JP2012007679A - 変速機のリバースシフト機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】リバース駆動ギヤとリバース被動ギヤに対してアイドルギヤを移動する構成を有する変速機のリバースシフト機構であってハウジングの大型化を抑制できるものの提供。
【解決手段】シフトレバーのニュートラル位置からリバース位置へのシフト操作に応じて、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)が、リバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoに対してニュートラル位置からリバース位置に径方向に移動する。これにより、アイドルギヤGRdがリバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoと噛合してリバースが確立される。アイドルギヤGRdの径方向の位置の調整は、5速−リバース用フォークシャフトに固定されたリバースフォークとアイドル軸移動機構とを介して行われる。即ち、アイドル軸移動機構は、フォークシャフト(リバースフォーク)の軸方向の運動をアイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)の径方向の運動に変換する機能を有する。
【選択図】図3
【解決手段】シフトレバーのニュートラル位置からリバース位置へのシフト操作に応じて、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)が、リバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoに対してニュートラル位置からリバース位置に径方向に移動する。これにより、アイドルギヤGRdがリバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoと噛合してリバースが確立される。アイドルギヤGRdの径方向の位置の調整は、5速−リバース用フォークシャフトに固定されたリバースフォークとアイドル軸移動機構とを介して行われる。即ち、アイドル軸移動機構は、フォークシャフト(リバースフォーク)の軸方向の運動をアイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)の径方向の運動に変換する機能を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用変速機のリバースシフト機構に関する。
従来より、前進用に複数の変速段、後進用に1つの変速段(リバース)を備えた車両用手動変速機として、種々のものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。図5は、この種の代表的な変速機の一例を示す。この変速機は、エンジンの出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸と、駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸とを備えている。入力軸と出力軸とは平行に配置されている。
この変速機の入力軸には、複数の前進用の変速段の駆動ギヤが相対回転不能にそれぞれ設けられている。また、この変速機の出力軸には、対応する変速段の駆動ギヤと噛合する複数の前進用の変速段の被動ギヤが相対回転可能にそれぞれ設けられている。以下、軸に相対回転不能に設けられたギヤを「固定ギヤ」と呼び、軸に相対回転可能に設けられたギヤを「遊転ギヤ」と呼ぶ。
出力軸における各遊転ギヤに隣接する部位には、対応するハブが固定されていて、対応するハブの外周には、対応するスリーブが軸方向に移動可能にスプライン嵌合されている。各遊転ギヤは、対応するスリーブを軸方向に移動して対応するスリーブとスプライン嵌合することにより、出力軸に相対回転不能に固定される。1つの遊転ギヤが出力軸に相対回転不能に固定されると、その遊転ギヤ、及びその遊転ギヤと噛合する固定ギヤを介してエンジンと駆動輪との間で動力伝達系統が形成される。即ち、変速機内においてその遊転ギヤに対応する変速段が確立されて、その遊転ギヤにエンジンのトルクに基づくトルクが加えられる。
一般に、各スリーブには対応する1つのフォークがそれぞれ一体に連結されている。各フォークは、対応する1本のフォークシャフトとそれぞれ一体に連結されている。従って、各スリーブの軸方向の位置はそれぞれ、対応するフォークシャフトの軸方向の位置を別個独立に調整することにより調整される。
各フォークシャフトには対応するシフトヘッドがそれぞれ一体に連結されている。車両の運転者によるニュートラル位置におけるシフトレバーのセレクト操作により、シフトインナレバーと係合する1つのシフトヘッドが選択される。この選択されたシフトヘッドが「運転者によるシフトレバーのシフト操作に応じて移動するシフトインナレバー」により押圧されて軸方向に移動することにより、対応するフォークシャフトの軸方向の位置(従って、フォークシャフトと一体のフォーク及びスリーブの軸方向の位置)が調整される。
以下、図5に示した変速機におけるリバースシフト機構について説明する。この変速機の入力軸には、リバース用の駆動ギヤ(リバース駆動ギヤ)が相対回転不能に設けられ、この変速機の出力軸(より具体的には、出力軸と一体で回転する1−2速用スリーブ)には、リバース用の被動ギヤ(リバース被動ギヤ)が相対回転不能に設けられている。リバース駆動ギヤとリバース被動ギヤとは常時噛合しない。
入力軸及び出力軸と平行に配置されたアイドル軸には、アイドルギヤが軸方向に相対移動可能に設けられている。アイドルギヤがニュートラル位置(図5に示す位置)にあるとき、アイドルギヤはリバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤと共に噛合しない。従って、リバースが確立されない。一方、アイドルギヤがニュートラル位置からリバース位置(図5に示す位置より左側の位置)に移動すると、アイドルギヤがリバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤと共に噛合する。この結果、リバース駆動ギヤ、アイドルギヤ、及びリバース被動ギヤを介してエンジンと駆動輪との間で動力伝達系統が形成される。即ち、リバースが確立される。
アイドルギヤの軸方向の調整は、例えば、5速用スリーブ(図5を参照)を軸方向に駆動するシフトフォークが固定された「5速−リバース用フォークシャフト」に設けられたリバースフォークと、アイドルギヤと係合するリバースアームとで構成されるリンク機構(図示せず)を介して行われる。即ち、シフトレバーの「5速位置」−「リバース位置」間でのシフト操作により「5速−リバース用フォークシャフト」の軸方向の位置(即ち、5速用フォーク、及び5速用スリーブの軸方向の位置)が移動することにより、アイドルギヤの軸方向の位置が調整される。
ところで、一般に、図6に示すように、アイドルギヤがニュートラル位置からリバース位置まで移動する(図6において左方向に移動する)過程において、アイドルギヤは、先ず、リバース駆動ギヤにのみ噛合し(直線L1を参照)、その後、リバース被動ギヤにも噛合する(直線L2を参照)ように配置・構成される。従って、アイドルギヤをリバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤの両方のギヤに噛合させるためには、アイドルギヤの軸方向のストローク量を、前進段用のスリーブのストロークよりも長くとる必要がある。
更には、アイドルギヤとリバース駆動ギヤとの間の噛合、並びに、アイドルギヤとリバース被動ギヤとの噛合を容易にするため、一般に、リバース駆動ギヤ、リバース被動ギヤ、及びアイドルギヤの端部には、面取り1、面取り2、及び面取り3がそれぞれ施されている。これに伴い、各ギヤの十分な有効歯幅を確保するため、各ギヤの全幅を対応する面取り幅分だけそれぞれ大きくする必要がある。このこともアイドルギヤの軸方向の必要なストローク量が長くなる要因となる。
このように、リバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤに対してアイドルギヤが軸方向に移動する構成を有するリバースシフト機構では、アイドルギヤの軸方向の必要なストロークが長くなる。これにより、変速機のハウジングにおけるアイドルギヤを収容する部分の軸方向長さが長くなるという問題が生じる。
加えて、一般に、アイドルギヤの軸方向の必要なストローク量は、5速用スリーブの軸方向のストローク量よりも長くなる。このため、例えば、上述したリバースフォークとリバースアームとで構成されるリンク機構のレバー比を調整して、「5速−リバース用フォークシャフト」の軸方向の運動が増幅されてアイドルギヤの軸方向の運動として現れるように構成された複雑な機構を採用する必要が生じる。このことも、変速機のハウジングの大型化を招く。
以上のことを鑑み、本発明の目的は、リバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤに対してアイドルギヤを移動する構成を有する変速機のリバースシフト機構であって変速機のハウジングの大型化を抑制できるものを提供することにある。
本発明による車両用変速機のリバースシフト機構は、「前記車両の変速機のハウジングに軸周りに回転可能に固定された前記変速機の入力軸であって前記車両の駆動源の出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸」に相対回転不能に設けられたリバース駆動ギヤと、「前記ハウジングに軸周りに回転可能に固定された前記変速機の出力軸であって前記車両の駆動輪との間で動力伝達系統が形成される前記入力軸と平行に配置された出力軸」に相対回転不能に設けられたリバース被動ギヤであって前記リバース駆動ギヤとは常時噛合しないリバース被動ギヤとを備える。
このリバースシフト機構の特徴は、アイドルギヤが設けられたアイドル軸が、前記入力軸及び前記出力軸と平行に配置され、且つ、前記入力軸及び前記出力軸の軸心とアイドル軸の軸心との間の距離が変化するように前記入力軸及び前記出力軸に対して移動可能に配置されていることにある。
加えて、このリバースシフト機構の特徴は、前記車両のシフトレバーのニュートラル位置とリバース位置との間のシフト操作に応じて前記入力軸及び前記出力軸に対して前記アイドル軸を移動するアイドル軸移動機構を有することにある。このアイドル軸移動機構は、前記シフトレバーが前記ニュートラル位置にあるときに前記入力軸及び前記出力軸に対して前記アイドル軸を前記アイドルギヤが前記リバース駆動ギヤ及び前記リバース被動ギヤと共に噛合しない第1位置に配置し、前記シフトレバーが前記リバース位置にあるときに前記入力軸及び前記出力軸に対して前記アイドル軸を前記アイドルギヤが前記リバース駆動ギヤ及び前記リバース被動ギヤと共に噛合する第2位置に配置するように構成される。
上記構成によれば、アイドルギヤが、リバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤに対して径方向(軸方向と直角方向)に移動することにより、アイドルギヤと、リバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤとの噛合・非噛合が選択的に達成される。この構成では、リバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤに対するアイドルギヤの必要な移動量は、各ギヤの歯たけよりも若干大きい程度の小さい量で済む。従って、上述した「リバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤに対してアイドルギヤが軸方向に移動する構成(アイドルギヤの必要なストロークが長くなる構成)」に比して、リバースシフト機構の採用に起因する変速機のハウジングの大型化が抑制され得る。加えて、ハウジングの大型化を抑制するために製造コストが増加するという課題に対して貢献できる。
前記アイドル軸移動機構は、前記車両のシフトレバーのニュートラル位置とリバース位置との間のシフト操作に応じて移動する部材の動きを利用して構成される。具体的には、通常、変速機では、前記アイドル軸と平行且つ軸方向に移動可能に前記ハウジングに固定されたフォークシャフトであって、前記シフトレバーの前記ニュートラル位置から前進用の特定変速段の位置へのシフト操作により軸方向における第3位置から第4位置に移動し、前記シフトレバーの前記ニュートラル位置から前記リバース位置へのシフト操作により軸方向における前記第3位置から前記第3位置に対して前記第4位置と反対側の第5位置に移動し、前記特定変速段を達成するためのスリーブを軸方向に駆動するシフトフォークが固定されたフォークシャフトが備えられている。
この場合、前記アイドル軸移動機構は、前記フォークシャフトの前記第3位置から前記第5位置への移動に応答して、前記アイドル軸を前記第1位置から前記第2位置に移動するように構成され得る。
以下、本発明の実施形態に係るリバースシフト機構を含む車両用手動変速機について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る手動変速機T/Mは、車両前進用に5つ変速段(1速〜5速)、及び、車両後進用に1つの変速段(リバース)を備えている。
(構成)
図1に示すように、変速機T/Mは、入力軸Aiと、出力軸Aoとを備える。入力軸Aiの両端は、一対のベアリングを介して回転可能にハウジング(ケース)Hgに支持されている。出力軸Aoの両端は、一対のベアリングを介して回転可能にハウジングHgに支持されている。出力軸Aoは、入力軸Aiからずれた位置で入力軸Aiと平行に配置されている。入力軸Aiは、クラッチC/Tを介して車両の駆動源であるエンジンE/Gの出力軸と接続されている。出力軸Aoは、車両の駆動輪と動力伝達可能に接続されている。
図1に示すように、変速機T/Mは、入力軸Aiと、出力軸Aoとを備える。入力軸Aiの両端は、一対のベアリングを介して回転可能にハウジング(ケース)Hgに支持されている。出力軸Aoの両端は、一対のベアリングを介して回転可能にハウジングHgに支持されている。出力軸Aoは、入力軸Aiからずれた位置で入力軸Aiと平行に配置されている。入力軸Aiは、クラッチC/Tを介して車両の駆動源であるエンジンE/Gの出力軸と接続されている。出力軸Aoは、車両の駆動輪と動力伝達可能に接続されている。
以下、軸に相対回転不能に設けられたギヤを「固定ギヤ」と呼び、軸に相対回転可能に設けられたギヤを「遊転ギヤ」と呼ぶ。固定ギヤは、周知の嵌合手法の1つを利用して、軸に相対回転不能且つ軸方向に相対移動不能に固定されている。遊転ギヤは、例えば、ニードルベアリングを介して軸に相対回転可能に配設されている。また、ハブは、固定ギヤと同様、周知の嵌合手法の1つを利用して、軸に相対回転不能且つ軸方向に相対移動不能に固定されている。ハブの円筒外周面には、(外)スプラインが形成されている。以下、先ず、変速機T/Mにおいてリバースの確立に関わるリバースシフト機構を除いた部分の構成(前進用の変速段の確立に関わる構成)について説明する。
入力軸Aiにおける1対のベアリングの間には、図1において左側から順に、5速の駆動ギヤG5i、4速の駆動ギヤG4i、3速の駆動ギヤG3i、2速の駆動ギヤG2i、1速の駆動ギヤG1iが同軸的に備えられている。駆動ギヤG1i,G2i,G3i,G4i,G5iは全て固定ギヤである。
出力軸Aoにおける1対のベアリングの間には、図1において左側から順に、ハブH3、5速の被動ギヤG5o、4速の被動ギヤG4o、ハブH2、3速の被動ギヤG3o、2速の被動ギヤG2o、ハブH1、1速の被動ギヤG1oが同軸的に備えられている。被動ギヤG1o,G2o,G3o,G4o,G5oは全て遊転ギヤである。被動ギヤG1o,G2o,G3o,G4o,G5oはそれぞれ、駆動ギヤG1i,G2i,G3i,G4i,G5iと常時噛合している。
ハブH1の外周には、スリーブS1が、軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS1が図1に示す位置(ニュートラル位置)にある場合、スリーブS1は、被動ギヤG1oと一体回転する1速ピース、及び、被動ギヤG2oと一体回転する2速ピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS1がニュートラル位置より右側の位置(1速位置)に移動すると、スリーブS1が1速ピースに対してスプライン嵌合し、左側の位置(2速位置)に移動すると、スリーブS1が2速ピースに対してスプライン嵌合する。
ハブH2の外周には、スリーブS2が、軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS2が図1に示す位置(ニュートラル位置)にある場合、スリーブS2は、被動ギヤG3oと一体回転する3速ピース、及び、被動ギヤG4oと一体回転する4速ピースに対して共にスプライン嵌合しない。スリーブS2がニュートラル位置より右側の位置(3速位置)に移動すると、スリーブS2が3速ピースに対してスプライン嵌合し、左側の位置(4速位置)に移動すると、スリーブS2が4速ピースに対してスプライン嵌合する。
ハブH3の外周には、スリーブS3が、軸方向に移動可能に常時スプライン嵌合している。スリーブS3が図1に示す位置(ニュートラル位置)にある場合、スリーブS3は、被動ギヤG5oと一体回転する5速ピースに対してスプライン嵌合しない。スリーブS3がニュートラル位置より右側の位置(5速位置)に移動すると、スリーブS3が5速ピースに対してスプライン嵌合する。
図2は、この変速機T/Mが搭載された車両のシフトレバーのシフトパターンの一例を示す。スリーブS1,S2,S3には対応する1つのフォーク(図示せず)がそれぞれ一体に連結されている。各フォークは、対応する1本のフォークシャフト(図示せず)とそれぞれ一体に連結されている。従って、スリーブS1,S2,S3の軸方向の位置はそれぞれ、対応するフォークシャフトの軸方向の位置を別個独立に調整することにより調整される。各フォークシャフトは、軸方向に移動可能にハウジングHgに支持されている。各フォークシャフトの断面形状は、円形状であっても矩形状であってもよい。
各フォークシャフトには対応するシフトヘッドがそれぞれ一体に連結されている。車両の運転者によるニュートラル位置におけるシフトレバーのセレクト操作(図2における横方向の操作)に応じてシフトインナレバーが移動して、シフトインナレバーと係合する1つのシフトヘッドが選択される。運転者によるシフトレバーのシフト操作(図2における縦方向の操作)に応じてシフトインナレバーが移動して、選択されたシフトヘッドがシフトインナレバーにより押圧されて軸方向に移動する。この結果、対応するフォークシャフトの軸方向の位置(従って、フォークシャフトと一体のフォーク及びスリーブの軸方向の位置)が調整される。
以上より、変速機T/Mでは、シフトレバーがニュートラル位置にある場合、スリーブS1,S2,S3が共にニュートラル位置に調整される。この結果、入力軸Aiと出力軸Aoとの間で動力伝達系統が形成されないニュートラル状態が得られる。ニュートラル状態においてシフトレバーが1速位置にシフト操作されると、スリーブS1が1速位置へ移動する。この結果、1速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(1速が確立される)。ニュートラル状態においてシフトレバーが2速位置にシフト操作されると、スリーブS1が2速位置へ移動する。この結果、2速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(2速が確立される)。
ニュートラル状態においてシフトレバーが3速位置にシフト操作されると、スリーブS2が3速位置へ移動する。この結果、3速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(3速が確立される)。ニュートラル状態においてシフトレバーが4速位置にシフト操作されると、スリーブS2が4速位置へ移動する。この結果、4速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(4速が確立される)。
ニュートラル状態においてシフトレバーが5速位置にシフト操作されると、スリーブS3が5速位置へ移動する。この結果、5速の減速比を有する動力伝達系統が形成される(5速が確立される)。
(リバースシフト機構)
以下、変速機T/Mのリバースシフト機構について説明する。図1に示すように、変速機T/Mの入力軸Aiには、固定ギヤであるリバース用の駆動ギヤ(リバース駆動ギヤ)GRiが同軸的に備えられている。また、変速機T/Mの出力軸Ao(より具体的には、スリーブS1)には、リバース用の被動ギヤ(リバース被動ギヤ)GRoが相対回転不能に設けられている。リバース駆動ギヤGRiとリバース被動ギヤGRoとは常時噛合しない。
以下、変速機T/Mのリバースシフト機構について説明する。図1に示すように、変速機T/Mの入力軸Aiには、固定ギヤであるリバース用の駆動ギヤ(リバース駆動ギヤ)GRiが同軸的に備えられている。また、変速機T/Mの出力軸Ao(より具体的には、スリーブS1)には、リバース用の被動ギヤ(リバース被動ギヤ)GRoが相対回転不能に設けられている。リバース駆動ギヤGRiとリバース被動ギヤGRoとは常時噛合しない。
変速機T/Mでは、入力軸Ai及び出力軸Aoと平行に、アイドル軸Adが設けられている。アイドル軸Adには、アイドルギヤGRdが同軸的に設けられている。アイドル軸Adは、入力軸Ai及び出力軸Aoの軸心とアイドル軸の軸心との間の距離が変化するように、入力軸Ai及び出力軸Aoに対して径方向に移動可能に配置されている(図1における白い矢印を参照)。この結果、アイドルギヤGRdは、リバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoに対して径方向に移動可能となっている。
図3に示すように、アイドルギヤGRdがニュートラル位置にあるとき(アイドル軸Adがニュートラル位置にあるとき)、アイドルギヤGRdはリバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoと共に噛合しない。従って、リバースが確立されない。一方、アイドルギヤGRdがニュートラル位置からリバース位置に移動すると(アイドル軸Adがニュートラル位置からリバース位置に移動すると)、アイドルギヤGRdがリバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoと共に噛合する。この結果、リバース駆動ギヤGRi、アイドルギヤGRd、及びリバース被動ギヤGRoを介してエンジンと駆動輪との間で動力伝達系統が形成される。即ち、リバースが確立される。
図4に示すように、アイドルギヤGRdの径方向の位置の調整は、5速用フォークが固定された「5速−リバース用フォークシャフト」(以下、単に「フォークシャフト」と呼ぶ)FSに固定されたリバースフォークRFと、アイドル軸移動機構とを介して行われる。
図3に示すように、アイドル軸移動機構は、リバースアームRAを備える。リバースアームRAは、リバースアームの中央部の支点RAO(ハウジングHgに固定されている)の周りに回動可能となっている。リバースアームの先端部RAFでは、アイドルギヤGRdが回転可能に固定されている。リバースアームRAにおける先端部RAFと反対側の先端部である係合部RA1は、上述のリバースフォークRF(図4を参照)と直接的、或いは、カム機構、リンク機構等の周知の機構を介して間接的に係合している。
この結果、フォークシャフトFSの軸方向の運動、即ち、リバースフォークRFの軸方向の運動(図3、図4の黒矢印を参照)が、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)の径方向の運動(図3、図4の白矢印を参照)に変換される。このように、アイドル軸移動機構は、フォークシャフトFS(リバースフォークRF)の軸方向の運動をアイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)の径方向の運動に変換する機能を有する。
以上の構成により、シフトレバーがニュートラル位置にあるとき、即ち、フォークシャフトFS(リバースフォークRF)がニュートラル位置にあるとき、リバースアームRAの姿勢は、ニュートラル姿勢(図3の破線を参照)となっている。リバースアームRAがニュートラル姿勢にあるとき、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)はニュートラル位置に調整される。
ニュートラル状態においてシフトレバーがリバース位置にシフト操作されると、フォークシャフトFS(リバースフォークRF)がニュートラル位置からリバース位置に(図4において左方向に)移動する。この結果、リバースフォークRF(或いは、リバースフォークRFとリバースアームRAとの間に介在する部材)が、リバースアームの係合部RA1を(図3において左方向に)押圧する。これに伴い、リバースフォークRF(或いは、リバースフォークRFとリバースアームRAとの間に介在する部材)がニュートラル姿勢にあるリバースアームRAを(図3において反時計周りに)回転駆動する。
この結果、リバースアームRAがニュートラル姿勢からリバース姿勢(図3の実線を参照)まで回動する。この回動に伴ってアイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)がニュートラル位置からリバース位置まで移動する。即ち、リバースが確立される。
なお、フォークシャフトFSがリバース位置からニュートラル位置に戻る際には、リバースフォークRF(或いは、リバースフォークRFとリバースアームRAとの間に介在する部材)が、リバースアームの係合部RA1を(図3において右方向に)押圧する。これに伴い、リバース姿勢にあるリバースアームRAが(図3において時計周りに)回転駆動され、リバースアームRAの姿勢がニュートラル姿勢まで戻される。この結果、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)がリバース位置からニュートラル位置に戻る。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るリバースシフト機構では、アイドルギヤGRdが、リバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoに対して径方向(軸方向と直角方向)に移動することにより、アイドルギヤGRdと、リバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoとの噛合・非噛合が選択的に達成される。
従って、このリバースシフト機構では、リバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoに対するアイドルギヤGRdの必要な移動量は、各ギヤの歯たけよりも若干大きい程度の小さい量で済む。従って、上述した図5、図6に示した構成(リバース駆動ギヤ及びリバース被動ギヤに対してアイドルギヤが軸方向に移動することで、アイドルギヤの必要なストロークが長くなる構成)に比して、リバースシフト機構の採用に起因する変速機のハウジングの大型化が抑制され得る。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)の径方向の位置の調整が、5速用フォーク(即ち、スリーブS3)が固定された「5速−リバース用フォークシャフト」の軸方向の動きを利用して行われているが、3速−4速用フォーク(即ち、スリーブS2)が固定された「3速−4速用フォークシャフト」の軸方向の動きを利用して行われてもよい。また、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)の径方向の位置の調整が、フォークシャフト以外の「シフトレバーのニュートラル位置とリバース位置との間のシフト操作に応じて移動する部材」の動きを利用して行われてもよい。また、車両前進用の変速段の数は、5つに限定されない(例えば、4つ、或いは、6つであってもよい)。
また、上記実施形態では、ニュートラル状態においてシフトレバーが5速位置にシフト操作されると、フォークシャフトFS(リバースフォークRF)がニュートラル位置から5速位置に(図4において右方向に)移動する。この結果、リバースフォークRF(或いは、リバースフォークRFとリバースアームRAとの間に介在する部材)が、リバースアームの係合部RA1を(図3において右方向に)押圧する。これに伴い、リバースフォークRF(或いは、リバースフォークRFとリバースアームRAとの間に介在する部材)がニュートラル姿勢にあるリバースアームRAを(図3において時計周りに)回転駆動する。
この結果、アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)がニュートラル位置から、ニュートラル位置よりもリバース駆動ギヤGRi及びリバース被動ギヤGRoに対して離れた位置に移動する。即ち、アイドルギヤGRdが不必要に移動する。この結果、アイドルギヤGRdの径方向における全移動範囲が広くなり、このことは変速機のハウジングの径方向における大型化を招き易い。
従って、アイドル軸移動機構は、シフトレバーがニュートラル位置から5速位置にシフト操作されたとき、(リバースアームRAをニュートラル姿勢に維持することにより)アイドル軸Ad(アイドルギヤGRd)がニュートラル位置に維持されるように構成されることが好ましい。この構成は、リバースアームRAの係合部RA1とリバースフォークRFとの間に介在する機構を周知のカム機構、リンク機構等を用いて構成することにより容易に実現できる。
T/M…変速機、E/G…エンジン、Ai…入力軸、Ao…出力軸、Ad…アイドル軸、G1i,G2i,G3i,G4i,G5i,GRi…駆動ギヤ、G1o,G2o,G3o,G4o,G5o,GRo…被動ギヤ、GRd…アイドルギヤ、H1〜H3…ハブ、S1〜S3…スリーブ、FS…フォークシャフト、RF…リバースフォーク、RA…リバースアーム、RA1…リバースアームの係合部、RAO…リバースアームの支点、RAF…リバースアームの先端部
Claims (2)
- 前記車両の変速機のハウジングに軸周りに回転可能に固定された前記変速機の入力軸であって前記車両の駆動源の出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸に相対回転不能に設けられたリバース駆動ギヤと、
前記ハウジングに軸周りに回転可能に固定された前記変速機の出力軸であって前記車両の駆動輪との間で動力伝達系統が形成される前記入力軸と平行に配置された出力軸に相対回転不能に設けられ、前記リバース駆動ギヤとは常時噛合しないリバース被動ギヤと、
前記入力軸及び前記出力軸と平行に配置されたアイドル軸であって前記入力軸及び前記出力軸の軸心とアイドル軸の軸心との間の距離が変化するように前記入力軸及び前記出力軸に対して移動可能に配置されたアイドル軸に設けられたアイドルギヤと、
前記車両のシフトレバーのニュートラル位置とリバース位置との間のシフト操作に応じて前記入力軸及び前記出力軸に対して前記アイドル軸を移動するアイドル軸移動機構であって、前記シフトレバーが前記ニュートラル位置にあるときに前記入力軸及び前記出力軸に対して前記アイドル軸を前記アイドルギヤが前記リバース駆動ギヤ及び前記リバース被動ギヤと共に噛合しない第1位置に配置し、前記シフトレバーが前記リバース位置にあるときに前記入力軸及び前記出力軸に対して前記アイドル軸を前記アイドルギヤが前記リバース駆動ギヤ及び前記リバース被動ギヤと共に噛合する第2位置に配置するように構成されたアイドル軸移動機構と、
を備えた、変速機のリバースシフト機構。 - 請求項1に記載の変速機のリバースシフト機構であって、
前記アイドル軸と平行且つ軸方向に移動可能に前記ハウジングに固定されたフォークシャフトであって、前記シフトレバーの前記ニュートラル位置から前進用の特定変速段の位置へのシフト操作により軸方向における第3位置から第4位置に移動し、前記シフトレバーの前記ニュートラル位置から前記リバース位置へのシフト操作により軸方向における前記第3位置から前記第3位置に対して前記第4位置と反対側の第5位置に移動し、前記特定変速段を達成するためのスリーブを軸方向に駆動するシフトフォークが固定されたフォークシャフトを備え、
前記アイドル軸移動機構は、
前記フォークシャフトの前記第3位置から前記第5位置への移動に応答して、前記アイドル軸を前記第1位置から前記第2位置に移動するように構成された、変速機のリバースシフト機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010144465A JP2012007679A (ja) | 2010-06-25 | 2010-06-25 | 変速機のリバースシフト機構 |
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JP2010144465A JP2012007679A (ja) | 2010-06-25 | 2010-06-25 | 変速機のリバースシフト機構 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105587847A (zh) * | 2016-03-08 | 2016-05-18 | 张鹏 | 自动变速器 |
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2010
- 2010-06-25 JP JP2010144465A patent/JP2012007679A/ja active Pending
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CN105587847A (zh) * | 2016-03-08 | 2016-05-18 | 张鹏 | 自动变速器 |
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