JP2012006085A - 鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前フィードバー1に加わる外力を吸収するための前フィードバー左過負荷吸収機構1LOおよび前フィードバー右過負荷吸収機構1ROと、後フィードバー2に加わる外力を吸収するための後フィードバー左過負荷吸収機構2LOおよび後フィードバー右駆動装置2RDとを備えている。各過負荷吸収機構は、フィードバー開閉方向のねじり外力を吸収する第1負荷吸収手段と、フィードバー昇降方向のねじり外力を吸収する第2負荷吸収手段とからなる。各負荷吸収手段がねじり外力の入力側部材と伝達先部材の間に挿入されたピン21、25もしくはトーションバー21t、25tを備えている。ピン21,25やトーションバー21t,25tの両端、あるいは一方の端部には摩擦締結要素30,40が結合される。
【選択図】図1
Description
しかるに、剛性を高めることと、過負荷吸収能力を高めることを、フィードバー自体の構造的工夫で両立させることは、一般的に困難である。
この従来技術では、過負荷が生じた時点で、バネが変形するので、中央バーの連結部は損傷を免れるものの、バネ変形の反力が駆動装置にも作用し、駆動装置が損傷しかねないという欠点をもっている。したがって、上記従来技術の過負荷による損傷防止は充分ではない。
第2発明の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダは、第1発明として、前記ピンの両端が内挿型摩擦締結要素を介して前記ねじり外力の入力側部材と伝達先部材に締結されていることを特徴とする。
第3発明の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダは、第1発明として、前記ピンの一端が内挿型前記摩擦締結要素を介して前記ねじり外力の入力側部材または伝達先部材に締結され、該ピンの他端が固定締結要素を介して前記ねじり外力の伝達先部材または入力側部材に締結されていることを特徴とする。
第4発明の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダは、第1、第2または第3発明として、前記ピンに代えてトーションバーを用いたことを特徴とする。
さらに、内挿型摩擦締結要素は、半径方向の寸法が小さく、コンパクトに構成できる。
第2発明によれば、ピンの両端における摩擦締結要素の滑りによりねじり外力を吸収できるので、剛性を維持しつつ過大な反力を駆動装置に伝達せず、これらの損傷を防止することができる。
第3発明によれば、ピンのいずれか一端における摩擦締結要素の滑りによりねじり外力を吸収できるので、剛性を維持しつつ過大な反力を駆動装置に伝達せず、これらの損傷を防止することができる。
第4発明によれば、トーションバーのねじりによる外力吸収と、摩擦締結要素の滑りによる外力吸収の2段階の過負荷吸収ができるので、吸収できる負荷が大きい。また、トーションバーのねじりにより生じた反力は摩擦締結要素のすべりにより吸収できるので、トーションバー側にも駆動装置側にも反力を伝達せず、これらの損傷を防止することができる。しかも、トーションバーと摩擦締結要素は寸法が小さいので、負荷吸収手段をコンパクトに構成できる。
(第1実施形態)
まず、本発明が適用される鍛造プレスの基本構成を図8〜図10に基づき説明する。
図8は本発明の第1実施形態に係るトランスファフィーダの正面図である。図9は図8のトランスファフィーダの右側面図である。図10は図8のトランスファフィーダの平面図である。
前フィードバー1も後フィードバー2も、同じ構造である。図では一本物のように示しているが、実際には中央バーとその両端に取付けられた端部バーとからなる分離タイプが多い。分離タイプはメンテナンス等の便宜のための構造であるが、このような分離タイプ以外のフィードバーにも本発明は適用できる。なお、フィードバー1,2の中央部分の内側にはワークをつかむ搬送用爪が取付けられている。
具体的には、各前後進機構7の移動ブロック72の下面に、各過負荷吸収機構1LO,1RO,2LO,2ROの上端面がボルト等で結合されている。
このように結合された結果、過負荷吸収機構1LO,1ROは1本の前フィードバー1のみ支持し、過負荷吸収機構2LO,2ROは1本の後フィードバー2のみ支持する構造となっている。
図1は図8に示す過負荷吸収機構1ROの一部断面正面図である。図2は図1におけるII‐II線矢視断面図である。図3は図1におけるIII線矢視平面図である。
なお、4ヵ所の過負荷吸収機構は全て同一構造であるので、図8中右側、つまり前フィードバー右過負荷吸収機構1ROで代表させて説明する。
そして、前記第1ピン21とそれを固定する摩擦締結要素30,40により、第1負荷吸収手段が構成されており、前記第2ピン25とそれを固定する摩擦締結要素30,40により、第2負荷吸収手段が構成されている。
そして、第2ピン25の他端は保持部73(図2参照)で保持されており、この保持部73は、前後進機構7のスライダー72の下面にボルト等で結合されている。このようにして、前フィードバー1は第1ケース11および第2ケース15を介して前後進機構7に連結されている。そして、図2に示すように前後進機構7の外箱は、開閉機構6のアーム62に結合されている。
また、前記第1、第2ピン21,25の他端は保持部16,73に対し摩擦締結要素40によって結合されている。
これらの摩擦締結要素30,40は、いずれもある回転トルク以下では第1、第2ピン21,25を回転不能に拘束しているが、回転トルクが設定値以上になると第1、第2ピン21,25の回転を許容する締結具である。
そして、インナーリング31とアウターリング32との間には、環状のテーパーリング33,34が両端方向から挿入される。各テーパーリング33,34の幅は、インナーリング31およびアウターリング32の幅の半分以下であり、いずれも外端の肉厚は厚く、内端の肉厚は薄くなるようにテーパーが付けられている。
そして、一方のテーパーリング33にはボルト35が貫通され、他方のテーパーリング34にはボルト35の先端部が螺合されるようになっている。
41は筒部、42はフランジである。筒部41の内周には、可撓性のある環状のスリーブ43が取付けられている。このスリーブ43内には、油等の圧力媒体pmが封入されており、この圧力媒体pmの内圧は調圧部44で調整可能となっている。調圧部44は、チャンバー45内に入れられたピストン46とピストン46の押込み量を調整する調整ネジ47からなる。チャンバー45はスリーブ43と通路48でつながっている。
このため第1、第2ピン21,25を保持部16,17に対し強く固着することができる。
まず、前・後フィードバー1,2の開閉動作が、フィードバーの左右両側で同期がずれると各フィードバー1,2の端部にねじり外力が発生する。このねじり外力は縦方向に配置している第1負荷吸収手段である第1ピン21の両端に設けられた摩擦締結要素30または摩擦締結要素40が滑ることで、ねじり外力を吸収することができる。したがって、過大なねじり外力をフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDに伝えることはない。このため、確実にフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDの損傷を防止することができる。
つぎに、第2実施形態のトランスファフィーダに係る過負荷吸収機構について説明する。負荷吸収手段以外は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
図6は第2実施形態に係る負荷吸収手段である。本実施形態の負荷吸収手段は第1、第2ピン21,25の一端に摩擦締結要素30または40を設け、他端に固定締結要素を設けた構成である。
前・後フィードバー1,2の開閉動作および昇降動作時にねじり外力が発生した場合に、摩擦締結要素30または40の一方が滑ることで、ねじり外力を吸収することができる。したがって過大なねじり外力をフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDに伝えることはない。このため、確実にフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDの損傷を防止することができる。
つぎに、第3実施形態のトランスファフィーダに係る過負荷吸収機構について説明する。負荷吸収手段以外は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
図7は第3実施形態に係る負荷吸収手段である。本実施形態の負荷吸収手段は第1および第2実施形態の負荷吸収手段において第1ピン21の代わりに第1トーションバー21tを用い、第2ピン25の代わりに第2トーションバー25tを用いたものである。
さらに、図7(C)に示すように、第1負荷吸収手段を第1トーションバー21tの一端が摩擦締結要素30して保持部12(図示せず)に固定され、他端がキー50を介して保持部16(図示せず)に固定された構成とし、第2負荷吸収手段を第2トーションバー25tの一端が摩擦締結要素30を介して保持部18に締結され、他端がキー50を介して保持部73に固定された構成としてもよい。
前記第2トーションバー25tも同じ形状の部材であり、短軸部、長軸部、首部とからなり、首部のねじりにより昇降方向の動きのズレや撓みを吸収することができる。なお、首部のばね定数は、その長さと直径の選択で任意に設定することができる。
第1,第2トーションバー21t,25tにねじり外力が加わると、まず首部24,28がねじれ、そのねじれ角に応じて発生するトルクにより、ねじり外力が吸収される。ねじり外力が大きく摩擦締結要素30、40と第1,第2トーションバー21t、25tとの間の最大静止摩擦力を超える場合には、摩擦締結要素30,40が滑って回転することになる。よって、第1,第2トーションバー21t,25tにおいて最大静止摩擦力を超える反力が発生することはない。
前記の目標とする最大摩擦力は、駆動装置などが耐えうる反力を考慮して第1,第2トーションバー21t,25tのばね定数と共に設計される。
まず、前・後フィードバー1,2の開閉動作が、フィードバーの左右両側で同期がずれると各フィードバー1,2の端部にねじり外力が発生する。このねじり外力は縦方向に配置している第1負荷吸収手段である第1トーションバー21tの首部24がねじられることによって外力が吸収される。これによりフィードバー1,2まわりの損傷を防止することができる。また、ねじり外力がより過大なときは、摩擦締結要素30または40が滑ることで、ねじり外力を吸収することができる。したがって、第1トーションバー21tのねじり抵抗を超える外力は摩擦締結要素30,40が滑ることによって逃がすので、過大な反力をフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDに伝えることはない。このため、確実にフィードバー1,2やフィードバー各駆動装置1LD,1RD,2LD,2RDの損傷を防止することができる。
上記のように、開閉方向の外力に対し、トーションバーのねじりと摩擦締結要素のすべりという二つの負荷吸収手段を設けているので、駆動装置を含めフィードバー1,2の変形や損傷を効果的に防止することができる。
上記のように、昇降方向の外力に対し、トーションバーのねじりと摩擦締結要素のすべりという二つの負荷吸収手段を設けているので、駆動装置を含めフィードバー1,2の変形や損傷を効果的に防止することができる。
例えば、開閉機構6と前後機構7との間に過負荷吸収機構を設けてもよいし、昇降機構5と開閉機構6との間に過負荷吸収機構を設けてもよい。
さらには、第1負荷吸収手段と第2負荷吸収手段を一体として構成する必要はなく、例えば、開閉機構6と前後機構7との間に第1負荷吸収手段を設け、昇降機構5と開閉機構6との間に第2負荷吸収手段を設けてもよい。
すなわち、第1負荷吸収手段および第2負荷吸収手段は外的制約などを勘案し最適な位置に設けることが可能である。
2 後フィードバー
5 昇降機構
6 開閉機構
7 前後進機構
1LD 前フィードバー左駆動装置
1RD 前フィードバー右駆動装置
2LD 後フィードバー左駆動装置
2RD 後フィードバー右駆動装置
1LO 前フィードバー左過負荷吸収機構
1RO 前フィードバー右過負荷吸収機構
2LO 後フィードバー左過負荷吸収機構
2RO 後フィードバー右過負荷吸収機構
21 第1ピン
25 第2ピン
30 摩擦締結要素
40 摩擦締結要素
21t 第1トーションバー
25t 第2トーションバー
Claims (4)
- 多工程金型の前方に配置した前フィードバーおよび後方に配置した後フィードバーを備えた鍛造プレスにおいて、
前記前フィードバーを昇降、開閉、前後進させるため、その両端に連結した前フィードバー左駆動装置および前フィードバー右駆動装置と、
前記後フィードバーを昇降、開閉、前後進させるため、その両端に連結した後フィードバー左駆動装置および後フィードバー右駆動装置と、
前記前フィードバーに加わる外力を吸収するための前フィードバー左過負荷吸収機構および前フィードバー右過負荷吸収機構と、
前記後フィードバーに加わる外力を吸収するための後フィードバー左過負荷吸収機構および後フィードバー右過負荷吸収機構とを備えており、
前記各過負荷吸収機構が、
フィードバー開閉方向のねじり外力を吸収する第1負荷吸収手段と、フィードバー昇降方向のねじり外力を吸収する第2負荷吸収手段とからなり、
前記第1負荷吸収手段および前記第2負荷吸収手段のいずれもが、
ねじり外力の入力側部材と伝達先部材の間に挿入されたピンを備えており、
前記ピンが内挿型摩擦締結要素を介して前記ねじり外力の入力側部材と伝達先部材に締結されており、
内挿型摩擦締結要素が、保持部の内周とピンの外周との間に挿入される筒状部材を有し、該筒状部材の厚さを収縮させることで締結力を強弱に調整できるものである
ことを特徴とする鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。 - 前記ピンの両端が内挿型摩擦締結要素を介して前記ねじり外力の入力側部材と伝達先部材に締結されている
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。 - 前記ピンの一端が内挿型前記摩擦締結要素を介して前記ねじり外力の入力側部材または伝達先部材に締結され、
該ピンの他端が固定締結要素を介して前記ねじり外力の伝達先部材または入力側部材に締結されている
ことを特徴とする請求項1記載の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。 - 前記ピンに代えてトーションバーを用いた
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の鍛造プレスにおけるトランスファフィーダ。
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