JP2011240394A - 有底筒状部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有底筒状部材の筒状部に対してしごき成形を行う際に、筒状部の開口部側へ材料が流動するのを防止して、筒状部の内周に形成されるアンダカット部を精度よく成形し得るようにした有底筒状部材の製造方法を提供する。
【解決手段】一端に開口部を有し、内周面に開口部側から見てアンダカット部を有する有底筒状部材の製造方法であり、準備工程S1と、パンチセット工程S2と、しごき成形工程S3と、成形品取り出し工程S4とを順に行う。パンチセット工程S2では、成形素材の内周面にアンダカット部を形成するための凸部を外周面に有し径方向に拡縮可能なしごきパンチを成形素材の内周に嵌合させてセットする。しごき成形工程S3では、成形素材の底部外面および開口部端面を筒状の軸方向両側から拘束した状態で、成形素材をダイのしごき孔に軸方向に圧入して行うしごき成形により、アンダカット部を成形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車両に装備される等速ジョイントの外輪等として用いられる有底筒状部材の製造方法に関する。
従来より、クロス溝を有する等速ジョイントの外輪の製造方法として、外輪の内周に設けられるクロス溝を切削加工により形成する製造方法や、例えば特許文献1に開示されているようなしごき成形によりクロス溝を成形する製造方法が知られている。特許文献1に開示された製造方法は、軸部と該軸部の一端に形成された筒状部とを有する成形素材に対して、筒状部の内周に形成すべきクロス溝(ボール転動溝)と相補形状をなす複数の凸条部を有する拡縮可能なポンチセットを筒状部の内周に嵌合させた状態で、筒状部の開口部側からダイ孔に圧入してしごき成形するものである。これにより、筒状部の内周に、筒状部の開口部側から見てアンダカット部となったクロス溝を成形する。
特開平9−150233号公報
ところが、上記の製造方法のように、筒状部の開口部側からダイ孔に圧入してしごき成形を行った場合、ダイとポンチセットによるクロス溝の成形が進行するに従って、既に成形を完了した部分の材料が筒状部の開口部側へ流動してしまう。そのため、既に成形を完了したクロス溝の成形面がポンチの凸条部から離れてしまい、クロス溝(アンダカット部)を精度よく成形することができないという事態が発生する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有底筒状部材の筒状部に対してしごき成形を行う際に、筒状部の開口部側へ材料が流動するのを防止して、筒状部の内周に形成されるアンダカット部を精度よく成形し得るようにした有底筒状部材の製造方法を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する請求項1に係る発明の構成上の特徴は、
一端に開口部を有し、内周面に前記開口部側から見てアンダカット部を有する有底筒状部材の製造方法であって、
一端に開口部を有する有底筒状の成形素材を準備する準備工程と、
前記成形素材の内周面に前記アンダカット部を形成するための前記アンダカット部と符合する形状をなす凸部を外周面に有し径方向に拡縮可能なしごきパンチを前記成形素材の内周に嵌合させてセットするパンチセット工程と、
前記成形素材の底部外面および開口部端面を軸方向両側から拘束した状態で、前記成形素材をダイのしごき孔に軸方向に圧入して行うしごき成形により、前記アンダカット部を成形するしごき成形工程と、を有することである。
なお、本発明の有底筒状部材の製造方法は、内周面に開口部側から見てアンダカット部を有する有底筒状部材が対象となる。この場合、アンダカット部とは、有底筒状部材の開口側から見て、パンチの挿入抜出方向に対して逆勾配となった形状を有する、有底筒状部内周面の凹部や溝などのことをいう。また、有底筒状部材は、有底筒状部のみからなるものに限定されることはなく、例えば等速ジョイントの外輪のように、軸部と有底筒状部が一体に連結形成されたものも対象となる。この場合、外輪の内周面に設けられるボール転動溝は、アンダカット部となるものであれば、ストレート状のボール転動溝であってもクロス状のボール転動溝であってもよい。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記しごきパンチは、周方向に分割形成された複数の分割パンチを有し、各前記分割パンチには、前記成形素材の前記開口部端面を拘束する拘束面が設けられていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2において、隣り合う前記分割パンチの間には、前記成形素材の前記開口部端面を拘束する拘束面を有さないスペース部材が配置されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記しごき成形工程は、前記成形素材を開口部側から前記しごき孔に圧入することである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記有底筒状部材は、筒状部の内周面に形成されるボール転動溝が前記筒状部の軸線に対して所定角度傾斜したクロス状に形成されているクロスグルーブ型等速ジョイントの外輪であることである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記しごき成形工程は、前記成形素材の前記開口部端面を拘束する拘束面が円錐面で形成された拘束部材を用いることである。
請求項1に係る発明によれば、しごき成形工程は、成形素材の底部外面および開口部端面を軸方向両側から拘束した状態で、成形素材をダイのしごき孔に軸方向に圧入して行うしごき成形により、アンダカット部を成形するようにしている。そのため、しごき成形工程において、成形素材がダイのしごき孔としごきパンチでしごかれることによりアンダカット部が成形される際に、ダイのしごき孔により径方向外方側から押圧される成形素材の肉は、成形素材の底部外面および開口部端面が軸方向両側から拘束されているので、成形素材の開口部側へ流動するのを防止され、径方向内方へ押し出される。これにより、成形素材の内周のアンダカット部となった部分にも成形素材の肉がより確実に押し出されるようになるので、しごきパンチの凸部(型面)に沿った良好なアンダカット部が成形される。したがって、アンダカット部を精度よく成形することができるので、品質の向上を図ることができる。
また、本発明によれば、成形素材の開口部端面が拘束されていることにより、開口部端面にうねりが発生するのを抑制することができる。これにより、しごき成形終了後に行われる旋削加工において工具取り換えの削減や材料の削減が可能となるので、低コスト化を図ることができる。さらに、アンダカット部をしごき成形(鍛造成形)により成形するようにしているので、アンダカット部を切削加工により形成する場合に比べて低コスト化を図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、しごきパンチは、周方向に分割形成された複数の分割パンチを有し、各分割パンチには、成形素材の開口部端面を拘束する拘束面が設けられている。これにより、成形素材の開口部端面を拘束する拘束面を有する専用の拘束部材を別に設ける必要がないため、製造装置を簡易な構造にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、隣り合う分割パンチの間には、成形素材の開口部端面を拘束する拘束面を有さないスペース部材が配置されている。これにより、しごきパンチを径方向外方に拡張させた際に、隣り合う分割パンチの間に形成される空間部にスペース部材が配置されるようにすることによって、しごき成形工程において分割パンチが周方向に傾動するのを防止することができる。また、スペース部材には、成形素材の開口部端面を拘束する拘束面が設けられていないことから大きな荷重が掛からないので、耐久性の悪化を回避することができる。
請求項4に係る発明によれば、しごき成形工程は、成形素材を開口部側からダイ孔に圧入するようにしている。このようにすれば、成形素材の開口部端面を拘束する拘束面に加わる荷重を、成形素材の底部外面を拘束する拘束面に加わる荷重よりも軽減することができる。
請求項5に係る発明によれば、有底筒状部材は、筒状部の内周面に形成されるボール転動溝が前記筒状部の軸線に対して所定角度傾斜したクロス状に形成されているクロスグルーブ型等速ジョイントの外輪である。本発明が適用されるクロスグルーブ型等速ジョイントのように、ボール転動溝が筒状部の軸線に対して所定角度傾斜したクロス状に形成されている場合には、筒状部の内周に形成されるアンダカット部の量が特に多くなっている。そのため、筒状部の開口部側への肉の流動防止効果をより確実に実現することができるので、本発明のより好ましい適用が実現される。
請求項6に係る発明によれば、しごき成形工程は、成形素材の開口部端面を拘束する拘束面が円錐面で形成された拘束部材を用いるようにしている。これにより、しごき成形工程終了後に旋削加工を行う際に、円錐面で形成された成形素材の開口部端面を、軸出し用のセンタ基準として利用することができる。
実施形態に係る有底筒状部材の製造方法を示すフローチャートである。 実施形態に係る有底筒状部材の製造方法により得られる成形品の斜視図である。 図2に示した成形品の開口部側から見た正面図である。 図3のA−A線矢視断面図である。 実施形態に係る有底筒状部材の製造方法の準備工程において準備される成形素材の斜視図である。 図5に示した成形素材の開口部側から見た正面図である。 図6のB−B線矢視断面図である。 実施形態に係る有底筒状部材の製造方法のパンチセット工程においてしごきパンチを成形素材に嵌合した状態を示す説明図であって、(a)は一部を断面で示す斜視図、(b)は図10のC−C線に相当する部分の軸方向に沿う矢視断面図である。 図8(b)のD−D線に相当する部分の軸直角方向に沿う矢視断面図である。 図8(b)の上方から見た平面図である。 実施形態に係る有底筒状部材の製造方法のしごき成形工程を示す説明図であって、(a)は成形素材の圧入開始前の状態を示す断面図、(b)は成形素材の圧入進行中の状態を示す断面図、(c)は成形素材の圧入終了時の状態を示す断面図である。 実施形態に係る有底筒状部材の製造方法のしごき成形工程において成形素材の圧入終了時の状態を示す説明図であって、(a)は一部を断面で示す斜視図、(b)は(c)のE−E線に相当する部分の軸方向に沿う矢視断面図、(c)は(b)のF−F線に相当する部分の軸直角方向に沿う矢視断面図である。 実施形態に係る有底筒状部材の製造方法の成形品取り出し工程において成形品をしごきパンチから取り出す状態を示す説明図であって、(a)は一部を断面で示す斜視図、(b)は(c)のG−G線に相当する部分の軸方向に沿う矢視軸方向に沿う断面図、(c)は(b)のH−Hに相当する部分の軸直角方向に沿う線矢視断面図である。 他の実施形態に係る有底筒状部材の製造方法を示す説明図である。
以下、本発明の有底筒状部材の製造方法を具体化した実施形態について図1〜図14を参照して説明する。
本実施形態の有底筒状部材の製造方法は、図2〜図4に示すクロスグルーブ型等速ジョイント用の外輪10を最終完成品として製造する方法である。この外輪10は、軸部11と、軸部11の一端に連結して一体に形成された有底円筒状の筒状部12とを有し、筒状部12の内周面には、筒状部12の軸線に対して所定角度傾斜した6本のボール転動溝13がクロス状に形成されている。それぞれのボール転動溝13の奥側(反開口部側)には、ボール転動溝13の研磨工程を行う際に利用される研磨逃がし部13aが形成されている。この場合、ボール転動溝13および研磨逃がし部13aは、筒状部12の開口部側から見てアンダカット部となっている。すなわち、外輪10の筒状部12は、その内周面に、開口部側から見てアンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)を有する有底筒状部材である。
本実施形態の製造方法は、図1に示すフローチャートのように、準備工程S1と、パンチセット工程S2と、しごき成形工程S3と、成形品取り出し工程S4とを順に行うものであり、以下、詳細に説明する。
<準備工程S1>
先ず、準備工程S1では、図5〜図7に示すように、軸部21と、軸部21の一端に連結して一体に形成された有底円筒状の筒状部22とからなる成形素材20を準備する。この成形素材20は、鉄系金属の素材を熱間鍛造により所定の形状に成形したものである。筒状部22の内周面には、ボール転動溝形成予定部23および研磨逃がし部形成予定部23aが形成されている。
<パンチセット工程S2>
次のパンチセット工程S2では、図8〜図10に示すように、成形素材20の筒状部22の内周面にアンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)を形成するためのアンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)と符合する形状をなす凸部30bを外周面に有し径方向に拡縮可能なしごきパンチ30を、成形素材20の内周に嵌合させてセットする。
ここで用いるしごきパンチ30は、径方向に拡縮可能にするために、周方向に6分割して形成された6個の分割パンチ30aにより構成されている。分割パンチ30aは、縦方向に長尺状に形成されており、下端側の支持部と上端側のパンチ部とを有する。パンチ部の外周側の側面には、成形素材20の内周面を成形する成形面が設けられている。6個の分割パンチ30aのそれぞれの成形面には、凸部30bが1個ずつ設けられている。また、6個の分割パンチ30aのそれぞれの成形面の下端には、成形素材20の開口部端面を拘束する拘束面30cが設けられている。
また、隣り合う分割パンチ30aの間には、しごきパンチ30が径方向に拡張したときに形成される隙間を埋めるために、6個のスペース部材31が配置されている。このスペース部材31が配置されていることによって、分割パンチ30aの傾動を防止することができる。このスペース部材31は、分割パンチ30aと略同じ長さの長尺状に形成されている。スペース部材31の上端部の外周側の側面には、周方向両側にある分割パンチ30aのパンチ部に設けられた成形面と連続するように形成された成形面が設けられている。これにより、6個の分割パンチ30aの成形面と6個のスペース部材31の成形面により、成形素材20の内周面を成形するようにされている。なお、スペース部材31には、成形素材20の開口部端面を拘束する拘束面は設けられていない(図12(b)参照)。しかし、スペース部材31の周方向幅(厚み)は数mmで小さいため、6個の分割パンチ30aに設けられた拘束面30cで、筒状部22の開口部端面の大部分を拘束することができる。
このしごきパンチ30を搭載するパンチ装置は、図8に示すように、マンドレルホルダ33に下端部を保持されて立設されたマンドレル34と、マンドレルホルダ33に下端部を保持されてマンドレル34の外側に同軸状に配置された略円筒状のパンチホルダ35とを備えている。そして、パンチホルダ35の内周部には、軸方向(図8の上下方向)に延びる6本のガイド溝35aが周方向に等間隔に設けられており、それぞれのガイド溝35a内に分割パンチ30aが1個ずつ上下方向へ摺動可能に配置されている。また、パンチホルダ35の隣り合うガイド溝35aの間には、スペース部材31を収容する収容空間35bが設けられており、それぞれの収容空間35b内には、下端部をマンドレルホルダ33に保持されたスペース部材31が1個ずつ配置されている。
このように構成されたパンチ装置のしごきパンチ30に対して、成形素材20の筒状部22が周方向の位置合わせをして開口部側から嵌合されることにより、成形素材20がセットされる。これにより、成形素材20は、筒状部22の底部内面の中央部をマンドレル34の先端で支持されるとともに、筒状部22の開口部端面が各分割パンチ30aに設けられた拘束面30cに当接して拘束された状態にセットされている。なお、この時点(しごき成形前)では、筒状部22の内径は、しごきパンチ30の外径よりも大きいため、筒状部22のしごきパンチ30への嵌合は容易に行うことができる。
<しごき成形工程S3>
しごき成形工程S3は、図11(a)(b)(c)に示すように、しごきパンチ30にセットされた成形素材20の筒状部22の底部外面をショルダ押さえ45で拘束し、筒状部22の底部外面をおよび開口部端面を筒状部22の軸方向両側から拘束した状態で、成形素材20を筒状部220の開口部側からダイ40のしごき孔41内に軸方向に圧入してしごき成形を行う。これにより、成形素材20の筒状部22がダイ40のしごき孔41としごきパンチ30でしごかれる。このとき、ダイ40のしごき孔41により径方向外方側から押圧される筒状部22の肉は、筒状部22の底部外面および開口部端面が軸方向両側から拘束されているので、筒状部22の開口部側へ流動するのを防止され、径方向内方へ押し出される。これにより、筒状部22の内周のアンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)にも筒状部22の肉がより確実に押し出されるようになるので、しごきパンチ30の凸部30bに沿った良好なアンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)が精度よく成形される。
<成形品取り出し工程S4>
次の成形品取り出し工程S4では、図12に示す、しごき成形工程S3終了時の状態から成形素材20を上方へ引き上げると、成形素材20に嵌合している6個の分割パンチ30aが成形素材20と共に上方へ引き出される。これにより、図13に示すように、分割パンチ30a上端部の周方向両側面および径方向内面を拘束していたスペース部材31およびマンドレル34が無くなるため、6個の分割パンチ30aは径方向内方へ傾倒可能となる。これにより、しごきパンチ30を径方向に縮小させた状態にして、成形素材20の筒状部22をしごきパンチ30から取り出す。
成形品取り出し工程S4の終了後には、取り出した成形素材20は、次の工程に送られてボール転動溝13の研磨処理等の必要な処理が施されることによって、図2〜図4に示す外輪10が完成する。
以上のように、本実施形態の外輪の製造方法によれば、しごき成形工程S3は、成形素材20の筒状部22の底部外面および開口部端面を筒状部22の軸方向両側から拘束した状態でしごき成形を行うことにより、アンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)を成形するようにしている。そのため、筒状部22がダイ40のしごき孔41としごきパンチ30でしごかれるときに、ダイ40のしごき孔41により径方向外方側から押圧される筒状部22の肉は、筒状部22の底部外面および開口部端面が軸方向両側から拘束されているので、筒状部22の開口部側へ流動するのを防止することができる。これにより、筒状部22の肉を、筒状部22の内周のアンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)により確実に押し出すことができるので、しごきパンチ30の凸部30bに沿った良好なアンダカット部(ボール転動溝13および研磨逃がし部13a)を精度よく成形することができる。
また、本実施形態では、しごきパンチ30の分割パンチ30aに筒状部22の開口部端面を拘束する拘束面30cが設けられているので、筒状部22の開口部端面を拘束する拘束面を有する専用の拘束部材を別に設ける必要がないため、しごき装置を簡易な構造にすることができる。
また、本実施形態では、隣り合う分割パンチ30aの間に配置されたスペース部材31には、筒状部22の開口部端面を拘束する拘束面が設けられていないので、しごき成形を行う際に、スペース部材31に大きな荷重が掛かるのを回避することができ、これにより耐久性の悪化を回避することができる。
〔他の実施形態〕
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、図14に示すように、しごき成形工程S3を行う際に、成形素材20の筒状部22の開口部端面を拘束する拘束面30cが円錐面で形成された分割パンチ30aを用いるようにしてもよい。このようにすれば、しごき成形工程S3の後工程で旋削加工を行う際に、円錐面で形成された筒状部22の開口部端面を、軸出し用のセンタ基準として利用することができる。
また、上記実施形態のしごき成形工程S3では、成形素材20をダイ40のしごき孔41に筒状部22の開口部側から軸方向に圧入するようにしていたが、筒状部22の底部側から軸方向に圧入するようにしてもよい。
また、上記実施形態は、クロスグルーブ型等速ジョイントに用いる、クロス状のボール転動溝(アンダカット部)を有する外輪10の製造方法を例示したが、本発明は、クロス状のボール転動溝(アンダカット部)を有する外輪10以外に、ストレート状のボール転動溝(アンダカット部)を有する外輪10にも適用することが可能である。
10…外輪、 11…軸部、 12…筒状部、 13…ボール転動溝、 13a…研磨逃がし部、 20…成形素材、 21…軸部、 22…筒状部、 23…ボール転動溝形成予定部、 23a…研磨逃がし部形成予定部、 30…しごきパンチ、 30a…分割パンチ、 30b…凸部、 30c…拘束面、 40…ダイ、 41…しごき孔、 45…ショルダ押さえ、 45a…拘束面。

Claims (6)

  1. 一端に開口部を有し、内周面に前記開口部側から見てアンダカット部を有する有底筒状部材の製造方法であって、
    一端に開口部を有する有底筒状の成形素材を準備する準備工程と、
    前記成形素材の内周面に前記アンダカット部を形成するための前記アンダカット部と符合する形状をなす凸部を外周面に有し径方向に拡縮可能なしごきパンチを前記成形素材の内周に嵌合させてセットするパンチセット工程と、
    前記成形素材の底部外面および開口部端面を軸方向両側から拘束した状態で、前記成形素材をダイのしごき孔に軸方向に圧入して行うしごき成形により、前記アンダカット部を成形するしごき成形工程と、
    を有することを特徴とする有底筒状部材の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記しごきパンチは、周方向に分割形成された複数の分割パンチを有し、各前記分割パンチには、前記成形素材の前記開口部端面を拘束する拘束面が設けられていることを特徴とする有底筒状部材の製造方法。
  3. 請求項2において、
    隣り合う前記分割パンチの間には、前記成形素材の前記開口部端面を拘束する拘束面を有さないスペース部材が配置されていることを特徴とする有底筒状部材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、
    前記しごき成形工程は、前記成形素材を開口部側から前記しごき孔に圧入することを特徴とする有底筒状部材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、
    前記有底筒状部材は、筒状部の内周面に形成されるボール転動溝が前記筒状部の軸線に対して所定角度傾斜したクロス状に形成されているクロスグルーブ型等速ジョイントの外輪であることを特徴とする有底筒状部材の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、
    前記しごき成形工程は、前記成形素材の前記開口部端面を拘束する拘束面が円錐面で形成された拘束部材を用いることを特徴とする有底筒状部材の製造方法。
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