JP2011522952A - 油中水ポリマーエマルジョン - Google Patents

油中水ポリマーエマルジョン Download PDF

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Abstract

逆エマルジョンは、水溶性ポリマーの水溶液の不連続な内部相と、連続な外部相であって、ウレタンおよび/または尿素結合ならびに脂肪酸ダイマーおよび/またはトリマー成分の残分油の安定化させた油系の相と、を含むオリゴマーの安定化剤を有する。安定化剤は、特に、式(I):−(X)−(D)−(X)CO−NH−R−(I)(式中、−(D)−は二官能基のダイマーの残基であり;それぞれのXは−O−または−NH−であり;そしてRはC〜C60ヒドロカルビレンである。)の単位に基づくダイマー、または式(III):−(X’)−(T)−(X’)CO−NH−R10−(III)(式中、−(T)−は、三官能性トリマーの残基であり;それぞれのX’は−O−または−NH−であり;そしてR10はRで規定されたようである。)の単位に基づくトリマーのいずれかである。

Description

本願は、2008年6月10日出願の米国仮特許出願第61/129、196号明細書(参照によりその全てを本明細書中に取り込む)の優先の利益を主張する。
本発明は、水性の内部相が水溶性ポリマーの溶液である逆(油中水)エマルジョンに関し、そして特にエマルジョン中に油可溶性オリゴマーの安定化剤を含むことによって、沈降および相分離に対して、そうしたポリマーエマルジョンを安定化することに関する。
水溶性ポリマーの油中水エマルジョンは、周知の材料であり、そして例えば、(Vanderhoffらの)米国特許第3284393号明細書、(Andersonらの)米国特許第3624019号明細書および(Andersonらの)米国特許第3734873号明細書に記載されている。そうした逆エマルジョンは、水溶性ポリマーの容易な取り扱いのために使用され、水溶液のレオロジーに対して際だった、特に増粘化効果を有する。逆エマルジョンを使用することは、特定の所望の濃度で水溶液を提供すること、および/またはモノマーから出発して水中でポリマーを合成することを単純化かつ容易化することができる。逆(油中水)ポリマーエマルジョンの公知の問題は、望まれる程の貯蔵安定性を有さないということである。エマルジョン成分間の密度の相違は、長い間にエマルジョンからの、水溶性ポリマーを含む液滴の沈降、およびおそらくは下層としての凝集のいずれかもしくは両者となり、また油の分離層はエマルジョンの上部表面で相分離する傾向がある。そうした貯蔵不安定性は、エマルジョンのエンドユーザーの取り扱いにおける大幅な無駄および困難性となる場合があり、そしてエマルジョン安定性における改善が従って望ましい。
本発明は、ダイマー酸、ダイマージオールおよび/またはダイマージアミンの残基(residue)を含むオリゴマーのウレタンおよび/または尿素ポリマーを使用して、水溶性ポリマーの逆ポリマーエマルジョンを安定化させることができることを見いだしたことに基づく。
したがって、本発明は、水溶性ポリマーの水溶液を含む不連続な内部相と、連続な外部相であって、油を含み、そして安定化剤としてウレタンおよび/または尿素結合を含むオリゴマーおよびダイマーおよび/またはトリマー成分の残分(residue)を含む、安定化させた油系を含む連続な外部相を含む、逆エマルジョンを提供する。
本発明において逆エマルジョンに安定性を提供するために使用されるダイマー系ウレタンおよび/または尿素オリゴマーは、(さらに充分に)農薬ゲルで「油流動性を有する」調合物中の構造化剤(structurant)/増粘剤として国際公開第号パンフレット2007/135384Aに記載されている。
本発明の逆エマルジョンは、ダイマー酸、ダイマージオールおよび/またはダイマージアミンの残基を含むオリゴマーのウレタンおよび/または尿素ポリマーを使用して安定化されている。本明細書中で使用される用語「オリゴマーの安定化剤」は、本発明の逆エマルジョンの安定性を高めるポリマーまたはオリゴマーの材料を記載し、そして簡便のために、関心のある材料の繰り返し単位の数または分子量に関係なく使用される。本発明において使用されるオリゴマーの安定化剤は、種々の繰り返し単位を有することができる。
オリゴマーの安定化剤は、粘度を高め、そして油中水逆エマルジョンの油連続相に構造を提供するように働き、そして結果として、沈降および相分離に対するエマルジョンの貯蔵安定性が著しく高まった。本発明の逆エマルジョンの油相は、「構造化された」として記載されることができ、これによって、構造化された油相中に分散したエマルジョン分散相の液滴は、構造化オリゴマーの安定化剤がない場合よりも、油連続相からクリーム状になったり、沈降したり、隔離または分離することに対して遙かに低い傾向を示す。この構造が油相を増粘化またはゲル化することによって提供され、そしてゲル化した油の降伏応力を通常測定することができると私たちは考える。降伏応力は、ゲル化した油が油相からクリーム、沈降、隔離または分離する傾向の低下を示す分散層の液滴を用いて、分散相に支持を提供し、従ってエマルジョンを安定化することを可能にする。ゲルは通常良好に規定される降伏応力を示さないであろう「アモルファス」になることは可能である(さらに下記を参照のこと)が、レオロジー的特性は分散相の改善された分散を提供する。通常、本発明の逆エマルジョンの構造化された油相は、比較的低いずり速度においてさえ、せん断薄層化(shear thinning)特性を強く示し、そしてこれは逆エマルジョンの注ぎ込みまたはポンプ送り、および適当な場合には、水中での希釈によるそれらの反転(inversion)を助ける。
本発明の逆エマルジョンが、ダイマー成分を含むオリゴマーの構造化剤を使用する場合、ダイマー成分単位は、通常、式(I):
−(X)−(D)−(X)CO−NH−R− (I)
(式中、−(D)−は、脂肪酸ダイマーの残基であるか、または脂肪酸ダイマーの残基を含む二官能基の残基であり;
それぞれのXは、独立して、−O−または−NH−であるが、通常X基は、両方とも−O−または両方とも−NH−のいずれかであり;そして、Rは、C〜C60、特にC〜C44のヒドロカルビレン基である。)
の単位を含むであろう。
さらに通常、本発明中で使用されるオリゴマーの構造化化合物は、式(Ia):
−(X)−(D)−(X)C(O)NH−R−NHC(O)− (Ia)
(式中、D、Rおよびそれぞれの(X)は、独立して、式(I)で規定されたようである。)の繰り返し単位を含む。
特に、本発明中で使用されるオリゴマー中の繰り返し単位は、式(Ib):
−O−(D)−OC(O)NH−R−NHC(O)− (Ib)
(式中、DおよびRは、独立して、式(I)で規定されたようである。)のウレタン繰り返し単位、または式(Ic):
−NH−(D)−NHC(O)NH−R−NHC(O)− (Ic)
(式中、DおよびRは、独立して、式(I)で規定されたようである。)の尿素繰り返し単位であることができる。
従って、オリゴマー全体は、式(II):
−[(X)−(D)−(X)OCNH−R−NHCO]−(X)−(D)−(X)−R (II)
(式中、R、(X)および−(D)−は、それぞれ独立して、式(I)で規定されたようであり;
それぞれのRは、独立して、H、
基−C(O)R(式中、Rは、ヒドロカルビル基、特にC〜C60、さらに通常C〜C44の基、特にアルキル基、または、
基−C(O)NH−R−NHC(O)−(X)−R;または、
基−C(O)NH−R;または、
基−(X)Rは、基−O(AO)−(CO)、(式中、それぞれのOAは、独立して、エチレンオキシまたはプロピレンオキシ基であり、nは1〜50であり、pは0または1である。);
それぞれのRおよびXは、独立して、上記で規定されたようであり、そしてそれぞれのRは、独立して、ヒドロカルビル基、特にC〜C60、さらに通常C〜C44、の基、特にアルキル基であり;そして、
mは、1〜25である。)
であることができる。
この式中、望ましいポリウレタンオリゴマーは、式(IIa):
2a−(X)−[(D)−OCNH−R1a−NHCOm1−(D)−(X)−R2a (IIa)
(式中、
1aは、独立して、式(I)中のRで規定されたようであり;
それぞれの−(D)−は、独立して、脂肪酸ダイマージオールの残基であるか、または脂肪酸ダイマージオールの残基を含むジオールの残基であり;
それぞれのR2aは、独立して、式(II)中のRで規定されたようであり;
それぞれのXは、独立して、式(II)中のXで規定されたようであり;そして、
m1は、1〜25の平均値である。)
を有し、
そして、望ましいポリ尿素オリゴマーは、式(IIb):
2b−(X)−[(D)−NHCONH−R1b−NHCONH−]m2−(D)−(X)−R2b (IIb)
(式中、R1bは、独立して、式(I)中のRで規定されたようであり;
それぞれの−(D)−は、独立して、脂肪酸ダイマージアミンの残基であるか、または脂肪酸ダイマージアミンの残基を含むジアミンの残基であり;
それぞれのR2bは、独立して、式(II)中のRで規定されたようであり;
それぞれのXは、独立して、式(II)中で規定されたようであり;そして、
m2は、1〜25の平均値である。)
を有する。
本発明の逆エマルジョンが、トリマー成分を含むオリゴマーの構造化剤を使用する場合、トリマー成分は、通常、式(III):
−(X’)−(T)−(X’)CO−NH−R10− (III)
(式中、−(T)−は、脂肪酸トリマーの残基であるか、または脂肪酸トリマーの残基を含む三官能性の残基であり;
それぞれのX’は、独立して、−O−または−NH−であり、任意の成分単位内を通して、X基は、通常、すべて−O−または−NH−のいずれかであろうし;そして、
10は、独立して、Rで規定された基である。)
の単位を含むであろう。
特に、式(III)内のトリマー誘導された単位は、トリマートリオールおよび/またはトリマートリアミン成分単位に基づくであろうし、そして対応する繰り返し単位は、式(IIIa):
−(X’)−(T)(X11)−(X’)C(O)NH−R10−NHC(O)− (IIIa)
(式中、T、R1OおよびそれぞれのX’は、独立して、式(III)で規定されたようであり、そして、
11は、H、または(さらに通常)基−C(O)NH−R12、または基−C(O)NH−R13−NHC(O)−(繰り返し単位の一部として第3の結合を形成する)であり;(式中、
12は、ヒドロカルビル基、特にC〜C60、さらに通常C〜C44の基、特にアルキル基であり;そして、
13は、式(III)中のR10で規定された基である。)
であることができる。
特に、本発明中で使用されるオリゴマー中の繰り返し単位は、式(IIIb):
−O−(T)(OR11)−OC(O)NH−R10−NHC(O)− (IIIb)
のウレタン繰り返し単位または式(IIIc):
−NH−(T)(OR11)−NHC(O)NH−R10−NHC(O)− (IIIc)
(式中、T、R1OおよびR11は、独立して、式(III)または(IIIa)で規定されたようである。)
の尿素繰り返し単位であることができる。
本発明中で使用されるオリゴマーは、ダイマー含有単位およびトリマー含有単位(また下記のダイマー/トリマー原料物質を参照のこと)の両方を含むことができる。
本発明中で使用される構造化剤中のダイマーおよび/またはトリマー単位は、例えば、鎖延長反応の生成物としての、ヒドロキシルまたはアミン末端オリゴウレタンまたはオリゴ尿素単位とそれぞれ反応したダイマー酸および/又はトリマー酸の残基として提供できる。そうした場合、ダイマー成分単位は、式(IV):
−(OC)−(D’)−(COX’’)−R20− (IV)
(式中、
D’は、ダイマー酸((2つ)以下のカルボキシル基)の残基であり;
それぞれのX’’は、独立して、−O−または−NH−であり、成分単位中を通して、X基は、通常、すべて−O−または−NH−のいずれかであろうし;そして、
20は、ウレタンまたは尿素オリゴマーの残基であり、そして、
ダイマーを含有する繰り返し単位は、式(IVa):
−(OC)−(D’)−(COX’’)−R20 (IVa)
(式中、D’、それぞれのX’’およびR20は、独立して、式(IV)で規定されたようである。)
であることができる。
対応するトリマーを含有する単位は、式(V):
−(X’’C(O))−(T’)−(COX’’)−R20− (V)
(式中、それぞれのX’’およびR20は、独立して、式(IV)で規定されたようであり、そしてT’は、トリマー酸((3つ)以下のカルボキシル基)の残基であり、そしてトリマーを含有する繰り返し単位は、式(Va):
−(X’’C(O))−(T’)(COX’’R21)−(C(O)X’’)R20− (Va)
(式中、D’、X’’およびR^は、式(IV)で規定されたようであり)、そして、
21は、H、または(さらに通常)基−C(O)X’’−R22、または基−C(O)X’’−R23−X’’C(O)−(繰り返し単位の一部として第3の結合を生成する);
(式中、それぞれのX’’は、独立して、式(IV)で規定されたようである。)であり;
22は、ヒドロカルビル基、特にC〜C60、さらに通常C〜C44の基、特にアルキル基であり;そして、
23は、式(III)中のR10で規定された基である。)
であることができる。
オリゴウレタンまたはオリゴ尿素単位は、そうしたオリゴマーの中に、そうしたダイマーまたはトリマーの残基を含まない場合があるであろうが、ダイマーおよび/またはトリマーの残基を含むこと(そして従ってまた、上記式(II)または式(IIIa)内であるであろうこと)が望ましい。
ヒドロキシルジオールもしくはトリオールと、アミンジアミンもしくはトリアミンとの混合物を使用することによって、または合成中にヒドロキシアミンを含めることによって(さらに下記を参照のこと)のいずれかによって、オリゴマーは、ウレタンと尿素との混合した繰り返し単位を含むことができ、そして(H以外である)末端基は、オリゴマーがヒドロキシル、アミンまたはイソシアネート末端であるかどうかによって、末端基官能性を提供するために対応するアルコール、アミン、イソシアネートまたは脂肪酸(または好適には反応性誘導体)を使用することによって、エステル、尿素またはウレタン結合により結合することができる。
基−(D)−および−(T)−は、それぞれ、脂肪酸ダイマーおよびトリマーの残基に基づく残基であるか、または脂肪酸ダイマーおよびトリマーの残基に基づく残基を含む、二官能基の残基および三官能性の残基である。(さらに通常、単に「ダイマー酸」または「トリマー酸」とも呼ばれる)脂肪酸ダイマーおよびトリマーは、不飽和脂肪酸(工業的に主にオレイン酸、リノール酸および/またはリノレン酸)から誘導され、典型的にはクレイ触媒を使用して熱的にオリゴマー化された周知の主に二量体または三量体のオリゴマー化生成物である。一般的に、これらは、出発脂肪酸の約2つの分子または約3つの分子に対応する平均分子量を有するので、二量化したオレイン酸は、公称C36の二酸に相当する平均分子量を有し、そして三量化したオレイン酸は、公称C54のトリ酸に相当する平均分子量を有する。最初に製造されるように、ダイマーおよびトリマー酸は、典型的には、1分子当り1つまたは2つのエチレン二重結合に相当する不飽和を有するが、これは、本発明中で使用されるオリゴマーのための出発材料を製造する上で、減少(水素化)されることができる。
ダイマー誘導された出発材料は、典型的には、ダイマージオールもしくはダイマージアミン(またはこれらの混合物)のいずれかであろう(しかし、ダイマー成分を含む鎖延長剤については以下を参照のこと)。ダイマージオールは、ダイマー酸誘導体、通常、メチルエステルをダイマージオールに還元または水素化させることによって、または対応する不飽和脂肪アルコールを二量化させることによって得られたジヒドロキシアルコールである。ダイマージアミンは、脂肪酸の、例えば、アンモニアとのニトリル化、続く水素化によって商業的に製造される。ダイマー誘導された残基では、基(D)は、典型的には、式(IIIa)HO−(D)−OHのダイマージオールまたは式(IIb)HN−(D)−NHのダイマージアミンの残基、すなわち、ジオールヒドロキシルまたはジアミンアミノ基の除去後のいずれかである。ヒドロキシル末端ダイマー成分はまた、ヒドロキシル末端ダイマー酸オリゴエステルをジオールとともに用いることによって、提供できる。対応するトリオールおよびトリアミン材料は、類似の方法によってトリマー酸から製造できる。
ダイマーおよびトリマー酸は、商業的に、上記のオリゴマー化反応からの蒸留成分として製造され、そして典型的にはダイマー酸は、小さい比のモノおよびトリカルボキシリック材料を含むであろうし、そしてトリマー酸は、小さい比のモノおよびジカルボキシリック材料を含むであろう。単官能基材料の比は、望ましくは比較的低く保たれ、したがって化合物は、ウレタンまたは尿素オリゴマー中の連鎖停止剤(chain stopper)として働く傾向があるであろう。通常、オリゴマーを製造するために使用される材料中のそうした単官能基のヒドロキシルまたはアミノ化合物の比は、使用される全ジオールまたはジアミンの残基の約6wt%以下、さらに通常約3wt%以下、および望ましくは約1wt%以下であろう。使用される全ジオールまたはジアミンの残基の0.5〜3wt%、さらに通常1〜2wt%の量が典型的である。
三官能性ヒドロキシルまたはアミノ化合物は、本発明中で使用されるダイマー酸およびそれらの誘導体中に存在でき、そしてそうした化合物は、典型的にはオリゴマー中に取り込まれ、そして分枝オリゴマーを生じるであろう。本発明において使用されるオリゴマーを製造するために使用される材料中のそうした三官能性ヒドロキシルまたはアミノ化合物の残基の比は、通常、使用される全ジオールまたはジアミンの残基の約80wt%以下、さらに通常約25wt%以下、および望ましくは約3wt%以下であろう。使用される全ジオールまたはジアミンの残基の0〜2wt%の量が典型的である。
調合物の流動性を低下させそうであるので、本発明の逆エマルジョンにおいて、大きくに故意に架橋させたオリゴマーの安定化剤を使用することは、通常望ましくないであろう。しかし、比較的低いレベルの架橋は、オリゴマーの安定化剤のゲル特性において有用な改善、例えば、改善された熱安定性、調合物における減少したブリーディング(シネレシス)、およびより良好な油溶解度を与えることができる。出発材料として三官能性および/またはより高次の官能性モノマー成分を加えることによって、またはポリマー生成反応において過剰なジイソシアネートを使用することによって達成でき;過剰のジイソシアネートは、(ウレタン基との)アロファネートおよび/または(尿素基との)ビウレット結合を生成するように触媒的に反応できる。これに好適な触媒は、オクタン酸スズ、炭酸カリウムおよびトリエチルアミンを含む。しかし、過度のポリマーの架橋は、望ましくない熱不可逆性、低下した油または溶媒溶解度および不充分な物理的取り扱い特性となる。加えられた架橋モノマー(または使用される過剰のジイソシアネート)の量は、通常比較的小さく、使用される全ジオールまたはジアミンの残基の典型的には約10モル%以下、および望ましくは約3wt%以下であろう。
ほかの二官能基の化合物は、ダイマージオールまたはジアミンの一部と置換でき油系の特性へのオリゴマーの効果を変更し、例えば、ゲル強度を変更させ、または熱安定性を改善すなわち、ゲルが柔軟化または溶融する温度を高める。
好適なそうしたジオールは、アルカンジオール、例えば、2−エチルヘキサン−1、3ジオール、エチレングリコール、1、3−プロパンジオールおよび1、4−ブタンジオール等のアルカンジオール、ネオペンチルグリコール(2、2−ジメチルプロパン−1、3−ジオール)、1、6−ヘキサンジオールおよび1、10−デカンジオール、ポリアルキレングリコール、特に、エチレン、プロピレンまたはブチレンオキサイドを使用して製造したもの、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびダイマー酸およびそれらの混合物等の主にジカルボン酸のヒドロキシル末端ポリエステルポリオールオリゴマー、および(ダイマージオールを含む)上記に記載したもの等のジオール、2に近い平均ヒドロキシル官能性を提供するために、またはエステル上の2つのヒドロキシル基が、実質的にさらに反応性であるように、グリセロール、トリメチロールプロパン、ソルビトールソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトールおよびそれらのアルコキシル化変形物等のポリオールが、脂肪酸とエステル化されたポリオールの部分的な脂肪エステル、ならびにリシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸および9、10−ジヒドロキシステアリン酸のグリコールおよびポリオールエステル等の脂肪酸がヒドロキシル官能性に寄与している脂肪酸エステルを含む。ジエタノールアミン、またはヒドロカルビル等のアンモニアのアルコキシル化からのジオール、特にアルキル、特に脂肪アルキル、ラウリルアミン等のアミンおよびエポキシ化された油および脂肪のジオール誘導体をまた使用できる。
そうしたポリマーのジオールを使用して、ジオールの分子量および相対的な疎水性を制御することができ、よってダイマージオール単位と類似であるか、または異なるように選択できる。これは、油系へのオリゴマーの構造化効果のさらに微量な調整を可能にできる。使用された場合、そうした他のジオールは、通常、使用される全ジオールの残基の1〜75wt%、さらに通常3〜50wt%、および望ましくは5〜20wt%であろう。使用されるダイマージオールの残基の対応する比は、通常使用される全ジオールの残基の25〜99wt%、さらに通常50〜97wt%、および望ましくは80〜95wt%であろう。
ダイマージアミンの代わりとなることができるアミンは、ヒドロカルビルジアミン、特にエチレンジアミン、1、2−および1、3−ジアミノプロパン、1、4−ジアミノブタン、1、2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1、3−および1、5−ジアミノペンタン、2、2−ジメチル−1、3−プロパンジアミン、1、6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン)、2−メチル−1、5−ペンタンジアミン、1、7−ジアミノヘプタン、1、8−ジアミノオクタン、2、5−ジメチル−2、5−ヘキサンジアミン、1、9−ジアミノノナン、1、10−ジアミノデカンおよび1、12−ジアミノドデカン等のアルキレンジアミン、4、4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1、3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、アダマンタンジアミンおよび1、8−ジアミノ−p−メンタン等の環状ヒドロカルビルアミン、1、2−、1、3−および/または1、4−フェニレンジアミン、2、4、6−トリメチル−1、3−フェニレンジアミン、2、3、5、6−テトラメチル−1、4−フェニレンジアミン、キシレンおよびナフタレンジアミン(すべての異性体)、ジアミノフェナントレン(9、10を含むすべての異性体、)、2、7−ジアミノフルオレン、ジアミノナフタレン(1、5;1、8;および2、3を含むすべての異性体)等の芳香族ジアミンおよび4−アミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン等の環状アミンを含む。そうしたジアミンは、特にアルキレンオキシの残基中に、ヘテロ原子、例えば、酸素原子を含むことができる。そうした材料の例は、いわゆるジェファミン(Jeffamine)ジアミン(Texacoからのポリ(アルキレンオキシ)−ジアミン)を含む。ジアミンは、ポリアルキレンアミン中に、典型的には、式:NH−(CHCHNH)CHCH−NH(式中、mは、1〜約5である。)である窒素原子をさらに含むことができ、そして例は、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンを含む。さらなる窒素原子はまた、ビス(アミノエチル)−N、N’−ピペラジンおよびビス(アミノプロピル)−N、N’−ピペラジンにおけるように、第3級窒素原子として、特に、ヘテロ原子として環状基中に存在できる。そうしたジアミンは、N−エチルエチレンジアミンまたは1−(2−アミノエチル)ピペラジンにおけるように、1つの第1級アミン基および1つの第2級アミン基を有することができる。
通常、そのように修飾ジアミンが含まれる場合、ジアミンがより硬い鎖となるであろう(ビス)−尿素結合を与えるように反応するであろうので、量は比較的少ないであろうし、そしてポリマーは、通常より高い溶融温度を有するであろう。使用される場合、そうした他のジアミンは、使用される全ジアミンの残基の通常1〜20wt%、さらに通常1〜15wt%、および望ましくは1〜10wt%であろう。使用されるダイマージアミンの残基の対応する比は、使用される全ジアミンの残基の通常80〜99wt%、さらに通常85〜99wt%、および望ましくは90〜99wt%であろう。
アミノおよびヒドロキシル官能性の両方を提供する材料を含むことができ、これは、生成物オリゴマー中にウレタンおよび尿素結合の両方を提供し、そしてこの例は、モノおよびジエタノールアミンおよびプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1、3−プロパンジオール、AMPD(2−アミノ−2−メチル−1、3−プロパンジオール)、2−アミノ−2−メチル−1、3−プロパンジオール、および2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオールを含む。
特に望まれていないが、そうした他のジオールとダイマージアミンとを化合させて、および他のアミンとダイマージオールとを化合させて、混合したウレタン/尿素オリゴマーを与えることがまたできる。
三官能およびより高次官能性ヒドロキシルおよび/またはアミノ官能性成分は、構造化剤オリゴマーを製造するために使用される試薬中に含まれることができる。通常使用される比は、例えば、非ダイマーアミンの量と同じように(上記を参照のこと)小さいであろうし、そして単官能または二官能性ヒドロキシまたはアミノ官能性(または追加のモノカルボキシリック官能性)成分は、全体的な分子量および/または分枝の程度および/または架橋を制御するために、連鎖停止剤として機能するように含まれて、扱いにくく、そして/または油不溶性のオリゴマー/ポリマーの生成を避けることができる。
生成物の末端キャップを続けてできる反応を用いて、より小さいオリゴマー単位を共に結合させるために、特に多官能性試薬を使用することによって、本発明中で有用なオリゴマーの構造化剤を製造する方法としての鎖延長反応を上記に手短に記載する。鎖延長反応は、例えば、ヒドロキシル/アミン末端オリゴマー単位とイソシアネート鎖延長剤との反応、またはイソシアネート末端オリゴマー単位とヒドロキシル/アミン末端鎖延長剤との反応によるウレタン/尿素結合;または例えば、ヒドロキシル/アミン末端オリゴマー単位とカルボキシル末端鎖延長剤との反応によるエステルまたはアミド結合を生成することができる。オリゴマーの構造化剤の合成のためにこのアプローチの中で使用されるオリゴマー単位は、上記のもの等の好適なモノマー材料でできたウレタンおよび/または尿素結合したオリゴマーである。オリゴマー単位は、ダイマーおよび/またはトリマー成分の残分を含むことができ、そして通常含むであろうし、この場合、鎖延長剤は、典型的には低分子量材料となるであろう二官能、三官能またはより高次の官能性試薬であることができる。対照的に、ダイマーおよび/またはトリマー成分の残分を含まないオリゴマーフラグメントを使用でき、その場合、鎖延長剤は、ダイマーおよび/またはトリマー成分の残分を含むであろうし、例えば、ヒドロキシル、アミン、イソシアネートまたは酸官能性ダイマーまたはトリマー化合物の残分を必要に応じて使用する。もちろん、オリゴマーフラグメントが、ダイマーおよび/またはトリマー成分の残分を含む場合には、ダイマーまたはトリマー系の鎖延長剤をまた使用できる。
通常鎖延長剤の比は、オリゴマー単位の分子量より大きい所望の分子量を有するオリゴマー生成物を提供するように適当に選択されるであろう。重量パーセンテージは、従って、オリゴマー単位の分子量および鎖延長剤の分子量によるであろう。トリマー酸が鎖延長剤として使用される場合、鎖延長されるオリゴマーの1〜40%、さらに通常3〜30%、特に5〜20wt%の量が典型的であろうし、他のトリマー系鎖延長剤で同様な重量比、および異なる分子量および官能性の鎖延長剤では対応する量となるであろう。上記のような三官能およびより高次の官能性ヒドロキシルおよび/またはアミノ官能性成分と同様に、全体的な分子量および/または分枝の程度および/または架橋を制御するために、連鎖停止剤として機能するように、単官能性成分が含まれることができる。末端キャッピングを、単官能基成分を連鎖停止剤として含むことを通して、上記の線に沿った鎖延長の後で行うことができ、多くは別個の末端キャッピングを不必要にする。我々は、特にダイマー系オリゴマーの単位とのトリマー系鎖延長剤の使用により、「ブリード」(シネレシス:syneresis)への傾向を低下させ、そして良好な熱安定性を有する構造化された油を与える構造化剤を提供できることを見いだした。
式(II)中の基Rおよび他の式における対応する基はC〜C60、さらに通常C〜C44、特にC〜C36、特にC〜C24のヒドロカルビレン基である。合成的には、(ジ)イソシアネート出発材料(オリゴマー合成では下記を参照のこと)から通常2つのイソシアネート基を除いた後に残る残基と考えることができる。好適なイソシアネートは、芳香族イソシアネート、特に、ジイソシアネート、例えば、フェニルジイソシアネート、(ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネートまたはMDIとしても知られている)メチレンビス−(4、4’)−フェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネートまたは誘導体およびそうした材料の変化物、例えば、改質されたMDI;さらに通常、脂環式イソシアネート、特に、ジイソシアネート、例えば、メチレンビス−(4、4’)−シクロヘキシルイソシアネート(4、4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)、またはイソホロンジイソシアネート;ダイマージイソシアネート等の非芳香族ジイソシアネート;または、および特に、アルキレンイソシアネート、特にジイソシアネート、さらに特にC〜C12.特にC〜C、および望ましくはC〜Cアルキレン、2、2、4−トリメチル−1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート;および望ましくは式:OCN−(CH−NCO(式中、pは、2〜12、さらに特に2〜8、そして特に2〜6である)のジイソシアネート、例えば、1、12−ドデカンジイソシアネートまたは1、6−ヘキサメチレンイソシアネートを含む。
H以外の場合、式(II)中の基Rおよび他の式における対応する基は、オリゴマーに末端基を提供する。オリゴマーが末端をキャップされた場合、式(II)中の−C(O)R、基−C(O)NH−R−NHC(O)−(X)−R、−C(O)NH−Rおよび−O(AO)−(CO)中の−(X)−Rによって示される末端キャップ基は、RC(O)−におけるように、またはヒドロカルビル、基−(X)−Rにおける、基−C(O)NH−Rにおける、または基−C(O)NH−R(式中−(X)−、R、R、R、AO、nおよびpは、上記式(II)で規定されたようである)における、Rのように、アシル基であることができ、基RまたはRは、独立して、C〜C60、さらに通常C〜C44、望ましくはC〜C24のヒドロカルビル基、特にアルキル基またはアルケニル基である。
末端キャップ基がヒドロカルビル基(R)である場合、直鎖または分枝鎖、開環鎖または環状(ポリ環状を含む)、飽和または不飽和基であることができ、そして特に、例えば、商業的称号「Nafol」および「Nacol」の下で入手可能である直鎖アルコールから誘導されたような、ステアリル、イソステアリル、オレイル、セチル、ベヘニル等のアルキルまたはアルケニル基、「Lials」として市販されている直鎖および分枝鎖アルコールの混合物;またはGuerbet(分枝鎖)アルコール、例えば、「Isofol」商業的称号の下で市販されているものから誘導されたような、または環状、特に非環式、シクロヘキシル等の基、またはアルコール、例えば、EASTManからのAbitol−Eから誘導されたような、残基または松やに等のポリ環状基であることができる。ヒドロカルビル末端キャップは、(ウレタン結合を与える)−O−基によって、または(尿素結合を与える)−NH−基および末端(ビス−)イソシアネート誘導の残基によって、オリゴマー鎖に結合できる。
がアシル基である場合、基Rは、通常C〜C59の基であり、そしてさらに通常、直鎖または分枝鎖、開環鎖または環状(ポリ環状を含む)、飽和または不飽和であることができる、長鎖、特にC〜C43の基、さらに特にC〜C31そして特にC11〜C23のヒドロカルビル基であり、そして望ましくはアルキル、アルケニルまたはアルカジエニル基である。言い換えれば、Rは、対応するC〜C60、特にC〜C44、さらに特にC10〜C32、そして特にC12〜C24の脂肪酸から誘導されたアシル基の一部である。特に、アシル基−C(O)Rは、C〜C30の脂肪酸、特にラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸またはエルカ酸から誘導される。使用できる他の単官能基の酸は、環状、特に、非環式、例えば、アビエチン酸(松やに酸)等のポリ環状酸を含む。アシル末端キャップは、(エステル結合を与える)−O−基によって、または(アミド結合を与える)−NH−基によって、オリゴマー鎖に結合できる。
本発明中で使用されるオリゴマーは、望ましくは1000〜20000、さらに通常1500〜10000、そして特に2000〜8000の数平均分子量を有する。式(II)の化合物では、これは、典型的には1〜20、さらに通常2〜15、そして特に2〜10のウレタンダイマージオールオリゴマー繰り返し単位、すなわち、1分子当りのインデックスmの値の、式(IIa)および(IIb)におけるインデックスm1およびm2、それぞれを含むインデックスmの(平均)値に相当する。繰り返し単位の類似の数は、本発明中で使用されるトリマー系および他の構造化剤オリゴマーにおいて典型的であろう。
三官能性出発材料を使用できるが、これらが存在する場合、過度の架橋から生じる不溶性のまたは扱いにくいオリゴマーを製造するのを避けるように注意が必要である場合がある。少なくともある程度、平均官能性は、ダイマー誘導されたOHまたはNH官能性材料および/または単官能基試薬、例えば、単官能基アルコールまたはアミンで上記に記載したものと類似の方式で、非ダイマー二官能基試薬を含めることによって制御でき、連鎖停止剤として含まれることができる。我々は、出発材料としてトリマートリオールを使用して、または単官能基の連鎖停止剤を含める必要なくトリマー酸(下記を参照のこと)等の三官能性鎖延長剤を使用することによって、効果的なゲル化剤であるオリゴマーを製造した。
本発明中で使用されるオリゴマー、上記式(I)〜(V)を参照して上記のようにダイマーおよびトリマー単位に基づく繰り返し単位を含む特別なオリゴマーを、通常従来の方法によって製造できる。少なくとも理論上、反応は、中間オリゴマーを生成する第1のステージとして考えることができ、そしてその後に、必要に応じて、キャップ基を中間オリゴマーの上に反応させる。中間オリゴマーは、特に出発ジオールまたはアミンおよびイソシアネートのモル比によって、ヒドロキシル(ジオールまたはトリオール)またはアミン(ジアミンまたはトリアミン)末端またはイソシアネート末端であることができる(イソシアネート基の反応性を考慮して、イソシアネート末端オリゴマーは、通常キャップされないままであろうことに留意のこと)。
従って、式(IIa)のポリウレタンは、式:HO−(D)−OH、(式中、−(D)−は、式(IIa)中で規定されたようである。)のジオールと、特に、式OCN−R−NCO(式中、Rは、ウレタン重合条件下で、特にウレタン重合触媒(下記を参照のこと)の存在下で中間オリゴマーを生成させるために、式(I)で規定されたようである。)の好適なジイソシアネートと、を反応させることによって製造できる。対応する反応はトリマー含有材料を製造するために使用できる。
末端キャップは、オリゴマーの末端にある基に依存して、反応できる。オリゴマーがイソシアネート末端の場合、アルコールROH、(式中、Rは、式(II)で規定されたようである。)との反応は、R置換ウレタン末端オリゴマーを与え、そしてアミンRNH(式中、Rは、式(II)で規定されたようである。)との反応は、R置換尿素末端オリゴマーを与えるであろう。オリゴマーがヒドロキシル(ジオール)末端の場合、キャップ反応は、式:ROH(または反応性誘導体)、(式中、Rは、式(II)で規定されたようである。)のアルコールと、エーテル化条件下で、特に炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたはオクタン酸スズ等のエーテル化触媒の存在下で、または式RCOOH(または反応性誘導体)、(式中、Rは式(II)で規定されたようである。)の酸と、エステル化条件下で、特にテトラブチルチタネート(TBT)、テトライソプロピルチタネート(TIPT)、オクタン酸スズ、例えば、市販製品Tegokat129、塩基、例えば、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウム、酸、例えば、パラトルエンスルホン酸(PTSA)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)または硫酸等のエステル化触媒の存在下で、さらに特に、式RCOOR(式中、Rは、式(II)で規定されたようであり、そしてRは低級の、特にC〜Cのアルキル基、そして特にメチルである。)のエステルと、エステル交換条件下で、特にTBT、TIPT、オクタン酸スズ、または塩基、例えば、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウム等のエステル交換触媒の存在下で、反応させることによって、行うことができる。
同様に式(IIb)のポリ尿素は、式(IIb)において規定された式のダイマージアミンと好適なジイソシアネート、特に、式OCN−R−NCO(式中、Rは、式(I)で規定されたようである。)のジイソシアネートと、ポリ尿素重合条件下、特にポリ尿素重合触媒(下記を参照のこと)の存在下で、中間オリゴマーを生成させるために、反応させることによって製造できる。対応する反応は、トリマー含有材料を製造するために使用できる。
末端キャップは、オリゴマーの末端の基に依存して、反応できる。オリゴマーがイソシアネート末端の場合、アルコールR2bOH、(式中、R2bは、式(IIb)で規定されたようである。)との反応は、R2b置換ウレタン末端オリゴマーを与えるであろうし、そしてアミンR2bNH、(式中、R2bは、式(IIb)で規定されたようである。)との反応は、R2b置換尿素末端オリゴマーを与えるであろう。オリゴマーがアミン(ジアミン)末端の場合、キャップ反応は、式RCOOH(または反応性誘導体)(式中、Rは、式(II)で規定されたようである。)の酸と、アミド化条件下で、特にTBT、TIPT、E−cat(少量のTiClTi(OH)およびTiClを有するTiO)等のアミド化触媒の存在下で、さらに特に、式RCOOR(式中、Rは式(II)で規定されたようであり、そしてRは低級、特にC〜Cのアルキル基、そして特にメチル基である。)のエステルを反応させることによって、アミド基転移(transamidation)条件下で、特に上記に記載したアミド化触媒等のアミド基転移触媒の存在下で、行うことができる。
式(II)から、末端キャップとして使用される基Rは、モノアルキルまたはエステルキャップ化アルコキシレート、例えば、イソステアレート等のプロピレングリコールモノエステルの残基であることができ、そして上記で使用されるROHでの用語「アルコール」は、これおよび単純なアルコールを一般的に含む。
ウレタンおよび尿素反応のための触媒は、第3級塩基、例えば、ビス−(N、N’−ジメチルアミノ)−ジエチルエーテル、ジメチルアミノシクロヘキサン、N、N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアルキル−(b−ヒドロキシエチル)−アミンとモノイソシアネートとの反応生成物、ジアルキル−(b−ヒドロキシエチル)−アミンとジカルボン酸とのエステル化生成物、および1、4−ジアミノビシクロ−(2.2.2)−オクタン、および金属化合物、例えば、鉄ペンタカルボニル、鉄アセチルアセトネート、スズ(ll)(ヘキサン酸2−エチル)、ジラウリン酸ジブチルスズ、モリブデングリコレート、オクタン酸スズ、TBTおよびTIPT等の非塩基性物質であることができる。
通常、中間オリゴマーが、ヒドロキシまたはアミン末端である(またはであろう)場合、反応は、通常2つのステージで行われるであろう、中間オリゴマーの第1の形成、そして次に(必要に応じて)オリゴマーのキャップ化。中間オリゴマーがイソシアネート末端である(またはであろう)場合、および特に、キャップ基がヒドロキシル化合物(アルコール)である場合、反応は、最初から単一の容器内で全ての試薬とともに、単一ステップで行うことができる。
合成が鎖延長反応を含む場合、これらは通常、(イソシアネートおよびヒドロキシルまたはアミンそれぞれとの間の)ウレタンまたは尿素を生成する反応、または(カルボン酸(または反応性誘導体)およびヒドロキシルまたはアミンとの間の、それぞれ)エステルまたはアミドを生成する反応であり、そしてそうした反応のために、上記の条件下で行われるであろう。
我々は、通常原料ニート(neat)を使用して溶媒または希釈剤なしで合成反応を行うことが実用的であることを見いだした。特に末端キャッピング試薬として含まれるモノカルボン酸エステル等の試薬はまた、反応してオリゴマーになるまで、反応希釈剤/溶媒として機能する。しかし、オリゴマーの取り扱いの容易さを改善するために、必要に応じて、溶媒または希釈剤を使用することができる。好適な溶媒または希釈剤は、アセトン、トルエン、可塑剤エステル、ベンゾエート、例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、またはイソプロピルミリステート等のイソプロピルエステル、トリグリセリド、例えば、グリセロールトリオレエート等のグリセリドエステル等の他のエステル、任意選択的にポリオール、N−メチルピロリドン、油およびカーボネートの(部分的な)エステルを含む。
イソシアネートとの反応、オリゴマー化またはキャップ化反応は、50〜150℃、さらに通常60〜125℃の温度で一般的に行われる。酸とエステルまたはアミド末端キャップを生成させるための酸またはエステルとの反応は、通常、150〜270℃、さらに通常180〜230℃、例えば、約225℃で行われる。直接およびエステル交換およびアミド化のいずれものために、反応は、周囲圧力でまたは穏やかな真空で行うことができ、例えば、600〜10mBar(60〜1kPa)ゲージが通常使用されるであろう。反応からの揮発性物の除去を助けるために、不活性ガス、例えば、窒素の散布が、周囲圧力または減圧下で行われる。通常、小過剰の酸またはエステル(通常メチルエステル)が使用されるであろう。
広範な油を本発明の逆エマルジョンにおいて連続相として使用できる。しかし、普通逆エマルジョン中で使用される油は、石油化学由来の炭化水素油、例えば、ナフテン系および/またはパラフィン系油および/または、例えば、欧州特許第0923611号明細書に記載されたような、エステル油である。
本発明の化合物を使用して構造化できる典型的な油は、(トルエン、キシレン)および(ヘキサン、オクタン、ガソリン)、ディーゼル、液体炭化水素ワックス、ランプ油、Sunspray6N、8Nおよび11N(Sunoco)およびPuccini 19P(Q8)等のパラフィン系油、lsopar VおよびExxol D140(ExxonMobil)等の(イソ)−パラフィン系油等の液体パラフィン系材料、およびSolvesso brandアルキルベンゼン(ExxonMobil)等の芳香族鉱物性油を含む炭化水素;エステル油、特に、C〜C30の直鎖、分枝鎖または不飽和脂肪酸および直鎖、分枝鎖または不飽和脂肪アルコールに基づくもの、および典型的にはモノカルボン酸から一水酸基アルコールを用いて誘導されたエステル;ジまたはトリカルボン酸と一水酸基アルコール;または二価または多価アルコールとモノカルボン酸、例えば、Croda and Uniqemaから入手可能であるエステル油:ヤシ油脂肪酸2−エチルヘキシル(Crodamol OC)、ステアリン酸2−エチルヘキシル(Crodamol OS)、パルミチン酸2−エチルヘキシル(Crodamol OP)、パルミチン酸イソプロピル(Crodamol IPP)、イソトリデシルイソノナエート(Crodamol TN)、PPG3ベンジルエーテルミリステート(Crodamol STS)、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Crodamol GTCC)、ジ(ミリスチルPPG−3エーテル)アジペート(Cromollient DP3A)、グリセロールトリス−2−エチルヘキサノエートエステル油(Estol 3609)、イソステアリン酸イソプロピル(Phsorine 2021)、オレイン酸メチル(Priolube 1400)、およびカプリル酸メチル、アルキルアセテートエステル、特にC〜C13のアルキルアセテート、および特に、アルキル基がオキソアルコールの残基である、例えば、Exxate エステル油(Exxon)等の他のエステル、グリセロールトリ−(C〜C24)エート、例えば、Estasan 3596グリセロールトリカプリレート(Uniqema)、Priolube 1435 グリセリル トリオレエート(Uniqema)、およびグリセロールトリリシノレート、PEGオレエートおよび、イソステアレート、イソプロピルラウレートまたはイソステアレート、トリメチルプロパントリエステル、例えば、混合C/C10−ステアリン酸またはオレイン酸との;菜種(キャノーラ)油、大豆油、ヒマワリ油および魚油等の天然のトリグリセリド等の合成トリグリセリドエステル;メチル化された菜種、大豆および/またはヒマワリ油等のメチル化された天然トリグリセリド;安息香酸およびC〜C13の一水酸基アルコールの場合、芳香族エステル油、特にエステル、例えば、Finsolve TN C12〜C15ベンゾエート油(Finetex)を含む。
油、特に上記に記載した油は、2種または3種以上の異なる油または異なるタイプの油の混合物として使用できる。
使用されるオリゴマーの安定化剤の量は、連続油相の典型的には0.01wt%〜10wt%、さらに通常0.05wt%〜8wt%、そして特に0.1wt%〜5wt%である。必要に応じてオリゴマーの安定化剤は、安定化剤として、特に所望の安定化をする構造化剤効果を確かにするために、他の構造化剤材料と組み合わせて使用でき、任意の特定の生成物に必要な全ての温度範囲にわたって達成される。他の構造化剤安定化剤とともに使用される場合、オリゴマーの安定化剤構造化物の比は、使用されるすべての構造化剤安定化剤の通常25〜95wt%、さらに通常40〜80wt%であろう。混合物が使用される場合、構造化剤安定化剤の全量は、通常、本発明の化合物で上記に記載された範囲内であろう。
オリゴマーの安定化剤は、通常、適度な高温、典型的には50〜140℃、さらに通常60〜120℃、普通80〜110℃で安定化剤を油中に溶解し、そして次に混合物を冷却させ、または混合物を周囲温度まで冷めさせ、そして構造化効果が冷却で明らかになることによって、通常本発明の逆エマルジョン中で使用される油中に取り込まれるであろう。我々は、冷却速度が、安定化させた(および構造化された)油相の特性に影響する場合があることを見いだし:急速な冷却、特に「クラッシュ」冷却は、油相中に「より柔軟な」(そして我々はさらにアモルファスと考える)構造となり、そしてゆっくりとした冷却は、「より硬い」(そして我々は、さらに配列した、結晶状と考える)構造となる。通常、純粋なオリゴマーの融点未満での熱サイクルは、材料の挙動に影響を与えないようであり、そして安定化させた油相をそれらの溶融温度より上に加熱し、そして再冷却すると、構造化した油相の再形成となる。
任意選択的に、しかし望ましくは、取り扱い、特に周囲温度においてまたは近辺での取り扱いを改善するために、および/またはオリゴマーの溶融温度を低下させるため、および/またはおよび逆エマルジョンの油相中でオリゴマーの安定化剤の溶解および活性化を促進するために、可塑剤をオリゴマーの安定化剤に加えることができる。安定化させた(構造化された)油相のレオロジー的な特性はまた、溶媒の添加によって改質でき、そしてこれは、逆エマルジョンのレオロジー的特性を変更するために使用できる。可塑剤として使用できる材料は、化合物、さらに通常界面活性剤として公知の化合物、例えば、1種または2種以上のアルコキシル化脂肪アルコール、特にC〜C20、さらに特にC10〜C18の脂肪アルコール、1〜20、特に2〜15、特に3〜12のアルコキシレート、特にエトキシレート、例えば、ラウリルアルコール4EO、オレイルアルコール10EOおよびC12/15アルコール7EO;アルコキシル化脂肪アミン、特にC〜C20、さらに特にC10〜C18の脂肪アミン、2〜30、特に5〜30のアルコキシレート、特にエトキシレート;アルコキシル化脂肪酸、特にC〜C20.さらに特にC10〜C18の脂肪酸、1〜20、特に2〜15、特に3〜12のアルコキシレート、特に、エトキシレート;ソルビタン、ソルビトール、グリセロールおよび類似のポリオールの部分的なエステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、モノステアレートおよびモノラウレート;脂肪酸アミド、特にC〜C20、さらに特にC10〜C18の脂肪酸アミド界面活性剤、特にエタノールアミド、ジエタノールアミドおよびプロパノールアミド等のアルカノールアミド、例えば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;アニオン性界面活性剤、特にスルホサクシネートおよびホスフェートエステルおよび/またはイミダゾリン界面活性剤または第四級脂肪アミンアルコキシレート等のカチオン性界面活性剤、通常N−脂肪アルキル、N−低級アルキル、ジ(ポリアルキレンオキシ)第四級アミン通常塩としての、例えば、ハロゲン化物、特にクロライドまたは硫酸塩、特に脂肪アルキル基がC〜C20、さらに特にC10〜C18の脂肪アルキルの場合、低級アルキル基は、C〜C、特にメチルまたはエチル基、およびポリアルキレンオキシ基は、1〜20、特に2〜15のアルコキシレート、特にエトキシレート(通常、5〜30のアルキレンオキシ基の全てを含む);または2種または3種以上の種類のこれらの混合物を含む。可塑剤としての界面活性剤、特に比較的高いHLB界面活性剤の使用は、水中での希釈による逆エマルジョンの反転を促進するさらなる有益な効果を有することができ、そして故意に加えられた逆界面活性剤の完全なまたは部分的な置換を可能にする。
使用される可塑剤の量は、油相の典型的には0.01wt%〜15wt%、さらに通常0.05wt%〜10wt%、特に0.1wt%〜5wt%である。
可塑剤を含めることの主な理由は、オリゴマーの安定化剤の取り扱い、特に、油中に取り込んだ場合の取り扱いの改善であるので、理論的には、可塑剤はオリゴマーの安定化剤とは別に油相に加えることができるであろうが、混合物の油への添加の前(通常逆ポリマーエマルジョンの形成の前)にオリゴマーの安定化剤成分と可塑剤とを混合させることが望ましい。オリゴマーの安定化剤および可塑剤の混合およびホモジナイゼーションは、通常、オリゴマーの安定化剤の軟化温度においてまたはやや上で、通常、50℃〜200℃、さらに通常50℃〜150℃の範囲内で行われ、そしてオリゴマーの安定化剤の溶融特性および軟化特性に依存する。
オリゴマーの安定化剤および(任意選択的に)可塑剤の逆エマルジョンへの添加は、逆エマルジョンの目的とする最終用途を妨げないことが好ましい。典型的には、これは、水中での希釈による逆エマルジョンの反転を含み、そして逆エマルジョンの単純かつ(水溶性ポリマーの入手可能性について)効率的な反転が非常に望ましい。オリゴマーの安定化剤および可塑剤は、任意の特定の逆エマルジョンと適合するように、特に逆エマルジョンの不安定化によって生じるポリマーの凝固を防ぐように選択され、反転および他の望ましい取り扱い特徴、特に逆エマルジョンの注入可能性およびポンプ送出可能性を保つために使用される。
調合物は、分散剤、電解質、湿潤剤(wetters)および逆エマルジョン系に普通含まれる類似の材料等の他の成分を含むことができる。安定化させた逆エマルジョン調合物は、界面活性剤、電解質および湿潤剤等のそうした調合物中に普通含まれる他の成分を含むことができる。
界面活性剤は、普通、特に油中での分散相の分散を助けるために、逆エマルジョンに含まれ;そして(水中で溶解され、そして希釈された内部相内に水溶性ポリマーを有する)エマルジョンを反転させるために、水で希釈して油相の直ぐの反転および乳化を促進させるように、乳化剤を取り込む。これらの例は、米国特許第3284393号明細書に記載されたような乳化剤、および米国特許第3624019号明細書中に記載されたような反転(inverting)界面活性剤を含むことができる。
本発明の逆エマルジョンの外部の油相は、典型的には、分散体の安定性、望ましくは逆エマルジョンが高粘性で、エマルジョンを反転させるための油系調合物と、特に水との逆エマルジョンとの混合を難しくせずに、分散体安定性を提供するように構造化される。混合の困難性は、2つの方式で生じる場合がある、油系調合物が充分に粘度を有する場合、その貯蔵容器からの除去が難しくなるか、またはその粘度が希釈水との混合をゆっくりかまたは非効率的にする。これは、本発明の構造化された逆エマルジョンのための望ましいレオロジーがゼラチン状または充分な粘性であるが容易に注ぐことができ、そして/またはポンプで送ることができるようになるように、容易にせん断薄層化するが逆エマルジョンの改善された安定性を提供するように構造化されていることを意味する。通常、本発明の逆エマルジョンは、混合およびポンプ送りの間の調合物の粘度が、典型的には、150mPa.s〜約3000mPa.Sの範囲内に低下するように、低せん断において、250mPa.s〜約10000mPa.sの粘度を有し、そしてより高せん断において、薄層化する。任意の特定のエマルジョンの具体的な粘度は、使用するオリゴマーの安定化剤の濃度および油連続相中の安定化剤の具体的な特性によるであろう。
本発明の逆エマルジョンは、少なくとも1月間、周囲温度で、並びに典型的には、少なくとも40℃まで、および望ましくは50℃までの高温で少なくとも2週間、並びに通常少なくとも0℃もの、そしてさらに通常−10℃までの、そして望ましくは−17.7℃(0°F)もの周囲温度より低い温度で8週間まで安定であることが望ましい。調合物が界面活性剤、および(存在する場合)溶媒、ならびに水性の内部相を含む場合に、これらの性能要求は、望ましくは、またかなえられる。凍結融解安定性を少なくとも3試験サイクル有することがまた望ましい。
本発明は、種々の合成および天然の水溶性ポリマーの逆エマルジョンのエージングに対する安定性を高めるために使用できる。これらのポリマーは当業者に周知であり、そして広く記載されてきた。最も通常使用されるポリマーの例は、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸、アクリル酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマーおよびコポリマーおよび高分子電解質を調製するための他のエチレン性不飽和モノマー、アリルアミン、またはジメチルアミノメタクリル酸エチル等のカチオン性モノマーを含む種々のコポリマー、および他のエチレン性不飽和のモノマーを含む。そうしたポリマーの調製は、米国特許第3284393号明細書に記載されている
内部水相中での水溶性ポリマーの濃度は、典型的には、内部相の20wt%〜70wt%、特に30wt%〜50wt%である。内部相は、典型的には全体的なエマルジョンの30体積%〜75体積%、特に50体積%〜70体積%を形成する。
これらの水溶性ポリマーが効果的な増粘化および/または水溶液系中での凝集特性を提供し、そして水溶液の増粘化および清澄化等の用途、特に、下水および工業排液の処理を含む水精製用途における広範な商業的使用を見いだし;製紙作業;泥のドリル用安定剤として、および水攻法(waterflooding)による石油の二次回収およびパーソナル製品のためのヘアケアおよびスキンケアに、増粘化、エマルジョン化、コンディショニングおよび他の望ましい特性を与えることを見いだせるので、典型的には、これらの水溶性ポリマーは有用である。
以下の例は、本発明を具体的に示す。すべての部およびパーセンテージは、特に明記しない限り、重量による。
材料
IPE1 米国特許第3284393号明細書の例5に記載されたように、広く調製した乳化剤としてのソルビタンモノオレエートを使用した、商業的ナフテン/パラフィン系炭化水素液体の連続的油相およびアクリルアミド:ジメチルアミノメタクリル酸エチルコポリマー(75wt:25wt)の35wt%の水溶液の分散相を含むポリマーエマルジョン。
PL1 ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、Brij30 ex Croda。
PL2 脂肪アルコールポリオキシエチレン(7)エーテル、Synperonic A7 ex Croda。
PL3 ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、Brij 97 ex Croda。
PL4 コカミドジエタノールアミン、 lncromide CA ex Croda。
OS1 合成例SE1に記載されたように製造したオリゴマーの安定化剤。
試験方法
粘度:構造化された逆エマルジョンおよびそれらから製造した反転エマルジョンの粘度をBrookfield DV−II digital粘度計を使用して測定し、そして結果をmPas(1mPas=1cps)で与えた。
反転性(Invertability):構造化された逆エマルジョンの反転の容易さおよび効率を、2gの構造化された逆エマルジョンを、300gの蒸留水に、攪拌下周囲温度で加えることによって試験した。生じた水溶液の粘度を、反転後5、10および15分で測定した。4
エージング安定性−増粘されたエマルジョンのエージング安定性を、構造化された逆エマルジョンのサンプルを幅広の試験管内に貯蔵することによって評価した。逆エマルジョンの上の任意の測定された分離した油層の量、および管の底にある任意の沈殿層の量を測定し、そして結果を体積%で表わし、そして油(%)およびsed(%)でそれぞれ記録した。
合成例 SE1:エステル末端オリゴウレタン安定化剤(OS1)の調製
ダイマージオール(Pripol 2033 ex Uniqema)(346.2g;0.638mol)、ヘキサンジオール(27.1g;0.229mol)およびイソステアリン酸(ex Uniqema)(106.5g;0.366mol)を、外部電気ヒーター、窒素入口、温度計、コンデンサーおよび受け容器、中央の攪拌機および添加ポートを備えた2Lフランジ状フラスコ(「反応器」)に充填した。混合物を不活性窒素雰囲気(反応の間中維持した)下で約60℃に加熱し、そして触媒としてオクタン酸スズ(400μl)を次に加えた。エステル化反応が完了すると、ヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur H ex Bayer)(100.5g;1.125mol)を、150g.h−1.kg−1の割合でドーシング(dosing)ポンプを使用して、添加ポートを通して加えた。この添加の間、ジオールとジイソシアネートとの間の発熱反応により、温度が上昇した。ジイソシアネート添加が完了すると、混合物を急速に225℃に加熱し、そしてヒドロキシル値が10mg(KOH).g−1(以下)になるまで、混合物を225℃に保った。反応混合物を、窒素散布下140〜150℃に冷まし、そして生成物を放出させ、そして周囲温度まで冷まし、わずかに黄色の濁ったワックス状の固体としてのオリゴマーが得られた。
ブレンド調合物の可塑化
SE1の生成物のブレンドを、種々の可塑剤を用いて製造した。
オリゴマーの安定化剤/可塑剤ブレンドを、1グラムのOS1と、2.5gの可塑剤とを(可塑剤の存在下で、ポリマーの溶融温度より上の)100℃で混合させて製造した。
ブレンド番号 構造化剤 可塑剤
ブレンド1 OS1 PL1
ブレンド2 OS1 PL2
ブレンド3 OS1 PL3
ブレンド4 OS1 PL4
構造化された逆エマルジョン
ブレンド1〜4をポリマーエマルジョンIPE1中に混合させることによって、構造化されたポリマーエマルジョンを製造した。
均質の混合物(可塑剤+PT1)を、その後にPE中で目標とされた濃度のポリマーの成分を得るために、IPE1に加えた。
適用例
適用例1 ポリマーエマルジョンの試験。
可塑剤と混合したオリゴマーの安定化剤(OS1)、穏やかに攪拌して、周囲温度でIPE1に加え、生じた構造化された逆エマルジョンの粘度を測定した、上記の様に逆エマルジョンを水中に反転させ、そして反転したエマルジョンの粘度を測定した。これらの反転試験の結果を下記表1に示す。
表1
Figure 2011522952
表1中のこれらのデータは、逆ポリマーエマルジョンの反転の容易さおよび効率が構造化剤ポリマーブレンドの存在により、不利な影響を受けていないことを示す。
適用例2
安定化させた逆ポリマーエマルジョンの安定性を上記のエージング試験を使用して試験し、そして結果を下の表2に示す。
表2
Figure 2011522952
これらのデータは、構造化された逆ポリマーエマルジョンのエージングによる上部油層と下部沈殿層との分離が著しく減少したことを示す。

Claims (17)

  1. 水溶性ポリマーの水溶液を含む不連続な内部相と、
    連続な外部相であって、油を含み、そして安定化剤としてウレタンおよび/または尿素結合を含むオリゴマーおよびダイマーおよび/またはトリマー成分の残分を含む、安定化させた油系を含む連続な外部相と、
    を含む逆エマルジョン。
  2. 該オリゴマーの安定化剤が、式(I):
    −(X)−(D)−(X)CO−NH−R− (I)
    (式中、−(D)−は、脂肪酸ダイマーの残基であるかまたは脂肪酸ダイマーの残基を含む二官能基の残基であり;
    それぞれのXは、独立して、−O−または−NH−であり;そして、
    はC〜C60、特にC〜C44のヒドロカルビレン基である。)
    の単位を含むダイマー成分を含み、
    そして/または該オリゴマーの安定化剤が、式(III):
    −(X’)−(T)−(X’)CO−NH−R10− (III)
    (式中、−(T)−は、脂肪酸トリマーの残基であるか、または脂肪酸トリマーの残基を含む三官能性の残基であり;
    それぞれのX’は、独立して、−O−または−NH−であり;そして、
    10は、独立して、Rで規定された基である。)
    の単位を含むトリマー成分を含む、請求項1に記載のエマルジョン。
  3. 該オリゴマーの繰り返し基が式(Ia):
    −(X)−(D)−(X)C(O)NH−R−NHC(O)− (Ia)
    (式中、D、Rおよびそれぞれの(X)は、独立して、式(I)で規定されたようである。)であるダイマー成分を該オリゴマーの安定化剤が含む、請求項2に記載のエマルジョン。
  4. 該オリゴマーが、式(Ib):
    −O−(D)−OC(O)NH−R−NHC(O)− (Ib)
    (式中、DおよびRは、独立して、式(I)で規定されたようである。)のウレタン繰り返し単位、
    および/または式(Ic):
    −NH−(D)−NHC(O)NH−R−NHC(O)− (Ic)
    (式中、DおよびRは、独立して、式(I)で規定されたようである。)の尿素繰り返し単位を含む、請求項3に記載のエマルジョン。
  5. トリマートリオールおよび/またはトリマートリアミン成分単位を含み、そして該対応する繰り返し単位が、式(IIIa):
    −(X’)−(T)(X11)−(X’)C(O)NH−R10−NHC(O)− (IIIa)
    (式中、T、R10およびそれぞれのX’は、独立して、式(III)で規定されたようであり;そして、
    11は、H、または(さらに通常)基−C(O)NH−R12、または基−C(O)NH−R13−NHC(O)−
    (式中、R12は、ヒドロカルビル基、特にC〜C60、さらに通常C〜C44の基、特にアルキル基であり;そして、
    13は、式(III)中のROで規定された基である。)であることができる、請求項2に記載のエマルジョン。
  6. 該オリゴマーが、式(IIIb):
    −O−(T)(OR11)−OC(O)NH−R10−NHC(O)− (IIIb)のウレタン繰り返し単位、
    または式(IIIc):
    −NH−(T)(OR11)−NHC(O)NH−RO−NHC(O)− (IIIc)
    (式中、T、ROおよびR11は、独立して、式(III)または(IIIa)で規定されたようである。)の尿素繰り返し単位を含む、請求項5に記載のエマルジョン。
  7. 該エマルジョン中のオリゴマーの安定化剤の量が、該連続な油相に基づいて、0.01wt%〜10wt%%、さらに通常0.05wt%〜8wt%,そして特に0.1wt%〜5wt%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  8. 該オリゴマーの安定化剤が、可塑剤と組み合わせて使用される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  9. 該可塑剤が、1種または2種以上のアルコキシル化脂肪アルコール、特にC〜C20.さらに特にC10〜C18の脂肪アルコール、1〜20、特に2〜15、特に3〜12のアルコキシレート、特にエトキシレート;アルコキシル化脂肪アミン、特にC〜C20、さらに特にC10〜C18の脂肪アミン、2〜30、特に5〜30、アルコキシレート、特にエトキシレート、アルコキシル化脂肪酸、特にC〜C20.さらに特にC10〜C18の脂肪酸、1〜20、特に2〜15、特に3〜12のアルコキシレート、特にエトキシレート;ソルビタン、ソルビトール、グリセロールおよび類似のポリオールの部分的なエステル;脂肪酸アミド、特にC〜C20、さらに特にC10〜C18の脂肪酸アミド界面活性剤、特にアルカノールアミド;アニオン性またはカチオン性界面活性剤、特にスルホサクシネート、ホスフェートエステルおよび/またはイミダゾリン界面活性剤等のカチオン性界面活性剤、または第四級脂肪アミンアルコキシレート、特にN−脂肪アルキル、N−低級アルキル、ジ(ポリアルキレンオキシ)第四級アミン、さらに特に該脂肪アルキル基がC〜C20、さらに特にC10〜C18の脂肪アルキルであり。該低級アルキル基がC〜Cの基、特にメチルまたはエチル基であり、そして該ポリアルキレンオキシ基が1〜20、特に2〜15のアルコキシレート、またはこれらの2種または3種以上の混合物である、請求項8に記載のエマルジョン。
  10. 使用される可塑剤の量が、該油相に基づいて、典型的には0.01〜15wt%、さらに通常0.05〜10wt%、特に0.1〜5wt%である、請求項9に記載のエマルジョン。
  11. 該油が1種または2種以上の炭化水素油および/または1種または2種以上のエステル油である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  12. 該炭化水素油が1種または2種以上のトルエン、キシレン、液体パラフィン、(イソ)−パラフィン系油および/または芳香族鉱物性油であり;そして該エステル油が、C〜C30の直鎖、分枝または不飽和の脂肪酸と、直鎖、分枝または不飽和の脂肪アルコールとの1種または2種以上のエステル;ジまたはトリカルボン酸と、一水酸基アルコールとのエステル;二価または多価アルコールとモノカルボン酸とのエステル;メチル化天然トリグリセリド油;および/または芳香族エステル油である、請求項11に記載のエマルジョン。
  13. 該内部相が、コモノマーとして、アリルアミン、ジメチルアミノメタクリル酸エチル、または他のエチレン性不飽和モノマーの1種または2種以上を含むアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマーおよびコポリマーの少なくとも1種の水溶液である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  14. 該水溶性ポリマーの濃度が、該内部相の20〜70wt%、特に30〜50wt%である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  15. 該内部相が、該全エマルジョンの30〜75体積%、特に50〜70体積%を形成する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  16. 油可溶性界面活性剤および/または油中水乳化剤および/または水溶性界面活性剤および/または油中水乳化剤の1種または2種以上をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のエマルジョン。
  17. 該逆エマルジョンが反転し、そして該水溶性ポリマーが該希釈水中で溶解または分散するように、請求項1〜16のいずれか一項に記載されたように逆エマルジョンを水中で希釈することを含む、水中での水溶性ポリマーの溶液の生成方法。
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