JP5120247B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御に関する。
従来、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させ、その液圧を配管を通じて各車輪のホイールシリンダに供給することにより車両に制動力を付与するブレーキ制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。液圧源とホイールシリンダとの間には、作動液としてのブレーキフルードの給排時に開閉される電磁駆動の制御弁が設けられている。
このブレーキ制御装置は、ブレーキペダルの操作等に応じた要求制動力が得られるよう目標ホイールシリンダ圧を演算し、検出されたホイールシリンダ圧がその目標ホイールシリンダ圧に近づくよう制御弁への通電量を調整するフィードバック制御を行っている。要求制動力の変化に応じて、そのフィードバック制御の制御ゲインが調整されている。
特開2007−313979号公報
ところで、このようなブレーキ制御装置においては、制御弁が組み込まれたアクチュエータブロックと、ホイールシリンダを含むキャリパとが配管を介して接続されている。キャリパは、サスペンションの動作によりアクチュエータブロックを搭載する車体側に対して上下に移動する。また、キャリパは、ステアリング操作によって車輪とその車輪が配置される車体端部との相対距離が変化する。したがって、アクチュエータブロックとキャリパを接続する配管は、これらの変位を吸収する構造が必要となり、配管の一部は例えばゴム等の弾性部材からなるフレキシブルホースにて形成される。
しかしながら、このようなフレキシブルホースはブレーキフルードの液圧変化に応じて直径方向の膨縮が生じて、配管全体としてのの容積を変化させるため、上述したフィードバック制御の応答性に影響を与えることがある。また、フレキシブルホースの直径方向の膨縮によりブレーキフルードに振動が発生する場合があり、この振動が車体側に伝わると、共振して異音を発生してしまう場合もあった。
そこで、本発明は、液圧回路とホイールシリンダとをつなぐ接続系に弾性部材要素が含まれていても、液圧制御における良好な応答性を確保可能であると共にブレーキフルードの液圧変化による振動を抑制可能なブレーキ制御技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、液圧源から各車輪のホイールシリンダに作動液を供給し、その液圧によって各車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置において、前記液圧源と各ホイールシリンダとを連通させる液圧通路が形成された液圧回路と、前記液圧回路に配置され、通電制御により開閉されて前記ホイールシリンダへの作動液の給排量を調整する制御弁と、部分的に弾性部材要素を含み、前記制御弁が開閉される液圧通路と前記ホイールシリンダとをつなぐ接続通路と、要求される制動力に応じた液圧制動力を発生させるようにホイールシリンダ圧の目標値である目標ホイールシリンダ圧を設定し、前記ホイールシリンダ圧が前記目標ホイールシリンダ圧に近づくよう前記制御弁への通電制御を実行する制御部と、を備え、前記弾性部材要素の少なくとも一部には、当該弾性部材要素の剛性特性を変化させる剛性可変アクチュエータが周設され、前記制御部は、前記ホイールシリンダ圧の圧力制御域において作動液の流速に応じて前記剛性可変アクチュエータを制御して前記弾性部材要素の剛性特性を変化させることを特徴とする。
ここでいう「要求される制動力」には、運転者によるブレーキ操作部材の操作に基づく要求制動力、回生制動力を考慮したうえでの液圧要求制動力、そのほか車両の走行制御に伴うスリップ制御等の各種アプリケーションの実行に伴う要求制動力が含まれうる。また、「ホイールシリンダ圧の制御」については、ホイールシリンダ圧そのものを直接制御するものでもよいし、その上流圧などホイールシリンダ圧と実質的に等価とみなせる液圧を制御することにより、結果的にホイールシリンダ圧を制御するものでもよい。制御弁は、液圧源からホイールシリンダへの作動液の供給を許容または遮断してその供給量を制御するものでもよいし、ホイールシリンダからの作動液の排出を許容または遮断してその排出量を制御するものでもよい。または、その双方を制御するものでもよい。「作動液の流速」は、ホイールシリンダに導入される作動液の流量(流速)そのもの、またはホイールシリンダから導出される作動液の流量(流速)そのものを評価してもよいし、これと等価とみなせる作動液の流量(流速)として評価してもよい。例えば、制御弁を通過する作動液の流量として評価してもよいし、ホイールシリンダにつながる接続通路に導入される作動液の流量または接続通路から導出される作動液の流量として評価してもよい。
弾性部材要素を含んで構成される配管は弾性部材の特性上高圧の作動液が内部を通過する場合、作動液の流速が所定速度より早いと通過初期段階で弾性部材が剛体であるかのような挙動を示す。つまり、作動液の圧力変化に弾性部材の膨張速度が追いつかずに作動液はあたかも剛体でできた配管の中を通過したような状態になる。その後弾性部材の膨張変形が遅れて生じる。ホイールシリンダ側の容積が変化しないものとすると通過初期段階で作動液の圧力が一時的に高くなり圧力の上昇曲線に突出した部分が生じて、目標圧に対するズレが生じて、ブレーキフィーリングを低下させる原因になる。また、この圧力変動により振動が生じて異音の発生原因になる場合がある。一方、通過する高圧流体の流速が所定速度より遅い場合、弾性部材の膨張変形は作動液の通過による圧力変動に追従することが可能となり、目標圧に対するズレが生じ難く、また圧力変動による振動が生じ難くなる。そこで、剛性可変アクチュエータは、弾性部材要素に対する外力付与状態を制御して剛性特性を変化させる。例えば、作動液が流れない状態または流速が遅い定常状態で、剛性可変アクチュエータにより弾性部材要素を所定量締め込んでおき、定常状態で弾性部材要素の剛性が高い状態にしておく。そして高圧の作動液が所定流速より速い速度で通過する場合、剛性可変アクチュエータを制御して弾性部材要素の締め込みを一時的に緩める。つまり、定常状態より膨張し易い状態にする。その結果、流速の早い作動液が通過する場合でも弾性部材要素は剛体のように振る舞うことが抑制され、急激な圧力上昇が緩和できて目標圧に対するズレや振動を生じ難くする。つまり、通過する作動液の流速の違いによる弾性部材要素の変形影響を除いた作動液応答性を確保することができる。
上記態様において、前記剛性可変アクチュエータは、前記弾性部材要素に巻き付けられたメッシュ部材と、当該メッシュ部材の軸方向の緊張状態を調整する調整機構で構成され、当該調整機構により前記メッシュ部材の巻付直径を変化させて前記弾性部材要素の剛性特性を変化させるようにしてもよい。この場合、メッシュ部材はメッシュの一部を引っ張ることにより軸方向の緊張状態を増大させて弾性部材要素に対する巻付直径を小さくすることができる。つまり、弾性部材要素の膨張動作を規制して実質的に剛性が高まったようにすることができる。また。メッシュ部材の一部の引っ張りを開放すれば、弾性部材要素の復元力により巻付直径は復帰する。メッシュ部材の緊張状態を調整する調整機構は、例えば、ステッピングモータやギアを用いた機構によって実現できる。この態様によれば、容易に剛性可変アクチュエータを構成すことができる。
また、上記態様において、前記剛性可変アクチュエータは、前記弾性部材要素に周設された膨縮可変部材と、当該膨縮可変部材の膨縮状態を調整する調整機構で構成され、当該調整機構により前記膨縮可変部材の前記弾性部材要素に対する付勢状態を変化させて前記弾性部材要素の剛性特性を変化させてもよい。膨張可変部材は、例えばブレーキシステムなどに搭載された高圧蓄圧源からの圧力により膨縮可能なバルーン体でもよいし、カム等のように表面の突出量が変化して実質的に形状が膨縮したとみせる部材でもよい。つまり、膨縮可変部材によって弾性部材要素の膨張動作を規制して実質的に剛性が高まったようにする。なお、膨縮可変部材の膨張状態を開放すれば、弾性部材要素は自身の弾性によりものと状態に戻る。この態様によれば、容易に剛性可変アクチュエータを構成すことができる。
また、上記態様において、前記制御部は、前記剛性可変アクチュエータによる剛性特性の変化状態にしたがって、前記通電制御の制御ゲインを設定してもよい。「制御ゲイン」は、制御弁の通電制御についてなされるフィードバック制御の制御ゲインであってもよいし、フィードフォワード制御の制御ゲインであってもよい。または双方の制御ゲインであってもよい。この態様によれば、剛性可変アクチュエータの制御により弾性部材要素の剛性特性の調整を行った上で制御ゲインの調整を行うので、通過する作動液の流速の違いによる弾性部材要素の変形の影響を排除したう上で制御ゲインの調整ができるのでハンチングを抑制したきめ細かい作動液の制御は実現できる。
本発明のブレーキ制御装置によれば、液圧回路とホイールシリンダとをつなぐ接続系に弾性部材要素が含まれていても、液圧制御における良好な応答性が確保できると共に、作動液の液圧変化による振動抑制ができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)について説明する。図1は、実施形態に係るブレーキ制御装置20を示す系統図である。
ブレーキ制御装置20は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。本実施形態に係るブレーキ制御装置20は、例えば、走行駆動源として電動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両に搭載される。このようなハイブリッド車両においては、車両の運動エネルギを電気エネルギに回生することによって車両を制動する回生制動と、ブレーキ制御装置20による液圧制動とのそれぞれを車両の制動に用いることができる。実施形態における車両は、これらの回生制動と液圧制動とを併用して所望の制動力を発生させるブレーキ回生協調制御を実行することができる。
ブレーキ制御装置20は、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット10と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40と、それらをつなぐ液圧回路とを含む。
ディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット10は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の運転者による操作量に応じて加圧されたブレーキフルードをディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出する。動力液圧源30は、動力の供給により加圧された作動流体としてのブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット10から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RL、マスタシリンダユニット10、動力液圧源30、および液圧アクチュエータ40のそれぞれについて以下で更に詳しく説明する。各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22とキャリパ80FR〜80RLに内蔵されたホイールシリンダ23FR〜23RLを含む。そして、各ホイールシリンダ23FR〜23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR〜23RLを総称して「ホイールシリンダ23」という。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、車輪と共に回転するブレーキディスク22に摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、実施形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット10は、実施形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を含む。液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に連結されており、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ35との双方と連通し、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。
動力液圧源30は、アキュムレータ35およびポンプ36を含む。アキュムレータ35は、ポンプ36により昇圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギとして、例えば14〜22MPa程度に変換して蓄えるものである。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続される。また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット10に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、ブレーキ制御装置20は、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35を有している。そして、マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続されている。これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。
液圧アクチュエータ40は、複数の液圧通路が形成されるアクチュエータブロックと、複数の電磁制御弁を含む。アクチュエータブロックに形成された液圧通路には、個別流路41、42,43および44と、主流路45とが含まれる。個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL,21RR,21RLのホイールシリンダ23FR、23FL,23RR,23RLに接続されている。これにより、各ホイールシリンダ23は主流路45と連通可能となる。
また、個別流路41,42,43および44の中途には、ABS保持弁51,52,53および54が設けられている。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46,47,48および49を介してリザーバ流路55に接続されている。減圧用流路46,47,48および49の中途には、ABS減圧弁56,57,58および59が設けられている。各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット10のリザーバ34に接続されている。
主流路45は、中途に分離弁60を有する。この分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされている。第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は、主流路45の第1流路45aに接続されており、レギュレータ流路62は、主流路45の第2流路45bに接続されている。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、シミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続されている。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられている。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを含むものであり、マスタカット弁64が閉状態にありシミュレータカット弁68が開状態になると運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69としては、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有するものが採用されると好ましい。
レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
実施形態においては上述のように、マスタシリンダユニット10のマスタシリンダ32は、次の各要素を含んで構成される第1の系統により前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに連通される。第1の系統は、マスタ配管37、マスタ流路61、マスタカット弁64、主流路45の第1流路45a、個別流路41および42、ABS保持弁51および52を含んで構成される。また、マスタシリンダユニット10の液圧ブースタ31およびレギュレータ33は、次の各要素を含んで構成される第2の系統により後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLに連通される。第2の系統は、レギュレータ配管38、レギュレータ流路62、レギュレータカット弁65、主流路45の第2流路45b、個別流路43および44、ABS保持弁53および54を含んで構成される。
よって、運転者によるブレーキ操作量に応じて加圧されたマスタシリンダユニット10における液圧は、第1の系統を介して前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに伝達される。また、後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLへは、第2の系統を介してマスタシリンダユニット10における液圧が伝達される。これにより、運転者のブレーキ操作量に応じた制動力を各ホイールシリンダ23に発生させることができる。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成されている。アキュムレータ流路63の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、他端は、アキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁67を介してリザーバ流路55に接続されている。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有しており、いずれもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される。以下の説明においては適宜、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67を総称して単に「リニア制御弁」ということがある。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧用制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対して共通の減圧用制御弁として設けられている。つまり、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、動力液圧源30から送出される作動流体を各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の調圧用制御弁として設けられている。このように増圧リニア制御弁66等を各ホイールシリンダ23に対して共通化すれば、ホイールシリンダ23ごとにリニア制御弁を設けるのと比べて、コストの観点からは好ましい。
なお、ここで、増圧リニア制御弁66の出入口間の差圧は、アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力と主流路45におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応し、減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧は、主流路45におけるブレーキフルードの圧力とリザーバ34におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応する。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力に応じた電磁駆動力をF1とし、スプリングの付勢力をF2とし、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧に応じた差圧作用力をF3とすると、F1+F3=F2という関係が成立する。従って、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力を連続的に制御することにより、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧を制御することができる。
ブレーキ制御装置20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、実施形態における制御部としてのブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU70は、上位のハイブリッドECU(図示せず)などと通信可能であり、ハイブリッドECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54,56〜59,60,64〜68を制御して、ブレーキ回生協調制御を実行可能である。
また、ブレーキECU70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。各圧力センサ71〜73の検出値は、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、実施形態においては、各圧力センサ71〜73は自己診断機能を有しており、センサ内部での異常の有無をセンサごとに検出し、ブレーキECU70に異常の有無を示す信号を送信することができる。
分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合、制御圧センサ73の出力値は、増圧リニア制御弁66の低圧側の液圧を示すと共に減圧リニア制御弁67の高圧側の液圧を示すので、この出力値を増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の制御に利用することができる。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67が閉鎖されていると共に、マスタカット弁64が開状態とされている場合、制御圧センサ73の出力値は、マスタシリンダ圧を示す。更に、分離弁60が開放されて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通しており、各ABS保持弁51〜54が開放される一方、各ABS減圧弁56〜59が閉鎖されている場合、制御圧センサの73の出力値は、各ホイールシリンダ23に作用する作動流体圧、すなわちホイールシリンダ圧を示す。
さらに、ブレーキECU70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25も含まれる。ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキECU70に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えば、ブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどがある。
上述のように構成されたブレーキ制御装置20は、ブレーキ回生協調制御を実行することができる。ブレーキ制御装置20は制動要求を受けて制動を開始する。制動要求は、車両に制動力を付与すべきときに生起される。制動要求は例えば、運転者がブレーキペダル24を操作した場合や、走行中に他の車両との距離を自動制御している際に当該他の車両との距離が所定の距離よりも狭まった場合などに生起される。
制動要求を受けて、ブレーキECU70は、要求総制動力から回生による制動力を減じることにより、ブレーキ制御装置20により発生させるべき制動力である要求液圧制動力を算出する。ここで、回生による制動力は、ハイブリッドECUからブレーキ制御装置20に供給される。そして、ブレーキECU70は、算出した要求液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧(「目標ホイールシリンダ圧」ともいう)を算出する。ブレーキECU70は、ホイールシリンダ圧が目標ホイールシリンダ圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66や減圧リニア制御弁67に対する供給電流の値を決定する。
その結果、ブレーキ制御装置20においては、動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介してブレーキフルードが各ホイールシリンダ23に供給されて車輪に制動力が付与される。また、各ホイールシリンダ23からブレーキフルードが減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が調整される。なお、このとき、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65を閉状態とし、レギュレータ33から送出されるブレーキフルードが主流路45へ供給されないようにする。更にブレーキECU70は、マスタカット弁64を閉状態とするとともにシミュレータカット弁68を開状態とする。これは、運転者によるブレーキペダル24の操作に伴ってマスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードがストロークシミュレータ69へと供給されるようにするためである。
また、ブレーキ制御装置20は、各車輪の路面に対する滑りを抑制するための、いわゆるABS(Anti-lock Brake System)制御、VSC(Vehicle Stability Control)制御、及びTRC(Traction Control)制御を実行することができる。ABS制御は、急ブレーキ時や滑りやすい路面でブレーキをかけたときに起こるタイヤのロックを抑制するための制御である。VSC制御は、車両の旋回時における車輪の横滑りを抑制するための制御である。TRC制御は、車両の発進時や加速時に駆動輪の空転を抑制するための制御である。これらのABS制御等が行われる場合にはブレーキ回生協調制御は実行されず、要求制動力はブレーキ制御装置20が発生させる液圧制動力でまかなわれる。なお、これらの車輪の滑りを抑制するための制御を総称して、以下では適宜「ABS制御等」と称する。
ブレーキECU70が、ABS制御等を実行するために必要な演算等を行う。ブレーキECU70は、車両減速度やスリップ率等に基づいて公知の手法により算出された所定のデューティ比でABS保持弁51〜54、ABS減圧弁56〜59を開閉する。ABS保持弁51〜54を開状態とすることにより、ABS保持弁51〜54の上流に設けられた共通の制御弁である増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67により調圧されたブレーキフルードが各ホイールシリンダ23に供給される。また、ABS減圧弁56〜59を開状態とすることにより、各ホイールシリンダ23のブレーキフルードがリザーバ34へと排出される。これにより、各ホイールシリンダ23にブレーキフルードが給排され、車輪の滑りが抑制されるように各車輪に付与される制動力が制御される。
次に、実施の形態におけるブレーキ制御方法について詳細に説明する。なお、以下においては説明の便宜上、増圧リニア制御弁66からの作動液の供給対象となるホイールシリンダ23や主流路45等の容積、言い換えれば増圧リニア制御弁66から送出された作動流体が流入可能である容積を「消費油量」という。また、開状態とされたABS保持弁51〜54の数を、ABS保持弁51〜54の「開弁数」という。
ABS制御等の車輪の滑りを抑制するための制御の実行中には、ABS保持弁51〜54の開閉状態に応じて消費油量が変動する。例えば、ABS保持弁51〜54の開弁数が増加すれば消費油量は増大し、逆に、ABS保持弁51〜54の開弁数が減少すれば消費油量は減少する。このようなABS保持弁51〜54の開閉に伴う消費油量の変動に起因してABS保持弁51〜54の一次側の液圧も変動する場合があるため、ABS制御等を実行する際には、ABS保持弁51〜54の一次側の液圧を安定に保持できるのが望ましい。なお、ここでいう「一次側の液圧」とは、ABS保持弁51〜54の上流かつ増圧リニア制御弁66の下流の液圧、言い換えれば、主流路45における液圧である。以下の説明では、この一次側の液圧を「保持弁上流圧」ともいう。本実施形態では、このようなABS制御等における一次側の液圧変動を考慮し、消費油量特性に基づくホイールシリンダ圧のフィードバック制御を行っている。
図2は、ブレーキ制御装置における液圧アクチュエータとホイールシリンダとの接続系を概念的に表す模式図である。本実施の形態において、液圧アクチュエータ40と各車輪に設置されたキャリパ80とは図示のような接続系を介して接続されている。すなわち、液圧アクチュエータ40の各個別流路41〜44と各ホイールシリンダ23とは、鋼管82およびフレキシブルホース84を含む配管を介して接続されている。フレキシブルホース84はゴム等の弾性部材要素からなり、長さ的に所定の遊びが設けられて配置されている。このように配管の一部に長さの遊びがありかつ可撓性を有する部材を使用することで、車体側と車輪側の相対位置の変化が容易に許容できるようにしている。具体的には、車輪側に設けられたキャリパ80は、サスペンションの動作により液圧アクチュエータ40を搭載する車体側に対して上下に移動する。また、ステアリング操作により車輪が転舵されることによってもキャリパ80と車体側との相対距離が変化する。フレキシブルホース84の遊び長さと可撓性により上述のような上下移動や相対距離の変化が生じた場合でも配管に不要なストレスを与えないようにしている。
周知のようにキャリパ80には一対のブレーキパッド86が配置され、そのブレーキパッド86によりブレーキディスク22を挟圧することにより、車輪に制動力が付与される。配管を通って供給されたブレーキフルードがホイールシリンダ23に満たされることでホイールシリンダ圧を生成し、そのホイールシリンダ圧による押圧力がピストン88を介してブレーキパッド86に伝達される。ピストン88の外周面にはシール部材90が配置され、ホイールシリンダ23内に導入されたブレーキフルードが外部に漏洩することを防止している。
このように、液圧アクチュエータ40とホイールシリンダ23とを接続する接続通路には、フレキシブルホース84のような可撓性を有する弾性部材要素が存在する。この弾性部材要素はブレーキフルードの液圧に応じて変形し、接続通路の体積を変化させるため、上述したフィードバック制御の応答性に影響を与える可能性がある。
図3は、接続系へのブレーキフルードの導入体積とホイールシリンダ圧との関係を表す実験結果を示す図である。同図の横軸は導入体積を表し、縦軸はホイールシリンダ圧(「W/C圧」と表記)を表している。図中の実線は、接続系を介してホイールシリンダに導入されるブレーキフルードの流量(流速)が中程度の場合の変化を表し、一点鎖線は流量がそれよりも大きい場合の変化を表し、破線は流量がそれよりも小さい場合の変化を表している。
同図によれば、同じ接続系に同じ体積のブレーキフルードを導入しても、そのブレーキフルードの流量(流速)によってホイールシリンダ圧の上昇の様子が変わることが分かる。図中点線にて囲んだ圧力の立ち上がりの体積が異なっている。流速が大きいほど圧力の立ち上がりが早く、流速が小さいほど圧力の立ち上がりが遅くなっている。このことは、ブレーキフルードの消費油量特性が接続系に導入されるブレーキフルードの流量によって変化することを意味する。
このような消費油量特性の発生原因をさらに詳細に説明する。フレキシブルホース84を含む配管は弾性部材要素の特性上高圧のブレーキフルードが内部を通過する場合、ブレーキフルードの流速が所定速度より早いと通過初期段階でフレキシブルホース84が剛体であるかのような挙動を示す。つまり、ブレーキフルードの圧力変化にフレキシブルホース84の膨張速度が追いつかずにブレーキフルードはあたかも剛体でできた配管の中を通過したような状態になる。その後フレキシブルホース84の膨張変形が遅れて生じる。このような剛性特性の変化の結果、初期段階でブレーキフルードは膨張を伴わない配管内を通過することとなり膨張を伴う場合より圧力が一時的に高くなったかのような状態になる。図4は、図3の点線で囲んだ部分の拡大図であり、初期段階の剛性特性が「硬」となり一時的な圧力上昇により「突部P1」が形成され、その後フレキシブルホース84の膨張動作の追従により「窪部P2」が形成されている状態が示されている。このように圧力の上昇曲線に突部P1、窪部P2が生じることにより目標圧に対するズレが生じてブレーキフィーリングの低下の原因になっていた。またこの圧力変動により振動が生じて、その振動が車体側に伝達されると異音の原因になる場合があった。
一方、通過する高圧のブレーキフルードの流速が所定速度より遅い場合、フレキシブルホース84の膨張変形はブレーキフルードの通過による圧力変動に追従することが可能となり、突部P1や窪部P2の発生はない。その結果、目標圧に対するズレが生じ難く、また圧力変動による振動が生じ難くなる。
そこで、本発明者らは、フレキシブルホース84の剛性が内部を流れるブレーキフルードの流速に応じて変化させられれば、流速の違いによる圧力の変動を軽減できると共に振動の発生も抑制できるとの考えに至った。
図5は、本実施形態のフレキシブルホース84の剛性特性を変化させるための剛性可変アクチュエータ100の構成概念及び動作を説明する説明図である。本実施形態では、剛性可変アクチュエータ100は、金属細線などの繊維部材を編み目状に編み込んだメッシュ部材102と、このメッシュ部材102の軸方向の緊張状態を調整する調整機構104で構成されている。メッシュ部材102は筒形状であり、フレキシブルホース84の少なくとも一部に周設されている。調整機構104は例えば、ステッピングモータやギアを含み、メッシュ部材102の一部の繊維を引っ張ることによりメッシュ部材102の巻付直径を変化させて軸方向の緊張状態を調整する。図5(a)は、調整機構104による引っ張り駆動が行われていない非緊張状態または低緊張状態を示している。つまり、フレキシブルホース84に対しメッシュ部材102の締め込みがなく、メッシュ部材102の周設部分におけるフレキシブルホース84の直径方向の膨張を許容できる状態になっている。
一方、図5(b)は、調整機構104により矢印A方向に引っ張り駆動が行われている緊張状態を示している。つまり、フレキシブルホース84に対しメッシュ部材102の締め込みが実施され、メッシュ部材102の周設部分におけるフレキシブルホース84の直径方向の膨張が抑制または禁止された状態になっている。つまり、この状態では、フレキシブルホース84は剛体として振る舞い、ブレーキフルードの流速に拘わらず実質的に同じ直径状態になる。なお、調整機構104による矢印A方向への引っ張り駆動を解除すれば、フレキシブルホース84自身の弾性、及び内部を通過するブレーキフルードの圧力により形状復元するので、メッシュ部材102の状態も図5(a)に示す状態に復帰する。
メッシュ部材102はフレキシブルホース84の一部の範囲に周設すれば、フレキシブルホース84全体としての剛性特性を変化させることができる。逆にフレキシブルホース84の全範囲に周設するとフレキシブルホース84の可撓性が低下する。したがって、メッシュ部材102の周設範囲は剛性特性の変化量と可撓性を考慮し試験などによって決定することが望ましい。
次に、ブレーキフルードがフレキシブルホース84を通過するときに発生していた突部P1や窪部P2を抑制するようなメッシュ部材102の設定例を説明する。定常時、つまりブレーキフルードの流動がない場合、または低流速の場合に、調整機構104を例えばフル駆動の30%程度動作させて、メッシュ部材102を弱緊張状態とする。つまり、フレキシブルホース84の直径を僅かに減少させて剛性特性をフレキシブルホース84固有の剛性特性より高くしておく。そして、予め定められた流速より早い流速でブレーキフルードがフレキシブルホース84内部を通過すると判断された場合、調整機構104をメッシュ部材102が弛緩する方向に駆動して、フレキシブルホース84が膨張できる状態にする。この場合、フレキシブルホース84はメッシュ部材102による強制的な締付けから開放されることになるので、締付けのない状態で内部圧力の上昇により膨張する場合に比べて速い速度で膨張が可能となる。その結果、一時的に圧力上昇が抑制され、図4に示す突部P1の発生が軽減できる。また、それに伴い窪部P2の発生も軽減できる。そして、ブレーキフルードの導入体積の増加、つまり時間の経過と共にフレキシブルホース84内での流速が次第に遅くなるので、図4または図3に示すようにホイールシリンダ圧は滑らかな上昇を示す。このように、ブレーキフルードの流速に応じて剛性可変アクチュエータ100を駆動してフレキシブルホース84の剛性特性を変化させることにより、ブレーキフルードの流速による圧力変動を抑制して応答性の改善、ブレーキフィーリングの低下防止に寄与できる。また、圧力変動が抑制できるのでそれに伴う振動の発生が抑制できて、異音の発生原因も排除できる。
なお、ブレーキフルードの流速が所定のしきい値より遅くなった場合、調整機構104を再度駆動して当初設定状態の30%に戻してもよい。この場合、次の制動動作で再びブレーキフルードの流速がしきい値を越えた場合に迅速な剛性特性の調整が可能となり、安定した応答性を確保できる。
前述したように本実施形態では、ABS制御等における一次側の液圧変動を考慮し、消費油量特性に基づくホイールシリンダ圧のフィードバック制御を行っている。具体的には、ブレーキECU70は、ABS保持弁51〜54の開閉により消費油量が増大するときにはフィードバック制御の制御ゲインを増大し、消費油量が減少するときには制御ゲインを減少させる。その結果、ABS保持弁51〜54の開閉による消費油量の増減に伴って、増圧リニア制御弁66に供給される制御電流が増減される。
さらに、本実施の形態において、フィードバック制御における消費油量の変化による液圧制御の応答性低下を抑制するために、ブレーキECU70が、フレキシブルホース84の変形等の影響が考慮された適切な消費油量特性を参照するようにしてもよい。前述したように、液圧アクチュエータ40とホイールシリンダ23とを接続する接続通路には、フレキシブルホース84が存在する。このフレキシブルホース84はブレーキフルードの液圧に応じて変形し、接続通路の体積を変化させるため、フィードバック制御の応答性に影響を与える可能性がある。すなわち、ブレーキペダル24の踏み込み操作やABS保持弁51〜54の開弁数に基づく制御ゲインの調整のみでは、液圧制御の応答性が十分に得られないことがある。特に液圧制御の初期においてホイールシリンダ圧の立ち上がりの遅れや、振動的な状態を発生することがある。前述したように、接続系へのブレーキフルードの導入体積が同じであっても、ブレーキフルードの導入速度(流量)により液圧剛性が変化し、液圧上昇の状態が異なる。そして、上述した液圧制御の応答性や安定性についても、接続系に導入されるブレーキフルードの流量(流速)が影響している。
本実施形態では、このようなブレーキフルードの流速による消費油量特性の変化が、弾性部材要素の圧縮速度と導入流量(速度)との差に起因しているとして、参照する消費油量モデルの最適化を行う。そして、その消費油量モデルに基づいてフィードバック制御の制御ゲインを決定している。つまり、目標とする液圧応答(導入したい流量)に応じて消費油量特性を変更する。ブレーキECU70は、この消費油量モデルを用いて制御ゲインを逐次演算してもよいし、ブレーキフルードの流量に応じて消費油量モデルと制御ゲインとを対応づけた複数の制御マップを保持し、いずれかの制御マップを用いて制御ゲインを決定してもよい。
具体的には、ブレーキ系の弾性変形の式、リニア制御弁を通過するブレーキフルードの流量の関係式、弾性部材の運動方程式等を用いて消費油量モデルを設定する。
すなわち、ブレーキ系の弾性変形について、接続系の総体積をVとし、接続系に送り出されたブレーキフルードの体積をΔVとすると、ホイールシリンダ圧の圧力上昇ΔPは下記式(1)にて表される。
ΔP=E・(ΔV/V) ・・・(1)
ここで、総体積Vは、鋼管82およびフレキシブルホース84を含む配管内の体積と、ホイールシリンダ23においてブレーキフルードが導入されているピストン88の背面側の体積とを合わせた体積である。また、体積ΔVは、リニア制御弁から保持弁を介して接続系に送り出されたブレーキフルードの体積である。Eは体積弾性係数である。
一方、リニア制御弁を通過するブレーキフルードの流量Qは、そのリニア制御弁の前後差圧(上流と下流の圧力差)pの関数であり、下記式(2)にて表される。
Q=f(p) ・・・(2)
この関数f(p)には、公知のいわゆるオリフィスの式やチョークの式が適用されるが、その詳細については説明を省略する。
このとき、リニア制御弁が送出したブレーキフルードの体積ΔVは、下記式(3)にて表される。
ΔV=∫Qdt ・・・(3)
ここで、上記式(2)のリニア制御弁の前後差圧pは、増圧リニア制御弁66の前後差圧として、アキュムレータ圧センサ72により検出されたアキュムレータ圧Pacと、制御圧センサ73により検出された主流路45の圧力(保持弁上流圧)Prとの差圧(Pac−Pr)として算出される。この前後差圧pを上記式(2)に代入し、算出された流量Qを上記式(3)に代入してサンプリング時間にて積分すると、そのサンプリング時間に接続系に送り出されたブレーキフルードの体積ΔVが算出される。この体積ΔVは上記式(1)に反映させることができる。
一方、ピストン88の運動方程式として、下記式(4)が成立する。
Figure 0005120247
ここで、Fは、ピストン88に作用するホイールシリンダ圧による押圧力である。mはピストン88の質量であり、cはブレーキフルードの粘性係数であり、kはフレキシブルホース84およびシール部材90を含む接続系に配置された弾性部材の弾性係数である。なお、弾性部材が単純なばねではないため、弾性定数kは非線形な特性を有するが、その詳細については説明を省略する。
上記式(4)において、押圧力Fは、ホイールシリンダ圧Pwcとピストン88の受圧面積Aとの積(Pwc・A)から算出可能である。したがって、同式よりピストン88の変位量xが求まると、ピストン88の受圧面積Aとその変位量xとの積(A・x)によりキャリパ80の体積変化Vwが算出される。この体積変化Vwを上記式(1)の総体積Vに反映させることができる。
以上のようにして上記式(1)に体積ΔVおよび総体積Vが反映されることにより、ホイールシリンダ圧の圧力上昇ΔP、つまり保持弁上流圧の目標圧力勾配が設定可能となる。この目標圧力勾配を実現する液圧を目標液圧として設定し、制御ゲインを設定することができる。本実施の形態においては、制御ゲインと圧力上昇ΔPとの関係が、リニア制御弁を通過するブレーキフルードの流量(流速)Qを基準に予め対応づけられた複数の制御マップが用意されている。
すなわち、本実施の形態では、上記式(1)の体積弾性係数Eがブレーキフルードの流量Qに応じて変化する、つまり体積弾性係数Eが変数であることを考慮し、この流量Qをパラメータとした複数の制御マップが設定されている。ブレーキECU70は、この流量Qの変化に応じて制御マップを切り替え、接続系へのブレーキフルードの導入体積ΔVに応じて制御ゲインを設定する。流量Qは上記式(2)から算出され、導入体積ΔVは上記式(3)から算出される。
図3にも示されるように、リニア制御弁を介して導入されるブレーキフルードの導入体積が同じであっても、その導入速度が大きいほど液圧の立ち上がりが早くなり、ホイールシリンダ圧が上昇しやすくなる。このため、本実施形態では、同じ目標ホイールシリンダ圧を達成する場合であっても、ブレーキフルードの導入速度が高いほど、制御ゲインが相対的に小さくなる制御マップが選択される。
図6は、ブレーキ制御処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートでは、ブレーキフルードの流速に応じた剛性可変アクチュエータ100による剛性特性の調整処理とフィードバック制御における制御ゲインの選択処理をあわせて行う例を示している。ブレーキECU70は、同図に示される処理を制動時に所定の周期、例えば数msecごとに実行する。
ブレーキECU70は、制動要求があったと判定すると(S100のY)、制御対象となる保持弁上流圧の目標液圧Pを算出する(S102)。すなわち、ブレーキペダル24の操作量に基づいて算出される要求制動力から回生制動力を減算して得られる要求液圧制動力に基づき、各ホイールシリンダ圧の目標値を算出し、その目標値に応じて保持弁上流圧の目標液圧Pを設定する。
続いて、ブレーキECU70は、この目標液圧Pから増圧リニア制御弁66を通過させるべきブレーキフルードの目標流量Qを演算する(S104)。この目標流量Qは、アキュムレータ圧センサ72により検出されたアキュムレータ圧Pacと、制御圧センサ73により検出された保持弁上流圧の実際の値(実液圧)Prとを取得し、これらの差圧を上記式(2)に代入することにより算出できる。
次に、ブレーキECU70は制動要求に対する目標応答速度を取得する(S106)。この目標応答速度は、目標液圧Pに対する液圧の変化率から取得することができる。そして、目標応答速度が予め設定したしきい値を越えた場合(S108のY)、大流速で導入されるブレーキフルードによる圧力変動でフレキシブルホース84を膨張させようとする速度がフレキシブルホース84自身の固有膨張速度を越えていると判定する。そのため、ブレーキECU70は、剛性可変アクチュエータ100による剛性特性を調整するために調整量の演算を行う(S110)。ここで、剛性特性の調整を行うか否か決定するしきい値は、予め試験などにより決定しておくことができる。つまり、図4に示す突部P1や窪部P2が形成されるときの流速を求めておき、その流速を応答速度のしきい値をする。なお、このしきい値は、車両特性やフレキシブルホース84の構成等によって異なるので、例えば車種ごとに定めておくことが望ましい。別の実施例では、大型車、中型車、小型車などでしきい値を分類してもよい。また、剛性調整量は、例えば、応答速度と剛性調整量とが対応付けられた調整マップを準備しておき、応答速度によって剛性調整量を決定することができる。このようなマップを準備することにより演算負荷の軽減が可能になり迅速な制御処理ができる。
なお、剛性調整量の決定は、調整マップの他に、例えば関係式を作成しておき、制御のたびに演算により算出するようにしてよい。
ブレーキECU70は、剛性調整量を取得したらその調整量に基づき剛性可変アクチュエータ100を駆動してフレキシブルホース84の剛性特性の調整を行う(S112)。このように、ブレーキフルードの流速に応じてフレキシブルホース84の剛性特性を変化させることにより、ブレーキフルードの流速による圧力変動を抑制して、応答性の変動を抑制すると共に振動の発生を抑制する。なお、S108において、目標応答速度がしきい値未満の場合(S108のN)、S110,S112の処理をスキップする。
また、ブレーキECU70は、フレキシブルホース84の剛性特性の調整を行うか否かの処理と平行または連続して、フィードバック制御時の制御ゲインを複数の制御マップのなかから、目標流量Qに対応するものを選択し(S114)、制御ゲインを設定する(S116)。
ブレーキECU70は、このように設定された制御ゲインを用いてリニア制御弁の制御を実行する(S118)。すなわち、目標液圧Pと実液圧Prとの偏差にこの制御ゲインを積算することによりフィードバック電流を設定し、制御電流に含めて増圧リニア制御弁66へ供給する。なお、S100において制動判定がされなかった場合には(S100のN)、S102以降をスキップして本処理を一旦終了する。
本実施例では、上述したようにブレーキフルードの流速に応じた剛性可変アクチュエータ100による剛性特性の調整処理とフィードバック制御時の制御ゲインの選択処理をあわせて行っている。図7は、制御ゲインの調整のみでブレーキ制御装置20の制御を行う場合と、剛性特性の調整処理と制御ゲインの選択処理をあわせて行う場合の効果の違いを説明する説明図である。制御ゲインの調整のみでブレーキ制御装置20の制御を行って、フレキシブルホース84の膨張(体積変動)による影響を調整しようとする場合、図7に模式的に丸マークで示すようにゲイン変動量が大きくなる。その結果、制御時にハンチングが現れやすくなる。一方、剛性特性の調整処理と制御ゲインの選択処理をあわせて行う場合、フレキシブルホース84の膨張(体積変動)による影響を調整した上で制御ゲインを調整する。つまり、図7に模式的に丸マーク及び四角マークで示すようにゲイン変動量を小さく抑えることができる。その結果、制御時にハンチングが現れ難くなりきめ細かな液圧制御が可能となる。
図8は、剛性可変アクチュエータ100の他の構造例を説明する説明図である。この例において、剛性可変アクチュエータ100は、フレキシブルホース84に周設された膨縮可変部材としてのバルーン体106と、当該バルーン体106の膨縮状態を調整する調整機構108で構成されている。調整機構108は、リザーバ34とこのリザーバ34からブレーキフルードを汲み上げてバルーン体106に供給して膨縮状態を変化させるポンプ110とで構成されている。調整機構108によりバルーン体106の膨縮状態を変化させることによりフレキシブルホース84に対する付勢状態を変化させて剛性特性を変化させる。その結果、図5に示す剛性可変アクチュエータ100と同様な機能を果たすことができる。なお、調整機構108は、例えばブレーキシステムなどに搭載されたアキュムレータ35に蓄圧された圧力を用いてもよい。また、膨縮可変部材をカム等のように表面の突出量が変化して実質的に形状が膨縮したと見なせるような部材により押圧力を変化させてフレキシブルホース84の剛性特性を変化させるものでもよい。この場合も、剛性可変アクチュエータ100の動作を開放すれば、フレキシブルホース84は自身の復元力により形状を復元して調整可能状態に戻る。なお、剛性可変アクチュエータの構成は一例であり、フレキシブルホース84の剛性特性を変化させるものであれば、適用可能であり本実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
実施形態に係るブレーキ制御装置を示す系統図である。 ブレーキ制御装置における液圧アクチュエータとホイールシリンダとの接続系を概念的に表す模式図である。 接続系へのブレーキフルードの導入体積とホイールシリンダ圧との関係を表す実験結果を示す図である。 図3に示す点線で囲んだ部分の拡大図である。 本実施形態のフレキシブルホースの剛性特性を変化させるための剛性可変アクチュエータの構成概念及び動作を説明する説明図である。 本実施形態のブレーキ制御処理を示すフローチャートである。 制御ゲインの調整のみでブレーキ制御装置の制御を行う場合と、剛性特性の調整処理と制御ゲインの選択処理をあわせて行う場合の効果の違いを説明する説明図である。 本実施形態のフレキシブルホースの剛性特性を変化させるために剛性可変アクチュエータの他の構成概念を説明する説明図である。
符号の説明
10 マスタシリンダユニット、 20 ブレーキ制御装置、 22 ブレーキディスク、 23 ホイールシリンダ、 24 ブレーキペダル、 30 動力液圧源、 40 液圧アクチュエータ、 45 主流路、 51〜54 ABS保持弁、 56〜59 ABS減圧弁、 66 増圧リニア制御弁、 67 減圧リニア制御弁、 70 ブレーキECU、 72 アキュムレータ圧センサ、 73 制御圧センサ、 80 キャリパ、 82 鋼管、 84 フレキシブルホース、 86 ブレーキパッド、 88 ピストン、 90 シール部材、 100 剛性可変アクチュエータ、 102 メッシュ部材、 104 調整機構、 106 バルーン体、 108 調整機構。
110 ポンプ。

Claims (4)

  1. 液圧源から各車輪のホイールシリンダに作動液を供給し、その液圧によって各車輪に制動力を付与するブレーキ制御装置において、
    前記液圧源と各ホイールシリンダとを連通させる液圧通路が形成された液圧回路と、
    前記液圧回路に配置され、通電制御により開閉されて前記ホイールシリンダへの作動液の給排量を調整する制御弁と、
    部分的に弾性部材要素を含み、前記制御弁が開閉される液圧通路と前記ホイールシリンダとをつなぐ接続通路と、
    要求される制動力に応じた液圧制動力を発生させるようにホイールシリンダ圧の目標値である目標ホイールシリンダ圧を設定し、前記ホイールシリンダ圧が前記目標ホイールシリンダ圧に近づくよう前記制御弁への通電制御を実行する制御部と、を備え、
    前記弾性部材要素の少なくとも一部には、当該弾性部材要素の剛性特性を変化させる剛性可変アクチュエータが周設され、
    前記制御部は、前記ホイールシリンダ圧の圧力制御域において作動液の流速に応じて前記剛性可変アクチュエータを制御して前記弾性部材要素の剛性特性を変化させることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記剛性可変アクチュエータは、前記弾性部材要素に巻き付けられたメッシュ部材と、当該メッシュ部材の軸方向の緊張状態を調整する調整機構で構成され、当該調整機構により前記メッシュ部材の巻付直径を変化させて前記弾性部材要素の剛性特性を変化させることを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記剛性可変アクチュエータは、前記弾性部材要素に周設された膨縮可変部材と、当該膨縮可変部材の膨縮状態を調整する調整機構で構成され、当該調整機構により前記膨縮可変部材の前記弾性部材要素に対する付勢状態を変化させて前記弾性部材要素の剛性特性を変化させることを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記制御部は、前記剛性可変アクチュエータによる剛性特性の変化状態にしたがって、前記通電制御の制御ゲインを設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
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