JPH10157595A - 鉄道車両用ブレーキ装置 - Google Patents

鉄道車両用ブレーキ装置

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JPH10157595A
JPH10157595A JP33451896A JP33451896A JPH10157595A JP H10157595 A JPH10157595 A JP H10157595A JP 33451896 A JP33451896 A JP 33451896A JP 33451896 A JP33451896 A JP 33451896A JP H10157595 A JPH10157595 A JP H10157595A
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solenoid valve
brake
excitation
state
valve device
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JP33451896A
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Yasuo Nakao
康雄 中尾
Katsuji Takada
勝治 高田
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Nabco Ltd
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Nabco Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構造からなる鉄道車両用ブレーキ装置
であって、大容量な滑走防止弁を、高速に駆動して且つ
長時間連続して駆動維持させ得るブレーキ装置を提供す
る。 【解決手段】 車輪の滑走状態の検知信号に基づき、当
該車輪に対応する滑走防止用の電磁弁装置に対してその
駆動に要する定格電圧以上の励磁電圧を一定時間印加し
た後、電磁弁装置の駆動状態を維持するための、定格電
圧より低い励磁電圧を印加する電磁弁制御装置61を備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用のブレ
ーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、新幹線等の鉄道車両に備え
られるブレーキ装置は、ブレーキ指令に基づく空気圧を
増圧シリンダによって油圧に変換し、この油圧をブレー
キ力発生部に供給して車輪に対する制動力を与える。図
4は、特開平2−262459号公報に記載された従来
の鉄道車両用ブレーキ装置の概略構成を示す図である。
図において、ブレーキ設定器1のハンドル1aを操作す
ると、その操作量に応じたブレーキ信号がブレーキ指令
線2を介して出力され、このブレーキ信号はブレーキ制
御部3によって、車両重量や車速に応じた空気圧Bca
に変換される。空気圧Bcaは、車両の台車ごとに2個
(従って1車両に4個)設けられている増圧シリンダ5
に供給され、ここで油圧に変換され増圧される。各増圧
シリンダ5にはブレーキ力発生部であるキャリパ装置4
が一対接続されていて、増圧シリンダ5から与えられた
油圧により対応する車輪を制動する。
【0003】図5は、図4に示した増圧シリンダ5の詳
細な構成を示すブロック図である。ブレーキ制御部3
(図4)から出力された空気圧Bcaは、通路Laから
ポートPaを介して切換弁19の第1切換部を構成する
第1の弁室19a及び第1の出力室19bに流入した
後、ポートPbから通路Lb及び給排孔6を介して空気
シリンダ室7に供給される。これにより、ピストン8は
戻しバネ9の付勢力に抗して前進し、ピストン8と一体
的に前進するピストンロッド8aにより、油シリンダ室
11内の作動油が出力ポート14から通路Lxに排出さ
れる。この時点においては空気圧Bcaが切換弁19の
パイロット室19cに流入することはないので、締切弁
40の弁体40aは開弁された状態にあり、従って通路
Lxに排出された作動油は締切弁40のポートPx及び
Pyを経て通路Lyに至り、さらに滑走防止弁15のポ
ートPcからPdへ流通してキャリパ装置4に供給され
る。
【0004】このようにして制動力が発生している間に
車輪の滑走が発生すると、電磁石22が作動することに
より滑走防止弁15の仕切室15aの位置が左方に切り
替わり、ポートPcとPdとの間が遮断され、ポートP
cとPeとが弁体23を介して連通する。これによりキ
ャリパ装置4の作動油は通路Ld及びポートPdを介し
て滑走防止弁15内に流入し、弁体23を押し上げてポ
ートPeから通路Leを介して油タンク12に戻され
る。この結果車輪の滑走が止まると、電磁石22は非作
動状態となって滑走防止弁15の仕切室15aは再び図
に示す位置に切り換わり、ピストン8及びピストンロッ
ド8aのさらなる前進に伴って油シリンダ室11内の作
動油は再び当初の経路を経て、キャリパ装置4に圧送さ
れる。このような切換動作を繰り返すごとにピストン8
は前進する。
【0005】ピストン8が前進を繰り返して検知孔18
を越えると、空気圧Bcaが検知孔18から通路Lfを
介して高位優先の複式逆止弁24の一方の入力側に至
り、この空気圧が高圧であることにより複式逆止弁24
の出力側から通路Lgを介して切換弁19のパイロット
室19cに供給される。空気圧が切換弁19のパイロッ
ト室19cに供給されることにより、切換弁19の膜板
25及び弁棒26は一体的に上動して、第1弁体27が
閉弁され且つ第2弁体28が開弁されるとともに、第1
弁体27と弁棒26下端とが離反する。これによりポー
トPaとPbとの間は遮断され、ポートPbと大気開放
ポートPfとが弁棒26の内部通路を介して連通され
る。従って、給排孔6及び通路Lbは大気に開放された
状態となり、空気シリンダ室7内の圧力空気が大気中に
排気されてピストン8は後退する。
【0006】ピストン8が検知孔18を越えてから後退
動作をしている間においては、切換弁19の第2弁体2
8が開弁されていることにより、通路Laから切換弁1
9のポートPhに流入した空気圧(Bca)は、ポート
Piから流出して通路Li及びLgを介して切換弁19
のパイロット室19cに供給される状態を維持すること
になる。従って、パイロット室19cに供給されている
空気圧(Bca)は、通路Lg及びLjを介してポート
Pzから締切弁40内のパイロット部40cに流入して
弁体40aを閉弁させ、通路Lxと通路Lyとの間、す
なわち出力ポート14と滑走防止弁15との間を遮断す
る。これにより、キャリパ装置4に圧送されていた作動
油は、ピストン8及びピストンロッド8aが後退しても
油シリンダ室11に戻されることはなく、従ってキャリ
パ装置4においては所要の油圧が維持される。ピストン
8が復帰位置に戻った時点で、検知弁17が開弁される
ことにより、パイロット室19c内の空気圧(Bca)
が、通路Lg、Lj及びポート16a及びポート16b
を介して大気中に排気されることになるので、締切弁4
0の弁体40aは再び開弁し、このような状態の下でそ
の後のピストン8の前進が再開される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の鉄
道車両用ブレーキ装置においては、ピストン8が所定の
ストローク端に達して原位置まで一旦後退する際にも、
制動力を確保するため、締切弁40を設けてキャリパ装
置4内の油圧が抜けるのを防止する構成を採用してい
る。しかしながら締切弁40を設けることにより構造が
複雑化する。また、切換弁19も必要であるため、構造
はさらに複雑になっている。かかる問題点は、例えば増
圧シリンダ5の1次側(空圧側)に滑走防止弁を設ける
ことにより解決を図ることが考えられる。増圧シリンダ
5の1次側に滑走防止弁を設ける場合は、滑走防止弁は
空圧弁となる。この場合の空圧弁は、油圧弁の場合より
容量を大きくする必要がある。また、空圧側で滑走の制
御を行わせることとなるから、所定の動作速度を確保さ
せる必要があり、その分、励磁力を大きくする必要があ
る。しかし、容量の大きな空圧弁に対して所定の励磁状
態を長時間(例えば20秒程度)継続すると、大きな励
磁電流によりコイルの発熱量が増加して絶縁皮膜が劣化
し、焼損する恐れがある。特に、滑走状態となった車軸
がATC軸(列車自動加減速制御装置のための車速検出
軸)として用いられている場合はブレーキを長時間緩め
る必要があるため、上記のような問題点を解決しなけれ
ば、空圧弁を使用することは実用上不可能である。
【0008】このように、従来のブレーキ装置は構造が
複雑であり、一方、構造の複雑化を避けるべく滑走防止
弁を空圧弁とすれば焼損を招くという問題点があった。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、簡素な構
造からなる鉄道車両用ブレーキ装置であって、大容量な
滑走防止弁を、高速に駆動して且つ長時間連続して駆動
維持させ得るブレーキ装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の鉄道車両用ブレ
ーキ装置は、ブレーキ指令に基づいて供給された圧力流
体を各車軸又は車輪に対応して設けられたブレーキ力発
生部に供給するとともに、車輪の滑走状態を検出した場
合は、励磁されることにより、対応するブレーキ力発生
部に供給される圧力流体を解放させてブレーキ力を緩め
るように構成された滑走防止用の電磁弁装置を有するも
のであって、車輪の滑走状態の検知信号に基づき、当該
車輪に対応する前記電磁弁装置に対してその駆動に要す
る定格電圧以上の励磁電圧を一定時間印加した後、前記
電磁弁装置の駆動状態を維持するために要する前記定格
電圧より低い励磁電圧を印加する電磁弁制御装置を備え
たものである。上記のように構成されたブレーキ装置
は、電磁弁装置を駆動するときには定格電圧以上の励磁
電圧を与えることによって、大容量の電磁弁装置であっ
ても高速にこれを駆動し、駆動後は励磁電圧を下げて駆
動状態を維持する。従って、大きな励磁電流が長時間流
れることがないので、長時間の励磁継続が可能である。
【0010】また、本発明の鉄道車両用ブレーキ装置
は、ブレーキ指令に基づく空気圧を出力するブレーキ制
御部と、1次側に前記空気圧を受けて非励磁状態ではこ
れを2次側に出力し、励磁状態では前記空気圧を封止し
つつ2次側を解放する滑走防止用の電磁弁装置と、1次
側が前記電磁弁装置の2次側に接続され、入力された空
気圧を油圧に変換且つ増圧して2次側に出力する増圧シ
リンダ部と、前記増圧シリンダ部の2次側に接続され、
前記油圧により車輪を制動するブレーキ力発生部と、車
輪の滑走状態の検知信号に基づき、対応する前記電磁弁
装置に対してその駆動に要する定格電圧以上の励磁電圧
を一定時間印加した後、当該電磁弁装置の駆動状態を維
持するために要する前記定格電圧より低い励磁電圧を印
加することにより当該電磁弁装置の駆動状態を連続的に
維持する電磁弁制御装置とを備えたものである。上記の
ように構成されたブレーキ装置は、電磁弁装置を駆動す
るときには定格電圧以上の励磁電圧を与えることによっ
て、大容量の空圧電磁弁装置であっても高速にこれを駆
動し、駆動後は励磁電圧を下げて駆動状態を維持する。
従って、大きな励磁電流が長時間流れることがないの
で、長時間の励磁継続が可能である。しかも、空圧の電
磁弁装置であることにより、増圧シリンダ部の前後に複
雑な切換弁や締切弁を設ける必要がないため、ブレーキ
装置全体の構成が簡素になる。
【0011】上記のような鉄道車両用ブレーキ装置にお
いて、電磁弁制御装置は、定格電圧以上の励磁電圧を最
初に電磁弁装置に印加した後、一定周期で繰り返し印加
しても良い。このように構成した場合は、周期的に強い
電磁力を生じさせて電磁弁装置の駆動状態を安定させる
ことができるので、車両に供給される電源電圧が変動し
て駆動状態の保持力が低下することがあっても確実に駆
動状態を維持できる。
【0012】また、上記のような鉄道車両用ブレーキ装
置において、滑走防止用の電磁弁装置がATC軸に対応
して設けられ、このATC軸の滑走状態が検出された場
合、電磁弁制御装置は、ATC軸の滑走状態が検出され
てから車両の停止検知又はブレーキ指令解除まで電磁弁
装置の励磁状態を維持するように構成しても良い。この
ように構成した場合は、ATC軸の滑走状態を解除した
後、車両停止又はブレーキ解除に至るまでの間に再度A
TC軸が滑走状態になることを防止できるので、列車の
速度制御に悪影響を与えない。
【0013】また、上記のような鉄道車両用ブレーキ装
置において、電磁弁制御装置は、強制的にブレーキを緩
める指令を受けた場合にも、電磁弁装置に対してその励
磁に要する定格電圧以上の所定の駆動電圧を一定時間印
加した後、当該電磁弁装置の励磁状態を維持するために
要する定格電圧より低い保持電圧を印加することにより
当該電磁弁装置の励磁状態を連続的に維持するように構
成しても良い。このように構成した場合は、ブレーキ力
発生部の故障により圧力が抜けなくなったとき、滑走状
態の検出時と同様に電磁弁制御装置により電磁弁装置を
制御して、強制的にブレーキ力発生部の圧力を解放する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明の一実施形態
による鉄道車両用ブレーキ装置に関する図面であり、図
1は電磁弁制御装置のブロック図、図2はブレーキ装置
全体の接続系統図、図3は電磁弁の制御電圧を示すタイ
ムチャートである。図2において、ブレーキ設定器1の
ハンドル1aを操作すると、その操作量に応じたブレー
キ信号がブレーキ指令線2を介して出力され、このブレ
ーキ信号はブレーキ制御部3によって、車両重量や車速
に応じた空気圧Bcaに変換される。空気圧Bcaは、
空圧管路51を経て、車両の台車ごとに2個、従って1
車両に4個設けられている空圧滑走制御弁付増圧シリン
ダ52に供給される。空気圧はここで油圧に変換され、
増圧される。各空圧滑走制御弁付増圧シリンダ52には
ブレーキ力発生部であるキャリパ装置4が一対接続され
ていて、空圧滑走制御弁付増圧シリンダ52から与えら
れた油圧により対応する車輪を制動する。
【0015】各空圧滑走制御弁付増圧シリンダ52は、
緩め用電磁弁RV及び保持用電磁弁HVからなる電磁弁
装置並びに増圧シリンダ部521を備えている。増圧シ
リンダ部521は従来技術(図5)における増圧シリン
ダ5内の空気圧シリンダ10及び油圧シリンダ13に相
当する。空気圧Bcaは非励磁状態の保持用電磁弁HV
から空圧管路522を経て増圧シリンダ521に供給さ
れる。保持用電磁弁HVが励磁されると、空圧管路51
と522とは互いに遮断される。緩め用電磁弁RVは非
励磁状態では空圧管路522を封止し、励磁状態で空圧
管路522を消音器53と連通させて、圧力を解放す
る。
【0016】図1は、図2に示した4組の空圧滑走制御
弁付増圧シリンダ52の各々における緩め用電磁弁RV
及び保持用電磁弁HVを制御する電磁弁制御装置61の
回路構成を示すブロック図である。電磁弁制御装置61
は、4つの速度演算部611、速度・減速度演算部61
2、この速度・減速度演算部612内に設けられた停止
検知部613、ラッチ部614及び電磁弁制御部615
を備えている。4つの速度演算部611にはそれぞれ、
車両の第1軸速度信号、第2軸(ATC軸)速度信号、
第3軸速度信号及び第4軸速度信号が入力され、各軸の
速度信号であるパルス数を周波数(回転数)に変換す
る。その出力に基づき、速度・減速度演算部612は各
軸ごとの速度と減速度とを演算して滑走状態にある車輪
の軸を検出し、その軸に対してブレーキ緩解(緩め解
く)指令を出力する。電磁弁制御部615はブレーキ緩
解指令を受けて、対応する緩め用電磁弁RV及び保持用
電磁弁HVを励磁する。
【0017】なお、滑走状態が検出された車軸が第2軸
であった場合は、第2軸がATC軸であることを考慮し
て他の軸とは異なる処理をする。すなわち、ブレーキ緩
解指令を一旦ラッチ部614に送出し、このラッチ部6
14から電磁弁制御部へブレーキ緩解指令を伝達する。
従ってラッチ部614におけるラッチが解除されるまで
ブレーキ緩解指令が出力され続ける。ラッチを解除する
のは停止検知部613の出力及びブレーキ指令である。
停止検知部613には各軸の回転数が入力され、これに
基づき速度ゼロを示す信号が出力されるので、その出力
が出されたとき、すなわち車両の速度がゼロになったと
きラッチが解除され、第2軸のブレーキ緩め状態が解除
される。また、ブレーキ指令が不存在、すなわちブレー
キをかけている状態が解除されればラッチが解除され
る。
【0018】ブレーキ指令は電磁弁制御部615にも入
力され、ブレーキ指令が解除されると、電磁弁制御部6
15はすべての緩め用電磁弁RV及び保持用電磁弁HV
の励磁を中止する。また、電磁弁制御部615には強制
緩解指令が入力されている。この指令は、キャリパ装置
4の故障により、ブレーキ緩め制御を実行しているにも
かかわらずブレーキ力が緩まないことを、キャリパ装置
4に付随して設けた圧力センサ(図示せず)により検出
した場合に出力される指令である。この強制緩解指令を
受けると、対応するキャリパ装置4を強制的にブレーキ
緩め状態にする。
【0019】緩め用電磁弁RV及び保持用電磁弁HVの
励磁信号は、電磁弁制御部615により、図3に示すタ
イムチャートに基づいて出力される。すなわち、滑走状
態が検出されるか又は強制緩解指令が出されると、緩め
用電磁弁RV及び保持用電磁弁HVに対して、定格電圧
又は必要に応じてそれ以上の電圧を、時間tのパルス状
に、両者同時に印加する。時間tは例えば0.05〜
0.1秒である。このパルス状電圧の印加により、保持
用電磁弁HV(図2)及び緩め用電磁弁RVが同時に励
磁されて駆動され、保持用電磁弁HVは遮断状態にな
り、緩め用電磁弁RVは空圧管路522を消音器53に
接続する。こうして、増圧シリンダ部521の1次側の
空気圧は解放される。
【0020】時間tが経過した後は、緩め用電磁弁RV
及び保持用電磁弁HVに対して、一定の保持電圧を印加
する。この保持電圧は、パルス状電圧によって駆動され
た両電磁弁RV及びHVの駆動状態を維持するために最
低限必要な電圧であり、例えば、定格電圧が100Vな
らば25V、定格電圧が24Vならば6V程度の電圧で
ある。次に、最初のパルス状電圧の印加から時間T経過
後に再び定格電圧以上の電圧が、緩め用電磁弁RV及び
保持用電磁弁HVに対して印加される。以下同様に、滑
走状態が検出されるか又は強制緩解指令が出されている
限り、周期Tでパルス状の定格電圧以上の電圧が印加さ
れる。このようにして、パルス状電圧により周期的に強
い励磁力を与えながら、その間の時間帯には駆動状態の
維持に必要とされる低い保持電圧を付与する。周期的に
パルス状の電圧を与えるのは、パンタグラフと架線との
接触状態の変動等の理由により、車両に供給される電源
電圧が変動した場合、保持電圧が下がって電磁弁の駆動
状態を維持できなくなることがあるので、強い励磁力に
より駆動状態の継続を確保するためである。
【0021】ブレーキ緩解指令により、緩め用電磁弁R
V及び保持用電磁弁HVが動作し、且つその動作状態が
継続されると、増圧シリンダ521の1次側に供給され
ていた空気圧は放圧され、キャリパ装置4に与えられて
いた油圧は減少してブレーキが緩み、車輪の滑走状態が
解除される。このとき、保持用電磁弁HVは空気圧Bc
aが洩れないように封止している。車輪の滑走状態が解
除されれば、当該軸の速度信号が回復するので、電磁弁
制御装置61はこれを検出してブレーキ緩解指令を解除
する。従って、図3に示すように、両電磁弁RV及びH
Vの励磁電圧は0Vになる。但し、前述のように、当該
軸が第2軸(ATC軸)である場合はラッチ部614
(図1)によりブレーキ緩解指令がラッチされているの
で、列車速度がゼロになるか、又はブレーキ操作が解除
されない限り、ブレーキ緩め状態は継続される。従っ
て、ATC軸の滑走状態を解除した後、車両停止又はブ
レーキ解除に至るまでの間に再度ATC軸が滑走状態に
なることを防止できるので、列車の速度制御に悪影響を
与えない。
【0022】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。本発明の鉄道車両用ブレーキ装置は、車
輪の滑走状態の検知信号に基づき、当該車輪に対応する
電磁弁装置に対してその駆動に要する定格電圧以上の励
磁電圧を一定時間印加した後、電磁弁装置の駆動状態を
維持するための、定格電圧より低い励磁電圧を印加する
電磁弁制御装置を備えたので、電磁弁装置を駆動すると
きには定格電圧以上の励磁電圧を与えることによって、
大容量の電磁弁装置であっても高速にこれを駆動するこ
とができる。また、駆動後は励磁電圧を下げて駆動状態
を維持することができるので、大きな励磁電流が長時間
流れることがなく、長時間の励磁継続が可能となる。従
って、大容量の滑走防止用の電磁弁装置を高速に駆動し
て且つ長時間駆動を継続することができる。
【0023】また、増圧シリンダ部の1次側である空圧
側に電磁弁装置を設け、車輪の滑走状態の検知信号に基
づき、対応する電磁弁装置に対してその駆動に要する定
格電圧以上の励磁電圧を一定時間印加した後、当該電磁
弁装置の駆動状態を維持するために要する定格電圧より
低い励磁電圧を印加することにより電磁弁装置の駆動状
態を連続的に維持する電磁弁制御装置を備えたものであ
る場合は、電磁弁装置を駆動するときには定格電圧以上
の励磁電圧を与えることによって、大容量の空圧電磁弁
装置であっても高速にこれを駆動することができる。ま
た、駆動後は励磁電圧を下げて駆動状態を維持すること
ができるので、大きな励磁電流が長時間流れることがな
く、長時間の励磁継続が可能となる。従って、大容量の
滑走防止用の空圧電磁弁装置を高速に駆動して且つ長時
間駆動を継続することができる。また、空圧の電磁弁装
置であることにより、増圧シリンダ部の前後に複雑な切
換弁や締切弁を設ける必要がないため、ブレーキ装置全
体の構成が簡素である。
【0024】また、上記のような鉄道車両用ブレーキ装
置において、電磁弁制御装置により、定格電圧以上の励
磁電圧を最初に電磁弁装置に印加した後、一定周期で繰
り返し印加するように構成した場合は、周期的に強い電
磁力を生じさせて電磁弁装置の駆動状態を安定させるこ
とができるので、車両に供給される電源電圧が変動して
駆動状態の保持力が下降することがあっても確実に駆動
状態を維持できる。
【0025】また、上記のような鉄道車両用ブレーキ装
置において、滑走防止用の電磁弁装置がATC軸に対応
して設けられ、このATC軸の滑走状態が検出された場
合、電磁弁制御装置は、ATC軸の滑走状態が検出され
てから車両の停止検知又はブレーキ指令解除まで電磁弁
装置の励磁状態を維持するように構成した場合は、AT
C軸の滑走状態を解除した後、車両停止又はブレーキ解
除に至るまでの間に再度ATC軸が滑走状態になること
を防止できるので、列車の速度制御に悪影響を与えな
い。
【0026】また、上記のような鉄道車両用ブレーキ装
置において、強制的にブレーキを緩める指令を受けた場
合にも、電磁弁装置に対してその励磁に要する定格電圧
以上の所定の駆動電圧を一定時間印加した後、当該電磁
弁装置の励磁状態を維持するために要する定格電圧より
低い保持電圧を印加することにより当該電磁弁装置の励
磁状態を連続的に維持するように電磁弁制御装置を構成
した場合は、ブレーキ力発生部の故障により圧力が抜け
なくなったとき、強制的に、滑走状態の検出時と同様に
電磁弁制御装置により電磁弁装置を制御して、ブレーキ
力発生部の圧力を解放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による鉄道車両用ブレーキ
装置の電磁弁制御装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による鉄道車両用ブレーキ
装置の接続系統図である。
【図3】本発明の一実施形態による鉄道車両用ブレーキ
装置における電磁弁の励磁電圧を示すタイムチャートで
ある。
【図4】従来の鉄道車両用ブレーキ装置の接続系統図で
ある。
【図5】従来の鉄道車両用ブレーキ装置における増圧シ
リンダの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ブレーキ設定器 1a ハンドル 2 ブレーキ指令線 3 ブレーキ制御部 4 キャリパ装置 51 空圧管路 52 空圧滑走制御弁付増圧シリンダ 53 消音器 61 電磁弁制御装置 521 増圧シリンダ部 522 空圧管路 611 速度演算部 612 速度・減速度演算部 613 停止検知部 614 ラッチ部 615 電磁弁制御部 Bca 空気圧 HV 保持用電磁弁 RV 緩め用電磁弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ指令に基づいて供給された圧力
    流体を各車軸又は車輪に対応して設けられたブレーキ力
    発生部に供給するとともに、車輪の滑走状態を検出した
    場合は、励磁されることにより、対応するブレーキ力発
    生部に供給される圧力流体を解放させてブレーキ力を緩
    めるように構成された滑走防止用の電磁弁装置を有する
    鉄道車両用のブレーキ装置であって、 車輪の滑走状態の検知信号に基づき、当該車輪に対応す
    る前記電磁弁装置に対してその駆動に要する定格電圧以
    上の励磁電圧を一定時間印加した後、前記電磁弁装置の
    駆動状態を維持するために要する前記定格電圧より低い
    励磁電圧を印加する電磁弁制御装置を備えたことを特徴
    とする鉄道車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキ指令に基づく空気圧を出力する
    ブレーキ制御部と、 1次側に前記空気圧を受けて非励磁状態ではこれを2次
    側に出力し、励磁状態では前記空気圧を封止しつつ2次
    側を解放する滑走防止用の電磁弁装置と、 1次側が前記電磁弁装置の2次側に接続され、入力され
    た空気圧を油圧に変換且つ増圧して2次側に出力する増
    圧シリンダ部と、 前記増圧シリンダ部の2次側に接続され、前記油圧によ
    り車輪を制動するブレーキ力発生部と、 車輪の滑走状態の検知信号に基づき、対応する前記電磁
    弁装置に対してその駆動に要する定格電圧以上の励磁電
    圧を一定時間印加した後、当該電磁弁装置の駆動状態を
    維持するために要する前記定格電圧より低い励磁電圧を
    印加することにより当該電磁弁装置の駆動状態を連続的
    に維持する電磁弁制御装置とを備えた鉄道車両用ブレー
    キ装置。
  3. 【請求項3】 前記定格電圧以上の励磁電圧は、最初の
    印加後も、一定周期で繰り返し印加されることを特徴と
    する請求項1又は2記載の鉄道車両用ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 滑走防止用の電磁弁装置がATC軸に対
    応して設けられ、このATC軸の滑走状態が検出された
    場合、前記電磁弁制御装置は、前記ATC軸の滑走状態
    が検出されてから車両の停止検知又はブレーキ指令解除
    まで前記電磁弁装置の励磁状態を維持することを特徴と
    する請求項1又は2記載の鉄道車両用ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記電磁弁制御装置は、強制的にブレー
    キを緩める指令を受けた場合にも、前記電磁弁装置に対
    してその励磁に要する定格電圧以上の所定の駆動電圧を
    一定時間印加した後、当該電磁弁装置の励磁状態を維持
    するために要する前記定格電圧より低い保持電圧を印加
    することにより当該電磁弁装置の励磁状態を連続的に維
    持するように構成されたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の鉄道車両用ブレーキ装置。
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