1とリターンヨーク2とを含む磁路に巻きつけられているコイル5および主磁極1とリターンヨーク2との間を通電させる電気回路6を有する。さらに、主磁極1の一端には、先端部11および絞り込み部12の構造が形成されている。なお、図1に示されないものの、先端部11とリターンヨーク2との間(記録ギャップとも称する)に、スピントルク発振子3、積層体4および電極8、9が存在する。
磁気記録媒体200は、下から順に、基板201、軟磁性層202、非磁性層203、記録層204および保護膜層205が積層された構成を有する。
図1に示されるように、磁気記録ヘッド100は、磁気記録媒体200に対して主磁極1が垂直となり、且つ先端部11側が磁気記録媒体200に向かうように位置している。また、磁気記録装置が駆動して情報の書き込みが行われる際、磁気記録ヘッド100と磁気記録媒体200とは接触していない。このとき、磁気記録媒体200は高速回転するため、磁気記録ヘッド100は磁気記録媒体200から浮上する。
図2は、第1の実施形態に係る磁気記録装置において、磁気記録ヘッド100および磁気記録媒体200の一部を示す断面図である。特に、磁気記録ヘッド100の媒体対向面(ABS)付近が拡大して示されている。
図2に示される磁気記録ヘッド100では、リターンヨーク2と主磁極1の先端部11との間にスピントルク発振子3が位置し、スピントルク発振子3とリターンヨーク2との間に非磁性金属層の積層体4が位置し、スピントルク発振子3と積層体4との間に電極8が位置し、スピントルク発振子3と先端部11との間に電極9が位置する。スピントルク発振子3は、発振層31、中間層33およびスピン注入層32がこの順に積層された構成を有する。発振層31は電極8に隣接し、スピン注入層32は電極9に隣接している。積層体4は、3層の非磁性金属層41a、41bおよび41cが積層されたものである。
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係る磁気記録ヘッド100および磁気記録媒体200の一部を拡大した断面図である。
第1の実施形態と第2の実施形態との間の差異は、スピントルク発振子3、積層体4、電極8および電極9の位置関係である。すなわち、図3に示されるように、リターンヨーク2と主磁極1の先端部11との間にスピントルク発振子3が位置し、スピントルク発振子3と先端部11との間に積層体4が位置し、スピントルク発振子3と積層体4との間に電極8が位置し、スピントルク発振子3とリターンヨーク2との間に電極9が位置する。第2の実施形態における主磁極1、リターンヨーク2等の配置は、図1に示される第1の実施形態における配置と共通する。
<積層体4>
以下に、積層体4について詳述する。
(積層体4の配置)
積層体4は、主磁極1とスピントルク発振子3との間およびリターンヨーク2とスピントルク発振子3との間の少なくとも一方に設けられる。積層体4とスピントルク発振子3との間に電極8が設けられる。積層体4とスピントルク発振子3とを直接接触させると、スピントルク発振子3を構成する磁性層に流入する電流の分布は一様になるものの、積層体4の膜厚の揺らぎに対応する微少な分布の揺らぎが生じる。これを抑制するために、緩衝層として電極8を設けて電流分布を均一化する。一方、積層体4と主磁極1またはリターンヨーク2とは直接接触させてもよい。
(積層体4の構成)
積層体4は、3層以上の非磁性金属層が積層されて構成される。ここで、隣接する2層の非磁性金属層同士は異なる材料から構成される。その結果、n層(nは3以上)の非磁性金属層から成る積層体4では、隣接する2つの非磁性金属層によってできる界面がn−1個存在することになる。なお、隣接する非磁性金属層同士が異なるものであればよいため、例えば積層体4が3層の非磁性金属層から成る場合、中間の層を両端の層と異なる材料とし、両端の2つ層を同一の材料とすることもできる。
この様に非磁性金属層を3層以上にする主な目的は、スピントルク発振子3に対して、スピントルク発振用の電源から供給される電流を均一に流すことである。図4に示されるように、非磁性金属層の数、すなわち界面数が、積層体4の抵抗に影響を与えることがわかっている。特に、界面数を大きくすれば、積層体4の抵抗を上昇させることができる(図4中「実施例1−1」「実施例1−2」)。図5は従来の磁気記録ヘッド(すなわち、非磁性金属層が2層以下であるか、または存在しない)における等電位面71と電流72との関係を示している。図6は実施形態に係る磁気記録ヘッドの等電位面71と電流72との関係を示している。従来の磁気記録ヘッドの様に積層体4中の界面数が小さい場合、記録ギャップに設けられる積層体4の抵抗は下がる。その結果、電流72はより最短のルートをたどって流れ易くなり、図5に示されるように、記録ギャップを通過する電流72は曲線の軌道を描き、等電位面71はスピントルク発振子3等の積層面に対して傾斜する傾向が高くなる。図6に示されるように、実施形態に係る磁気記録ヘッドでは、積層体4中の界面数が大きいので積層体4の抵抗が上がる。その結果、等電位面71がスピントルク発振子3等の膜面に対して平行になり、スピントルク発振子3に対して垂直に電流71が流れるようになる。
実施形態に係る磁気記録ヘッド100では、このように偏流を抑えた結果、スピントルク発振子3をより低電圧で駆動することが出来る。すなわち、一定の発振を生じさせるために必要な電圧を低くすることができる。なお、高抵抗化は単層の非磁性金属層で実現することも可能であるが、この場合、ジュール熱が1箇所に集中するため、熱による各部材の劣化が起こる。これに対し、実施形態に係る磁気記録ヘッド100は、3層以上の非磁性金属層の積層構造として2箇所以上の界面の電子散乱によって抵抗を高めるため、熱の発生点を分散することができ、その結果、各部材の劣化を抑制することができる。また、界面の電子散乱に基づいて抵抗を高める場合、個々の非磁性金属層の材料は低抵抗の物質でもよく、非磁性金属層の膜面内を通して熱が効率よく拡散するため、熱による劣化をより抑えることが出来る。また、特定の厚さを有する単層の非磁性金属層と、その厚さと同一と成るように複数の非磁性金属層を積層させて形成した積層体4とを比較した場合、前者に比べて後者の方が高い抵抗を示す。このことは、非磁性金属層を積層させた方が、一定の抵抗を達成するために必要な積層体4の厚さを小さくできることを意味する。記録ギャップに設ける構造は薄いほど形成が容易である点で、積層体4を3層以上の非磁性金属層によって構成することが有利となる。
(非磁性金属層の厚さについて)
各非磁性金属層の厚さは0.5nm以上2nm以下である。非磁性金属層の厚さが0.5nm未満である場合、結晶構造が不安定になり、良好な層構造を保てなくなる。その結果、積層体4の熱の拡散が悪化し、良好な特性が保てなくなる。また、非磁性金属層の厚さが2nmを超える場合、すなわち界面間の距離が2nmを超える場合、等電位面71は、スピントルク発振子3の積層面に対して平行な状態を保てなくなる。界面において生じる電子散乱によって、界面付近では等電位面71が界面に平行となるが、界面から離れるにつれて、その電子散乱の影響は小さくなり、等電位面71の平行な状態が乱れるためである。
(積層体4の寸法について)
積層体4の積層方向の長さは、積層体4の積層面内方向の最小の長さより小さい。
ここで、積層方向の長さとは、積層される全ての非磁性金属層の厚さの合計を意味する。一方、積層面内方向の最小の長さとは、非磁性金属層の積層面(換言すれば界面)の最も小さい幅の長さを意味する。すなわち、積層面が長方形である場合、長方形は長辺の幅と短辺の幅を有するが、「積層面内方向の最小の長さ」とは、長方形の「最も小さい幅」である短辺の長さとなる。すなわち、例えば図2の場合、積層体4において、非磁性金属層41aから41cの合計した厚さは、ABS面からの高さおよび紙面方向の奥行を超えないことを意味する。
主磁極1とリターンヨーク2との間隔は、ギャップ磁界を良好に発生させるために、より狭いほうが望ましい。そのため、等電位面71を調整するために設けられる積層体4は、可能な限り薄いほうがよい。積層体4が厚くなるほど、等電位面71は、積層方向に傾く傾向が強くなる。すなわち、積層体4の厚さは、スピントルク発振子3のABS面からの高さに対して十分小さいほうがよい。例えば、スピントルク発振子3を50nm角にパターニングする場合、積層体4の厚さを50nm以下にする。これは、積層体4の厚さがスピントルク発振子3の高さよりも大きくなると、等電位面71がスピントルク発振子3の膜面と平行にならず、電流は最短距離を流れるようとする結果、傾斜した等電位面71が形成されるためである。
(非磁性金属層の材料について)
積層体4を構成する3層以上の非磁性金属層のうち、隣接する2つの非磁性金属層は、互いに異なるものである。これは、2つの非磁性金属層の界面において有効に電子散乱を生じさせるためである。隣接する2つの非磁性金属層の違いは、例えば以下の3つの例が考えられる。
第1に、隣接する2つの非磁性金属層は、互いに結晶構造が異なる。例えば、一方の非磁性金属層は、体心立方格子、面心立方格子および六方最密構造から成る群から選択される1つの結晶構造をとり、他方の非磁性金属層は、選択されなかった2つの結晶構造の何れかをとる。
第2に、隣接する2つの非磁性金属層は、一方が結晶質であり、他方が非晶質である。
第3に、積層体4は、Ru、Cu、Au、Ag、Pt、Os、Ir、RhおよびAlから成る群から選択される非磁性金属層と、Ta、W、Cr、TiおよびMoから成る群から選択される非磁性金属層とを交互に積層したものとすることができる。
<積層体4以外の構成要素について>
主磁極1は、高透磁率材料から成り、ABS面側において、先端部11と絞り込み部12とを有する。記録磁界を生じさせたとき、先端部11と磁気記録媒体200の軟磁性層202との間に磁路が形成され、磁気記録媒体200の記録層204は、先端部11の下部に位置する領域において、垂直方向に磁化される。主磁極1は、例えば、Fe、CoおよびNiから成る群から選択される金属の合金から成る。
リターンヨーク2は、主磁極1から磁気記録媒体200の軟磁性層202へと向かった磁界を磁気ヘッド100に戻すことで、磁路を閉じる役割を有する。主磁極1は、先端部11を形成しているため、ABS面において非常に小さい面積であるのに対し、リターンヨーク2は、当該面積より大きな面積となるよう設定されている。これによって、磁界は、より発散しながら磁気ヘッド100へと戻るため、リターンヨーク2下部における記録層204の磁化が抑制される。
スピントルク発振子3は、主磁極1とリターンヨーク2との間に配置される。特に、より高い高周波アシスト効果を得るために、スピントルク発振子3は、磁気記録ヘッド100の中でABS面付近に位置し、好ましくはスピントルク発振子3の下面がABS面の一部となる。
スピントルク発振子3は、少なくとも発振層31およびスピン注入層32を含む。発振層31とスピン注入層32との間に中間層33を設けることもできる。発振層31は、リターンヨーク2から主磁極1に向けて電流を流した際、スピントルクにより発振する。このとき発振周波数は、主磁極1とリターンヨーク2との間に発生するギャップ磁界が大きいほど高周波数となる。発振層31は、主として、高Bs軟磁性材料により形成される。スピン注入層32は、垂直磁気異方性を持つ金属磁性体で形成される。発振層31は具体的には、Fe、CoおよびNiから選ばれる磁性元素の合金により構成することができる。また、Fe、CoおよびNi等の合金に非磁性元素を添加したものを使用してもよい。非磁性元素が添加されている発振層31の材料としては、FeCoMnSi、FeCoAlSi等のホイスラー合金を用いることが出来る。ホイスラー合金はスピン分極率が非常に高く、スピントルク発振の駆動電流を低減するのに有効である。発振層31は2層以上の磁性層から構成されていてもよい。具体的には、ホイスラー合金を中間層33側界面に形成し、さらにFeCo合金を中間層33とは反対側に形成することで、十分な磁気体積と良好なスピントルク駆動電圧の低減を両立できる。スピン注入層32は、例えば、具体的にはCoPt合金、CoPd合金、Co/Pt人工格子、Co/Pd人工格子、Co/Ni人工格子、Co/Fe人工格子等を用いて形成される。また、スピン注入層32は、垂直磁気異方性膜のみで形成されていなくてもよい。具体的には、最終的に垂直磁気異方性が保たれる範囲内であれば、軟磁性層との積層により構成されてもよい。前記垂直磁気異方性膜はスピン分極率の点では、軟磁性FeCo合金や、ホイスラー合金と比べて不利であるため、スピン注入層32の中間層33側界面に軟磁性FeCo合金や、ホイスラー合金を形成することで、垂直磁気方性と良好なスピントルク駆動電圧の低減を両立できる。中間層33は、主としてスピン透過率の高い非磁性材料によって形成され、例えばCu、AuまたはAg等が用いられる。
コイル5は、主磁極1およびリターンヨーク2を含む磁路の一部に巻きつけられている。コイル5に対して記録磁界発生用電源から電流が供給されると、主磁極1、リターンヨーク2および磁気記録媒体200を通る磁界が生じる。コイル5としては電導性の高い金属材料を用いることができる。
電気回路6は、主磁極1、記録ギャップに設けられる構造(スピントルク発振子3、積層体4、電極8等)およびリターンヨーク2を含む回路である。電気回路6に電流が流れることで、スピントルク発振子3において高周波発振が生じる。
電極8は、スピントルク発振子3と積層体4との間に設けられる。一方、電極9は、スピントルク発振子3と主磁極1との間またはスピントルク発振子3とリターンヨーク2との間に、任意に設けられる。これらの電極の材料は、電気抵抗が低く酸化されにくいことが好ましく、例えばTiまたはCu等を使用することができる。
<磁気記録媒体について>
磁気記録媒体200は、例えば、下から基板201、軟磁性層202、非磁性層203、記録層204および保護層205が順に積層された構造とすることができる。このような構造によれば、良好な垂直磁気記録が達成できる。但し、図1の層構造に加えて、任意の層が挿入されていてもよい。また、特に記録層204を特定のパターンに形成したパターンドメディア(DTR媒体、BPM等)を使用することもできる。
<磁気記録装置について>
図7は、実施形態に係る磁気記録ヘッドを搭載した磁気記録装置150を示す斜視図である。
図7に示すように、磁気記録装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。磁気記録媒体200は、スピンドルモータ140に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気記録装置150は、複数の磁気記録媒体200を備えたものでもよい。
磁気記録媒体200に対して情報の記録再生を行うヘッドスライダー130は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ヘッドスライダー130の先端付近には実施形態に係る磁気記録ヘッド100が設けられている。磁気記録媒体200が回転すると、サスペンション154による押付け圧力とヘッドスライダー130の媒体対向面(ABS)で発生する浮力とがつりあい、ヘッドスライダー130の媒体対向面は、磁気記録媒体200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石及び対向ヨークからなる磁気回路とから構成することができる。アクチュエータアーム155は、ピボット157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。その結果、磁気ヘッドを磁気記録媒体200の任意の位置にアクセスできる。
(実施例1)
各種の積層体を用いて、界面の数と抵抗との関係を調べた。
以下の通り、実施例1−1、実施例1−2および比較例1の3種の積層体を形成した。
実施例1−1:下電極/0.7nmTa/0.8nmCu/0.7nmTa/0.7nmCu/0.6nmTa/上電極
実施例1−2:下電極/0.5nmTa/0.5nmCu/0.5nmTa/0.5nmCu/0.5nmTa/0.5nmCu/0.5nmTa/上電極
比較例1:下電極/2nmTa/1.5nmCu/上電極。
全ての例において、Taの合計厚さは2nmであり、Cuの合計厚さは1.5nmとなっている。しかし、比較例1はTa層およびCu層の2層から成るのに対し、実施例1−1および実施例1−2では、複数層のTa層およびCu層を交互に積層させた結果、実施例1−1の積層体では計5層、実施例1−2の積層体では計7層になっている。言い換えれば、非磁性金属層によって作られる界面の数は、比較例1では1つ、実施例1−1では4つ、実施例1−2では6つとなっている。
それぞれの積層体を、0.15ミクロン角にパターニングして、上下に電極を形成し、垂直に電流を通電して抵抗を測定した。その結果を図4に示す。界面が1つである比較例1は約2.5オームの抵抗を示したのに対し、界面が4つである実施例1−1は約3オーム、界面が6つである実施例1−2は約4オームを示した。この結果から、CuおよびTaのそれぞれの合計厚さは同じであっても、界面数を増やすことで抵抗が増大することが示された。
(実施例2)
各種磁気記録ヘッドを作製し、一定量の発振のために必要となる電流および磁気記録媒体への書き込みの精度について調べた。
以下の通り、実施例2および比較例2の磁気記録ヘッドを作製した。
実施例2:主磁極/0.5nmTa/0.5nmCu/0.5nmTa/0.5nmCu/0.5nmTa/0.5nmCu/0.5nmTa/3nmCu/15nmCoPt/3nmCu/15nmCoFe/1nmCu/1nmTa/リターンヨーク
比較例2:主磁極/2nmTa/4.5nmCu/15nmCoPt/3nmCu/15nmCoFe/1nmCu/1nmTa/リターンヨーク。
実施例2と比較例2との差異は、積層体に含まれる非磁性金属層を、実施例2では7層としたのに対し、比較例2では2層とした点である。すなわち、実施例2では、0.5nmのTaの層と0.5nmのCuの層とが交互に計7層に積層されており、比較例2では、1層の2nmのTaと1層の4.5nmのCuとが積層されている。
まず、これらの磁気記録ヘッドを用いて、一定量の発振のために必要となる電流の大きさを調べた。その結果、実施例2では3mAの電流で発振し、比較例2では4mAの電流で発振した。このことから、実施例2の磁気記録ヘッドは、電流を発振に変換する効率が高いことがわかった。
次に、これらの磁気記録ヘッドを磁気記録装置に装着し、情報の書き込みを行い、エラー率を測定した。このとき、発振用の電流の大きさを変更して測定した。その結果が図8に示される。図8から、実施例2は、測定した全ての電流において比較例2よりエラー率が低いことがわかった。
以上より、実施形態に係る磁気記録ヘッドを用いることで、電流を効率よく高周波磁界に変換することで、磁気記録媒体の保磁力を十分低下させることができ、結果としてエラーの小さい書き込みが可能となることがわかった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…磁気記録ヘッド、1…主磁極、11…先端部、12…絞り込み部、2…リターンヨーク、3…スピントルク発振子、31…発振層、32…スピン注入層、33…中間層、4…積層体、41a、41b、41c…非磁性金属層、5…コイル、6…電気回路、71…等電位面、72…電流、8、9…電極、200…磁気記録媒体、201…基板、202…軟磁性層、203…非磁性層、204…記録層、205…保護膜層、130…ヘッドスライダー、140…スピンドルモータ、150…磁気記録装置、154…サスペンション、155…アクチュエータアーム、156…ボイスコイルモータ、157…ピボット。

Claims (6)

  1. 磁気記録媒体に記録磁界を発生させるための主磁極と、
    前記主磁極と対を成すリターンヨークと、
    前記主磁極と前記リターンヨークとの間に設けられた、発振層およびスピン注入層を含むスピントルク発振子と、
    前記主磁極と前記スピントルク発振子との間および前記リターンヨークと前記スピントルク発振子との間の少なくとも一方に設けられた3層以上の非磁性金属層から成る積層体であって、前記非磁性金属層の厚さは0.5nm以上2nm以下であり、前記積層体の積層方向の長さは前記積層体の積層面内方向の最小の長さより小さい積層体と、
    前記積層体と前記スピントルク発振子との間に設けられた電極と
    を有する磁気記録ヘッド。
  2. 前記スピントルク発振子において、前記発振層と前記スピン注入層との間に中間層を含む請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  3. 前記積層体に含まれる隣接する2つの非磁性金属層は、互いに結晶構造が異なる請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  4. 前記積層体に含まれる隣接する2つの非磁性金属層は、一方が結晶質であり、他方が非晶質である請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  5. 前記積層体は、Ru、Cu、Au、Ag、Pt、Os、Ir、RhおよびAlから成る群から選択される非磁性金属層と、Ta、W、Cr、TiおよびMoから成る群から選択される非磁性金属層とが交互に積層されている請求項1に記載の磁気記録ヘッド。
  6. 垂直磁気記録媒体と、請求項1に記載の磁気記録ヘッドとを含む磁気記録再生装置。
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