JP2012011984A - 新幹線車両用ブレーキシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】新幹線車両用ブレーキシステムは、非常ブレーキ指令EBを受信して、該指令EBに応じた大きさの空気圧P1を発生させるブレーキ制御装置200と、予め定められた大きさの空気圧P2に調整する圧力調整弁311、及び、該指令EBのみに応じて空気圧P2を出力するか否かを選択する電磁弁312、を有する圧力発生部310と、空気圧P1とP2とが入力され、該入力された空気圧P1とP2との高い方の圧力を選択的に流通させる複式逆止弁320と、複式逆止弁320により選択された空気圧を油圧に変換する増圧シリンダ500とを備えている。そして、圧力発生部310から複式逆止弁320までの配管L2の長さが、ブレーキ制御装置200から複式逆止弁320までの配管L5及びL3の長さよりもかなり短い。
【選択図】図4
Description
以下、本発明の第1実施形態に係る新幹線車両用ブレーキシステムについて図面を参照しながら説明する。
新幹線車両用ブレーキシステム100は、図1に示すように、ブレーキパッド101をディスク102に押し付けることによってブレーキ力を発生させるものであって、上位システムから送信される常用ブレーキ指令NB及び非常ブレーキ指令EBを受信するブレーキ制御装置200と、非常ブレーキ指令EBのみを受信する空走時間短縮装置300と、車輪の滑走を防止するための滑走防止弁400と、ブレーキパッド101をディスク102に押し付ける増圧シリンダ500と、を備えている。
ブレーキ制御装置200は、常用ブレーキ指令NB又は非常ブレーキ指令EBを受信して、受信した当該常用ブレーキ指令NB又は非常ブレーキ指令EBに応じた大きさの第1空気圧P1を発生させる。具体的には、ブレーキ制御装置200は、図示しない応荷重弁から出力される車両荷重に対応した応荷重圧力を、受信したブレーキ指令NB又はEB及び車両速度に基づいて、増圧シリンダ500に出力する第1空気圧P1の大きさを調整して、目標の減速度になるようにフィードバック制御を行う。上記した常用ブレーキ指令NBは、ブレーキ制御装置200から出力される空気圧の大きさに応じて複数段(例えば、8段階)に区分された複数の指令を含んでいる。また、非常ブレーキ指令EBは、ブレーキ制御装置200から車両重量に対応した最も大きい空気圧を出力させる指令である。
そこで、空走時間を短縮するために、空走時間短縮装置300を設けている。ブレーキ指令NB,EBを受信して、これに応じて応荷重圧力を第1空気圧P1の大きさを調整するブレーキ制御装置200と比較して、空走時間短縮装置300は、非常ブレーキ指令EBのみを受信して、予め定められた大きさの第2空気圧P2を発生させる。なお、予め定められた大きさの第2空気圧P2の定常値は、図3に示すように、空車時における非常ブレーキ指令EBに応じた大きさの第1空気圧P1の定常値よりも低く設定されている。この空走時間短縮装置300は、図1に示すように、後述する滑走防止弁400の下流側(増圧シリンダ500側)に配置されている。1つの車両又は台車に1つだけ設けられるブレーキ制御装置200と異なり、台車毎又は車軸毎に空走時間短縮装置300が設けられているので、当該空走時間短縮装置300を増圧シリンダ500に近い位置に配置することが可能となる。
上記したブレーキ制御装置200の下流側で且つ空走時間短縮装置300の上流側には、滑走防止弁400が設けられている。この滑走防止弁400は、車輪を回転させる車軸毎に設けられており、車輪が滑走したときに、当該滑走を防止するために、ブレーキ制御装置200から出力される第1空気圧P1を低下させる。
図4に示すように、上記した複式逆止弁320の下流側には、増圧シリンダ500が設けられている。この増圧シリンダ500は、複式逆止弁320により選択された第1空気圧P1又は第2空気圧P2を油圧に増圧変換する。そして、この油圧によりブレーキパッド101をディスク102に押し付けることにより新幹線用車両のブレーキ力を発生させる。
次に、図4を参照して、非常ブレーキ作動時におけるブレーキ力の発生について詳細に説明する。図示しないブレーキレバーの操作によって、上位システムから非常ブレーキ指令EBが送信されると、ブレーキ制御装置200は、当該非常ブレーキ指令EB及び車両速度に従い、応荷重圧に応じた非常ブレーキに係る第1空気圧P1を発生させる。この第1空気圧P1は、配管L5を通過して、滑走防止弁400に出力されて、当該滑走防止弁400を通過した第1空気圧P1は、配管L3を通過して、複式逆止弁320に出力される。
本実施形態に係る新幹線車両用ブレーキシステム100では、圧力発生部310から複式逆止弁320までの配管長がブレーキ制御装置200から複式逆止弁320までの配管長よりもかなり短く、且つ、圧力発生部310が予め定められた大きさの第2空気圧P2を発生させる簡単な構成であるので、圧力発生部310から即座にブレーキ力を供給することができる。このため、非常ブレーキ時において、ブレーキ力の立ち上がり初期では、圧力発生部310からの第2空気圧P2が増圧シリンダ500に供給され、その後、ブレーキ制御装置200からの第1空気圧P1が第2空気圧P2よりも高くなったときに、ブレーキ制御装置200からの第1空気圧P1が増圧シリンダ500に供給されるように切り替わる。すなわち、非常ブレーキ指令EBの直後に、ブレーキ力を供給することができるので、空走時間を短縮することができる。
上記実施形態においては、新幹線車両用ブレーキシステム100が「新幹線車両用ブレーキシステム」に相当し、ブレーキ制御装置200が「第1圧力発生部」に相当し、圧力発生部310が「第2圧力発生部」に相当し、常用ブレーキ指令NBが「常用ブレーキ指令」に相当し、非常ブレーキ指令EBが「非常ブレーキ指令」に相当し、第1空気圧P1が「第1空気圧」に相当し、第2空気圧P2が「第2空気圧」に相当し、圧力調整弁311が「圧力調整部」に相当し、電磁弁312が「選択部」及び「出力制御弁」に相当し、複式逆止弁320が「複式逆止弁」に相当し、滑走防止弁400が「滑走防止部」に相当し、増圧シリンダ500が「増圧シリンダ」に相当する。
次に、本発明の第2実施形態に係る新幹線車両用ブレーキシステムについて、図5を参照しながら説明する。上記第1実施形態の空走時間短縮装置300は、通気容量に限界がある電磁弁312から増圧シリンダ500に第2空気圧P2を供給する構成であるから、増圧シリンダ500への供給容量を大きくしようとすると、特殊な電磁弁を用いる必要がありコストがかかる。そこで、この第2実施形態では、複式逆止弁320aへの第2空気圧P2の供給容量を大きくするために、中継弁312aを設け、当該中継弁312aから増圧シリンダ500に第2空気圧P2を供給している。以下、具体的に説明する。なお、この第2実施形態では、空走時間短縮装置300a以外の構成は、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を適宜割愛する。
第2実施形態に係る空走時間短縮装置300aを備えた新幹線車両用ブレーキシステムは、空走時間を短縮することができる効果の他に、中継弁312aを設けることにより、容量増幅された第2空気圧P2を増圧シリンダ500に出力することができる。その結果、ブレーキ力の立ち上がりがより早くなるので、空走時間をさらに短くすることができる。
上記実施形態においては、圧力発生部310aが「第2圧力発生部」に相当し、圧力調整弁311aが「圧力調整部」に相当し、中継弁312aが「中継弁」に相当し、電磁弁313aが「電磁弁」に相当し、複式逆止弁320aが「複式逆止弁」に相当する。
次に、本発明の第3実施形態に係る新幹線車両用ブレーキシステムについて、図6を参照しながら説明する。上記第1実施形態では、システムの小型化を図ることができるものの供給容量が小さい。これに対して、上記第2実施形態では、供給容量が大きいものの中継弁312aを設けることによりシステムが大型化する。そこで、この第3実施形態では、システムの大型化を抑制しつつ、増圧シリンダ500への供給容量をある程度確保するために、入力遮断弁312bを設け、当該入力遮断弁312bから増圧シリンダ500に第2空気圧P2を供給している。以下、具体的に説明する。なお、この第3実施形態では、空走時間短縮装置300b以外の構成は、第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を適宜割愛する。
第3実施形態に係る空走時間短縮装置300bを備えた新幹線車両用ブレーキシステムは、空走時間を短縮することができる効果の他に、圧力発生部310bを圧力調整弁311bと入力遮断弁312bとで構成することができるので、システムの大型化を抑制しつつ、増圧シリンダ500への供給容量を十分に確保することができる。
上記実施形態においては、圧力発生部310bが「第2圧力発生部」に相当し、圧力調整弁311bが「圧力調整部」に相当し、入力遮断弁312bが「選択部」及び「出力制御弁」に相当し、複式逆止弁320bが「複式逆止弁」に相当する。
200 ブレーキ制御装置
300 空走時間短縮装置
310,310a,310b 圧力発生部
311,311a,311b 圧力調整弁
312,313a 電磁弁
312a 中継弁
312b 入力遮断弁
320,320a,320b 複式逆止弁
400 滑走防止弁
500 増圧シリンダ
Claims (5)
- 常用ブレーキ指令又は非常ブレーキ指令を受信して、当該受信した常用ブレーキ指令又は非常ブレーキ指令に応じた大きさの第1空気圧を発生させる第1圧力発生部と、
前記第1圧力発生部とは別個に設けられ、空気源圧力を予め定められた大きさの第2空気圧に調整する圧力調整部、及び、前記非常ブレーキ指令に応じて前記圧力調整部で調整された前記第2空気圧を出力するか否かを選択する選択部、を有する第2圧力発生部と、
前記第1空気圧と前記第2空気圧とが入力され、当該入力された第1空気圧と第2空気圧との高い方の圧力を選択的に流通させる複式逆止弁と、
前記複式逆止弁により選択された空気圧を油圧に変換する増圧シリンダとを備え、
前記第2圧力発生部から前記複式逆止弁までの配管長が、前記第1圧力発生部から前記複式逆止弁までの配管長よりも短いことを特徴とする、新幹線車両用ブレーキシステム。 - 車輪の滑走を検知したときに前記第1空気圧を低下させる滑走防止部をさらに備え、
前記複式逆止弁は、前記滑走防止部よりも前記増圧シリンダ側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の新幹線車両用ブレーキシステム。 - 前記選択部は、前記非常ブレーキ指令に応じて前記圧力調整部で調整された前記第2空気圧を前記複式逆止弁に出力するか否かを選択する出力制御弁から構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の新幹線車両用ブレーキシステム。
- 前記選択部は、パイロット圧力に基づいて前記空気源圧力を容量増幅して出力する中継弁と、前記非常ブレーキ指令に応じて前記圧力調整部で調整された前記第2空気圧を前記パイロット圧力として前記中継弁に供給するか否かを選択する電磁弁とから構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の新幹線車両用ブレーキシステム。
- 前記圧力調整部で調整される前記第2空気圧は、空車時における前記非常ブレーキ指令に応じた大きさの前記第1空気圧よりも低く設定されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の新幹線車両用ブレーキシステム。
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