JP2012006019A - 鍛造加工用パンチ - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークに穴部を陥没形成する際に前記穴部の開口近傍に面取り部を形成するための面取り部成形部を有する鍛造加工用パンチの耐久性を向上させる。
【解決手段】パンチ56は、ワークに有底穴を陥没形成するための有底穴成形側端部86と、鍛造加工装置に支持される支持側端部84とを有する。これら端部84、86の間には、面取り部成形部90と、面取り部成形部90の支持側端部84側の終点に連なる等幅部92と、湾曲部98a〜98cとが設けられる。湾曲部98a〜98cは、等幅部92から縮幅した縮幅部94と、この縮幅部94から拡幅する拡幅部96とを含む。等幅部92の支持側端部84側の終点に対し、該等幅部92に比して幅方向の寸法が小さい縮幅部94が連なるため、面取り部成形部90の前記終点から等幅部92の前記終点に至るまでの部位は、有底穴成形側端部86及び縮幅部94から隆起した凸部形状となる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ワークに穴部を形成するための鍛造加工用パンチに関し、一層詳細には、例えば、等速ジョイントを構成するアウタ部材を成形するための鍛造加工用パンチに関する。
自動車には、ディファレンシャルギヤからハブを介して車輪に回転駆動力を伝達する駆動力伝達機構が搭載される。この駆動力伝達機構は、従動軸と、該従動軸の各端部に連結された1組の等速ジョイントとを有し、一般的には、ディファレンシャルギヤの軸と前記従動軸の一端部がトリポート型等速ジョイントを介して連結されるとともに、該従動軸の他端部とハブとがバーフィールド型等速ジョイントを介して連結される。
なお、周知の通り、等速ジョイントは、アウタ部材と、前記従動軸の各端部に嵌合されたインナ部材とを有する。この中のアウタ部材は、有底穴が形成された大径なカップ部と、該カップ部の端部に突出形成された軸部とからなる。
トリポート型等速ジョイントのアウタ部材のカップ部における前記有底穴の内壁には、軸線方向に沿って延在する少なくとも3本のローラ溝が形成される。また、インナ部材は、前記ローラ溝に挿入されるローラを保持する。
一方、バーフィールド型等速ジョイントのアウタ部材のカップ部における前記有底穴の内壁には、軸線方向に沿って延在する複数個(通常は6個)のボール溝が形成される。また、インナ部材にもアウタ部材のボール溝と同数のボール溝が形成され、アウタ部材のボール溝、及びインナ部材のボール溝の双方に、トルク伝達用のボールが介在される。
以上から諒解されるように、等速ジョイントのアウタ部材を構成するカップ部には、内壁の一部がローラ溝又はボール溝となる有底穴が形成される。このような有底穴は、鍛造加工によって成形することが可能である。
ところで、この種の有底穴を成形する場合、有底穴の開口近傍にバリが発生する。当然、このバリを除去するバリ取り作業を行わなければならず、このために等速ジョイントを得るまでの加工工程数が多くなるという不都合が顕在化している。
このような不都合を回避するべく、本出願人は、特許文献1において、有底穴を形成する鍛造加工時に、有底穴の開口近傍(口元部分)に面取り部を成形することを提案している。この場合、バリが発生することを回避し得るので、前記バリ取り作業を割愛することができるようになる。
このような鍛造加工を行うためには、有底穴を形成するための鍛造加工用パンチに、面取り部を形成するための面取り部成形部(特許文献1においていう「第1面取り成形面78及び第2面取り成形面80」)が形成される。
特開平11−236925号公報
本発明は前記特許文献1に記載された従来技術に関連してなされたもので、有底穴等の穴部の開口近傍に面取り部を形成することが可能であり、しかも、耐久性に優れ長寿命な鍛造加工用パンチを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る鍛造加工用パンチは、ワークに対する鍛造加工時に前記ワークに穴部を陥没形成するための穴部成形側端部と、
長手方向に直交する幅方向の寸法が前記穴部成形側端部から離間するにつれて大きくなり、且つ前記鍛造加工時に前記ワークに最後に当接して前記穴部の開口近傍の内壁に面取り部を形成する面取り部成形部と、
鍛造加工装置に支持される支持側端部と、
前記面取り部成形部と前記支持側端部との間に設けられ、且つ前記面取り部成形部における前記支持側端部側の終端に比して幅方向の寸法が小さい縮幅部と、
を有することを特徴とする。
このような構成においては、穴部成形側端部及び縮幅部に対し、面取り部成形部の支持側端部の終点が隆起した凸形状となる。このため、該終点の近傍の剛性が面取り部成形部に比して小さくなるので、鍛造加工を行う際、面取り部成形部が拘束されることが回避される。従って、面取り部成形部に応力が集中することを回避することができる。
その結果、面取り部成形部を起点とする疲労破壊が起こることが困難となる。換言すれば、鍛造加工用パンチの耐久性が向上し、寿命が長期化する。
以上のように、面取り部成形部の支持側端部の終点を隆起した凸形状とすることにより、耐久性に優れ長寿命である鍛造加工用パンチを構成することが可能となる。
なお、面取り部成形部の支持側端部側の終点に対して縮幅部の面取り部成形部側の始点を直接連ねるようにしてもよいし、面取り部成形部の前記終点と、縮幅部の前記始点との間に、幅方向の寸法が一定である等幅部を介在させるようにしてもよい。
また、支持側端部の幅方向の寸法が縮幅部に比して大きいときには、縮幅部と支持側端部との間に拡幅部を設けるようにしてもよい。これにより、幅方向の寸法が縮幅部よりも大きな部位が存在するようになるので、鍛造加工用パンチとして必要な剛性を確保することが容易であるからである。
この場合、縮幅部と拡幅部を互いに連なる湾曲部として形成することが好ましい。縮幅部と拡幅部の双方を段部として形成する場合に比して応力が集中することが困難となるからである。
ここで、面取り部成形部はテーパー面であってもよいが、湾曲面として形成するときには、縮幅部と拡幅部を含む前記湾曲部の曲率半径を、面取り部成形部に比して大きく設定することが好ましい。逆である場合、面取り部成形部を隆起した凸形状とすることが容易ではないからである。
面取り部成形部の穴部成形側端部側の始点の幅方向の寸法は、例えば、縮幅部中の幅方向の最小寸法と同一寸法に設定することができる。
本発明によれば、面取り部成形部の支持側端部の終点を、穴部成形側端部及び縮幅部に対して隆起した凸形状としている。この場合、鍛造加工を行う際に面取り部成形部が拘束されることが回避されるので、該面取り部成形部に応力が集中することが回避される。この結果として、面取り部成形部を起点とする疲労破壊が起こることが困難となるので、耐久性に優れ長寿命な鍛造加工用パンチを構成することができる。
トリポート型等速ジョイントのアウタ部材の概略全体斜視図である。 前記アウタ部材の平面図である。 図2中のIII−III線矢視断面図である。 図4A〜図4Eは、ビレットから前記アウタ部材を得るまでの概略フロー説明図である。 前記アウタ部材を得るために図4Cに示される第2中間成形体に対して後方押し出し成形を行うための後方押し出し成形装置(鍛造加工装置)の要部縦断面説明図である。 図5の後方押し出し成形装置に含まれる本実施の形態に係る鍛造加工用パンチの概略全体斜視図である。 前記鍛造加工用パンチの要部側面拡大図である。 前記鍛造加工用パンチの要部斜視拡大図である。 前記鍛造加工用パンチの側面一部断面図である。 前記鍛造加工用パンチの穴部成形側端部側からの正面図である。 図5の後方押し出し成形装置によって第2中間成形体に後方押し出し成形を施し、第3中間成形体を得た状態を示す要部縦断面説明図である。 一般的な鍛造加工用パンチの側面図である。 図12の鍛造加工用パンチの要部拡大図である。 図12の鍛造加工用パンチにおいて、面取り部成形部に応力が集中する状態を模式的に説明した要部拡大模式図である。
以下、本発明に係る鍛造加工用パンチにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、本実施の形態に係る鍛造加工用パンチによって得られる等速ジョイントのアウタ部材につき、図1〜図3に示すトリポート型のものを例示して説明する。なお、図1〜図3は、それぞれ、トリポート型等速ジョイントのアウタ部材10の概略全体斜視図、平面図、及び図2中のIII−III線矢視断面図である。
アウタ部材10は、大径で若干長尺なカップ部12と、該カップ部12の一端部から突出形成された軸部14とを一体的に有する。この中のカップ部12には、該カップ部12の軸線方向に沿って延在する有底穴16が陥没形成され、さらに、該有底穴16の内壁には、3本のローラ溝18a〜18cが互いに略等間隔で離間するようにして形成される。周知の通り、ローラ溝18a〜18cの各々には、図示しないインナ部材に回転可能に保持されたローラが摺動自在に挿入される。
有底穴16の内壁における開口近傍(以下、口元部分とも表記し、その参照符号を20とする)には、該内壁の全域にわたって周回するように面取り部22が形成されている。この面取り部22により、口元部分20は、該口元部分20よりも底部側に比して拡開している。
また、面取り部22は、鉛直方向に対して所定の角度θ1(図3参照)で傾斜している。θ1は、例えば、15°〜30゜の範囲内に設定される。
このアウタ部材10は、図4A〜図4Eに示されるように、略円柱形状体をなすビレット30から第1中間成形体32、第2中間成形体34、及び第3中間成形体36を経て得ることができる。以下、この過程につき説明する。
先ず、図4Aに示すビレット30に対して前方押し出し成形が施され、その結果、小径な軸部14と、大径な大径部38とを有する第1中間成形体32(図4B参照)が成形される。
次に、第1中間成形体32に対して据え込み成形が施される。これにより、大径部38が圧潰された第2中間成形体34(図4C参照)が成形される。
次に、この第2中間成形体34に対し、図5に示す後方押し出し成形装置50(鍛造加工装置)を用いての後方押し出し成形が施される。
ここで、該後方押し出し成形装置50の構成につき詳述する。
この後方押し出し成形装置50は、下部ダイス52及び上部ダイス54と、本実施の形態に係る鍛造加工用パンチ(以下、単にパンチともいう)56とを有し、これら下部ダイス52、上部ダイス54及びパンチ56が、第2中間成形体34を成形して第3中間成形体36を得るための金型としての作用を営む。
該後方押し出し成形装置50は、第1ダイプレート58及び第2ダイプレート60をさらに有し、この中の第1ダイプレート58上には、厚肉に形成された圧入リング62が図示しない固定部材を介して固定されている。
前記圧入リング62の孔部内には、円筒状に形成されたインサート部材64が内嵌されている。この場合、インサート部材64の外径は、圧入リング62の内径よりも若干大きく設定されており、前記インサート部材64は、締まりばめにて圧入リング62の孔部内に嵌入される。
前記インサート部材64の内部には、互いに分割して形成された下部ダイス52及び上部ダイス54が軸線方向に沿って一体的に結合され、これら下部ダイス52及び上部ダイス54の内部には、前記第2中間成形体34を装填するためのキャビティが形成される。
上部ダイス54の上面には、図5に示すように、パンチ56が案内される孔部66が形成された第1リング体68が接合され、また、インサート部材64の上面には前記第1リング体68に外嵌される大径な第2リング体70が接合され、さらに、圧入リング62の環状凹部には第2リング体70に外嵌される大径な第3リング体72が一体的に接合される。
この場合、第2リング体70を外嵌するように第3リング体72を圧入リング62に対して締結することにより、第3リング体72に形成されたテーパ面74が第2リング体70に形成された逆テーパ面76に摺接し、第1リング体68及び第2リング体70を下方側に向かって押圧する力が作用する。
なお、第1リング体68の孔部66の上部には、パンチ56が挿入される際に該パンチ56を案内する環状のガイド溝(図示せず)を形成するとよい。
下部ダイス52及び上部ダイス54によって形成されるキャビティの下方には、第1ダイプレート58に形成された孔部78に沿って、ノックアウトピン80が進退自在に配設される。このノックアウトピン80は、第2中間成形体34に対して後方押し出し成形を施すことによって得られる第3中間成形体36を押し出すためのものである。
圧入リング62から所定距離離間する上方には、機械プレスのラム(ともに図示せず)に連結され、前記機械プレスの駆動作用下にラムと一体的に上下方向に沿って変位する昇降部材82が設けられる。前記パンチ56の上端部(以下、支持側端部とも表記し、その参照符号を84とする)は、治具85を介して昇降部材82に固定され、この固定により後方押し出し成形装置50に支持されるとともに、該昇降部材82の変位に伴って一体的に変位することが可能となる。
なお、本実施の形態では、支持側端部84は、パンチ56の長手方向に直交する方向、換言すれば、幅方向の寸法がパンチ56中で最大である。この場合、支持側端部84が円柱形状体であるので、幅方向の寸法は、その直径である。
一方、パンチ56の下端部は、第2中間成形体34の大径部38を押圧してその縁部を延伸させ、これによりカップ部12を形成する。このことから諒解される通り、パンチ56の下端部は、第2中間成形体34の大径部38に有底穴16を陥没形成するための成形部位(穴部成形側端部)である。以下においては、成形部位である下端部を有底穴成形側端部と表記し、その参照符号を86とする。
パンチ56の有底穴成形側端部86は、有底穴16の内壁形状に対応する形状をなす。具体的には、図6に示すように、3本のローラ溝18a〜18c(図1〜図3参照)を成形するための突条部88a〜88cが、長手方向に沿う仮想的な中心軸から放射状に突出するように設けられる。突条部88a〜88cは、互いに略等間隔で離間するようにして形成され、且つローラ溝18a〜18cの長さに対応する長さでパンチ56の長手方向に沿って延在する。なお、突条部88a〜88cの先端面、換言すれば、有底穴成形側端部86の先端面は、支持側端部84に向かって緩やかに湾曲するように面取りされている。
パンチ56の要部側面拡大図、要部斜視拡大図である図7及び図8に示すように、有底穴成形側端部86には、有底穴16の口元部分20の内壁の全周にわたる面取り部22を成形するために周回形成された面取り部成形部90が連なる。後述するように、パンチ56は、有底穴成形側端部86の端面が第2中間成形体34の大径部38に先ず当接し、これにより大径部38の肉が延伸されてカップ部12に成形される。そして、次に、このようにしてカップ部12に成形される最中の大径部38に対して面取り部成形部90が当接する。
図7、及び側面一部断面図である図9に示すように、面取り部成形部90の幅方向の寸法は、有底穴16の底部側よりも拡開した面取り部22を形成するべく、有底穴成形側端部86から離間する(支持側端部84に向かう)につれて大きくなるように設定される。
なお、本実施の形態では、面取り部成形部90は、曲率半径が比較的小さな湾曲部として形成されている。すなわち、面取り部成形部90は、有底穴成形側端部86側の始点から、支持側端部84側の終点に向かって徐々に拡幅する。
面取り部成形部90の支持側端部84側の終点には、幅方向の寸法が一定である等幅部92が連なる。この等幅部92の幅方向の寸法は、面取り部成形部90の支持側端部84側の終点における幅方向の寸法と同一である。
さらに、この等幅部92の支持側端部84側の終点に対し、図6に示すように、幅方向の寸法が該等幅部92に比して小さい縮幅部94と、該縮幅部94から幅方向の寸法が徐々に大きくなる(徐々に拡幅する)拡幅部96とが等幅部92側からこの順序で一体的に連なる3個の湾曲部98a〜98cが、突条部88a〜88cの位置に対応するようにして設けられる。湾曲部98a〜98cの各々は、パンチ56の有底穴成形側端部86の端面側からの正面図である図10に示すように、所定の範囲内に設けられ且つ互いに略等間隔で離間する。
これら湾曲部98a〜98cの曲率半径は、面取り部成形部90の曲率半径よりも大きく設定される。面取り部成形部90、湾曲部98a〜98cの各曲率半径は、例えば、5mm、25mmに設定することができる。
このような形状の面取り部成形部90及び湾曲部98a〜98c(縮幅部94及び拡幅部96)が設けられた結果、面取り部成形部90の支持側端部84側の終端と、湾曲部98a〜98cの有底穴成形側端部86側の始点の間に介在する等幅部92は、有底穴成形側端部86及び縮幅部94から隆起した凸部形状となる。
縮幅部94における幅方向の寸法が最小である部位、すなわち、拡幅部96との境界の幅方向の寸法W1は、例えば、面取り部成形部90の有底穴成形側端部86側の始点の幅方向の寸法W2と同一に設定すればよい。
湾曲部98a〜98cに含まれる拡幅部96は、略円柱体形状の円柱部100に連なる。該円柱部100は、テーパー状に拡径する拡径部102を介して前記支持側端部84に連なる。
このようなパンチ56は、好ましくは、Cスケールのロックウェル硬度(HRC)が62〜64である金属製材料によって形成される。そのような金属製材料の好適な一例としてはSKH51等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
以上のように構成されるパンチ56の外側壁の略半分は、図5に示すように、円筒状のガイドスリーブ104で囲繞される。このガイドスリーブ104は、HRCが58〜60程度である金属製材料、例えば、SKD11等から構成される。一方、第1リング体68は、好ましくはガイドスリーブ104よりも硬質な金属製材料から構成される。
第2中間成形体34に対する後方押し出し成形は、基本的には上記のように構成される後方押し出し成形装置50において、以下のように実施される。
先ず、パンチ56が昇降部材82と一体的に上方に配置された状態で、下部ダイス52及び上部ダイス54の内部に形成されたキャビティに、第2中間成形体34が装填される。そして、前記機械プレスの駆動作用下に、前記ラムに連結された昇降部材82と一体的にパンチ56が下降され、このパンチ56と上部ダイス54及び下部ダイス52との共働作用下に、第2中間成形体34に対する冷間鍛造加工が開始される。
この際、パンチ56の外側壁の一部を囲繞するガイドスリーブ104は、第1リング体68の孔部66の上端部に形成された環状のガイド溝(図示せず)の案内作用下に進入し、さらに、パンチ56が下降することにより、パンチ56及びガイドスリーブ104は、第1リング体68の孔部66内に圧入された状態で一体的に変位する。
このようにしてパンチ56が下降すると、該パンチ56の有底穴成形側端部86が、上部ダイス54及び下部ダイス52に支持された第2中間成形体34の大径部38に当接して押圧し始める。この押圧によって、該大径部38の肉がキャビティの形状に沿って塑性流動する。これにより、図11に示すように、大径部38に有底穴16が形成されるとともに該大径部38の肉が延伸し、カップ部12に塑性変形されるに至る。同時に、有底穴16の内壁に、突条部88a〜88cの形状・寸法に対応する形状・寸法のローラ溝18a〜18cが成形される。
最終的にパンチ56が成形終了位置に下降すると、塑性流動するカップ部12の側壁部の肉がパンチ56の面取り部成形部90に当接して堰止される。これに伴って、有底穴16の口元部分20に面取り部22が成形される。
以上のようにして、有底穴16の内壁にローラ溝18a〜18cが形成されたカップ部12を有する第3中間成形体36(図4D参照)が得られる。
ここで、一般的なパンチ110では、その側面図である図12、及び要部拡大図である図13に示すように、等幅部92と円柱部100の間に、単純なテーパー状傾斜面を有する傾斜部112が介在する。従って、この場合、等幅部92は、隆起した突部形状をなさない。
このような形状のパンチ110を用いて上記と同様な後方押し出し成形を実施すると、面取り部成形部90を起点とする疲労破壊が発生することがある。このような事態が生じるため、このパンチ110の寿命は比較的短い。換言すれば、耐久性が低い。
この理由は、有底穴成形側端部86が大径部38を押圧するとき、何らかの原因によって大径部38の変形抵抗が不均等となったことに起因して、図12に示すように、曲げモーメントが発生するためであると推察される。
すなわち、このパンチ110においては、等幅部92、傾斜部112、及び円柱部100の各々の幅方向の寸法が、面取り部成形部90の有底穴成形側端部86側の始点に比して大きい。このため、これらの部位では、面取り部成形部90に比して剛性が大きくなる。その一方で、面取り部成形部90には、第2中間成形体34の大径部38に対する後方押し出し成形時、大径部38から受ける反力に基づいて支持側端部84に向かう圧縮応力が作用する。その結果、面取り部成形部90が、有底穴成形側端部86と、等幅部92、傾斜部112、及び円柱部100とに拘束される。
従って、大径部38に対して後方押し出し成形を行うとき、面取り部成形部90の有底穴成形側端部86側の始点には、図12及び図14に模式的に示すように、前記曲げモーメントにより、等幅部92や傾斜部112、円柱部100を介して伝達されて有底穴成形側端部86に向かう引張応力と、この引張応力に相反する方向に向かう前記圧縮応力とが作用する。
すなわち、等幅部92と円柱部100の間に単純な傾斜部112が介在する一般的なパンチ110では、面取り部成形部90の有底穴成形側端部86側の始点に応力が集中する。このような応力集中が起こることが、面取り部成形部90を起点とする疲労破壊が発生する原因であると考えられる。
これに対し、本実施の形態では、図7〜図9に示すように、面取り部成形部90の後方に縮幅部94を含む湾曲部98a〜98cを設け、これにより、面取り部成形部90の支持側端部84側の終点から等幅部92に至るまでの部位を隆起させている。この場合、湾曲部98a〜98cの剛性が低いので、大径部38に対して後方押し出し成形を行う際、面取り部成形部90が拘束されることが回避される。その結果、面取り部成形部90の有底穴成形側端部86側の始点に応力が集中することを回避することができる。
このように、本実施の形態によれば、一般的なパンチ110において起こり易い上記したような応力集中を回避することができる。従って、面取り部成形部90を起点として疲労破壊が発生することを回避することができ、結局、耐久性が高く長寿命なパンチ56を得ることができる。
パンチ56による後方押し出し成形が終了した後、該パンチ56が昇降部材82と一体的に上昇変位する。これにより、口元部分20に面取り部22が形成されたカップ部12を有する第3中間成形体36が露呈する。さらに、ノックアウトピン80が孔部からキャビティ側に変位して第3中間成形体36を押し出す。
第3中間成形体36は、その後、図示しないしごき成形装置に搬送され、該しごき成形装置による最終しごき成形が施される。この最終しごき成形により、図4Dに示すように、軸部14とカップ部12とを一体的に備えたアウタ部材10が最終製品として得られるに至る。この際には、前記特許文献1に記載の通り、口元部分20にバリ等が発生することが回避される。しかも、研削加工による面取り処理が不要になるので、アウタ部材10を得るまでの加工工程数を低減することができるとともに、研削工具が不要になって製造コストを有効に低減することが可能になるという利点が得られる。
なお、上記した実施の形態では、面取り部成形部90の支持側端部84側の終点と、縮幅部94の面取り部成形部90側の始点との間に等幅部92を介在させるようにしているが、面取り部成形部90の終点が隆起した凸形状になるようであれば、如何なる形状であってもよい。例えば、面取り部成形部90の終点に対して縮幅部94の始点を直接連ねるようにしてもよい。
また、縮幅部94は徐々に縮幅する湾曲部である必要は特になく、段部であってもよい。この場合、拡幅部96も段部として設け、縮幅部94と拡幅部96の間を等幅とすればよい。
さらに、縮幅部94から支持側端部84に至るまでの幅方向の寸法を同一としてもよい。
そして、ワークはトリポート型等速ジョイントのアウタ部材10に特に限定されるものではなく、バーフィールド型等速ジョイントのアウタ部材であってもよい。勿論、等速ジョイントのアウタ部材以外のものであってもよい。
10…アウタ部材 12…カップ部
14…軸部 16…有底穴
18a〜18c…ローラ溝 20…口元部分
22…面取り部 30…ビレット
32…第1中間成形体 34…第2中間成形体
36…第3中間成形体 38…大径部
50…後方押し出し成形装置 52…下部ダイス
54…上部ダイス 56、110…鍛造加工用パンチ
82…昇降部材 84…支持側端部
86…有底穴成形側端部 88a〜88c…突条部
90…面取り部成形部 92…等幅部
94…縮幅部 96…拡幅部
98a〜98c…湾曲部 100…円柱部
102…拡径部 104…ガイドスリーブ
112…傾斜部

Claims (3)

  1. ワークに対する鍛造加工時に前記ワークに穴部を陥没形成するための穴部成形側端部と、
    長手方向に直交する幅方向の寸法が前記穴部成形側端部から離間するにつれて大きくなり、且つ前記鍛造加工時に前記ワークに最後に当接して前記穴部の開口近傍の内壁に面取り部を形成する面取り部成形部と、
    鍛造加工装置に支持される支持側端部と、
    前記面取り部成形部と前記支持側端部との間に設けられ、且つ前記面取り部成形部における前記支持側端部側の終端に比して幅方向の寸法が小さい縮幅部と、
    を有することを特徴とする鍛造加工用パンチ。
  2. 請求項1記載のパンチにおいて、前記支持側端部の幅方向の寸法が前記縮幅部に比して大きく、且つ前記縮幅部と前記支持側端部との間に拡幅部が設けられたことを特徴とする鍛造加工用パンチ。
  3. 請求項2記載のパンチにおいて、前記縮幅部と前記拡幅部が互いに連なる湾曲部として形成されたことを特徴とする鍛造加工用パンチ。
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