JP2012000887A - 綴じ具及びファイル - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な動作で操作することができる綴じ具及びファイルを提供する。
【解決手段】本発明に係るファイルFを構成する綴じ具1は、樹脂の一体成形品である3つの部品、すなわち、ベース2、第一の押さえ板3及び第二の押さえ板4を組み付けることによって構成される。そしてこの綴じ具1は、ベース2と、第一の押さえ板3に設けられた第一の押さえ部32と、第二の押さえ板4に設けられた第二の押さえ部41と、これら両押さえ部32、41の動作を連動させるための連動機構と、第一の押さえ部32側に設けられ、所定方向の押圧動作のみにより、綴じ姿勢から退避姿勢へと操作し得る操作部31とを具備する。
【選択図】図5

Description

本発明は、紙葉類を綴じることができる綴じ具及びファイルに関するものである。
従来、紙葉類を綴じるためのファイル、並びに当該ファイルに取り付けられる綴じ具が、種々提案されている。そのなかで、表紙体に取り付けられた可撓性を有する綴じ足に係り合うことにより紙葉類を押圧する態様の綴じ具については、簡単な動作で紙葉類の綴じ込みや加除を行い得るように、種々の工夫がなされている。(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
上述した特許文献に記載のものは、複数の綴じ足をそれぞれ挿通させるための複数の綴じ足挿通部を備えてなるベースと、当該ベースに対して動作可能に取り付けられ、一方の綴じ足を綴じ足挿通部よりも上側から押さえ得る第一の押さえ部と、ベースに対して動作可能に取り付けられ、他方の綴じ足を綴じ足挿通部よりも上側から押さえ得る第二の押さえ部とを有し、これらの押さえ部をベースに沿って位置付けた綴じ姿勢から、何れかの綴じ部材を例えば指で摘み上げるのみで、綴じ足と綴じ具との係り合いが解除され、紙葉類の綴じ込みや加除が行い易いものとなっている。そして摘み上げた押さえ部をベースに向けて押さえ込めば、綴じ具は再び綴じ足に係り合う綴じ姿勢をとる。このような、摘み挙げ動作・押込み動作を繰り返すだけでファイルにおける紙葉類の綴じ込み作業や加除作業を簡単に繰り返し行うことができるものとして、これまでオフィスにおいて広く好適に受け入れられてきた。
ここで、このように綴じ具を取り扱う際の指の動作に着目すると、上述したような押さえ部を摘み上げる作業というのは、綴じ足と綴じ具との係り合いを解除するために上方に引っ張る力が必要となる。つまり、このような摘み操作を行っている場合には使用者は意識せずとも必然的に一定以上の指で摘む力や握力が要求されていることとなり、実は正確な指の動作を行うに足る意識や指の動作の正常さ、健常さが必要とされるものとなっている。
特開2002−307884号公報
本発明は、綴じ具を扱う際の使用者の動作に着目したものであり、より簡便な操作で取り扱うことができる綴じ具及び、当該綴じ具及びファイルを提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち本発明に係る綴じ具は、複数の綴じ足をそれぞれ挿通させるための複数の綴じ足挿通部を備えてなるベースと、当該ベースに対して動作可能に取り付けられ、一方の綴じ足を前記綴じ足挿通部よりも上側から押さえ得る第一の押さえ部と、前記ベースに対して動作可能に取り付けられ、他方の綴じ足を前記綴じ足挿通部よりも上側から押さえ得る第二の押さえ部と、前記第一の押さえ部の動作と前記第二の押さえ部の動作とを連動させることにより前記第一及び第二の押さえ部を前記綴じ足挿通部上に位置付けた綴じ姿勢から当該第一及び第二の押さえ部を退避させ前記綴じ足を開放させた退避姿勢までの間の相互の動作をそれぞれ連動させ得る連動機構と前記第一の押さえ部側に設けられ、所定方向の押圧動作のみにより、前記綴じ姿勢から前記退避姿勢へと操作し得る操作部とを具備することを特徴とする。
そして本発明に係るファイルは、係る綴じ具を具備することを特徴としている。
このようなものであれば、使用者は一方向の押圧操作のみで綴じ姿勢から退避姿勢へと操作することができるので、従来のような指で摘む動作のように、二本の指によるそれぞれ二つの動作を要求とされることもなく、指一本、或いは使用者にとって押圧し易い所望の動作によって容易に綴じ具を操作することができる。そうすることにより、誰にでも手軽に紙葉類の綴じ作業や加除作業を行うことができるようになる。
綴じ姿勢から退避姿勢まで動作を行わせるための操作方向は、予め説明等を施されることなく綴じ具の形状から容易に分かるようなものとすることが好ましい。そこで第一の押さえ部に設けた操作部の場合は、その所定方向を、ベースの長手方向に沿った方向としておくことが望ましい。
また、操作部の操作を確実に連動させ得るようにするためには、連動機構を記ベース及び何れかの押さえ部を連結する複数のリンク要素からなるリンク部を有するものとすることが好ましい。
そして、このようなリンク要素を適用して、押さえ部同士の正確な連動を実現するための構成として、第一の押さえ部を、ベースにおける綴じ足挿通部間に設けられた位置決め部に一端を位置決めされたリンク要素を介して取り付けられるようにし、連動機構を、綴じ姿勢にある操作部への操作により第一の押さえ部が位置決め部へ向かって移動する動作と第二の押さえ部が位置決め部に向かって移動する動作とを連動するようにしているものを挙げることができる。
特にスムーズな連動動作を実現し得る具体的な構成として、リンク部が、位置決め部にリンク要素の一端を回転可能に取り付けられた概略四辺リンクをなす態様を挙げることができる。
また、一つの綴じ具で複数の態様に対応させるためには、ベースに位置決め部を複数形成しておくことが望ましい。特に、ベースが対をなす綴じ足挿通部及び対をなす位置決め部を有するものとした場合、この対をなす位置決め部をそれぞれ反対方向に押さえ部を位置決めし得るものとしておき、任意の一方の綴じ足挿通部及び一方の位置決め部間の相対距離と、他方の綴じ足挿通部及び他方の位置決め部間の相対距離とが等しく設定したものとすれば、押さえ部を反対方向にして他方の位置決め部へと付け替えれば、押さえ部が同様に綴じ足挿通部に対応するようにして正常な動作を担保しつつ、操作部の向き並びに操作方向を反対向きに変更することが可能となる。
リンク部を構成するに際し、有効に部品点数を削減するための構成として、リンク部を、何れかの押さえ部と一体に形成しておくことが望ましい。
特に、製造する部品の寸法や容積を有効に削減するためには、リンク要素を切り起こしにより一体に形成しておく事が望ましい。ここで、リンク要素を切り起こす元になる部材は、ベース並びに押さえ部を含む、当該綴じ具を構成する何れかの部品であればよい。
さらに、綴じ具を構成する部品点数をさらに削減するためには、上述した第一の押さえ部と第二の押さえ部とを一体に形成することが好ましい。
また、操作部の操作により確実に第一の押さえ部を動作させるための具体的な構成としては、この操作部を、第一の押さえ部と一体に成形しておくことが好ましい。
他方、上記の綴じ具を用いて、容易に紙葉類を綴じ得る本発明のファイルの具体的な態様として、表表紙又は裏表紙のいずれか一方を折り込んで綴じ具を取り付け当該綴じ具とともに紙葉類を押さえ得る押圧板部を設けるとともに、他方を折り込んで綴じ足を取り付ける基板部を設け、紙葉類をこれら押圧板部と基板部とにより挟み込むようにしている態様を挙げることができる。
或いは、表表紙側からも裏表紙側からも紙葉類の綴じ作業を好適に行い得るファイルとしてもよい。すなわち、表表紙及び裏表紙の両方を折り込んで綴じ具を取り付け当該綴じ具とともに紙葉類を押さえ得る押圧板部を設けるとともに、紙葉類をこれら両押圧板部間に挟み込むようにしている態様を適用しても良い。
そして、綴じようとする紙葉類の量すなわち厚みに好適に適応し得るファイルとすることの可能である。すなわち、表表紙又は裏表紙のいずれか一方と一体に背表紙を設けるとともに、他方を当該他方の端部が開口する袋体状のものにしてこの背表紙を挿入可能にし、背表紙の幅を調整可能にしたファイルとしても良い。
また勿論、本発明のファイルは、綴じ具のみで紙葉類を押圧し綴じる態様のものとしても良い。すなわち、裏表紙に綴じ足を取り付けるとともに、当該綴じ足に綴じ具を取り付け、紙葉類を裏表紙と綴じ具によって挟み込むようにしているファイルとしても良い。
本発明によれば、例えば指一本、或いは使用者にとって押圧し易い所望の押圧動作によって容易に綴じ具を操作することができることにより、誰にでも手軽に紙葉類の綴じ作業や加除作業を行うことができるようになる綴じ具及びファイルを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るファイルの平面図。 同他の平面図。 同ファイルを示す外観図。 同他の外観図。 同実施形態に係る綴じ具を示す分解斜視図。 同綴じ具の要部を示すための断面図。 同要部を示すための他の斜視図。 同上。 同要部を示す平面図。 同要部を示す正面図。 同要部を示す他の正面図。 同実施形態の変形例1を示すファイルの平面図。 同他の平面図。 同実施形態の変形例2を示すファイルの外観図。 同他の外観図。 同実施形態に係る変形例3を示すファイルの外観図。 同実施形態に係る変形例4に係る綴じ具を示す分解斜視図。 同実施形態に係る変形例5に係る綴じ具を示す分解斜視図。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るファイルFは、図1ないし図5に示すように、表表紙F2と、表表紙F2の一端を折り込んで設けた細長い板状をなす押圧板部F3と、この押圧板部F3からさらに表表紙F2と反対側に折り込んで設けた背表紙F4と、表表紙F2とは分離した裏表紙F5と、裏表紙F5の一端を折り込んで設けた細長い板状をなす基板部F6と、基端部F72を基板部F6に取り付けてその先端部を紙葉類Pに挿し通すようにした一対の綴じ足F7と、基板部F6の長手方向に延びる形状をなし綴じ足F7を挿通させて係止するように構成した、本発明に係る綴じ具1とを具備する。なお同図において、紙葉類の図示は省略する。
表表紙F2と、押圧板部F3と、背表紙F4とは、1枚の紙を折り込んで形成してあり、折り込み部分を押圧板部F3とし、この押圧板部F3を挟んで表表紙F2と背表紙F4とを配置するようにしている。
一方、裏表紙F5と基板部F6とは、1枚の紙の端部を折り込んで形成してあり、折り込み部分を基板部F6としている。さらに、本態様では裏表紙F5を構成する部分を折り返して綴じ元側に開口する袋体状のものにし、背表紙F4を挿入可能な背表挿入部F5aを形成してある。そしてこの背表挿入部F5aに背表紙F4を挿入する寸法を調整することにより、表表紙F2及び裏表紙F5間に露出する背表紙F4の幅を調整可能にしている。
綴じ足F7は、図3に示すように基端部F72から綴じ足本体F71を延ばして形成している。基端部F72は、幅方向に略T字状に拡開する形状を有する板状のものである。綴じ足本体F71は、横断面が略半円状をなし、一側面の一部に所定ピッチで溝を設けている。一方、図1に示すように、基板部F6には、綴じ足F7を挿通させ、また係止する役割を果たす取付孔F6a、F6bをそれぞれ2箇所設けている。この2箇所の取付孔F6a、F6bのうち、綴じ足本体F71を外側に位置する外取付孔F6bを挿通し、しかる後、内側に位置する内取付孔F6a、F6aから綴じ足本体F71を表表紙F2に向けて挿し通すようにしている。なお、基端部F72を内取付孔F6a、F6aのみに挿通させると、紙葉類を綴じ得る綴じ足本体F71の有効寸法が図示の態様よりも増すことになる。このように、本実施形態に係るファイルFは、2箇所の取付孔F6a、F6bを設ける事により、綴じ足本体F71が紙葉類を綴じ得る有効寸法を適宜調整することができる。
他方、押圧板部F3には、内取付孔F6aと重合する位置に綴じ足F7を挿通させる2箇所の上挿通孔F3aと、この内取付孔F3aの外側には綴じ具1を取り付けるためのベース取付孔F3bを設けている。このとき、同図に示すように、綴じ足本体F71は押圧板部F3及び綴じ具1をともに挿通し得るとともに、綴じ具1によって綴じ足本体F71の任意の位置が係止されることで、押圧板部F3が綴じ具1とともに紙葉類を押圧し、紙葉類をこれら押圧板部F3と基板部F6とにより挟み込むようにしている。
ここで、本実施形態に係る綴じ具1は特に図5に示すように、例えば樹脂の一体成形品である3つの部品、すなわち、ベース2、第一の押さえ板3及び第二の押さえ板4を組み付けることによって構成される。そしてこの綴じ具1は、ベース2と、第一の押さえ板3に設けられた第一の押さえ部32と、第二の押さえ板4に設けられた第二の押さえ部41と、これら両押さえ部32、41の動作を連動させるための連動機構Xと、第一の押さえ部32側に設けられ、所定方向の押圧動作のみにより、綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)へと操作し得る操作部31とを具備することを特徴とするものである。
以下、当該綴じ具1の構成について、図5ないし図11に示して詳述する。
ベース2は、同図に示すように、綴じ姿勢(P)で押圧板部F3を介して紙葉類を押さえ込むためのものであり、本実施形態では、長手方向において対称形状をなすとともに、長手方向に直交する幅方向については、綴じ足挿通部21の形状を除いて、略対称形状をなしている。当該ベース2は綴じ足F7を挿通させるための綴じ足挿通部21と、押圧板部F3に当該ベース2を固定するための取付爪22と、第一の押さえ部32及び第二の押さえ部41をスライド可能に支持するレール部23と、これら第一の押さえ部32及び第二の押さえ部41を退避姿勢(Q)で位置決めするためのストッパ24と、綴じ姿勢(P)で綴じ足F7を係止する綴じ足係止部25と、第一の押さえ板3及び第二の押さえ板4を直接ベース2に取り付けるための2つの開口である外側穴262a、262b、内側穴261a、261bからなる対をなす位置決め部26a、26bとを有している。
綴じ足挿通部21は、ベース2の中央よりの位置に例えば80mm間隔で平面視コの字状に切り欠くことによって設けられ、綴じ足F7よりも若干大きな寸法で切り欠くことにより、スムーズな綴じ足F7の挿通を実現している。
取付爪22は、綴じ足挿通部21よりも若干両端よりにそれぞれ下方に突出させて形成したものであり、上述したベース取付孔F3bに経過的な弾性変形を経て固定される。
レール部23は、長手方向で綴じ足挿通部21を設けた位置から両端にわたって形成されたものであり、上端部分を長手方向に直交する幅方向に突出させて形成した、第一の押さえ板3に外嵌されるためのフランジ231と、幅方向中央に形成され綴じ足F7を収容するとともに、第二の押さえ板4の両側に略接する幅寸法に設定された凹溝232とを有している。
ストッパ24は、操作部31に当接することで、当該操作部31の動作終端である退避姿勢(Q)で位置決めするための当接面241と、動作終端において操作部31に下方から弾性的に付勢することにより、動作終端近傍から動作終端まで操作部31を操作する際に適度なクリック感を出すとともに、当接面241に操作部31が接した状態で位置決めを行うための弾性付勢部242とを有している。
綴じ足係止部25は、綴じ足挿通部21よりも長手方向両端よりに設けられ。綴じ足本体F71に係り得る3つの係止突起251からなるものである。
そして位置決め部26a、26bは、長手方向においてストッパ24よりも若干中央よりに形成された複数、つまり対をなして形成されたものであり、第二の押さえ板4から切り起こされた後述する位置決めリンク45並びに浮き防止リンク46の先端を軸支することにより、第二の押さえ板4を直接、第一の押さえ板3を間接的に取り付けるためのものである。この位置決め部26a、26bは、ストッパ24に近接した側の長穴である、位置決めリンク45を若干寸法スライド可能に軸支する外側穴262a、262bと、浮き防止リンク46を略回転のみ可能に軸支する内側穴261a、261bとを有している。ここで、この位置決め部26a、26bは上述の通り長手方向にも幅方向にも対称に形成されている。つまり、この対をなす位置決め部26a、26bがそれぞれ反対向きに第一の押さえ板3及び第二の押さえ板4を位置決めし得るものとなっている。そして、綴じ足挿通部21が長手方向に対称であるという点から、この位置決め部26a、26bと綴じ足挿通部21との位置関係は、任意の一方の綴じ足挿通部21及び一方の位置決め部26a、26b間の相対距離と、他方の綴じ足挿通部21及び他方の位置決め部26a、26b間の相対距離とが等しいものとなっている。これにより、ベース2は、第一の押さえ板3及び第二の押さえ板4を図5に示す向きとは反対向けにも取り付けることが可能となっている。つまり、操作部31を位置付ける位置を何れの綴じ足挿通部21寄りに位置付けるかを、適宜選択することができる。
第一の押さえ板3は、一端側をベース2に外嵌することによってベース2に対してスライド可能に固定されるとともに、併せて第二の押さえ板4を介してベース2に取り付けられることにより、ベース2の端部から抜ける方向へのスライド動作の動作範囲が規制されているものである。この第一の押さえ板3は、具体的には同図に示すように、操作部31と、第一の押さえ部32と、ベース2に外嵌する外嵌部33と、操作部31から他の部位を屈曲可能に接続する操作側ヒンジ34と、主に綴じ姿勢(P)への操作時に押圧する綴じ操作板35と、第二の押さえ板4へ接続する上接続板部36とを有している。
操作部31は、綴じ姿勢(P)では綴じ足挿通部21の真上に位置付けられたものであり、綴じ姿勢(P)から、ベース2の長手方向に沿ってベース2中央へ向けた一方向の押圧動作によりストッパ24の当接面241に当接する当接端311と、この当接端311が当接面241に近接して退避姿勢(Q)へと動作する際に弾性付勢部242に付勢され経過的に弾性付勢部242に対して乗り上げ動作をし得る乗り上げ部312とを有している。またこの操作部31は、退避姿勢(Q)にある状態から一方向とは逆方向への押圧操作により、再び綴じ姿勢(P)とし得るものである。
第一の押さえ部32は、綴じ足挿通部21よりも上側から綴じ足F7を押さえるためのものであり、本実施形態では操作部31に一体に形成されたものである。第一の押さえ部32は、操作部31と裏面側すなわち下方に面した位置に若干凹ました湾曲形状をなして形成されている。この第一の押さえ部32は、ベース2の長手方向に沿って操作部31と同じスライド動作をする。
外嵌部33は、ベース2の端部に設けられた、幅方向に対をなして突出させたフランジ231に外嵌することにより、これら操作部31と第一の押さえ部32をスライド動作可能に取り付けるためのものである。
操作側ヒンジ34は、操作部31の他端側において樹脂の厚みを若干薄く形成させて形成させたもので、操作部31と綴じ操作板35とを相対動作可能に接続したものである。
綴じ操作板35は、一端側にある操作部31のスライド動作に応じて他端側が上方へ回転し上昇するようになっているものであり、退避姿勢(Q)にある綴じ操作板35を例えば指でベース2に向けて押圧することにより、再び綴じ姿勢(P)とするためのものである。この綴じ操作板35は、綴じ姿勢(P)とするために押圧される箇所である綴じ操作端351と、綴じ姿勢(P)の際に第二の押さえ板4側に係り合って綴じ姿勢(P)を維持するための弾性突起352と、綴じ操作端351の裏面側に位置し、例えば指により摘み上げられることにより、操作部31によらずに綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)へとし得る摘み部353とを有している。なお本実施形態では、この綴じ操作板35の先端側に位置する綴じ操作端351の位置を、後述する中央ヒンジ43と平面視略重なる位置に設定しているが、勿論、綴じ操作端351を中央ヒンジ43を超えて摺動板部42上部にまで重なり得る構成として、第二の押さえ板4をより強く押さえ得る構成としても良い。
上接続板部36は、綴じ操作板35の内側において第二の押さえ板4側の下接続板部44に重なるように接続することにより、当該第一の押さえ板3と第二の押さえ板4とを連動させるためのものである。この上接続板部36は、下接続板部44の先端部441を係り止めるための端爪361と、段部442に係り止めるための側爪362と、そして下接続板部44に形成された凸部443を収容して互いの位置決めを行う凹部363とを有している。これにより、綴じ操作板35は、第二の押さえ板4の下接続板部44ともに、本発明のリンク要素として一体的に動作し得るものとなっている。
第二の押さえ板4は、綴じ姿勢(P)では平板状となった状態で凹溝232に収容させ、操作板35の操作によって、後述の通り形状を変形させながら、第一の押さえ板3の動作も連動させて綴じ足F7を押さえ得るものである。この第二の押さえ板4は、一端側において綴じ足F7を押さえるための第二の押さえ部41と、凹溝232内から上下方向の姿勢変形を行う摺動板部42と、略中央の位置で屈曲する中央ヒンジ43と、第一の押さえ板3側に固定される下接続板部44と、ベース2に枢着され綴じ操作板35の動作を案内するとともに操作部31を間接的に位置決めする位置決めリンク45と、第二の押さえ部41並びに摺動板部42の動作を案内するリンク要素である浮き防止リンク46とを有している。
第二の押さえ部41は、第二の押さえ板4の端部の下面側の樹脂を若干膨出させて(図11)形成されたものである。そしてこの第二の押さえ部41は、綴じ姿勢(P)では綴じ足F7を上方から押圧するとともに、退避姿勢(Q)へと至る動作時には回転動作をしながら綴じ足挿通部21から退避する。
摺動板部42は、その両側が、凹溝232に沿ってスムーズ且つがたつき無く摺動し得るように凹溝232の幅寸法と略同じか、若干小さい寸法で形成された立面を有する板状のものである。
中央ヒンジ43は、摺動板部42と下接続板部44とを屈曲可能に連結する樹脂ヒンジである。
下接続板部44は、先端部441を端爪361に、段部442を側爪362に、凹部363を凸部443に係り合わせることにより、上述した上接続板部36に固定して、綴じ操作板35をリンク要素として動作させ得るものである。
位置決めリンク45は、下接続板部44の中央の領域を切り起こし、他端側において基端ヒンジ451を中心に回転可能に構成したものであり、先端側をベース2の内側穴261aに軸支させた枢着端452としたものである。
浮き防止リンク46は、摺動板部42の中央の領域を切り起こし、一端側において基端ヒンジ461を中心に回転可能に構成し、先端側を外側穴262aに若干寸法動作可能に軸支させた枢着端462としたものである。この浮き防止リンク46により、退避姿勢(Q)の際に第二の押さえ部41が不必要にベース2から上方へ離間するという不具合を防止している。
しかして本実施形態に係る綴じ具1は、これら第一の押さえ板3並びに第二の押さえ板4によって、本発明のリンク部からなる連動機構Xを構成している。つまり、本実施形態に係る連動機構Xとは、一体的に動作する綴じ操作板35並びに下接続板部44、綴じ操作板35、位置決めリンク45及び浮き防止リンク46を各リンク要素とした概略四辺リンクであるリンク部からなるものである。
そしてこの連動機構Xは、この各リンク要素の動作により第一の押さえ部32の動作と第二の押さえ部41の動作とを連動させることにより綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)までの間の相互の動作をそれぞれ連動させ得るものである。そして、当該連動機構Xの動作のもと、操作部31は、ベース2の長手方向に沿った押圧動作のみにより、綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)へと操作し得るものとなっている。
以下、綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)に至るまでの綴じ具1の動作について説明する。まず、図1及び図3に示す綴じ姿勢(P)から操作部31をベース2の長手方向に、位置決め部26a、26bへ向けて押圧すると、操作部31並びに第一の押さえ部32のレール部23に沿ったスライド動作に伴って、ベース2と平行に姿勢を保っていた位置決めリンク45が内側穴261aを中心に回転動作を行い起立してゆく。この起立動作に伴い操作側ヒンジ34の変形とともに綴じ操作板35が綴じ操作端351を上昇させながら回転する。他方、綴じ操作板35の回転動作に伴い中央ヒンジ43が変形し、摺動板部42が上方へ回転する。このとき、摺動板部42の一端に位置付けられた第二の押さえ部41は綴じ足挿通部21上から退避する。そしてこの摺動板部42を浮き防止リンク46を介して外側穴262aに接続されているため、第二の押さえ部41は凹溝232内の空間を位置決め部26aに向かってスライドしながら回転動作を行うこととなる。このようにして、綴じ具1は退避姿勢(Q)となる。
また、図2、4、5、6に示す退避姿勢(Q)から綴じ操作端351を上から指で押圧しても、操作部31を上記とは逆方向に操作しても、上に説明した動作の逆の動作が行われることにより、再び図1及び図3に示す綴じ姿勢(P)へと戻る。このとき、弾性突起352は摺動板部42に係り合って、好適に綴じ姿勢(P)が維持される。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る綴じ具1は、綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)へと操作し得る操作部31とを具備しているので、所定方向の押圧動作のみにより、使用者は一方向の押圧操作のみで綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)へと操作し得るものとなっている。つまり、従来のような指で摘む動作のように、二本の指によるそれぞれ二つの動作を要求されることもなく、指一本、或いは使用者にとって押圧し易い所望の動作によって容易に綴じ具1を操作し得るものとなっている。その結果、誰にでも手軽に紙葉類の綴じ作業や加除作業を行うことができる綴じ具1となっている。
そして本実施形態に係る綴じ具1は、ベース2の長手方向に沿った方向で操作部31を動かせば退避姿勢(Q)とし得るものであるため、予め説明等を施されることなく、ベース2と操作部31との位置関係から容易に分かるようなものとなっている。そのため、使用者は使用方法を誤ることなく当該綴じ具1を容易に使用することができる。
また本実施形態では連動機構Xとして、リンク要素を配したリンク部を採用しているので、複雑な構成を適用することを有効に回避しながら部品点数が少なく簡素な形状、構成ではあるが、綴じ姿勢(P)退避姿勢(Q)の相互の連動を速やか且つ確実に行い得るものとなっている。
そして、このようなリンク要素を適用して、押さえ部32、41同士の正確な連動を実現するための一例として本実施形態では、第一の押さえ部32を、ベース2における綴じ足挿通部21間に設けられた位置決め部26a、26bに一端を位置決めされたリンク要素を介して取り付けられるようにし、連動機構Xを、綴じ姿勢(P)にある操作部31への操作により第一の押さえ部32が位置決め部26a、26bへ向かって移動する動作と第二の押さえ部41が位置決め部26a、26bに向かって移動する動作とを連動するようにしている。
特にスムーズな連動動作を実現し得る具体的な構成として本実施形態では、リンク部が、位置決め部26a、26bにリンク要素の一端を回転可能に取り付けられた概略四辺リンクをなす態様としている。
また、本実施形態ではベース2に位置決め部26a、26bを複数形成して、一つの綴じ具1で異なった配置をなすようにしているので、ファイルFを構成するための綴じ具1の部品点数を有効に削減している。特に、ベース2が対をなす綴じ足挿通部21及び対をなす位置決め部26a、26bを有するものとした本実施形態では、この対をなす位置決め部26a、26bをそれぞれ反対方向に押さえ部を位置決めし得るものとしておき、任意の一方の綴じ足挿通部21及び一方の位置決め部26a、26b間の相対距離と、他方の綴じ足挿通部21及び他方の位置決め部26a、26b間の相対距離とが等しく設定したものとして、操作部31の向き並びに操作方向を反対向きに変更することが可能となっている。これにより、使用者の使い勝手や仕様変更に有効に適用し得る綴じ具1となっている。
そして本実施形態では、リンク要素として機能する綴じ操作板35、上接続部、下接続板部44、摺動板部42、位置決めリンク45要素並びに浮き防止リンク46要素は、全て、何れかの押さえ部と一体に形成しているので、綴じ具1を構成する部品点数を有効に削減し得たものとなっている。
特に、製造する部品の寸法や容積を有効に削減するために本実施形態では、リンク要素を切り起こしにより一体に形成している。特に本実施形態では、保管時や出荷時など長時間維持される状態である綴じ姿勢(P)においてリンク要素は成形された状態からなんら変わらない姿勢を採っているので、不自然に樹脂が曲げられた状態が維持されることによる部品の局部的な劣化を有効に回避して、耐久性の高い綴じ具1を実現している。
そして本実施形態では、操作部31と第一の押さえ部32とが一体に成形されているので操作部31に掛かる操作力を最も効率良く第一の押さえ部32に伝える事と、第一の押さえ部32の動作を連動機構Xを介して第二の押さえ部41に伝える事とを有効に両立させたものとなっている。
<変形例1>
以下、本発明に係る各変形例について詳述する。
なお、本変形例について、上記実施形態における構成要素に相当するものについては、同じ符号を付すとともに、詳細な説明を省略するものとする。
本変形例に係るファイルFは、上記実施形態同様、表表紙F2又は裏表紙F5のいずれか一方と一体に背表紙F4を設けるとともに、他方を当該他方の端部に開口した背表挿入部F5aを設けて袋体状のものにしてこの背表紙F4を挿入可能にし、背表紙F4の幅を調整可能にしているものである。
そして、本変形例に係るファイルFは、図12及び図13に示すように、二つの綴じ具1を取り付けてなるものである。また上述の通り綴じ具1は、第一の押さえ板3及び第二の押さえ板4を反対向けにも取り付けことも可能であり、操作部31を位置付ける位置を何れの綴じ足挿通部21寄りに位置付けるかを、適宜選択することができるものである。つまり、同図右側に示す綴じ具1は、互いにベース2に対する第一の押さえ板3並びに第二の押さえ板4の取り付け方向を反対向けにし、位置決め部26b取り付けた状態で取り付けたものである。これにより同図に示すように、対をなす綴じ具1を押圧板部F3を介して背反するように配置させても、操作部31の位置を任意の側に揃えることができるものである。
このファイルFについて具体的に説明すると、表表紙F2及び裏表紙F5の両方を折り込んで綴じ具1を取り付け当該綴じ具1とともに紙葉類を押さえ得る押圧板部F3を設けるとともに、紙葉類をこれら両押圧板部F3間に挟み込むようにしているものである。また本変形例では、綴じ足F7を、基端部F72を設けずに綴じ足本体F71のみにより構成されたものとしている。
このように本変形例のファイルFは、紙葉類の表裏どちらからでも綴じ込みや加除を行い得る使い勝手の優れたファイルFとなっている。
<変形例2>
また本発明によれば、図14及び図15に示す当該変形例に係る綴じ具1Aのように、第二の操作部47Aを第二の押さえ板4に設けることにより、左右どちらからでも一方向の押圧操作のみで綴じ具1Aを退避姿勢(Q)へと操作することが可能である。なお、本変形例について、上記実施形態及び変形例における構成要素に相当するものについては、同じ符号を付すとともに、詳細な説明を省略するものとする。
つまり同図に示す綴じ具1Aは、第二の押さえ部41からさらに先端側に、樹脂ヒンジを介して片側のフランジ231にのみ外嵌する第二の操作部47Aを設けたものである。また当該第二の操作部47Aを設ける場合、退避姿勢(Q)の際に開放される綴じ足F7に干渉しないように、第二の操作部31を幅寸法を操作部31よりも小さくし、何れかの側のフランジ231にのみ外嵌するようにしている。
このようなものであると、綴じ姿勢(P)から第二の操作部A47をベース2の長手方向に、位置決め部26a、26bへ向けて押圧すると、第二の操作部31を並びに第二の押さえ部41のレール部23に沿った動作に伴って、ベース2と平行に姿勢を保っていた浮き防止リンク46が外側穴262aを中心に回転動作を行い起立してゆく。この起立動作にともない摺動板部42が中央ヒンジ43を上昇させながら回転する。他方、摺動板部42の回転動作に伴い中央ヒンジ43が変形し、綴じ操作板35が上方へ回転する。このとき、綴じ操作板35の一端に位置付けられた第一の押さえ部32並びに操作部31は綴じ足挿通部21上から退避する。そしてこの摺動板部42を位置決めリンク45を介して内側穴261aに接続されているため、第一の押さえ部32はフランジ231に沿いつつ位置決め部26a、26bに向かってスライドしながら回転動作を行うこととなる。このようにして、綴じ具1Aは退避姿勢(Q)となる。
このように本変形例によれば、左右どちら側からでも指一本で、言い換えれば一方向の押圧操作のみで、綴じ具1Aを退避姿勢(Q)へと操作することが可能である。
<変形例3>
そして図16に示す当該変形例のように、オフィスにおいて上記実施形態のファイルF同様に広く用いられている、綴じ具1Bのみで紙葉類を押圧し綴じる態様のファイルFFとしても良い。すなわち、裏表紙F5に綴じ足F7を取り付けるとともに、当該綴じ足F7に綴じ具1Bを取り付け、紙葉類を裏表紙F5と綴じ具1によって挟み込むようにしているファイルFとしても良い。なお、本変形例について、上記実施形態及び上記各変形例における構成要素に相当するものについては、同じ符号を付すとともに、詳細な説明を省略するものとする。
同図に示すファイルFFは背表紙F4の幅が変更せず、且つ、ベース2Bが直接紙葉類を押圧して綴じるタイプのものである。そして同図に示す綴じ具1Bは、取付爪22の構成を省く点、図示しない下面側を平坦に形成する点を除いては、上記実施形態と綴じ具1、ベース2と同様の構成をなすものである。
この様に、本発明は、オフィスにおいて広く用いられてきたファイルFFとすることにより、紙葉類を綴じる作業を同様の形状をなす従来のものに比べ、より簡便、且つ迅速に行い得るものとなっている。
<変形例4>
また本変形例4のように、第一の押さえ部と第二の押さえ部とを一体に構成することにより、部品点数をさらに削減した綴じ具としても良い。なお、本変形例について、上記実施形態及び上記各変形例における構成要素に相当するものについては、同じ符号を付すとともに、詳細な説明を省略するものとする。
図17に示す綴じ具1Cは、上記実施形態同様のベース2と、上記実施形態に係る第一の押さえ板3及び第二の押さえ板4を、一体に構成した共通押さえ板5とを有したものである。換言すれば当該綴じ具は、ベース2及び共通押さえ板5という、これら2点の部品のみで綴じ具1Cを構成している。この共通押さえ板5は、上記実施形態に係る綴じ操作板35、上接続板部36及び下接続板部44の代わりに操作側ヒンジ34及び中央ヒンジ43との間に介在する接続板部50を有し、当該接続板部50から、上記実施形態同様の位置決めリンク45を、切り起こしではなく、突出させて成形しているものである。そして当該共通押さえ板5は接続板部50のほか、上記実施形態と同様の操作部31、第一の押さえ部32、外嵌部33、操作側ヒンジ34、第二の押さえ部41、摺動板部42、中央ヒンジ43、位置決めリンク45及び浮き防止リンク46を一体に有している。
このようなものであっても、上記実施形態並びに各変形例同様の操作部31を具備しているので、所定方向の押圧動作のみにより、使用者は一方向の押圧操作のみで綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)へと操作し得るものとなっている。また、この綴じ具1Cは、退避姿勢(Q)にある接続板部50を上から手指等で押圧してやれば、上記実施形態において綴じ操作板35が押圧されたときと同様、容易に綴じ姿勢(P)へと姿勢変更する。つまり、誰にでも手軽に紙葉類の綴じ作業や加除作業を行うことができるものとなっている。
<変形例5>
また、図18に示す本変形例5のように、第一の押さえ部と第二の押さえ部とを一体に構成することにより部品点数をさらに削減するとともに、部品の屈曲箇所をさらに削減した綴じ具1Dとしても良い。なお、本変形例について、上記実施形態及び上記各変形例における構成要素に相当するものについては、同じ符号を付すとともに、詳細な説明を省略するものとする。
当該綴じ具1Dは、上記変形例4に記載した綴じ具1C同様にベース2及び共通押さえ板5という、これら2点の部品のみで綴じ具1Dを構成している。そしてこの綴じ具1Dは、接続板部50の構成について、以下のようにしている。すなわち、この接続板部50の端部を、ヒンジを介さずにそのまま操作部31に設定するとともにその裏面側第一の押さえ部32とし、第一の押さえ部32の両側に位置している外嵌部33の構成を前記レール部231に対し、内向きに突出する突起部分331のみにより外嵌させることによって、レール部231に対しスライド且つ回転可能な構成として、上記実施形態・変形例に係る操作側ヒンジ34の構成を省略したものである。
このようなものであると、綴じ姿勢(P)から退避姿勢(Q)に移行するとき、第一の押さえ部は突起部分331を中心に回転しながら接続板部50と一体に傾斜しながらスライド動作を行うものとなる。そしてこのような構成を適用することにより、共通押さえ板5における部品の屈曲箇所をさらに削減することができる。これにより、より耐久性に優れた綴じ具1D及びファイルFを提供することが可能となる。
また勿論、本変形例のように操作側ヒンジ34の構成を略する態様は、上記実施形態並びに変形例1乃至3の何れにも適用することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態ではリンク動作をするリンク部のみの構成によって連動機構を実現した態様を開示したが、勿論、スライド機構やラックピニオン機構、または所定の部材が弾性的に伸縮するような構造を別途適用したり、これらの機構・構造を適宜組み合わせたりすることによって種々の連動機構を実現してもよい。そして、上記実施形態のリンク部は押さえ板から形成したものとしていたが、勿論ベースの一部を切り起こしたリンク要素を適用しても構わない。またファイルに取り付ける綴じ具の位置や綴じ足の間隔、また、綴じ具の数といったファイルの具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は紙葉類を綴じるための綴じ具及びファイルとして利用することができる。
1、1A,1B、1C、1D…綴じ具
2、2B…ベース
21…綴じ足挿通部
31…操作部
32…第一の押さえ部
41…第二の押さえ部
F、FF…ファイル
F7…綴じ足F7
P…綴じ姿勢(P)
Q…退避姿勢(Q)
X…連動機構、リンク部(連動機構)

Claims (16)

  1. 複数の綴じ足をそれぞれ挿通させるための複数の綴じ足挿通部を備えてなるベースと、
    当該ベースに対して動作可能に取り付けられ、一方の綴じ足を前記綴じ足挿通部よりも上側から押さえ得る第一の押さえ部と、
    前記ベースに対して動作可能に取り付けられ、他方の綴じ足を前記綴じ足挿通部よりも上側から押さえ得る第二の押さえ部と、
    前記第一の押さえ部の動作と前記第二の押さえ部の動作とを連動させることにより前記第一及び第二の押さえ部を前記綴じ足挿通部上に位置付けた綴じ姿勢から当該第一及び第二の押さえ部を退避させ前記綴じ足を開放させた退避姿勢までの間の相互の動作をそれぞれ連動させ得る連動機構と、
    前記第一の押さえ部側に設けられ、所定方向の押圧動作のみにより、前記綴じ姿勢から前記退避姿勢へと操作し得る操作部とを具備することを特徴とする綴じ具。
  2. 前記所定方向が、ベースの長手方向に沿った方向である請求項1記載の綴じ具。
  3. 前記連動機構が、前記ベース及び前記何れかの押さえ部を連結する複数のリンク要素からなるリンク部を有するものである請求項1または2記載の綴じ具。
  4. 前記第一の押さえ部が、前記ベースにおける綴じ足挿通部間に設けられた位置決め部に一端を位置決めされた前記リンク要素を介して取り付けられるものであり、
    前記連動機構が、前記綴じ姿勢にある前記操作部への操作により前記第一の押さえ部が前記位置決め部へ向かって移動する動作と前記第二の押さえ部が前記位置決め部に向かって移動する動作とが連動するものである請求項3記載の綴じ具。
  5. 前記リンク部が、前記位置決め部に前記リンク要素の一端を回転可能に取り付けられた概略四辺リンクをなす請求項4記載の綴じ具
  6. 前記ベースが、前記位置決め部を複数形成している請求項4または5記載の綴じ具。
  7. 前記ベースが対をなす前記綴じ足挿通部及び対をなす前記位置決め部を有するとともに、当該対をなす位置決め部がそれぞれ反対方向に前記押さえ部を位置決めし得るものであり、
    任意の一方の前記綴じ足挿通部及び一方の前記位置決め部間の相対距離と、他方の前記綴じ足挿通部及び他方の前記位置決め部間の相対距離とが等しいものである請求項6記載の綴じ具。
  8. 前記リンク部が、何れかの前記押さえ部と一体に形成されたものである請求項3、4、5、6または7記載の綴じ具。
  9. 前記リンク要素が切り起こしにより一体に形成されている請求項3、4、5、6、7または8記載の綴じ具。
  10. 前記第一の押さえ部と前記第二の押さえ部とが一体に成形されている請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の綴じ具。
  11. 前記操作部が、前記第一の押さえ部と一体に成形されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の綴じ具。
  12. 請求項1ないし11の何れかに記載の綴じ具を具備してなることを特徴とするファイル。
  13. 表表紙又は裏表紙のいずれか一方を折り込んで前記綴じ具を取り付け当該綴じ具とともに紙葉類を押さえ得る押圧板部を設けるとともに、他方を折り込んで前記綴じ足を取り付ける基板部を設け、紙葉類をこれら押圧板部と基板部とにより挟み込むようにしていることを特徴とする請求項12記載のファイル。
  14. 表表紙及び裏表紙の両方を折り込んで前記綴じ具を取り付け当該綴じ具とともに紙葉類を押さえ得る押圧板部を設けるとともに、紙葉類をこれら両押圧板部間に挟み込むようにしていることを特徴とする請求項12記載のファイル。
  15. 表表紙又は裏表紙のいずれか一方と一体に背表紙を設けるとともに、他方を当該他方の端部が開口する袋体状のものにしてこの背表紙を挿入可能にし、背表紙の幅を調整可能にしていることを特徴とする請求項12、13または14記載のファイル。
  16. 裏表紙に前記綴じ足を取り付けるとともに、当該綴じ足に前記綴じ具を取り付け、紙葉類を前記裏表紙と前記綴じ具とによって挟み込むようにしていることを特徴とする請求項12記載のファイル。
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