JP2011519951A - miRNAによる薬物治療の増強 - Google Patents

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Abstract

本発明は、HSP90阻害剤の存在下で、アポトーシス経路における遺伝子発現を調節することが可能なマイクロRNAのスクリーニングのための方法及び組成物を提供する。HSP90阻害剤に限定されない治療剤の活性を増強するためのmiRNAの使用も開示される。治療剤に限定されない治療への応答を予測するためのmiRNAの診断用途も開示される。これらの核酸のモジュレーターである小分子の、特定方法及び治療への応用も、本願に含まれる。
【選択図】なし

Description

発明の背景
悪性癌細胞の原因となるゲノムの異常を解明することにおいて、大幅な進歩がなされたが、現在利用可能な化学療法は不十分なままであり、癌と診断された患者の大多数の予後は悲惨なままである。従って、新たな治療、特に、他の剤及び治療と併せて、相乗的ではないとしても、よく効く新たな治療の開発を続ける必要がある。
熱ショックタンパク質(HSP)は、温度の上昇並びに、紫外光、栄養欠乏、及び酸素欠乏などの他の環境ストレスに応答して上方調節される、シャペロンタンパク質の一分類である。HSPは、他の細胞タンパク質(「クライアント」タンパク質と呼ばれる)へのシャペロンとして働き、それらの適切な折り畳み及びクライアントタンパク質の修復を手助けする。HSPのいくつかの公知のファミリーが存在し、それぞれ固有のクライアントタンパク質のセットを有する。HSP90ファミリーは、最も豊富に存在するHSPファミリーの1つであり、ストレス下にない細胞中のタンパク質の約1〜2%を占め、ストレス下にある細胞においては約4〜6%に増加する。HSP90の阻害は、ユビキチンプロテアソーム経路を介して、そのクライアントタンパク質の分解をもたらす。他のシャペロンタンパク質とは異なり、HSP90のクライアントタンパク質は、大部分がシグナル伝達に関わるタンパク質キナーゼ又は転写因子であり、多数のそのクライアントタンパク質が、癌の進行に関わることが示されている。従って、HSP90の阻害は、癌及び他の疾患の治療のための有望な手段である。
17−AAGは、HSP90(熱ショックタンパク質90)に結合し、その機能を改変する、アンサマイシン抗生物質である。具体的には、17−AAGは、高い親和性でHSP90内のATP結合ポケットへと結合し、立体構造の成熟のためにこのシャペロンを必要とするタンパク質の分解を誘導する。
ラパマイシンは、生体による、臓器及び骨髄移植の拒絶を防ぐために使用される薬物である。ラパマイシンは、細胞分裂にかかわるタンパク質を妨害し、外来性の組織及び臓器の生体の拒絶に関わる免疫系の特定のT細胞の増殖及び機能を阻害する抗生物質である。それは、免疫抑制剤の一種であり、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の一種である。ラパマイシンは、シロリムスとも呼ばれる。
白金ベースの化学療法剤(「白金剤」)としては、例えば、オキサリプラチン、シスプラチン及びカルボプラチンが挙げられる。白金剤に分類される薬物は、いくつかの異なる方法でDNAを架橋し、有糸分裂による細胞分裂を妨げる。損傷されたDNAは、DNA修復機構を誘発し、修復が不可能であると判明した場合にはそれはひいてはアポトーシスを活性化する。また、白金剤は、細胞タンパク質、特定のHMGドメインタンパク質とも反応し、有糸分裂を更に妨げると考えられている。
パクリタキセルは、癌化学療法において使用される有糸分裂阻害剤である。パクリタキセルは、再狭窄の予防のためにも使用される。ドセタキセルと共に、それはタキサンと呼ばれる薬物カテゴリーを形成する。タキサンは、細胞分裂中の正常な微小管の崩壊を妨げることにより働く。
注目すべきことに、HSP阻害剤、白金剤、及びタキサンは、異なる薬物分類のメンバーであり、大きく異なる作用機序を有する。
発明の概要
本発明は、癌、神経変性疾患、再狭窄又は増殖性細胞疾患を患う生物における治療剤の活性を増強する方法であって、別の治療剤の投与前、投与中又は投与後に治療上有効量のmiRNAを投与することを含む方法を提供する。好ましい実施形態において、本発明の方法及び組成物は、HSP90阻害剤17−AAGの活性を増強することを対象にする。
本発明に従う方法及び組成物としては、例えば、miRNAが1以上の以下のRNA配列を含むものが挙げられる:
miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU)(配列番号1)、
miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU)(配列番号2)、
miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC)(配列番号3)、
miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU)(配列番号4)、
miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU)(配列番号5)、
miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC)(配列番号6)、
miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU)(配列番号7)、
miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA)(配列番号8)、及び
miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU)(配列番号9)。
或いは、他の実施形態において、miRNAは、配列番号10〜35の1以上を含む。
特に、本発明は、miRNAが、miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU)(配列番号2)、miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU)(配列番号4)、それらの相補体及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、且つ治療剤が、17−AAG、オキサリプラチン又はそれらの組み合わせである、方法及び組成物を提供する。
また、本発明は、miRNAが、
miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC)(配列番号6)、
miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU)(配列番号7)、
miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA)(配列番号8)、
miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU)(配列番号9)、それらの相補体及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、且つ治療剤がパクリタキセルである、方法及び組成物を提供する。
従って、本発明は、HSP90阻害剤、微小管阻害剤又は有糸分裂阻害剤を用いる治療への応答を予測する方法であって、以下を含む方法を提供する:(a)病変組織の生体試料を提供する工程;(b)病変組織の生体試料におけるRNAのレベルを測定する工程であって、測定されるRNAが以下を含む工程:
miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU)(配列番号1)、
miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU)(配列番号2)、
miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC)(配列番号3)、
miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU)(配列番号4)、
miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU)(配列番号5)、
miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC)(配列番号6)、
miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU)(配列番号7)、
miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA)(配列番号8)、
miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU)(配列番号9)、;
(ii)(i)に相補的なRNA;及び
(iii)(i)又は(ii)の21連続するヌクレオチドと少なくとも約81%同一の配列を有するRNA;(c)病変組織における(b)からのRNAのレベルを、対照における同じRNAのレベルと比較する工程であって、対照よりも高い核酸のレベルが治療への応答を示し、対照のものよりも低い核酸のレベルが治療への非応答を示す工程。或いは、他の実施形態において、miRNAは、配列番号10〜35の1以上を含む。
本発明は、レポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントを有するベクターを含む単離された核酸であって、前記レポーター遺伝子が標的遺伝子(その発現レベルが、そのレベルを増加させるか又は減少させるかのいずれかで調節される)の3’非翻訳領域の全部又は一部の上流にあり、真核細胞への単離された核酸のトランスフェクションにより、トランスフェクトされた細胞が3’非翻訳領域の上流のレポーターをコードするmRNAを発現する、単離された核酸を提供する。注目すべきことに、本発明に従って提供される外因性miRNAは、阻害的内因性miRNAとも相互作用し得、標的遺伝子の発現を増加させ得る。
本発明に従う単離された核酸としては、例えば、ベクターが、プラスミド、コスミド、ファージミド、ウイルス、及び人工染色体からなる群から選択されるものが挙げられる。本発明に従う単離された核酸としては、例えば、1以上のin vivo発現制御エレメントが、プロモーター、エンハンサー、RNAスプライシングシグナル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられる。
好ましい実施形態において、レポーター遺伝子はルシフェラーゼタンパク質をコードし、標的遺伝子はCD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4又はPKCガンマであり、3’非翻訳領域は、CD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4又はPKCガンマ由来である。
本発明は、以下の工程を含む、標的遺伝子の発現モジュレーターを特定する方法を更に提供する:
(a)標的遺伝子の3’非翻訳領域の全部又は一部の上流にクローン化されているレポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントを含む単離された核酸を用いて真核細胞をトランスフェクトする工程であって、in vivo発現制御エレメントが標的遺伝子の3’非翻訳領域の上流のレポーターをコードするmRNAの産生をもたらす工程、及び
(b)前記レポーター遺伝子に作動可能に連結された前記1以上のin vivo発現制御エレメントを含む単離された核酸を用いて他の真核細胞をトランスフェクトする工程であって、発現制御エレメントがレポーター分子をコードするmRNAの転写をもたらす工程、
(c)(a)及び(b)からのトランスフェクトされた細胞を、候補発現モジュレーターと接触及び偽接触させる工程、並びに
(d)(a)及び(b)からのトランスフェクトされた細胞を候補発現モジュレーターと接触させる場合及び接触させない場合の、該トランスフェクトされた細胞におけるレポーター遺伝子活性を比較する工程。
特許請求の範囲に記載の方法の実施形態は、方法が、(d)において比較されるデータの標準化のための第二のレポーターを発現する第二のレポートコンストラクトを用いた、(a)及び(b)における細胞のコトランスフェクションを更に含む場合を含む。本発明の好ましい実施形態において、標的遺伝子は、CD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4、又はPKCガンマである。該方法は、レポーター発現コンストラクト中のCD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4、又はPKCガンマの3’非翻訳配列を変異させる工程、前記変異させたレポーター発現コンストラクトを真核細胞にトランスフェクトする工程、及びトランスフェクトされた細胞を候補発現モジュレーターと接触させる場合及び接触させない場合の、変異させた及び変異させていないレポーター発現コンストラクトの発現からもたらされるレポーター遺伝子活性を比較する工程も提供する。
従って、本発明は、以下を含む、標的遺伝子発現モジュレーターの特定用キットを提供する:
(a)標的遺伝子の3’非翻訳領域の全部又は一部の上流にクローン化されている第一のレポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントの第一のセットを有する第一の単離された核酸であって、真核細胞への前記第一の単離された核酸のトランスフェクションにより、in vivo発現制御エレメントの第一のセットが標的遺伝子(例えば、CD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4又はPKCガンマなど)の3’非翻訳領域の上流の第一のレポーターをコードするmRNAの産生をもたらす単離された核酸;
(b)前記第一のレポーター遺伝子に作動可能に連結された前記(a)からのin vivo発現制御エレメントのセットを含む第二の単離された核酸であって、真核細胞への前記第二の単離された核酸のトランスフェクションにより、in vivo発現制御エレメントが前記第一のレポーター分子をコードするmRNAの転写をもたらす単離された核酸;及び
(c)第二のレポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントの第二のセットを含む第三の単離された核酸であって、真核細胞への単離された核酸のトランスフェクションにより、前記in vivo発現制御エレメントの第二のセットが前記第二のレポーターの発現をもたらす単離された核酸。
更に別の実施形態において、本発明は、miRNAを含む単離された核酸であって、miRNAが哺乳動物細胞に投与され、次いで該哺乳動物細胞が治療剤にさらされるか又は接触させられる場合に、該哺乳動物細胞が、Apo−ONE(登録商標)ホモジニアスカスパーゼ−3/7アッセイ(Promega、Madison、WI)又はアポトーシスの定量のための他の適切なアッセイにおいて、少なくとも約200、好ましくは少なくとも約225、より好ましくは少なくとも約250、最も好ましくは少なくとも約275の485/538nm比を生じさせる、単離された核酸を提供する。従って、本発明は、miRNAを含む転写産物を発現することが可能な単離された核酸であって、miRNAが哺乳動物細胞において発現し、次いで該哺乳動物細胞が治療剤にさらされるか又は接触する場合に、該哺乳動物細胞が、Apo−ONE(登録商標)ホモジニアスカスパーゼ−3/7アッセイ(Promega、Madison、WI)又はアポトーシスの定量のための他の適切なアッセイにおいて、少なくとも約200、好ましくは少なくとも約225、より好ましくは少なくとも約250、最も好ましくは少なくとも約275の485/538nm比を生じさせる、単離された核酸も提供する。本発明の本態様に従う使用に適した治療剤としては、例えば、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル及びそれらの組み合わせが挙げられる。
更に、本発明は、癌、神経変性疾患、再狭窄又は増殖性細胞疾患を患う生物における治療剤の活性を増強する方法であって、別の治療剤の投与前、投与中又は投与後に治療上有効量のmiRNAを投与することを含む方法を提供する。好ましい実施形態において、本発明の方法及び組成物は、ラパマイシンの活性を増強することを対象にする。このような実施形態において、本発明は、ラパマイシンの活性を増強する方法、強化する方法又は増加させる方法であって、以下の配列の1以上を含むmiRNAの発現を含む方法を提供する:
CCAGUAUUAACUGUGCUGCUGA(配列番号36)、
AAGUGUGCAGGGCACUGGU(配列番号37)、及び
AAGGAGCUUACAAUCUAGCUGGG(配列番号38)並びにそれらの組み合わせ。
図1は、HSP90阻害剤17−AAGのアポトーシス活性についての用量反応曲線を示す。 図2は、17−AAGによるHSP90の阻害の後の、Her2の下方調節についての用量反応曲線を示す。 図3は、HSP90阻害剤17−AAGを用いた治療の後の、Her2の内在化(internalizalization)及び分解を示す。 図4は、ベルケイドによる17−AAG誘導アポトーシス活性の阻害を示す。 図5は、1:800希釈の17−AAGと相乗的にアポトーシスを誘導するmiRNAの表形式の提示である。暗い背景、1:800及び1:3200における最も良い候補。明るい背景、1:800のみにおける候補。 図6は、1:3200希釈の17−AAGと相乗的にアポトーシスを誘導するmiRNAの表形式の提示である。暗い背景、1:800及び1:3200における最も良い候補。明るい背景、1:800のみにおける候補。 図7は、特定されたmiRNAによるアポトーシス誘導の17−AAG濃度依存性を示す。1E2、mir-145 (配列番号1);3F6、mir-454(配列番号2);4C6、mir-519(配列番号3);4D4-520c(配列番号4);4D5、mir-520d(配列番号5);17AAG、miRNA基準活性なし。 図8は、5つのmiRNAの関係及び配列アラインメントを示し、has-mir-145が異なるクラスに属することを示す。 図9は、アポトーシスの誘導のmiRNA濃度依存性を示す(17−AAG/miRNA)。A、治療剤あり;B、治療剤なし。 図10は、抗体マイクロアレイの結果を示す。 図11は、miRNAによるオキサリプラチン活性の増強を示す。 図12は、miRNAによるパクリタキセル活性の増強を示す。
発明の詳細な説明
I.定義
本明細書中で使用される場合、「投与」とは、治療剤(例、miRNA)が病変細胞に接触し、そして機能のために必要であれば病変細胞に入るような、該剤の生物への送達を言う。ベクターの場合、病変細胞におけるmiRNAの発現も、投与から生じるであろう。多くの投与方法が、当業者に公知である。
本明細書中で使用される場合、用語「治療剤の活性を増強する」は、治療剤の活性における顕著な変化を引き起こすことを意味する(例、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約33%、少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約10倍、少なくとも約100倍以上の変化)。増強は、用量を低減させる能力、副作用を軽減させる能力又は治療過程を短縮する能力により明らかになり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「核酸」は、複数のヌクレオチドを言う(即ち、リン酸基及び、置換ピリミジン(例、シトシン(C)、チミジン(T)又はウラシル(U))又は置換プリン(例、アデニン(A)又はグアニン(G))のいずれかである交換可能な有機塩基に連結された糖(例、リボース又はデオキシリボース)を含む分子)。該用語は、ポリヌクレオシド(即ち、リン酸のないポリヌクレオチド)及び任意の他の有機塩基を含むポリマーも含む。プリン及びピリミジンとしては、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、イノシン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、並びに、置換及び非置換芳香族部分の、他の天然に存在する及び天然に存在しない核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない。他のこのような修飾は当業者に周知である。従って、用語核酸は、塩基及び/又は糖等における、置換又は修飾を有する核酸も包含する。
本明細書中で使用される場合、用語「マイクロRNA」(又はmiRNA)は、任意の種類の干渉RNAを言い、内因性マイクロRNA及び人工マイクロRNAが挙げられるがこれらに限定されない。内因性マイクロRNAは、ゲノム中に天然に存在し、mRNAの生産的利用を調節することが可能な低分子RNAである。用語「人工」又は「合成」マイクロRNAは、内因性マイクロRNA以外の、mRNAの生産的利用を調節することが可能な、任意の種類のRNA配列を含む。
本明細書中で使用される場合、「マイクロRNA隣接配列」とは、マイクロRNAプロセシングエレメントを含むヌクレオチド配列を言う。マイクロRNAプロセシングエレメントは、前駆体マイクロRNAからの成熟マイクロRNAの産生に貢献する最小の核酸配列である。pri−miRNAと呼ばれる前駆体miRNAは、核において、約15〜70ヌクレオチドのpre−miRNAへとプロセシングされ、それは不完全なステムループ構造へと折り畳まれる。
マイクロRNA隣接配列は、天然のマイクロRNA隣接配列又は人工マイクロRNA隣接配列であり得る。天然のマイクロRNA隣接配列は、通常、天然に存在する系においてマイクロRNA配列に付随するヌクレオチド配列であり、即ち、これらの配列は、in vivoの最小のマイクロRNAヘアピンを取り囲むゲノム配列内に見出される。人工マイクロRNA隣接配列は、天然に存在する系においてマイクロRNA配列に隣接することが見出されないヌクレオチド配列である。人工マイクロRNA隣接配列は、他のマイクロRNA配列との関連の中で天然に見出される隣接配列であり得る。あるいは、それらは天然に存在する隣接配列内に見出され、隣接配列として天然に存在しないか又は天然の隣接配列として部分的にのみ存在する他のランダムな核酸配列へと挿入される、最小のマイクロRNAプロセシングエレメントから構成され得る。
前駆体マイクロRNA分子内のマイクロRNA隣接配列は、マイクロRNA配列を包含するステムループ構造の片側又は両側に隣接し得る。好ましい構造は、ステムループ構造の両端に隣接配列を有する。隣接配列は、ステムループ構造の一端若しくは両端に直接隣接し得るか、又はリンカー(付加的なヌクレオチド又は他の分子)を介してステムループ構造に結合され得る。
本明細書中で使用される場合、「ステムループ構造」とは、主に一本鎖のヌクレオチドの領域(ループ部分)により片側が連結されている、二本鎖を形成することが知られているか又は予測されているヌクレオチドの領域(ステム部分)を含む二次構造を有する核酸を言う。用語「ヘアピン」及び「折り返し」構造も、ステムループ構造を言うために本明細書中で使用される。このような構造及び用語は、当分野において周知である。ステムループ構造内のヌクレオチドの実際の一次配列は、二次構造が存在する限り、重要ではない。当分野において知られているように、二次構造は、正確な塩基対合を必要としない。従って、ステムは、1以上の塩基のミスマッチを含み得る。あるいは、塩基対合は、ミスマッチを全く含まなくてもよい。
単離されたDNAは、3’及び/又は5’隣接領域を有する又は有さない化学合成DNA、cDNA又はゲノムDNAを意味すると理解される。miRNAをコードするDNAは、a)mRNAを含む細胞からcDNAライブラリーを取得すること、b)相同配列を含むcDNAライブラリー中のクローンを検出するために、miRNA又はその断片(通常、100bpより大きい)をコードする標識DNAを用いてハイブリダイゼーション分析を行なうこと、そしてc)全長クローンを特定するために、制限酵素分析及び核酸配列決定によりクローンを分析すること、により、他のソースから取得され得る。
本明細書中で使用される場合、核酸及び/又は核酸配列は、それらが共通の先祖核酸又は核酸配列から自然に又は人工的に派生した場合、相同である。相同性は、一般に、2以上の核酸若しくはタンパク質(又はそれらの配列)の間の配列同一性から推測される。本明細書中で使用される場合、2つの核酸及び/又は核酸配列(miRNAを含む)は、それらが2つの配列中のそれぞれの対応する位置において同じヌクレオチドを有する場合、「同一」であり、ここでこの分析の目的のために、ウラシル及びチミジンは同等に扱われる。2つの配列は、国立生物工学情報センターを通じて公的に入手可能なbl2seq(Tatiana A. Tatusova, Thomas L. Madden (1999), "Blast 2 sequences - a new tool for comparing protein and nucleotide sequences", FEMS Microbiol Lett. 174:247-250)などの適切なアルゴリズムにより配列が整列された場合に、それらが共有する同一のヌクレオチドの数に基づいたパーセント同一性を有する。2つの配列は、それらが全てのヌクレオチドにおいて塩基対合できる場合、「相補的」である。パーセント相補性は、配列が塩基対合のために整列された場合に他方の配列と塩基対合できる、各鎖中のヌクレオチドのパーセントに基づく。
本明細書中で使用される場合、「治療剤」は、任意の適切な先行技術の薬物又は、哺乳動物の疾患又は状態を治療するために使用される他の治療を言う。例えば、パーキンソン病のための、アジレクト(azilect)、L−ドパ/カルビドパ、ミラペックス(mirapex)又はトリヘキシフェニジル。
「単離された核酸」により、その天然の状態から取り出され、且つクローニングのために適切に純粋であることが意図される。
II.一般原則
A.熱ショックタンパク質90(HSP90)
HSP90は、正常な真核細胞の生存のために必要であることが、突然変異分析により示されている。また、HSP90は多くの腫瘍型において過剰発現しており、それが癌細胞の生存において重要な役割を果たし得ること、及び癌細胞が正常細胞よりもHSP90の阻害により感受性であり得ることを示している。例えば、癌細胞は、典型的には、多数の変異し且つ過剰発現した癌タンパク質(折り畳みについてHSP90に依存性である)を有する。癌の進行に関係しているとされてきたHSP90クライアントタンパク質の例としては、Her−2、c−Kit、c−Met、Aktキナーゼ、Cdk4/サイクリンD複合体、Raf−1 v−src、BCR−ABL融合タンパク質、ステロイドホルモン受容体、p53及びHif−1が挙げられる。また、腫瘍の環境は、低酸素状態、栄養欠乏、アシドーシスなどに起因して典型的には厳しいことから、腫瘍細胞は、生存についてHSP90に特に依存性であり得る。
従って、HSP90の阻害は、新しい癌治療の開発に有望である。HSP90の阻害は、多数の癌タンパク質、並びにホルモン受容体及び転写因子の、同時阻害を引き起こし、そのことがそれを抗癌剤のための魅力的な標的にしている。
HSP90阻害剤は、他の疾患の治療において有用性があり得る。例えば、HSP阻害剤、−17AAGは、ポリグルタミン(polyQ)の伸長したアンドロゲン受容体(AR)(神経変性疾患球脊髄性筋萎縮症における病原性遺伝子産物である)の分解を引き起こす(Waza M et al., 2006, Alleviating neurodegeneration by an anticancer agent. Annals of the New York Academy of Sciences 1086: 21-34)。
B.マイクロRNA
マイクロRNA(「miRNA」と言う)は、低分子非コードRNAであり、標的メッセンジャーRNA(mRNA)転写産物上の相補的部位に結合することにより遺伝子発現を制御する、植物及び動物において見出される制御分子のクラスに属す。miRNAは、大きなRNA前駆体(pri−miRNAと呼ばれる)から生み出され、該前駆体は核内でおよそ70ヌクレオチドのpre−miRNAへとプロセシングされ、折り畳まれて不完全なステムループ構造となる(Lee, Y., et al., Nature (2003) 425(6956):415-9)。pre−miRNAは、細胞質内で更なるプロセシング工程を経、ここで18〜25ヌクレオチド長の成熟miRNAが、RNase III酵素、Dicerによりpre−miRNAヘアピンの片側から切り出される(Hutvagner, G., et al., Science (2001) 12:12及びGrishok, A., et al., Cell (2001) 106(1):23-34)。miRNAは、2つの方法で、遺伝子発現を制御することが示されている。第一に、miRNAに正確に相補的なタンパク質コードmRNA配列に結合する該miRNAは、RNA干渉(RNAi)経路を誘導する。メッセンジャーRNA標的は、RISC複合体中のリボヌクレアーゼにより切断される。このmiRNAにより仲介される遺伝子サイレンシングのメカニズムは、植物において頻繁に観察されているが(Hamilton, A. J. and D. C. Baulcombe, Science (1999) 286(5441):950-2及びReinhart, B. J., et al., MicroRNAs in plants. Genes and Dev. (2002) 16:1616-1626)、動物からの一例が知られている(Yekta, S., I. H. Shih, and D. P. Bartel, Science (2004) 304(5670):594-6)。第二のメカニズムにおいて、メッセンジャーRNA転写産物上の不完全な相補的部位に結合するmiRNAは、遺伝子制御を転写後レベルにおいて指揮するが、それらのmRNA標的を切断しない。植物及び動物の両方において同定されたmiRNAは、このメカニズムを使用し、それらの遺伝子標的の翻訳制御を発揮する(Bartel, D. P., Cell (2004) 116(2):281-97)。
従って、本発明は、併用療法において、一般に任意の治療剤の治療活性を増強するための、天然に存在する核酸を提供することを目的とする。本明細書中、HSP90阻害剤を用いて治療剤の活性を増強する方法が、該方法を実証するために示される。活性増強に適した他の治療剤としては、例えば、オキサリプラチン及びパクリタキセルが挙げられる。
本発明は更に、HSP90異常調節に依存性の、又はHSP90異常調節により引き起こされる、癌又は増殖性疾患の1以上の症状の治療又は予防のための、天然に存在する核酸を提供することを目的とする。
本発明は更に、miRNAとの併用療法、又はHSP90阻害剤などの治療剤を用いる単独療法のいずれかとして、治療への応答についての診断として、miRNAの検出を使用することを目的とする。
これら及び他の目的を達成するために、本発明は、癌、神経変性疾患、再狭窄又は増殖性細胞疾患を患う生物における治療剤(HSP阻害剤17−AAGなど)の活性を増強するための方法及び組成物であって、該治療剤の投与前、投与中又は投与後に有効量のmiRNAを投与することを含む方法及び組成物を提供する。
従って、本発明は、合成であるか、又は単離された核酸によりコードされるかのいずれかであり得るmiRNAを提供する。本発明に従うmiRNAとしては、例えば、pri−miRNA、pre−miRNA、成熟miRNA、ds miRNA及びそれらの断片又は変異体が挙げられる。miRNAは、化学修飾されたRNAであり得、例えば、それは、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート、2’−O−メチル、2’−フルオロ、末端逆方向dT塩基、PEG、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化学的部分で修飾され得る。miRNAは、本発明に従い、裸のRNA(即ち、生理食塩水若しくはD5)として、又は陽イオン性リポソーム、中性リポソーム、ポリマーベースのナノ粒子、コレステロール結合体、シクロデキストラン複合体、ポリエチレンイミンポリマー又はタンパク質複合体中で、投与され得る。miRNAは、本発明に従い、病変組織に直接投与、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、経鼻投与、腹腔内投与、経膣投与、肛門投与、経口投与、眼内投与又は髄腔内投与され得る。例えば、Fougerolles、Human Gene Therapy (2008) 19:125-132;Behlke、Molecular Therapy (2006) 13(4): 644-670を参照されたい。
本発明は、癌、神経変性疾患、再狭窄又は増殖性細胞疾患を患う生物において治療剤の活性を増強するためのmiRNAを含む方法及び治療組成物であって、該治療剤の投与前(例えば、約8時間、約12時間、約1日、約2日、約3日、約1週間、約2週間、約1ヶ月又はそれよりも前を含む)、投与中(例えば、同時に、約10分で、約30分のうちに、約1時間のうちに、約2時間のうちに、約8時間のうちに、約12時間のうちに、約1日のうちに、を含む)又は投与後(例えば、約8時間、約12時間、約1日、約2日、約3日、約1週間、約2週間、約1ヶ月又はそれより後を含む)の有効量のmiRNA、又は有効量のmiRNAを発現するベクターを含む方法及び治療組成物も提供する。
好ましい実施形態において、本発明は、以下のmiRNAのいずれかの配列を含むものを含む単離された核酸を提供する:
miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU) (配列番号1)、
miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、
miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC) (配列番号3)、
miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、
miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU) (配列番号5)、
miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC) (配列番号6)、
miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU) (配列番号7)、
miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA ) (配列番号8)、
miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU) (配列番号9)、それらの相補体、又はそれらの18連続するヌクレオチドと少なくとも81%同一、好ましくは少なくとも95%同一の配列。或いは、他の実施形態において、miRNAは、配列番号10〜35の1以上を含む。
miRNAに相補的な、核酸又はペプチド核酸を含むプローブも提供される。該プローブを含む組成物も提供される。該プローブを含むバイオチップも提供される。
本発明は、生体試料が核酸(測定され得る)のレベルについてアッセイされ得ることも更に提供する。核酸は、miRNA:miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU)(配列番号1)、miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU)(配列番号2)、miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC)(配列番号3)、miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU)(配列番号4)、miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU)(配列番号5)のいずれかの配列を含み得る。核酸は、記載されたmiRNAのいずれかの約18連続するヌクレオチドと少なくとも約81%同一、好ましくは少なくとも95%同一の配列も含み得る。対照のものよりも高い核酸のレベルは、治療への応答を示し得、対照のものよりも低い核酸のレベルは、治療への非応答を示し得る−この例において、17−AAGなどのHSP90阻害剤、オキサリプラチン又はそれらの組み合わせである。
本発明は、核酸のレベルが測定され得る生体試料が提供され得ることも、更に提供する。核酸は、miRNA:miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC)(配列番号6)、miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU)(配列番号7)、miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA)(配列番号8)、miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU)(配列番号9)のいずれかの配列を含み得る。核酸は、記載されたmiRNAのいずれかの約18連続するヌクレオチドと少なくとも約81%同一、好ましくは少なくとも95%同一の配列も含み得る。対照のものよりも高い核酸のレベルは、治療への応答を示し得、対照のものよりも低い核酸のレベルは、治療への非応答を示し得る−例えば、パクリタキセルについてのmiR-425-3p(配列番号6)、miR-495(配列番号7)、miR-572(配列番号8)、及びmiR-661(配列番号9)の配列について。
本発明は、癌関連miRNAの発現を調節する化合物を特定する方法も提供する:(a)請求項1に記載の核酸を発現することが可能な細胞を提供する工程;(b)該細胞を候補モジュレーターと接触させる工程;及び(c)核酸の発現のレベルを測定する工程であって、核酸のレベルにおける対照と比較した差異が、該化合物をmiRNAの発現のモジュレーターとして特定する工程。
III.組成物
HSP90阻害剤17−AAGの活性は、一連のmiRNAにより増強されることが示された。従って、これらの特定のマイクロRNAを上方調節すること、又は類似した医薬化合物を外因的に提供することは、一般に特定の及び任意の治療剤中のHSP90阻害剤の増強に有効であろう。
好ましい実施形態において、miRNA製剤は、HSP90発現が異常調節された癌を有する個体に投与される。
A.核酸配列及び変異体
本発明の特に好ましい実施形態は、以下の群のmiRNAをHSP90阻害剤のエンハンサーとして含む:miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU)(配列番号1)、miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU)(配列番号2)、miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC)(配列番号3)、miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU)(配列番号4)、miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU)(配列番号5)。
miRNAの配列変異体は、3つのクラスの1以上に分類される:置換、挿入又は欠失変異体。挿入としては、1又は複数の残基(少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも30、及び少なくとも50ヌクレオチドを含む)の5’及び/又は3’末端融合並びに配列内挿入が挙げられる。挿入は、成熟配列内にも導入され得る。しかしながら、これらは、通常、5’又は3’末端におけるものよりも、約1から4残基小さい挿入である。
miRNAの挿入配列変異体は、1以上の残基が標的miRNA中の所定の部位へと導入される変異体である。最も一般的な挿入変異体は、miRNAの5’又は3’末端における核酸の融合である。
欠失変異体は、miRNA配列からの1以上の残基の除去により特徴付けられる。これらの変異体は通常、miRNAをコードするDNA中のヌクレオチドの部位特異的変異導入により変異体をコードするDNAを製造すること、及びその後組換え細胞培養物においてそのDNAを発現させることにより、調製される。しかしながら、変異体miRNA断片は、in vitro合成によって都合よく調製され得る。変異体は、典型的には、天然に存在するアナログと同じ質的な生物活性を示すが、変異体は、miRNAの特徴を修飾するためにも選択される。
置換変異体は、例えば少なくとも1〜少なくとも3ヌクレオチドの配列が除去され、その場所に異なるヌクレオチドが挿入されている変異体である。配列変異を導入する部位は予め定められるが、変異自体は予め定められる必要はない。例えば、所定の部位における変異の性能を最適化するために、ランダム変異導入を標的領域において行い、発現されたmiRNA変異体を、所望の活性の最適な組み合わせについてスクリーニングしてもよい。公知の配列を有するDNA中の所定の部位において置換変異を生じさせる技術は、周知である。
ヌクレオチド置換は、典型的には1つの残基である;挿入は、通常約1から10残基である;そして欠失は、約1から30残基の範囲である。欠失又は挿入は、好ましくは、隣接する対で行なわれる;即ち、2残基の欠失又は2残基の挿入。最終のコンストラクトに到達するために、置換、欠失、挿入又はそれらの任意の組み合わせが組み合わせられてもよい。miRNAの活性を増加させる、その生物学的安定性又は半減期を増加させる、などのために、変更がなされてもよい。このようなmiRNAをコードするヌクレオチド配列への全てのこのような改変が包含される。
相同性を定めるのに有用な配列間の同一性の正確なパーセンテージは、問題の核酸及びタンパク質によって異なるが、わずか25%の配列同一性が相同性を定めるために通常使用される。より高いレベルの配列同一性、例えば、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%若しくは99%又はそれ以上も、相同性を定めるために使用され得る。配列類似性パーセンテージを決定するための方法(例、デフォルトパラメーターを使用するBLASTN)が一般的に利用可能である。BLAST分析を行なうためのソフトウェアは、国立生物工学情報センターを通じて公的に入手可能である。
B.HSP90阻害剤の治療可能性を増強するmiRNA
ヒト癌遺伝子を制御する天然に存在するマイクロRNA、pri−miRNA、pre−miRNA、成熟miRNA又は、成熟miRNAの生物活性を保持するそれらの変異体の断片及び、pri−miRNA、pre−miRNA、成熟miRNA、それらの断片若しくは変異体又はmiRNAの調節エレメントをコードするDNAが同定されている。miRNAの大きさは、典型的には約18ヌクレオチドから約170ヌクレオチドであるが、約2000ヌクレオチドまでのヌクレオチドが利用され得る。好ましい実施形態において、pre−miRNAの大きさの範囲は、約70から約170ヌクレオチド長であり、成熟miRNAは、21から25ヌクレオチド長である。
成熟一本鎖miRNAのRISC複合体への組み込みを可能にする、ds−miRNA及び修飾ds−miRNAなどの合成miRNAも使用され得る。ds−miRNAの大きさは、10〜70ヌクレオチド長の範囲である。
miRNAは、HSP90阻害剤−17−AAGのアポトーシス活性を増強することが示されているmiRNAの群から選択される。これらは、以下の群のmiRNA、miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU)(配列番号1)、miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU)(配列番号2)、miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC)(配列番号3)、miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU)(配列番号4)、miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU)(配列番号5)、をHSP90阻害剤又は有糸分裂阻害剤のエンハンサーとして含む。
C.核酸技術
分子生物学的技術を記載する一般的教科書としては、Sambrook, Molecular Cloning: a Laboratory Manual (2nd ed.), Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, (1989);Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, ed. John Wiley & Sons, Inc., New York (1997);Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization With Nucleic Acid Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, P. Tijssen, ed. Elsevier, N.Y. (1993);Berger and Kimmel, Guide to Molecular Cloning Techniques Methods in Enzymology volume 152 Academic Press, Inc., San Diego, Califが挙げられる。これらの教科書は、変異導入、ベクターの使用、プロモーター並びに、例えばlet-7又は任意の他のmiRNA活性をコードする遺伝子の作製及び発現に関する、多くの他の関連する題目を記載する。核酸、遺伝子の単離、精製及び操作のための技術(例えばライブラリーの作製、発現ベクターへのサブクローニング、プローブの標識、及びDNAハイブリダイゼーションなど)も、上記教科書に記載されており、当業者に周知である。
miRNA、DNA、cDNA、若しくはゲノムDNA、又はそれらの変異体のいずれであれ、核酸は、種々のソースから単離され得、又はin vitroで合成され得る。本明細書中に記載される核酸は、形質転換細胞ライセート中で、又は部分精製された若しくは実質的に純粋な形態で、ヒト、トランスジェニック動物、形質転換細胞に投与され得、又はそこで発現し得る。
核酸は、当業者に周知の多数の一般的手段のいずれかに従って検出及び定量される。これらは、例えば、分析的生化学的方法(例えば分光光度法、ラジオグラフィー、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、及び高拡散(hyperdiffusion)クロマトグラフィーなど)、種々の免疫学的方法(例えば流体沈降反応又はゲル内沈降反応、免疫拡散(単純又は二重)、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着測定(ELISA)、免疫蛍光アッセイなど)、サザン解析、ノーザン解析、ドットブロット解析、ゲル電気泳動、RT−PCR、定量PCR、他の核酸又は標的又はシグナル増幅方法、放射性同位元素標識、シンチレーション測定、及びアフィニティークロマトグラフィーを含む。
種々の種類の変異導入が、例えばmiRNA活性を有する遺伝子をコードする核酸を改変するために使用され得る。それら変異導入としては、部位特異的変異導入、ランダム点変異導入、相同組換え(DNAシャフリング)、ウラシルを含む鋳型を使用する変異導入、オリゴヌクレオチド指定変異導入、ホスホロチオエート修飾DNA変異導入、及びギャップ(gapped)二本鎖DNAなどを使用する変異導入が挙げられるが、これらに限定されない。更なる好適な方法としては、点ミスマッチ修復、修復欠損宿主株を使用する変異導入、制限−選択(restriction-selection)及び制限−精製(restriction-purification)、欠失変異導入、全遺伝子合成による変異導入、二本鎖切断修復などが挙げられる。例えばキメラコンストラクトに関する変異導入も、本発明に含まれる。一実施形態において、変異導入は、天然に存在する分子又は改変された若しくは変異した天然に存在する分子の公知の情報(例、配列、配列比較、物理的特性、結晶構造など)によって導かれ得る。miRNAの活性を増加させる、その生物学的安定性又は半減期を増加させる、などのために、変更がなされてもよい。
比較ハイブリダイゼーションは、核酸の保存的変異を含む、let-7又は他のmiRNA活性を有する遺伝子をコードする核酸を同定するために、使用され得る。
核酸は、それらが、典型的には溶液中で会合する場合、「ハイブリダイズする」。核酸は、種々の十分に特徴付けられた物理化学的力(例えば水素結合、溶媒排除、塩基スタッキングなど)に起因して、ハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションの広範な指針は、Tijssen (1993) Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes part 1 chapter 2, "Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays," (Elsevier, N.Y.)、及びAusubel(上記)に見出される。Hames and Higgins (1995) Gene Probes 1 IRL Press at Oxford University Press, Oxford, England, (Hames and Higgins 1)及びHames and Higgins (1995) Gene Probes 2 IRL Press at Oxford University Press, Oxford, England (Hames and Higgins 2)は、オリゴヌクレオチドを含むDNA及びRNAの合成、標識、検出並びに定量の詳細を提供する。
ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸はそれでも、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であれば、実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが、遺伝子コードにより許容される最大のコドン縮重を使用して作り出される場合に起こる。
用語「ストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件」とは、核酸が、典型的には核酸の複合混合物中でその標的サブ配列とハイブリダイズするが、他の配列とはしない条件を言うことが意図されている。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、状況により異なる。より長い配列は、より高い温度において特異的にハイブリダイズする。一般的には、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度pHにおける特定の配列についての融点(thermal melting point)(T)よりも約5〜10℃低くなるように選択される。Tは、(規定のイオン強度、pH、及び核酸濃度(nucleic concentration)下で)標的に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度である(標的配列は過剰に存在するので、Tにおいては、プローブの50%が平衡状態において占有される)。ストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0から8.3において、約1.0M未満のナトリウムイオン、典型的には約0.01から1.0Mのナトリウムイオン濃度(又は他の塩)であり、温度が、短いプローブ(例えば、10から50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃、長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより長い)については少なくとも約60℃である条件である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加によっても達成され得る。選択的又は特異的ハイブリダイゼーションについて、陽性シグナルは少なくともバックグラウンドハイブリダイゼーションの2倍、好ましくはバックグラウンドハイブリダイゼーションの10倍である。典型的なストリンジェントなハイブリダイゼーションの条件は、以下のようであり得る:50%ホルムアミド、5倍SSC、及び1%SDS、42℃でインキュベーションするか、又は5倍SSC、1%SDS、65℃でインキュベートし、0.2×SSC及び0.1%SDS中65℃で洗浄する。
本明細書中に記載される方法における使用に適した核酸としては、pri−miRNA、pre−miRNA、ds miRNA、成熟miRNA又は、miRNAの生物活性を保持するそれらの変異体の断片及び、pri−miRNA、pre−miRNA、成熟miRNA、それらの断片若しくは変異体をコードするDNA、又はmiRNAの調節エレメントをコードするDNAが挙げられるが、これらに限定されない。また、DNA及びPNAは、塩基対合能力が維持される限り、RNAを置換し得る。
D.ベクター
一実施形態において、miRNA分子をコードする核酸は、ベクター上にある。これらのベクターは、成熟マイクロRNAコードする配列及びin vivo発現エレメントを含む。好ましい実施形態において、これらのベクターは、pre−miRNAが発現し、成熟miRNAへとin vivoでプロセシングされるように、pre−miRNAをコードする配列とin vivo発現エレメントとを含む。別の実施形態において、これらのベクターは、pre−miRNA遺伝子をコードする配列とin vivo発現エレメントとを含む。この実施形態において、一次転写産物は、まずステムループ前駆体miRNA分子を生成するようプロセシングされる。次いでステムループ前駆体は、成熟マイクロRNAを生成するようプロセシングされる。
ベクターとしては、プラスミド、コスミド、ファージミド、ウイルス、マイクロRNAの生成のための核酸配列の挿入又は組み込みにより操作されているウイルスソース又は細菌ソース由来の他のビヒクル、及びこれらの核酸配列に付加され得る遊離の核酸断片が挙げられるが、これらに限定されない。ウイルスベクター及びレトロウイルスベクターは、好ましい種類のベクターであり、以下のウイルス由来の核酸配列が挙げられるが、これらに限定されない:レトロウイルス(例えばモロニーマウス白血病ウイルス;マウス幹細胞ウイルス;ハーベイマウス肉腫ウイルス;マウス乳癌ウイルス;ラウス肉腫ウイルスなど);アデノウイルス;アデノ随伴ウイルス;SV40型ウイルス;ポリオーマウイルス;エプスタイン・バーウイルス;パピローマウイルス;ヘルペスウイルス;ワクシニアウイルス;ポリオウイルス;及びRNAウイルス(例えば任意のレトロウイルスなど)。当業者は、当分野において知られる他のベクターを容易に用いることができる。
ウイルスベクターは一般に、非必須遺伝子が目的の核酸配列で置換されている、非細胞変性の真核生物ウイルスに基づく。非細胞変性のウイルスとしては、レトロウイルスが挙げられ、そのライフサイクルは、ゲノムウイルスRNAのDNAへの逆転写と、その後の宿主細胞DNAへのプロウイルスの組み込みを伴う。レトロウイルスは、ヒト遺伝子治療試験に承認されている。遺伝子操作されたレトロウイルス発現ベクターは、in vivoにおける核酸の高効率の形質導入のために、一般的な有用性がある。複製欠損レトロウイルスの製造のための標準的プロトコール(プラスミドへの外因性遺伝物質の組み込み、プラスミドでのパッケージング細胞株(lined)の形質導入、パッケージング細胞株による組換えレトロウイルスの産生、組織培養培地からのウイルス粒子の回収、及びウイルス粒子での標的細胞の感染の工程を含む)は、Kriegler, M., "Gene Transfer and Expression, A Laboratory Manual," W.H. Freeman Co., New York (1990)及びMurry, E. J. Ed. "Methods in Molecular Biology," vol. 7, Humana Press, Inc., Cliffton, N.J. (1991)において提供される。
E.プロモーター及び他の転写/発現制御配列
「in vivo発現エレメント」は、プロモーター配列又はプロモーターとエンハンサーとの組み合わせなどの任意の調節ヌクレオチド配列であり、マイクロRNAを産生するために効率的な核酸の発現を促進する。in vivo発現エレメントは、例えば、構成的若しくは誘導性プロモーター又は組織特異的プロモーターなどの、哺乳動物プロモーター又はウイルスプロモーターであり得る。その例は、当業者に周知である。構成的哺乳動物プロモーターとしては、ポリメラーゼプロモーター及び以下の遺伝子のプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない:ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPTR)、アデノシンデアミナーゼ、ピルビン酸キナーゼ、及びβ−アクチン。真核細胞において構成的に機能する典型的なウイルスプロモーターとしては、シミアンウイルス、パピローマウイルス、アデノウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ラウス肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス由来のプロモーター、モロニー白血病ウイルス及び他のレトロウイルスの長い末端反復配列(LTR)、及び単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。他の構成的プロモーターは、当業者に公知である。誘導性プロモーターは、誘導剤の存在下で発現し、金属誘導性プロモーター及びステロイド制御の(steroid-regulated)プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、メタロチオネインプロモーターは、特定の金属イオンの存在下で、誘導され、転写を促進する。他の誘導性プロモーターは、当業者に公知である。
組織特異的プロモーターの例としては、クレアチンキナーゼのプロモーター(筋肉及び心臓組織において発現を指示するために使用されている)並びに、B細胞における発現のための免疫グロブリン重鎖又は軽鎖プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。他の組織特異的プロモーターとしては、ヒト平滑筋α−アクチンプロモーターが挙げられる。
肝臓についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、HMG−COAレダクターゼプロモーター、ステロール調節エレメント1、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーター、ヒトC反応性タンパク質(CRP)プロモーター、ヒトグルコキナーゼプロモーター、コレステロール7−αヒドロキシラーゼ(hydroylase)(CYP−7)プロモーター、β−ガラクトシダーゼα−2,6シアリルトランスフェラーゼプロモーター、インスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP−1)プロモーター、アルドラーゼBプロモーター、ヒトトランスフェリンプロモーター、及びI型コラーゲンプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
前立腺についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)プロモーター、94の前立腺分泌タンパク質(PSP 94)プロモーター、前立腺特異的抗原複合体プロモーター、及びヒト腺性カリクレイン遺伝子プロモーター(hgt−1)が挙げられるが、これらに限定されない。
胃組織についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、ヒトH+/K+−ATPaseαサブユニットプロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
膵臓についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、膵炎関連タンパク質プロモーター(PAP)、エラスターゼ1転写エンハンサー、膵臓特異的アミラーゼ及びエラスターゼエンハンサープロモーター、並びに膵臓コレステロールエステラーゼ遺伝子プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
子宮内膜についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、ウテログロビンプロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
副腎細胞についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、コレステロール側鎖切断(SCC)プロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
全般的神経系についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、γ−γエノラーゼ(ニューロン特異的エノラーゼ、NSE)プロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
脳についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、ニューロフィラメント重鎖(NF−H)プロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
リンパ球についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、ヒトCGL−1/グランザイムBプロモーター、末端デオキシトランスフェラーゼ(TdT)、λ5、VpreB、及びlck(リンパ球特異的チロシンタンパク質キナーゼp56lck)プロモーター、ヒトCD2プロモーター及びその3’転写エンハンサー、並びにヒトNK及びT細胞特異的活性化(NKG5)プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
結腸についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、pp60c−srcチロシンキナーゼプロモーター、器官特異的ネオ抗原(OSN)プロモーター、及び結腸特異的抗原−Pプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
乳房細胞についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、ヒトα−ラクトアルブミンプロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
肺についての典型的な組織特異的発現エレメントとしては、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子プロモーターが挙げられるが、これに限定されない。
目的の組織における発現の特異性を促進する他のエレメントとしては、分泌リーダー配列、エンハンサー、核局在化シグナル、エンドソーム溶解(endosmolytic)ペプチドなどが挙げられ得る。好ましくは、これらのエレメントは、目的の組織由来であり、特異性を促進する。
一般に、in vivo発現エレメントは、必要に応じて、転写の開始と関連する、5’非転写配列及び5’非翻訳配列を含む。それらは随意にエンハンサー配列又は上流活性化配列を含む。
F.miRNAの製造のための方法及び材料
miRNAは、当業者に周知の種々の技術により、細胞又は組織から単離され得、組換えにより製造され得、又はin vitroで合成され得る。
一実施形態において、miRNAは、細胞又は組織から単離される。細胞又は組織からmiRNAを単離するための技術は、当業者に周知である。例えば、miRNAは、Ambion, Inc.製のmirVana miRNA単離キットを使用して、全RNAから単離され得る。別の技術は、小さな核酸のPAGE精製のために、flashPAGE.TM. Fractionator System(Ambion, Inc.)を利用する。
miRNAは、その組換え型を調製することにより(即ち、遺伝子工学の技術を使用して、組換え核酸(その後当業者に周知の技術により単離又は精製される)を製造することにより)、取得され得る。この実施形態は、適切な培養培地中で宿主細胞の培養物を増殖させる工程、及びその細胞又はその細胞が増殖する培養物からmiRNAを精製する工程を含む。例えば、該方法は、miRNAをコードする核酸を含む適切な発現ベクターを含む宿主細胞が、コードされたmiRNAの発現を可能にする条件下で培養される、miRNAを製造するためのプロセスを含む。好ましい実施形態において、核酸はlet-7をコードする。miRNAは、培養物から、培養培地から、又は宿主細胞から調製されるライセートから、回収され得、そして更に精製され得る。宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高等真核宿主細胞、酵母細胞などの下等真核宿主細胞であり得、又は宿主細胞は、細菌細胞などの原核細胞であり得る。miRNAをコードする核酸を含むベクターの宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE、デキストラン媒介性トランスフェクション、又はエレクトロポーレーション(Davis, L. et al., Basic Methods in Molecular Biology (1986))により行なわれ得る。
任意の宿主/ベクター系が、1以上のmiRNAを発現させるために使用され得る。これらとしては、HeLa細胞及び酵母などの真核生物宿主、並びにE.coli及びB.subtilisなどの原核生物宿主が挙げられるが、これらに限定されない。miRNAは、miRNA遺伝子が適切なプロモーターの制御下にある、哺乳動物細胞、酵母、細菌、又は他の細胞において発現され得る。原核生物宿主及び真核生物宿主との使用のための適切なクローニングベクター及び発現ベクターは、Sambrook, et al., in Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)により記載される。好ましい実施形態において、miRNAは、哺乳動物細胞において発現される。哺乳動物発現系の例としては、C127、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト腎臓293細胞、ヒト上皮A431細胞、ヒトColo205細胞、3T3細胞、CV−1細胞、他の形質転換された霊長類細胞株、正常二倍体細胞、一次組織、初代外植片のin vitro培養由来の細胞株、HeLa細胞、マウスL細胞、BHK、HL−60、U937、HaK又はJurkat細胞が挙げられる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーター、ポリアデニル化部位、転写終結配列、及び5’隣接非転写配列を含む。SV40ウイルスゲノム由来のDNA配列(例えば、SV40オリジン、初期プロモーター、エンハンサー、スプライス部位、及びポリアデニル化部位)が使用され得、必要な非転写遺伝因子を提供する。好適である可能性のある酵母株としては、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces株、Candida、又はmiRNAを発現することが可能な任意の酵母株が挙げられる。好適である可能性のある細菌株としては、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、又はmiRNAを発現することが可能な任意の細菌株が挙げられる。
好ましい実施形態において、miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU)(配列番号1)、
miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU)(配列番号2)、
miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC)(配列番号3)、
miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU)(配列番号4)、
miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU)(配列番号5)、
miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC)(配列番号6)、
miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU)(配列番号7)、
miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA)(配列番号8)及び/又は
miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU)(配列番号9)からなる群から選択されるmiRNAをコードするゲノムDNAが単離され、該ゲノムDNAは哺乳動物発現系において発現され、RNAは、患者への投与のために、必要に応じて、精製及び修飾される。好ましい実施形態において、miRNAはpre−miRNAの形態であり、所望に応じて(即ち安定性の増加又は細胞への取り込みの増大のために)修飾され得る。
miRNAのDNA配列の知識は、内因性miRNAの発現を許容する又は増加させるための細胞の改変を可能にする。細胞は、天然に存在するプロモーターを全体的に又は部分的に、異種プロモーターの全体又は一部で置換することにより、miRNA発現の増加を提供するために、(例えば相同組換えにより)改変され得、その結果細胞はmiRNAをより高いレベルで発現する。異種プロモーターは、それが所望のmiRNAコード配列に作動可能に連結されるような様式で、挿入される。例えば、Transkaryotic Therapies, Inc.によるPCT国際公開番号WO 94/12650、Cell Genesys, Inc.によるPCT国際公開番号WO 92/20808、及びApplied Research SystemsによるPCT国際公開番号WO 91/09955を参照されたい。細胞はまた、誘導性調節エレメントの制御下で、miRNAを含む内因性遺伝子を発現するように操作され得、その場合内因性遺伝子の調節配列は、相同組換えにより置換され得る。遺伝子活性化技術は、Chappelへの米国特許第5,272,071号;Sherwinらへの米国特許第5,578,461号;SeldenらによるPCT/US92/09627(WO93/09222);及びSkoultchiらによるPCT/US90/06436(WO91/06667)に記載される。
miRNAは、miRNAを発現するのに適した培養条件下で、形質転換された宿主細胞を培養することにより調製され得る。次いで、結果として生じる発現したmiRNAは、ゲル濾過及びイオン交換クロマトグラフィーなどの公知の精製プロセスを使用して、このような培養物から(即ち、培養培地又は細胞抽出物から)精製され得る。miRNAの精製は、タンパク質に結合する薬剤を含むアフィニティーカラム;コンカナバリンA−アガロース、ヘパリン−トヨパールTM又はCibacrom blue 3GAセファロースTMなどのアフィニティー樹脂に対する1以上のカラム工程;フェニルエーテル、ブチルエーテル、又はプロピルエーテルなどの樹脂を使用する疎水性相互作用クロマトグラフィーを含む1以上の工程;イムノアフィニティークロマトグラフィー、又は相補的cDNAアフィニティークロマトグラフィーも含み得る。
miRNAは、トランスジェニック動物(miRNAをコードするヌクレオチド配列を含む体細胞又は生殖細胞によって特徴付けられる)の生成物としても発現され得る。miRNAをコードするDNA及び適切な調節エレメントを含むベクターは、miRNAを発現するように、相同組換えを使用して動物の生殖細胞系列へと挿入され得る(Capecchi, Science 244:1288-1292 (1989))。トランスジェニック動物、好ましくは非ヒト哺乳動物は、Robinsonらへの米国特許第5,489,743号、及びOntario Cancer InstituteによるPCT公開番号WO94/28122に記載される方法を使用して製造される。miRNAは、上記で論じたようなトランスジェニック動物から単離される細胞又は組織から単離され得る。
好ましい実施形態において、miRNAは、例えば、当業者に公知の任意の合成方法により核酸を化学的に合成することにより、合成的に取得され得る。次いで、合成されたmiRNAは、当業者に公知の任意の方法により精製され得る。核酸の化学合成のための方法としては、ホスホトリエステル、ホスフェート若しくはホスホラミダイト化学及び固相技術を使用するin vitro化学合成、又はデオキシヌクレオシド(deosynucleoside)H−ホスホネート中間体を介したin vitro化学合成が挙げられるが、これらに限定されない(Bhongleへの米国特許第5,705,629号を参照のこと)。
いくつかの状況において、例えば、増大したヌクレアーゼ安定性が望ましい場合、核酸アナログ及び/又は修飾されたヌクレオシド間結合を有する核酸が好まれ得る。修飾されたヌクレオシド間結合を含む核酸はまた、当業者に周知の試薬及び方法を使用して合成され得る。例えば、ホスホネートホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホラミデート(phosphoramidate)メトキシエチルホスホラミデート、ホルムアセタール、チオホルムアセタール、ジイソプロピルシリル、アセトアミデート(acetamidate)、カルバメート、ジメチレン−スルフィド(--CH2--S--CH2)、ジメチレン(diinethylene)−スルホキシド(--CH2--SO-CH2)、ジメチレン−スルホン(--CH2--SO2--CH2)、2’−O−アルキル、及び2’−デオキシ−2’−フルオロホスホロチオエートのヌクレオシド間結合を含む核酸を合成する方法が、当分野において周知である(Uhlmann et al., 1990, Chem. Rev. 90:543-584;Schneider et al., 1990, Tetrahedron Lett. 31:335及びそれらの中の引用文献を参照のこと)。Cookらへの米国特許第5,614,617号及び第5,223,618号、Acevedoらへの米国特許第5,714,606号、Cookらへの米国特許第5,378,825号、Buhrらへの米国特許第5,672,697号及び第5,466,786号、Cookらへの米国特許第5,777,092号、De Mesmaekerらへの米国特許第5,602,240号、Cookらへの米国特許第5,610,289号及びWangへの米国特許第5,858,988号も、ヌクレアーゼ安定性及び細胞への取り込みの促進のための核酸アナログを記載する。
IV.製剤
組成物は、癌/増殖性疾患の少なくとも1つの症状又は兆候(疾患は症状がなくても発症/進行し得るため)の治療又は予防を必要とする患者に投与される。癌遺伝子の異常な発現は、癌の顕著な特徴である。好ましい実施形態において、組成物は、hsp90阻害剤17−AAGの治療活性を増強するために有効量で投与される。
癌の少なくとも1つの症状若しくは兆候の治療又は予防のための方法も記載され、該方法は、少なくとも1つの症状を軽減するため、又は少なくとも1つの兆候を減少させるために、核酸分子を含む有効量の組成物を投与することからなる。好ましい実施形態において、癌は肺癌である。本明細書中に記載される組成物は、単独で又は補助的癌治療(例えば手術、化学療法、放射線治療、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法及びレーザー療法など)と組み合わせて、有効量で投与され得、薬効(例、腫瘍の大きさを減少させること、腫瘍の細胞増殖を減少させること、血管形成を阻害すること、転移を阻害すること、又は疾患の少なくとも1つの症状若しくは兆候を別な方法で改善すること)を提供し得る。
上記核酸は、好ましくは、適切な医薬担体と組み合わせて治療用途に用いられる。このような組成物は、有効量の化合物、及び医薬上許容される担体又は賦形剤を含む。製剤は、投与の様式に適合するよう作製される。医薬上許容される担体は、投与される特定の組成物により、及び組成物を投与するために使用される特定の方法により、部分的に決定される。従って、核酸を含む医薬組成物の、多種多様の適切な製剤(そのいくつかが本明細書中に記載される)が存在する。
in vivoで投与された核酸が取り込まれ、そして細胞及び組織に分布することは、当業者によって理解される(Huang, et al., FEBS Lett. 558(1-3):69-73 (2004))。例えば、Nyceらは、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)が、吸入されると、内因性界面活性剤(肺細胞により産生される脂質)に結合し、更なるキャリア脂質を必要とせずに肺細胞によって取り込まれることを示した(Nyce and Metzger, Nature, 385:721-725 (1997))。小さな核酸は、T24膀胱癌組織培養細胞へと容易に取り込まれる(Ma, et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 8:415-426 (1998))。siRNAは、全身投与による内因性遺伝子の治療的サイレンシングのために使用されている(Soutschek, et al., Nature 432, 173-178 (2004))。
上記核酸は、適切な医薬担体中で、局所的(topically)、局所的(locally)又は全身的な投与のための製剤中にあり得る。E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciences、第15版(Mark Publishing Company, 1975)は、典型的な担体及び調製方法を開示する。核酸はまた、生分解性若しくは非生分解性のポリマー又はタンパク質から形成される、適切な生体適合性マイクロカプセル、微粒子又はマイクロスフェア中に、或いは細胞へと標的化するためのリポソーム中に、封入され得る。このような系は、当業者に周知であり、適切な核酸と共に使用するために最適化され得る。
核酸送達のための種々の方法が、例えばSambrookら、1989、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York;及びAusubelら、1994、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New Yorkに記載される。このような核酸送達系は、例えば、「裸の」核酸として「裸の」形態(例、生理食塩水又はD5中)か、又は、陽イオン性分子若しくはリポソームを形成する脂質との複合体中などの送達に適したビヒクル中に製剤化されるかのいずれかで、或いはベクターの構成成分又は医薬組成物の構成成分として、所望の核酸を含むが、これらに限定されない。核酸送達系は、直接的に(それを細胞と接触させることによるなど)、又は間接的に(任意の生物学的プロセスの作用を通じてなど)、細胞に提供され得る。例として、核酸送達系は、エンドサイトーシス、受容体標的化、天然若しくは合成の細胞膜断片との結合、エレクトロポーレーションなどの物理的手段、ポリマー性担体(例えば制御放出フィルム又はナノ粒子若しくは微粒子)と核酸送達系の組み合わせ、ベクターの使用、細胞を取り囲む組織又は流体への核酸送達系の注入、細胞膜を横切る核酸送達系の単純拡散、或いは細胞膜を横切る任意の能動又は受動輸送メカニズムにより、細胞へと提供され得るが、これらに限定されない。また、核酸送達系は、ウイルスベクターの、抗体関連の標的化及び抗体を介した固定化などの技術を使用して、細胞に提供され得る。
局所的投与のための製剤としては、軟膏、ローション、クリーム、ジェル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体及び粉末が挙げられ得る。通常の医薬担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤等が、所望に応じて使用され得る。
非経口投与(例えば、関節内(関節における)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、及び皮下経路による投与など)に適した製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び製剤を対象受容者の血液と等張にする溶質を含み得る水性及び非水性の等張無菌注射液並びに、懸濁剤、溶解剤、増粘剤、分散剤、安定剤、及び保存剤を含み得る水性及び非水性の無菌懸濁液、溶液又は乳剤が挙げられる。注射用製剤は、添加される保存剤と共に、例えばアンプル中で、又は多用量容器内で、単位用量形態で提供され得る。組成物は、このような形態をとり得る。
調製物としては、無菌の水性又は非水性の溶液、懸濁液及び乳剤が挙げられ、それらは特定の実施形態において対象の血液と等張であり得る。非水性溶媒の例は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(オリーブ油、ゴマ油、ココナッツ油、ラッカセイ油、ピーナッツ油など)、鉱油、オレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル、又は合成モノグリセリド若しくはジグリセリドを含む不揮発性油である。水性担体としては、水、アルコール性/水性溶液、乳剤又は懸濁液が挙げられ、生理食塩水及び緩衝媒体を含む。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、1,3−ブタンジオール、リンガーデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸化リンガー液(Ringer's)又は不揮発性油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、流体及び栄養補充液、電解質補充液(リンガーデキストロースに基づくものなど)などが挙げられる。保存剤及び他の添加剤(例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤及び不活性ガスなど)も存在し得る。また、無菌の不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒体として従来通りに用いられる。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無刺激性不揮発性油が用いられ得る。また、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において使用され得る。担体の製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa中に見出され得る。当業者は、過度の実験をすることなく、組成物の調製及び製剤化のための種々のパラメーターを容易に決定し得る。
単独の、又は他の適切な構成成分と組み合わせた核酸は、エアロゾル製剤にもされ得(即ち、それらは「噴霧」され得る)、吸入によって投与され得る。エアロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの、加圧された受容可能な噴霧剤中に置かれ得る。吸入による投与のために、核酸は、適切な噴霧剤の使用により、加圧されたパック又は噴霧器からのエアロゾルスプレー提示の形態で都合よく送達される。
いくつかの実施形態において、上記核酸は、塩、担体、緩衝剤、乳化剤、希釈剤、賦形剤、キレート剤、増量剤、乾燥剤、抗酸化剤、抗菌剤、保存剤、結合剤、バルク剤(bulking agents)、シリカ、溶解剤、又は安定剤などの製剤成分と共に医薬上許容される担体を含み得る。一実施形態において、核酸は、細胞への取り込みを改善するために、コレステロール並びにC32官能基を有するラウリン酸誘導体及びリトコール酸誘導体のような親油基に結合される。例えば、コレステロールは、siRNAの取り込み及び血清中安定性を、in vitro(Lorenz, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 14(19):4975-4977 (2004))及びin vivo(Soutschek, et al., Nature 432(7014):173-178 (2004))で、促進することが実証されている。また、LDLなどの、血流中の様々なリポタンパク質へのステロイド結合オリゴヌクレオチドの結合が、完全性を保護し、生体内分布を促進することが示されている(Rump, et al., Biochem. Pharmacol. 59(11):1407-1416 (2000))。上記核酸に付着又は結合し得、細胞への取り込み増加させ得る他の基としては、アクリジン誘導体;架橋剤(例えば、ソラレン誘導体、アジドフェナシル、プロフラビン、及びアジドプロフラビンなど);人工エンドヌクレアーゼ;金属錯体(例えば、EDTA−Fe(II)及びポルフィリン−Fe(II)など);アルキル化部分;ヌクレアーゼ(例えば、アルカリホスファターゼなど);末端トランスフェラーゼ;アブザイム;コレステリル部分;親油性担体;ペプチド結合体;長鎖アルコール;リン酸エステル;放射性マーカー;非放射性マーカー;炭水化物;及びポリリジン又は他のポリアミンが挙げられるが、これらに限定されない。Levyらへの米国特許第6,919,208号も、核酸分子の送達の増強のための方法を記載した。
これらの医薬製剤は、自体公知の様式で、例えば、通常の混合プロセス、溶解プロセス、造粒プロセス、粉末化プロセス、乳化プロセス、封入プロセス、捕捉(entrapping)プロセス又は凍結乾燥プロセスにより、製造され得る。
本明細書中に記載される核酸の製剤は、核酸の融合又は核酸の修飾を包含し、ここで核酸は、別の部分若しくは部分(複数)(例、標的化部分)又は別の治療剤へと融合される。このようなアナログは、活性及び/又は安定性などの特性の改善を示し得る。核酸に結合されても又はされなくてもよい部分の例としては、特定の細胞への核酸の送達をもたらす標的化部分(例、膵臓細胞、免疫細胞、肺細胞又は任意の他の好ましい細胞型に対する抗体、並びに好ましい細胞型上に発現する受容体及びリガンド)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、該部分は、癌又は腫瘍細胞を標的化する。例えば、癌細胞は、グルコースの消費が増加しているため、核酸はグルコース分子に結合され得る。癌又は腫瘍細胞を標的化するモノクローナルヒト化抗体が、好ましい部分であり、核酸に結合されても又はされなくてもよい。癌治療の場合、標的抗原は、典型的には、腫瘍細胞に特有且つ/又は必須のタンパク質である(例、受容体タンパク質HER−2)。
V.治療方法
A.投与方法
一般に、核酸を投与する方法は、当分野において周知である。特に、現在使用中の製剤と共に、既に核酸治療用に使用されている投与経路は、上記核酸のための好ましい投与経路及び製剤を提供する。
核酸組成物は、多数の経路によって投与され得、経口手段、静脈内手段、腹腔内手段、筋肉内手段、経皮手段、皮下手段、局所手段、舌下手段、又は直腸手段が挙げられるが、これらに限定されない。核酸は、リポソームによっても投与され得る。このような投与経路及び適切な製剤は、当業者に一般に知られている。
本明細書中に記載の製剤の投与は、miRNA又はmiRNAをコードする核酸がその標的に到達することを可能にする任意の許容可能な方法により、達成され得る。選択される特定の様式は、当然、特定の製剤、治療されている対象の状態の深刻さ、及び治療効果に必要な用量などの因子に依存する。本明細書中で一般的に使用される場合、核酸の「有効量」は、製剤が投与される対象において、化合物若しくは治療剤を投与されていない対応する対象と比較して、癌若しくは関連疾患の1以上の症状を治療することができるか、癌若しくは関連疾患の1以上の症状の進行を逆転できるか、癌若しくは関連疾患の1以上の症状の進行を止めることができるか、又は癌若しくは関連疾患の1以上の症状の発生を予防することができる、その量である。薬物の実際の有効量は、利用されている特定の薬物又はそれらの組み合わせ、製剤化される特定の組成物、投与の様式、並びに、患者の年齢、体重、状態、及び治療されている症状又は状態の深刻さに応じて異なり得る。
当業者に公知の任意の許容可能な方法が、対象に製剤を投与するために使用され得る。投与は、治療されている状態に応じて、局所的(即ち、特定の領域、生理的系、組織、器官、又は細胞型に)、又は全身的であり得る。
注射は、例えば、静脈内、皮内、皮下、筋肉内、又は腹腔内であり得る。組成物は、例えば、癌の治療又は予防のために、皮内注射され得る。いくつかの実施形態において、注射は、複数の場所に打たれ得る。移植は、移植可能な薬物送達システム(例、マイクロスフェア、ヒドロゲル、高分子リザーバー、コレステロールマトリクス、ポリマーシステム(例、マトリクス侵食及び/又は拡散系)及び非ポリマーシステム(例、圧縮された、融合された、又は部分的に融合されたペレット))を挿入することを含む。吸入は、組成物を、単独か、又は吸収され得る担体に付着させるかのいずれかで、吸入器中のエアロゾルを用いて投与することを含む。全身投与のために、組成物がリポソーム中に封入されることが好ましくあり得る。
好ましくは、薬剤及び/又は核酸送達システムは、薬剤及び/又は核酸送達システムの組織特異的取り込みを可能にする様式で、提供される。技術としては、創傷包帯若しくは経皮送達システムなどの組織局在化装置又は器官局在化装置を使用すること、血管カテーテル又は尿路カテーテルなどの侵襲的装置を使用すること、及び薬物送達能力を有し、且つ拡張性装置又はステントグラフトとして形成されたステントなどの介入装置を使用することが挙げられる。
製剤は、生体内分解性インプラントを使用して、拡散により、又は高分子マトリクスの分解により、送達され得る。特定の実施形態において、製剤の投与は、一定期間、例えば、数時間、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間にわたる、miRNAへの連続的曝露をもたらすように、設計され得る。これは、例えば、製剤の反復投与により、又はmiRNAが反復投与なしで長期にわたって送達される持続放出送達システム若しくは制御放出送達システムにより、達成され得る。このような送達システムを使用する製剤の投与は、例えば、経口剤形、ボーラス注入、経皮パッチ又は皮下インプラントによるものであり得る。組成物の実質的に一定の濃度を維持することが、いくつかの場合において好ましくあり得る。
他の好適な送達システムとしては、持続放出(time-release)、遅延放出、持続放出、又は制御放出送達システムが挙げられるが、これらに限定されない。このようなシステムは、多くの場合、反復投与を回避し得、対象及び医師にとっての利便性を増大させる。多くの種類の放出送達システムが利用可能であり、当業者に公知である。それらとしては、例えば、ポリ乳酸及び/若しくはポリグリコール酸、ポリ酸無水物、ポリカプロラクトン、コポリオキサレート(copolyoxalates)、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、並びに/又はこれらの組み合わせなどのポリマーベースのシステムが挙げられる。核酸を含む前述のポリマーのマイクロカプセルは、例えば、米国特許第5,075,109号に記載されている。他の例としては、ステロール(例えばコレステロール、コレステロールエステルなど)及び脂肪酸又は中性脂肪(例えばモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドなど)を含む脂質ベースである非ポリマーシステム;ヒドロゲル放出システム;リポソームベースのシステム;リン脂質ベースのシステム;シラスティックシステム;ペプチドベースのシステム;ワックスコーティング;通常の結合剤及び賦形剤を使用する圧縮錠;又は部分的に融合したインプラントが挙げられる。特定の例としては、miRNAがマトリックス内で製剤中に含まれる侵食システム(例えば、米国特許第4,452,775号、第4,675,189号、第5,736,152号、第4,667,013号、第4,748,034号及び第5,239,660号に記載されるような)、又は活性成分が放出速度を制御する拡散システム(例えば、米国特許第3,832,253号、第3,854,480号、第5,133,974号、及び第5,407,686号に記載されるような)が挙げられるが、これらに限定されない。製剤は、例えば、マイクロスフェア、ヒドロゲル、高分子リザーバー、コレステロールマトリクス、又はポリマーシステムとしてあり得る。いくつかの実施形態において、該システムは、例えば、miRNAを含む製剤の拡散又は浸食/分解速度の制御を介して、組成物の持続放出若しくは制御放出を起こさせ得る。また、ポンプベースのハードウェア送達システムは、1以上の実施形態を送達するために使用され得る。
放出が一気に起こるシステムの例としては、例えば、組成物がポリマーマトリクス内に封入されたリポソーム内に封入され、該リポソームが特定の刺激(例、温度、pH、光又は分解酵素)に感受性であるシステム、及び組成物がマイクロカプセルコア分解酵素を用いてイオン的に被覆されたマイクロカプセルにより封入されるシステムが挙げられる。阻害剤の放出が漸進的且つ継続的であるシステムの例としては、例えば、組成物がマトリックス内にある形態で含まれる侵食システム、及び組成物が、例えば、ポリマーを通じて、制御された速度で浸透する浸出システムが挙げられる。このような持続放出システムは、例えば、ペレット、又はカプセルの形態であり得る。
長期放出インプラントの使用は、いくつかの実施形態において特に適切であり得る。本明細書中で使用される場合、「長期放出」は、組成物を含むインプラントが、少なくとも30日間若しくは45日間、及び好ましくは少なくとも60日間若しくは90日間、又はいくつかの場合においては更に長く、治療有効レベルの組成物を送達するように構築及び準備されることを意味する。長期放出インプラントは、当業者に周知であり、上記放出システムのいくつかが挙げられる。
特定の患者に対する用量は、通常の考慮事項を使用して(例えば、適切な、通常の薬理学的プロトコルにより)、当業者によって決定され得る。医師は、例えば、最初に比較的低用量を処方し、次いで適切な応答が得られるまで用量を増加させ得る。患者に投与される用量は、施用に応じて、経時的に患者において有益な治療反応をもたらす(又は、例えば、症状を減少させる)、或いは他の適切な活性をもたらすのに十分である。用量は、特定の製剤の有効性、及び用いられるmiRNAの活性、安定性又は血清中半減期、及び患者の状態、並びに治療される患者の体重又は表面積によって決定される。用量の大きさは、特定の患者における、特定のベクター、製剤などの投与に伴う任意の有害な副作用の存在、性質及び程度によっても決定される。
1以上の核酸を含む治療組成物は、当分野において周知の方法に従って、有効性、組織代謝を確認するため、及び用量を見積もるために、疾患の1以上の適切なin vitro及び/又はin vivo動物モデルにおいて、随意に試験される。特に、用量は、関連するアッセイにおいて、治療対無治療の活性、安定性又は他の適切な基準によって(例えば、治療された細胞又は動物モデル対治療されない細胞又は動物モデルの比較)、最初に決定され得る。製剤は、例えば、患者の重量及び健康全般に適合するように、関連する製剤のLD50、及び/又は、種々の濃度における核酸の任意の副作用の観察によって決定される速度で投与される。投与は、単一用量又は分割用量によって達成され得る。
潜在的な癌治療としての核酸の有効量を決定するために、in vitroモデルが使用され得る。適切なin vitroモデルとしては、培養した腫瘍細胞の増殖アッセイ、軟寒天における培養した腫瘍細胞の増殖(Freshney, (1987) Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, Wily-Liss, New York, N.Y. Ch 18及びCh 21を参照のこと)、Giovanellaら、J. Natl. Can. Inst., 52: 921-30 (1974)に記載されるようなヌードマウスにおける腫瘍系、Pilkingtonら、Anticancer Res., 17: 4107-9 (1997)に記載されるようなボイデンチャンバーアッセイにおける腫瘍細胞の運動性及び侵襲性、並びに、Ribattaら、Intl. J. Dev. Biol., 40: 1189-97 (1999)及びLiら、Clin. Exp. Metastasis, 17:423-9 (1999)にそれぞれ記載されるような、ヒヨコ絨毛尿膜の血管新生の誘導又は血管内皮細胞遊走の誘導などの血管形成アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。適切な腫瘍細胞株は、例えば、American Type Tissue Culture Collectionカタログから入手可能である。
in vivoモデルは、潜在的な癌治療としての上記核酸の有効量を決定するために好ましいモデルである。適切なin vivoモデルとしては、National Cancer Institute (NCI) Frederick Mouse Repositoryから入手可能な、KRAS癌遺伝子に変異を有するマウス(Lox-Stop-Lox K-RasG12D変異体、Kras2tm4TYj)が挙げられるが、これに限定されない。当該分野において公知であり、且つ利用可能な他のマウスモデルとしては、胃腸癌、造血器癌、肺癌、乳腺癌、神経系の癌、卵巣癌、前立腺癌、皮膚癌、子宮頸癌、口腔癌、及び肉腫の癌についてのモデルが挙げられるが、これらに限定されない(http://emice.nci.nih.gov/mouse_models/を参照のこと)。
疾患の治療又は予防において投与されるmiRNAの有効量の決定において、医師は、循環血漿中レベル、製剤毒性、及び疾患の進行を評価する。
70キログラムの患者に投与される用量は、典型的には、現在使用されている治療的アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、サイトメガロウイルスRNAの治療についてFDAによって認可され、関連する組成物の活性又は血清中半減期の改変のために調節された、Vitravene.RTM.(ホミビルセンナトリウム注射)など)の用量と同等の範囲内である。
本明細書中に記載される製剤は、任意の公知の通常の治療による治療状態を補い得、該治療としては、抗体投与、ワクチン投与、細胞傷害性薬剤、天然アミノ酸ポリペプチド、核酸、ヌクレオチドアナログ、及び生物学的反応修飾物質の投与が挙げられるが、これらに限定されない。2以上の併用される化合物は、一緒に又は逐次的に使用され得る。例えば、核酸はまた、抗癌カクテルの一部として治療有効量で投与され得る。抗癌カクテルは、送達のための医薬上許容される担体に加えて、1以上の抗癌薬と、オリゴヌクレオチド又はモジュレーターとの混合物である。癌治療としての抗癌カクテルの使用は、ありふれたものである。抗癌治療としては、以下が挙げられる:請求項29〜40のいずれか1項に記載の組成物であって、選択される治療剤が、放射性核種、癌化学療法剤、標的化抗癌剤、DNAインターカレート/傷害剤、細胞周期チェックポイント阻害剤、代謝拮抗剤、HSP阻害剤、抗生物質、キナーゼ阻害剤、放射性核種、生物活性ポリペプチド、抗体、レクチン、毒素、ホルモン、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、血管新生抑制ステロイド又はそれらの組み合わせである組成物。更に、当分野において周知であり、本明細書中に記載される核酸と組み合わせて治療剤として使用され得るものとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:131I、9Y、111In、211At、32P、ゲニステイン、アドリアマイシン、アンサマイシン、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、カルムスチン、カペシタビン、クロラムブシル、シタラビン、シクロホスファミド、カンプトテシン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、エポチロン類、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メルファラン(meplhalan)、メトトレキサート、ラパマイシン、シロリムス、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニトロソウレア(nitrosurea)、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、プロカルバジン、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、チオグアニン、チオテパ、タキサン類、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、タキソール、コンブレタスタチン類、ディスコデルモライド類、トランス白金、ブレオマイシン、ホルモン、タモキシフェン、ジエチルスチルベストロール(diethylstibestrol)、アキシチニブ、アバスチン、マリマスタット、ベバシズマブ、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、軟骨由来血管形成阻害因子、アンジオスタチン、エンドスタチン(endostati)、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、トロンボスポンジン、プロラクチン、αvβ3阻害剤、テコガラン、BAY 12−9566、AG3340、CGS27023A、COL−3、ビタキシン、ZD0101、TNP−40、サリドマイド、スクアラミン、IM862、PTK787、フマギリン、フマギリンのアナログ、BB−94、BB−2516リノミド、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル及びそれらの組み合わせ。
VI.治療される疾患
アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、及び球脊髄性筋萎縮症などの神経変性疾患。
増殖性疾患は、肥厚性瘢痕及びケロイド、増殖性糖尿病性網膜症、関節リウマチ、動静脈奇形、動脈硬化性プラーク、創傷治癒の遅れ、血友病関節、癒着不能骨折、オスラー−ウィーバー症候群、乾癬、化膿性肉芽腫、強皮症、トラコーマ、月経過多、血管癒着及び再狭窄からなる群から選択される。
癌治療は、腫瘍細胞増殖を阻害することにより、血管形成(腫瘍増殖を支持するために必要な新たな血管の増殖)を阻害することにより、及び/又は腫瘍細胞の運動性又は侵襲性を低減させることにより転移を妨げることにより、腫瘍退縮を促進する。本明細書中に記載される治療製剤は、以下におけるものを含む、成人及び小児の腫瘍学において有効であり得る:固形腫瘍/悪性腫瘍、局所進行腫瘍、ヒト軟部組織肉腫、転移性癌(リンパ行性転移を含む)、血液細胞の悪性腫瘍(多発性骨髄腫、急性及び慢性白血病、並びにリンパ腫を含む)、頭頸部癌(口腔癌、喉頭癌及び甲状腺癌を含む)、肺癌(小細胞癌及び非小細胞癌を含む)、乳癌(小細胞癌及び腺管癌を含む)、胃腸癌(食道癌、胃癌、結腸癌、結腸直腸癌及び結腸直腸の新生物と関連するポリープを含む)、膵臓癌、肝臓癌、泌尿器癌(膀胱癌及び前立腺癌を含む)、女性生殖管の悪性腫瘍(卵巣癌、子宮癌(子宮内膜癌を含む)、及び卵胞における固形腫瘍を含む)、腎臓癌(腎細胞癌を含む)、脳の癌(内因性の脳腫瘍を含む)、神経芽細胞腫、星状細胞の脳腫瘍、神経膠腫、中枢神経系における転移性腫瘍細胞の浸潤、骨癌(骨腫を含む)、皮膚癌(悪性黒色腫、ヒト皮膚ケラチノサイトの腫瘍進行、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、血管周囲細胞腫及びカポジ肉腫を含む)。治療製剤は、単独で又は補助的癌治療(例えば手術、化学療法、放射線治療、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法及びレーザー療法など)と組み合わせて、治療有効用量で投与され得、薬効(例、腫瘍の大きさを減少させること、腫瘍増殖の速度を低下させること、腫瘍の細胞増殖を減少させること、癌の細胞死を促進すること、血管形成を阻害すること、転移を阻害すること、又は別な方法で、癌を必ずしも根絶せずに、全般的な臨床状態を改善すること)を提供し得る。
癌としては、例えば、以下が挙げられる:胆道癌;膀胱癌;乳癌;脳の癌(膠芽細胞腫及び髄芽細胞腫を含む);子宮頸癌;絨毛癌;結腸癌(結腸直腸癌を含む);子宮内膜癌;食道癌;胃癌;頭頸部癌;血液腫瘍(急性リンパ性及び骨髄性白血病、多発性骨髄腫、AIDS関連白血病並びに成人T細胞白血病リンパ腫を含む);上皮内新生物(ボーエン病及びパジェット病を含む);肝臓癌;肺癌(小細胞肺癌及び非小細胞肺癌を含む);リンパ腫(ホジキン病及びリンパ球性リンパ腫を含む);神経芽細胞腫;口腔癌(扁平上皮細胞癌を含む);骨肉腫;卵巣癌(上皮細胞、間質細胞、生殖細胞及び間葉細胞から生じる癌を含む);膵臓癌;前立腺癌;直腸癌;肉腫(平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、滑膜肉腫及び骨肉腫を含む);皮膚癌(黒色腫、カポジ肉腫、基底細胞の癌、及び扁平上皮癌を含む);精巣癌(胚の腫瘍(例えば、セミノーマ、非セミノーマ(奇形腫、絨毛癌)、間質の腫瘍、及び生殖細胞の腫瘍)を含む);甲状腺癌(甲状腺癌(thyroid adenocarcinoma)及び髄様癌(medullar carcinoma)を含む);移行性癌及び腎臓癌(腺癌及びウィルムス腫瘍を含む)。好ましい実施形態において、製剤は、肺癌の治療又は予防のために投与される。
従って、本明細書中に開示される本発明の方法及び組成物は、手術、化学療法、放射線治療、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法及びレーザー療法からなる群から選択される1以上の癌治療を受けているヒト患者により使用され得る。更に、本発明の方法及び組成物は、手術、化学療法、放射線治療、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法、レーザー療法、又はステント留置からなる1以上の抗増殖治療を受けているヒト患者における使用を可能にする。
また、治療的核酸は、癌の予防的治療のために使用され得る。個体に癌を発症させやすくする、当該分野において公知の遺伝性の状態及び/又は環境状況(例、発癌物質への曝露)が存在する。これらの状況下では、癌を発症する危険を低減させるために、治療有効用量の核酸を用いてこれらの個体を治療することが、有益であり得る。一実施形態において、適切な製剤中の核酸は、癌の家族歴を有する対象に、又は癌の遺伝的素因を有する対象に、投与され得る。他の実施形態において、適切な製剤中の核酸は、特定の年齢に達している対象に、又は癌になる可能性がより高い対象に、投与される。更に他の実施形態において、適切な製剤中の核酸は、癌(例えば、初期又は進行した)の症状を示す対象に投与される。なお他の実施形態において、適切な製剤中の核酸は、予防手段として対象に投与され得る。いくつかの実施形態において、適切な製剤中の核酸は、人口統計若しくは疫学的研究に基づいて対象に、又は特定の分野若しくは職業にある対象に投与され得る。
以下の実施例は、本発明を更に説明するが、当然のことながら、いかなる意味においてもその範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1
本実施例は、HSP90阻害剤17−AAGのアポトーシス活性を実証する。
Apo−ONE(登録商標)ホモジニアスカスパーゼ−3/7アッセイ(Promega、Madison、WI)は、(Z−DEVD)2−ローダミン110基質と併せて、独占所有権のある溶解/活性バッファーを使用し、接着細胞、浮遊細胞、及び初代培養細胞における、又は精製したカスパーゼ調製物における、カスパーゼ−3及び−7の検出のための、単純な「添加−混合−読み取り」形式を可能にする。このアッセイは、ローダミン110ベースの基質を使用し、通常の比色分析又は蛍光分析を用いて以前は得ることができなかった優れた感度を可能にする。
具体的には、100μlのApo−ONE(登録商標)カスパーゼ−3/7試薬を、100μlのブランク、対照又は培養細胞を含む白色又は黒色96ウェルプレートの各ウェルに添加した。このプレートを、長時間(>4時間)インキュベートするために、プレートシーラーで覆った。384ウェルプレート中でこのアッセイを行なうために、試料に対して1:1の体積比のApo−ONE(登録商標)カスパーゼ−3/7試薬を使用した。ウェルの内容物を、プレートシェーカーを使用して300〜500rpmにて30秒から混合し、室温にて6時間インキュベートした。各ウェルの蛍光を、485/538nm(アポトーシスの基準であり、より高い比はより多くのアポトーシスを示す)にて決定した。
17−AAG(17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン)のアポトーシス活性を、カスパーゼ3/7活性のためのアッセイ(Apo−Oneキット、Promega)を使用して、結腸癌株HT29において決定した。17−AAG処理したHT29細胞を、DMSO処理した対照と比較した(図1)。HT29細胞を、37℃にて72時間、様々な濃度の17−AAGを用いて処理する。17−AAGは、0.07μg/ml又は0.12μMのEC50でアポトーシスを誘導した。高濃度の17−AAGにおいては、細胞死が非アポトーシス経路を介して起こり、アポトーシス活性における人為的な減少があった。
実施例2
本実施例は、HSP90阻害剤17−AAGによるHer2発現の抑制を実証する。
ウェル当り一万個のBT474細胞を、マイクロタイタープレート中に播種し、48時間増殖させた。このプレインキュベーションの後、BT474細胞を、様々な濃度の17−AAG及びそのアナログを用いて24時間処理した。このインキュベーションの最後に、培地を各ウェルから除去し、各ウェルを氷冷Tris緩衝生理食塩水(0.1%ツイーン20を含む)を用いて2回洗浄し、細胞を40℃にて10分間、メタノール(氷冷)を用いて固定した。固定したBT474細胞を、抗Her2抗体を用いて免疫染色した。Her2タンパク質の存在を、プレートリーダーにおける405nmにおける吸光度の測定により決定した。
図2に示すように、Her2抑制アッセイについての17−AAGのIC50は、32nMに接近した。この結果は、Her2タンパク質発現が、17−AAGにより強く抑制されることを示唆した。
実施例3
本実施例は、17−AAGによるHSP90の阻害の後、Her2の内在化及び分解があることを実証する。
17−AAG処理したBT474細胞を共焦点画像システムにより調べた。BT474細胞をスライド上に播種し、IC50の濃度において24時間処理した。17AAG処理したBT474細胞及び対照BT474細胞をメタノールを用いて固定し、Her2抗体を用いて染色し、共焦点画像により分析した。図3に示すように、Her2タンパク質発現は、17−AAG処理の後、その細胞表面サブ局在から細胞質まで除去された。
実施例4
本実施例は、17−AAGと化学療法との併用療法がHsp70を上方調節することを実証する。従って、HSP90療法は、HSP70の補償的増加により制限される。
抗癌化学療法剤の集団を、(実施例1におけるのと同じアポトーシスアッセイ系を使用して)17−AAGとのアポトーシス活性の増強について試験した、図4。HT29細胞を、公知のHSP70プロモーター誘導剤を含む抗癌剤の存在下又は非存在下で、様々な濃度の17−AAGを用いて処理した。薬物処理の3日後、アポトーシス活性をApo−ONEキット(上記を参照のこと)により測定した。HSP70誘導剤(シスプラチン、エトポシド、ドキソルビシン、ベルケイド、ジメチルエナストロン(Dimethylenastron)など)を含む抗癌剤と組み合わせた場合。17−AAGのアポトーシス活性は、ベルケイド(HSP70発現を誘導することが知られている(Lauricella M. et al. Apoptosis. 2006 Apr;11(4):607-25を参照のこと))の存在下では、強く阻害された。多少の阻害は、他のHSP70の誘導剤についても観察された。
実施例5
本実施例は、miRNAによる17−AAGの活性の増強を実証する。
17−AGGにおける活性の増強を観察するために、470のPre−miRNA前駆体のmiRNAライブラリーを、HT29結腸癌株へとトランスフェクトし(Ambion、siPORT NeoFxトランスフェクション剤)、その後17−AAG処理した。miRNAライブラリー由来の合成ds−miRNAを、HT29細胞へとトランスフェクトし、48時間37℃にてインキュベートした。様々な濃度の17−AAGを、miRNAをトランスフェクトしたHT29細胞に添加し、更に48時間インキュベートした。100μLの培地を各ウェルから吸引した。Apo−ONEカスパーゼ試薬を、基質を1:100の濃度にバッファー中で希釈することにより調製した。100μLの試薬を各ウェルに添加した。プレートを室温にて6時間インキュベートした。アポトーシス活性を、フルオロスキャンプレートリーダーにより測定した。17−AAG単独よりも高いアポトーシス測定値を示すことにより、17−AAGとの相乗作用を与える分子。17−AAGの1:800希釈及び1:3200希釈の両方において相乗作用を与えた分子は、miR-145、miR-454-3p、miR519a、miR-520c、及びmiR-520d(配列番号1〜5)であった(図5、それぞれ暗い背景)。
実施例6
本実施例は、実施例5からの結果のいくつかを確認する。
実施例5において使用したのと同じ手順を使用し、実施例5において見出し特定した5つのmiRNAをトランスフェクトした。しかしながら、アポトーシス活性についてのその最適な濃度を更に決めるために、17−AAGを1:800、1:3200及び1:8000で添加した。細胞を48時間インキュベートし、実施例5において記載したのと同じ手順を使用して発光させた。
図6(暗い箇所)及び図7に示すように、5つのmiRNA全てが17−AAGの活性を増強したのに対し、いずれも単独では活性を有さなかった。「DMSO」は、miRNAを用いてトランスフェクトしたが17−AAGを用いて処理しなかった細胞を表す。
この実験を、miRNAについての作用用量を最適化するために、トランスフェクションのために様々なmiRNA濃度(6、3、1.5及び0.75pmol)を使用して繰り返した。増殖培地中、1:3200の濃度の17−AAGを使用した。
実施例7
本実施例は、17−AAG誘導致死を増強することが見出されたmiRNAの間の類似性を実証する。
特定したmiRNAの配列を比較したところ、保存された残基の範囲を共有することが示された。1つのmiRNA、hsa-mir-145、は、より低い配列相同性を共有したのに対し、その他のhsa-mir-519a、hsa-mir-520c、hsa-mir-520d、及びhsa-454-3p(それぞれ配列番号3〜6)は、互いに広範囲に及ぶ相同性を示した(図8)。従って、これらのmiRNAが制御する、2つのクラスの標的が存在する。
実施例8
本実施例は、17−AAGの相乗効果が、使用するmiRNAの量の増加と共に増加することを実証する。
実施例6において示された活性を確認するために、一定量の17−AAGで(3.125ug/ml)、トランスフェクションに使用するmiRNAの量を増加させて(60、30、15、7.5nM)、実験を繰り返した。17−AAGとの相乗効果は、使用するmiRNAの量の増加と共に、活性の増加を示した(図9Aを参照のこと)。アポトーシス活性は、miRNA単独については全く観察されなかった(図9Bを参照のこと)。活性に従って2つの異なるクラスのmiRNAが存在した(高い活性を有する1クラス:miR454(配列番号2)、miR-520c(配列番号4)及びmiR-520d(配列番号5);低い活性を有する1クラス:miR-145(配列番号1)及びmiR-519a(配列番号3))。
実施例9
本実施例は、miRNAを用いて処理したHT29腫瘍細胞のタンパク質発現プロファイルを示す。
これらのmiRNAを用いて処理した細胞の包括的タンパク質発現プロファイルを決定するために、細胞シグナル伝達タンパク質に特別に重点を置いた、重要な細胞タンパク質に対する224のヒト抗体を含む抗体アレイを使用した。(図10)抗体は、ニトロセルロース被覆ガラススライド上に二連でスポットされ、わずか数ナノグラム/mlのタンパク質レベルを検出することができる。無処理のHT29細胞からの細胞ライセートを、Cy5を用いて標識した。HT29細胞からの細胞ライセートは、4つのmiRNA(配列番号1〜4)又は(配列番号1、2、3、又は4)のうち1つで処理した。抗体アレイを、Cy3/Cy5(処理/無処理)ライセートの等量混合物に反応させ、洗浄し、スキャンした。処理/無処理(17−AAG、mir-145、mir-454、mir519a、又はmir-520c(それぞれ配列番号2〜4)を用いて別々に処理した)のログ標準化比を、クラスター分析にかけ、4つのmiRNAにより同様に調節されるタンパク質を決定した。図10に示すように、5つの処理した試料全てのタンパク質プロフィールは同様であった。これはこれらのmiRNAが同じ経路に対して作用し、そしてこの経路が17−AAGにより作用される経路とも同じであり、相乗効果を生じさせることを示している。更に、クラスター分析は、519a及び145が1つのクラスに属し、520c及び519aが別のクラスに属することを示した。これは活性アッセイを使用して達した結論と一致する。17−AAGと同様にこれらのmiRNAにより下方調節される遺伝子は、シグナル伝達分子であり、以下が含まれる:FAK−pTyr577、cdc27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4、PKCガンマ、及びRAF−pSer621。17−AAGと同様にこれらのmiRNAにより上方調節される遺伝子は、細胞骨格要素であり、以下が含まれる:サイトケラチン4、S100b、及びビンキュリン。
また、hsa-mir-520c(配列番号4)が、CD44の翻訳を調節することが示されている(Huang Q et al., 2008)。マイクロRNA mir-373(GAAGUGCUUCGAU UUUGGGGUGU)(配列番号39)及びmir-520c(配列番号4)は、腫瘍浸潤及び転移を促進する。Nature Cell Biology 10:202-10。このことは、CD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4、PKCガンマを、これらのmiRNAの潜在的標的にするだろう。
実施例10
本実施例は、miRNAの現在の理解からは予測されない、これらのmiRNAの厳格な配列要件を示す。
miRNAデータベースは常にアップデートされて変化するため、17−AAGのアポトーシス活性を増強することが示された5つのmiRNAの、いくつかの報告されたバージョンが存在する。以下の表に示すように、わずか1つの残基が3’末端から欠失されると、活性型のこれらのmiRNAは不活性化した:
Figure 2011519951
実施例11
本実施例は、特定のmiRNAが、特定の治療剤のアポトーシス効果を増強し得ることを実証する。
トランスフェクション培地は、マイクロタイタープレートのウェルにおいて、siPORT NeoFx(0.3μl/ウェル)をOPTI-MEM(16.7ul/ウェル)中に希釈することにより調製し、この培地を10分間室温にてインキュベートした。pre−miRNAライブラリーを1μMに希釈し、27μlのmiRNAを各ウェルに添加した(30nM)。この混合物を、室温にて更に10分間インキュベートした。次いでHT29細胞を30,000細胞/ウェルで添加し、プレートを48時間37℃でインキュベートした。
候補治療剤を用いた処理のために、培地を各ウェルから吸引し、200μl/ウェルの15.6μg/mlオキサリプラチン、7.8μg/mlパクリタキセル又は陰性対照溶液を添加した。プレートを48時間37℃でインキュベートした。Apo−ONE(登録商標)ホモジニアスカスパーゼ−3/7アッセイ(Promega、Madison、Wisconsin、USA)を、処理した細胞について行なった。反応は二連で行なった。
オキサリプラチンについての結果を図11に示すが、15.6μg/mlオキサリプラチンにおいては、外因性miRNA mir 454-3p、mir 520c、及びmir 520d(それぞれ、配列番号2、3、及び4)を発現する、オキサリプラチンで処理した細胞において、最も高いレベルのアポトーシスが得られた。(注目すべきことに、これらのmiRNAは、17−AAGのアポトーシス活性も増強した。)パクリタキセルについては、mir 425-3p、mir 495、mir 572、及びmir 661(それぞれ、配列番号6〜9)の発現が、最も高いレベルのアポトーシスをもたらした(図12)。
従って、特定のmiRNAが、特定の剤の活性を増強するために使用され得、本実施例におけるアッセイは、このようなmiRNAを特定するために適合され得る。
本明細書中に引用された全ての参考文献(刊行物、特許出願、及び特許を含む)は、各参考文献が参照により組み込まれることが個々に且つ具体的に示され、またその全体が本明細書中で説明されたのと同程度まで、参照により本明細書中に組み込まれる。
本発明(特に添付の特許請求の範囲に関して)を記載することに関して、用語「a」及び「an」及び「the」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書中に別途示されない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を含むと解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」は、別途言及されない限り、制限のない(open-ended)用語(即ち、「含むが、それに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中に別途示されない限り、この範囲内に入る各個別の値に個々に言及することの省略方法として機能することを意図するに過ぎず、各個別の値は、それが本明細書中に個々に列挙されたかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中に別途示されない限り、又はさもなくば文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書中に提供されるあらゆる全ての例、又は例示的語句(例えば、「など(such as)」)の使用は、本発明をより明確にすることを意図するに過ぎず、別途主張されない限り、本発明の範囲を限定しない。本明細書中のいかなる語句も、特許請求されていない任意の要素を本発明の実施に必須なものとして示していると解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態が本明細書中に記載されており、本発明を実施するための、本発明者らが知る最良の形態を含む。これらの好ましい実施形態のバリエーションは、前述の記載を読めば、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてこのようなバリエーションを使用することを予期し、また本発明者らは、本明細書中に具体的に記載されたもの以外の方法で、本発明が実施されることを意図する。従って、本発明は、適用法により許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された対象の全ての改変物及び均等物を含む。更に、上記要素の全ての可能なバリエーションでの上記要素の任意の組み合わせが、本明細書中に別途示されない限り、又はさもなくば文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明により包含される。

Claims (91)

  1. 癌、神経変性疾患、再狭窄又は増殖性細胞疾患を患う生物における治療剤の活性を増強する方法であって、該治療剤の投与前、投与中又は投与後に、miRNAを含む有効量の組成物を投与することを含む方法。
  2. miRNAが、pri−miRNA、pre−miRNA、成熟miRNA、ds miRNA、及びそれらの断片又は変異体からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. miRNAが、単離された核酸によりコードされている、請求項2に記載の方法。
  4. 単離された核酸が、ベクター中に組み込まれている、請求項3に記載の方法。
  5. ベクターが、プラスミド、コスミド、ファージミド、ウイルス、及び人工染色体からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. ベクターが、1以上のin vivo発現制御エレメントを更に含む、請求項4に記載の方法。
  7. 1以上のin vivo発現エレメントが、プロモーター、エンハンサー、RNAスプライス部位、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 単離された核酸が、生物の細胞内にトランスフェクトされる、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. miRNAが、裸の合成RNAである、請求項1に記載の方法。
  10. miRNAが、化学修飾された合成RNAである、請求項1に記載の方法。
  11. 合成RNAが、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート、2’−O−メチル、2’−フルオロ、PEG、末端逆方向dT塩基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化学的部分で修飾されている、請求項10に記載の方法。
  12. miRNAが、リポソーム、ポリマーベースのナノ粒子、コレステロール結合体、シクロデキストラン複合体、ポリエチレンイミンポリマー又はタンパク質複合体中で投与される、請求項1に記載の方法。
  13. miRNAが、生物中の病変組織に直接投与、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、経鼻投与、腹腔内投与、経膣投与、肛門投与、経口投与、眼内投与又は髄腔内投与される、請求項1に記載の方法。
  14. miRNAが、18ヌクレオチド長から170ヌクレオチド長である、請求項1に記載の方法。
  15. miRNAが、18から25ヌクレオチド長である、請求項14に記載の方法。
  16. 治療剤が、放射性核種、化学療法剤、標的化抗癌剤、DNAインターカレート/傷害剤、細胞周期チェックポイント阻害剤、代謝拮抗剤、熱ショックタンパク質阻害剤、キナーゼ阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 治療剤が、ゲニステイン、131I、90Y、111In、211At、32P、アドリアマイシン、アンサマイシン抗生物質、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、カルムスチン、カペシタビン、クロラムブシル、シタラビン、シクロホスファミド、カンプトテシン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、エポチロン類、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メルファラン(meplhalan)、メトトレキサート、ラパマイシン、シロリムス、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニトロソウレア(nitrosurea)、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、プロカルバジン、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、チオグアニン、チオテパ、タキサン類、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、タキソール、コンブレタスタチン類、ディスコデルモライド類、トランス白金、ブレオマイシン、ホルモン、タモキシフェン、ジエチルスチルベストロール(diethylstibestrol)、生物活性ポリペプチド、抗体、レクチン、毒素、アキシチニブ、アバスチン、マリマスタット、ベバシズマブ、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、血管新生抑制ステロイド、軟骨由来血管形成阻害因子、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、アンジオスタチン、エンドスタチン(endostati)、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、トロンボスポンジン、プロラクチン、αvβ3阻害剤、テコガラン、BAY 12−9566、AG3340、CGS27023A、COL−3、ビタキシン、ZD0101、TNP−40、サリドマイド、スクアラミン、IM862、PTK787、フマギリン、フマギリンのアナログ、BB−94、BB−2516リノミド、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  18. 治療剤が、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル又はそれらの組み合わせである、請求項17に記載の方法。
  19. (a)癌が、上皮内癌(circinoma in situ)、異型過形成、上皮性悪性腫瘍、肉腫、癌肉腫、肺癌、膵臓癌、皮膚癌、血液腫瘍、乳癌、脳癌、結腸癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、多発性骨髄腫、肝臓癌、白血病、リンパ腫、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、及び甲状腺癌からなる群から選択され、
    (b)再狭窄が、冠動脈再狭窄、大脳動脈再狭窄、頸動脈再狭窄、腎動脈再狭窄、大腿動脈再狭窄、末梢動脈再狭窄又はそれらの組み合わせからなる群から選択され、そして、
    (c)増殖性疾患が、過形成(hyperlasias)、子宮内膜症、肥厚性瘢痕及びケロイド、増殖性糖尿病性網膜症、糸球体腎炎、増殖性(proliferatve)、肺高血圧症、関節リウマチ、動静脈奇形、動脈硬化性プラーク、創傷治癒の遅れ、血友病関節、癒着不能骨折、オスラー−ウィーバー症候群、乾癬、化膿性肉芽腫、強皮症、トラコーマ、月経過多、血管癒着、及び乳頭腫からなる群から選択され、
    (d)神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、及び球脊髄性筋萎縮症からなる群から選択される、
    請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. miRNAが以下からなる群から選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法:
    miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU) (配列番号1)、
    miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、
    miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC) (配列番号3)、
    miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、
    miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU) (配列番号5)、
    miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC) (配列番号6)、
    miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU) (配列番号7)、
    miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA ) (配列番号8)、
    miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU) (配列番号9)、
    それらの相補体及びそれらの組み合わせ。
  21. miRNAが以下からなる群から選択される、請求項1〜17又は19のいずれか1項に記載の方法:miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、それらの相補体及びそれらの組み合わせ。
  22. 治療剤が、17−AAG、オキサリプラチン又はそれらの組み合わせである、請求項21に記載の方法。
  23. miRNAが以下からなる群から選択される、請求項1〜17又は19のいずれか1項に記載の方法:
    miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC) (配列番号6)、
    miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU) (配列番号7)、
    miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA) (配列番号8)、
    miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU) (配列番号9)、それらの相補体及びそれらの組み合わせ。
  24. 治療剤がパクリタキセルである、請求項23に記載の方法。
  25. miRNAが、配列番号10〜35のうちの1以上である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  26. 生物が、手術、化学療法、放射線治療、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法及びレーザー療法からなる群から選択される1以上の癌治療を受けているヒト患者である、請求項19に記載の方法。
  27. 生物が、手術、化学療法、放射線治療、温熱療法、免疫療法、ホルモン療法、レーザー療法、又はステント留置からなる1以上の抗増殖治療を受けているヒト患者である、請求項19に記載の方法。
  28. 生物がヒトである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  29. 癌、神経変性疾患、再狭窄又は増殖性細胞疾患を患う生物において治療剤の活性を増強する治療組成物であって、該治療剤の投与前、投与中又は投与後の、有効量のmiRNA、又は有効量のmiRNAを発現するベクターを含む組成物。
  30. miRNAが、pri−miRNA、pre−miRNA、成熟miRNA、ds miRNA、及びそれらの断片又は変異体からなる群から選択される、請求29に記載の組成物。
  31. miRNAが、1以上のin vivo発現制御エレメントを含む単離された核酸ベクターによりコードされている、請求29に記載の組成物。
  32. 単離された核酸が、生物の細胞内にトランスフェクトされている、請求31に記載の組成物。
  33. miRNAが、裸の合成RNAである、請求29に記載の組成物。
  34. miRNAが、化学修飾された合成RNAである、請求29に記載の組成物。
  35. 合成miRNAが、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート、2’−O−メチル、2’−フルオロ、PEG、末端逆方向dT塩基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化学的部分で修飾されている、請求34に記載の組成物。
  36. miRNAが、リポソーム、ポリマーベースのナノ粒子、コレステロール結合体、シクロデキストラン複合体、ポリエチレンイミンポリマー又はタンパク質複合体中に保持されている、請求29に記載の組成物。
  37. miRNAが、病変組織に直接投与、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、経鼻投与、腹腔内投与、経膣投与、肛門投与、経口投与、眼内投与又は髄腔内投与される、請求29に記載の組成物。
  38. miRNAが、18ヌクレオチド長から170ヌクレオチド長である、請求項29に記載の組成物。
  39. miRNAが、18から25ヌクレオチド長である、請求項38に記載の組成物。
  40. (a)癌が、上皮内癌(circinoma in situ)、異型過形成、上皮性悪性腫瘍、肉腫、癌肉腫、肺癌、膵臓癌、皮膚癌、血液腫瘍、乳癌、脳癌、結腸癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、多発性骨髄腫、肝臓癌、白血病、リンパ腫、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、及び甲状腺癌からなる群から選択され、
    (b)再狭窄が、冠動脈再狭窄、大脳動脈再狭窄、頸動脈再狭窄、腎動脈再狭窄、大腿動脈再狭窄、末梢動脈再狭窄又はそれらの組み合わせからなる群から選択され、そして、
    (c)増殖性疾患が、過形成(hyperlasias)、子宮内膜症、肥厚性瘢痕及びケロイド、増殖性糖尿病性網膜症、糸球体腎炎、増殖性(proliferatve)、肺高血圧症、関節リウマチ、動静脈奇形、動脈硬化性プラーク、創傷治癒の遅れ、血友病関節、癒着不能骨折、オスラー−ウィーバー症候群、乾癬、化膿性肉芽腫、強皮症、トラコーマ、月経過多、血管癒着、及び乳頭腫からなる群から選択され、
    (d)神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、及び球脊髄性筋萎縮症からなる群から選択される、
    請求項29に記載の組成物。
  41. 選択される治療剤が、放射性核種、癌化学療法剤、標的化抗癌剤、DNAインターカレート/傷害剤、細胞周期チェックポイント阻害剤、代謝拮抗剤、HSP阻害剤、抗生物質、キナーゼ阻害剤、放射性核種、生物活性ポリペプチド、抗体、レクチン、毒素、ホルモン、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、血管新生抑制ステロイド又はそれらの組み合わせである、請求29〜40のいずれか1項に記載の組成物。
  42. 治療剤が、131I、90Y、111In、211At、32P、ゲニステイン、アドリアマイシン、アンサマイシン、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、カルムスチン、カペシタビン、クロラムブシル、シタラビン、シクロホスファミド、カンプトテシン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、エポチロン類、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メルファラン(meplhalan)、メトトレキサート、ラパマイシン、シロリムス、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニトロソウレア(nitrosurea)、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、プロカルバジン、リツキシマブ、ストレプトゾシン、テニポシド、チオグアニン、チオテパ、タキサン類、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、タキソール、コンブレタスタチン類、ディスコデルモライド類、トランス白金、ブレオマイシン、ホルモン、タモキシフェン、ジエチルスチルベストロール(diethylstibestrol)、アキシチニブ、アバスチン、マリマスタット、ベバシズマブ、カルボキシアミドトリアゾール、TNP−470、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、軟骨由来血管形成阻害因子、アンジオスタチン、エンドスタチン(endostati)、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、トロンボスポンジン、プロラクチン、αvβ3阻害剤、テコガラン、BAY 12−9566、AG3340、CGS27023A、COL−3、ビタキシン、ZD0101、TNP−40、サリドマイド、スクアラミン、IM862、PTK787、フマギリン、フマギリンのアナログ、BB−94、BB−2516リノミド、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求29〜40のいずれか1項に記載の組成物。
  43. 治療剤が、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル又はそれらの組み合わせである、請求項42に記載の組成物。
  44. miRNAが以下からなる群から選択される配列を含む、請求29〜42のいずれか1項に記載の組成物:
    (a)miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU) (配列番号1)、
    miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、
    miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC) (配列番号3)、
    miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、
    miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU) (配列番号5)、
    miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC) (配列番号6)、
    miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU) (配列番号7)、
    miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA ) (配列番号8)、
    miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU) (配列番号9);
    (b)(a)中の配列のいずれかに相補的なRNA;及び
    (c)(a)又は(b)の21連続するヌクレオチドと少なくとも約81%同一の配列を有するRNA。
  45. miRNAが以下からなる群から選択される、請求項29〜42のいずれか1項に記載の組成物:miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、それらの相補体及びそれらの組み合わせ。
  46. 治療剤が、17−AAG、オキサリプラチン又はそれらの組み合わせである、請求項45に記載の組成物。
  47. miRNAが以下からなる群から選択される、請求項29〜42のいずれか1項に記載の組成物:
    miR-425-3p (AUCGGGAAUGUCGUGUCCGCC) (配列番号6)、
    miR-495 (AAACAAACAUGGUGCACUUCUUU) (配列番号7)、
    miR-572 (GUCCGCUCGGCGGUGGCCCA) (配列番号8)、
    miR-661 (UGCCUGGGUCUCUGGCCUGCGCGU) (配列番号9)、それらの相補体及びそれらの組み合わせ。
  48. 治療剤がパクリタキセルである、請求項47に記載の組成物。
  49. 請求項44に記載のRNA配列のいずれかに相補的な、核酸又はペプチド核酸を含むプローブ。
  50. 請求項49に記載のmiRNA配列のいずれかを含む、ペプチド核酸プローブの核酸を含むバイオチップ。
  51. HSP90阻害剤、微小管阻害剤、又はDNA複製阻害剤を用いる治療への応答を予測する方法:
    (a)病変組織の生体試料を提供する工程;
    (b)病変組織の生体試料におけるRNAのレベルを測定する工程であって、測定されるRNAが以下からなる群から選択される工程
    (i)miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU) (配列番号1)、
    miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、
    miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC) (配列番号3)、
    miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、
    miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU) (配列番号5);
    (ii)(i)に相補的なRNA;及び
    (iii)(i)又は(ii)の21連続するヌクレオチドと少なくとも約81%同一の配列を有するRNA;
    (c)病変組織における(b)からのRNAのレベルを、対照における同じRNAのレベルと比較する工程であって、対照よりも高い核酸のレベルが治療への応答を示し、対照よりも低い核酸のレベルが治療への非応答を示す工程。
  52. HSP90阻害剤が17−AAGであり、微小管阻害剤がパクリタキセルであり、DNA複製阻害剤がオキサリプラチンである、請求項51に記載の方法。
  53. RNAが、RT−PCR、マイクロアレイ、インベーダー、質量分析、ハイブリダイゼーション又はTMAにより測定される、請求項51に記載の方法。
  54. 1以上のタンパク質の発現を阻害する方法であって、
    miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU) (配列番号1)、
    miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、
    miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC) (配列番号3)、
    miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、及び
    miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU) (配列番号5)
    からなる群からの1以上のmiRNAの有効量を生物に投与することを含む方法。
  55. タンパク質が、FAK、CDC27、MAPK活性化タンパク質キナーゼ2、PAR4、PKCガンマ、及びRAFからなる群から選択される、請求項54に記載の方法。
  56. 生物における1以上のタンパク質の発現を増強する方法であって、
    miR145 (GUCCAGUUUUCCCAGGAAUCCCUU) (配列番号1)、
    miR454-3p (UAGUGCAAUAUUGCUUAUAGGGUUU) (配列番号2)、
    miR519a (AAAGUGCAUCCUUUUAGAGUGUUAC) (配列番号3)、
    miR520c (AAAGUGCUUCCUUUUAGAGGGUU) (配列番号4)、及び
    miR520d (AAAGUGCUUCUCUUUGGUGGGUU) (配列番号5)
    からなる群からの1以上のmiRNAの有効量を生物に投与することを含む方法。
  57. タンパク質が、サイトケラチン4、S100 b、及びビンキュリンからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
  58. レポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントを含む単離された核酸であって、前記レポーター遺伝子が標的遺伝子の3’非翻訳領域の全部又は一部の上流にあり、真核細胞への単離された核酸のトランスフェクションにより、in vivo発現制御エレメントが標的遺伝子のmRNAの3’非翻訳領域の上流のレポーターをコードするmRNAの産生をもたらす単離された核酸。
  59. 単離された核酸が、プラスミド、コスミド、ファージミド、ウイルス、及び人工染色体からなる群から選択されるベクターである、請求項58に記載の単離された核酸。
  60. 1以上のin vivo発現制御エレメントが、プロモーター、エンハンサー、RNAスプライシングシグナル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項59に記載の単離された核酸。
  61. レポーター遺伝子が、ルシフェラーゼタンパク質をコードする、請求項59に記載の単離された核酸。
  62. 標的遺伝子が、CD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4、又はPKCガンマである、請求項59に記載の単離された核酸。
  63. 以下の工程を含む、遺伝子発現モジュレーターを特定する方法:
    (a)標的遺伝子の3’非翻訳領域の全部又は一部の上流にクローン化されているレポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントを含む単離された核酸を用いて真核細胞をトランスフェクトする工程であって、in vivo発現制御エレメントが3’非翻訳領域の上流のレポーターをコードするmRNAの産生をもたらす工程、及び
    (b)前記レポーター遺伝子に作動可能に連結された前記1以上のin vivo発現制御エレメントを含む単離された核酸を用いて他の真核細胞をトランスフェクトする工程であって、発現制御エレメントがレポーター分子をコードするmRNAの転写をもたらす工程、
    (c)(a)及び(b)からのトランスフェクトされた細胞を、候補発現モジュレーターと接触及び偽接触させる工程、並びに
    (d)(a)及び(b)からのトランスフェクトされた細胞を候補発現モジュレーターと接触させる場合及び接触させない場合の該トランスフェクトされた細胞におけるレポーター遺伝子活性を比較する工程。
  64. (d)において比較されるデータの標準化のための第二のレポーターを発現する第二のレポートコンストラクトを用いた、(a)及び(b)における細胞のコトランスフェクションを更に含む、請求項63に記載の方法。
  65. レポーター発現コンストラクト中の標的遺伝子の3’非翻訳配列を変異させる工程、前記変異させたレポーター発現コンストラクトを真核細胞にトランスフェクトする工程、及びトランスフェクトされた細胞を候補発現モジュレーターと接触させる場合及び接触させない場合の、変異させた及び変異させていないレポーター発現コンストラクトの発現からもたらされるレポーター遺伝子活性を比較する工程を更に含む、請求項63又は64に記載の方法。
  66. 標的遺伝子が、CD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4、又はPKCガンマである、請求項63〜65のいずれか1項に記載の方法。
  67. 以下を含む、発現モジュレーターの特定用キット:
    (a)標的遺伝子の3’非翻訳領域の全部又は一部の上流にクローン化されている第一のレポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントの第一のセットを有する第一の単離された核酸であって、真核細胞への前記第一の単離された核酸のトランスフェクションにより、in vivo発現制御エレメントの第一のセットが標的遺伝子のmRNAの3’非翻訳領域の上流の第一のレポーターをコードするmRNAの産生をもたらす単離された核酸;
    (b)前記第一のレポーター遺伝子に作動可能に連結された前記(a)からのin vivo発現制御エレメントのセットを含む第二の単離された核酸であって、真核細胞への前記第二の単離された核酸のトランスフェクションにより、in vivo発現制御エレメントが前記第一のレポーター分子をコードするmRNAの転写をもたらす単離された核酸;及び
    (c)第二のレポーター遺伝子に作動可能に連結された1以上のin vivo発現制御エレメントの第二のセットを含む第三の単離された核酸であって、真核細胞への単離された核酸のトランスフェクションにより、前記in vivo発現制御エレメントの第二のセットが前記第二のレポーターの発現をもたらす単離された核酸。
  68. 標的遺伝子が、CD44、CDC27、MAPK活性化キナーゼ2、PAR4、又はPKCガンマである、請求項67に記載のキット。
  69. miRNAを含む単離された核酸であって、miRNAが哺乳動物細胞に投与され、次いで該哺乳動物細胞が治療剤にさらされる場合に、該哺乳動物細胞が、Apo−ONE(登録商標)ホモジニアスカスパーゼ−3/7アッセイにおいて、少なくとも約200の485/538nm比を生じさせる、単離された核酸。
  70. 治療剤が、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル及びそれらの組み合わせである、請求項69に記載の単離された核酸。
  71. miRNAを含む転写産物を発現することが可能な単離された核酸であって、miRNAが哺乳動物細胞において発現し、次いで該哺乳動物細胞が治療剤にさらされる場合に、該哺乳動物細胞が、Apo−ONE(登録商標)ホモジニアスカスパーゼ−3/7アッセイにおいて、少なくとも約200の485/538nm比を生じさせる、単離された核酸。
  72. 治療剤が、17−AAG、オキサリプラチン、パクリタキセル及びそれらの組み合わせである、請求項71に記載の単離された核酸。
  73. 癌、神経変性疾患、再狭窄又は増殖性細胞疾患を患う生物におけるラパマイシン(raprmycin)の活性を増強する方法であって、該治療剤の投与前、投与中又は投与後にmiRNAを含む有効量の組成物を投与することを含む方法。
  74. miRNAが、pri−miRNA、pre−miRNA、成熟miRNA、ds miRNA、及びそれらの断片又は変異体からなる群から選択される、請求項73に記載の方法。
  75. miRNAが、単離された核酸によりコードされている、請求項74に記載の方法。
  76. 単離された核酸が、ベクター中に組み込まれている、請求項75に記載の方法。
  77. ベクターが、プラスミド、コスミド、ファージミド、ウイルス、及び人工染色体からなる群から選択される、請求項76に記載の方法。
  78. ベクターが、1以上のin vivo発現制御エレメントを更に含む、請求項77に記載の方法。
  79. 1以上のin vivo発現エレメントが、プロモーター、エンハンサー、RNAスプライス部位、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項78に記載の方法。
  80. 単離された核酸が、生物の細胞内にトランスフェクトされる、請求項75〜79のいずれか1項に記載の方法。
  81. miRNAが、裸の合成RNAである、請求項73に記載の方法。
  82. miRNAが、化学修飾された合成RNAである、請求項73に記載の方法。
  83. 合成RNAが、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート、2’−O−メチル、2’−フルオロ、PEG、末端逆方向dT塩基、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化学的部分で修飾されている、請求項81に記載の方法。
  84. miRNAが、リポソーム、ポリマーベースのナノ粒子、コレステロール結合体、シクロデキストラン複合体、ポリエチレンイミンポリマー又はタンパク質複合体中で投与される、請求項73に記載の方法。
  85. miRNAが、生物中の病変組織に直接投与、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与、経鼻投与、腹腔内投与、経膣投与、肛門投与、経口投与、眼内投与又は髄腔内投与される、請求項73に記載の方法。
  86. miRNAが、18ヌクレオチド長から170ヌクレオチド長である、請求項73に記載の方法。
  87. miRNAが、18から25ヌクレオチド長である、請求項86に記載の方法。
  88. miRNAが以下からなる群から選択される、請求項73〜87のいずれか1項に記載の方法:
    CCAGUAUUAACUGUGCUGCUGA (配列番号36)、
    AAGUGUGCAGGGCACUGGU (配列番号37)、
    AAGGAGCUUACAAUCUAGCUGGG (配列番号38)、及びそれらの組み合わせ。
  89. miRNAが、配列番号10〜35からなる群から選択される、請求項1〜19又は29〜42のいずれか1項に記載の方法。
  90. miRNAが、配列番号10〜35からなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
  91. miRNAが、配列番号10〜35からなる群から選択される、請求項29〜43のいずれか1項に記載の組成物。
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