JP2011529030A - 口腔の疾病を治療するためのシアノバクテリアからの糖脂質画分 - Google Patents

口腔の疾病を治療するためのシアノバクテリアからの糖脂質画分 Download PDF

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Abstract

本発明は、主として、アクチノバチラム・アクチノミセテムコンコミタンス(Actinobacillum actinomycetemconcomitans)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、タンネレラ・フォーサイシア(Tannerella forsythia)、トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola)、更に望ましくはポルフィロモナス・ジンジバリスに原因する細菌性歯肉疾患の治療及び/又は予防のための、オシラトリア・プランクトスリックスsp.(Oscillatoria Planktothrix sp.)からの糖脂質画分の調製及び使用に関するものである。前記歯肉疾患、特には歯肉炎及び歯周炎(歯槽膿漏)は、主としてP.ジンジバリスの成分に対する炎症促進反応に起因しており、歯周組織の破壊を引き起こし、しばしば破骨細胞形成(骨組織の破壊に関与する破骨細胞数の増加)及び慢性感染症を併発する。

Description

本発明は、口腔衛生及び口腔疾患治療用のコアジュバント(coadjuvant)の分野に関するものである。
歯周炎は、ある種のグラム陰性細菌に原因する口腔疾患である。それは、口腔組織の慢性的炎症性疾患であり、歯を支持する組織の不可逆的破壊を引き起こす慢性細菌感染を特徴とする。これは、非常に一般的な病気であり、成人人口の約3/4が様々な程度の重症度で冒されている(1)。歯肉縁下組織は、多くの細菌種が存在することを特徴とするが、それらの内のほんの数種のみが歯周炎の開始及び進行に関与する。4種のグラム陰性細菌(アクチノバチラム・アクチノミセテムコンコミタンス(Actinobacillum actinomycetemconcomitans)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、タンネレラ・フォーサイシア(Tannerella forsythia)、トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola))が存在し、通性嫌気性菌又は偏性嫌気性菌であり、歯肉縁下の領域にコロニーを形成させる多くの要因を生み出し、宿主免疫系に抵抗し、組織破壊を引き起こす(2−4)。しかしながら、それらの中でも、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P.ジンジバリス)は、かなり進行した段階の歯周炎にほとんどの場合関連している細菌である。歯周病の発生率及び進行度は、歯周病原菌と宿主免疫系との間の複雑な相互作用にかかわる。それらの細菌及び産物による宿主免疫細胞の活性化は、サイトカイン及びマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPs)のような、歯周組織の破壊を調節し、破骨細胞形成をも誘発する多くの炎症促進性メディエーターの分泌につながることが分かっている(2)。グラム陰性細菌の細胞壁に存するリポ多糖(LPS)は、モノサイト、マクロファージ、多形核白血球、樹状細胞のような、口腔粘膜中に存在するか又は感染過程中に補充される免疫細胞により炎症促進性メディエーターを放出する引き金を引くことのできる主な要因である(4−6)。歯周炎の専門的治療は、歯磨き粉及び口腔洗浄剤等の口腔衛生補助剤の使用によってサポートされており、好ましくは、トリクロサン、クロルヘキシジン等の消毒剤又は広域スペクトル抗菌薬や、場合によっては抗生物質を含有する。しかしながら、つい最近の研究によると、この種の消毒剤及び/又は抗菌薬の使用は、幾つかの理由から完全に望ましいというわけではない。第一の理由がトリクロサン等の一部の化合物の明らかな細胞毒性にあることは確かなことである。これは、欧州共同体の一部の国においてその使用がまさに禁止されている理由であり、第二の理由は、炎症促進性の主な刺激であるLPS(又はLPSに類似の分子)が口腔洗浄剤及び/又は歯磨き粉に一般に見られる殺菌活性によって不活性化されておらず;その結果、その炎症促進性刺激としての効果が細菌感染の根絶後でさえも維持されることである。三番目の理由は、広域スペクトル抗菌活性が、「有用な」又は「優れた」微生物叢をも除去するという望ましくない副作用を有することである。従って、特に、口腔衛生用の標準的な保護剤の使用であっても炎症促進活性を特異的に除去しない。従って、細菌性試薬の除去に加えて、関連した炎症促進性刺激を特異的に抑制することに寄与する口腔衛生用製剤の開発は、歯科領域で非常に望まれている。
本発明は、細菌性歯肉疾患の治療及び/又は予防用の、オシラトリア・プランクトスリックスsp.(Oscillatoria Planktothrix sp.)からの糖脂質画分に関するものであり、ここで、タンパク質の混入は2%よりも低く、核酸の混入は5%よりも低い。上記歯肉疾患の原因は、望ましくは、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、タンネレラ・フォーサイシア、及びトレポネーマ・デンティコーラよりなる群から選択される嫌気性細菌、更に望ましくはポルフィロモナス・ジンジバリスに原因する感染によるものである。歯肉疾患は、望ましくは歯肉炎及び歯周炎(歯槽膿漏)である。本発明の更なる目的は、上述の糖脂質画分を好ましくは0.1〜100μg/mlの範囲の量で含み、賦形剤及び/又は希釈剤及び/又は安定剤及び/又は添加剤として、経口投与に適した化合物と、任意には一種以上の異なる有効成分とを含む歯科用組成物である。活性画分の濃度は1〜50μg/mlであることが好ましく、ペースト又はゲルでは4〜20μg/mlが好ましく、口腔洗浄剤では1〜5μg/mlが好ましい。本発明の他の目的は、オシラトリア・プランクトスリックスsp.からの、経口使用に適した糖脂質画分の調製方法である。
P.ジンジバリスからのLPSへ同時、30分後、60分後、120分後、240分後に加えられたシアノバクテリア抽出物(CE)(20μg/ml)の存在下における炎症促進性サイトカインの産生の抑制である。パネルA:TNF−α;パネルB:IL−6;パネルC:IL−8;パネルC:IL−1β。
近年、シアノバクテリアのオシラトリア・プランクトスリックスFP1から調製した糖脂質抽出物が、大腸菌(E. coli)及びS.アボルタス・エクイ(S. abortus equi)からのLPSのような、TLR4受容体LPSアゴニストによって引き金が引かれる炎症促進効果をヒト樹状細胞においてアンタゴナイズすることができることが分かった(10)。本発明は、上記抽出物がポルフィロモナス・ジンジバリス(P.ジンジバリス)からのLPSの炎症促進効果をもアンタゴナイズするという更なる知見から起こる。P.ジンジバリスは、歯周炎又は慢性歯周炎と関係のある最も一般的な細菌であり、それはその主な原因物質であることが分かっている。特に、炎症促進反応は、(9)に記載のようにして精製されたその成分LPS及びFim 1の存在に関係している。それらの成分は、現在のところ、破骨細胞形成(骨組織の破壊に関与する破骨細胞数の増加)及び慢性感染症と関連することが多い、P.ジンジバリス感染に付随する歯周組織の破壊の主な原因として考えられている。P.ジンジバリスからのLPSがその活性をTLR2受容体との相互作用を介して発揮する(7−9)一方、多くの細菌性LPSはトール様受容体ファミリー(TLR)に属するTLR4膜受容体との相互作用を介して自然免疫細胞を活性化するため、本発明の発見は、先に示した大腸菌及びS.アボルタス・エクイのLPSに対する活性を考慮すると、特に驚くべきことである。
従って、第一の態様によれば、本発明は、歯肉疾患及び細菌性歯周炎の予防及び/又は治療で用いるオシラトリア・プランクトスリックスsp.糖脂質画分に関するものであり、その単離及び増殖条件は、(12)に記載されている。
ヒト単球細胞株に関するインビトロの研究により、オシレータ・プランクトスリックスsp.(Oscillator Planktothrix sp.)からの糖脂質画分が主としてP.ジンジバリスのLPSによって誘発される炎症促進効果(即ち、サイトカイン及び炎症促進性ケモカインの産生)をアンタゴナイズできることが分かった。従って、これは、歯肉の炎症(歯肉炎)、歯槽骨の軽度及び重度の炎症の状態(歯周炎又は歯槽膿漏)、慢性感染症と付随した歯周組織破壊、並びにそれらの感染の場合に頻繁に見られる破骨細胞形成の最も重度の現象と戦うための優れた候補を示す。また、インビトロの研究により、本発明に従って調製された、2%未満のタンパク質混入レベル及び5%未満の核酸混入レベルを示すシアノバクテリア抽出物は、細胞株及びヒト血液から単離したPBMCにおける細胞毒性アッセイにおいて評価されるように、哺乳類細胞に対して細胞毒性がないことが分かった。従って、口腔治療のためのそれらの使用を、歯肉疾患、特には歯肉炎、歯槽膿漏及び歯周炎の専門的治療用の組成物の形と、口腔洗浄剤、ゲル、ペースト、又は口の中で噛んだり又は溶けたりすることのできるデバイス、例えばチューインガム若しくはキャンディのような、口腔衛生用アジュバントとして使用されるべき組成物の形の両方で請求することができる。本発明の抽出物の細胞毒性が欠けていることを、最小有効濃度より100倍高い濃度(100μg/ml)以下でのインビトロの細胞系においてテストした。以下に記載されるようにして調製した本発明の抽出物は、無臭、無色及び無味であり;それ故に、同じ特徴を持つ他の成分又は要素と組み合わせた場合、口腔内で噛んだり又は溶けたりすることのできる食品配合物における、例えば糖衣丸剤、チューインガム、キャンディ又は丸剤(また、他の活性物質、例えばキシリトールとの併用)の形での使用も可能である。従って、上記抽出物を含有する組成物は、記載される条件下で、細胞毒性が欠けているという有利な特性と、満足のいく官能特性とを有する。しかしながら、後者を改良するため、上記組成物は、香味料又は着色料及び甘味料を少量含んでもよい。
上記抽出物は、経口投与に適した組成物の形で都合良く調製され、歯の清浄で専門的に用いるための保護用配合物として、また歯槽膿漏、より重度の歯肉炎、一般には歯周炎の予防及び治療用に、或いはただ単に口腔衛生用アジュバントとして、多かれ少なかれ濃縮された形態で調製できる。本発明に従う組成物は、オシレータ・プランクトスリックスsp.からの糖脂質抽出物を、一般に専門的な歯の治療用配合物では、好ましくは0.1〜100μg/mlの量、より好ましくは1〜50μg/mlの量、更に好ましくは4〜20μg/mlで含み、口腔衛生のための保護用配合物については、1〜5μg/mlである。また、一の好ましい態様においては、それらの組成物が、賦形剤、希釈剤、及び/又は口腔で用いるのに適した他の活性成分を含み、例えば、静菌剤又は殺菌剤、例えば第4級アンモニウム誘導体(塩化セチルピリジニウム又はクロルヘキシジン等)、又は界面活性剤、洗剤、トリクロサン及び類似化合物、例えばDDDE(2,2-ジヒドロキシ-5,5-ジブロモジフェニルエーテル)、並びに安定剤等である。また、抗菌剤として、例えばペニシリン、エリスロマイシン若しくはテトラサイクリン又は抗菌活性のある他の薬物のような抗生物質を使用することも可能である。また、本発明の組成物は、ポリリン酸塩のような抗歯石化合物、フッ化物塩(例えば、モノフルオロリン酸塩)のような虫歯予防剤、抗プラーク化合物(尿素、乳酸カルシウム又は類似物等)、減感剤としてのカリウム塩(例えば、クエン酸カリウム又は類似物)等の口腔衛生用の既知アジュバントを含んでもよい。
上記糖脂質抽出物は、水及びDMSO等の非プロトン性溶媒の両方で希釈でき、例えばクロルヘキシジンと組み合わせた場合でも水溶液中で安定しており;更に、熱安定性でもある。口腔洗浄剤としての製剤では、上記シアノバクテリア抽出物は、水溶液であるか又は水で希釈できるが、固体組成物(歯磨き粉、ゲル等、キャンディ又はチューインガム)では、それは、増粘剤又はゲル化剤を含有してもよく、天然若しくは合成多糖(例えばカラギーン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デキストラン、澱粉、植物性グリセリン)、非晶質シリカ若しくは二酸化チタン、天然若しくは合成ゴム(例えばアラビアガム)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン−グリコール、又は当該分野の専門家によく知られている類似の特性をもたらすことが可能な化合物等がある。更なる態様によれば、本発明は、Yiらによって説明されるオシレータ・プランクトスリックスsp.の培養物から糖脂質画分を調製する方法に関するものである(11):そのサンプルは、18〜30℃の間の室温にて少なくとも5分、好ましくは少なくとも10分の短いインキュベーション時間で処理され、有機溶媒、好ましくはフェノールと、Trireagent(登録商標)(Sigma cat.N T3934)又はTrizol(登録商標)(Invitrogen)等の類似試薬のようなカオトロピック剤(チオシアン酸グアニジン等)と、クロロホルム等の第二有機溶媒とに基づく試薬での抽出後、酢酸ナトリウム及びアセトンの存在下における少なくとも糖脂質画分の沈殿、その後の70%エタノールでの洗浄、並びにプロテイナーゼ、例えばプロテイナーゼKによる消化によるタンパク質混入物質の除去のような追加の精製工程が含まれる。それらの追加の処理は、リン脂質及び異種タンパク質のような、炎症促進性サイトカインの産生への刺激効果を有する場合があり、それにより抽出物の効果を下げる混入物質の除去をもたらすため、より優れた特異的活性が達成されることを可能にする。混入物質の濃度の低減により、口腔内でのより低濃度の粗抽出物の使用を可能にする。更に、塩(例えば酢酸ナトリウム)とアセトン等の有機溶媒による沈澱と、水で希釈したエタノールによるそのペレットの更なる洗浄とにより、この種の細胞成分を抽出するのに要した残留する微量の毒性溶媒の除去を可能にする。好ましい実施態様によれば、オシレータ・プランクトスリックスsp.抽出物の調製方法は、Pomatiらに説明されるBG11(Sigma−Aldrich cat.No.C3061)等の培地中において定常増殖期に達したシアノバクテリア培養物の遠心分離を提供する(12)。そのようにして得られたペレットを抽出プロセスの前に凍結させることができ、該抽出プロセスは、解凍後、
a)好ましくは等体積の水又は水性溶媒によるペレットの希釈;
b)(13)に記載される、好ましくは極性プロトン性有機溶媒、好ましくはフェノールと、Trireagent(登録商標)(Sigma cat.N T3934)又はTrizol(登録商標)(Invitrogen)等の類似試薬のようなカオトロピック剤(チオシアン酸グアニジン等)と、クロロホルム等の非プロトン性有機溶媒とに基づく試薬からなる適当な体積の抽出溶液(変性剤)との、シアノバクテリア水性懸濁液約1ボリューム、抽出溶液2〜4ボリューム、好ましくは約3ボリューム、クロロホルム約0.5〜1ボリュームの割合での混合;
c)室温にて少なくとも5分間、より好ましくは少なくとも10分間の混合物のインキュベーション;
d)好ましくは約2000xgでの遠心分離と、例えば電気泳動法及び銀染色法による生化学アッセイ又はLPS存在下における細胞毒性抑制アッセイによって測定できる糖脂質画分を含有する上澄み(水相)の収集
を含む。
d)で得られるシアノバクテリアのライセートは、遠心分離で得られるペレットであるが、(除去した量におおよそ等しい量の)水又は水性緩衝液の再度の添加及びサンプルの再度の遠心分離により糖脂質画分を得るため、任意に再抽出できる。第二の上澄みは、前の上澄みと共にプールされ、次いで、以下に示す更なる工程を受ける:
e)塩、例えば酢酸ナトリウム(最終5〜20mM)と有機溶媒、好ましくはアセトンの約2ボリュームに等しい量での添加による沈澱、次いで、上記したものと同一の条件下での遠心分離;
f)遠心分離により得たペレットを、水で希釈したエタノール、例えば70%エタノールにより少なくとも1回、好ましくは2回洗浄すること、及び該ペレットを水溶液中、好ましくは緩衝水溶液中、例えばTRIS50mM中に再懸濁させること,
g)核酸混入物質のエンドヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼ(例えばDNAse及びRNAse)による酵素処理、次いでタンパク質混入物質のプロテアーゼ、例えばプロテイナーゼKによる、好ましくは100μg/mlに等しい量にて、十分な時間(37℃で少なくとも1時間)の処理である。酵素消化の後、サンプルを再度遠心分離し、その上澄みを回収し、更に塩(例えば酢酸ナトリウム、最終約10mM)と適当な体積(好ましくは2ボリューム)のアセトン又は他の有機溶媒との添加により沈殿させる。そのサンプルを再度遠心分離し、そのペレットを水又は水溶液中に再懸濁させ、30キロダルトンのカットオフを備えたフィルター(又は他の適切な装置)の使用による分子ふるいを受けさせ、その結果、フィルターを通過するすべての物を除去し、水又は緩衝水溶液と一緒に、保持された脂質画分の回収をもたらす。
このようにして得られた糖脂質画分の活性は、IL−6、IL−8、TNF−アルファ及び/又はIL−1β等のサイトカインを産生するという例えばTHP1としての細胞におけるLPS(P.ジンジバリス又は大腸菌由来)により誘発される炎症促進活性の抑制に基づく生物学的テスト、及び/又は例えば電気泳動法としての生化学的アッセイによって測定される。
上述の方法は、例えば、最終濃度及び/又は体積及び/又は遠心分離条件のわずかな変化により、最終産物の活性を変えることなく、当業者によって修正できると理解される。
更なる態様によれば、本発明は、10)に記載される糖脂質画分の精製方法に関し、該方法は、上記工程g)のみを含む。
微量の有機溶媒、例えばフェノールを除去する工程と、大部分のタンパク質混入物質の除去は、口腔への適用にとって重要である。
実際、上述のようにして得られた糖脂質抽出物は、タンパク質の混入が<2%であり、核酸の混入が<5%であることを示す。なお、前者はタンパク質分析のブラッドフォード法による測定に従い、後者は核酸決定の260nmでの分光光度法による測定に従う。
好ましい態様によれば、本発明は、慢性型をも含めた、歯肉炎等の軽症型から歯周炎(歯槽膿漏)等の最重症型までそれらの各段階のすべてに及ぶ歯肉疾患の、それら疾患に冒された対象における、予防及び治療方法に関するものである。該方法は、本発明の組成物の一つによる口腔の治療にあり、感染部位にペースト又はゲルを塗布することによるか又は本発明に従う口腔衛生用の保護処置を一貫して用いることによるものである。
その上、上述の通り、本発明の組成物の抗炎症促進活性は細菌性病原体の根絶後も持続するため、我々は、本発明を治療及び予防の両方として考えているが、なぜなら、最重症型の歯槽膿漏における歯肉又は歯槽の炎症は、細菌のコロニー形成、感染の再発、及び疾患の慢性化を次々に促進するという歯の部位レベルでの結果−最初は歯周ポケットの形成にある−を招くからである。
更に、提示される実験データから明らかなように、粗抽出物は、炎症促進性刺激(P.ジンジバリスからのLPSの特異的なケースにある)を、一緒に投与する場合にのみアンタゴナイズするのではなく、その前後(少なくとも4時間後まで)に投与した場合でもアンタゴナイズする。治療及び/又は予防については、本発明の組成物及びデバイスのいずれかをもって、歯科医による専門的な治療、例えば歯周ポケットの清浄、及び本発明のデバイス:歯磨き粉、ゲル、口腔洗浄剤、キャンディ又はチューインガムの使用によるより良好な口腔衛生の維持の両方を意味する。
また、本発明は、歯周炎の軽症の場合において歯肉の赤みを治療するための、記載された組成物の美容上の使用をも含む。
(実験パート)
例1.オシラトリア・プランクトスリックスFP1培養物からの抽出物の調製
シアノバクテリアのオシラトリア・プランクトスリックスFP1(12)から、Yiらに説明されるように、これまでのところグラム陰性細菌からのLPS抽出についてのみ使用されていた、リポ多糖(LPS)の低温抽出法の現在のニーズへの適応によって、抽出物を調製した。詳細には、シアノバクテリア(CCAP 2 No.1459/45,2008年7月9日,スコットランド UK)を水中に1:1で希釈し、3ボリューム(ここで、ボリューム単位は、水中に希釈されたシアノバクテリアの全体積である)のTri−reagent(Sigma−Aldrich cat.N.T3934)及び1ボリュームのクロロホルムと共に混合し、室温にて10分間インキュベートした。
インキュベーションの終わりで、遠心分離を2000xgにて15分間行い、活性画分を含有する上澄み(水相)を集め、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法と、次いで銀染色法により評価した。これに続いて、シアノバクテリアからの更なる抽出、水(除去された量と等しい量)の再添加、及びサンプルの再遠心分離を行った。そのようにして集められた上澄みを酢酸ナトリウム(最終10mM)、2ボリュームのアセトンで沈殿させ、遠心分離した。遠心分離の終わりで、上澄みを除去し、更にペレットを70%エタノールで2回洗浄した。その後、洗浄工程の上澄みを除去し、RNAse及びDNase消化のため、ペレットを50mmTRIS溶液中に溶解し、次いで、37℃にて一晩のインキュベーション中プロテイナーゼK(100μg/ml)により消化させた。次の日、そのサンプルを2000xgにて15分間遠心分離し;上澄みを除去し、酢酸ナトリウム(最終10mm)及び2ボリュームのアセトン中に沈殿させた。そのようにして得られたペレットを水中に再懸濁させ、30KDのカットオフを備えたフィルターに通し、このようにして、低分子量の全成分を除去した。
その後の生物学的テスト用に少なくとも1mg/mlの糖脂質画分濃度を得るため、その残余分を適切な体積の水中に再希釈させた。そのようにして得られた抽出物は、タンパク質の混入が<2%であり、核酸の混入が<5%であることを示した。
例2.P.ジンジバリスLPSによって誘発される炎症促進性サイトカイン産生の抑制
先の例に記載されるようにして調製されたオシラトリア・プランクトスリックスFP1からの糖脂質画分を、ヒト単球細胞株(THP1)における炎症促進性サイトカイン産生への影響をインビトロで研究するために用いた。そのモノサイトを0.5×10細胞/mlの濃度にし、24−ウェルプレートに播種し(1ml/ウェル)、シアノバクテリア抽出物の不在下又は様々な濃度(1〜20μg/ml)での存在下において1μg/mlの濃度でのP.ジンジバリスからのLPSと共にインキュベートさせた。また、10μg/mlの濃度のシアノバクテリア抽出物の存在下においてのみ培養物を作った。培養物を5%CO2の加湿インキュベーター中37℃にて18〜20時間インキュベートさせた。インキュベーション後、上澄みを集め、挟まれたDiaclone ELISA Kit(ヒトTNF−アルファ ELISA kit cat.N.950.090.096,ヒトIL−6 ELISA kit cat.N.950.030.096,ヒトIL−8 ELISA kit cat N.850.050.096,ヒトIL1−ベータ ELISA kit cat N.850.006.096)の使用により炎症促進性サイトカインを定量化した(5)。
その結果は、シアノバクテリア抽出物がTHP−1細胞において炎症促進性サイトカインの産生を誘発することができないことを示した。
単球系においてサイトカインの産生を刺激するP.ジンジバリスからの超純粋LPS(Invivogen LPS−PG)1μg/mlの存在下、細菌性LPSへ同時に加えられる抽出物は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−アルファ)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1ベータ(IL−1ベータ)、インターロイキン8(IL−8)の産生を用量/反応に依存した形で有意に抑制する。
P.ジンジバリスLPSによって誘発される炎症性サイトカインの産生を100%と見なすと、濃度1μg/mlの粗抽出物は、TNF−アルファの産生を90%±10、IL−6の産生を92%±5、IL−8の産生を75±10%、IL−1ベータの産生を62±8%抑制できることが証明された(百分率は3通りのデータの平均を示す)。
20μg/mlの濃度にて、抽出物は、テストされた炎症促進性サイトカインの産生を、95〜100%の区間で、強く抑制できることが証明された(図1)。20μg/mlの濃度にて、抽出物は、P.ジンジバリスのLPSへ数時間後に加えられた場合であってもその抑制効果を発揮できることが証明された(図1のパネル1〜4、最大で4時間後である)。
例3.複合混合物におけるシアノバクテリア抽出物の毒性、安定性及び溶解性の評価
毒性
オシラトリア・プランクトスリックスFP1抽出物は、異なる細胞株(THP1、RAW264.7、SKMEL−28、HEY4、SHSY−5Y)及び末梢血から得られた単核細胞(PBMC、末梢血単核細胞)の両方において、1〜100μg/ml間の濃度にてテストされ、最も高い濃度(100μg/ml)で使用された場合であっても毒性のないことが証明された。
溶液中における安定性
例1に記載のように調製されたオシラトリア・プランクトスリックスFP1抽出物を、ジクルコン酸クロルヘキシジンと共に水中で室温にて30分間混合し;その後、クロルヘキシジンを除去するように精製した後、その単球細胞培養物への有効性を再テストした。その結果は、P.ジンジバリスからのLPSにより誘発されるTNF−アルファ産生を抑制する能力によって測定されるように、糖脂質抽出物がその活性を保つことを示す。抑制は、クロルヘキシジンがない場合に観察されたものから類推すると、1、2、4μg/mlの濃度の抽出物の存在下においてそれぞれ95%、96%及び99%であった。インキュベーション時間の終わりに、同一の培養物中の細胞の生存率をチェックし、全ての培養物で100%であることが証明された。
固体マトリックス中における安定性
オシラトリア・プランクトスリックスFP1抽出物をヒドロキシエチルセルロースマトリックスに埋め込み、1月後、生物学的活性についてテストした。この場合の結果もまた、糖脂質抽出物は、細胞の生存率に影響せず、1、2、4μg/mlの濃度でそれぞれ90%、93%及び96%に等しい抑制度合いの生物学的活性を保つことを示した。
熱安定性
例1に記載のように調製し、水中に溶解したオシラトリア・プランクトスリックスFP1抽出物を5分間100℃にし、その後、生物学的活性についてテストした。この場合の結果でさえも、糖脂質抽出物は、細胞の生存率に影響せず、P.ジンジバリスLPSによって誘発されるTNF−アルファ産生への抑制活性を保つことを示した。
溶解性
例1において調製されたオシラトリア・プランクトスリックスFP1抽出物を、例2に記載の実験でテストした最適濃度より最高で100倍高い各種濃度にて水中に溶解した。
表1は、水及びジメチルスルホキシド(DMSO)中における溶解性のデータを示す。
Figure 2011529030
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Claims (10)

  1. 細菌性病因の歯肉病態を治療及び/又は予防するための、オシラトリア・プランクトスリックスsp.からの糖脂質画分であって、前記画分は、タンパク質混入度が2%以下であり、核酸混入度が5%以下であることを特徴とする画分。
  2. 病原因子は、アクチノバチラム・アクチノミセテムコンコミタンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、タンネレラ・フォーサイシア、及びトレポネーマ・デンティコーラよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の画分。
  3. 前記病原因子が、ポルフィロモナス・ジンジバリスであることを特徴とする請求項2に記載の画分。
  4. 前記歯肉病態が、歯肉炎及び歯周炎(歯槽膿漏)よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画分。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の画分を含んでなり、賦形剤及び/又は希釈剤、安定剤及び/又は添加剤として、経口投与に適した化合物と、任意には一種以上の異なる有効成分とを更に含む歯科用組成物。
  6. 前記画分が、0.1から100μg/ml、好ましくは1〜50μg/ml、より好ましくは4〜20μg/ml又はより好ましくは1〜5μg/mlの量であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 口腔洗浄剤、ゲル、歯科用ペースト、又は歯磨き粉としての請求項5又は6に記載の組成物。
  8. キャンディ、錠剤、チューインガム、又は丸剤としての請求項5又は6に記載の組成物。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の糖脂質画分の調製方法であって、
    a)オシラトリア・プランクトスリックスsp.のシアノバクテリアペレットを、水溶液により、好ましくは1:1〜1:2の体積比で懸濁させる工程と;
    b)シアノバクテリア懸濁液を、カオトロピック剤と好ましくはフェノールからなるプロトン性有機溶媒と好ましくはクロロホルムからなる非プロトン性有機溶媒とを含む変性溶液と、1:2〜1:4、好ましくは1:3の体積比にて混合する工程と;
    c)60’未満の時間インキュベートする工程と;
    d)遠心分離を行い、上澄みを集める工程と;
    e)塩及び有機溶媒、好ましくはアセトンの添加により糖脂質画分を沈殿させ;そのペレットを水希釈エタノールで洗浄する工程と;
    f)ペレットを、水溶液、好ましくは緩衝水溶液中に再懸濁させる工程と;
    g)その溶液を、ヌクレアーゼ、好ましくはエンドヌクレアーゼ及び/又はエキソヌクレアーゼで処理し;該溶液を、プロテアーゼ、好ましくはプロテイナーゼKで処理する工程と;
    h)塩及び有機溶媒、好ましくはアセトンの添加により糖脂質画分を更に沈殿させる工程と;
    i)工程f)と同様にペレットを任意に洗浄し、;更に、それを水溶液、好ましくは緩衝水溶液中に再懸濁させる工程と;
    j)再懸濁した溶液を、30kダルトンカットオフ装置により分子的に分離する工程と;
    k)残った糖脂質画分を、水溶液、好ましくは緩衝水溶液で回収し、タンパク質及び核酸の混入度を評価する工程と
    があることを特徴とする調製方法。
  10. 細菌性病因の歯肉病態を治療及び/又は予防するための口腔用組成物を調製するための、請求項1〜4のいずれかに記載の糖脂質画分の使用。
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