JP2012001407A - 水から水素を発生せしめる水素発生方法 - Google Patents

水から水素を発生せしめる水素発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水から水素を採集する水素量を多くできる水素発生方法を提供する。
【解決手段】水酸化ナトリウムの溶融塩にSUS304を溶かし込み、この溶融塩の液面上に微細粒子群を飛散せしめ、液面上の反応空間を無酸素状態とし、前記微細粒子群に水蒸気を衝突せしめるようにし、前記反応空間が負圧になったときに、アルゴンのような不活性ガスを自動的に注入するか、反応空間を弁操作により常に正圧として無酸素状態を維持するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、水から水素を発生せしめるための水素発生方法に関する。
アルカリ金属溶融塩にニッケル、クロム及び鉄元素を溶かし込み、前記溶融塩の液面から微細粒子群を反応空間内に飛散せしめ、この微細粒子群に水蒸気を衝突せしめて水から水素を採集する方法に関して本件出願人は数件の出願を行っている。
特許2009−9733号 特許2009−125号 特許2009−120757号 特許2009−0356号
しかしながら、これらの出願においては、水素が大量に採集できることは認識しているが、反応空間に酸素を存在せしめないことが重要であるとの認識が十分でない。
そこで、本発明の水素発生方法は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化バリウム等のアルカリ金属水酸化物の少なくとも一種からなるアルカリ溶融塩の少なくとも表面を溶融してその溶融液中に、ニッケル、パラジウム及び白金等の周期表第10族の金属の内少なくとも一種の第1金属と、クロム、モリブデン、タングスタン、コバルト及び鉄等の他の族の遷移金属のうち少なくとも一種の第2金属とを溶融せしめ、前記溶融塩の液面からアルカリ溶融塩と前記第1と第2の金属元素イオンと、電子とを含む微細粒子群を無酸素状態の反応空間内に飛散せしめ、この微細粒子群に水蒸気を衝突せしめて水蒸気中の水素と酸素から水素を発生せしめるようにした。
また、前記アルカリ溶融塩は、300℃以上に加熱された水酸化ナトリウム塩であり、前記第1及び第2の金属の供給をSUS304で行うことが好ましい。また、前記アルカリ溶融塩と、第1、第2金属とを反応炉内に収納し、反応空間が負圧になったときに不活性ガスを反応空間内に供給して反応空間に空気が流入することを防止して無酸素状態を維持するようにすることが好ましい。
更に、また前記アルカリ溶融塩と、第1、第2金属とを反応炉内に収納し、この反応炉の水素の出口側に開閉弁を設け、この開閉弁を閉じて反応空間の圧力を所定の正圧にした後、水を注入して水素を発生せしめ、圧力が上昇したときに前記開閉弁を開放せしめて水素出口から水素を排出し、この水素排出後に再び開閉弁を閉じて前記反応空間を正圧に維持して反応空間内に外部から空気の流入を防止し無酸素状態を維持するようにすることが好ましい。
更に、また、前記アルカリ溶融塩と、第1、第2金属とを反応炉内に収納し、この反応炉の水素の出口側にリリーフ弁を設け、このリリーフ弁は所定正圧で圧力を解放するようにし、所定のタイミングで水を注入して前記リリーフ弁の解放により水素を排出するようにした。
アルカリ溶融塩に第1、2金属イオンを溶融せしめたものを反応容器内に収納して微細粒子群を飛散し、この反応容器内を無酸素状態とし、前記微細粒子群に水蒸気を衝突させれば、微細粒子群は大きな吸湿性を有するのでその表面に水蒸気を吸着せしめアルカリ金属イオン(Na+,K+等)、第1金属イオン(Ni2+,Pd2+,Pt2+等)および第2金属イオン(Cr2+,Mo2+,Fe3+,W2+等)の存在の下に水蒸気内の水素が分離され、水素ガス(H2)が発生する。このように無酸素状態では反応が活発になる。なお、酸素はガスの状態では全く存在しないので反応容器内が300℃以上であっても爆発せずに安全である。
なお、アルカリ溶融塩として300℃以上の水酸化ナトリウムを使用すれば、他の溶融塩に比較して反応が活発であり、しかも第1、第2金属の配合割合がSUS304(18Cr−8Ni−残Fe)が最も適切であり、水素発生量が最も多かった。また、系内を無酸素状態とすることが反応を活発化するために必要であり、反応空間の負圧を不活性ガスの流入により防止すれば、無酸素状態を維持することができる。更に、また、反応容器の水素出口側に開閉弁又はリリーフ弁を設け、この弁操作により反応空間を常に正圧に維持すれば、外部からの酸素の流入を有効に防止できる。
本発明の水素発生方法を実施するための水素発生装置の概略構造図である。 溶融塩から飛散する細粒の状態図である 微細な細粒群と水蒸気との反応を示す実験図である。 反応炉内に空気を入れた状態での酸化物の状態を示す図である。 反応炉内を無酸素状態としたときの酸化物の状態を示す図である。 反応剤を加熱したときの温度と圧力の第1関係図である。 反応剤を加熱したときの温度と圧力の第2関係図である。 反応剤の温度をほぼ一定としたときの反応炉内の圧力減少を示すグラフである。 反応空間の負圧防止手段を示す構造図である。 反応空間の負圧防止手段である逆止弁の構造図である。 水素発生の制御システムを示すシステム図である。 図11の制御システムの弁操作を示す図である。 図11の制御システムの他の弁操作を示す図である。 反応炉の具体的構造を示す正面図である。 反応炉の具体的構造を示す側面図である。 反応セルの内部構造を示す一部断面図である。 反応セルのくり抜き状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1において、本発明に係る水素発生装置Mは、加熱炉1を有し、この加熱炉1の下部には、加熱バーナ2が内蔵され、この加熱バーナ2によって加熱される反応容器3がその上部に収納されている。前記反応容器3は球形をなし、その周囲には蒸気を作るための蒸気コイル4が巻回されている。この蒸気コイル4には、水管5を介して水タンク6からの水が供給され、水タンク6には、バルブ7を備えた水供給管8が設けられ、前記水管5には流量調整弁9が設けられている。前記蒸気コイル4の下端からは蒸気管10が伸び、この蒸気管10は、反応容器3の首部3aの蓋3bを貫いて反応容器3内に伸びている。なお、蓋3bには、系内を微量酸素状態にするためのアルゴンパージ管3cが設けられている。
前記反応容器3内には、熱風を通過させるための熱風管11がその上部が二股に分岐して伸び、この分岐した分岐管11 a,11aは、反応空間S内に伸びている、前記反応容器3内の下部には、反応剤12が収納され、この反応剤12内には金属元素供給体13,13,13が収納されている。前記反応容器3は、前記加熱炉1内に設けられた支持格子14,14に支持され、前記加熱バーナ2で発生された熱風は反応容器3を加熱した後に排気筒15を通って外部に排出される。
前記反応容器3内で発生した水素は、水素管14から水タンクをなす水蒸気除去装置15に送られ、水蒸気が除去された水素は図示しないボンベに送られる。前記水素管14には、真空ポンプ16が設けられ、真空ポンプ16の前後に逆止弁17,18が設けられ、逆止弁18の下流側に発生ガス測定装置19(系内の圧力も測定する)が設けられている。
前記反応剤12は水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ金属水酸化物であり、この反応剤は350〜500℃に加熱され溶融塩となっている。この溶融塩中には、金属元素供給体13からニッケル、パラジウム及び白金等の周期表第10族のうち、少なくとも一種の金属元素と、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、タングステン等の他の族の遷移金属のうち少なくとも一種の金属元素とがそれらのイオンとして供給され、具体的には18-8ステンレス鋼(SUS304;18Cr−Ni8−残Fe)が最も好ましい。
前記第10族の金属元素は、OH結合を切断する作用を果たし、他の族の遷移金属は、OH結合切断の補助作用をするものと思われ、これら両金属元素の一方のみでは活発な反応は起こり得ない。
前記溶融塩の液面からは、目に見えない微細な粒子群が飛び出しており、その成分は図2に示すようなものと思われる。すなわち、溶融塩自体は、350℃〜500℃でナトリウムイオン(Na+)と水酸基イオン(OH-)電離しており、更にSUS304から溶出した各イオン(Fe2+,Ni2+,Cr3+)を含んでいる。また、SUS304の成分が溶出したときに放出される電子(e-)を含んでいる。
1.実験例
(1)主反応は、微細粒子群と水蒸気であるとの実験(第1実験例)
図3において、反応剤12は、微細粒子発生筒30内に収納され、この発生筒30はヒータ31で加熱され、発生筒30からの微細粒子群は、バルブ33を備えた配管32から反応筒33に入るようになっている。この反応筒33には水管34と水受け35と、水素管36を備え、また、反応筒33はヒータ37によって加熱される。所定時間、バルブ33を開いた状態で発生筒30を加熱して細粒子群を反応筒33内に貯めた後、バルブ33を閉じ、水管34から水を供給して反応筒33内で水蒸気を作ると、水素管36からは水素が検知できた。これにより、主反応は微細粒子群と水蒸気であることが判明し、発生筒30の溶融塩内で生じているわけではないことが判った。したがって、微細粒子の表面積は極端に大であり、1回の水の供給により供給された水中に含まれる水素量のほとんどが採集された。
(2)系内に空気を取り入れた場合と、空気を微量に入れた場合と、空気を完全に遮断した場合との反応は相違することの実験(第2実験例)
図1において、反応容器3の蓋3bに取付けられたアルゴンパージ管3cから空気を入れ、真空ポンプ16を作動させずに、水タンク6の水を所定量供給して水蒸気コイル4で作り、それを蒸気管10を介して反応容器3の反応空間Sに供給した。
このように空気を入れながら反応を続けていくと、反応炉3内には、図4に示すようにバサバサの層状の酸化物30(NaFeO2,NaCrO2)が生じて2〜3日で反応が停止した。しかしながら逆に真空ポンプ16を短時間作動せしめ、系内を微量酸素状態として反応を続けると、図5に示すように金属表面に硬い化合物31が層状にでき、この成分を分析したところ、NaFeO2、Na2CrO4、Fe・Ni合金であることが判明した。なお、この化合物31は、800℃以上に加熱しても溶融しないし液状のNaOHが反応炉3内で存在しなくなっても触媒として作用することが判明している。また、この化合物から微粒子群が飛散し、図2に示す微粒子群とは成分は若干異なるが、同じような作用をすることが判っている。また、真空ポンプ16を長時間作動させて系内を完全な無酸素状態にすると、前記化合物31は生ぜず、反応はより活発に行われた。
(3)反応剤12は、半溶融状態では水素を吸蔵することの実験(第3実験例)
反応炉3内の温度を常温から徐々に上昇させつつ、前記発生ガス測定装置19により反応炉3内の圧力を測定していくと、圧力が上昇から僅かに下降し、次いで上昇していくことが判明している。すなわち、図6、図7に示すように、常温から漸いに温度を上昇していくと、反応炉3内の水素が膨張して圧力が上昇するが、反応剤が半溶融状態となる200℃〜300℃の間で圧力が一旦下降する。常温では、水素が収縮して(400℃〜500℃で発生した水素が反応炉3内に残留し、温度を常温まで下げると水素が収縮して負圧となっている)負圧となっており、温度上昇とともに水素ガスは膨張して炉内の圧力は上昇するが、200℃〜300℃の間で圧力が下降してその温度域を過ぎると再び上昇する。そこで、前記温度域に温度を維持(250℃〜280℃)すると、図8に示すように圧力を常温時のそれよりも下降させることができる。
更に、温度を500℃前後に維持し、圧力を正圧(例えば0.05MPa以上)に維持すると、反応剤が水素を吸収でき、ほぼ常圧まで下降する。
2.分析
1)主反応は、反応剤の微粒子群と水蒸気との反応であり、微粒子は水蒸気と衝突して以下の反応をするものと思われる。
2H2O + 2e- → H2 ↑ + 2OH- ……(1)
すなわち、水蒸気(2 H2O)は微粒子内の電子(e-)と反応し電離して水素ガス(H2)を発生する。ここで、電子(e-)は溶融したFe3+、Cr2+、Ni2+から放出される他に微粒子内のナトリウムイオン(Na+)が300〜500℃の熱と衝突エネルギーによって電子(e-)を放出するものと思われ、十分な電子の存在により(1)式の反応が確保される。次いで、
2 OH- → H2O + O2- ……(2)
の反応により、水蒸気とラジカルな酸素(O2-)が生成される。
ここでの水蒸気(H2O)は(1)式の反応により再び水素(H2)を発生せしめ、(1)(2)式の反応が繰り返されて水蒸気の注入を停止した後も数分間反応が継続される。前記ラジカルな酸素(O2-)はナトリウムイオン(Na+)と結合して酸化物(Na2O)を作る。
2Na + O2- → Na2O ……(3)
更に、この酸化物(Na2O)は水蒸気(H2O)と反応してNaOHとなり、消費されたNaOHを補うこととなる。
Na2O + H2O → 2NaOH ……(4)
ここで、反応炉内に空気(N2、O2)が入ると、ここでの酸素(O2)はラジカルではなく、単純な鉄、クロムと通常の酸化物(Fe2O3、Cr2O3)を作り、短時間で系内の反応を停止させてしまう。したがって、主反応を起こさせるには、外気を反応炉内に入れないことが重要であり、反応空間S内での反応はOH結合切断反応であり、著しい吸熱反応で、溶融塩内は発熱反応である。
反応炉内を微量酸素状態とするためには、例えば図9に示すように、前期アルゴンパージ管3cに例えばアルゴン又はヘリウム等の不活性ガスを貯留器100に注入し、反応空間Sが吸熱反応により収縮して負圧になったときに、この負圧を圧力計101で検知して負圧に対応する量の不活性ガスを反応炉内に注入する。すなわち、圧力計101からのデータをコントローラ102が受けて貯留器100に設けた開閉弁104の開閉を行う。なお、前記アルゴンパージ管3cにバネ105で閉じる方向に付勢された逆止弁103を設け、反応空間Sが負圧になったら、逆止弁103の弁103aが開いて所定量の不活性ガスが反応空間内に入り、負圧が解消されたら逆止弁103を閉じるようにしてもよい。
2)前記反応剤12は、半溶融状態及び500℃前後で正圧の下に水素を吸蔵することが判明しているので、反応剤12を半溶融状態(200〜300℃)に、又は正圧下で500℃前後に維持し、圧力をかけながら水素を吸蔵容器内に注入してやると、水素吸蔵装置としても使用できる。
3)無酸素状態での運転を確保するためには、配管の接合を完全に行うことの他に、前述のように、反応空間の気体(水蒸気、H2ガス)が収縮したときに、アルゴン等の不活性ガスを自動的に注入する手段が存在するが、この他に反応炉内を常に正圧に維持するようにしてもよい。これらの両手段について、更に詳しく述べる。
図11において、角筒状の反応セル200内には、水が供給される蒸気室201が仕切壁202によって形成され、この仕切壁202と反応セル200の右壁間に触媒室203が形成され、この触媒室203内に触媒C(反応剤)が収納され、この触媒C内には、金属元素供給体としてのSUS304からなるフィン204が浸漬されている。そして触媒C上には、反応空間Sが形成され、この反応空間Sは、水蒸気と図2に示す微細粒群で満たされ、この微細粒群は、反応セル200の下面に設けられた面状ヒータ205の熱によって触媒Cの液面から飛散する。前記蒸気室201には、水タンク206からの水が水管207を介して供給され、この水管207には、第1開閉弁208が設けられ、前記水タンク206はエアコンプレッサ209によって所定圧に維持され、例えば2〜3気圧とされ、反応セル200内の圧力以上に維持されている。前記反応セル200の右側上壁からは水素管210が伸び、この水素管210には第2開閉弁211が設けられ、更にこの水素管210には、反応空間S内の圧力を検知するための圧力計212が設けられている。
一方、前記水素管210の近傍には、不活性ガス供給管213が設けられ、この不活性ガス供給管213には、第3開閉弁214が設けられ、前記不活性ガス供給管213にはアルゴン等の不活性ガスを貯留しておくためのガスボンベ215が接続され、前記第1,2,3開閉弁208,211,214及び圧力計212は、コントローラ216に接続されている。前記水素管210内は、水素ガスと不活性ガスが流れるので、水素ガスのみを採り出すためには、パラジウム合金等からなる分離膜を備えた分離器217を通す必要があり、分離された不活性ガスは、ガスボンベ215内に戻される。
前記反応セル200内に水が供給され、水蒸気(120〜150℃)と微細粒群との反応(激しい吸熱反応)で反応空間Sの気体(水蒸気、水素ガス)が収縮して反応空間Sが負圧になると(触媒Cの反応が活発の場合には、水素が次々に発生して直ちに常圧に戻るので必ずしても負圧が圧力計212によって検知されるわけではない)、圧力計212がその負圧を検知し、これによりコントローラ216が第3開閉弁214を開き、不活性ガスを反応セル内に供給しその中を常圧とし、常圧となったときに第3開閉弁214を閉じる。こうして、系内の負圧が解除されるので、外部空気が反応セル内に流入するのが防止される。
また、反応セル200内を常に正圧に維持すれば、反応セル200内に外部空気が流入して触媒を酸化させてしまうことが防止されるので、第1,2開閉弁208,211を図12に示すように操作してもよい。
すなわち、先ず第2開閉弁211を閉じた状態でヒータ205の加熱を維持すると、前に注入した水蒸気が残留しているため、セル内で水素ガスが僅かに発生して圧力が上昇する。例えば常圧から0.5気圧程度正圧になったときに、第1開閉弁208を開いて水を注入し(実験では1cc)、反応セル内で水素を発生せしめ、常圧から1.5気圧程度正圧になったときに、第2開放弁211を開放して水素を採集し常圧になった後に第2開放弁211を閉じて0.5気圧程度正圧まで上昇せしめ、第1開閉弁208を開いて水を注入する。この動作を繰り返すようにすれば、常に反応セル内を正圧とし、外部からの空気の流入を防止することができる。
実験によれば、図12に示すような動作をさせると、第2開閉弁211を常時開放したままで水を注入した場合に比較して水素の採集量が著しく増加することが判明した。次に実験結果を以下に示す。
実験要領
a)第2開閉弁211を開放したままで10分間隔毎に1ccずつ5回、総計5ccを注入し、この連続動作を3回繰り返した。そのときの水素の採集量は以下の通り。
1回目 1cc × 5回 水素採集 2.26 l
2回目 1cc × 5回 水素採集 2.9 l
3回目 1cc × 5回 水素採集 2.7 l
b)第1,2開閉弁211を前述のように先ず第2開閉弁211を閉じて、10分後にほぼ0.5〜0.7気圧の正圧となり、10分後に第1開閉弁208を開いて水を注入し1.5気圧の正圧で第2開閉弁211を開いて水素を回収し、直ちに第2開閉弁211を閉じて10分後に水を注入する。この動作を5回(5cc)繰り返す動作を連続動作とし、この連続動作を3回行った。
1回目 1cc × 5回 水素採集 5.16 l
2回目 1cc × 5回 水素採集 5.35 l
3回目 1cc × 5回 水素採集 4.05 l
実験の結果、正圧の下で水を注入すると常圧の場合と比較して約2倍の水素採集量となった。
このことからすると、図13に示すような反応セルの制御が考えられる。
すなわち、前記図11の第2開閉弁211の代わりにリリーフ弁を取り付け、このリリーフ弁を例えば4気圧以上で動作するようにし、第1開閉弁208を開いて所定のタイミングで水を注入し、水素が発生し反応セル200内が4気圧以上になると、リリーフ弁が開放し水素を回収する。セル内の圧力が上昇すると反応が活発となるので、常時圧力を上げた状態にして水を注入すれば、水素の収量が著しく増大する。
このように、水又は水蒸気を注入することによりセル内の圧力を調節すれば、他の不活性ガスの注入により圧力を調節する必要がなくなり、不活性ガスと水素の分離も必要がなくなる。更に、セルの立ち上げ時にセル内の空気を追い出すために、水蒸気を注入するようにすれば、この水蒸気はセル内の温度が所定温度以上になったときに分解して水素を発生し、所定圧になったときに水素を排出するようにできる。
3.反応炉の具体的構成
図14において、反応炉300は、バーナ口301を備え、熱風を作り出す直方体の熱風炉302,302と3本円筒状の触媒セル303,303…303を収納した触媒セルユニット304,304…304からなる。各ユニット304は扁平な同一形状の直方体であり、前記直方体の熱風炉302,302の上に各3組のユニット304が積上げられ、最上段のセルユニット304の一端側に煙突305が伸びている。前記触媒セル303は、図15に示すように上下方向に千鳥状に配置され、下方の熱風炉302からの熱風は、その上のセルユニットの後部から入り、触媒セルの外周及び内筒305を通って、更に上に積層されたセルユニットに流入し、上段の熱風炉302に入り、上段の熱風炉302の熱風に合流してその上に積層されたセルユニット304を通り、煙突305から外部に流出する。
前記触媒セル303は、図16に示すように、円筒体310を有し、この円筒体310内に前記内筒305が伸び、この内筒305に所定間隔でパンチングフィン311が固着され、前記円筒体310内に触媒312が収納され、円筒体310内の上部が反応空間313を形成している。前記円筒体310の一端には、気密性を保つためのプロテクター314が設けられ、このプロテクター314を貫いて水素を排出する水素管315が伸び、円筒体310の水素管315が設けられた端部の反対側(後側)に水を供給する水供給管316が設けられている。
なお、円筒体310の材質およびその内面の結晶構造は重要であり、円筒体310は圧延されたSUS304の板材を丸めたもの、あるいは引抜きにより圧力をかけながら引抜いたシームレス管である必要があり、触媒312が接触する内面の結晶構造は圧力がかけられた状態でなければならない。
すなわち、図17のように、ステンレス材の柱状インゴットをドリルでくり抜いて空間30を形成した場合の内面状態では、触媒312の能力はすぐに衰えて水の分解ができなくなった。蓋322を開けて内部を確認したところ、円筒の内面321には硬い絶縁膜ができていた。
本発明は、水素を利用する発電施設、水素ステーション、水素エンジン搭載の船舶等に応用できる。
1……加熱炉
3……反応容器
6……水タンク
12……反応剤
13……金属元素供給体
30……微粒子群発生筒
100……貯留器
101……圧力計
103……逆止弁

Claims (5)

  1. 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化バリウム等のアルカリ金属水酸化物の少なくとも一種からなるアルカリ溶融塩の少なくとも表面を溶融してその溶融液中に、ニッケル、パラジウム及び白金等の周期表第10族の金属のうち少なくとも一種の第1金属と、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト及び鉄等の他の族の遷移金属のうち少なくとも一種の第2金属とを溶融せしめ、前記溶融液の液面からアルカリ溶融塩と、前記第1と第2の金属元素イオンと、電子とを含む微細粒子群を無酸素状態の反応空間内に飛散せしめ、この微細粒子群に水蒸気を衝突せしめて水蒸気中の水素と酸素から水素を発生せしめる水素発生方法。
  2. 前記アルカリ溶融塩は、300℃以上に加熱された水酸化ナトリウム塩であり、前記第1及び第2の金属の供給をSUS304で行うことを特徴とする請求項1記載の水素発生方法。
  3. 前記アルカリ溶融塩と、第1、第2金属とを反応炉内に収納し、反応空間が負圧になったときに不活性ガスを反応空間内に供給して反応空間に空気が流入することを防止して無酸素状態を維持するようにした請求項1記載の水素発生方法。
  4. 前記アルカリ溶融塩と、第1、第2金属とを反応炉内に収納し、この反応炉の水素の出口側に開閉弁を設け、この開閉弁を閉じて反応空間の圧力を所定の正圧にした後、水を注入して水素を発生せしめ、圧力が上昇したときに前記開閉弁を開放せしめて水素出口から水素を排出し、この水素排出後に再び開閉弁を閉じて前記反応空間を正圧に維持して反応空間内に外部から空気の流入を防止し無酸素状態を維持するようにした請求項1記載の水素発生方法。
  5. 前記アルカリ溶融塩と、第1、第2金属とを反応炉内に収納し、この反応炉の水素の出口側にリリーフ弁を設け、このリリーフ弁は所定正圧で圧力を解放するようにし、所定のタイミングで水を注入して前記リリーフ弁の解放により水素を排出するようにした請求項1記載の水素発生方法。
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