JP2012005973A - メタクリル酸製造用触媒の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン及びリンを含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法において、(a)少なくともモリブデン、リン及びアンモニウム根を含む混合溶液又はスラリーを調製する工程と、(b)有機バインダー(B1)、アンモニウム根及び溶媒を混合後、加熱処理して有機バインダー溶液を調製する工程と、(c)前記混合溶液又はスラリーと前記有機バインダー溶液とを混合後、乾燥して乾燥物を調製する工程と、(d)前記乾燥物にアルコール及び有機バインダー(B2)を混合し、混練りして混練り物を調製する工程と、(e)前記混練り物を成形し、焼成する工程と、を含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
【選択図】なし
Description
(a)少なくともモリブデン、リン及びアンモニウム根を含む混合溶液又はスラリーを調製する工程と、
(b)有機バインダー(B1)、アンモニウム根及び溶媒を混合後、加熱処理して有機バインダー溶液を調製する工程と、
(c)前記混合溶液又はスラリーと前記有機バインダー溶液とを混合後、乾燥して乾燥物を調製する工程と、
(d)前記乾燥物にアルコール及び有機バインダー(B2)を混合し、混練りして混練り物を調製する工程と、
(e)前記混練り物を成形し、焼成する工程と、を含む。
本発明に係るメタクリル酸製造用触媒の製造方法は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン及びリンを含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法において、
(a)少なくともモリブデン、リン及びアンモニウム根を含む混合溶液又はスラリーを調製する工程と、
(b)有機バインダー(B1)、アンモニウム根及び溶媒を混合後、加熱処理して有機バインダー溶液を調製する工程と、
(c)前記混合溶液又はスラリーと前記有機バインダー溶液とを混合後、乾燥して乾燥物を調製する工程と、
(d)前記乾燥物にアルコール及び有機バインダー(B2)を混合し、混練りして混練り物を調製する工程と、
(e)前記混練り物を成形し、焼成する工程と、を含む。
前記式(1)中、P、Mo、V、Cu及びOは、それぞれリン、モリブデン、バナジウム、銅及び酸素を表す。Xは、砒素、アンチモン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を表す。Yは、ビスマス、ゲルマニウム、ジルコニウム、銀、セレン、ケイ素、タングステン、ホウ素、鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タンタル、コバルト、マンガン、バリウム、ガリウム、セリウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を表す。Zは、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を表す。a、b、c、d、e、f、g及びhは各元素の原子比率を表し、b=12のとき、a=0.1〜3、c=0.01〜3、d=0.01〜2、e=0〜3、f=0〜3、g=0.01〜3であり、hは前記各元素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比率である。
工程(a)では、少なくともモリブデン、リン及びアンモニウム根を含む混合溶液又はスラリーを調製する。
工程(b)では、有機バインダー(B1)、アンモニウム根及び溶媒を混合後、加熱処理して有機バインダー溶液を調製する。
工程(c)では、前記工程(a)で調製した混合溶液又はスラリーと、前記工程(b)で調製した有機バインダー溶液とを混合後、乾燥して乾燥物を調製する。
工程(d)では、前記工程(c)で調製した乾燥物にアルコール及び有機バインダー(B2)を混合し、混練りして混練り物を調製する。
工程(e)では、工程(d)で調製した混練り物を成形し、焼成する。これにより、本発明に係るメタクリル酸製造用触媒が製造される。
本発明に係るメタクリル酸の製造方法は、前記方法により得られたメタクリル酸製造用触媒の存在下で、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する方法である。
メタクリル酸の選択率(%) =(C/B)×100
メタクリル酸の収率(%) =(C/A)×100
ここで、Aは供給したメタクロレインのモル数、Bは反応したメタクロレインのモル数、Cは生成したメタクリル酸のモル数である。
(工程(a))
純水400部に、三酸化モリブデン100部、メタバナジン酸アンモニウム3.1部、85質量%リン酸水溶液7.3部、60質量%ヒ酸7.5部及び硝酸銅1.1部を溶解し、この溶液を攪拌しながら95℃に昇温し、液温を95℃に保ちつつ3時間攪拌した。該溶液を50℃まで冷却後、回転翼攪拌機を用いて攪拌しながら、純水20部に溶解した重炭酸セシウム13.5部及び純水20部に溶解した硝酸アンモニウム11.6部を純水20部に溶解した溶液を添加し、さらに20分間攪拌した。これによりスラリーを調製した。
前記スラリーの固形分としての原料化合物100部に対して2.0部にあたるプルラン(低級アルコールに対して不溶)を量りとり、プルランの2質量%水溶液となるように水を添加した。該溶液を回転翼攪拌機を用いて攪拌しながら、プルラン1gあたり0.05モルに相当する量の炭酸アンモニウムを添加して15分間攪拌した。その後該溶液を攪拌しながら加熱し、80℃で15分間保持した。これにより有機バインダー溶液を調製した。
前記有機バインダー溶液を前記スラリーに添加し、50℃の温度で回転翼攪拌機により15分間攪拌した。次に、スプレー乾燥機を用いて、乾燥入口温度200℃、乾燥空気量35L/min、噴霧空気圧力0.05Mpa、試料送液量2ml/minの条件で乾燥した。得られた乾燥粒子の粒子径をレーザー式粒度分布測定装置により測定したところ5〜150μmの範囲にあり、その平均粒子径は30μmであった。
得られた乾燥粒子100部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロース3部とカードラン1部を加え、乾式混合した。ここにエチルアルコール55部を添加混合し、混練り機で粘土状になるまで混合(混練り)した。これにより混練り物を調製した。
前記混練り物をピストン式押出し成形機を用いて成形し、外径5mm、平均長さ5mmの円柱状のペレット状成形体を得た。この成形時の触媒の成形性は良好であり、押出しノズル付近での触媒の付着トラブルもなかった。成形性の歩留りは92%であり、良好であった。該ペレット状成形体を130℃で6時間乾燥し、次いで空気流通下380℃で5時間焼成することによりメタクリル酸製造用触媒を製造した。
実施例1の工程(b)において、炭酸アンモニウムをアンモニア水に変更した以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、メタクロレインの気相接触酸化反応を行った。結果を表1に示す。成形時の触媒の成形性は良好であり、押出しノズル付近での触媒の付着トラブルもなかった。成形性の歩留りは93%であり、良好であった。
実施例1の工程(b)において、炭酸アンモニウムを炭酸水素アンモニウムに変更した以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、メタクロレインの気相接触酸化反応を行った。結果を表1に示す。成形時の触媒の成形性は良好であり、押出しノズル付近での触媒の付着トラブルもなかった。成形性の歩留りは89%であり、良好であった。
実施例1の工程(b)において、プルランをメチルセルロース(低級アルコールに対して不溶)に変更した以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、メタクロレインの気相接触酸化反応を行った。結果を表1に示す。成形時の触媒の成形性は良好であり、押出しノズル付近での触媒の付着トラブルもなかった。成形性の歩留りは91%であり、良好であった。
実施例1の工程(b)において、炭酸アンモニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、メタクロレインの気相接触酸化反応を行った。結果を表1に示す。成形時の触媒の成形性は不良であり、押出しノズル付近で触媒が付着する等のトラブルが発生した。成形性の歩留りは79%であり、実施例と比較して低い値であった。また、実施例と比較してメタクリル酸収率が低下した。
実施例1の工程(b)において、プルラン水溶液に炭酸アンモニウムを添加し15分攪拌した後、該溶液を攪拌しながら加熱せずに室温(25℃)で15分保持したこと以外は実施例1と同様にして触媒を製造し、メタクロレインの気相接触酸化反応を行った。結果を表1に示す。成形時の触媒の成形性はほぼ良好であったが、実施例と比較してメタクリル酸収率が低下した。
実施例1の工程(b)において炭酸アンモニウムを添加せず、工程(a)において硝酸アンモニウムの代わりに炭酸アンモニウムを添加した以外は、実施例1と同様にして触媒を製造し、メタクロレインの気相接触酸化反応を行った。結果を表1に示す。成形時の触媒の成形性はほぼ良好であったが、実施例と比較してメタクリル酸収率が低下した。
Claims (3)
- メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン及びリンを含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法において、
(a)少なくともモリブデン、リン及びアンモニウム根を含む混合溶液又はスラリーを調製する工程と、
(b)有機バインダー(B1)、アンモニウム根及び溶媒を混合後、加熱処理して有機バインダー溶液を調製する工程と、
(c)前記混合溶液又はスラリーと前記有機バインダー溶液とを混合後、乾燥して乾燥物を調製する工程と、
(d)前記乾燥物にアルコール及び有機バインダー(B2)を混合し、混練りして混練り物を調製する工程と、
(e)前記混練り物を成形し、焼成する工程と、を含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法。 - 請求項1に記載の方法により製造されるメタクリル酸製造用触媒。
- 請求項1に記載の方法によりメタクリル酸製造用触媒を製造し、そのメタクリル酸製造用触媒の存在下で、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化するメタクリル酸の製造方法。
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JP2003305367A (ja) * | 2002-04-12 | 2003-10-28 | Mitsubishi Chemicals Corp | 劣化触媒の再生方法 |
JP2004160342A (ja) * | 2002-11-12 | 2004-06-10 | Nippon Shokubai Co Ltd | アクリル酸製造用触媒およびアクリル酸の製造方法 |
WO2009099043A1 (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-13 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | メタクリル酸製造用触媒およびその製造方法、並びにメタクリル酸の製造方法 |
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