JP2011517676A - インビボでrna干渉を媒介するための組成物および方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つであって、脂溶性物質に抱合されているオリゴヌクレオチドと、該抱合オリゴヌクレオチドが凝集、混合、または会合されているエマルションまたはリポソームのうちの少なくとも1つとを含む新しい製剤脂質粒子(FLiP)に関する。これらの粒子は、驚くことに、心臓、肺、および筋肉にオリゴヌクレオチドを有効に送達し、そこで遺伝子サイレンシングをもたらすことが示されている。

Description

関連出願
本出願は、2008年3月27日に出願された欧州出願第08005800.1号および2008年3月28日に出願された米国仮出願第61/040,386号の利益を主張する。これらの優先出願の全体の内容は、出典明示により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本発明は、1本鎖および2本鎖の両方のオリゴヌクレオチドを含有する組成物と、RNA干渉の媒介におけるその使用とに関する。より具体的には、本発明は、組織特異的送達と製剤されたオリゴヌクレオチドによる標的発現の低減とを可能にするオリゴヌクレオチドの特定の製剤に関する。
2本鎖RNA分子(dsRNA)は、RNA干渉(RNAi)として既知である高度に保存された調節機構において遺伝子発現を阻止することが分かっている。特許文献1は、線虫における遺伝子の発現を抑制するために、長さが少なくとも25のヌクレオチドのdsRNAを使用することを開示している。dsRNAは、植物(例えば、特許文献2および特許文献3参照)、ショウジョウバエ(例えば、非特許文献1参照)、および哺乳類(特許文献4および特許文献5)を含む他の生物において標的RNAを分解することが示されている。この自然のメカニズムは、現在、遺伝子の異常または不必要な調節により引き起こされる疾患を処置するための新しい種類の医薬剤の開発に着目されている。
RNAi分野における大幅な進歩および病理過程の処置の進歩にもかかわらず、薬剤を細胞に選択的かつ効率的に送達して、次いで細胞においてサイレンシングを発生させることが可能である製剤が現在も求められている。
インビボにおいて細胞膜を通過してオリゴヌクレオチドを送達することは、これまで、ベクターに基づく送達システム、オリゴヌクレオチドの高圧静脈注射、ならびにコレステロール抱合、脂質カプセル化、および抗体媒介オリゴヌクレオチドを含む種々の化学的に修飾されたオリゴヌクレオチドを用いて達成されてきたが、送達は依然としてインビボオリゴヌクレオチド治療における最大の障害である。
国際公開第WO99/32619号(Fireら) 国際公開第WO99/53050号(Waterhouseら) 国際公開第WO99/61631号(Heifetzら) 国際公開第WO00/44895号(Limmer) 独特許第DE10100586.5号(Kreutzerら)
Yang, D., et al., Curr. Biol. (2000) 10:1191−1200
本発明は、1本鎖または2本鎖のオリゴヌクレオチドを含有する組成物と、脂質製剤と組み合わせてかかるオリゴヌクレオチドを使用して、細胞または哺乳類における遺伝子の発現を抑制するための方法とを提供する。また、本発明はまた、癌等の標的遺伝子の発現により引き起こされる病的状態および病気を処置するための組成物および方法を提供する。本明細書で特徴とされるオリゴヌクレオチドは、長さが30ヌクレオチドより短く、概して長さが19〜24ヌクレオチドであり、かつ標的遺伝子のmRNA転写の少なくとも一部に実質的に相補的である領域を有するRNA鎖(アンチセンス鎖)を有する2本鎖RNA(dsRNA)を含む。一実施形態では、標的遺伝子の発現を抑制するためのdsRNAは、相互に相補的である少なくとも2つの配列を含む。dsRNAは、第1の配列を有するセンス鎖と、第2の配列を有するアンチセンス鎖とを含む。アンチセンス鎖は、標的遺伝子をコードするmRNAの少なくとも一部に実質的に相補的であるヌクレオチド配列を含み、該相補性領域は、長さが30ヌクレオチドより短く、および長さが少なくとも15ヌクレオチドである。一般に、dsRNAは、長さが19から24、例えば、19から21ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、dsRNA鎖は、長さが独立して約10から約15ヌクレオチドであり、別の実施形態では、長さが約25から約30ヌクレオチドである。
また、特徴とされる組成物における使用に適切な1本鎖オリゴヌクレオチドは、標的遺伝子をコードするmRNAの少なくとも一部に実質的に相補的であるヌクレオチド配列も含み、該相補性領域は、長さが30ヌクレオチドより短く、および長さが少なくとも15ヌクレオチドである。一般に、1本鎖オリゴヌクレオチドは、長さが19から24、例えば、19から21ヌクレオチドである。一実施形態では、鎖は、約25〜30ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、1本鎖オリゴヌクレオチドは、標的mRNA、RNA、またはDNAに対して100%より低い相補性を有する。
本明細書で特徴とされるオリゴヌクレオチドは、天然由来のヌクレオチドを含むことができるか、あるいは、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を有するヌクレオチド、およびコレステリル誘導体またはビタミンE基等のごとき抱合基に結合された末端ヌクレオチドのごとき、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含むことができる。あるいは、修飾ヌクレオチドは、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ−修飾ヌクレオチド、ロックされたヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2’−アミノ−修飾ヌクレオチド、2’−アルキル−修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミデート、およびヌクレオチドを含む非天然塩基の群から選択されてもよい。
本明細書で特徴とされるオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの分解を回避するために、1つもしくは複数の修飾によって安定化することが可能である。典型的な修飾には、ホスホロチオエートDNA単位、2’−O−メチルRNA単位、2’−O−メトキシ−エチルRNA単位、ペプチド核酸単位、N3’〜P5’ホスホロアミデートDNA単位、2’フルオロ−リボ核酸単位、ロックされた核酸単位、モルホリノホスホロアミデート核酸単位、シクロヘキサン核酸単位、トリシクロ核酸単位、2’−O−アルキル化ヌクレオチド修飾、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾、2,4−ジフルオロトルイル修飾、4’チオリボース修飾、またはボラノホスフェート修飾を含む。
一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、「製剤脂質粒子」(FLiP)に組み込まれる。驚くべきことに、1本鎖または2本鎖のいずれかのオリゴヌクレオチドがFLiPに製剤化される場合に、送達およびサイレンシングの両方が、インビボで組織において、特に、心臓組織、肺組織、および筋肉組織においてもたらされることが発見された。
FLiPは、(a)1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つであって、脂溶性物質に抱合されているオリゴヌクレオチドと、(b)該抱合されたオリゴヌクレオチドが凝集、混合、または会合されているエマルションまたはリポソームのうちの少なくとも1つとを含む。
一態様では、本発明は、生物、一般に、ヒト被験者における標的遺伝子の発現を抑制するための医薬組成物を提供する。本組成物は、典型的に、1つもしくは複数のオリゴヌクレオチド、例えば、本明細書に記載されるdsRNAと、医薬上許容可能な担体または送達ビヒクルとを含む。一実施形態では、本組成物は、心臓、肺、または他の筋肉組織に影響を及ぼす病気または疾患を処置するために使用される。
別の態様では、本発明は、以下の工程を実施することにより、オリゴヌクレオチドを、心臓組織または肺組織のごとき特異的な組織に送達し、組織の細胞、例えば、筋肉細胞における標的遺伝子の発現を抑制するための方法を提供する:
(a)生物または生物の組織にFLiPを導入する工程であって、FLiPのオリゴヌクレオチドが、標的遺伝子を発現する細胞との接触時に、標的遺伝子の発現を抑制する工程、次いで
(c)工程(a)における細胞を、標的遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間維持し、それにより該細胞における標的遺伝子の発現を抑制する工程。
別の態様では、本発明は、このような処置、予防、または管理の必要のある患者に、1つもしくは複数の特徴とされるFLiPの治療または予防上有効な量を投与することによって、標的遺伝子により媒介される病理過程を処置、予防、または管理するための方法を提供する。
なお別の態様では、本発明は、オリゴヌクレオチドをインビボで筋肉に送達するため、および筋疾患の処置のための方法を提供する。本明細書にて用いられるように、筋肉組織は、筋肉系統の特徴を呈する骨格、心臓、平滑、および任意の細胞の種類を指す。
一態様では、本発明は、トリアシルグリセロール、1つもしくは複数のリン脂質、グリセロール、および脂溶性リンカー分子を介して1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドと凝集される1つまたは複数の脂質結合タンパク質を有するリポソームに関し、該リポソームは、心臓組織および/または肺組織等の筋肉組織に親和性を有する。
以下の詳細な説明は、標的遺伝子および1つもしくは複数のさらなる遺伝子のうちのいずれかの発現をそれぞれ抑制するオリゴヌクレオチドを含有する組成物およびFLiPを生成および使用する方法、ならびにこれらの遺伝子の発現により引き起こされる病気および疾患を治療するための組成物および方法を開示する。
図1は、FPLCによるIntralipid(登録商標)の分析である。コレステロール抱合RNA(Chol−apoB1−siRNAおよびantagomir−16)はIntralipid(登録商標)ピーク#1に結合した。色の薄い四角形は、Intralipid(登録商標)分画を示す。 図2は、尾静脈注射後のIntralipid(登録商標)/antagomir−16およびIntralipid(登録商標)/chol−apoB1−siRNAの血漿クリアランスを示すグラフである。 図3は、全身注射4時間後の「Intralipid(登録商標)1」により媒介される32P標識chol−apoB1−siRNAの組織取り込みを示すグラフである。取り込みを、1mgタンパク質毎に標準化した。レーン1は、肝臓を表し、レーン2は、胃を表し、レーン3は、十二指腸を表し、レーン4は、空腸を表し、レーン5は、腸骨を表し、レーン6は、結腸を表し、レーン7は、精巣を表し、レーン8は、腎臓を表し、レーン9は、副腎を表し、レーン10は、脾臓を表し、レーン11は、心臓を表し、レーン12は、筋肉を表し、レーン13は、肺を表し、レーン14は、脂肪を表し、レーン15は、脳を表す。 図4は、chol−apoB1−siRNA/Intralipid(登録商標)1の注射後のchol−apoB1−siRNAのApoBサイレンシング活性を示すグラフである。レーン1は、野生型(PBS対照)を表し、レーン2は、(Intralipid(登録商標)1の非存在下で)抱合されていないchol−ApoBを表し、レーン3は、chol−ApoB Intralipid(登録商標)1(注射前に、Intralipid(登録商標)1と複合体化されるsiRNA)を表す。 antagomir−133a/Intralipid(登録商標)#1の注射後の、マイクロRNA−133a(miR−133a)のサイレンシングを示すゲルである。発現レベルは、注射の24時間後にノーザンブロット法によって測定した。tRNAレベルは、負荷対照として示す。レーン1および4は、PBS対照を表し、レーン2および5は、Intralipid(登録商標)ant.133a(注射前にIntralipid(登録商標)1と複合体化されたanagomir−133a)を表し、レーン3および6は、ant.133a Intralipid(登録商標)1を含まないantagomirの注射)を表し、レーン1〜3は、心臓組織を表し、レーン4〜6は、大腿四頭筋を表す。 脂質−antagomir複合体による筋特異的miR−206の標的化を示すゲルの対である。レーン1は、対照試料(3x80mg/体重kg、静脈注射)を表し、レーン2は、antagomir−206(3x 80mg/体重kg、静脈注射)を表し、レーン3は、対照(3x50mg/体重kg、静脈注射)試料を表し、レーン4は、Intralipid(登録商標)/antagomir−206(3x50mg/体重kg、静脈注射)を表す。 低分子量タンパク質が、Intralipid(登録商標)ピーク#1に結合することを示す銀染色ポリアクリルアミドゲルである。10kDから20kDの間の分子量(MW)における2つのタンパク質バンドは、分画38〜50(Intralipid(登録商標)#1を含有する分画に対応する)において検出可能である。
本発明は、1本鎖および/または2本鎖オリゴヌクレオチドを使用して、細胞または哺乳類における標的遺伝子の発現を抑制するための組成物および方法を提供する。これらのオリゴヌクレオチドは、1つもしくは複数の脂溶性物質に抱合され、パッケージ化されるか、または本明細書において「製剤脂質粒子」(FLiP)と呼ばれるものに製剤化される。驚くべきことに、1本鎖または2本鎖の脂溶性抱合オリゴヌクレオチドがFLiPとして製剤化されると、送達およびサイレンシングの両方がインビボにおける組織、特に、心臓組織、肺組織、および筋肉組織でもたらされることが知見された。
FLiPは、(a)1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つであって、脂溶性物質に抱合されているオリゴヌクレオチドと、(b)該抱合されたオリゴヌクレオチドが凝集、混合、または会合されているエマルションまたはリポソームのうちの少なくとも1つとを含む。
本発明はまた、標的遺伝子の過剰発現により引き起こされる哺乳類において、筋肉組織に関連する病気および疾患等の病的状態および病気を治療するための組成物および方法を提供する。該オリゴヌクレオチド成分は、1本鎖または2本鎖にかかわらず、RNA干渉(RNAi)として知られるアンチセンス機構を介してmRNAの配列特異的分解を生じる。
特徴とされる組成物のオリゴヌクレオチドは、長さが30より短いヌクレオチド、概して長さが19〜24のヌクレオチド、具体的には長さが21〜23のヌクレオチドであり、かつ標的遺伝子のmRNA転写の少なくとも一部に実質的に相補的である領域を有するdsRNAを含む。一実施形態では、該オリゴヌクレオチドは、具体的には、長さが25〜30のヌクレオチドであり、25、26、27、28、29、または30のヌクレオチドのものを包含する。これらのdsRNAの使用により、哺乳類において、病状、例えば、癌の複製および/または維持に関与する遺伝子のmRNAの標的とされる分解が可能となる。具体的には、極めて低用量のFliPとしての製剤dsRNAが、RNAiを特異的かつ効率的に媒介し、標的遺伝子の発現の顕著な抑制を生じる。本明細書で特徴とされる方法および組成物は、肺組織、心臓組織、および他の筋肉組織の病理過程のごとき標的遺伝子発現により媒介される病理過程を治療するのに有用な製剤dsRNAを含む。
本発明で特徴とされるFLiP医薬組成物は、長さが30より短いヌクレオチド、概して長さが19〜24のヌクレオチドであり、標的遺伝子のRNA転写の少なくとも一部に実質的に相補的であり、任意選択により医薬的に許容可能な担体を含む相補性領域を含むアンチセンス鎖を有するdsRNAを含む。
I.定義
便宜上、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で用いられる特定の用語および語句の意味は、下記に提示される。本明細書の他の部分における用語の用法と、本項で提示されるその定義との間に明らかな矛盾がある場合、本項の定義が優先されるものとする。
「G」、「C」、「A」、「T」、および「U」の各々は、一般に、それぞれがグアニン、シトシン、アデニン、チミジン、およびウラシルを塩基として含有するヌクレオチドを表す。しかしながら、用語の「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」が、さらに後述するように修飾ヌクレオチドを指すか、または代用置換部分を指しうることを理解されたい。当業者は、かかる置換部分を有するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対合特性を実質的に改変することなく、グアニン、シトシン、アデニン、およびウラシルを、他の部分により置換してもよいことを十分認識している。例えば、限定するものではないが、イノシンをその塩基として含むヌクレオチドは、アデニン、シトシン、またはウラシルを含有するヌクレオチドと塩基対合してもよい。したがって、ウラシル、グアニン、またはアデニンを含有するヌクレオチドは、例えば、イノシンを含有するヌクレオチドによって置換されてもよい。別の例では、オリゴヌクレオチドの任意の位置におけるアデニンおよびシトシンは、それぞれ、グアニンおよびウラシルのそれぞれと置換して標的mRNAとのG−Uゆらぎ塩基対合を形成することができる。
本明細書において使用する「標的配列」は、1次転写産物のRNA処理の産物であるmRNAを含む、標的遺伝子の転写中に形成されるmRNA分子のヌクレオチド配列の接触する部分を指す。標的配列は、RNA前駆体、プリもしくはプレ−マイクロRNA、またはmRNAをコードするDNAをさらに含んでもよい。
本明細書において使用する「配列を含む鎖」という用語は、標準的なヌクレオチドの命名法を用いて言及される配列により記載されるヌクレオチド鎖を含むオリゴヌクレオチドを指す。
本明細書にて用いられるように、特に示されていない限り、「相補的」という用語は、第2のヌクレオチド配列に関して第1のヌクレオチド配列を記載するのに用いられる場合、当業者によって認識されるように、一定の条件下で、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとハイブリダイズし、2本鎖構造を形成する第1のヌクレオチド配列を含むリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの能力を指す。このような条件は、例えば、ストリンジェントな条件であり得、この場合、ストリンジェントな条件は、400mM NaCl、40mM PIPES pH6.4、1mM EDTA、12〜16時間50℃または70℃、その後の洗浄を含んでもよい。生物の内部で直面しうるような生理学的に関連する条件のごとき他の条件が適用できる。当業者は、ハイブリダイズされたヌクレオチドの最終的な適用により、2つの配列の相補性試験に最も適切な条件のセットを決定することができる。
これは、第1および第2のヌクレオチド配列の長さ全体において、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと塩基対合することを含む。かかる配列は、本明細書において、相互に「完全に相補的」と呼ばれうる。しかしながら、本明細書において第1の配列が第2の配列に対して「実質的に相補的」であると呼ばれる場合、該2つの配列は、完全に相補的でありうるか、または、2つの配列は、一般に、ハイブリダイゼーション時に4、3、または2つの不一致の塩基対を越えない1つもしくは複数の不一致の塩基対を形成し得る一方で、それらの最終的な適用に最も関連する条件下でハイブリダイズする能力を保持する。しかしながら、2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイゼーション時に、1つもしくは複数の1本鎖オーバーハングを形成するように設計される場合、かかるオーバーハングは、相補性の決定について不一致であると見なされないものとする。例えば、長さが21のヌクレオチドの一方のオリゴヌクレオチド鎖と、長さが23のヌクレオチドの別のオリゴヌクレオチド鎖とを有するdsRNAであって、長い方のオリゴヌクレオチドが、短い方のオリゴヌクレオチドに完全に相補的である21のヌクレオチドの配列を含むものは、依然として「完全に相補的」と呼ばれてもよい。
「相補的」配列はまた、本明細書にて用いられるように、そのハイブリダイズ能力に関する上記要件が満たされる限り、非ワトソン−クリック塩基対ならびに/もしくは非天然および修飾ヌクレオチドから形成される塩基対を含むか、またはそれから全体的に形成され得る。このような非ワトソン−クリック塩基対は、G:Uゆらぎまたはフーグスティーン塩基対合を含むが、これらに限定されない。
本明細書の「相補的」、「完全に相補的」、および「実質的に相補的」という用語は、それらの使用の内容から理解されるように、dsRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖との間の塩基一致、またはdsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間の塩基一致に関して使用され得る。
本明細書にて用いられるように、メッセンジャーRNA(mRNA)の「少なくとも一部に実質的に相補的」であるポリヌクレオチドは、(例えば、標的遺伝子をコードする)目的のmRNAの接触部分に実質的に相補的であるポリヌクレオチドを指す。例えば、ポリヌクレオチドは、配列が標的遺伝子をコードするmRNAの非干渉部分に実質的に相補的である場合、標的遺伝子mRNAの少なくとも一部に相補的である。
本明細書において使用する「オリゴヌクレオチド」という用語は、1本鎖および2本鎖ポリヌクレオチドの両方を包含する。
「2本鎖RNA」または「dsRNA」という用語は、本明細書にて用いられるように、2つの逆並行で、上述のように実質的に相補的な核酸鎖を含む2本鎖構造を有するリボ核酸分子の複合体を指す。該2本鎖構造を形成する2つの鎖は、1つの大きい方のRNA分子の異なる部分であり得るか、または別個のRNA分子であり得る。該2つの鎖が1つの大きい方の分子の部分であることから、一方の鎖の3’末端と、2本鎖構造を形成するそれぞれの他方の鎖の5’末端との間のヌクレオチドの連続鎖によって連結される場合、該連結RNA鎖は「ヘアピンループ」と呼ばれる。該2つの鎖が、一方の鎖の3’末端と、2本鎖構造を形成するそれぞれの他方の鎖の5’末端との間のヌクレオチドの連続鎖以外の手段により共有結合で連結される場合、該連結する構造は、「リンカー」と呼ばれる。該RNA鎖は、同一数または異なる数のヌクレオチドを有してもよい。塩基対の最大数は、dsRNAの最も短い鎖のヌクレオチド数から2本鎖に存在する任意のオーバーハングを引いた数である。該2本鎖構造に加えて、dsRNAは1つもしくは複数のヌクレオチドオーバーハングを含んでいてもよい。
本明細書において使用する「ヌクレオチドオーバーハング」は、dsRNAの一方の鎖の3’末端が他方の鎖の5’末端を越えて延出する場合にdsRNAの2本鎖構造から突出する1つまたは複数の非対合ヌクレオチドを指し、その反対も同様である。「平滑」または「平滑末端」は、該dsRNAのその末端に非対合ヌクレオチドが存在しないこと、すなわち、ヌクレオチドオーバーハングが存在しないことを意味する。「平滑末端型」dsRNAは、その長さ全体において2本鎖であるdsRNAであり、すなわち、分子の両端にヌクレオチドオーバーハングが存在しない。
「アンチセンス鎖」という用語は、標的配列に実質的に相補的である領域を含むdsRNAの鎖を指す。本明細書において使用する「相補性領域」という用語は、本明細書で定義されるように、配列、例えば、標的配列に実質的に相補的であるアンチセンス鎖上の領域を指す。相補性領域が該標的配列に完全に相補的でない場合、不一致が該分子の内部または末端領域にあり得る。一般に、最大許容不一致は、末端領域、例えば、5’末端および/または3’末端の6、5、4、3、または2ヌクレオチド以内である。
「センス鎖」という用語は、本明細書にて用いられるように、アンチセンス鎖の領域に実質的に相補的である領域を含むdsRNAの鎖を指す。
「細胞への導入」は、オリゴヌクレオチドを指す場合、当業者により理解されるように、細胞内への取り込みまたは吸収を促進することを意味する。オリゴヌクレオチドの吸収または取り込みは、非支援型拡散(unaided diffusive)もしくは活性な細胞プロセスを介して、または補助剤もしくはデバイスによって生じさせることができる。この用語の意味は、インビトロにおける細胞に限定されず、オリゴヌクレオチドが「細胞に導入」されてもよく、細胞が生きている生物の一部であってもよい。この場合、細胞への導入は、生物への送達を含む。例えば、インビボ送達では、オリゴヌクレオチドは、組織部位内に注入可能であるか、または全身に投与可能である。また、インビボ送達は、米国特許第5,032,401号および同第5,607,677号ならびに米国特許出願公開第2005/0281781号に記述されるシステム等の、ベータグルカン送達システムによるものであることも可能である。米国特許第5,032,401号および同第5,607,677号ならびに米国特許出願公開第2005/0281781号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。細胞へのインビトロ導入は、エレクトロポレーションおよびリポフェクション等の本技術分野において既知である方法を含む。
「サイレンス」、「〜の発現を抑制する」、「〜の発現を下方制御する」、「〜の発現を抑制する」という用語、およびその同等物は、それらの用語が標的遺伝子を指す限り、本明細書において、そのように処置されたまたは処置されなかった第1の細胞または細胞群に実質的に同一である第2の細胞または細胞群(対照細胞)と比較した、標的mRNAの量の低減により明示されるように、標的遺伝子の発現の少なくとも部分的な抑制を指す。抑制の程度は、通常、
Figure 2011517676
により表現される。
代替として、抑制の度合いは、標的遺伝子発現に機能的に関連するパラメータ、例えば、細胞から分泌される標的遺伝子によりコードされるタンパク質の量、または一定の表現型、例えば、アポトーシスを示す細胞の数の減少の観点から得られてもよい。原理的には、遺伝子サイレンシングは、構成的に、またはゲノム工学によって、および任意の適切なアッセイによって、標的物を発現する任意の細胞において決定され得る。しかしながら、所定のオリゴヌクレオチドが、一定の度合いだけ遺伝子の発現を抑制するか否かを決定するために基準が必要とされ、そのため、本発明により包含される場合、以下の実施例に提示されるアッセイがこのような基準としての役割を果たす。
例えば、一定の事例では、遺伝子の発現は、FLiPとして製剤化された1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドを有する組成物の投与によって、少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%抑制される。いくつかの実施形態では、該標的遺伝子は、FLiPとして製剤化されたオリゴヌクレオチドを有する組成物の投与によって、少なくとも約60%、70%、または80%抑制される。他の実施形態では、該標的遺伝子は、FLiPとして製剤化されたオリゴヌクレオチドを有する組成の投与によって、少なくとも約85%、90%、または95%抑制される。
遺伝子発現に関連して本明細書において使用する「処置する」、「処置」という用語、およびその同等物は、標的遺伝子発現が媒介する病理過程からの緩和または軽減を指す。本明細書の以下に記述する他の状態(標的遺伝子発現が媒介する病理過程以外)のうちのいずれかに関連する限り、「処置する」、「処置」という用語、およびその同等物は、このような状態に関連する少なくとも1つの症状を緩和または軽減することを意味するか、あるいは心筋炎または筋疾患等の、心臓組織または肺組織または筋肉組織の病気または疾患の進行を遅らせる等の、このような状態の進行を遅延または逆行させることを意味する。
本明細書において使用する「治療的に有効な量」および「予防的に有効な量」という語句は、標的遺伝子発現が媒介する病理過程または標的遺伝子発現が媒介する病理的方法の明白な症状の処置、予防、または管理における治療的有用性を提供する量を指す。治療的に有効な具体的な量は、通常の医師によって容易に決定することが可能であり、例えば、標的遺伝子発現が媒介する病理過程の種類、患者の病歴および年齢、標的遺伝子発現が媒介する病理過程の段階、ならびに標的遺伝子発現薬剤が媒介する他の抗病理過程の管理等の、当技術分野において既知である要因に応じて変動し得る。
本明細書において使用する「医薬組成物」は、FLiPとして製剤化されたオリゴヌクレオチドの薬理学的に有効な量を含み、任意選択により、医薬的に許容可能な担体を含む。本明細書において使用する「薬理学的に有効な量」、「治療的に有効な量」、または単に「有効な量」は、オリゴヌクレオチドのその量を指すか、またはFLiPとして製剤化された場合に、対象の薬学的、治療的、または予防的結果をもたらすように有効である量を指す。例えば、病気または疾患に関連する測定可能なパラメータにおいて少なくとも25%減少する場合に、提供された臨床処置が有効であると考える場合、その病気または疾患の治療のための薬物の治療的に有効な量は、そのパラメータにおける少なくとも25%の減少をもたらすのに必要な量である。
「医薬的に許容可能な担体」という用語は、治療剤の投与のための担体を指す。このような担体には、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ブドウ糖、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本用語は、細胞培地を特異的に除外する。経口投与される薬物では、医薬的に許容可能な担体には、不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、平滑剤、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤等の医薬的に許容可能な賦形剤が含まれるが、これらに限定されない。適切な不活性希釈剤には、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カルシウム、ならびにラクトースが含まれる一方で、コーンスターチおよびアルギン酸は、適切な崩壊剤である。結合剤には、でんぷんおよびゼラチンが含まれる一方で、平滑剤は、存在する場合、概して、ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸、またはタルクである。必要に応じて、消化管における吸収を遅らせるために、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリル等の材料により錠剤をコーティングしてもよい。
本明細書において使用する「形質転換細胞」は、ベクターが導入される細胞であり、そこからdsRNA分子が発現され得る。
II.オリゴヌクレオチド
IIa.2本鎖オリゴヌクレオチド
一実施形態では、本発明は、細胞または哺乳類の標的遺伝子の発現を抑制するための2本鎖リボ核酸(dsRNA)分子を提供し(単独で、または第2の標的遺伝子の発現を抑制するための第2のdsRNAと組み合わせて)、該dsRNAは、標的遺伝子の発現において形成されるmRNAの少なくとも一部に相補的である相補性領域を含むアンチセンス鎖を含み、該相補性領域は、長さが30ヌクレオチドより短く、概して長さが19〜24のヌクレオチドであり、該dsRNAは、該標的遺伝子を発現する細胞との接触時に、該標的遺伝子の発現を抑制する。該dsRNAは、2本鎖構造を形成するためにハイブリダイズするのに十分相補的である2つのRNA鎖を含む。概して、該2本鎖構造は、長さが15から30の間、より概して18から25の間、さらにより概して19から24の間、最も概して19から21の間の塩基対である。一定の実施形態では、長さが25から30の間の塩基対のより長いdsRNAが典型的である。同様に、該標的配列への相補性領域は、長さが15から30の間、より概して18から25の間、さらにより概して19から24の間、最も概して19から21の間のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、該dsRNAは、長さが10から15のヌクレオチドであり、他の実施形態では、該dsRNAは、長さが25から30のヌクレオチドである。本明細書で特徴とされるdsRNAは、1つもしくは複数の1本鎖ヌクレオチドオーバーハングをさらに含み得る。該dsRNAは、さらに後述する当技術分野において既知の標準的な方法、例えば、例えばBiosearch,Applied Biosystems, Inc.より市販されるような自動DNA合成装置を使用することによって合成可能である。一実施形態では、該標的遺伝子は、ヒトの標的遺伝子である。
具体的には21である20から23の間の塩基対の2本鎖構造を有するdsRNAが、RNA干渉を誘導する際に特に有効であるものとして称賛されていること(Elbashir et al., EMBO 2001, 20:6877−6888)を当業者は十分認識している。しかしながら、より短いまたは長いdsRNAも有効であり得ることも分かっている。上述の実施形態では、該dsRNAは、最低限21のヌクレオチドの長さの少なくとも1つの鎖を含むことが可能である。片方または両方の末端における数個のヌクレオチドを既知の配列から引いたより短いdsRNAが、上述の長さのdsRNAに比べて同様に有効であることを合理的に推測することができる。したがって、少なくとも15、16、17、18、19、20またはそれ以上の接触するヌクレオチドの部分配列を有し、かつ後述するFACSアッセイにおいて標的遺伝子の発現の抑制能力が、完全配列を有するdsRNAとは5、10、15、20、25、または30%以下の抑制だけ異なるdsRNAが、本発明によって想定される。さらに、標的配列内で開裂するdsRNAは、提供される標的遺伝子配列および標的配列を使用して容易に生成可能である。
第1のdsRNAが標的とする配列内で標的とするdsRNAは、特徴とされる組成物および方法における使用に適切である。本明細書にて用いられるように、第1のdsRNAのアンチセンス鎖に相補的であるmRNA内の任意の場所のメッセージを第2のdsRNAが開裂する場合、第2のdsRNAは、第1のdsRNAの配列内で標的とする。このような第2のdsRNAは、概して、標的遺伝子において選択された配列に接触する領域から取られる追加のヌクレオチド配列に結合する少なくとも15の接触するヌクレオチドから成る。
本明細書で特徴とされるdsRNAは、標的配列に対する1つもしくは複数の不一致を含有することができる。一実施形態では、該dsRNAは、3つ以下の不一致を含有する。該dsRNAのアンチセンス鎖が、標的配列に対して不一致を含有する場合、不一致の範囲は、相補性領域の中心に位置しないことが好ましい。該dsRNAのアンチセンス鎖が、標的配列に対して不一致を含有する場合、該不一致が、いずれかの末端からの5のヌクレオチドに制限されることが好ましく、例えば、相補性領域の5’または3’末端のいずれかからの5、4、3、2、または1のヌクレオチドであることが好ましい。例えば、標的遺伝子の領域に相補的である23のヌクレオチドのdsRNA鎖では、該dsRNAは、概して、中心の13のヌクレオチド内にいかなる不一致も含有しない。本発明内に説明する方法は、標的配列に対して不一致を有するdsRNAが標的遺伝子の発現の抑制に有効であるか否かを決定するために使用することが可能である。特に、標的遺伝子における特定の相補性領域が、集団内において多形配列変動を有するものとして知られている場合に、標的遺伝子の発現を抑制する際の不一致を有するdsRNAの有効性を考慮することが重要である。
一実施形態では、該dsRNAの少なくとも1つの末端は、1から4、概して1または2のヌクレオチドの1本鎖ヌクレオチドオーバーハングを有する。少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを有するdsRNAは、平滑末端型の対応物よりも、予想外に優れた抑制特性を有する。さらに、本発明者は、ヌクレオチドオーバーハングが1つだけ存在することによって、全体の安定性に影響を及ぼさずに該dsRNAの干渉活性が強化されることを発見した。オーバーハングを1つだけ有するdsRNAは、インビボ、ならびに多種多様の細胞、細胞培地、血液、および血清において特に安定かつ有効であることが判明した。概して、1本鎖オーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端に位置し、代替として、センス鎖の3’末端に位置する。また、該dsRNAは、概してアンチセンス鎖の5’末端に位置する平滑末端を有してもよい。このようなdsRNAの安定性および抑制活性が改善されるため、低用量の投与、すなわち、1日当たり服用者の体重の5mg/kgより少ない投与が可能になる。一実施形態では、該dsRNAのアンチセンス鎖は、3’末端および/または5’末端において、1から10のヌクレオチドオーバーハングを有する。一実施形態では、dsRNAのセンス鎖は、3’末端および/または5’末端において、1から10のヌクレオチドオーバーハングを有する。別の実施形態では、オーバーハングにおける1つもしくは複数のヌクレオチドは、ヌクレオシドチオリン酸塩に置換される。
さらに別の実施形態では、該dsRNAは、強度を強化するために化学的に修飾される。例えば、該核酸は、参照により本明細書に組み込まれる“Current protocols in nucleic acid chemistry,” Beaucage, S.L. et al. (Edrs.), John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, USAに記載される方法等の、当技術分野で十分確立された方法によって合成および/または修飾され得る。本明細書に説明する適用に有用なdsRNA化合物の具体的な例として、修飾骨格を含有する、または天然ヌクレオシド間結合を含まないdsRNAが挙げられる。本明細書において規定するように、修飾骨格を有するdsRNAには、骨格にリン原子を保持するdsRNAと、骨格にリン原子を含まないdsRNAとが含まれる。本明細書において、当技術分野において場合により参照されるように、ヌクレオシド間骨格にリン原子を含まない修飾dsRNAも、オリゴヌクレオシドであると考えることが可能である。
典型的な修飾dsRNA骨格には、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’−アルキレンホスホン酸塩およびキラルホスホン酸塩を含むメチルおよび他のアルキルホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、3’−アミノホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホン酸塩、チオノアルキルホスホトリエステル、および正常な3’−5’結合を有するボラノホスフェート、これらの2’−5’結合類似体、ならびに逆極性を有するものが含まれ、ヌクレオシド単位の隣接する対は、3’−5’から5’−3’、または2’−5’から5’−2’に結合される。種々の塩、混合塩、混合塩、および遊離酸形態も含まれる。
上記のリンを含有する結合の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第3,687,808号、同第4,469,863号、同第4,476,301号、同第5,023,243号、同第5,177,195号、同第5,188,897号、同第5,264,423号、同第5,276,019号、同第5,278,302号、同第5,286,717号、同第5,321,131号、同第5,399,676号、同第5,405,939号、同第5,453,496号、同第5,455,233号、同第5,466,677号、同第5,476,925号、同第5,519,126号、同第5,536,821号、同第5,541,316号、同第5,550,111号、同第5,563,253号、同第5,571,799号、同第5,587,361号、および同第5,625,050号が含まれるがこれらに限定されず、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
dsRNA骨格内にリン原子を含まない典型的な修飾dsRNA骨格は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルのヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルのヌクレオシド間結合、または1つもしくは複数の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間結合により形成される骨格を有する。これらには、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される);シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシド、およびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファミン骨格;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格;スルホン酸およびスルホンアミド骨格;アミド骨格;および混合N、O、SおよびCH成分部分を有する骨格が含まれる。
上記オリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,185,444号、同第5,214,134号、同第5,216,141号、同第5,235,033号、同第5,64,562号、同第5,264,564号、同第5,405,938号、同第5,434,257号、同第5,466,677号、同第5,470,967号、同第5,489,677号、同第5,541,307号、同第5,561,225号、同第5,596,086号、同第5,602,240号、同第5,608,046号、同第5,610,289号、同第5,618,704号、同第5,623,070号、同第5,663,312号、同第5,633,360号、同第5,677,437号、および同第5,677,439号が含まれるが、これらに限定されず、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
他のdsRNA模造物では、糖およびヌクレオシド間結合の両方、すなわち、ヌクレオチド単位の骨格が新しい基に置換されている。該塩基単位は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持されている。このような1つのオリゴマー化合物、つまり、優れたハイブリダイゼーション特性を有することが分かっているdsRNA模造物は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物では、dsRNAの糖骨格は、アミド含有骨格、具体的にはアミノエチルグリシン骨格に置換されている。これらの核酸塩基は保持され、該骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接または間接的に結合する。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、および同第5,719,262号明細書が含まれ、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。さらに、PNA化合物の教示は、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497−1500に見られることができる。
本明細書で特徴とされる多くの実施形態は、ホスホロチオエート骨格を有するdsRNAおよびヘテロ原子骨格を有するオリゴヌクレオシド、具体的には、上記に参照した米国特許第5,489,677号の−−CH−−NH−−O−−CH−−、−CH−−N(CH)−−O−−CH−−[メチレン(メチレンイミノ)またはMMI骨格として既知である]、−−CH−−O−−N(CH)−−CH−−、−−CH−−N(CH)−−N(CH)−−CH−−および−−O−−N(CH)−−CH−−CH−−[ここで、天然ホスホジエステル骨格は、−O−P−O−CH−で表される]、および上記に参照した米国特許第5,602,240号のアミド骨格である。また上記に参照した米国特許第5,034,506号のモルホリノ骨格構造を有するDsRNAも、本明細書に説明する用途に有用である。
また、修飾dsRNAは、1つもしくは複数の置換糖部分を含有し得る。典型的なdsRNAは、例えば、OH;F;O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルのうちの1つを2’位に含み、ここで該アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換のCからC10アルキルまたはCからC10アルケニルおよびアルキニルであり得る。特に、例示には、O[(CHO]CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、およびO(CHON[(CHCH)]が含まれ、ここでnおよびmは1から約10である。他の例示的dsRNAは、CからC10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルまたはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基、レポーター基、インターカレーター、dsRNAの薬物動態学的特性を改善する基、またはdsRNAの薬力学的特性を改善する基、および類似の特性を有する他の置換基のうちの1つを2’位に含む。典型的な修飾には、2’−メトキシエトキシ(2’−O−−CHCHOCH、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても既知である)(Martin et al., Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504)、すなわち、アルコキシ−アルコキシ基が含まれる。他の典型的な修飾には、以下の実施例において説明するような2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、O(CHON(CH基であって、2’−DMAOEとしても既知であるもの、およびこれも以下の実施例において説明するような2’−O−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野において、2’−O−ジメチルアミノエトキシエチルまたは2’−DMAEOEとしても既知である)、すなわち、2’−O−−CH−−O−−CH−−N(CHが含まれる。
他の例示的修飾には、2’−メトキシ(2’−OCH)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCHCHCHNH)および2’−フルオロ(2’−F)が含まれる。また、同様の修飾が、該dsRNAの他の位置で成されてもよく、特に、3’末端ヌクレオチドまたは2’−5’結合dsRNA上の糖の3’位、および5’末端ヌクレオチドの5’位が挙げられる。また、dsRNAは、ペンタフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分等の糖模造物を有してもよい。このような修飾糖構造の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第4,981,957号、同第5,118,800号、同第5,319,080号、同第5,359,044号、同第5,393,878号、同第5,446,137号、同第5,466,786号、同第5,514,785号、同第5,519,134号、同第5,567,811号、同第5,576,427号、同第5,591,722号、同第5,597,909号、同第5,610,300号、同第5,627,053号、同第5,639,873号、同第5,646,265号、同第5,658,873号、同第5,670,633号、および同第5,700,920号が含まれるが、これらに限定されず、そのうちの一定の特許は、本出願と共同所有され、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
また、dsRNAは、核酸塩基(当該技術分野において単に「塩基」と呼ぶことが多い)修飾または置換も含んでよい。本明細書において使用する「非修飾」または「天然」核酸塩基には、プリン塩基のアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)が含まれる。修飾核酸塩基には、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ、特に、5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニンおよび3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニン等の、他の合成および天然の核酸塩基が含まれる。
さらなる核酸塩基には、米国特許第3,687,808号に開示されているもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering, pages 858−859, Kroschwitz, J. L, ed. John Wiley & Sons, 1990に開示されているもの、Englisch et al., Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613に開示されているもの、およびSanghvi, Y S., Chapter 15, DsRNA Research and Applications, pages 289−302, Crooke, S. T. and Lebleu, B., Ed., CRC Press, 1993に開示されているものが含まれる。これらの核酸塩基の一定のものは、本発明で特徴とされるオリゴマー化合物の結合親和性を増加させるのに特に有用である。これらには、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含む5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、およびN−2、N−6およびO−6置換プリンが含まれる。5−メチルシトシン置換は、0.6〜1.2℃だけ核酸2重鎖安定性を増加させることが分かっており(Sanghvi, Y. S., Crooke, S. T. and Lebleu, B., Eds., DsRNA Research and Applications, CRC Press, Boca Raton, 1993, pp. 276−278)、特に、2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わせる場合に典型的な塩基置換である。
上述の修飾核酸塩基ならびに他の修飾核酸塩基のうちの一定のものの調製を教示する代表的な米国特許には、上述の米国特許第3,687,808号、ならびに米国特許第4,845,205号、同第5,130,30号、同第5,134,066号、同第5,175,273号、同第5,367,066号、同第5,432,272号、同第5,457,187号、同第5,459,255号、同第5,484,908号、同第5,502,177号、同第5,525,711号、同第5,552,540号、同第5,587,469号、同第5,594,121号、同第5,596,091号、同第5,614,617号、および第5,681,941号が含まれるが、これらに限定されず、その各々は、参照により本明細書に組み込まれ、また、米国特許第5,750,692号も、参照により本明細書に組み込まれる。
dsRNAの別の典型的な修飾は、dsRNAの活性、細胞分布、または細胞取り込みを強化する1つもしくは複数の部分または抱合物をdsRNAに化学的に結合することを伴う。このような部分には、コレステロール部分等の脂質部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,199,86,6553−6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1994,4,1053−1060)、チオエーテル、例えば、ベリル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306−309;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3,2765−2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.AcidsRes.,1992,20,533−538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBOJ.,1991,10,1111−1118;Kabanov et al.,FEBSLett.,1990,259,327−330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49−54)、リン脂質、例えば、ジヘキサデシル−rac−グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホン酸塩(Manoharan et al.,TetrahedronLett.,1995,36,3651−3654;Shea et al.,NucleicAcidsRes.,1990,18,3777−3783)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14,964−973)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,TetrahedronLett.,1995,36,3651−3654)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229−237)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノカルボニルオキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923−937)が含まれるが、これらに限定されない。
このようなdsRNA抱合物の調製を教示する代表的な米国特許には、米国特許第4,828,979号、同第4,948,882号、同第5,218,105号、同第5,525,465号、同第5,541,313号、同第5,545,730号、同第5,552,538号、同第5,578,717、同第5,580,731号、同第5,591,584号、同第5,109,124号、同第5,118,802号、同第5,138,045号、同第5,414,077号、同第5,486,603号、同第5,512,439号、同第5,578,718号、同第5,608,046号、同第4,587,044号、同第4,605,735号、同第4,667,025号、同第4,762,779号、同第4,789,737号、同第4,824,941号、同第4,835,263号、同第4,876,335号、同第4,904,582号、同第4,958,013号、同第5,082,830号、同第5,112,963号、同第5,214,136号、同第5,082,830号、同第5,112,963号、同第5,214,136号、同第5,245,022号、同第5,254,469号、同第5,258,506号、同第5,262,536号、同第5,272,250号、同第5,292,873号、同第5,317,098号、同第5,371,241、同第5,391,723号、同第5,416,203、同第5,451,463号、同第5,510,475号、同第5,512,667号、同第5,514,785号、同第5,565,552号、同第5,567,810号、同第5,574,142号、同第5,585,481号、同第5,587,371号、同第5,595,726号、同第5,597,696号、同第5,599,923号、同第5,599,928号、および同第5,688,941号が含まれるが、これらに限定されず、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
所定の化合物における全ての位置を均一に修飾する必要はなく、実際には、上述の修飾のうちの2つ以上は、単一の化合物に、またはdsRNA内の単一のヌクレオシドに組み込まれてもよい。また、本発明は、キメラ化合物であるdsRNA化合物も含む。本発明の内容では、「キメラ」dsRNA化合物つまり「キメラ」は、各々が少なくとも1つの単量体単位、すなわち、dsRNA化合物の場合ではヌクレオチドから構成される2つ以上の化学的に異なる領域を含有するdsRNA化合物、特に、dsRNAである。これらのdsRNAは、典型的には、少なくとも1つの領域を含み、この領域では、ヌクレアーゼ分解に対する耐性の増加、細胞の取り込みの増加、および/または標的核酸に対する結合親和性の増加を該dsRNAに付与するように該dsRNAは修飾される。該dsRNAの追加の領域は、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを開裂することができる酵素の基質として役割を果たすことができる。例として、RNaseHは、RNA:DNA2本鎖のRNA鎖を開裂する細胞性エンドヌクレアーゼである。ゆえに、RNaseHの活性化は、RNA標的の開裂をもたらし、これにより遺伝子発現のdsRNA抑制の効率が大幅に強化される。その結果、キメラdsRNAの使用時に、同じ標的領域とハイブリダイズするホスホロチオエートデオキシdsRNAと比較して、匹敵する結果をより短いdsRNAでしばしば得ることができる。RNA標的の開裂は、ゲル電気泳動、および必要に応じて当該技術分野で既知の関連する核酸ハイブリダイゼーション技法により日常的に検出することができる。
一定の例では、該dsRNAは、非リガンド基によって修飾され得る。いくつかの非リガンド分子は、dsRNAの活性、細胞分布、または細胞取り込みを強化するためにdsRNAに抱合されており、このような抱合を実行するための手順は、科学文献において入手可能である。このような非リガンド部分には、コレステロール等の脂質部分(Letsinger et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553)、コール酸(Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1994, 4:1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール(Manoharan et al., Ann. N.Y. Acad. Sci., 1992, 660:306; Manoharan et al., Bioorg. Med. Chem. Let., 1993, 3:2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al., Nucl. Acids Res., 1992, 20:533)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al., EMBO J., 1991, 10:111; Kabanov et al., FEBS Lett., 1990, 259:327; Svinarchuk et al., Biochimie, 1993, 75:49)、リン脂質、例えば、ジヘキサデシル−rac−グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム 1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホン酸塩(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36:3651; Shea et al., Nucl. Acids Res., 1990, 18:3777)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al., Nucleosides&Nucleotides, 1995, 36:3651)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36:3651)、パルミチル部分(Mishra et al., Biochim. Biophys. Acta, 1995, 1264:229)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノカルボニルオキシコレステロール部分(Crooke et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996, 277:923)が含まれている。このようなdsRNA抱合物の調製を教示する代表的な米国特許は、上記に列挙されている。典型的な抱合プロトコルは、配列の1つもしくは複数の位置においてアミノリンカーを有するdsRNAの合成を伴う。次いで、該アミノ基は、適切な結合試薬または活性化試薬を使用して抱合される分子と反応する。この抱合反応は、固体担体に依然として結合されたdsRNAとともに、または溶液相におけるdsRNAの開裂の後に実行され得る。dsRNA抱合物のHPLCによる精製によって、典型的には、純抱合物が得られる。
いくつかの実施形態では、本明細書に説明するオリゴヌクレオチドは、脂溶性リガンドに共有結合される。例示的脂溶性リガンドには、コレステロール;胆汁酸;および脂肪酸(例えば、リトコール−オレイル酸、ラウロイル酸、デカノイル(docosnyl)酸、ステアロイル酸、パルミトイル酸、リストイル酸、オレオイル酸、またはリノレオイル酸)が含まれる。該脂溶性リガンドは、例えば、開裂可能連結基を含むテザー等のテザーを介して、オリゴヌクレオリドに直接または間接的に結合することができる。いくつかの実施形態では、該脂溶性リガンドは、オリゴヌクレオチドにおけるある位置を介してオリゴヌクレオチドに連結され、そこにおいて、該オリゴヌクレオチドのリボースは、例えば、ピロリジン単量体等の単量体によって置換されている。
脂溶性部分に共有結合される例示的オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド(例えば、本明細書に説明するオリゴヌクレオチド)に組み込まれる以下の化学式(I)の構造を含む。
Figure 2011517676
(I)
式中、
Xは、N(CO)RまたはNRであり、
、R、およびRの各々は、R、R、またはRのうちの1つのみがOH、OR、またはORであるという条件で、独立してH、OH、OR、ORであり、
は、NRまたはNHC(O)Rで置換されるC〜C20アルキルであり、
は、
Figure 2011517676
であり、
は、
Figure 2011517676
であり、
AおよびCの各々は、独立してOまたはSであり、
Bは、OH、O、または
Figure 2011517676
であり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、および、
は、例えば、コレステロール;胆汁酸;または脂肪酸(例えば、リトコール−オレイル酸、ラウロイル酸、デカノイル(docosnyl)酸、ステアロイル酸、パルミトイル酸、リストイル酸、オレオイル酸、またはリノレオイル酸)を含む脂溶性リガンドである。いくつかの実施形態では、該脂溶性リガンドは、炭水化物ラジカルにさらにテザーされることが可能である。本明細書に説明するオリゴヌクレオチドに組み込まれることが可能であり、かつ脂溶性部分に共有結合される他の例示的単量体が、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国2005/0107325号に説明されている。
IIb.1本鎖オリゴヌクレオチド
マイクロRNAつまりmirとして説明および/または識別されるものを含む1本鎖オリゴヌクレオチドであって、標的物として使用され得るか、または本明細書で特徴とされるオリゴヌクレオチドの設計のテンプレートとしての役割を果たし得る1本鎖オリゴヌクレオチドについては、例えば、名称が「Oligomeric compounds and compositions for use in modulation small non−coding RNAs」であるEsau et al.への米国公開第20050261218号(USSN:10/909125)において教示されており、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。上述の2本鎖オリゴヌクレオチドに適用する任意の化学的な修正または変形が、1本鎖オリゴヌクレオチドにも適用することを、当業者は理解する。したがって、ここでは繰り返し説明しない。
III.製剤脂質粒子(FLiP)
FLiPは、(a)1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つであって、脂溶性物質に抱合されている該オリゴヌクレオチドと、(b)該抱合されたオリゴヌクレオチドが凝集、混合、または会合されているエマルションまたはリポソームのうちの少なくとも1つとを含む。
高度に疎水性であるコレステロールのRNAに対する共有結合抱合が、2本鎖RNAおよび1本鎖アンチセンスRNAの細胞取り込みを媒介し、RNA干渉およびマイクロRNAサイレンシングのそれぞれを導くことが知られている。また、コレステロール抱合RNAが、そのそれぞれの受容体への結合時に、細胞取り込みを媒介するHDLおよびLDLリポタンパク質粒子に結合することも分かっている。高比重リポタンパク(HDL)および低比重リポタンパク(LDL)の両方は、コレステロール輸送において重要な役割を果たす。HDLは、肝臓、腸、腎臓、およびステロイド産生器官内へのsiRNAの送達を導くが、LDLは、主に肝臓へのsiRHAを標的とする(Wolfrum et al. Nature Biotechnology Vol. 25 (2007))。しかしながら、現在まで、脂質抱合RNAの筋特異的送達のための方法は存在しない。解決すべき技術的問題は、具体的には心臓組織、肺組織、および筋肉組織にオリゴヌクレオチドを標的化するオリゴヌクレオチド用の非毒性担体を提供することにある。この問題は、製剤脂質粒子(FliP)を使用することによって解決される。
リポソームは、その独特な特性により、薬物を輸送するために広く使用される別のツールである(V. P. Torchilin, Nature Rev. Drug Discov. 2005, 4(2):145−160)。リポソームは、1つまたは複数の同心脂質2重層により形成される球形の自己閉鎖型構造であり、脂質2重層の内部およびその間に水相を有する。リポソームのサイズ、形状、組成は異なってもよい。従来的には、リポソームは、リン脂質とコレステロールとの2重層から構成される膜を指す。リポソームは、卵黄ホスファチジルエタノールアミンのような混合脂質鎖を有する天然由来のリン脂質から構成可能であるか、またはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン等の純粋界面活性剤成分から構成可能である。リポソームは、疎水性膜内部の水溶液上の領域を封入し、溶解親水性溶質は、脂質を容易に通過することができない。疎水性化学物質は、膜内に溶解可能であり、このように、リポソームは、疎水性分子および親水性分子の両方を担持することが可能である、これらの分子を作用部位に送達するためには、該脂質2重層は、細胞膜等の他の2重層と融合することができるため、リポソーム含有物が送達される。
免疫リポソームは、所望の組織および器官に蓄積するように設計されている。対象の細胞を認識しそれに結合することのできる表面付着リガンドを有する標的リポソームの使用が提案されている。葉酸およびトランスフェリンは、腫瘍細胞を標的とするリポソームを媒介する。葉酸およびトランスフェリンの受容体が腫瘍細胞において頻繁に過剰発現されることから、葉酸修飾またはトランスフェリンの修飾リポソームにより腫瘍を標的とすることが、有望な手法を表す。
別のリポソーム源は、Intralipid(登録商標)である。Intralipid(登録商標)は、ヒト用の第1の安全な脂肪エマルションの商標名であり、1962年に認可され、Arvid Wretlind教授, Swedenにより発明された。これは、常食に脂肪をあまり摂ることのできない患者の静脈内に投与される。ゆえに、これは、完全に非毒性であり、ヒトにおいて十分認められている。
Intralipid(登録商標)20%(20%の静脈内脂肪エマルション)は、カロリー源および必須脂肪酸源として静脈内投与のために調製された無菌の非発熱性脂肪エマルションである。これは、20%の大豆油、1.2%の卵黄リン脂質、2.25%のグリセリン、および注入用の水から構成される。加えて、水酸化ナトリウムが、最終生成物のpHが6から8.9の範囲の約8になるようにpHを調整するように添加されている。Intralipid(登録商標)20%は、約350mosmol/kg water(260mosmol/エマルションリットルを表す)のオスモル濃度を有し、約0.5ミクロンサイズの乳化脂肪粒子を含有する。該大豆油は、大部分が不飽和の脂肪酸の天然トリグリセリドの混合から成る精製天然産物である。
主成分の脂肪酸は、リノール酸、C1832(44〜62%);オレイン酸、C1834(19〜30%);パルミチン酸、C1632(7〜14%);リノレン酸、C1830(4〜11%)、およびステアリン酸、C1836(1.4〜5.5%)である。加えて、大豆油は、微量のラウリン酸、ミリスチン酸、アラキジン酸、およびパルミトレイン酸を含有する。
精製卵黄リン脂質は、卵黄から単離される天然由来のリン脂質の混合物である。これらのリン脂質は、飽和および不飽和脂肪酸と、リン酸のコリンエステルまたはエタノールアミンエステルのいずれかとを含有する。グリセロールは、化学的に指定されるCであり、無色透明であり、吸湿性シロップ液である。
多くのリポソームは、1つには刺激的な炎症性サイトカインの放出により毒性であり、ゆえに、その用途は、薬剤送達システムとしての医療使用に限定される。Intralipid(登録商標)は、非毒性であり、医療用途に認可されている。
いくつかの実施形態では、サフラワー油等の別の適切な油は、FLiPのリポソームまたはエマルション成分を産生する役割を果たし得る。
FPLCによるIntralipid(登録商標)の分析により、このエマルションが、異なるサイズの種々の安定脂質粒子を含有することが明らかになった(図1)。1つの特定の分画が、心臓組織、肺組織、および筋肉組織に対して親和性を有することが本発明者によって示された。この特定の分画は、Intralipid(登録商標)#1と呼ばれる。Intralipid(登録商標)#1の脂質組成物は、完全なIntralipid(登録商標)混合物に類似するが、分子量が15kdから35kDの間である1つまたは複数の特定の脂質結合タンパク質を含有する。
本事例は、リポソームを有するFLiPを教示するが、FLiP組成物は、エマルション成分も含んでもよく、またはリポソームの代わりにエマルションを含む。FLiPのリポソームは、トリアシルグリセロール、リン脂質、グリセロール、および1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドを有する脂溶性リンカー分子を介して凝集、混合、または会合された1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含み、この場合、該リポソームは、心臓組織、肺組織、および/または筋肉組織に対して親和性を有する。驚くことに、該1つまたは複数の脂質結合タンパク質を上述の脂質と組み合わせることにより、心臓組織、肺組織、および/または筋肉組織に対する親和性が、極めて特異的であることが発見された。ゆえに、これらのリポソームは、オリゴヌクレオチドの担体としての役割を果たすことができる。具体的には、リポソームは、心臓細胞、肺細胞、および筋肉細胞に対するその親和性により、オリゴヌクレオチドをこれらの組織に輸送することができる。ゆえに、リポソーム凝集体は、心筋炎、虚血性心疾患、ミオパシー、心筋ミオパチー、代謝性疾患、軟組織疾患および肉腫、筋ジストロフィー、筋捻挫および筋挫傷、間質性肺疾患(肺線維症)、ならびに紋筋肉腫等の多くの重い心臓、肺、および筋肉の病気に使用され得る。
一実施形態では、FLiPは、約15〜25%のトリアシルグリセロール、約0.5〜2%のリン脂質、約1〜3%のグリセロール、および1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含有するリポソームを含む。
別の実施形態では、FLiPは、約15〜25%のトリアシルグリセロール、約1〜2%のリン脂質、約2〜3%のグリセロール、および1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含有するリポソームを含む。
さらに別の実施形態では、FLiPは、Intralipid(登録商標)の全組成に対応する約20%のトリアシルグリセロール、約1.2%のリン脂質、および約2.25%のグリセロール、ならびに1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含有するリポソームを含む。
別の実施形態では、リポソーム成分は、Intralipid(登録商標)#1として本明細書において既知である分画である。別の実施形態では、代替として、FLiPのエマルション成分は、Intralipid(登録商標)#1である。
一実施形態では、FLiPは、約20〜50nmまたは約30〜50nm、例えば、約35nmまたは約40nmの粒子サイズを有する。
別の実施形態では、FLiPは、少なくとも約100nmの粒子サイズを有する。代替として、FLiPは、リポソームベースまたはエマルションベースとして特徴付けられるかにかかわらず、約100〜150nmの間、例えば、約110nm、約120nm、約130nm、または約140nmであってもよい。
別の実施形態では、複数のFLiPは、まとめて凝集される。本実施形態では、複数のFLiPが送達されるために、粒子サイズが100nmより大きくなり得ることが想定される。
オリゴヌクレオチド対エマルションまたはリポソームの化学量論は、1:1であってもよい。代替として、該化学量論は、1:多数、多数:1、または多数:多数であってもよく、この場合、多数は、2を上回る。
別の実施形態では、FLiPのオリゴヌクレオチド成分は、脂溶性部分を介してリポソームまたはエマルション成分と凝集、会合、または混合される。この凝集、会合、または混合は、該リポソームまたはエマルションの表面に存在し得る。代替として、該脂溶性部分の一部分または全部のうちのいずれかのうちのいくつかの統合が、発生し、該リポソームまたはエマルションの中にまで及んでもよい。オリゴヌクレオチドを脂質に結合可能である任意の脂溶性リンカー分子を選択することができる。例として、コレステロール、ピロリジン、およびヒドロキシプロリノールが挙げられる。
FLiPのオリゴヌクレオチド成分は、例えば、RNA、RNA干渉を媒介するオリゴヌクレオチド(例えば、dsRNA)、RNAを標的とするオリゴヌクレオチド、またはタンパク質を標的とするオリゴヌクレオチドである。
さらに、本発明は、Intralipid(登録商標)エマルションから該リポソームまたはエマルション成分を選択する工程に関する。該脂質成分の源、特に大豆またはサフラワー油が、分画パターンならびに/あるいは送達またはサイレンシングの有効性を改変し得ることに留意されたい。本明細書に説明する方法の後に、商用成分源に基づいて最適化される分画を選択する際に比較研究を実行することは、当業者の技術の範囲内にある。一実施形態は、油または他の成分の商用源が比較されるFLiPの脂質成分を最適化する方法を提供する。
Intralipid(登録商標)エマルションを分画し、異なる脂質粒子を分離する任意の方法を選択することが可能である。サイズが20〜50nm、例えば、約35nmまたは約40nm等の30〜50nmのリポソーム粒子が選択され得る。サイズが100〜150nm、例えば、約100nmのエマルション粒子が選択され得る。
例示的分画方法には、クロマトグラフィー、例えば、液体クロマトグラフィーおよび超遠心分離法が含まれる。
リポソームを生成するための方法は、
a)脂質エマルションを化学的に修飾され得る1つまたは複数の1本鎖または2本鎖脂溶性物質(例えば、コレステロール)抱合オリゴヌクレオチドと混合する工程と、
b)この混合物を分画する工程と、
c)サイズが約40nm等の30〜50nmの粒子を有する分画を選択する工程と、
を含む。
本例に示すように、コレステロール抱合RNA(Chol−apoB1およびAntagomir−16)は、FPLCにより分画40から50の間で溶出し、かつサイズが30nmから50nmの間の粒子を含有するIntralipid(登録商標)ピーク#1に結合する。
代替として、該リポソームは、初めに、トリアシルグリセロール、リン脂質、グリセロール、および1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含み、かつIntralipid(登録商標)#1粒子に相当する脂質粒子を単離し、次いで、単離された粒子を、2倍を超えるモル過剰の1本鎖または2本鎖脂溶性物質(例えば、コレステロール)抱合オリゴヌクレオチドと混合することによって生成可能である。該粒子を分画および選択する工程は、該リポソームを生成するためのこの代替方法によって削除される。
一実施形態では、リポソームFLiP凝集体は、心臓、肺、または筋肉の病気を治療する等の薬剤として使用される。このような薬剤は、典型的には、特定の遺伝子、RNA、またはタンパク質の過剰発現により引き起こされる疾患を治療するために使用される。
いくつかの実施形態では、リポソームまたはエマルション凝集体は、凍結乾燥物に含有される。
一態様では、哺乳類をオリゴヌクレオチドに接触させることによって、哺乳類の心臓組織、肺組織、および/または筋肉組織に1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドを選択的に標的化するための方法が提供され、この場合、該オリゴヌクレオチドは、上記説明に従って、脂質エマルション分画方法を介して製剤化されている。心臓、肺、または筋肉等の特定の組織において選択的または排他的に発現する遺伝子を識別することは、当業者の技術の範囲内にある。これらの遺伝子のいずれもが、1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドを設計するための標的物としての役割を果たし、次いで、1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドは、脂溶性物質に抱合され、FLiPにおいて製剤化され得る。
さらに別の態様は、哺乳類の組織をFLiP(リポソームもしくはエマルションを含有するFLiP、またはその両方を含有するFLiP等)に接触させることによって、哺乳類のインビボ組織における遺伝子の発現を低減するための方法に関する。
IV.製剤オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物
一実施形態では、本発明は、本明細書に説明するようなオリゴヌクレオチドと、医薬的に許容可能な担体とを含有する医薬組成物を提供する。このような組成物は、標的遺伝子発現が媒介する病理過程等の、標的遺伝子の発現または活性に関連する病気または疾患を治療するのに有用である。
本明細書で特徴とされる医薬組成物は、標的遺伝子の発現を抑制するのに十分な用量で投与される。概して、全オリゴヌクレオチドの適切な投与量は、1日当たりの服用者の体重のキログラム当たり0.01から200.0ミリグラムの範囲であり、概して、1日当たりの体重のキログラム当たり0.02から50mgの範囲である。例えば、dsRNAは、単回投与につき、0.01mg/kg、0.1mg/kg、0.05mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または50mg/kgで投与可能である。該医薬組成物は、1日1回投与されてもよく、あるいは1日を通して適切な間隔で2回、3回、もしくはそれ以上のサブ投与量として、または制御放出製剤によって持続注入もしくは送達を使用して投与されてもよい。この場合、各サブ投与量に含有されるオリゴヌクレオチドは、1日の全用量を達成するために、対応するように少量でなくてはならない。また、用量単位は、例えば、数日間オリゴヌクレオチドの持続放出を提供する従来の持続放出製剤を使用して、数日間の送達のために配合することが可能である。持続放出製剤は、当技術分野において周知であり、特に、本明細書で特徴とされる薬剤とともに使用され得る特定の部位における薬剤の送達に有用である。本実施形態では、該用量単位は、対応する複数の1日当たりの用量を含有する。
当業者は、一定の要因が、被験者を効果的に治療するのに必要な投与量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを理解し、該要因には、病気または疾患の重度、前処置、全身の健康、および/または被験者の年齢が含まれるが、これらに限定されない。さらに、治療的に有効な量の組成物による被験者の治療には、単回治療または一連の治療が含まれることが可能である。本発明により包含される個々のオリゴヌクレオチドの有効な投与量およびインビボ半減期の推定は、本発明の他の場所で説明するように、従来の方法を使用して、または適切な動物モデルを使用するインビボ試験に基づいて行なうことが可能である。
マウス遺伝子学における進歩によって、標的遺伝子発現が媒介する病理過程等の種々のヒトの病気の研究のためにいくつかのマウスモデルが作成されている。このようなモデルは、オリゴヌクレオチドのインビボ試験のため、ならびに治療的に有効な投与量を決定するために使用される。
本明細書で特徴とされる医薬組成物は、局部的または全身的治療を所望するかに応じて、および治療範囲に応じて、多数の方式で投与され得る。投与は、局所的であるか(例えば、経皮貼布による)、経肺であるか(例えば、噴霧器による;気管内、鼻腔内、表皮、および経皮を含む、粉末またはエアロゾルの吸入または吹入による)、経口または非経口である。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内または筋肉内注射もしくは注入;皮下、例えば、埋め込みデバイスを介して;あるいは、頭蓋内、例えば、脳実質内、髄腔内、もしくは脳室内投与によるものが含まれる。
局所的投与の医薬組成物および製剤には、経皮貼布、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、点的薬、坐薬、噴霧、液体、および粉末が含まれ得る。従来の医薬担体、水溶液、粉末または油ベース、増粘剤、およびその同等物は、必要であってもまたは望ましくてもよい。また、コーティングされたコンドーム、グローブ、およびその同等物も、有用であり得る。適切な製剤には、その中で、FLiPが、脂質、リポソーム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステロイド、キレート剤、および界面活性剤等の局所的送達薬剤と混合する製剤が含まれる。
適切な脂質およびリポソームには、天然(例えば、ジオレオイルホスファチジルDOPEエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルコリンDMPC、ジステアロイルホスファチジルコリン)、陰性(例えば、ジミリストイルホスファチジルグリセロールDMPG)、およびカチオン性(例えば、ジオレオイルテトラメチルアミノプロピルDOTAPおよびジオレオイルホスファチジルエタノールアミンDOTMA)が含まれる。FLiPは、それ自体、リポソーム内に封入されてもよく、またはそれと、具体的にはカチオン性リポソームと複合体を形成してもよい。代替として、FLiPは、脂質、具体的にはカチオン性脂質と複合体を形成してもよい。適切な脂肪酸およびエステルには、アラキドン酸、オレイン酸、エイコサン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプラート、トリカプラート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、またはC1−10アルキルエステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピルIPM)、モノグリセリド、ジグリセリド、またはこれらの医薬的に許容可能な塩が含まれるが、これらに限定されない。
経口投与のための組成物には、粉末または顆粒、ミクロ粒子、ナノ粒子、水または非水溶媒中の懸濁液または溶液、カプセル、ゲルカプセル、小袋、錠剤またはミニ錠剤が含まれる。増粘剤、香味剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤、または結合剤が、望ましくあり得る。典型的な経口製剤は、その中で、FLiPが、1つもしくは複数の浸透促進剤、界面活性剤、およびキレート剤と併用して投与される経口製剤である。典型的な界面活性剤には、脂肪酸および/またはそのエステルもしくは塩、胆汁酸および/またはその塩が含まれる。適切な胆汁酸/塩には、ケノデオキシコール酸(CDCA)およびウルソデオキシケノデオキシコール酸(UDCA)、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、グルコール酸(glucholic acid)、グリコール酸(glycholic acid)、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、タウロ−24,25−ジヒドロ−フシジン酸ナトリウム、およびグリコジヒドロフシジン酸ナトリウムが含まれる。典型的な脂肪酸には、アラキドン酸、ウンデカン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、モノグリセリド、ジグリセリド、または医薬的に許容可能なそれらの塩(例えば、ナトリウム)が含まれる。また、浸透促進剤の組み合わせも適切であり、浸透促進剤の組み合わせには、例えば、胆汁酸/塩と組み合わせた脂肪酸/塩が含まれる。典型的な組み合わせの1つとして、ラウリン酸、カプリン酸、およびUDCAのナトリウム塩が挙げられる。さらなる浸透促進剤には、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテルが含まれる。本明細書で特徴とされるdsRNAは、噴霧される乾燥粒子を含む顆粒形態またはミクロ粒子またはナノ粒子を形成するように複合体化された顆粒形態で、経口で送達され得る。dsRNA複合体化剤には、ポリアミノ酸;ポリイミン;ポリアクリル酸塩;ポリアクリル酸アルキル、ポリオキセタン、ポリアルキルシアノアクリレート;カチオン化ゼラチン、アルブミン、でんぷん、アクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)およびでんぷん;ポリアルキルシアノアクリレート;DEAE誘導体化ポリイミン、プルラン、セルロース、およびでんぷんが含まれる。典型的な複合体化剤には、キトサン、N−トリメチルキトサン、ポリ−L−リジン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミン、ポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノメチルエチレンP(TDAE)、ポリアミノスチレン(例えば、p−アミノ)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソヘキシルシアノアクリレート)、DEAE−メタクリレート、DEAE−ヘキシルアクリレート、DEAE−アクリルアミド、DEAE−アルブミンおよびDEAE−デキストラン、ポリメチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(DL−乳酸−co−グリコール酸(PLGA)、アルギナート、およびポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。dsRNAの経口製剤およびその調製は、米国特許出願第08/886,829(1997年7月1日出願)、同第09/108,673(1998年7月1日出願)、同第09/256,515(1999年2月23日出願)、同第09/082,624(1998年5月21日出願)、および同第09/315,298(1999年5月20日出願)に詳述されており、その各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
非経口投与、髄腔内投与、脳室内投与、または肝内投与に有用な追加の組成物には、滅菌水溶液が含まれ、この滅菌水溶液はまた、緩衝剤、希釈剤、ならびに例えば、浸透促進剤、担体化合物、および他の医薬的に許容可能な担体または賦形剤等であるがこれらに限定されない他の適切な添加物を含有してもよい。
本明細書で特徴とされる医薬組成物には、溶液、エマルション、およびリポソーム含有製剤が含まれるが、これらに限定されない。これらの組成物は、多種多様の成分から生成され、この成分には、事前形成液体、自己乳化固体、および自己乳化半固体が含まれるが、これらに限定されない。肺、心臓、および他の筋肉を標的とする製剤が特に好適である。
単位投薬形態で便宜的に提示され得る医薬的製剤は、製薬業界で周知の従来の技術に従って調製され得る。このような技術には、活性成分を医薬担体または賦形剤と会合させる工程が含まれる。概して、この製剤は、活性成分を液体担体または細かく分割された固体担体またはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで、必要に応じて、この生成物を成形することによって調製される。
該組成物は、錠剤、カプセル、ゲルカプセル、液体シロップ、軟性ゲル、坐薬、および浣腸を含むがこれらに限定されない多くの可能な投薬形態のいずれかに製剤化され得る。また、該組成物は、水性媒体、非水性媒体、または混合媒体中の懸濁液として製剤化され得る。水性懸濁液は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む懸濁液の粘性を増加させる物質をさらに含有し得る。また、該懸濁液は、安定剤を含有し得る。
エマルション
FLiP組成物は、エマルションとして調製および製剤化され得る。エマルションは、典型的には、液滴の形態で別の液体中に分散される、ある液体の不均一系である。(Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199; Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., Volume 1, p. 245; Block in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 2, p. 335; Higuchi et al., in Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1985, p. 301)。エマルションは、しばしば、相互に密接に混合および分散された2つの不混和性の液体相を含む2相系である。概して、エマルションは、油中水(w/o)または水中油(o/w)種のいずれかであり得る。水相が、大量の油相に細かく分割されて、微細な液滴として分散される場合、生じた組成物は、油中水(w/o)エマルションと呼ばれる。代替として、油相が、大量の水相に細かく分割されて、微細な液滴として分散される場合、生じた組成物は、水中油(o/w)エマルションと呼ばれる。エマルションは、該分散された相の他に追加の成分を含有し得、および水相、油相、またはそれ自体を別の相とするいずれかの相に、溶液として存在し得る活性薬物を含有し得る。また、乳化剤、安定剤、色素、および抗酸化剤等の医薬的賦形剤も、必要に応じて、エマルション中に存在し得る。また、医薬的エマルションは、例えば、油中水中油(o/w/o)エマルションおよび水中油中水(w/o/w)エマルションの場合等の、2つより多くの相で構成される多重エマルションであり得る。このような複雑な製剤は、しばしば単純な2成分のエマルションが提供しない一定の利点を提供する。o/wエマルションの個々の油滴が、小さい水滴を囲む多重エマルションは、w/o/wエマルションを構成する。同様に、油の連続相中に安定化された水の小球中に囲まれた油滴の系は、o/w/oエマルションを提供する。
エマルションは、熱力学的安定性がほとんどまたは全くないことによって特徴付けられる。しばしば、エマルションの分散された相または不連続相は、外側の相または連続相に十分分散されて、乳化剤の手段または製剤の粘性により、この形態で維持される。エマルション型の軟膏基剤およびクリームの場合のように、エマルションの相のいずれかは、半固体または固体であり得る。エマルションを安定化する他の手段は、エマルションのいずれかの相に組み込まれ得る乳化剤の使用を伴う。乳化剤は、4つのカテゴリーに広く分類され得る:合成界面活性剤、天然由来の乳化剤、吸着基剤、および細かく分散された固体(Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。
界面活性剤(surface active agent)としても既知である合成の界面活性剤(surfactant)は、エマルションの製剤において広い適用性が見出されており、文献中で概説されている(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 285; Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., 1988, volume 1, p. 199)。界面活性剤は、典型的には、両親媒性であり、親水性の部分および疎水性の部分を含む。界面活性剤の疎水性の性質に対する親水性の性質の割合は、親水/親油バランス(HLB)と呼ばれ、製剤の調製において、界面活性剤を分類および選択する際に価値のあるツールである。界面活性剤は、親水基の性質:非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両親媒性に基づいて異なる種類に分類され得る(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 285)。
エマルション製剤において使用される天然由来の乳化剤には、ラノリン、蜜蝋、ホスファチド、レシチン、およびアカシアが含まれる。吸着基剤は、吸着基剤が水を吸い上げて、無水ラノリンおよび親水性ワセリン等の、吸着基剤の半固体の粘度を依然として維持するw/oエマルションを形成し得るように、親水性を有する。また、細かく分割された固体は、特に界面活性剤との併用において、および粘性の調製物において良好な乳化剤として使用されている。これらには、重金属水酸化物等の無機固体、ベントナイト、アタパルガイト、ヘクトライト、カオリン、モンモリロナイト、コロイド状のケイ酸アルミニウム、およびコロイド状のケイ酸マグネシウムアルミニウム等の非膨張性の粘土、顔料、ならびにカーボンまたはグリセリルトリステアレート等の非極性固体が含まれる。
また、多種多様の非乳化物質も、エマルション製剤に含まれ、エマルションの特性に寄与する。これらには、脂肪、油、蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、保湿剤、親水性コロイド、防腐剤、および抗酸化剤が含まれる(Block, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 335; Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。
親水性コロイドまたは親水コロイドには、多糖(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、カラギナン、グアールゴム、カラヤゴム、およびトラガカント)等の天然由来のゴムおよび合成ポリマー、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシプロピルセルロース)、ならびに合成ポリマー(例えば、カルボマー、セルロースエーテル、およびカルボキシビニルポリマー)が含まれる。これらは、水中で分散または膨潤し、コロイド状溶液を形成し、コロイド状溶液は、分散相の液滴の周りに強力な界面フィルムを形成することによって、および外部の相の粘性を増加させることによってエマルションを安定化させる。
エマルションは、しばしば、炭水化物、タンパク質、ステロール、およびホスファチド等の、微生物の増殖を容易に支援し得る多くの成分を含有するため、これらの製剤は、しばしば防腐剤を含む。エマルション製剤中に含まれる一般的に使用される防腐剤には、メチルパラベン、プロピルパラベン、4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル、およびホウ酸が含まれる。また、抗酸化剤も、製剤の変質を防止するためにエマルション製剤に一般的に添加される。使用する抗酸化剤は、トコフェロール、アルキルギャレット、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、またはアスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウム等の還元剤等のフリーラジカルスカベンジャーと、クエン酸、酒石酸、およびレシチン等の抗酸化共力剤とであり得る。
皮膚科学的経路、経口経路、および非経口経路を介したエマルション製剤の適用およびそれらの製造方法は、文献に概説されている(Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。経口送達のためのエマルション製剤は、製剤の容易さ、ならびに吸収およびバイオアベイラビリティーの観点からの有効性により、非常に広く使用されている(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245; Idson, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 199)。o/wエマルションとして一般的に経口投与されている物質中には、鉱油ベースの下剤、油溶性ビタミン、および高脂肪栄養調製物が存在する。
一実施形態では、FLiPの組成物は、マイクロエマルションとして製剤化されている。マイクロエマルションは、単一で光学的に等方性であり、熱力学的に安定な液体溶液である、水、油および両親媒性物質の系として定義され得る(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245)。典型的には、マイクロエマルションは、界面活性剤水溶液中の油をまず分散し、次いで十分な量の第4の成分、一般的には中間の鎖長のアルコールを透明な系を形成するように添加することによって調製される系である。ゆえに、マイクロエマルションは、熱力学的に安定で等方的に透明な、2つの混合できない液体の分散物としても説明され、これらの液体は、表面活性分子の界面フィルムによって安定化される(Leung and Shah, in: Controlled Release of Drugs: Polymers and Aggregate Systems, Rosoff, M., Ed., 1989, VCH Publishers, New York, pages 185−215)。マイクロエマルションは、3から5つの成分の組み合わせによって一般的に調製され、これらの成分には、油、水、界面活性剤、補助界面活性剤、および電解質が挙げられる。該マイクロエマルションが油中水(w/o)型であるかまたは水中油(o/w)型であるかは、使用する油および界面活性剤の特性ならびに界面活性剤分子の極性頭部および炭化水素尾部の構造および幾何学的パッキングに依存する(Schott, in Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1985, p. 271)。
位相図を利用した現象論的手法は、広範に研究されており、当業者に、マイクロエマルションの製剤法について当業者に包括的な知識を与えてきた(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245; Block, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 335)。従来のエマルションと比較すると、マイクロエマルションは、自発的に形成される、熱力学的に安定な小滴の製剤中に、水不溶性薬剤を溶解するという利点を提供する。
マイクロエマルションの調製に使用される界面活性剤には、単独で、または補助界面活性剤との組み合わせる、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、Brij96、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、脂肪酸ポリグリセロールエステル、モノラウリン酸テトラグリセロール(ML310)、モノオレイン酸テトラグリセロール(MO310)、モノオレイン酸ヘキサグリセロール(PO310)、ペンタオレイン酸ヘキサグリセロール(PO500)、モノカプリン酸デカグリセロール(MCA750)、モノオレイン酸デカグリセロール(MO750)、デカグリセロールセスキオレアート(SO750)、デカオレイン酸デカグリセロール(DAO750)が含まれるが、これらに限定されない。補助界面活性剤、つまり、通常は、エタノール、1−プロパノール、および1−ブタノール等の短鎖アルコールは、界面活性剤分子間に生成された間隙空間に起因して、界面活性剤フィルムに浸透し、その結果として無秩序なフィルムを作成することによって界面の流動性を増加する役割を果たす。しかしながら、マイクロエマルションは、補助界面活性剤を使用せずに調製されてもよく、無アルコールの自己乳化マイクロエマルション系は、当該分野で既知である。該水相は、典型的には、水、薬物の水溶液、グリセロール、PEG300、PEG400、ポリグリセロール、プロピレングリコール、およびエチレングリコールの誘導体であり得るが、これらに限定されない。該油相には、Captex(登録商標)300、Captex(登録商標)355、Capmul(登録商標)MCM、脂肪酸エステル、中鎖(C8〜C12)のモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド、ポリオキシエチレン化脂肪酸グリセリルエステル、脂肪アルコール、ポリグリコール化グリセリド、飽和ポリグリコール化C8〜C10グリセリド、植物油、およびシリコーンオイル等の物質が含まれ得るが、これらに限定されない。
マイクロエマルションは、薬剤可溶化および薬剤の吸収強化の観点から特に重要である。脂質ベースのマイクロエマルション(o/wおよびw/oの両方)は、ペプチドを含む薬物の経口バイオアベイラビリティーを強化するために提案されている(Constantinides et al., Pharmaceutical Research, 1994, 11, 1385−1390; Ritschel, Meth. Find. Exp. Clin. Pharmacol., 1993, 13, 205)。マイクロエマルションは、薬物可溶性の改善、酵素的加水分解からの薬剤の保護、膜の流動性および透過性における界面活性剤で誘導された改変に起因する可能な薬剤の吸収強化、調製の容易さ、固形投薬形態よりも容易な経口投与、臨床的効力の改善、および毒性減少の利点を与える(Constantinides et al., Pharmaceutical Research, 1994, 11, 1385; Ho et al., J. Pharm. Sci., 1996, 85, 138−143)。しばしば、マイクロエマルションは、それらの成分が周囲温度でまとめられる場合に、自発的に形成され得る。これは、熱不安定性の薬物、ペプチド、またはdsRNAを製剤化する場合に特に有利であり得る。また、マイクロエマルションは、化粧品および医薬の適用の両方において活性成分の経皮送達にも有効である。該マイクロエマルション組成物および製剤が、消化管からのdsRNAおよび核酸の増加した全身吸収を促進し、ならびにdsRNAおよび核酸の局部細胞取り込みを改善することが考えられる。
また、マイクロエマルションは、ソルビタンモノステアレート(Grill3)、Labrasol(登録商標)、および浸透促進剤等の添加成分および添加剤を含有して、製剤の特性を改善し、dsRNAおよび1本鎖核酸の吸収を強化し得る。マイクロエマルションで使用される浸透促進剤は、5つの広範なカテゴリー(界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤、および非キレート非界面活性剤)のうちの1つに属するものとして分類され得る(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 1991, p. 92)。これら分類の各々については上述している。
リポソーム
本発明において使用する「リポソーム」という用語は、球形の一つの2重層または複数の2重層に配置された両親媒性脂質から構成される小胞を意味する。
リポソームは、脂溶性材料および水性の内部から形成された膜を有する、単層または多層の小胞である。該水性部分は、送達される組成物を含有する。カチオン性リポソームは、細胞壁に融合可能であるという利点を所有する。非カチオン性リポソームは、細胞壁と効率的に融合することはできないが、インビボでマクロファージにより摂取される。
無傷の哺乳類の皮膚を通過するために、脂質小胞は、適切な経皮勾配の影響下で、各々が50nmより小さい直径を有する、一連の微細な孔を通過しなければならない。ゆえに、高度に変形可能であり、かつこのような微細な孔を通過可能であるリポソームを用いることが望ましい。
リポソームのさらなる利点は以下を含む;天然リン脂質から得られたリポソームは、生体適合性かつ生分解性である;リポソームは、多種多様の水および脂質可溶性薬物を取り込むことができる;リポソームは、それらの内部区画において、代謝および分解から封入された薬物を保護することができる(Rosoff, in Pharmaceutical Dosage Forms, Lieberman, Rieger and Banker (Eds.), 1988, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., volume 1, p. 245)。リポソーム製剤の調製における重要な考察は、脂質表面電荷、小胞サイズ、およびリポソームの水性容積である。
リポソームは、作用部位への活性成分の輸送および送達に有用である。リポソームの膜は、生物学的膜に構造的に類似していることから、リポソームを組織に適用する際、該リポソームは、細胞膜の融合を開始し、リポソームと細胞の融合が進行するにつれて、リポソームの含有物は、活性薬物が作用し得る細胞中に入って空になる。
リポソーム製剤は、多くの薬物のための送達モードとして、広範な調査の焦点となっている。局所的投与では、リポソームが他の製剤に優るいくつかの利点を提示するという証拠が増加している。このような利点には、投与された薬物の高全身吸収に関連する副作用の低減、所望の標的における投与された薬物の蓄積の増加、ならびに皮膚への親水性および疎水性の両方の多種多様の薬剤を投与する能力が含まれる。
いくつかの報告は、高分子量のDNAを含む薬剤を皮膚に送達するリポソームの能力について詳述している。鎮痛剤、抗体、ホルモン、および高分子量のDNAを含む化合物が皮膚に投与されている。大部分の適用は、上部表皮の標的化を生じた。
リポソーム組成物の主要な種類の1つとして、天然由来のホスファチジルコリン以外のリン脂質が挙げられる。天然リポソーム組成物は、例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)から形成可能である。概して、アニオン性リポソーム組成物は、ジミリストイルホスファチジルグリセロールから形成され、一方、アニオン性の融合性リポソームは、主に、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。別の種類のリポソーム組成物は、例えば、大豆PC、および卵PC等のホスファチジルコリン(PC)から形成される。別の種類は、リン脂質および/またはホスファチジルコリンおよび/またはコレステロールの混合物から形成される。
いくつかの研究は、リポソーム薬物製剤の皮膚への局所的送達を評価している。モルモット皮膚へのインターフェロンを含有するリポソームの適用により、皮膚ヘルペス痛が減少し、一方、他の手段によるインターフェロンの送達(例えば、溶液として、またはエマルションとして)は、有効でなかった(Weiner et al., Journal of Drug Targeting, 1992, 2, 405−410)。さらに、追加の研究により、水系を使用するインターフェロンの投与へのリポソーム製剤の一部として投与されたインターフェロンの有効性を試験し、このリポソーム組成物が、水投与より優れていたことが結論付けられた(du Plessis et al., Antiviral Research, 1992, 18, 259−265)。
また、非イオンリポソーム系も、非イオン性界面活性剤およびコレステロールを含む特定の系において、皮膚への薬物の送達におけるその有用性を判断するために試験された。Novasome(登録商標)I(ジラウリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)およびNovasome(登録商標)II(ジステアリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)を含む、非イオン性リポソーム製剤を使用して、マウス皮膚の真皮中にシクロスポリンAを送達した。その結果、このような非イオン性リポソーム系が、皮膚の異なる層中へのシクロスポリンAの沈着の促進に有効であったことが示された(Hu et al. S.T.P.Pharma. Sci., 1994, 4, 6, 466)。
また、FLiPのリポソームは、「立体的に安定化した」リポソームも含み、この用語は、本明細書で使用する際、1つもしくは複数の特殊な脂質を含むリポソームを指し、リポソーム中に取り込まれる場合、このような特殊な脂質を欠くリポソームよりも循環寿命が増加する。立体的に安定化したリポソームの例は、リポソームの小胞形成性脂質部分の一部、(A)が、モノシアロガングリオシドGM1等の1つもしくは複数の糖脂質を含むか、または(B)ポリエチレングリコール(PEG)部分等の、1つもしくは複数の親水性ポリマーで誘導体化されているものである。任意の特定の理論により拘束されることを望まないが、当該分野では、少なくとも、ガングリオシド、スフィンゴミエリン、またはPEG−誘導体化脂質を含有する、立体的に安定化したリポソームでは、これらの立体的に安定化したリポソームの循環半減期の増加は、細網内皮系(RES)の細胞中への取り込みの低減に由来すると考えられている(Allen et al., FEBS Letters, 1987, 223, 42; Wu et al., Cancer Research, 1993, 53, 3765)。
1つもしくは複数の親水性ポリマーで誘導体化された脂質を含む多くのリポソーム、およびそれらの調製の方法は、当該分野において既知である。Sunamoto et al.(Bull. Chem. Soc. Jpn., 1980, 53, 2778)は、非イオン性洗剤、2C1215Gを含み、PEG成分を含有するリポソームについて説明した。Illum et al.(FEBS Lett., 1984, 167, 79)は、ポリマー性グリコールによるポリスチレン粒子の親水性コーティングが、大幅に増加した血液半減期をもたらすことを記述した。ポリアルキレングリコール(例えば、PEG)のカルボン酸基の結合によって修飾された合成リン脂質は、Sears(米国特許第4,426,330号および同第4,534,899号)によって説明されている。Klibanov et al.(FEBS Lett., 1990, 268, 235)は、PEGまたはPEGステアレートで誘導体化されたホスファチジルエタノールアミン(PE)を含むリポソームの血液循環半減期が大幅にに増加することを実証する実験について説明した。Blume et al.(Biochimica et Biophysica Acta, 1990, 1029, 91)は、このような観察を、他のPEG−誘導体化リン脂質、例えば、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)とPEGとの組み合せから形成されるDSPE−PEGに拡張した。Fisherへの欧州特許第EP0445131B1号および国際公開第WO90/04384号では、リポソームの外面上に共有結合したPEG部分を有するリポソームについて説明している。1〜20モル%のPEGで誘導体化されたPEを含有するリポソーム組成物、およびそれらの使用の方法は、Woodle et al.(米国特許第5,013,556号および同第5,356,633号)およびMartin et al.(米国特許第5,213,804号および欧州特許第EP0496813B1号)によって説明されている。いくつかの他の脂質−ポリマー抱合物を含むリポソームが、国際公開第WO91/05545号および米国特許第5,225,212号(両方ともMartin et al.による)および国際公開第WO94/20073号(Zalipsky et al.)に開示されている。PEG−修飾セラミド脂質を含むリポソームは、国際公開第WO96/10391号(Choi et al.)に説明されている。米国特許第5,540,935号(Miyazaki et al.)および米国特許第5,556,948号(Tagawa et al.)は、リポソームの表面上で官能基によりさらに誘導体化され得るPEG含有リポソームについて説明している。
界面活性剤は、エマルション(マイクロエマルションを含む)およびリポソーム等の製剤において、広範な適用を見出している。天然および合成の両方の多くの種類の界面活性剤の特性を分類およびランク分けする最も一般的な方式は、親水性/親油性バランス(HLB)の使用によるものである。親水性基の性質(「頭部」としても既知である)は、製剤で使用する異なる界面活性剤を分類するための最も有用な手段を提供する(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., 1988, p. 285)。
該界面活性剤分子がイオン化されていない場合、非イオン性界面活性剤として分類される。非イオン性界面活性剤は、医薬品および化粧品に広範な適用を見出し、広範なpH値にわたって使用可能である。概して、これらのHLB値は、その構造に依存して、2から約18の範囲である。非イオン性界面活性剤には、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、ソルビタンエステル、スクロースエステル、およびエトキシ化エステル等の非イオン性エステルが含まれる。また、脂肪アルコールエトキシレート、プロポキシル化アルコール、およびエトキシル化/プロポキシル化ブロックポリマー等の、非イオン性アルカノールアミドおよびエーテルも、この種類に含まれる。ポリオキシエチレン界面活性剤が、非イオン性界面活性剤の種類の最も一般的なメンバーである。
該界面活性剤分子を水に溶解または分散する際に、それが負電荷を保持する場合、この界面活性剤は、アニオン性として分類される。アニオン性界面活性剤には、石鹸、アシルラクチレート、アミノ酸のアシルアミド等のカルボキシレート、アルキル硫酸およびエトキシル化アルキルサルフェート等の硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホネート、アシルイセチオネート、アシルタウレート、およびスルホサクシネート等のスルホン酸、およびリン酸が含まれる。アニオン性界面活性剤の種類の最も重要なメンバーは、アルキルサルフェートおよび石鹸である。
該界面活性剤分子を水に溶解または分散する際に、それが正電荷を保持する場合、この界面活性剤は、カチオン性として分類される。カチオン性界面活性剤には、第4級アンモニウム塩およびエトキシ化アミンが含まれる。第4級アンモニウム塩が、この種類で最も使用されるメンバーである。
該界面活性剤分子が、正電荷または負電荷のいずれかを保持する能力を有する場合、この界面活性剤は両性として分類される。両性界面活性剤には、アクリル酸誘導体、置換アルキルアミド、N−アルキルベタイン、およびホスファチドが含まれる。
薬物品、製剤における、およびエマルションにおける界面活性剤の使用について概説されている(Rieger, in Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., 1988, p. 285)。
浸透促進剤
いくつかの実施形態では、FLiPは、浸透促進剤を用いて、動物の皮膚に、核酸、特にdsRNAの効率的な送達を行う。大部分の薬物は、イオン化形態および非イオン化形態の両方で存在する。しかしながら、通常、脂質可溶性または脂溶性薬物のみが容易に細胞膜を通過する。通過される膜が浸透促進剤で処理される場合、非脂溶性薬物でも、細胞膜を通過することができることが発見された。細胞膜を通過する非脂溶性薬物の拡散を支援することに加え、浸透促進剤は、脂溶性薬剤の透過性も強化する。
担体
FLiPの一定の組成物は、製剤中に担体化合物も含む。本明細書において使用する「担体化合物」または「担体」は、核酸またはその類似体を指し、これは、不活性(すなわち、それ自体が生物活性を持たない)であるが、例えば、生物的に活性な核酸を分解すること、または血液循環から生物学的に活性な核酸の除去を促進することによって、生物活性を有する核酸のバイオアベイラビリティーを低減させるインビボプロセスにより、核酸として認識される。核酸と担体化合物との同時投与であって、典型的には、後者の物質を過剰に含む同時投与によって、恐らく、共通の受容体に対する担体化合物と核酸との間の競合に起因して、肝臓、腎臓、または他の外部循環の貯蔵部において回収される核酸の量が実質的に減少し得る。例えば、肝臓組織における部分的なホスホロチオエートdsRNAの回収は、それが、ポリイノシン酸、硫酸デキストラン、ポリシチジン酸、または4−アセトアミド−4’イソチオシアノ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸と同時投与される場合に減少され得る(Miyao et al., DsRNA Res. Dev., 1995, 5, 115−121; Takakura et al., DsRNA & Nucl. Acid Drug Dev., 1996, 6, 177−183)。
賦形剤
担体化合物とは対照的に、「医薬担体」または「賦形剤」は、医薬的に許容可能な溶媒、懸濁剤、または動物に1つもしくは複数の核酸を送達するための任意の他の薬理学的に不活性なビヒクルである。該賦形剤は、液体でも固体でもよく、核酸および所定の医薬組成物の他の成分と組み合わせる場合、所望のバルク、稠度等を提供するように考慮して計画された投与様式によって選択される。典型的な医薬担体には、結合剤(例えば、予備糊化トウモロコシでんぷん、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース等);充填剤(例えば、ラクトースおよび他の糖、微結晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリル酸塩、またはリン酸水素カルシウム等);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状2酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸金属、水素化植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等);崩壊剤(例えば、でんぷん、でんぷんグリコール酸ナトリウム等);および湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)が含まれるが、これらに限定されない。
また、核酸と有害に反応しない、非経口外投与に適切な医薬的に許容可能な有機賦形剤または無機賦形剤も、組成物を製剤化するために使用可能である。適適切な医薬的に許容可能な担体には、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、およびその同等物が含まれるが、これらに限定されない。
核酸の局所的投与のための製剤には、滅菌水溶液および非滅菌水溶液、アルコール等の一般的な溶媒中の非水溶液、または液体油ベースもしくは固体油ベース中の核酸溶液が含まれ得るが、これらに限定されない。また、これらの溶液は、緩衝剤、希釈剤、および他の適切な添加剤を含有し得る。核酸と有害な反応をしない、非経口外投与に適切な医薬的に許容可能な有機賦形剤または無機賦形剤を使用することができる。
適切な医薬的に許容可能な賦形剤には、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、およびその同等物が含まれるが、これらに限定されない。
他の成分
FLiP組成物は、医薬組成物中に慣習的に見出される他の補助的な成分を、当技術分野で確立された使用レベルで付加的に含有してもよい。したがって、例えば、該組成物は、かゆみ止め薬、収れん薬、局部麻酔剤、または抗炎症剤等の、追加の適合する医薬的に活性な物質を含有し得るか、あるいは色素、香味剤、防腐剤、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤、および安定剤等の、FLiP組成物の種々の投薬形態の物理的な製剤に有用な追加の物質を含有し得る。しかしながら、このような物質は、添加時に、該組成物の成分の生物活性を過度に干渉するべきではない。該製剤は、滅菌することが可能であり、所望に応じて、該製剤の核酸と有害に相互作用しない補助剤、例えば、潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝剤、着色料、香味料、および/または芳香物質、およびその同等物と混合されることが可能である。
水性懸濁液は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む懸濁液の粘性を増加させる物質を含有し得る。また、該懸濁液は、安定剤を含み得る
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、(a)1つもしくは複数のオリゴヌクレオチド化合物と、(b)非アンチセンス機構によって機能する1つもしくは複数の他の化学療法剤とを含有する。このような化学療法剤の例として、ダウノルビシン、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン、ブレオマイシン、マホスファミド、イホスファミド、シトシンアラビノシド、ビス−クロロエチルニトロソウレア、ブスルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、プレドニゾン、ヒドロキシプレゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン、ミトキサントロン、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロへキシルニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、シクロホスファミド、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−アザシチジン、ヒドロキシウレア、デオキシコホルマイシン、4−ヒドロキシペルオキシシクロホスホラミド、5−フルオロウラシル(5−FU)、5−フルオロデオキシウリジン(5−FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、タクソール、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド(VP−16)、トリメトレキサート、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、テニポシド、シスプラチン、およびジエチルスチルベストロール(DES)が挙げられるが、これらに限定されない。概して、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 15th Ed. 1987, pp. 1206−1228, Berkow et al., eds., Rahway, N.Jを参照されたい。本明細書で特徴とされる化合物とともに使用する場合、このような化学療法剤は、個々に(例えば、5−FUおよびオリゴヌクレオチド)か、連続して(例えば、一定時間の5−FUおよびオリゴヌクレオチド、引き続いてMTXおよびオリゴヌクレオチド)か、あるいは1つもしくは複数の他のこのような化学療法剤と組み合わせて(例えば、5−FU、MTX、およびオリゴヌクレオチド、または5−FU、放射線療法、およびオリゴヌクレオチド)使用され得る。また、非ステロイド抗炎症薬物およびコルチコステロイドを含むがこれらに限定されない抗炎症薬物、ならびにリビビリン、ビダラビン、アシクロビル、およびガンシクロビルを含むがこれらに限定されない抗ウイルス薬物も、本明細書で特徴とされる組成物と組み合わされ得る。概して、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 15th Ed., Berkow et al., eds., 1987, Rahway, N.J., pages 2499−2506および46−49をそれぞれ参照されたい。また、他の非アンチセンス化学療法剤も、特徴とされる本発明の範囲内にある。2つ以上の組み合わせた化合物は、まとめて、または連続して使用され得る。
このような化合物の毒性および治療効果は、例えば、LD50(集団の50%の致死量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な量)を決定するために、細胞培養または実験動物における標準的な医薬的手順によって決定可能である。毒性効果と治療効果との用量比は、治療指数であり、比率LD50/ED50と表すことが可能である。高い治療指数を呈する化合物が一般的である。
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトに使用するための広範な投与量の製剤化において使用可能である。適切な投与量は、概して、毒性をほとんどまたは全く含まないED50を含む広範な血中濃度内にある。該投与量は、用いる投薬形態および利用する投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。本明細書で特徴とされる化合物では、該治療的に有効な投与は、初めに細胞培養アッセイから推定することができる。投与量は、化合物の、または適切な場合、細胞培養において決定されるように、IC50(すなわち、症状の半最大抑制を達成する試験化合物の濃度)を含む標的配列(例えば、ポリペプチドの濃度減少を達成する)のポリペプチド生成物の血中血漿濃度範囲を達成するために動物モデルにおいて製剤化され得る。このような情報を使用して、ヒトに有用な投与量をより正確に決定することが可能である。血漿レベルは、例えば、高性能液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
上述のように個々にまたはまとめて投与することに加え、本明細書で特徴とされるdsRNAは、標的遺伝子発現が媒介する病理過程の治療に有効な他の既知の薬剤と組み合わせて投与可能である。いずれの場合も、投与する医師は、当技術分野において既知である有効性または本明細書に説明する有効性の標準的な測定を使用して観測された結果に基づいて、オリゴヌクレオチドの投与の量およびタイミングを調整することが可能である。
V.製剤FLiP組成物を使用して、標的遺伝子の発現により引き起こされる病気を治療するための方法
本発明は、具体的には、(a)1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つであって、脂溶性物質に抱合されている該オリゴヌクレオチドと、(b)該抱合されたオリゴヌクレオチドが、心臓、肺、または筋肉の病気または疾患または病状の治療のために凝集、混合、または会合するエマルションまたはリポソームのうちの少なくとも1つとを有するFLiP組成物に関する。
本発明は、さらに、例えば、他の医薬品および/または他の治療方法と組み合わせて、例えば、癌の治療および/または腫瘍転移の予防に現在用いられているもの等の、例えば、既知の医薬品および/または既知の治療方法と組み合わせて、例えば、癌を治療するため、または腫瘍転移、例えば、紋筋肉腫等の軟組織肉腫を予防するための、FLiPまたはその医薬組成物の使用に関する。放射線治療と、およびシスプラチン、シクロホスファミド、5−フルオロウラシル、アドリアマイシン、ダウノルビシン、またはタモキシフェン等の化学療法剤との組み合わせが好ましい。
また、本発明は、任意の従来の化学療法剤等の別の抗癌化学療法剤と組み合わせて、特定のオリゴヌクレオチドとともに含めることによって実用化可能である。このような他の薬剤との特定の結合剤の組み合わせは、化学療法プロトコルを増強することができる。当技術分野において既知である化学療法プロコルは、本明細書で特徴とされる方法とともに使用するのに適切である。アルキル化剤、代謝拮抗物質、ホルモンおよび拮抗薬、放射性物質、ならびに天然物を含む任意の化学療法剤を使用することができる。例えば、本明細書で特徴とされる化合物は、ドキソルビシンおよび他のアントラサイクリン類似体等の抗生物質、シクロホスファミド等のナイトロジェンマスタード、5−フルオロウラシル等のピリミジン類似体、シスプラチン、ヒドロキシウレア、タクソール、ならびにその天然および合成誘導体、およびその同等物とともに投与可能である。別の例として、乳腺腺癌等の混合腫瘍であって、該腫瘍がゴナドトロピン依存性細胞およびゴナドトロピン非依存性細胞を含む場合、該化合物は、ロイプロリドまたはゴセレリン(LH−RHの合成ペプチド類似体)と併用して投与可能である。他の抗腫瘍プロトコルは、本明細書において「補助的な抗腫瘍様式」とも呼ばれる別の治療様式、例えば、手術、放射線治療等によるテトラサイクリン化合物の使用を含む。したがって、本明細書で特徴とされる方法は、副作用を低減し、かつ有効性を強化する便益を有するこのような従来のレジメンとともに用いることが可能である。
また、FLiPを含有する組成物は、間質性肺疾患(ILD)(肺線維症)等の肺の病気および疾患を標的にするのに有用である。また、心筋ミオパチーおよび心臓病等の心臓に影響を及ぼす病気および疾患も、FLiP組成物によって治療可能である。FLiPを含んで製剤化された組成物による治療に適切な他の筋肉の病気および疾患には、例えば、筋ジストロフィー、捻挫、および筋違い、ならびに他のミオパシーが含まれる。
VI.FLiP製剤オリゴヌクレオチドを使用して、標的遺伝子の発現を抑制するための方法
本発明は、標的遺伝子の発現がサイレンスされるようにFLiP組成物を哺乳類に投与することによって、哺乳類の標的遺伝子の発現を抑制するための方法を提供する。
一実施形態では、標的遺伝子発現を抑制するための方法は、標的遺伝子のRNA転写の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチド配列を含有する組成物、および治療される哺乳類の遺伝子のRNA転写の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチド配列を有する組成物を投与することを含む。治療される生体がヒト等の哺乳類である場合、該組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、気道(エアロゾル)、経鼻、直腸、および局所的(口腔および舌下を含む)投与を含む経口経路または非経口経路を含むが、これらに限定されない当技術分野において既知である任意の手段によって投与され得る。いくつかの実施形態では、該組成物は、静脈内注入または注射によって投与される。
他に規定されない限り、本明細書において使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する該当技術分野の当業者が一般的に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に説明するものと類似または同等の方法および材料を、本発明の実践または試験において使用することが可能であるが、適切な方法および材料について後述する。本明細に述べた全ての出版物、特許出願、特許、および他の文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。加えて、当該材料、方法、および実施例は、単に例証的であり、限定することを意図すものではない。
実施例1.オリゴヌクレオチドの合成
試薬の供給源
本明細書に試薬源が具体的に提示されない場合、このような試薬は、分子生物学での適用に標準的な品質/純度において分子生物学用の試薬の任意の供給業者から入手してもよい。
siRNA(dsRNA)の合成
Expedite 8909シンセサイザー(Applied Biosystems, Applera Deutschland GmbH, Darmstadt, Germany)と、固相担体として制御多孔性ガラス(CPG, 500Å, Proligo Biochemie GmbH, Hamburg, Germany)とを使用して、1μモルの尺度で固相合成により1本鎖RNAを生成した。それぞれ対応するホスホルアミダイトおよび2’−O−メチルホスホルアミダイトを用いて(Proligo Biochemie GmbH, Hamburg, Germany)、固相合成によりRNAおよび2’−O−メチルヌクレオチドを含有するRNAを生成した。Current protocols in nucleic acid chemistry, Beaucage, S.L. et al. (Edrs.), John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, USAに説明されているような標準ヌクレオチドホスホルアミダイト化学を使用して、これらの構成単位をオリゴリボヌクレオチド鎖の配列内の選択部位に組み込んだ。ヨウ素酸化溶液をアセトニトリル(1%)中のBeaucage試薬(Chruachem Ltd, Glasgow, UK)に置き換えることにより、ホスホロチオエート結合を導入した。さらなる補助試薬をMallinckrodt Baker(Griesheim, Germany)から入手した。
所定の手順に従って、アニオン交換HPLCによる粗オリゴリボヌクレオチドの脱保護および精製を行った。分光光度計(DU 640B, Beckman Coulter GmbH, Unterschleiβheim, Germany)を使用して、260nmの波長にてそれぞれのRNA溶液のUV吸収により、収量および濃度を決定した。アニーリング緩衝液(20mMリン酸ナトリウム、pH6.8;100mM塩化ナトリウム)中、相補鎖の等モル溶液を混合して2本鎖RNAを生成し、85〜90℃で3分、水槽中で加熱し、3〜4時間にわたり室温まで冷却した。使用するまで該精製RNA溶液を−20℃で保存した。
3’−コレステロール抱合siRNA(本明細書において−Chol−3’と呼ばれる)の合成では、適切に修飾された固相担体をRNA合成のために使用した。該修飾固相担体を次のように調製した。

ジエチル−2−アザブタン−1,4−ジカルボキシレートAA
Figure 2011517676
水(50mL)中のエチルグリシナート塩酸(32.19g、0.23モル)の撹拌氷冷溶液に、水酸化ナトリウムの4.7M溶液(50mL)を添加した。次いで、アクリル酸エチル(23.1g、0.23モル)を添加し、TLCにより反応の完了を確認するまで、この混合物を室温で撹拌した。19時間後、この溶液をジクロロメタン(3x100mL)で分離した。無水硫酸ナトリウムで有機層を乾燥し、ろ過し、蒸発させた。残留物を蒸留し、AA(28.8g、61%)を得た。

3−{エトキシカルボニルメチル−[6−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル−アミノ)−ヘキサノイル]−アミノ}−プロピオン酸エチルエステル AB
Figure 2011517676
AB
Fmoc−6−アミノ−ヘキサン酸(9.12g、25.83mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、氷冷した。ジイソプロピルカルボジイミド(3.25g、3.99mL、25.83mmol)を0℃で該溶液に添加した。その後、ジエチル−アザブタン−1,4−ジカルボキシレート(5g、24.6mmol)およびジメチルアミノピリジン(0.305g、2.5mmol)を添加した。該溶液を室温にし、さらに6時間撹拌した。TLCにより反応の完了を確認した。該反応混合物を真空下で濃縮し、酢酸エチルを添加してジイソプロピル尿素を沈殿させた。該懸濁液をろ過した。ろ過物を5%塩酸水溶液、5%重炭酸ナトリウム、および水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で合わせた有機層を乾燥して濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(50%EtOAC/ヘキサン)により精製し、11.87g(88%)のABを生成した。

3−[(6−アミノ−ヘキサノイル)−エトキシカルボニルメチル−アミノ]−プロピオン酸エチルエステル AC
Figure 2011517676
AC
3−{エトキシカルボニルメチル−[6−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−ヘキサノイル]−アミノ}−プロピオン酸エチルエステルAB(11.5g、21.3mmol)を、0℃でジメチルホルムアミド中、20%ピペリジンに溶解した。この溶液を1時間、撹拌し続けた。該反応混合物を真空下で濃縮し、残留物に水を添加し、酢酸エチルで生成物を抽出した。塩酸塩に変換することにより該粗生成物を精製した。

3−({6−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルアミノ]−ヘキサノイル}エトキシカルボニルメチル−アミノ)−プロピオン酸エチルエステル AD
Figure 2011517676
AD
3−[(6−アミノ−ヘキサノイル)−エトキシカルボニルメチル−アミノ]−プロピオン酸エチルエステルACの塩酸塩(4.7g、14.8mmol)をジクロロメタンに取り込んだ。懸濁液を氷上で0℃まで冷却した。該懸濁液にジイソプロピルエチルアミン(3.87g,5.2mL,30mmol)を添加した。得られた溶液にコレステリルクロロホルマート(6.675g、14.8mmol)を添加した。該反応混合物を一晩撹拌した。該反応混合物をジクロロメタンで希釈し、10%塩酸で洗浄した。フラッシュクロマトグラフィーにより該生成物を精製した(10.3g、92%)。

1−{6−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルアミノ]−ヘキサノイル}−4−オキソ−ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル AE
Figure 2011517676
AE
カリウムt−ブトキシド(1.1g、9.8mmol)を30mLの乾燥トルエンの中にスラリー化した。この混合液を、氷上で0℃まで冷却し、5g(6.6mmol)のジエステルADをゆっくり、撹拌しながら、20分以内に添加した。添加中、温度は5℃より低く維持した。撹拌を0℃で30分間続けてから1mLの氷酢酸を添加し、その後すぐ40mlの水に溶解した4gのNaHPO・HOを添加した。得られた混合液をそれぞれ100mLのジクロロメタンを用いて2回抽出し、1つにまとめた有機抽出物をそれぞれ10mLのリン酸緩衝液を用いて2回洗浄、乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。残留物を60mLのトルエンに溶解し、0℃に冷却してから3回に分けて、pH9.5の冷した50mLの炭酸緩衝液を用いて抽出した。水性抽出物をリン酸でpH3に調製し、5回に分けて40mLのクロロホルムで抽出し、一つにまとめてから乾燥、蒸発させて乾燥させた。残留物を25%酢酸エチル/ヘキサンを使用したカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.9のb−ケトエステルを得た(39%)。

[6−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−6−オキソ−ヘキシル]−カルバミン酸17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル AF
Figure 2011517676
AF
メタノール(2mL)を1時間かけて、テトラヒドロフラン(10mL)中のb−ケトエステルAE(1.5g、2.2mmol)および水素ホウ化ナトリウム(0.226g、6mmol)の還流中の混合液に滴下して添加した。還流温度で1時間撹拌を続けた。室温まで冷却した後、1NのHCl(12.5mL)を添加し、該混合液を酢酸エチル(3x40mL)で抽出した。一つにまとめた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/CHCl)で精製した(89%)。

(6−{3−[ビス−(4−メトキシ−フェニル)−フェニル−メトキシメチル]−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1イル}−6−オキソ−ヘキシル)−カルバミン酸17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル−2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル AG
Figure 2011517676
AG
ジオールAF(1.25gm、1.994mmol)をピリジン(2x5mL)とともに真空で蒸発させることによって乾燥した。無水ピリジン(10mL)および4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(0.724g、2.13mmol)を撹拌しながら添加した。該反応は室温で一晩行った。該反応はメタノールを添加して止めた。反応混合液を真空下で濃縮し、残留物にジクロロメタン(50mL)を添加した。有機層を1Mの重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリムで乾燥し、ろ過して濃縮した。該残留ピリジンは、トルエンとともに蒸発させて除去した。粗生成物はクロマトグラフィー(2%MeOH/クロロホルム、Rf=5%MeOH/CHCl中で0.5)(1.75g、95%)で精製した。

スクシン酸モノ−(4−[ビス−(4−メトキシ−フェニル)−フェニル−メトキシメチル]−1−{6−[17−(1,5−ジメチル−ヘキシル)−10,13−ジメチル2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−1Hシクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシカルボニルアミノ]−ヘキサノイル}−ピロリジン−3−イル)エステル AH
Figure 2011517676
AH
化合物AG(1.0g、1.05mmol)を無水コハク酸(0.150g、1.5mmol)およびDMAP(0.073g、0.6mmol)と混合し、真空において、40℃で一晩乾燥した。この混合物を無水ジクロロエタン(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.318g、0.440mL、3.15mmol)を添加し、該溶液を室温、アルゴン雰囲気下で16時間撹拌した。次いで、該溶液をジクロロメタン(40mL)で希釈し、氷冷したクエン酸水溶液(5重量%、30mL)および水(2X20mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリムで乾燥し、濃縮して乾燥した。残留物をそのまま次の段階に使用した。

コレステロール誘導化CPG AI
Figure 2011517676
AI
コハク酸AH(0.254g、0.242mmol)をジクロロメタン/アセトニトリル(3:2,3mL)の混合液に溶解した。この溶液にDMAP(0.0296g、0.242mmol)のアセトニトリル(1.25mL)溶液、2,2’−ジチオ−ビス(5−ニトロピリジン)(0.075g、0.242mmol)のアセトニトリル/ジクロロエタン(3:1、1.25mL)を連続して添加した。得られた溶液に、トリフェニルホスフィン(0.064g、0.242mmol)のアセトニトリル(0.6ml)溶液を添加した。反応混合液は明るいオレンジ色に変わった。該溶液をリストアクション撹拌機を用いて短時間(5分間)撹拌した。長鎖アルキルアミン−CPG(LCAA−CPG)(1.5g、61mm/g)を添加した。該懸濁液を2時間撹拌した。該CPGを焼結漏斗を通してろ過し、アセトニトリル、ジクロロメタン、およびエーテルを用いて連続的に洗浄した。未反応のアミノ基を、酸性の無水/ピリジンを用いてマスクした。該CPGの達成負荷を、UV測定を行って測定した(37mM/g)。
5’−12−ドデカン酸ビスデシルアミド基(本明細書において「5’−C32−」と呼ばれる)または5’−コレステリル誘導基(本明細書において、「5’−Chol−」と呼ばれる)を有するsiRNAの合成を、国際公開第WO2004/065601で説明されるように行ったが、コレステリル誘導体について、酸化工程を、Beaucage試薬を用いて行うことにより核酸オリゴマーの5’末端にホスホロチオエート結合を導入したことを除く。
核酸配列を、標準的な命名法を使用して、具体的には、表1の略語を使用して表す。

表1:核酸配列表現に使用されるヌクレオチド単量体の略語。これらの単量体が、オリゴヌクレオチドに存在する場合、5’−3’−ホスホジエステル結合によって相互に結合されることが理解される。
Figure 2011517676
実施例2.コレステロール抱合RNAとのIntralipid(登録商標)の複合体の形成
Intralipid(登録商標)(シグマ20%)濃度は、200mg/ml(約570μM)である。Intralipid(登録商標)を133μMに希釈し、室温で30分間、Chol抱合RNA(Chol−RNA)(定量化のために少量の32P標識Chol−RNAを加えた4mg/ml、266μM)と1:2でインキュベートする。FPLC泳動緩衝剤(0.15M NaCl、0.01M NaHPO、0.1mM EDTA、pH7.5)とともに2つのSuprose6カラム(流出入体積:0.5ml)(Pharmacia HR10/30コード#17−0537−01)を使用して、非結合Chol−RNAをゲルろ過により分離する。Intralipid(登録商標)/chol−RNA分画(30nmから50nmの粒子)を収集し、Chol−RNA含有物をシンチレーション計測により定量化する。
実施例3.FPLCによるIntralipid(登録商標)ピーク#1を有するコレステロール抱合RNAの分画
Chol−apoB1−siRNA、つまり、化学的に修飾された脂溶性物質抱合siRNA−apoB1を、対応するセンス鎖:5’−GUCAUCACACUGAAUACCAAUHyp−L−3’(配列番号:1)から構成し、Soutschek et al. 2004, Nature 432, 173−8に説明するように、アンチセンス鎖:5’−AUUGGUAUUCAGUGUGAUGACC−3’(配列番号:2)を得た。該コレステロール抱合センス鎖を、ヒドロキシプロリノール脂溶性固体担体から合成した。6−アミノヘキサン酸結合を介して、コレステロールをトランス−4−ヒドロキシプロリノールにテザーして、ヒドロキシプロリノール脂溶性部分(Hyp)を得て、その後、これを官能化制御多孔性ガラスに結合させて、固体担体を得た。文字の「L」は、脂溶性を表し、小文字は、2’−O−メチル糖修飾を表し、下付き文字「s」は、ホスホロチオエート結合を表す。
5’−cccaauauuuacgugcug−Chol−3’(配列番号:3)で特定される修飾を含む22ntの長さから成る1本鎖オリゴヌクレオチドであるantagomir−16。
5’−auugguuccauuuuacc−Chol−3’(配列番号:4)で特定される修飾を含む21ntの長さから成る1本鎖オリゴヌクレオチドであるantagomir−133a。小文字は、2’−O−メチル修飾ヌクレオチドを表し、下付き文字「s」は、ホスホロチオエート結合を表す。
Intralipid(登録商標)は、Fresenius Kabi, Uppsala Swedenにより製造された(100mLのIntarlipid(登録商標)20%は、20gの大豆油、1.2gのリン脂質、および2.25gのグリセロール(USP)を含む)。Intralipid(登録商標)のFPLC分析により、エマルションは、異なるサイズの種々の安定脂質粒子を含有することが示された。コレステロール抱合RNA(Chol−apoB1−siRNAおよびantagomir−16)は、分画40から50の間で溶出するIntralipid(登録商標)ピーク#1と結合した。Intralipid(登録商標)#1は、本明細書で特徴とされるリポソームに対応する。図1のRNAを32Pで標識し、230nmにおけるUV吸収によって脂質分画を調べた(図7も参照)。
実施例4.Intralipid(登録商標)/chol−siRNAの取り込みは、筋肉、心臓、および肺において強化される。
Intralipid(登録商標)/antagomir−16およびIntralipid(登録商標)/chol−apoB1−siRNAの血漿クリアランスを、尾注射の後で調査した。antagomir−16の血液t1/2を、約20分であると決定し、chol−apoB1−siRNAの血液t1/2を約40分であると決定した(図2)。当該実験により、全身注射の後に、Intralipid(登録商標)/RNA複合体の血液からの迅速な除去が示された。
「Intralipid(登録商標)1」により媒介された32P標識chol−apoB1−siRNAの組織内取り込みを、全身注射の4時間後にマウスにおいて測定した。取り込みを、1mgタンパク質あたりの取り込みに標準化した。実験により、筋肉、心臓、および肺において、Intralipid(登録商標)/chol−siRNAの選択的(強化型)取り込みが示された(図3)。
10mg/体重kgにおけるchol−apoB1−siRNAの単回注射により注射されたマウスの心臓のApoB mRNA発現レベルを、注射24時間後にリアルタイムPCRで測定した。対照実験に比べてApoB mRNAが5倍減少したことが分かった(図4)。
実施例5.antagomir−133a/Intralipid(登録商標)#1の注射により、マウスにおいて、心臓および大腿四頭筋のmiR−133aの発現が抑制される。
マウスにおけるIntralipid(登録商標)/miRNAの注射
50mg/体重kgにおけるantagomir−133a/Intralipid(登録商標)#1を単回注射によりマウスに注射した。心臓および大腿四頭筋におけるマイクロRNA−133a(miR−133a)のレベルを、注射の24時間後にノーザンブロット法により測定した。治療毎に複製物を測定した。当該実験により、心臓および大腿四頭筋におけるmiR−133aのインビボサイレンシングが明らかになった(図5)。
実施例6.antagomir−206/Intralipid(登録商標)#1の注射により、マウスにおいて、大腿四頭筋におけるmiR−206の発現が抑制される。
PBS(対照)、antagomir−206、またはIntralipid(登録商標)#1で複合体化されたantagomir−206を、それぞれ3x80mg/体重kg(bw)または3x50mg/kgの投与量で、重複してマウスに注射した。マウスは、4日目(最終注射の24時間後)に殺処分し、全てのRNAを大腿四頭筋から単離し、miR−206レベルをノーザンブロット法により分析した。tRNAは、負荷対照として示される。
使用したantagomir−206は、5’−cacacacuuccuuacauu−Chol−3’(配列番号:5)で特定される修飾を含む22ntの長さから成るものであった。小文字は、2’−O−メチル糖修飾ヌクレオチドを表し、下付き文字「s」は、ホスホロチオエート結合を表す。
当該実験により、大腿四頭筋におけるantagomir−206/Intralipid(登録商標)#1の注射の後にmiR−206の完全なインビボサイレンシングが示される(図6)。
実施例7.HPLCによるIntralipid(登録商標)1分画。
Intralipid(登録商標)をHPLCにより分画した。タンパク質を、標示される分画から抽出し、12%のポリアクリルアミドゲルで分離した。タンパク質を銀染色により可視化した。10kDから20kDの分子量(MW)の2つのタンパク質バンドを、分画38〜50(Intralipid(登録商標)#1を含有する分画に対応する)において検出した(図7)(図1も参照)。
他の実施形態は、請求項に記載される。

Claims (33)

  1. (a)1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドのうちの少なくとも1つであって、脂溶性物質に抱合されている前記オリゴヌクレオチドと、
    (b)前記脂溶性物質に抱合されたオリゴヌクレオチドが凝集、混合、または会合されているエマルションと、
    を含む組成物であって、少なくとも100nmのサイズを有する組成物。
  2. 前記脂溶性物質に抱合されたオリゴヌクレオチドが、2本鎖オリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記2本鎖オリゴヌクレオチドが、相互に相補的である少なくとも2本鎖を含む2本鎖RNA(dsRNA)であって、前記2本鎖のうちの各々が、少なくとも15ヌクレオチドの長さであって、センス鎖が、第1の配列を含み、アンチセンス鎖が、標的遺伝子のうちの少なくとも一部に実質的に相補的である相補性領域を含む第2の配列を含み、前記相補性領域が、30ヌクレオチドの長さより短いものである、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記dsRNAが、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記修飾ヌクレオチドのうちの少なくとも1つが、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、およびコレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基に結合される末端ヌクレオチドから成る群から選択される、請求項3に記載の組成物。
  6. 前記修飾ヌクレオチドが、2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ−修飾ヌクレオチド、ロックされたヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2’−アミノ−修飾ヌクレオチド、2’−アルキル−修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミド酸、およびヌクレオチドを含む非天然塩基の群から選択される、請求項3に記載の組成物。
  7. 前記相補性領域が、19から21ヌクレオチドの長さの間である、請求項3に記載の組成物。
  8. 前記dsRNAが、前記dsRNAの片方または両方の末端に1本鎖オーバーハングを含む、請求項3に記載の組成物。
  9. 前記センス鎖およびアンチセンス鎖の各々が、19個の塩基対相補性を有する21ヌクレオチドの長さであり、前記dsRNAが、各鎖の3’末端に2ヌクレオチドの1本鎖オーバーハングを有する、請求項3に記載の組成物。
  10. 前記脂溶性物質抱合体が、コレステロール部分である、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記脂溶性物質が抱合されたオリゴヌクレオチドが、1本鎖オリゴヌクレオチドを含み、前記1本鎖オリゴヌクレオチドが、マイクロRNAまたはマイクロRNA標的化合物である、請求項1に記載の組成物。
  12. オリゴヌクレオチドを哺乳類の組織に選択的に標的化または送達するための方法であって、哺乳類を前記オリゴヌクレオチドに接触させ、前記オリゴヌクレオチドが、製剤脂質粒子(FLiP)エマルションで製剤化されており、前記エマルションが、少なくとも100nmのサイズである、方法。
  13. 前記哺乳類の組織が、心臓組織、肺組織、および/または筋肉組織である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記オリゴヌクレオチドが、2本鎖を有する2本鎖RNA(dsRNA)を含み、各鎖が、19個の塩基対相補性を有する21ヌクレオチドの長さであり、各鎖が、3’末端に2ヌクレオチドの1本鎖オーバーハングを有する、請求項12に記載の方法。
  15. 前記オリゴヌクレオチドが、コレステロール部分で修飾される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記オリゴヌクレオチドが、ApoBまたはRhoAを標的とする、請求項12に記載の方法。
  17. 前記オリゴヌクレオチドが、miRNA拮抗薬またはantagomirを含む、請求項12に記載の方法。
  18. 前記組織を請求項1に記載の組成物に接触させることを含む、哺乳類の組織における遺伝子の発現を低減させる方法。
  19. 前記哺乳類の組織が、心臓組織、肺組織、および/または筋肉組織である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記組織における遺伝子の発現が、哺乳類のインビボで低減され、前記接触させることが、前記哺乳類への全身送達を介するものである、請求項19に記載の方法。
  21. トリアシルグリセロール、リン脂質、グリセロール、および脂溶性リンカー分子を介して1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドと凝集する1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含むリポソームであって、心臓組織、肺組織、および/または筋肉組織に対して親和性を有する、リポソーム。
  22. 前記オリゴヌクレオチドが、1つもしくは複数のオリゴヌクレオチド修飾によって安定化されるものである、請求項21に記載のリポソーム。
  23. 約20%のトリアシルグリセロール、約1.2%のリン脂質、ならびに約2.25%のグリセロールおよび1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含む、請求項21または22のいずれかに記載のリポソーム。
  24. 20〜50nm、好ましくは、約35nmの粒子サイズを有する、請求項21から23のいずれかに記載のリポソーム。
  25. 前記オリゴヌクレオチドが、RNA干渉を媒介するオリゴヌクレオチド、RNAを標的とするオリゴヌクレオチド、またはタンパク質を標的とするオリゴヌクレオチドである、請求項21から24のいずれかに記載のリポソーム。
  26. 前記オリゴヌクレオチドが、RNAである、請求項21から25のいずれかに記載のリポソーム。
  27. 脂質粒子のエマルションを分画し、次いで20〜50nm、好ましくは約35nmの粒子サイズについて選択することによって取得することができる、請求項21から26のいずれかに記載のリポソーム。
  28. 請求項21から27のいずれかに記載のリポソーム凝集体を生成するための方法であって、
    a.脂質エマルションを1つまたは複数の1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドと混合する工程と、
    b.工程a)の混合物を分画する工程と、
    c.20〜50nm、好ましくは約35nmの粒子サイズを有する分画を選択する工程と、
    を含む、方法。
  29. 請求項21から27のいずれかに記載のリポソーム凝集体を生成するための方法であって、トリアシルグリセロール、リン脂質、グリセロール、および1つまたは複数の脂質結合タンパク質を含む前記脂質粒子が、第一に、脂質エマルションから単離され、次いで、2倍を超えるモル過剰の1つまたは複数の脂溶性物質に抱合された1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドと混合される、方法。
  30. 医薬として使用するための請求項21から27のいずれかに記載のリポソーム。
  31. 心臓、肺、および/または筋肉の病気の治療のための請求項21から27のいずれかに記載のリポソーム。
  32. 心臓、肺、および/または筋肉の病気の治療のための医薬の製造のための請求項21から27のいずれかに記載のリポソームの使用。
  33. 請求項21から27のいずれかに記載のリポソームを含む凍結乾燥物。
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