JP2012004553A - 発光素子用実装基板、発光素子用実装基板の製造方法、発光装置及び発光装置の製造方法並びに白色樹脂組成物 - Google Patents

発光素子用実装基板、発光素子用実装基板の製造方法、発光装置及び発光装置の製造方法並びに白色樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】放熱性、絶縁性を兼ね備え、かつ、光反射性の高い発光素子用実装基板、発光素子用実装基板の製造方法、発光装置及び発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム基板12の少なくとも一方の面に、酸化アルミニウム層14が形成され、酸化アルミニウム層14上に少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂および(C)白色フィラーを含む樹脂組成物層16を有する。この樹脂硬化物層16上に、銅パターン層18と銀メッキ層20による導体パターンを備え、銀メッキ層20の一部に接着剤層26によりLEDチップ24が固定され、導体パターンとLEDチップ24とが、ワイヤ22を介して電気的に接合される。
【選択図】図2

Description

本発明は、発光素子用実装基板、発光素子用実装基板の製造方法、発光装置及び発光装置の製造方法並びに白色樹脂組成物に関する。
従来、発光素子等の電子素子を実装する基板としては、ガラスエポキシ基板が使用されていた(特許文献1参照)。しかし、このようなガラスエポキシ基板は熱伝導率が低く、電子素子部品から発生する熱を効率よく系外に排出することが困難であった。
このため、例えば下記特許文献2では、アルミニウム箔の表面に アルコキシド化合物からなるバインダーと、遠赤外線放射性物質の顔料と、溶媒を備えた熱伝導・放熱・絶縁性塗料を塗布し、アルコキシド化合物の脱水縮合により生じるSi−Oネットワークを形成して絶縁性を保持しつつ、放熱性を向上させた基板が開示されている。本従来例では、Si−OH基を残存させて絶縁性の塗布膜とアルミニウム基材との付着力を向上させている。また、上記遠赤外線放射性物質の顔料としては、例えばシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)の少なくとも一つの単体またはそれらの化合物を使用している。
また、下記特許文献3には、樹脂基板又は金属フレーム上に半導体発光素子を透明又は白色の接着剤を介してマウント、接合された面実装型LEDパッケージが開示されている。白色接着剤としては、波長460nmの光路長1mmの光透過率が80%以上である液状エポキシ樹脂と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)水酸基及び/又はアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物と、(D)酸化チタン及び/又は硫酸バリウムを含む白色エポキシ樹脂組成物が使用されている。また、樹脂基板の材料としては、例えばFR−4、FR−5、B.T.及びポリイミドなどが挙げられ、一方、金属フレームの材料としては、例えばCu合金、Fe、Ni42%Fe合金、及びこれらをAgメッキしたものなどが挙げられる。
特開2008−66132号公報 特開2009−152536号公報 特開2007−59505号公報
しかし、上記特許文献2に開示された技術においては、発光素子用実装基板に要求される絶縁性を、Si−Oネットワークを形成するための熱伝導・放熱・絶縁性塗料を塗布することにより発現させているが、十分な絶縁性を得るためには、塗膜を厚くする必要があり、熱伝導率が低下するという問題がある。
また、特許文献3に開示された技術は、耐紫外線性、耐熱性に優れ、光束利用率が高く、実装後の光度が高い面実装型LEDパッケージを提供することを目的としたものであり、放熱性、絶縁性の高い発光素子用実装基板を提供するものではない。
本発明は、放熱性、絶縁性を兼ね備え、かつ、光反射性の高い発光素子用実装基板、発光素子用実装基板の製造方法、発光装置及び発光装置の製造方法を提供することを目的の一つとしている。また、本発明は、放熱性、絶縁性を兼ね備え、かつ、光反射性の高い発光素子用実装基板の製造に有用な白色樹脂組成物を提供することを目的の一つとしている。
上記目的を達成する本発明の実施形態の一つは、発光素子用実装基板であって、アルミニウム基板と、前記アルミニウム基板の少なくとも一方の面に形成された酸化アルミニウム層と、前記酸化アルミニウム層上に形成された少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂および(C)フィラー、を含む樹脂組成物の硬化物層と、前記硬化物層上に設けられた銅箔または導体パターン層を備えることを特徴とする。また、前記ポリカルボン酸樹脂がカルボキシル基含有ウレタン樹脂であることを特徴とする。さらに、前記カルボキシル基含有ウレタン樹脂が
(a)ポリイソシアネート化合物、(b)ポリヒドロキシ化合物、(c)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物、を原料とするものであることを特徴とする。
また、上記発光素子用実装基板において、前記フィラーが酸化チタン、硫酸バリウムのいずれかを含むことを特徴とする。また、前記酸化アルミニウム層の厚さが30〜90μmであることを特徴とする。
上記本発明の発光素子用実装基板の製造方法の一つは、アルミニウム基板の少なくとも一方の表面に酸化アルミニウム層を形成する工程と、前記酸化アルミニウム層上に少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂及び(C)フィラーを含む樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成する工程と、前記アルミニウム基板を加熱処理することで樹脂硬化物層を形成する工程と、前記樹脂硬化物層上に導体パターンを形成する工程と、を有することを特徴とする。また、製造方法の他の一つは、アルミニウム基板の少なくとも一方の表面に酸化アルミニウム層を形成する工程と、前記酸化アルミニウム層上に少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂および(C)フィラーを含む樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成する工程と、前記樹脂組成物層に銅箔を接着し加熱処理する工程と、前記銅箔をパターン化処理し導体パターンを形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態は、発光装置の製造方法であって、上記発光素子用実装基板の導体パターン上に半導体発光素子を実装することを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態は、発光装置であって、アルミニウム基板と、前記アルミニウム基板の少なくとも一方の面に形成された酸化アルミニウム層と、前記酸化アルミニウム層上に形成された少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂および(C)フィラーを含む樹脂組成物の硬化物層と、前記樹脂硬化物層上に形成された導体パターンと、前記導体パターンに電気的に接続するように実装された半導体発光素子と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明の他の実施形態は、カルボキシル基含有ウレタン樹脂と、エポキシ樹脂と、光反射性の白色フィラーとを含む白色樹脂組成物であって、該組成物の成形体の430〜830nmの範囲の波長の平均反射率が80%以上であることを特徴とする。また、前記カルボキシル基含有ウレタン樹脂が(a)ポリイソシアネート化合物、(b)ポリヒドロキシ化合物、(c)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物、を原料とするものであることを特徴とする。また、前記(b)ポリヒドロキシ化合物が、数平均分子量が500〜50000であり、その骨格中に炭素数nが8以上18以下のアルキレン基(−C2n−)を有し、その両末端にヒドロキシ基を有しているポリカーボネートジオールであることを特徴とする。
前記白色フィラーの配合量は、カルボキシル基含有ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂をあわせた固形分100体積部に対して600体積部〜1000体積部であることを特徴とする。また、前記フィラーが酸化チタン、硫酸バリウムのいずれかを含むことを特徴とする。
前記カルボキシル基含有ポリウレタンのカルボキシル基1当量に対して、エポキシ基が0.7〜1.5当量となるようにエポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の発光素子用実装基板はアルミニウム基板表面に絶縁性が良好で熱伝導率の高い酸化アルミニウム層を備えているので絶縁性および熱伝導性に優れる。また、酸化アルミニウム層上に厚さを制御した白色樹脂硬化物層を備えることにより熱伝導率の低下を小さく抑制することができるとともに高い光反射性を有する。また、本発明の白色樹脂硬化物を構成する樹脂成分は通常のエポキシ樹脂等に比べてフィラーを高充填させても高い接着性を有することが本発明者により新たに見出され、酸化アルミニウム層表面に塗布形成した白色樹脂組成物層に銅箔を接着させ熱硬化させることにより高接着強度を有する銅張基板を容易に得ることができ、本発明の発光素子用実装基板および発光装置の製造に好適である。
実施形態にかかる発光装置の一例の断面図である。 図1に示された発光装置の製造方法の一例の説明図である。 耐電圧試験方法の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、実施形態にかかる発光装置の一例の断面図が示される。図1の発光装置10において、アルミニウム基板12の少なくとも一方の面に酸化アルミニウム層14が形成されており、この酸化アルミニウム層14上には、樹脂硬化物層16が形成されている。樹脂硬化物層16の上には、銅パターン層18及び銀メッキ層20により導体パターンが形成され、ワイヤ22を介してLEDチップ24(半導体発光素子)に電気的に接合されている。また、LEDチップ24は、接着剤層26により銀メッキ層20上に固定されている。なお、図1に示されたLEDチップ24の実装はワイヤボンドタイプであるが、フリップチップタイプであってもよい。また、上記銀メッキ層20が形成されていない部分には、ソルダレジスト層28が形成されている。
ここで、本実施形態では、上記アルミニウム基板12、酸化アルミニウム層14、樹脂硬化物層16および、銅箔または銅パターン層18を含む基板を発光素子用実装基板としている。
上記アルミニウム基板12の材料としては、従来用いられているものであればすべてその対象にでき、純アルミニウム、あるいは各種のアルミニウム合金が使用できる。また、図1では省略されているが、アルミニウム基板12には必要に応じてスルーホール等を設けてもよい。
上記酸化アルミニウム層14は、従来既知の方法により形成することができる。例えば、アルミニウム基板12に硫酸、スルファミン酸、しゅう酸等の無機酸あるいは有機酸水溶液中で陽極酸化法を適用することにより、アルミニウム基板12の少なくとも片面に酸化アルミニウム層14を形成することができる。このようなアルミニウムの陽極酸化法はアルマイト(陽極酸化)処理と呼ばれ、このようにして得られた酸化アルミニウム層14(酸化皮膜)の厚さは30〜90μmが好ましい。酸化アルミニウム皮膜が30μmより薄い時は発光素子用実装基板の絶縁性が不十分になり、一方90μmより厚い時は発光素子用実装基板の熱伝導率(放熱性)が低下する。
酸化アルミニウム層14上には樹脂硬化物層16が積層される。樹脂硬化物層16は(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂及び(C)白色フィラーを含み、これらが混練された樹脂組成物を酸化アルミニウム層14上に塗布し、加熱処理(熱硬化)することにより得られる。以下に樹脂組成物について詳細に説明する。
[(A) ポリカルボン酸樹脂]
本実施形態の樹脂組成物中に含有されるポリカルボン酸樹脂(A)の例としては、
(a)カルボキシル基含有ウレタン樹脂、
(b)エポキシ樹脂にモノカルボン酸を付加した後、酸無水物と反応させた樹脂、
(c)(メタ)アクリル酸または後述する一般式(3)で示される化合物の共重合体、または
(d)両末端にカルボン酸または酸無水物を有するポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリウレタン及びポリエステル
を挙げることができる。
(a)カルボキシル基含有ウレタン樹脂
本実施形態では、ポリカルボン酸樹脂(A)としてカルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)を用いることができる。カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)は、例えば、
(a−1)ポリイソシアネート化合物、
(a−2)ポリヒドロキシ化合物、
(a−3)カルボキシル基を含有するヒドロキシ化合物、及び必要に応じて、
(a−4)モノヒドロキシ化合物
(a−5)モノイソシアネート化合物
の各原料を組み合わせて合成することができる。
(a−1)ポリイソシアネート化合物
本実施形態の(a)カルボキシル基含有ウレタン樹脂の製造に用いられるポリイソシアネート化合物(a−1)としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−メチレンジトリレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイシシアネート、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、2,2'−ジエチルエーテルジイソシアネート等のエーテル系ジイソシアネート等を挙げることができる。
これらのジイソシアネート化合物のうち、光に対する安定性や得られるフィルムの可撓性の点から1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイシシアネート、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、2,2'−ジエチルエーテルジイソシアネート等のエーテル系ジイソシアネートが特に好ましい。これらのジイソシアネート化合物は単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、イソシアネート基(NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子数が6〜30である脂環式化合物あるいは芳香族化合物を用いた場合に、本実施形態の樹脂組成物は、特に高温高湿時の長期絶縁信頼性について優れた性能を発現する。これらの脂環式化合物あるいは芳香族化合物は、上記ポリイソシアネート化合物の総量(100mol%)に対して、10mol%以上、好ましくは20mol%以上、さらに好ましくは30mol%以上含まれることが望ましい。これらの芳香族及び/または脂環式化合物としては1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートが挙げられる。
なお、ポリイソシアネート化合物(a−1)として、ゲル化をしない範囲、例えば、全ポリイソシアネート化合物の50mol%未満の範囲でトリフェニルメタントリイソシアネートのようなイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートも少量使用することができる。
(a−2)ポリヒドロキシ化合物
本実施形態の(a)カルボキシル基含有ウレタン樹脂の製造に用いられるポリヒドロキシ化合物(a−2)としては、例えば、アルキレングリコール、脂環式ジオール、ビスフェノールAへのエポキシ化合物付加物、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール、ポリブタジエンジオール、水素化ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、水素化ポリイソプレンジオール、両末端水酸基化ポリシリコーン、水素化ダイマー酸等のジオール化合物を挙げることができる。
アルキレングリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等が挙げられる。
脂環式ジオールの例としては、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等が挙げられる。
ビスフェノールAへのエポキシ化合物付加物としては、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル付加体、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAプロピレンオキサイド4モル付加体等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールの例としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、トリシクロヘキサンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノールからなるポリカーボネートジオール成分が挙げられる。
ポリカーボネートジオールの中でも組成物としての接着性や硬化物としての可撓性の観点から、数平均分子量が500〜50000であり、その骨格中に炭素数nが8以上18以下のアルキレン基(−C2n−)を有し、その両末端にヒドロキシ基を有しているものを用いることが好ましい。ここで、分子量は後述する条件でGPCにより測定したポリスチレン換算の値である。
このポリカーボネートジオールは、その骨格中に炭素数8以上18以下のアルキレン基(−C2n−)を有しているが、このような構造のポリカーボネートジオールは、その原料として、少なくとも炭素数が8以上18以下のジオールを用いることによって形成できる。
ポリカーボネートジオールの製造方法としては、原料であるジオール(以下「原料ジオール」ともいう)と炭酸エステル類とのエステル交換、原料ジオールとホスゲンとの脱塩化水素反応を挙げることができる。
このようにして製造される上記ポリカーボネートジオールは、下記式(1)
Figure 2012004553
〔ここで、Rは、原料ジオールHO−R−OHからOH基を取り除いた後の残基であり、複数個のRは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。また、mは正の整数である。〕
で表すことができる。
上記ポリカーボネートジオールとしては、上記式(1)中のR(ただし、その総量を100mol%とする。)のうちの30mol%以上、好ましくは50mol%以上、より好ましくは95mol%以上が炭素数8以上18以下のアルキレン基であるポリカーボネートジオールが望ましい。このようなポリカーボネートジオールは、原料ジオールとして、その総量に対して30mol%以上が炭素数8以上18以下のジオールであるジオールを用いることで製造できる。
原料ジオール中には、炭素数が8以上18以下のジオールの他にも、本実施形態の目的を損なわない範囲で、炭素数が7以下のジオール、炭素数が19以上のジオール、ポリエーテルジオール、両末端水酸基化ポリブタジエン、ポリエステルジオールなどが含まれていてもよい。
エステル交換によりポリカーボネートジオールを製造する場合には、原料である炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート;及びエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのアルキレンカーボネートが挙げられる。
これらの原料ジオールと炭酸エステルとを、100〜230℃でエステル交換反応に付することによってポリカーボネートジオールが製造される。このエステル交換反応は、反応の進行状況等に応じて常圧または減圧の任意の圧力下で行うことができる。
また、上記のエステル交換反応では、触媒は必ずしも必要ではないが、反応を速めたい場合には、触媒を使用することが望ましい。この触媒としては、通常のポリカーボネートの製造において使用されるエステル交換触媒を用いることができ、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン等のチタン化合物;ジ−n−ブチルスズジラウレート、ジ−n−ブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテート等のスズ化合物;酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛等の酢酸の金属塩と酸化アンチモンまたは上記チタン化合物との組み合わせなどを例示することができる。これらの触媒は、生成物に対して1〜300ppmの範囲内となるような量で用いることが好ましい。
上記ポリカーボネートジオールとしては、たとえばその骨格中に−(CH−、−CH−CH(CH)−(CH−、−(CH−、−(CH10−または−CH((CH11CH)−CH−などのアルキレン基を有するポリカーボネートジオールを挙げることができ、これらは、それぞれ原料ジオールとして、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオールなどを用いることにより製造できる。
上記ポリカーボネートジオールは、その骨格中に複数種のアルキレン基を有するポリカーボネートジオール(共重合ポリカーボネートジオール)であってもよく、市販品として、たとえばクラレポリオールC−1015N,クラレポリオールC−1065N,クラレポリオールC−2015N(株式会社クラレ製)などを挙げることができる。共重合ポリカーボネートジオールの使用は、生成したポリウレタンの結晶化防止の観点から有利な場合が多い。
また、特に本実施形態のポリウレタンの溶媒への溶解性を考慮すると、上記ポリカーボネートジオールとしては、分岐骨格を有するポリカーボネートジオールが好ましい。このようなポリカーボネートジオールとしては、その骨格中に−(CH−(以下「1,9−ノナン骨格」ともいう。)および−CH−CH(CH)−(CH−(以下「2−メチル−1,8−オクタン骨格」ともいう。)で表されるアルキレン基を有する共重合ポリカーボネートジオールが挙げられる。
これらの中でも、上記式(1)中のR(ただし、その総量を100mol%とする。)のうちの5mol%以上、好ましくは10mol%以上、さらに好ましくは15mol%以上が2−メチル−1,8−オクタン骨格であるポリカーボネートジオールが好ましい。
上記ポリカーボネートジオールの分子量があまりに低いと、硬化物は所望する物性値を発現することが出来ず、逆にあまりに高いと、ポリウレタンの溶媒への溶解性、溶媒に溶解した後の粘度等の点で好ましくない性質が発現する。したがって、ポリカーボネートジオールの数平均分子量の範囲は、好ましくは500〜5000、さらに好ましくは1000〜4000である。
また、本実施形態のポリウレタンの溶媒への溶解性や本実施形態の樹脂組成物の耐熱性を改良する目的で、上記ポリカーボネートジオール以外に、炭素数7以下のジオールを原料とするポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、低分子量ジオール(ただし、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物を除く)を、上記ポリカーボネートジオール100質量部に対してたとえば5〜80質量部となる量で併用してもよい。
また、上述したエステル交換反応においては、片末端にのみ水酸基を有するポリカーボネートが副生することもあるが、本実施形態においては、このような副生物をごく少量、たとえば5質量%以下の量で含有するポリカーボネートジオールを使用してもよい。
ポリエーテルジオールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ−3−メチルテトラメチレングリコールならびにこれらのポリエーテルジオールの共重合体が挙げられる。
ポリエステルジオールの例としては、カルボン酸成分としてコハク酸、アジピン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸等の飽和脂環式ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能以上のカルボン酸化合物等を含むものを挙げることができ、またポリオール成分として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルキレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式アルコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の含芳香環ジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能以上のヒドロキシ化合物を含むものを挙げることができる。
これらの中でも、耐擦傷性の点からジカルボン酸成分としてイソフタル酸を含むもの、結晶性の点からポリオール成分としてプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の分岐を有するアルキレングリコールを用いることが特に好ましい。
ポリラクトンジオールの例としては、ポリカプロラクトンジオールが挙げられる。また、ポリブタジエンジオールの例としては、1,4結合の繰り返し単位を主に有するポリブタジエンジオール(例えばPoly bd R−15HT(商品名:出光興産株式会社製))、1,2結合の繰り返し単位を主に有する水酸基化ポリブタジエン(例えば、G−1000、G−2000,G−3000(いずれも商品名:日本曹達株式会社製))が挙げられる。
水素化ポリブタジエンジオールの例としては、1,4結合の繰り返し単位を主に有する水素化ポリブタジエンジオール(例えばポリテールH、ポリテールHA(いずれも商品名:三菱化学株式会社製))、1,2結合の繰り返し単位を主に有する水素化ポリブタジエンジオール(例えばGI−1000、GI−2000、GI−3000(いずれも商品名:日本曹達株式会社製))が挙げられる。
ポリイソプレンジオールの例としては、Poly IP(商品名:出光興産株式会社製)が挙げられる。
水素化ポリイソプレンジオールの例としては、エポール(商品名:出光興産株式会社製)が挙げられる。
両末端水酸基化ポリシリコーンは、例えば以下の一般式(2)で示される。
Figure 2012004553
式中、Rはそれぞれ独立して炭素数2〜50の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、これらはエーテル基を含んでいてもよく、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す。
水素化ダイマー酸としては、例えば、Sovermol908(商品名:コグニス株式会社製)等が挙げられる。
以上に列記したこれらのジオール化合物の中でも、得られるフィルムに可撓性が必要とされる場合にはポリカーボネートジオールを、また、耐擦傷性が必要とされる場合には、ポリエステルジオールを用いることが特に好ましい。
(a−3)カルボキシル基を含有するヒドロキシ化合物
本実施形態の(a)カルボキシル基含有ウレタン樹脂の製造に用いられるカルボキシル基を含有するヒドロキシ化合物(a−3)としては、例えばグリコール酸、ヒドロキシピバリン酸等のカルボキシル基含有モノアルコール、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン等のカルボキシル基含有ジオールが挙げられる。
得られるウレタンの分子量、硬化物の架橋密度等を自由に制御しやすいことから、これらの中でも2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン等のカルボキシル基含有ジオールを主として用いることが好ましく、溶媒への溶解度の点から2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸を主として用いることが特に好ましい。これらのカルボキシル基を含有するヒドロキシ化合物は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a−4)モノヒドロキシ化合物、(a−5)モノイソシアネート化合物
本実施形態のカルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)は、上述したポリイソシアネート化合物(a−1)、ポリヒドロキシ化合物(a−2)、カルボキシル基を含有するヒドロキシ化合物(a−3)の3成分だけでも合成が可能であるが、更にラジカル重合性やカチオン重合性を付与する目的や末端のイソシアネート残基またはヒドロキシ残基の影響を無くす目的で、モノヒドロキシ化合物(a−4)またはモノイソシアネート化合物(a−5)を加えて反応させることができる。
このようなモノヒドロキシ化合物(a−4)としては、例えば、水酸基以外の反応性基を持たないアルコールとしてメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等の脂肪族モノアルコール、ラジカル重合性炭素−炭素二重結合を持つものとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリルアルコール、アリロキシエタノール等が挙げられる。これらのモノヒドロキシ化合物は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物の中では2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコールが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
また、本実施形態のポリウレタンの末端のイソシアネート残基の影響を無くす目的で用いられるモノヒドロキシル化合物としては、上記のモノヒドロキシル化合物の他に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。
また、上記モノイソシアネート化合物(a−5)としては、ラジカル重合性炭素−炭素二重結合を持つものとして、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、ジイソシアネート化合物への2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、上記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノールのモノ付加体等が挙げられる。
また、末端の水酸基残基の影響を無くす目的で用いるモノイソシアネートヒドロキシ化合物としては、フェニルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、ジイソシアネート化合物へのメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコールのモノ付加体等が挙げられる。
以上の原料から合成した本実施形態にかかるカルボキシル基含有ウレタン樹脂の数平均分子量は500〜100000であることが好ましく、3000〜50000であると更に好ましい。ここで、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。分子量が500未満では、樹脂組成物の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、100000を超えると溶媒へのポリウレタンの溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなりすぎるために、使用面で制約が大きくなることがある。
なお、本明細書では、特に断りのない限り、GPCの測定条件は以下のとおりである。
装置名:日本分光(株)製HPLCユニット HSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:日本分光(株)製 RI−2031Plus
温度:40.0℃
試料量:サンプルループ 100μリットル
試料濃度:0.1質量%前後に調製
上述したカルボキシル基含有ポリウレタンの酸価は5〜120mgKOH/gであると好ましく、10〜70mgKOH/gであると更に好ましい。酸価が5mgKOH/g未満では、エポキシ樹脂等の他の硬化性樹脂との反応性が低下し耐熱性を損ねることがある。120mgKOH/gを超えると、架橋が多すぎて柔軟性が損なわれ、樹脂組成物の接着層が硬く脆くなりすぎることがある。
本実施形態のカルボキシル基含有ウレタン樹脂としては、数平均分子量が500〜100000であり、かつ酸価が5〜120mgKOH/gであるカルボキシル基含有ウレタン樹脂が好ましく、数平均分子量が3000〜50000であり、かつ酸価が10〜70mgKOH/gであるカルボキシル基含有ポリウレタンがさらに好ましい。
なお、本明細書において、樹脂の酸価は以下の方法により測定した値である。
100ml三角フラスコに試料約0.2g程度を精密天秤にて精秤し、これにエタノール/トルエン=1/2(質量比)の混合溶媒10mlを加えて溶解する。更に、この容器に指示薬としてフェノールフタレインエタノール溶液を1〜3滴添加し、試料が均一になるまで十分に攪拌する。これを、0.1N(規定)水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを、中和の終点とする。その結果から下記の計算式を用いて得た値を、樹脂の酸価とする。
酸価(mgKOH/g)=〔B×f×5.611〕/S
B:0.05N水酸化カリウム−エタノール溶液の使用量(ml)
f:0.05N水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)。
本実施形態のカルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)は、ジブチル錫ジラウリレートのような公知のウレタン化触媒の存在下または非存在下で適切な溶媒を用いて、ポリイソシアネート化合物(a−1)、ポリヒドロキシ化合物(a−2)、カルボキシル基を含有するヒドロキシ化合物(a−3)、及び必要に応じて、モノヒドロキシ化合物(a−4)、(a−5)モノイソシアネート化合物を反応させて得られる。
反応様式に特に制限はないが、工業的に実施する上での代表的な例を次に示す。
反応に用いる有機溶剤(溶媒)は、イソシアネートとの反応性が低いものであればよく、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム及び塩化メチレン等が挙げられる。この中でも、生成するカルボキシル基含有ウレタンの溶解性、フィルム形成時の塗布性、速乾性等の点から、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等の溶媒が特に好ましい。
反応液の濃度としては、カルボキシル基含有ウレタン樹脂濃度が10〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。
原料の仕込みを行う順番については特に制約はないが、一般にはポリヒドロキシ化合物(a−2)及びカルボキシル基を有するヒドロキシ化合物(a−3)を先に仕込み、溶媒に溶解させた後、20〜150℃、より好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは60〜120℃でポリイソシアネート化合物(a−1)を滴下しながら加え、その後30〜160℃、より好ましくは40℃〜130℃、さらに好ましくは50〜130℃で反応させる。
原料の仕込みモル比は、目的とするウレタン樹脂の分子量および酸価に応じて調節するが、ウレタン樹脂に上記モノヒドロキシル化合物を導入する場合には、ウレタン分子の末端がイソシアネート基になるように、上記ポリヒドロキシ化合物および上記カルボキシル基を含有するヒドロキシル化合物よりもポリイソシアネート化合物を過剰に(ヒドロキシ基の合計よりもイソシアネート基が過剰になるように)用いる必要がある。
具体的には、これらの仕込みモル比は、ポリイソシアネート化合物:(ポリヒドロキシ化合物+カルボキシル基を含有するヒドロキシル化合物)が、0.5〜1.5:1、好ましくは0.8〜1.2:1である。
また、ポリヒドロキシ化合物:カルボキシル基を含有するヒドロキシル化合物が、1:0.1〜30、好ましくは1:0.3〜10である。
モノヒドロキシル化合物を用いる場合には、(ポリヒドロキシ化合物+カルボキシル基を含有するヒドロキシル化合物)のモル数よりもポリイソシアネート化合物のモル数を過剰とし、モノヒドロキシル化合物を、NCO基の過剰モル数に対して、0.5から1.5倍モル量、好ましくは0.8〜1.2倍モル量で用いることが好ましい。
モノイソシアネート化合物を用いる場合には、ポリイソシアネート化合物のモル数よりも(ポリヒドロキシ化合物+カルボキシル基を含有するヒドロキシル化合物)のモル数を過剰とし、ヒドロキシ基の過剰モル数に対して、0.5から1.5倍モル量、好ましくは0.8〜1.2倍モル量で用いることが好ましい。
上記モノヒドロキシル化合物をウレタン樹脂に導入するためには、上記ポリヒドロキシ化合物およびカルボキシル基を含有するヒドロキシル化合物と上記ポリイソシアネートとの反応がほぼ終了した時点で、ウレタン樹脂の両末端に残存しているイソシアネート基と上記モノヒドロキシル化合物とを反応させるために、ウレタン樹脂の溶液中にモノヒドロキシル化合物を20〜150℃、より好ましくは70〜120℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。
上記モノイソシアネート化合物をウレタン樹脂に導入するためには、上記ポリヒドロキシ化合物およびカルボキシル基を含有するヒドロキシル化合物と上記ポリイソシアネートとの反応がほぼ終了した時点で、ウレタン樹脂の両末端に残存しているヒドロキシ基と上記モノイソシアネート化合物とを反応させるために、ウレタン樹脂の溶液中にモノイソシアネート化合物を20〜150℃、より好ましくは50〜120℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。
本実施形態のカルボキシル基含有ウレタン樹脂は上記有機溶媒に溶解するが、このカルボキシル基含有ウレタン樹脂溶液中のカルボキシル基含有ウレタン樹脂濃度(固形分濃度)は、好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは30〜80質量%である。
(b)エポキシ樹脂にモノカルボン酸を付加した後、酸無水物と反応させた樹脂
本実施形態では、(A)ポリカルボン酸樹脂として、
(b−1)エポキシ樹脂、及び
(b−2)モノカルボン酸
を反応させた後、
(b−3)酸無水物
を反応させて合成したポリカルボン酸樹脂を用いることができる。
(b−1)エポキシ樹脂
ここで用いるエポキシ樹脂(b−1)の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリリジルメタクリレート共重合体、脂環式エポキシ樹脂等の一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が挙げられる。
(b−2)モノカルボン酸
エポキシ樹脂(b−1)と反応させるモノカルボン酸(b−2)の例としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバリン酸、t−ブチル酢酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、n−ヘキサン酸、2−メチル吉草酸、3−メチル吉草酸、4−メチル吉草酸、n−ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−プロピル吉草酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、3−メチルクロトン酸、チグリン酸、オレイン酸、ソルビン酸、けい皮酸等の不飽和脂肪酸、シクロヘキサンカルボン酸等の飽和脂環式カルボン酸、安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、サリチル酸、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸等の芳香族カルボン酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸等のヒドロキシカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、コルク酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸のハーフエステル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸のハーフエステル、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の不飽和脂環式ジカルボン酸のハーフエステル、クロレンド酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸のハーフエステル、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸のハーフエステル等が挙げられる。
これらのモノカルボン酸のうち、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバリン酸、t−ブチル酢酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、n−ヘキサン酸、2−メチル吉草酸、3−メチル吉草酸、4−メチル吉草酸、n−ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−プロピル吉草酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の飽和脂環式カルボン酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸等のヒドロキシカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、コルク酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸のハーフエステル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸のハーフエステル等、芳香環を含まない化合物や炭素−炭素二重結合を含まない化合物が特に好ましい。これらのモノカルボン酸は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(b−3)酸無水物
エポキシ樹脂(b−1)とモノカルボン酸(b−2)との反応物に反応させる酸無水物(b−3)の例としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の飽和脂環式酸無水物、無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、無水グルタル酸、無水ジエチルグルタル酸等の飽和脂肪族酸無水物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ドデセニル無水物、無水クロレンド酸、7,12−ジメチル−7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボン酸部分無水物等の不飽和脂肪族酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の不飽和脂環式酸無水物、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族酸無水物等が挙げられる。
これらの酸無水物のうち、光に対する安定性の点からヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の飽和脂環式酸無水物、無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、無水グルタル酸、無水ジエチルグルタル酸等の飽和脂肪族酸無水物等、芳香環や炭素−炭素二重結合を含まない酸無水物が特に好ましい。これらの酸無水物は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(c)(メタ)アクリル酸または下記式(3)で示される化合物の共重合体
本実施形態では、ポリカルボン酸樹脂(A)として(メタ)アクリル酸または下記一般式(2)で示される化合物と、後述するモノマーとの共重合体を用いることができる。
Figure 2012004553
式中、Rは置換されていてもよいアルキレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、p及びqはそれぞれ1〜3の整数を表し、p+q≦4である。
本願において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸を指す。これらは公知の方法によって合成することができ、また、市販品を用いることもできる。
上記一般式(3)で示される化合物の具体例としては、コハク酸、イタコン酸、ドデセニルコハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グルタル酸、ジエチルグルタル酸のモノ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテートのビス(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテートのトリス(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸や上記一般式(3)で示される化合物と共重合させるモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
(d)両末端にカルボン酸または酸無水物を有するポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリウレタン及びポリエステル
本実施形態では、ポリカルボン酸樹脂(A)として
(d−1)両末端にカルボン酸を有するポリイミド、
(d−2)両末端に酸無水物を有するポリイミド、
(d−3)両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミド、
(d−4)両末端に酸無水物を有するポリアミドイミド、
(d−5)両末端にカルボン酸を有するポリアミド、
(d−6)両末端に酸無水物を有するポリアミド、
(d−7)両末端にカルボン酸を有するポリウレタン、
(d−8)両末端に酸無水物を有するポリウレタン、
(d−9)両末端にカルボン酸を有するポリエステル、または
(d−10)両末端に酸無水物を有するポリエステル
を用いることができる。
(d−1)両末端にカルボン酸を有するポリイミド
両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)は、例えば、下記合成方法(i)及び(ii)に示す方法で合成することができる。
合成方法(i)としては、(1)テトラカルボン酸二無水物、及び(2)ジイソシアネートをモル比が(1)/(2)>1となるように反応させた後、(3)モノヒドロキシ化合物またはモノ2級アミン化合物を反応させる方法が挙げられる。
ここで用いることのできるテトラカルボン酸二無水物(1)の例としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス{エキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物}スルホン等の飽和脂環式テトラカルボン酸無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の不飽和脂環式テトラカルボン酸無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等の飽和複素環式テトラカルボン酸無水物等を挙げることができる。
これらのテトラカルボン酸無水物のうち、光に対する安定性の点からブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス{エキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物}スルホン等の飽和脂環式テトラカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等の飽和複素環式テトラカルボン酸無水物等、芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないテトラカルボン酸無水物が特に好ましい。
ジイソシアネート(2)の例としては、上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)の合成に用いることができるものとして例示したものが挙げられ、得られるポリイミドの着色や、硬化物の着色、光に対する安定性の点から1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、2,2'−ジエチルエーテルジイソシアネート等のエーテル系ジイソシアネートが特に好ましい。これらのジイソシアネートは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
モノヒドロキシ化合物(3)の例としては、水酸基以外の反応性基を持たないアルコールとしてメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等の脂肪族モノアルコール、ラジカル重合性二重結合を持つものとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、上記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノール等が挙げられる。
これらのモノヒドロキシ化合物のうち、硬化物の着色や光に対する安定性の点からメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等の脂肪族モノアルコールが特に好ましい。
また、モノ2級アミン化合物(3)の例としては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の飽和脂肪族2級アミン、シクロヘキシルアミン等の飽和脂環式2級アミン、ピペリジン等の飽和環状アミン、イミダゾール等の不飽和環状アミン、N−メチルアニリン等の芳香族2級アミン等が挙げられる。これらのモノ2級アミン化合物のうち、硬化物の着色、光に対する安定性等の点からジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の飽和脂肪族2級アミン、シクロヘキシルアミン等の飽和脂環式2級アミン、ピペリジン等の飽和環状アミンが特に好ましい。
なお、得られたポリイミドをエポキシ樹脂またはオキセタン樹脂と組み合わせて熱硬化性組成物とする場合には、保存安定性の点からモノ2級アミン化合物よりもモノヒドロキシ化合物を用いることが好ましい。
また、合成方法(ii)としては、(1)テトラカルボン酸二無水物、及び(2)ジイソシアネートをモル比が(1)/(2)<1となるように反応させた後、(4)モノヒドロキシカルボン酸またはアミノ酸を付加させる方法が挙げられる。
ここで用いることのできるテトラカルボン酸二無水物(1)及びジイソシアネート(2)としては、それぞれ合成方法(i)で例示したものが使用でき、それぞれ硬化物の着色や光に対する安定性の点から、芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものが特に好ましい。
モノヒドロキシカルボン酸(4)の例としては、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸等が挙げられ、アミノ酸の例としてはグリシン、アラニン等が挙げられる。
これらのうち、得られたポリイミドをエポキシ樹脂またはオキセタン樹脂と組み合わせて用いる場合には、保存安定性の点からアミノ酸よりもモノヒドロキシカルボン酸を用いることが好ましい。
(d−2)両末端に酸無水物基を有するポリイミド
両末端に酸無水物基を有するポリイミドは、(1)テトラカルボン酸二無水物、及び(2)ジイソシアネートをモル比が(1)/(2)>1となるようにして反応させる合成方法により得られる。ここで用いることのできるテトラカルボン酸二無水物(1)及びジイソシアネート(2)の例としては、それぞれ、前記両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)の合成についての説明中で例示したものを使用することができ、それぞれ得られるポリイミドの着色や硬化物の着色、光に対する安定性の点から、芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
また、両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)及び両末端に酸無水物を有するポリイミド(d−2)は、上記合成方法以外に、上記合成方法においてそれぞれジイソシアネートの代わりにジアミンを用いて、ポリアミド酸経由で合成することも可能である。
ここで用いることのできるジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びこれらのジアミンのN,N'−ジメチル体、ジエチル体等の脂肪族ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、及びそのN,N'−ジメチル体、ジエチル体、ジフェニル体、並びにジベンジル体等のキシリレンジアミン類、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン等のピペラジン類、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4'−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4'−ジアミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,4'−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、3,3'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、3,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン及びそのN,N'−ジメチル体、ジエチル体、ジフェニル体、ジベンジル体等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
これらのジアミンの中でも、得られるポリイミドの着色、硬化物の着色、光に対する安定性の点からエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びこれらのジアミンのN,N’−ジメチル体、ジエチル体等の脂肪族ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、及びそのN,N’−ジメチル体、ジエチル体、ジフェニル体、並びにジベンジル体等のキシリレンジアミン類、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン等のピペラジン類が特に好ましい。
(d−3)両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミド
両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミド(d−3)は、例えば、下記合成方法(i)及び(ii)に示す方法で合成することができる。
合成方法(i)としては、(1)テトラカルボン酸二無水物、(2)無水トリメリット酸、及び(3)ジイソシアネートをモル比が((1)+(2))/(3)<1となるように反応させた後、更に(1)テトラカルボン酸二無水物、(4)モノヒドロキシ化合物またはモノ2級アミノ化合物をこの順で付加する方法が挙げられる。
ここで用いることのできる(1)テトラカルボン酸二無水物、(3)ジイソシアネート、(4)モノヒドロキシ化合物またはモノ2級アミノ化合物の例としてはそれぞれ、両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)の合成についての説明中で例示したものが使用でき、得られるポリアミドイミドの着色、硬化物の着色、光に対する安定性等の点から芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
また、合成方法(ii)としては、(1)テトラカルボン酸二無水物、(2)無水トリメリット酸、及び(3)ジイソシアネートをモル比が((1)+(2))/(3)<1となるように反応させた後、(5)モノヒドロキシカルボン酸またはアミノ酸またはジカルボン酸を付加する方法が挙げられる。
ここで用いることのできるテトラカルボン酸二無水物(1)、ジイソシアネート(3)、モノヒドロキシカルボン酸またはアミノ酸(5)の例としては両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)の合成についての説明中で例示したものが使用でき、得られるポリイミドの着色や硬化物の着色、光に対する安定性の点から芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
また、ここで用いることのできるジカルボン酸(5)の例としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、コルク酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の不飽和脂環式ジカルボン酸、クロレンド酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
これらのジカルボン酸のうち、硬化物の着色や光に対する安定性の点からコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、コルク酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸が特に好ましい。
(d−4)両末端に酸無水物を有するポリアミドイミド
両末端に酸無水物を有するポリアミドイミドは、(1)テトラカルボン酸二無水物、(2)無水トリメリット酸、及び(3)ジイソシアネートをモル比が((1)+(2))/(3)<1となるように反応させた後、更に(1)テトラカルボン酸二無水物を付加させることによって得られる。
ここで用いることのできるテトラカルボン酸二無水物(1)、ジイソシアネート(3)としては、それぞれ上記両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)の合成についての説明中で例示したものが使用でき、得られるポリイミドの着色や硬化物の着色、光に対する安定性の点から芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
(d−5)両末端にカルボン酸を有するポリアミド
両末端にカルボン酸を有するポリアミドは、例えば、(1)ジカルボン酸、及び(2)ジアミンをモル比が(1)/(2)>1となるようにして反応させることにより得られる。
ここで用いることのできるジカルボン酸(1)の例としては、前記両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミド(d−3)の合成についての説明中で例示したものを挙げることができ、またジアミン(2)の例としては、それぞれ上記両末端にカルボン酸または酸無水物を有するポリイミド((d−1)及び(d−2)のその他の合成方法)の合成についての説明中で例示したものを挙げることができ、得られるポリアミドの着色や硬化物の着色、光に対する安定性の点から、いずれも芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
(d−6)両末端に酸無水物を有するポリアミド
両末端に酸無水物を有するポリアミドは、例えば、(1)ジカルボン酸、及び(2)ジアミンをモル比が(1)/(2)<1となるようにして反応させた後、(3)テトラカルボン酸二無水物と反応させることにより得られる。
ここで用いることのできるジカルボン酸(1)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミド(d−3)で例示したものを挙げることができ、またジアミン(2)の例としては、それぞれ上記両末端にカルボン酸または酸無水物を有するポリイミドの合成((d−1)及び(d−2)のその他の合成方法)についての説明中で例示したものを挙げることができ、また、テトラカルボン酸二無水物(3)の例としては上記両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)で例示したものを挙げることができる。得られるポリアミドの着色や硬化物の着色、光に対する安定性の点からいずれも芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
(d−7)両末端にカルボン酸を有するポリウレタン
両末端にカルボン酸を有するポリウレタン(d−7)は、例えば、下記合成方法(i)及び(ii)に示す方法で合成することができる。
合成方法(i)としては、(1)ポリイソシアネート化合物、及び(2)ポリヒドロキシ化合物をモル比が(1)/(2)>1となるようにして反応させた後、(3)モノヒドロキシカルボン酸またはアミノ酸を付加させる方法が挙げられる。
ここで用いることのできるポリイソシアネート化合物(1)及びポリヒドロキシ化合物(2)の例としては、それぞれ上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)についての説明中、ポリイソシアネート化合物(a−1)、ポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができ、反応中のゲル化を防ぐために、これらの中でもジイソシアネート化合物及びジオール化合物を用いることが好ましい。
また、ここで用いることのできるモノヒドロキシカルボン酸及びアミノ酸(3)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)の合成についての説明中で例示したものが挙げられる。
また、合成方法(ii)としては、(1)ジイソシアネート、及び(2)ジオールをモル比が(1)/(2)<1となるように反応させた後、(3)酸無水物を付加させる方法が挙げられる。
ここで用いることのできるジイソシアネート(1)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリイミドの合成方法(d−1)の説明中で例示したものを挙げることができ、ジオール(2)の例としては、上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)の説明中、ポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができる。また、酸無水物の例としては、上記エポキシ樹脂にモノカルボン酸を付加した後、酸無水物と反応させた樹脂の合成(b)の説明中、酸無水物(b−3)として例示したものが挙げられる。
(d−8)両末端に酸無水物を有するポリウレタン
両末端に酸無水物を有するポリウレタン(d−8)は、例えば、下記合成方法(i)及び(ii)に示す方法で合成することができる。
合成方法(i)としては、(1)ポリイソシアネート、及び(2)ポリヒドロキシ化合物をイソシアネート基/水酸基のモル比が>1となるように反応させた後、(3)テトラカルボン酸二無水物を反応させる方法が挙げられる。
ここで用いることのできるポリイソシアネート(1)及びポリヒドロキシ化合物(2)の例としては、それぞれ上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)についての説明中、ポリイソシアネート化合物(a−1)及びポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができる。これらの中でも、反応中のゲル化を防ぐ目的としては、ジイソシアネート化合物及びジオール化合物を用いることが好ましく、硬化物の着色や光に対する安定性の目的からは芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
また、テトラカルボン酸二無水物(3)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリイミドの合成(d−1)の説明中で例示したものを用いることができ、硬化物の着色や光に対する安定性の点から芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
合成方法(ii)としては、(1)ポリイソシアネート化合物、及び(2)ポリヒドロキシ化合物をイソシアネート基/水酸基のモル比が<1となるように反応させた後、(3)テトラカルボン酸二無水物を付加させる方法が挙げられる。
ここで用いることのできるポリイソシアネート化合物(1)及びポリヒドロキシ化合物(2)の例としてはそれぞれ、上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)についての説明中、ポリイソシアネート化合物(a−1)、ポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができ、これらの中でも反応中のゲル化を防ぐためにジイソシアネート化合物及びジオール化合物を用いることが好ましい。
また、テトラカルボン酸二無水物(3)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリイミドの合成(d−1)についての説明中で例示したものを用いることができ、硬化物の着色や光に対する安定性の点から芳香環や炭素−炭素二重結合を含まないものを用いることが特に好ましい。
(d−9)両末端にカルボン酸を有するポリエステル
両末端にカルボン酸を有するポリエステル(d−9)は、例えば、下記合成方法(i)〜(iii)に示す方法で合成することができる。
合成方法(i)としては、(1)ポリカルボン酸、及び(2)ポリヒドロキシ化合物をカルボキシル基/水酸基のモル比が>1となるようにして反応させる方法が挙げられる。
ここで用いることのできるポリカルボン酸(1)の例としては上記両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミドの合成(d−3)についての説明中で例示したものを用いることができ、また、ポリヒドロキシ化合物(2)の例としては、カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)の説明中、ポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができる。これらの中でも、反応中のゲル化を防ぐためにジカルボン酸及びジオール化合物を用いることが好ましい。
合成方法(ii)としては、(1)ジカルボン酸ジエステル、及び(2)ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応をエステル結合/水酸基のモル比が>1となるように行った後、更に(3)モノヒドロキシカルボン酸とのエステル交換反応を行う方法が挙げられる。
ここで用いることのできるジカルボン酸のジエステル(1)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミドの合成(d−3)についての説明中で例示したジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジアリルエステル等を用いることができる。
また、ポリヒドロキシ化合物(2)の例としては、上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)の説明中、ポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができ、これらの中でも反応中のゲル化を防ぐためジオール化合物を用いることが好ましい。
モノヒドロキシカルボン酸(3)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)の合成についての説明中で例示したものを用いることができる。
合成方法(iii)としては、(1)ジカルボン酸ジエステル、及び(2)ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応をモル比がエステル結合/水酸基<1となるように行った後、(3)酸無水物を付加する方法が挙げられる。
ここで用いることのできるジカルボン酸ジエステル(1)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミド(d−3)の合成についての説明中で例示したジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジアリルエステル等を用いることができる。また、ポリヒドロキシ化合物(2)の例としては、上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)の説明中、ポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができ、その中でも反応中のゲル化を防ぐためジオール化合物を用いることが好ましい。
また、酸無水物(3)の例としては上記エポキシ樹脂にモノカルボン酸を付加した後、酸無水物と反応させた樹脂の合成(b−3)の説明中で例示したものを用いることができる。
(d−10)両末端に酸無水物を有するポリエステル
両末端に酸無水物を有するポリエステル(d−10)は、例えば、(1)ジカルボン酸またはジカルボン酸ジエステル、及び(2)ポリヒドロキシ化合物をモル比がカルボキシル基/水酸基のモル比が<1となるようにして反応させた後、(3)テトラカルボン酸二無水物を付加させることによって得られる。
ここで用いることのできるジカルボン酸またはジカルボン酸ジエステル(1)の例としては、両末端にカルボン酸を有するポリアミドイミド(d−3)の合成についての説明中で例示したジカルボン酸またはそのジメチルエステル、ジエチルエステル、ジアリルエステル等を用いることができる。また、ポリヒドロキシ化合物(2)の例としては、上記カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)の説明中、ポリヒドロキシ化合物(a−2)として例示したものを用いることができる。
また、テトラカルボン酸二無水物(3)の例としては、上記両末端にカルボン酸を有するポリイミド(d−1)の合成についての説明中で例示したものを用いることができる。
上述したポリカルボン酸樹脂(a)〜(d)のうち、硬化膜の柔軟性、架橋密度、透明性等の点から、カルボキシル基含有ウレタン樹脂(a)を用いることが特に好ましい。
また、上記のポリカルボン酸樹脂の数平均分子量は500〜100000であることが好ましく、2000〜30000が更に好ましい。数平均分子量が500未満の場合は、硬化膜の可撓性並びに強度を損なうことがあり、100000を超えると粘度が高くなりすぎ、硬化膜の製造が難しくなる。なお、ここでの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。
[エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂(B)について]
(B−1)エポキシ樹脂
本実施形態で(B)成分として用いることのできるエポキシ樹脂の例としては、jER834,828、828EL,1002、1004(いずれも商品名:三菱化学株式会社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、jER806、807、4005P(いずれも商品名:三菱化学株式会社製)、YDF−170(商品名:東都化成株式会社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、jER152、154(いずれも商品名:三菱化学株式会社製)、EPPN−201(商品名:日本化薬株式会社製)、DEN−438(商品名:ダウケミカル社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN−125S、103S、104S(いずれも商品名:日本化薬株式会社製)等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、jERYX−4000,YL−6640(いずれも商品名:三菱化学株式会社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂、jER1031S(商品名:三菱化学株式会社製)、アラルダイト0163(商品名:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、デナコールEX−611、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−421、EX−411、EX−321(いずれも商品名:ナガセ化成株式会社製)等の多官能エポキシ樹脂、jER604(商品名:三菱化学株式会社製)、YH−434(商品名:東都化成株式会社製)、TETRAD−X、TETRAD−C(いずれも商品名:三菱ガス化学株式会社製)、GAN(商品名:日本化薬株式会社製)、ELM−120等のアミン型エポキシ樹脂(商品名:住友化学株式会社製)、アラルダイトPT810(商品名:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)等の複素環含有エポキシ樹脂、jERYX8000、YX8034、YL6753、YL7040、RXE21(いずれも商品名:三菱化学株式会社製)、サントートST−3000、ST−4000D(いずれも商品名:東都化成株式会社製)、ERL4234、4299、4221、4206(いずれも商品名:UCC社製)、セロキサイド2021P、セロキサイド3000、EHPE3150(いずれも商品名:ダイセル化学工業株式会社製)等の脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独でまたは2種類以上組み合わせて使用することができる。
(B−2)オキセタン樹脂
本実施形態で(B)成分として用いることのできるオキセタン樹脂の例としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、フェノールノボラックオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、ビフェニリレンビスオキセタン等のポリオキセタン化合物が挙げられる。
[(C)フィラーについて]
本実施形態の樹脂組成物中に含有されるフィラーは、光反射性に優れる白色のフィラーであれば特に限定されない。なお、本明細書において「白色」とは、赤、緑、青の光、すなわち430nm〜830nmの光を80%以上反射すること(反射率80%以上)を言う。また、本明細書において「白色樹脂組成物」とは、該組成物の成形体に対する430nm〜830nmの平均光反射率が80%以上であることを意味する。この場合の成形体の厚みは、光が透過しない厚みであればよく、例えば20μm程度とすることができる。白色のフィラーとしては、熱伝導性や寸法安定性に有利な白色無機フィラーであることが好ましく、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、シリカ等の酸化物や、ハイドロタルサイト等の粘土鉱物、もしくは硫酸鉛、硫酸バリウム等の金属硫酸塩が挙げられ、反射率の点で酸化チタン、硫酸バリウムが好ましく、酸化チタン、硫酸バリウムの少なくとも一方、あるいは酸化チタン、硫酸バリウムの少なくとも一方に他の白色フィラーを組み合わせて使用することができる。また、酸化チタンは表面をシリカもしくはアルミナ等、あるいはシリカおよびアルミナで処理したものも用いることができる。樹脂組成物中にこれらの無機フィラーが含有されることにより樹脂組成物を硬化して得られる樹脂硬化物層の熱拡散率が高くなり、結果として発光素子用実装基板の放熱性が向上する。樹脂硬化物中のフィラーの含有量はポリカルボン酸樹脂とエポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂(固形分)を合わせた100質量部に対して50質量部〜2000質量部の範囲であることが好ましい。より好ましくは、ポリカルボン酸樹脂とエポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂(固形分)を合わせた100体積部に対してフィラー50体積部〜1000体積部、好ましくは80体積部〜900体積部とする。本実施形態にかかる樹脂組成物においてカルボキシル基含有ポリウレタンを使用すると、上記割合でフィラーを添加しても、アルミニウム等の基板との間で良好な接着性を維持することができる。また、フィラーの平均粒子経は50nm〜100μmが好ましく、100nm〜50μmがより好ましく、200nm〜40μmがさらに好ましい。
[その他の添加物について]
本実施形態の上記熱硬化性樹脂組成物は硬化触媒(硬化促進剤)を含むことが好ましい。本実施形態において、(B)成分としてエポキシ樹脂を含む場合に使用できる硬化触媒の例としては、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−イミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5等のアミン系化合物及びこれらの塩、トリフェニルホスフィン、トリス−(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン系化合物及びその塩化合物、有機金属塩、4級ホスホニウムハライド、ジメチルウレア等が挙げられる。これらの硬化促進剤は単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態において(B)成分としてオキセタン樹脂を含む場合に使用できる硬化触媒の例としては、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド等のオニウム塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5等のアミン類、クラウンエーテル錯体、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の上記ポリカルボン酸樹脂(A)、エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂(B)及び硬化触媒(D)の配合割合としては、ポリカルボン酸樹脂(A)のカルボキシル基/[エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂(B)のエポキシ基及び/またはオキセタニル基]のモル比が0.5〜2、好ましくは0.6〜1.9、より好ましくは0.7〜1.5、さらに好ましくは0.9〜1.2、最も好ましくは1.0〜1.1となるように配合し、かつ、ポリカルボン酸樹脂(A)100質量部に対し、硬化触媒(D)を0.01質量部〜10質量部となるように配合する。ポリカルボン酸樹脂(A)のカルボキシル基/[エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂(B)のエポキシ基及び/またはオキセタニル基]のモル比がこの範囲を超えてエポキシ基及び/またはオキセタニル基がカルボキシル基に対して多い場合は樹脂の硬化不良を引き起こすとともに柔軟性が失われ、また少ない場合は硬化不良を引き起こす。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、界面活性剤、離型剤、消泡剤等の添加物を必要に応じて含有させてもよい。
[界面活性剤]
本実施形態で用いることのできる界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。
[離型剤]
本実施形態で用いることのできる離型剤の例としては、ステアリン酸、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、フッ素系化合物類、シリコン化合物類等が挙げられる。
[消泡剤]
本実施形態で用いることのできる消泡剤の例としては、シリコーン系消泡剤として、KS−602A、KS−66、KS−603、KS−608、FA600(いずれも商品名:信越化学工業株式会社製)、BYK−A530(商品名:ビックケミー・ジャパン株式会社製)等を、非シリコーン系消泡剤として、BYK−051、BYK−052、BYK−053、BYK−055、BYK−057、BYK−354、BYK−355(いずれも商品名:ビックケミー・ジャパン株式会社製)、ディスパロン(商品名:楠本化成株式会社製)等を挙げることができる。
[本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の調製]
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を調製する際の混合方法や混合順には特に制限はないが、例えばスリーワンモーター、ハイシェアミキサー、プラネタリーミキサー、ビーズミル、三本ロールミル等の機器を用いて、(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂、(C)フィラー、必要に応じて硬化触媒、その他添加剤を一括で仕込んで、あるいは順次投入して混合することができる。混合中の硬化反応を防ぐため、混合時の温度は60℃以下、さらに好ましくは40℃以下とする。
[本実施形態の発光素子用実装基板の製造]
本実施形態の樹脂組成物を硬化して作製される樹脂硬化物層16は、酸化アルミニウム層14の表層上に塗布し、これを加熱処理して硬化することにより得られる。塗布方法、硬化方法は一般に行なわれる方法でよい。樹脂硬化物層16の厚さは、5〜50μm、特に10〜25μmが好適である。5μmより薄いと発光素子用実装基板の1kV以上の耐電圧を十分確保できなくなる危険性があり、50μmより厚いと発光素子用実装基板の放熱性が低下する場合がある。
図2(a)〜(f)には、図1に示された発光装置10の製造方法の説明図が示される。図2(a)に示されるように、アルミニウム基板12の少なくとも一方の面に、上記陽極酸化法により酸化アルミニウム層14を形成する。
次に、図2(b)に示されるように、酸化アルミニウム層14上に樹脂組成物を塗布し、加熱処理することにより樹脂硬化物層16を形成する。
次に、サブトラクティブ法(パネルメッキ法)により、上記樹脂硬化物層16上に銅パターン層18を形成する。すなわち、図2(c)に示されるように、樹脂硬化物層16の表面全体に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキをこの順で実施して銅メッキ被膜18aを形成する。この後、銅メッキ被膜18a上への感光性レジストの塗布及び露光現像処理によりメッキレジストパターンを形成し、エッチング処理により、図2(d)に示される銅パターン層18を形成する。
なお、銅パターン層18の形成方法としては、以上に限定されず、樹脂硬化物層16の全面に無電解銅メッキを実施した後、メッキレジストパターンを形成し、さらに電解銅メッキで銅パターン層18部に厚くメッキした後、メッキレジストを剥離し、エッチングにより銅パターン層18を形成するセミアディティブ法を使用してもよい。さらに、メッキレジストパターンを形成した後、無電解銅メッキのみで銅パターン層18を形成するフルアディティブ法を使用してもよい。導体パターンの形成方法としては、上記の通り銅メッキにより酸化アルミニウム層上に形成する方法が一般的であるが、スクリーン印刷やインクジェット印刷を用いて、金属粒子を直接印刷することもできる。
次に、図2(e)において、銅パターン層18が形成された樹脂硬化物層16上に、ソルダレジストパターンを塗布及び露光現像処理した後に熱硬化させてソルダレジスト層28を形成する。この後、ソルダレジスト層28が形成されていない銅パターン層18の表面に電解銀メッキにより銀メッキ層20を形成する。
この後、上記銀メッキ層20の一部に接着剤層26によりLEDチップ24を固定するとともに、銅パターン層18及び銀メッキ層20により形成される導体パターンとLEDチップ24とを、ワイヤ22を介して電気的に接合し、図2(f)に示される発光素子を形成する。なお、必要に応じて樹脂封止等を行う。
なお、本実施形態の樹脂組成物は(A)ポリカルボン酸樹脂として(a)カルボキシル基含有ウレタン樹脂を用いると通常のエポキシ樹脂を樹脂成分として用いる組成物に比べてフィラーを高濃度に配合をしても良好な接着性を発現することがその後の検討で明らかになった。すなわち、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、エポキシ樹脂を含む樹脂成分(固形分)100体積部に対して、白色フィラーを800体積部以上混合させても銅箔と良好な接着性を有する。好ましい白色フィラーの配合量はカルボキシル基含有ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂を含む樹脂成分100体積部に対して600〜1000体積部、より好ましくは700〜900体積部である。
先に図2(a)〜(f)を用いて発光装置10の第一の製造工程例を説明したが、図2(a)〜(f)を用いて発光装置10の製造方法の第二の製造工程例を以下に説明する。
図2(a)に示されるように、アルミニウム基板12の少なくとも一方の面に、上記陽極酸化法により酸化アルミニウム層14を形成する。この工程は第一の例と共通である。
次に、図2(b)に示されるように、酸化アルミニウム層14上に樹脂組成物を塗布するが、樹脂組成物を塗布後そのまま加熱処理により樹脂硬化物層を形成しない点が第一の例とは異なる。第二の例では酸化アルミニウム層14上に塗布形成された樹脂組成物層16を硬化する前に銅箔18aを接着し、その後加熱処理することにより樹脂組成物層16を樹脂硬化物層とするとともに銅箔18aと接着させる。
その後の図2(c)〜(f)の工程は第一の製造工程例と同様である。第二の製造工程例の方が第一の例よりもより簡単な製造工程で高い接着性を有する銅張基板を製造することができる。
以下、本発明の具体例を実施例として説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
カルボキシル基含有ウレタン樹脂溶液の合成
[合成例1]
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリカーボネートジオールとしてC−1065N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオール、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=65:35、GPCで測定した数平均分子量991)70.7g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)13.5g、溶媒としてジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(ダイセル化学株式会社製)128.9gを仕込み、90℃ですべての原料を溶解した。反応液の温度を70℃まで下げ、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてデスモジュール−W(4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイシシアネート、住化バイエルウレタン株式会社製)42.4gを30分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間、90℃で1時間、100℃で2時間反応を行い、ほぼイソシアネートが消失したことを確認した後、イソブタノール(和光純薬株式会社製)1.46gを滴下し、更に105℃にて1.5時間反応を行った。
得られたカルボキシル基含有ウレタン樹脂は、数平均分子量は6800、固形分の酸価は39.9mgKOH/gであった。
[合成例2]
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリカーボネートジオールとしてC−2015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオール、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、GPCで測定した数平均分子量1945)305.0g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)52.4g、溶媒としてジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(ダイセル化学株式会社製)494.9gを仕込み、90℃ですべての原料を溶解した。反応液の温度を70℃まで下げ、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてデスモジュール−W(住化バイエルウレタン株式会社製)133.8gを30分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間、90℃で1時間、100℃で1.5時間反応を行い、ほぼイソシアネートが消失したことを確認した後、イソブタノール(和光純薬株式会社製)3.92gを滴下し、更に105℃にて2時間反応を行った。
得られたカルボキシル基含有ウレタン樹脂の数平均分子量は9080、固形分酸価は40.1mgKOH/gであった。
[合成例3]
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリカーボネートジオールとしてC−1015N(株式会社クラレ製ポリカーボネートジオール、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、GPCで測定した数平均分子量964)718.2g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)136.6g、溶媒としてジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(ダイセル化学株式会社製)1293gを仕込み、90℃ですべての原料を溶解した。反応液の温度を70℃まで下げ、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてデスモジュール−W(住化バイエルウレタン株式会社製)237.5gを30分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間、90℃で1時間、100℃で1.5時間反応を行い、ほぼイソシアネートが消失したことを確認した後、イソブタノール(和光純薬株式会社製)2.13gを滴下し、更に105℃にて1時間反応を行った。
得られたカルボキシル基含有ウレタン樹脂の数平均分子量は6090、固形分酸価は40.0mgKOH/gであった。
[実施例1]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ウレタン樹脂溶液(固形分濃度50質量%、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物)を10g、エポキシ樹脂〔jER834(三菱化学株式会社製)、エポキシ当量239〕を0.91g(ウレタン樹脂のカルボキシル基/エポキシ樹脂のエポキシ基(モル比)=0.91)、硬化触媒としてDBN(1,5‐ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン‐5、サンアプロ株式会社製)をウレタン樹脂固形分100質量部に対して0.3質量部、およびウレタン樹脂固形分とエポキシ樹脂固形分を合わせた樹脂固形分100質量部に対してディスパロン(楠本化成株式会社製)を0.1質量部、および酸化チタン(製品名CR50、石原産業株式会社製、平均粒子径0.25μm(一次粒子、電子顕微鏡写真を基に画像解析装置、ルーゼックスIIIUによる)および平均粒子径0.55μm(二次粒子、ホリバ社製レーザー解析/散乱式粒度分布測定装置 LA−910による))を80質量部の割合で各成分が配合された組成物を、三本ロールミルに3回通して混練することにより、樹脂組成物を調製した。
ここで得られた樹脂組成物をスクリーン印刷によって陽極酸化法により表面に酸化アルミニウム層が形成されたアルミニウム基板に塗布し、80℃に保たれた強制循環式恒温槽内にて1時間加熱し、その後さらに150℃で1時間加熱して硬化膜を形成させた。形成された膜の厚みは13μmであった。
菊水電子工業株式会社製耐電圧試験機TOS5051Aを用いて耐電圧試験を実施した。その結果、直流および交流においても1kV以上の耐電圧性能を有していることが確認された。また熱拡散率を測定したところ、3.55×10−5(×10−1)であった。結果を表1に示した。
なお、膜厚、耐電圧、熱拡散率は以下の方法で測定した。
膜厚の測定
膜厚の測定は株式会社ミツトヨ社製クイックマイクロMDQ−30によって、樹脂硬化物の形成されている部分と、形成されていない部分の双方の厚みを測定し、その差分から膜厚を求めた。
熱拡散率の測定
得られた樹脂膜の熱伝導性の評価は、熱拡散率の測定によって実施した。熱拡散率の測定は、上記樹脂膜が形成された基板(室温下で30分間風乾させたもの)を、強制循環式恒温槽中で150℃、一時間保持することにより塗膜を硬化させた後、任意の箇所10点について、株式会社アイフェイズ製熱拡散率測定装置アイフェイズαによって熱拡散率を測定し、その単純平均値を取った。熱拡散率が高いほど熱伝導性がよいといえる。結果を表1に示す。
耐電圧の測定
図3は、耐電圧試験方法の説明図である。図3において、測定対象である被試験基板30の端の一部を切削し、下地であるアルミニウム層を露出させ、ワニ口クリップ32によって耐電圧試験機34のHIGH VOLTAGE端子に接続されたケーブルを接触させる。その接触位置から7cm離れた場所の上下を無垢アルミニウムブロック(上部のアルミニウムブロック36及び下部のアルミニウムブロック38)で挟み、樹脂硬化物層の絶縁皮膜が形成された表面に載せられたアルミニウムブロック36には、ワニ口クリップ32によって耐電圧試験機34のLOW VOLTAGE端子に接続されたケーブルを接触させた。1kV/分の昇圧速度で耐電圧試験機34より電圧を印加し、0.5mAの電流が流れた時点で耐電圧試験機34より読み取った電圧を耐電圧点とした。
また、印加電圧は試験器の切り替えスイッチにより、直流および交流電圧を印加して、双方について耐電圧点を求めた。
[実施例2,3]
合成例2,3で得られたカルボキシル基含有ウレタン樹脂溶液を用いた他は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
[実施例4−6]
用いたエポキシ樹脂をjER828EL(三菱化学株式会社製)とした以外は実施例1−3と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
[実施例7−12]
用いた酸化チタンの配合量をポリウレタン固形分100質量部に対して200質量部の割合とした以外は実施例1−6と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
[実施例13]
酸化チタンの代わりに硫酸バリウム(製品名B−1、堺化学工業株式会社製)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
酸化チタンを用いなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
Figure 2012004553
表1に示されるように、実施例1〜13で得た基板については、いずれの耐電圧も1kVを超えており、良好な結果が得られた。比較例1で得た基板も耐電圧は1kVを超えていたが、熱拡散率が実施例1〜13に比べて小さい値であった。熱伝導率と熱拡散率とは物理的に異なった量であり、(熱伝導率)=(熱拡散率)×(定圧比熱容量)×(密度)の関係を有する。比較例1では酸化チタンを含まないため実施例1〜13に比べて定圧比熱容量、密度ともに小さくなる。そのため、実施例1〜13は比較例1に比べて高い熱伝導率であることが示唆される。すなわち、実施例1〜13の基板は、比較例1よりも放熱性に優れていることがわかる。
[実施例14]
合成例1で得られたポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%)、該ポリウレタンのカルボキシル基に対してエポキシ基が1.1当量となる量のエポキシ樹脂〔jER834(三菱化学株式会社製)〕を配合して、50gの組成物を調製した。そこに硬化触媒としてDBN(1,5‐ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン‐5、サンアプロ株式会社製)をポリウレタン固形分100質量部に対して0.3質量部、同様に表面調整剤としてディスパロン(楠本化成株式会社製)を0.1質量部添加し、さらに上記ポリウレタン溶液のポリウレタン固形分100体積部に対して硫酸バリウム(製品名B−1、堺化学工業株式会社製)を90体積部の割合で配合し、ロール幅10マイクロメートルに調整した三本ロールミルに3回通して混練りすることにより、樹脂組成物を調製した。
使用した硫酸バリウムの粒子の形状は不定形の形状を有し、その体積平均粒子径は23μmであった。なお、粒子系の測定は、日機装株式会社製動的光散乱式/レーザードップラー式粒度分析計ナノトラックUPAシリーズによって行った。測定はスクリュー管に蒸留水30g、および硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製局方同等硫酸バリウムB−1、形状は不定形)1gを秤取り、蓋をした後に激しく撹拌して硫酸バリウムを分散させ、2mLのポリエチレン製スポイトで硫酸バリウムが分散された液を適量装置に導き測定した。測定は1度だけ行った。
ここで得られた樹脂組成物をスクリーン印刷によって陽極酸化法により表面に酸化アルミニウム層が形成された基板(10cm×10cm、厚み0.3mm)に塗布し、室温下で30分間風乾させた。形成された樹脂膜の厚みは20ミクロンであった。
また、得られた樹脂膜の光反射性の評価は、光反射率の測定によって実施した。光反射率は、430nm−830nmの波長域の光線反射率を日本分光株式会社製紫外可視分光光度計V−650(反射率測定アダプタISV−722装着)を用いて測定しその平均値を求めた。結果を表2に示す。
また、樹脂膜表面に同形状に切り出した18ミクロン厚の電解銅箔を配置し、真空チャンバー内で20Mpa、150℃の条件下でプレスし、一時間保った。加熱終了後、25℃の冷却水で冷却された冷却プレスを用いて20Mpaで加圧しながら冷却し、最終的に銅箔貼付アルミニウム基板を得た。後述する剥離試験を実施したところ、引きはがし強さは1.6(kN/m)と見積もられた。結果を表2に示す。
(剥離試験)
得られた銅箔貼付アルミニウム基板における、銅箔と樹脂との間の接着強度を、銅箔の引きはがし強さ(kN/m)を測定することにより評価した。なお、引きはがし強さの測定は、「JIS C6481−1996 プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準じて行った。ただし、上記試験方法における銅箔の幅10±0.1mmを幅1±0.1mmとした。
[実施例15,16]
合成例2,3で得られたポリウレタン溶液を用いた他は実施例14と同様の操作を行った。剥離試験結果及び反射率の測定結果を表2に示す。
[実施例17−19]
用いたエポキシ樹脂をjER828EL(三菱化学株式会社製)とした以外は実施例14−16と同様の操作を行った。剥離試験結果及び反射率の測定結果を表2に示す。
[実施例20−25]
用いた硫酸バリウムの配合量をポリウレタン固形分100体積部に対して80体積部の割合とした以外は実施例14−19と同様の操作を行った。剥離試験結果及び反射率の測定結果を表2に示す。
[実施例26−31]
用いた硫酸バリウムの配合量をポリウレタン固形分100体積部に対して900体積部の割合とした以外は実施例14−19と同様の操作を行った。剥離試験結果及び反射率の測定結果を表2に示す。
[比較例2]
用いた樹脂をエポキシ樹脂(jER828EL)のみ(カルボキシル基含有ウレタン樹脂を使用しない)とした以外は実施例14と同様の操作を行った。
銅箔の密着は均一でなく、剥離試験を実施したところ、引きはがし強さは0.05(kN/m)ときわめて低いものであった。剥離試験結果及び反射率の測定結果を表2に示す。
[比較例3]
用いた樹脂をエポキシ樹脂(jER828EL)のみ(カルボキシル基含有ウレタン樹脂を使用しない)とし、硫酸バリウムの配合量をエポキシ樹脂(jER828EL)100体積部に対して43体積部の割合とした以外は実施例14と同様の操作を行った。
剥離試験を実施したところ、引きはがし強さは1.2(kN/m)と実施例26と同等であったが、実施例26に比べて硫酸バリウムの配合量は約1/2と少量である。そのため反射率は62.7%であり、各実施例に比べて劣っていた。剥離試験結果及び反射率の測定結果を表2に示す。
Figure 2012004553
表2に示されるように、実施例14〜31は、比較例2と較べて引きはがし強さが大きく向上している。また、反射率も比較例と遜色なく、高い値を示している。引きはがし強さは、各実施例にかかる樹脂組成物がカルボキシル基含有ウレタン樹脂を使用しているのに対し、比較例2がカルボキシル基含有ウレタン樹脂を使用せず、エポキシ樹脂のみとしたからである。樹脂成分をエポキシ樹脂のみとした場合実施例と同等の接着強度を得るためにはフィラーの配合率は最大でも略45体積部であることが比較例3より示唆された。
10 発光装置、12 アルミニウム基板、14 酸化アルミニウム層、16 樹脂硬化物層(樹脂組成物層)、18 銅パターン層(銅箔)、20 銀メッキ層、22 ワイヤ、24 LEDチップ、26 接着剤層、28 ソルダレジスト層、30 被試験基板、32 ワニ口クリップ、34 耐電圧試験機、36、38 アルミニウムブロック。

Claims (15)

  1. アルミニウム基板と、
    前記アルミニウム基板の少なくとも一方の面に形成された酸化アルミニウム層と、
    前記酸化アルミニウム層上に形成された少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂および(C)フィラーを含む樹脂組成物の硬化物層と、
    前記硬化物層上に設けられた銅箔または導体パターンと、
    を備えることを特徴とする発光素子用実装基板。
  2. 前記ポリカルボン酸樹脂がカルボキシル基含有ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子用実装基板。
  3. 前記カルボキシル基含有ウレタン樹脂が (a)ポリイソシアネート化合物、(b)ポリヒドロキシ化合物、(c)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物、を原料とするものであることを特徴とする請求項2に記載の発光素子用実装基板。
  4. 前記フィラーが酸化チタン、硫酸バリウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発光素子用実装基板。
  5. 前記酸化アルミニウム層の厚さが30〜90μmであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発光素子用実装基板。
  6. アルミニウム基板の少なくとも一方の表面に酸化アルミニウム層を形成する工程と、
    前記酸化アルミニウム層上に少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂及び(C)フィラーを含む樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記アルミニウム基板を加熱処理することで樹脂硬化物層を形成する工程と、
    前記樹脂硬化物層上に導体パターンを形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の発光素子用実装基板の製造方法。
  7. アルミニウム基板の少なくとも一方の表面に酸化アルミニウム層を形成する工程と、
    前記酸化アルミニウム層上に少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂及び(C)フィラーを含む樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記樹脂組成物層に銅箔を接着し加熱処理する工程と、
    前記銅箔をパターン化処理し導体パターンを形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の発光素子用実装基板の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の発光素子用実装基板の製造方法により製造した発光素子用実装基板上の導体パターンに半導体発光素子を実装することを特徴とする発光装置の製造方法。
  9. アルミニウム基板と、
    前記アルミニウム基板の少なくとも一方の面に形成された酸化アルミニウム層と、
    前記酸化アルミニウム層上に形成された少なくとも(A)ポリカルボン酸樹脂、(B)エポキシ樹脂及び/またはオキセタン樹脂および(C)フィラーを含む樹脂組成物の硬化物層と、
    前記樹脂硬化物層上に形成された導体パターンと、
    前記導体パターンに電気的に接続するように実装された半導体発光素子と、
    を有することを特徴とする発光装置。
  10. カルボキシル基含有ウレタン樹脂と、エポキシ樹脂と、光反射性の白色フィラーとを含む白色樹脂組成物であって、該組成物の成形体の430〜830nmの範囲の波長の平均反射率が80%以上であることを特徴とする白色樹脂組成物。
  11. 前記カルボキシル基含有ウレタン樹脂が(a)ポリイソシアネート化合物、(b)ポリヒドロキシ化合物、(c)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物、を原料とするものであることを特徴とする請求項10に記載の白色樹脂組成物。
  12. 前記(b)ポリヒドロキシ化合物が、数平均分子量が500〜50000であり、その骨格中に炭素数nが8以上18以下のアルキレン基(−C2n−)を有し、その両末端にヒドロキシ基を有しているポリカーボネートジオールであることを特徴とする請求項11に記載の白色樹脂組成物。
  13. 前記白色フィラーの配合量が、カルボキシル基含有ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂をあわせた固形分100体積部に対して600体積部〜1000体積部であることを特徴とする請求項10に記載の白色樹脂組成物。
  14. 前記フィラーが酸化チタン、硫酸バリウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の白色樹脂組成物。
  15. 前記カルボキシル基含有ポリウレタンのカルボキシル基1当量に対して、エポキシ基が0.7〜1.5当量となるようにエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の白色樹脂組成物。
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