JP2012067065A - 抗歯周病剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】人体に安全な植物抽出物を有効成分とする、歯周病の予防および治療に有効な抗歯周病剤の提供。
【解決手段】古来より食材として用いられ安全性の高い月桂樹(Laurus nobilis L.)葉を70〜90%エタノールで抽出し、濃縮または抽出液そのままも使用できることを特徴とする抗歯周病剤を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】古来より食材として用いられ安全性の高い月桂樹(Laurus nobilis L.)葉を70〜90%エタノールで抽出し、濃縮または抽出液そのままも使用できることを特徴とする抗歯周病剤を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、歯周病病原菌の生育阻害作用を有し、且つ安全性高い抗歯周病剤に関するものである。
歯周病は細菌性由来の炎症性疾患であり、歯周病原性プラーク細菌の増加、細菌の組織内侵入及び感染に対する宿主応答がその要因となっている。歯周病はほとんどの成人に罹病する可能性があるとされており、高齢化が進む現在における罹病率は益々増加する傾向にある。歯周病の症状としては、歯肉からの出血や、不快な口臭の発生、歯の喪失等が挙げられるが、近年の研究では、歯周病が単に口腔内の局所的疾病に止まらず、全身の各臓器に影響を及ぼすことが報告され、歯周病と多くの成人病との関連性についても注目されている。歯周病を有効に予防しまた治療するためには、口腔内の歯周病菌の生育を抑えることが重要である。
歯周病の原因とされている歯周病原菌としては、現在ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)およびアクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)などが挙げられる。また、ポリフィロモナス・ジンジバリスは、歯周病の中でも最も多いとされる成人性歯周炎の病原菌として確立されている細菌であり、歯周病患者の歯周ポケット低部から高い頻度で分離されている。
歯周病菌に対する殺菌効果、増殖抑制効果があり、さらには日常的に頻度高く使用するものであるから人体に対して極めて安全なものが強く求められている。
従来、歯周病病原菌の生育を阻害することによって歯周炎の症状を改善する薬剤としてテトラサイクリン、ミノサイクリン等の抗生物質が用いられている。しかしながら、かかる抗生物質は作用が強力で効果が優れる反面、耐性菌の出現や副作用等の問題があり、その使用は制限されているのが実情である。
月桂樹はクスノキ科の常緑高木である。葉を乾燥させたものをローリエ(フランス語:laurier)、ローレル(英語:laurel)、ベイリーフ(英語:bay leaf)などと呼び、香辛料として広く流通している。また、欧州では、毎朝2枚の月桂樹の葉を食べることで肝臓を強くすることができるとされている。
月桂樹葉はいままで、アミラーゼ阻害剤(特許文献1)、白癬治療剤(特許文献2)、花粉症及び鼻炎の諸症状の緩和薬(特許文献3)、アブラムシ類駆除剤(特許文献4)、皮膚外用抗菌剤(特許文献5)などとして提案されている。また、特開昭63−139117(特許文献6)には口臭に対する消臭作用が記載されているが、抗歯周病菌作用については言及されていない。
月桂樹葉はいままで、アミラーゼ阻害剤(特許文献1)、白癬治療剤(特許文献2)、花粉症及び鼻炎の諸症状の緩和薬(特許文献3)、アブラムシ類駆除剤(特許文献4)、皮膚外用抗菌剤(特許文献5)などとして提案されている。また、特開昭63−139117(特許文献6)には口臭に対する消臭作用が記載されているが、抗歯周病菌作用については言及されていない。
非特許文献1においては、月桂樹葉の酢酸エチル抽出物が歯周病菌に抑制作用があると報告されたが、含水エタノールで抽出したものではない。そして、抽出溶媒の酢酸エチルは毒物及び劇物取締法により劇物に指定され、使用する際、作業環境および作業人員への危険性、歯磨き粉、ガムなどへ利用のとき残存溶媒による安全性の問題がある。
福山 則明、猪野 千恵子、八十川 要平、小林 憲忠、浜本 洋、関水 和久:ゲッケイジュ(Laurus nobilis L.)由来の抗菌セスキテルペノイド(薬学会第130回年会発表)
本発明は、歯周病病原細菌に対して成長阻害活性を有し、かつ安全性の高い抗歯周病剤を提供することにある。
本発明者らは、以上のような課題を解決し、本発明目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、月桂樹(Laurus nobilis L.)葉を70〜90%エタノールで抽出し、歯周病病原細菌に対して成長阻害活性を有し、かつ安全性の高い抗歯周病剤を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いられる月桂樹の葉は生葉、乾燥葉もしくは葉の加工したものを利用できる。また、葉を含む月桂樹の地上部をそのまま用いても良い。
抽出溶媒の量は月桂樹葉の乾燥重量に対して、2−100重量部が好ましい。抽出温度は4−90℃が好ましい。抽出時間は30分−1週間が好ましい。抽出方法は攪拌抽出、浸漬抽出、向流抽出、超音波抽出、超臨界抽出などの任意の方法で行うことができる。
抽出物は、得られた抽出液を濾過し得られた濾液、もしくは濾液を濃縮した濃縮液を使用することができる。濃縮方法は、蒸発式濃縮、膜濃縮などの任意の方法で行うことができる。また濾液、濃縮液を乾燥させた乾燥物を使用しても良い。必要な場合にはデキストリンなどの賦形剤を入れてもよい。乾燥方法は、減圧乾燥、凍結乾燥、スプレー乾燥などの任意の方法で行うことができる。
これより本発明を以下の実施例で詳しく説明するが、本発明はこれに限定されない。
月桂樹葉乾燥物5kgに水、50%エタノール、80%エタノール、または99v%エタノール20Lを加え、95℃または還流で2時間攪拌抽出したのち、固液分離を行って上清を得た。得られた上清に濾過助剤を加え濾過し、濾液を減圧濃縮し、濃縮液を減圧乾燥することによって、それぞれ848g、975g、1090g、1126gの月桂樹葉抽出物を得た。
前記製造例1で作成した月桂樹葉抽出物4種については、3種歯周病菌ルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディアおよびアクチノマイセス ビスコーサスを用いて、抗菌活性試験を行った。
ペーパーディスク法による抗菌活性評価
各試料を50mgとり、水または50%DMSO(dimethyl sulfoxide)1mLに溶解した。そのうち40μLを8×8mmのペーパーディスクに浸潤させ、これを供試試料とした。即ち8×8mmのディスクには試料2.0mgを含ませた。
90×90mmのシャーレに寒天培地を入れ、各試料ディスクをのせ、供試菌を全体に植菌し、歯周病菌アクチノミセス・ビスコーサス(明海大学微生物学教室供与株)は菌濃度1×108cfu/mL、36時間培養、プレボテラ・インテルメディア(ATCC33277)は菌濃度1×108cfu/mL、3日間、ポルフィロモナス・ジンジバリス(ATCC33277)は菌濃度4.6×108cfu/mL、4日間、37℃で培養後、生育阻止円を測定した。培地としては、アクチノミセス・ビスコーサスにはGAM培地(日水製薬株式会社)、プレボテラ・インテルメディアおよびポルフィロモナス・ジンジバリスにはミュラーヒントンSヒツジ血液培地(栄研化学株式会社)を用いた。三者ともアネロパック・アネロジャー(三菱ガス化学株式会社)にて嫌気培養で行った。十分な生育期間後、各試料浸潤ディスクの周辺に観察される菌の生育阻止円の直径を定規で測定した。結果を表1に示す。
各試料を50mgとり、水または50%DMSO(dimethyl sulfoxide)1mLに溶解した。そのうち40μLを8×8mmのペーパーディスクに浸潤させ、これを供試試料とした。即ち8×8mmのディスクには試料2.0mgを含ませた。
90×90mmのシャーレに寒天培地を入れ、各試料ディスクをのせ、供試菌を全体に植菌し、歯周病菌アクチノミセス・ビスコーサス(明海大学微生物学教室供与株)は菌濃度1×108cfu/mL、36時間培養、プレボテラ・インテルメディア(ATCC33277)は菌濃度1×108cfu/mL、3日間、ポルフィロモナス・ジンジバリス(ATCC33277)は菌濃度4.6×108cfu/mL、4日間、37℃で培養後、生育阻止円を測定した。培地としては、アクチノミセス・ビスコーサスにはGAM培地(日水製薬株式会社)、プレボテラ・インテルメディアおよびポルフィロモナス・ジンジバリスにはミュラーヒントンSヒツジ血液培地(栄研化学株式会社)を用いた。三者ともアネロパック・アネロジャー(三菱ガス化学株式会社)にて嫌気培養で行った。十分な生育期間後、各試料浸潤ディスクの周辺に観察される菌の生育阻止円の直径を定規で測定した。結果を表1に示す。
ポルフィロモナス・ジンジバリスに対する最小生育阻止濃度(MIC)の測定
ミニ試験管チューブを10本用い、最初のチューブに2ml変法GAMブイヨン液体培地を入れ、他のチューブには1mlずつ同液体培地をいれた。最初のチューブの液体培地から100μl培地を除去し、そこにサンプルを100μl加え2mlとし、よく混和した後1ml採取し、次のチューブに採取したサンプルの入った1ml培地を加えよく混和し、再度1ml採取し、次のチューブにその1mlの採取した培地を加え、採取を繰り返し、倍々にサンプルの濃度を希釈した。希釈された10本のミニ試験管それぞれに4.6x107の濃度の菌液を10μl移植し、アネロジャー内でアネロパックケンキを使用し、4日間嫌気培養を行った。菌の生育の有無を肉眼で判定した。
ミニ試験管チューブを10本用い、最初のチューブに2ml変法GAMブイヨン液体培地を入れ、他のチューブには1mlずつ同液体培地をいれた。最初のチューブの液体培地から100μl培地を除去し、そこにサンプルを100μl加え2mlとし、よく混和した後1ml採取し、次のチューブに採取したサンプルの入った1ml培地を加えよく混和し、再度1ml採取し、次のチューブにその1mlの採取した培地を加え、採取を繰り返し、倍々にサンプルの濃度を希釈した。希釈された10本のミニ試験管それぞれに4.6x107の濃度の菌液を10μl移植し、アネロジャー内でアネロパックケンキを使用し、4日間嫌気培養を行った。菌の生育の有無を肉眼で判定した。
試験結果
表2の結果から月桂樹葉の80%エタノール抽出物はポルフィロモナス・ジンジバリスの生育に対して、水抽出物の15倍、50%EtOH抽出物と99%EtOH抽出物の10倍強さの抑制活性が見られた。
実施例2
実施例2
本発明は、歯周病の発症と進行に深く関与しているポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディアおよびアクチノマイセス・ビスコーサスに代表される口腔内細菌に対して抗菌作用を示し、歯周病の予防及び治療に極めて有用な抗歯周病剤である。また、古来より食材として用いられ安全性の高い月桂樹葉を原料とし、安全性の高い抽出溶媒で抽出したものを有効成分とするものであるから、一部が体内に吸収されても、身体には有害作用がなく、歯磨粉、含そう剤、洗口液、キャンディ、チューインガム等の様々な形態の抗歯周病剤として広く用いることができる。
本発明は、歯周病病原菌の生育阻害作用を有し、且つ安全性高い抗歯周病剤に関するものである。
歯周病は細菌性由来の炎症性疾患であり、歯周病原性プラーク細菌の増加、細菌の組織内侵入及び感染に対する宿主応答がその要因となっている。歯周病はほとんどの成人に罹病する可能性があるとされており、高齢化が進む現在における罹病率は益々増加する傾向にある。歯周病の症状としては、歯肉からの出血や、不快な口臭の発生、歯の喪失等が挙げられるが、近年の研究では、歯周病が単に口腔内の局所的疾病に止まらず、全身の各臓器に影響を及ぼすことが報告され、歯周病と多くの成人病との関連性についても注目されている。歯周病を有効に予防しまた治療するためには、口腔内の歯周病菌の生育を抑えることが重要である。
歯周病の原因とされている歯周病原菌としては、現在ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)およびアクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)などが挙げられる。また、ポリフィロモナス・ジンジバリスは、歯周病の中でも最も多いとされる成人性歯周炎の病原菌として確立されている細菌であり、歯周病患者の歯周ポケット低部から高い頻度で分離されている。
歯周病菌に対する殺菌効果、増殖抑制効果があり、さらには日常的に頻度高く使用するものであるから人体に対して極めて安全なものが強く求められている。
従来、歯周病病原菌の生育を阻害することによって歯周炎の症状を改善する薬剤としてテトラサイクリン、ミノサイクリン等の抗生物質が用いられている。しかしながら、かかる抗生物質は作用が強力で効果が優れる反面、耐性菌の出現や副作用等の問題があり、その使用は制限されているのが実情である。
月桂樹はクスノキ科の常緑高木である。葉を乾燥させたものをローリエ(フランス語:laurier)、ローレル(英語:laurel)、ベイリーフ(英語:bay leaf)などと呼び、香辛料として広く流通している。また、欧州では、毎朝2枚の月桂樹の葉を食べることで肝臓を強くすることができるとされている。
月桂樹葉はいままで、アミラーゼ阻害剤(特許文献1)、白癬治療剤(特許文献2)、花粉症及び鼻炎の諸症状の緩和薬(特許文献3)、アブラムシ類駆除剤(特許文献4)、皮膚外用抗菌剤(特許文献5)などとして提案されている。また、特開昭63−139117(特許文献6)には口臭に対する消臭作用が記載されているが、抗歯周病菌作用については言及されていない。
月桂樹葉はいままで、アミラーゼ阻害剤(特許文献1)、白癬治療剤(特許文献2)、花粉症及び鼻炎の諸症状の緩和薬(特許文献3)、アブラムシ類駆除剤(特許文献4)、皮膚外用抗菌剤(特許文献5)などとして提案されている。また、特開昭63−139117(特許文献6)には口臭に対する消臭作用が記載されているが、抗歯周病菌作用については言及されていない。
非特許文献1においては、月桂樹葉の酢酸エチル抽出物が歯周病菌に抑制作用があると報告されたが、含水エタノールで抽出したものではない。そして、抽出溶媒の酢酸エチルは毒物及び劇物取締法により劇物に指定され、使用する際、作業環境および作業人員への危険性、歯磨き粉、ガムなどへ利用のとき残存溶媒による安全性の問題がある。
福山 則明、猪野 千恵子、八十川 要平、小林 憲忠、浜本 洋、関水 和久:ゲッケイジュ(Laurus nobilis L.)由来の抗菌セスキテルペノイド(薬学会第130回年会発表)
本発明は、歯周病病原細菌に対して成長阻害活性を有し、かつ安全性の高い抗歯周病剤を提供することにある。
本発明者らは、以上のような課題を解決し、本発明目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、月桂樹(Laurus nobilis L.)葉を70〜90%エタノールで抽出し、歯周病病原細菌に対して成長阻害活性を有し、かつ安全性の高い抗歯周病剤を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いられる月桂樹の葉は生葉、乾燥葉もしくは葉の加工したものを利用できる。また、葉を含む月桂樹の地上部をそのまま用いても良い。
抽出溶媒の量は月桂樹葉の乾燥重量に対して、2−100重量部が好ましい。抽出温度は4−90℃が好ましい。抽出時間は30分−1週間が好ましい。抽出方法は攪拌抽出、浸漬抽出、向流抽出、超音波抽出、超臨界抽出などの任意の方法で行うことができる。
抽出物は、得られた抽出液を濾過し得られた濾液、もしくは濾液を濃縮した濃縮液を使用することができる。濃縮方法は、蒸発式濃縮、膜濃縮などの任意の方法で行うことができる。また濾液、濃縮液を乾燥させた乾燥物を使用しても良い。必要な場合にはデキストリンなどの賦形剤を入れてもよい。乾燥方法は、減圧乾燥、凍結乾燥、スプレー乾燥などの任意の方法で行うことができる。
これより本発明を以下の実施例で詳しく説明するが、本発明はこれに限定されない。
月桂樹葉乾燥物5kgに水、50%エタノール、80%エタノール、または99v%エタノール20Lを加え、95℃または還流で2時間攪拌抽出したのち、固液分離を行って上清を得た。得られた上清に濾過助剤を加え濾過し、濾液を減圧濃縮し、濃縮液を減圧乾燥することによって、それぞれ848g、975g、1090g、1126gの月桂樹葉抽出物を得た。
前記製造例1で作成した月桂樹葉抽出物4種については、3種歯周病菌ルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディアおよびアクチノマイセス ビスコーサスを用いて、抗菌活性試験を行った。
ペーパーディスク法による抗菌活性評価
各試料を50mgとり、水または50%DMSO(dimethyl sulfoxide)1mLに溶解した。そのうち40μLを8×8mmのペーパーディスクに浸潤させ、これを供試試料とした。即ち8×8mmのディスクには試料2.0mgを含ませた。
90×90mmのシャーレに寒天培地を入れ、各試料ディスクをのせ、供試菌を全体に植菌し、歯周病菌アクチノミセス・ビスコーサス(明海大学微生物学教室供与株)は菌濃度1×108cfu/mL、36時間培養、プレボテラ・インテルメディア(ATCC33277)は菌濃度1×108cfu/mL、3日間、ポルフィロモナス・ジンジバリス(ATCC33277)は菌濃度4.6×108cfu/mL、4日間、37℃で培養後、生育阻止円を測定した。培地としては、アクチノミセス・ビスコーサスにはGAM培地(日水製薬株式会社)、プレボテラ・インテルメディアおよびポルフィロモナス・ジンジバリスにはミュラーヒントンSヒツジ血液培地(栄研化学株式会社)を用いた。三者ともアネロパック・アネロジャー(三菱ガス化学株式会社)にて嫌気培養で行った。十分な生育期間後、各試料浸潤ディスクの周辺に観察される菌の生育阻止円の直径を定規で測定した。結果を表1に示す。
各試料を50mgとり、水または50%DMSO(dimethyl sulfoxide)1mLに溶解した。そのうち40μLを8×8mmのペーパーディスクに浸潤させ、これを供試試料とした。即ち8×8mmのディスクには試料2.0mgを含ませた。
90×90mmのシャーレに寒天培地を入れ、各試料ディスクをのせ、供試菌を全体に植菌し、歯周病菌アクチノミセス・ビスコーサス(明海大学微生物学教室供与株)は菌濃度1×108cfu/mL、36時間培養、プレボテラ・インテルメディア(ATCC33277)は菌濃度1×108cfu/mL、3日間、ポルフィロモナス・ジンジバリス(ATCC33277)は菌濃度4.6×108cfu/mL、4日間、37℃で培養後、生育阻止円を測定した。培地としては、アクチノミセス・ビスコーサスにはGAM培地(日水製薬株式会社)、プレボテラ・インテルメディアおよびポルフィロモナス・ジンジバリスにはミュラーヒントンSヒツジ血液培地(栄研化学株式会社)を用いた。三者ともアネロパック・アネロジャー(三菱ガス化学株式会社)にて嫌気培養で行った。十分な生育期間後、各試料浸潤ディスクの周辺に観察される菌の生育阻止円の直径を定規で測定した。結果を表1に示す。
ポルフィロモナス・ジンジバリスに対する最小生育阻止濃度(MIC)の測定
ミニ試験管チューブを10本用い、最初のチューブに2ml変法GAMブイヨン液体培地を入れ、他のチューブには1mlずつ同液体培地をいれた。最初のチューブの液体培地から100μl培地を除去し、そこにサンプルを100μl加え2mlとし、よく混和した後1ml採取し、次のチューブに採取したサンプルの入った1ml培地を加えよく混和し、再度1ml採取し、次のチューブにその1mlの採取した培地を加え、採取を繰り返し、倍々にサンプルの濃度を希釈した。希釈された10本のミニ試験管それぞれに4.6x107の濃度の菌液を10μl移植し、アネロジャー内でアネロパックケンキを使用し、4日間嫌気培養を行った。菌の生育の有無を肉眼で判定した。
ミニ試験管チューブを10本用い、最初のチューブに2ml変法GAMブイヨン液体培地を入れ、他のチューブには1mlずつ同液体培地をいれた。最初のチューブの液体培地から100μl培地を除去し、そこにサンプルを100μl加え2mlとし、よく混和した後1ml採取し、次のチューブに採取したサンプルの入った1ml培地を加えよく混和し、再度1ml採取し、次のチューブにその1mlの採取した培地を加え、採取を繰り返し、倍々にサンプルの濃度を希釈した。希釈された10本のミニ試験管それぞれに4.6x107の濃度の菌液を10μl移植し、アネロジャー内でアネロパックケンキを使用し、4日間嫌気培養を行った。菌の生育の有無を肉眼で判定した。
ヒト試験における月桂樹葉80%EtOH抽出物の口腔内嫌気性菌に対する増殖抑制効果
歯周病菌は主としてポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディアおよびアクチノマイセス・ビスコーサスが挙げられ、これら以外にTannerella forsythus、Fusobacterium nucleatumなど数多く存在している。歯周病菌は酸素の届きにくい歯周ポケットの奥に存在するため、ほとんどの歯周病菌が嫌気性菌である。
試験方法:プラセボ対照二重盲検比較試験により、被検者(n=3)に月桂樹ガム又はプラセボガムを毎食後に摂取させ、二日間後に洗口によるガム摂取前後の口腔内嫌気性菌数を測定し、口腔内嫌気性菌に対する増殖抑制効果を検討した。月桂樹ガムは実施例5に記載の組成で調整した。プラセボガムは月桂樹80%EtOHエキスをガムベースで置換し調整した。
試験開始2日間前から、予め各被検者に歯磨剤を使用せずに通常のブラッシングをするよう指導した。試験開始当日(0日目)、昼食後に歯磨剤を使用せずブラッシングしたのち1時間後、10mLのPBSで10秒間洗口し、洗口液を滅菌チューブに吐出した。この液はガム摂取前の洗口液とした。その後2日間連続、毎食後に歯磨剤を使用せずブラッシングし、月桂樹ガム2粒、またはプラセボガム2粒を被検者に30分間噛ませた。2日目の昼食後に歯磨剤を使用せずブラッシングし、1時間後10mLのPBSで10秒間洗口し、洗口液を滅菌チューブに吐出した。この液はガム摂取後の洗口液とした。
ガム摂取前後の各吐出液を遠心分離(2000×g、5分間)し、滅菌PBSで上清を1000倍希釈した後、ミューラーヒントンヒツジ血液寒天平板培地に100μL塗布した。この培地を37℃、72時間嫌気条件下で培養した。培地上に形成されたコロニーの数を算出した。
その結果、ガム摂取前後の唾液中の嫌気性菌数を比較すると、月桂樹ガム摂取群の口腔中の嫌気性菌数が2倍増加したのに対して、プラセボガム摂取群が5倍増加した(表8)。即ち、月桂樹葉80%EtOH抽出物を含有するガムを摂取することにより、口腔中の嫌気性菌の増殖が抑制された。
歯周病菌は主としてポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディアおよびアクチノマイセス・ビスコーサスが挙げられ、これら以外にTannerella forsythus、Fusobacterium nucleatumなど数多く存在している。歯周病菌は酸素の届きにくい歯周ポケットの奥に存在するため、ほとんどの歯周病菌が嫌気性菌である。
試験方法:プラセボ対照二重盲検比較試験により、被検者(n=3)に月桂樹ガム又はプラセボガムを毎食後に摂取させ、二日間後に洗口によるガム摂取前後の口腔内嫌気性菌数を測定し、口腔内嫌気性菌に対する増殖抑制効果を検討した。月桂樹ガムは実施例5に記載の組成で調整した。プラセボガムは月桂樹80%EtOHエキスをガムベースで置換し調整した。
試験開始2日間前から、予め各被検者に歯磨剤を使用せずに通常のブラッシングをするよう指導した。試験開始当日(0日目)、昼食後に歯磨剤を使用せずブラッシングしたのち1時間後、10mLのPBSで10秒間洗口し、洗口液を滅菌チューブに吐出した。この液はガム摂取前の洗口液とした。その後2日間連続、毎食後に歯磨剤を使用せずブラッシングし、月桂樹ガム2粒、またはプラセボガム2粒を被検者に30分間噛ませた。2日目の昼食後に歯磨剤を使用せずブラッシングし、1時間後10mLのPBSで10秒間洗口し、洗口液を滅菌チューブに吐出した。この液はガム摂取後の洗口液とした。
ガム摂取前後の各吐出液を遠心分離(2000×g、5分間)し、滅菌PBSで上清を1000倍希釈した後、ミューラーヒントンヒツジ血液寒天平板培地に100μL塗布した。この培地を37℃、72時間嫌気条件下で培養した。培地上に形成されたコロニーの数を算出した。
その結果、ガム摂取前後の唾液中の嫌気性菌数を比較すると、月桂樹ガム摂取群の口腔中の嫌気性菌数が2倍増加したのに対して、プラセボガム摂取群が5倍増加した(表8)。即ち、月桂樹葉80%EtOH抽出物を含有するガムを摂取することにより、口腔中の嫌気性菌の増殖が抑制された。
本発明は、歯周病の発症と進行に深く関与しているポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インターメディアおよびアクチノマイセス・ビスコーサスに代表される口腔内細菌に対して抗菌作用を示し、歯周病の予防及び治療に極めて有用な抗歯周病剤である。また、古来より食材として用いられ安全性の高い月桂樹葉を原料とし、安全性の高い抽出溶媒で抽出したものを有効成分とするものであるから、一部が体内に吸収されても、身体には有害作用がなく、歯磨粉、含そう剤、洗口液、キャンディ、チューインガム等の様々な形態の抗歯周病剤として広く用いることができる。
Claims (3)
- 月桂樹葉抽出物が70〜90%エタノールで抽出されたものであることを特徴とする抗歯周病剤。
- 請求項1に記載の抗歯周病剤を含有することを特徴とする抗歯周病用飲食品。
- 請求項1に記載の抗歯周病剤を含有することを特徴とする口腔用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010227926A JP2012067065A (ja) | 2010-09-21 | 2010-09-21 | 抗歯周病剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010227926A JP2012067065A (ja) | 2010-09-21 | 2010-09-21 | 抗歯周病剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012067065A true JP2012067065A (ja) | 2012-04-05 |
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ID=46164773
Family Applications (1)
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JP2010227926A Pending JP2012067065A (ja) | 2010-09-21 | 2010-09-21 | 抗歯周病剤 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108446017A (zh) * | 2018-02-12 | 2018-08-24 | 天津大学 | 一种基于mr眼镜的古代壁画病害可视分析方法 |
KR101931296B1 (ko) * | 2017-01-16 | 2018-12-21 | (주)그린솔루션스 | 월계수잎 추출물을 함유하는 피지분비 완화 및 여드름 개선용 화장료 조성물 |
JP2023031621A (ja) * | 2021-08-25 | 2023-03-09 | 株式会社常磐植物化学研究所 | 歯周病関連菌及びう蝕関連菌に対する抗菌剤、歯周病予防治療用組成物、虫歯予防治療用組成物、歯肉改善用組成物、歯茎改善用組成物、プラーク(歯垢)蓄積抑制用組成物、口腔乾燥改善用組成物、唾液改善用組成物、口臭抑制用組成物、並びに、便秘改善用組成物。 |
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2010
- 2010-09-21 JP JP2010227926A patent/JP2012067065A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101931296B1 (ko) * | 2017-01-16 | 2018-12-21 | (주)그린솔루션스 | 월계수잎 추출물을 함유하는 피지분비 완화 및 여드름 개선용 화장료 조성물 |
CN108446017A (zh) * | 2018-02-12 | 2018-08-24 | 天津大学 | 一种基于mr眼镜的古代壁画病害可视分析方法 |
CN108446017B (zh) * | 2018-02-12 | 2021-04-23 | 天津大学 | 一种基于mr眼镜的古代壁画病害可视分析方法 |
JP2023031621A (ja) * | 2021-08-25 | 2023-03-09 | 株式会社常磐植物化学研究所 | 歯周病関連菌及びう蝕関連菌に対する抗菌剤、歯周病予防治療用組成物、虫歯予防治療用組成物、歯肉改善用組成物、歯茎改善用組成物、プラーク(歯垢)蓄積抑制用組成物、口腔乾燥改善用組成物、唾液改善用組成物、口臭抑制用組成物、並びに、便秘改善用組成物。 |
JP7349742B2 (ja) | 2021-08-25 | 2023-09-25 | 株式会社常磐植物化学研究所 | 歯周病関連菌及びう蝕関連菌に対する抗菌剤、歯周病予防治療用組成物、虫歯予防治療用組成物、歯肉改善用組成物、歯茎改善用組成物、プラーク(歯垢)蓄積抑制用組成物、口腔乾燥改善用組成物、唾液改善用組成物、口臭抑制用組成物、並びに、便秘改善用組成物。 |
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