JP2011516449A - トリプトファンのβ−カルボリン誘導体への変換 - Google Patents

トリプトファンのβ−カルボリン誘導体への変換 Download PDF

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Abstract

本発明は、有機化学の分野に属し、タダラフィルの合成に有用な、異性体的に純粋なβ−カルボリン化合物を調製するための、新しい、短縮されたピクテスペングラー型反応に関する。

Description

本発明は、有機化学の分野に属し、異性体的に純粋なβ−カルボリン化合物を調製するための、新しい、短縮されたピクテスペングラー型反応に関する。
より詳しくは、本発明は、溶剤中、無機酸の存在下での、D−トリプトファンとピペロナールとの反応によりシス−β−カルボリン化合物を得ることに関し、シス−β−カルボリン化合物は、さらに、クロロアセチルクロリドおよびメチルアミンと反応され、タダラフィルを得る。
タダラフィル(式1)、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオンは、ホスホジエステラーゼ(PDE5)の選択的阻害剤の群の医薬的に活性な物質であり、勃起不全の治療において使用される。分子は、最初、WO95/19978において、より広い一群の潜在的に活性な分子中に開示された。
Figure 2011516449
最初の調製の取り組みは、先に記載した特許出願に開示されていた。これをスキーム1に示す。
Figure 2011516449
スキーム1
簡単に記載すると、この方法は、D−トリプトファンメチルエステル(2)をピペロナール(3)で縮合し、β−カルボリンエステル(4)のシスおよびトランス異性体の混合物を得、これを、カラムクロマトグラフィを使用して分離することを含む。シス異性体(4a)をクロロアセチルクロリドで処理し、置換カルボリン(5)を得、最終的に、これを、メチルアミンでタダラフィルに環化する。合成取り組みにおける重要なステップは、第一ステップにおける、いわゆるピクテスペングラー反応である。揮発性および腐食性のトリフルオロ酢酸の使用、シスおよびトランスβ−カルボリンの分離、および低い収率は、効果的な工業的方法としては、主な問題である。
後の文献の記載では、この取り組みの欠点を凌ぐことが試みられた。WO04/011463では、トリフルオロ酢酸の使用をやめ、ピクテスペングラー反応の間シス異性体(4a)が析出する溶剤を使用する。この方法によれば、トランス異性体のシス異性体(4a)への自発的な変化が引き起こされ、収率が著しく上がる。WO05/068464では、分子ふるいを使用して収率を上げ、WO06/110893では、毒性溶剤を殆ど使用せず、WO07/052283では、高沸点溶剤を使用する。しかしこれらの取り組みは全て、一般的に使用されている原料ではない、D−トリプトファンメチルエステル(2)を使用する。この化合物は、通常、業界では使用者にとって使いにくい試薬である塩化チオニルを用いて、D−トリプトファン(6)から調製される。
ピクテスペングラー反応において、酸形態のD−トリプトファン(6)を使用する最初の試みは、WO07/100387(スキーム2)に記載されているが、β−カルボリン酸のシスおよびトランス異性体の混合物(7)が得られ、単離し、次いでトリプトファンに対して2倍当量の濃度の塩酸水溶液中で、40時間の長い加熱によって、純粋なシス異性体(7a.HCl)に変える。次いで、シス−β−カルボリン酸を、N−メチルグリシンエステルおよびカップリング試薬を用いて、粗タダラフィルに変え、これを最終的に精製する。
Figure 2011516449
スキーム2
異性体トリプトファンとピペロナールとのワンポット反応により、シス−β−カルボリン化合物を得ることを開示する文献は、確認されていない。
従って、β−カルボリン類の合成において、ピクテスペングラー手順を短縮し、簡素化するという問題は未だに存在する。
国際公開第95/19978号 国際公開第04/011463号 国際公開第05/068464号 国際公開第06/110893号 国際公開第07/052283号 国際公開第07/100387号
本発明の第一実施形態は、溶剤中無機酸の存在下での、適切な異性体トリプトファンとピペロナールとの反応による、異性体的に純粋なβ−カルボリン化合物を調製するピクテスペングラー方法を提供する。
本発明の他の実施形態は、溶剤中無機酸の存在下で、D−トリプトファンおよびピペロナールを反応させ、シス−β−カルボリン化合物とすることを提供する。
本発明の他の実施形態は、溶剤中無機酸の存在下で、L−トリプトファンおよびピペロナールを反応させ、シス−β−カルボリン化合物とすることを提供する。
本発明の他の実施形態は、非プロトン性溶剤中無機酸の存在下で、一ステップで、シスおよびトランス異性体分離、または異性体化することなく、D−トリプトファンおよびピペロナールを反応させ、シス−β−カルボリンカルボン酸とすることを提供する。
本発明の他の実施形態は、シス−β−カルボリンカルボン酸を変え、タダラフィルを得ることを提供する。
本発明の他の実施形態は、アルコール中無機酸の存在下、一ステップで、トリプトファンエステルの調製および単離をせずに、D−トリプトファンおよびピペロナールを反応させ、シス−β−カルボリンエステル類とすることを提供する。
本発明の他の実施形態は、シス−β−カルボリンエステルをクロロアセチルクロリドおよびメチルアミンで変え、タダラフィルを得ることを提供する。
本発明の他の実施形態は、トリプトファンおよびピペロナールのカップリングにおいて無機酸を使用することを提供する。
本発明の他の実施形態は、タダラフィルを含む医薬組成物であって、タダラフィルはD−トリプトファンから調製される医薬組成物を提供する。
本発明の他の実施形態は、勃起不全または関連障害の治療のための医薬品を調製するための、本発明で開示する方法の1つに従って調製されたタダラフィルの使用を提供する。
本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤と、本発明で開示される方法の1つに従って調整されたタダラフィルとを含む医薬製剤を提供する。
本発明の他の実施形態は、少なくとも1種の医薬的に許容される成分と併用して医薬製剤を調製するための、本発明で開示される方法の1つに従って調製されたタダラフィルの使用を提供する。
ピクテスペングラー反応は、強無機酸または有機酸の存在下でβ−アミノアルキル置換インドール類をアルデヒド類で縮合し、β−カルボリン類を得るものとして知られている。タダラフィル合成の一般的な取り組みでは、D−トリプトファンエステル類と、ピペロナールとが使用されている。エステル類の代わりに酸形態のD−トリプトファンを使用し、アルコール類または塩素化溶剤のような従来の溶媒中で反応を行えば、さらに純粋なシス−β−カルボリン類に変換すべき、複合混合物しか得られない。しかし驚くべきことに、発明者らは、酸形態のD−トリプトファンと、ピペロナールとの間のピクテスペングラー反応を、溶剤および少なくとも1種の無機酸の混合物中で行うと、1種だけの異性体が得られ、トランス異性体からシス異性体へのさらなる変換、またはこの分離を必要としないことを発見した(スキーム3)。即ち、この変換は、ワンポットで行うことができる。使用するのに特に適正な溶剤は、少なくとも1種の塩素化されていない非プロトン性溶剤である。
Figure 2011516449
スキーム3
好ましくは、有用な塩素化されていない非プロトン性溶剤として、エーテル類、エステル類およびニトリル類の群、好ましくは、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランおよびアセトニトリルから選択することができる。反応スキーム3において、代替の好ましい選択として、THFまたはMeCNが挙げられるが、他の溶剤もこれと同様に使用することができる。
反応スキーム3ではHXで表わされている無機酸は、強無機酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸および硫酸、より好ましくは塩酸から選択することができる。従って、Xは、対応する酸アニオン、例えば、それぞれ、塩化物、臭化物、硫酸などを示す。
例示的および好ましい実施形態では、D−トリプトファンを、アルキルエーテル類、アルキルエステル類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランおよびアセトニトリルのような塩素化されていない非プロトン性溶剤のトリプトファン1g当たり、5から100、好ましくは8から30ml懸濁させる。ピペロナール(3)を加え、次いで1から5倍当量、好ましくは1.1から2倍当量、より好ましくは1.1から1.9倍当量、さらにより好ましくは1.1から1.3倍当量の塩酸を加える。この混合物を約40℃から還流温度、好ましくは還流温度に加熱し、この温度で16時間から10日間、好ましくは3から4日間攪拌する。得られたスラリーを濾過し、目的物(7a.HCl)を純粋なシス形態(1R,3R−β−カルボリン)として得る。
本発明を実施する一方法では、得られた酸(7a.HCl)を、カルボジイミド縮合方法を使用する公知の手順に従いエステル類に変換することなく、タダラフィルに変えることができる。
他の従来の方法では、まず酸(7a)をアルキルエステルに変換する。前記酸を、好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノールから選択されるC−Cアルコール中、強無機酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸から選択される無機酸の存在下で加熱する。このカルボン酸は、トリプトファン1g当たり10から100ml、好ましくは、トリプトファン1g当たり20から50mlのアルコールに溶解し、次いで、無機酸を、1から10倍当量、好ましくは1.1から2倍当量、より好ましくは1.1から1.9倍当量、さらにより好ましくは1.1から1.3倍当量加える。この混合物を約40℃から還流温度、好ましくは約60℃から還流温度に加熱し、この混合物をこの温度で12から72時間、好ましくは24から36時間攪拌する。次いで溶剤を減圧蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物(8)を得る。
得られたシスおよびトランス異性体の混合物(8)を、他で記載されているように、常法により純粋なシス異性体(8a)に変換し、得られた生成物を、さらに、ジクロロメタン中トリエチルアミンまたは他の適切な塩基の存在下で、クロロアセチルクロリドとの反応により、クロロアセチル誘導体(5)に変える。次いで、この誘導体を、アルコール中適切な塩基の存在下で、メチルアミンと反応させ、タダラフィルを得る。
本発明は、水系の酸性溶媒は、1,3−ジ置換カルボリン類をシス異性体として強制的に析出させ、一方アルコール性の酸性溶液は、このカルボリンの異性体化を逆方向に向けさせるという驚くべき現象を開示する。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を避けるために、タダラフィルの調製のためエステル類を使用することを意図するのなら、トリプトファン酸を出発物質として使用することにより、反応ステップの数を減らすために、他の取り組みが必要となる。
従って、本発明の他の実施形態においては、触媒量の無機酸を使用するアルコール性溶媒中で、ピクテスペングラー縮合を使用することにより、中間体の酸(7a.HX)を調製する試みがあった。通常、触媒量で充分であり、例えば、D−トリプトファンメチルエステル塩酸塩(2)およびピペロナールの縮合では、反応を実施させるのに、塩酸塩部分で充分である。ピペロナールと酸形態のD−トリプトファン(6)とを、メタノール中触媒量の無機酸の存在下で反応させれば、複雑な混合物しか得られない。しかし、驚くべきことに、発明者らは、過剰量の無機酸中で、反応はより優れたやり方で起こり、この反応は、カルボン酸基の、エステル化されていないカルボン酸の最低残留物とのエステル化も含むことを発見した。酸性メタノール中のエステル化が完璧ではなく、塩化チオニルを使用しなければならないトリプトファンエステル類の調製において見られるように、酸とアルコールとの間の反応が平衡状態にあるという一般的事実に鑑みても、エステル化が完全に行われることは驚くべきことである。この変化をスキーム4に示す。
Figure 2011516449
スキーム4
例示的および好ましい実施形態では、室温で、トリプトファン1g当たり5から50ml、好ましくはトリプトファン1g当たり6から12mlの、好ましくはメタノール、エタノールまたはn−プロパノールから選択されるC−C−アルコールに、D−トリプトファンを懸濁させ、ピペロナールを加える。次いで、強無機酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸から選択される無機酸、より好ましくは塩酸を、濃水溶液またはガス状の塩化水素または臭化水素の形態として用いて、この混合物を処理する。酸の使用量は、1倍当量と5倍当量との間、好ましくは1.2倍当量と2倍当量との間である。この溶液を、約40℃から還流温度、好ましくは60から70℃に加熱し、この温度で12時間から6日間、好ましくは3から4日間攪拌する。次いで、溶剤を部分的に蒸発させ、残りをトリプトファン1g当たり10から50ml、好ましくはトリプトファン1g当たり20から30mlのジクロロメタンまたは酢酸エチルに溶解し、トリプトファン1g当たり10から30mlの1NのNaOH水溶液で洗浄する。有機相を蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物(8)(ここで、Rは、C−C−アルキル、好ましくはメチルまたはエチルを示す。)を得る。
次いで、このシスおよびトランス異性体の混合物(8)を、常法により純粋なシス異性体(8a)に変換することができ、次いでさらに先にすでに記載したように、タダラフィルとすることができる。
さらに、ピクテスペングラー縮合および異性体化は、ワンポット方法として行うことができる。好ましい例示的な実施形態では、室温で、トリプトファン1g当たり5から50ml、好ましくはトリプトファン1g当たり6から12mlのアルコール、好ましくはC−C−アルコール、より好ましくはメタノール、エタノールまたはn−プロパノールから選択されるアルコールに、D−トリプトファンを懸濁させ、ピペロナールを加える。次いで、強無機酸から選択される無機酸、より好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、好ましくは塩酸を、濃水溶液またはガス状の塩化水素または臭化水素の形態として用いて、この混合物を処理する。酸の使用量は、1倍当量と5倍当量との間、好ましくは1.1倍当量と2倍当量との間、より好ましくは1.1倍当量と1.9倍当量との間、さらにより好ましくは1.1倍当量と1.3倍当量との間である。この溶液を、約40℃から還流温度、好ましくは60から70℃に加熱し、この温度で12時間から6日間、好ましくは3から4日間攪拌する。次いで、この混合物を、トリプトファン1g当たり5から50ml、好ましくはトリプトファン1g当たり10から20mlの水で希釈し、有機溶剤を混合物から減圧下で蒸発させる。塩酸を、水溶液または塩化水素として、0.2から10倍当量、好ましくは0.5から2倍当量加え、この混合物を0℃から還流温度、好ましくは50から60℃の温度で24から72時間攪拌する。
先に記載した簡素化された方法は、メタノールまたはエタノール溶剤中の2つの相いれない反応、メチルエステルの形成およびβ−カルボリンの1位の異性体化を同時に行い、技術的操作の数をかなり減らした、D−トリプトファンのシス−β−カルボリン(8a)への直接変化を表わしている。変換が終了した後、混合物を冷却し、析出物を簡単に濾別し、場合により乾燥し、さらにジクロロメタン中トリエチルアミンまたは他の適切な塩基の存在下で、クロロアセチルクロリドと反応させることにより、クロロアセチル誘導体(5)に変える。次いで、この誘導体を、アルコール中、適切な塩基の存在下で、メチルアミンと反応させ、タダラフィルとする。
本発明によるピクテスペングラー反応は全て、L−トリプトファンから出発し、対応する1S,3S−シス−β−カルボリン化合物を得ることができ、この化合物はさらにタダラフィルのエナンチオマーに変換することができる。
本発明による方法のいずれかで調製されたタダラフィルおよび賦形剤から、当分野で公知の方法により、医薬製剤を処方してもよい。
本発明の方法によって製造されたタダラフィルは、任意の医薬製剤における医薬用途に適切である。
本発明の方法により製造され、このように処方されたタダラフィルは、次いで、勃起不全または関連障害の治療のために使用することができる。
本発明によれば、勃起不全または関連障害を治療するための方法であって、タダラフィルを治療的に有効な量、医薬的に許容される希釈剤または担体と組合わせて投与することを含む方法が提供される。
以下の実施例は、本発明の方法を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸塩酸塩の調製
D−トリプトファン(7.96g、39mmol)をTHF(60ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(6.46g、43mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸水溶液(4ml)を加え、溶液を還流温度に加熱した。得られたスラリーを3日間還流した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、生成物を濾別し、冷THFで洗浄し、室温で18時間真空乾燥し、生成物9.6g(98%面積)を得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸塩酸塩の調製
D−トリプトファン(2g、10mmol)をアセトニトリル(150ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(1.65g、11mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸水溶液(1ml)を加え、混合物を還流温度に加熱した。得られたスラリーを3日間還流した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、生成物を濾別し、冷水で洗浄し、40℃で18時間真空乾燥し、生成物3.1g(99.8%面積)を得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸塩酸塩の調製
D−トリプトファン(4g、19.6mmol)を、1,4−ジオキサン(40ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(3.25g、21.7mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸水溶液(2ml)を加え、溶液を65℃に加熱した。得られたスラリーを65℃で16時間攪拌した。次いで懸濁液を0から5℃に冷却し、生成物を濾別し、1,4−ジオキサンで洗浄し、40℃で18時間真空乾燥し、生成物3.6g(99.7%面積)を得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチル塩酸塩の調製
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸塩酸塩(1g)をメタノール(50ml)に溶解し、濃塩酸(1ml)を加えた。混合物を24時間還流した。次いで溶剤を蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物を得た。1M塩酸(40ml)を加え、混合物を加熱し、50℃で36時間攪拌した。析出物を濾別し、冷水で洗浄し、40℃で真空乾燥し、生成物0.63gを得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチル塩酸塩の調製
D−トリプトファン(7.96g、39mmol)をメタノール(60ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(6.46g、43mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸(4ml)を加え、混合物を還流温度に加熱した。溶液を4日間還流した。反応混合物を減圧下蒸発させ、最初の容積の約50%を得、次いでジクロロメタン(200ml)および1MのNaOH水溶液(200ml)で希釈した。相分離を行い、水相を再びジクロロメタン(100ml)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(100ml)で洗浄し、蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物を得た。
次いで、この残渣を1M塩酸(50ml)および水(100ml)の混合物中で加熱し、60℃で36時間攪拌した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、40℃で18時間真空乾燥し、生成物10.6g(96%面積)を得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸エチル塩酸塩の調製
D−トリプトファン(4g、19.6mmol)をエタノール(60ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(3.25g、21.7mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸(2ml)を加え、混合物を還流温度に加熱した。溶液を3日間還流した。反応混合物を蒸発させ、最初の容積の約50%とし、次いでジクロロメタン(100ml)および1MのNaOH水溶液(100ml)で希釈した。相分離を行い、水相を再びジクロロメタン(50ml)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(30ml)で洗浄し、蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物を得た。
次いで、この残渣を1M塩酸(25ml)および水(50ml)の混合物中、60℃で36時間加熱した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、40℃で18時間真空乾燥し、生成物4.8g(96.4%面積)を得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチル塩酸塩の調製
D−トリプトファン(7.96g、39mmol)をメタノール(60ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(6.46g、43mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃硫酸(1.33ml)を加え、混合物を還流温度に加熱した。溶液を4日間還流した。反応混合物を蒸発させ、最初の容積の約50%とし、次いでジクロロメタン(200ml)および1MのNaOH水溶液で希釈した。相分離を行い、水相を再びジクロロメタン(100ml)で抽出した。有機相を合わせ、ブライン(100ml)で洗浄し、蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物を得た。
次いで、この残渣を1M塩酸(50ml)および水(100ml)の混合物中で加熱し、60℃で36時間攪拌した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、40℃で18時間真空乾燥し、生成物9.8g(97%面積)を得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチル塩酸塩の調製
D−トリプトファン(4g、19.6mmol)をメタノール(50ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(3.25g、21.7mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸(2ml)を加え、混合物を還流温度に加熱した。溶液を3日間還流した。反応混合物を減圧下蒸発させ、最初の容積の約50%とし、次いで水(50ml)で希釈し、残りのメタノールを減圧下、混合物から蒸発させた。1M塩酸(25ml)を加え、混合物を60℃で36時間攪拌した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、40℃で18時間真空乾燥し、生成物4.6gを得た。
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸エチル塩酸塩の調製
(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸塩酸塩(1g)をエタノール(50ml)に溶解し、濃塩酸(1ml)を加えた。混合物を24時間還流した。次いで、溶剤を蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物を得た。1M塩酸(40ml)を加え、混合物を加熱し、50℃で36時間攪拌した。析出物を濾別し、冷水で洗浄し、40℃で真空乾燥し、生成物0.68gを得た。
(6R,12aR)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−クロロアセチル−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチルの調製
実施例8によって調製した(1R,3R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチル塩酸塩(3.5g)を、無水ジクロロメタン(50ml)に懸濁し、トリエチルアミン(3.3ml)を加えた。溶液を0℃に冷却し、クロロアセチルクロリド(0.91ml)を滴加した。溶液を0℃で6時間攪拌した。イソプロパノール(30ml)を加え、ジクロロメタンを減圧下蒸発させた。次いで、混合物を冷却し、0℃で2時間攪拌した。固体を濾別し、乾燥し、生成物3gを得た。
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6.1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン)の調製
実施例10で調製した(6R,12aR)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−クロロアセチル−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチル(2.5g)を、室温でメタノール(37.5ml)に懸濁した。メチルアミンの溶液(水中40%)(1.5ml)を加え、フラスコを窒素でパージした。混合物を50℃に加熱し、50℃で6時間攪拌した。混合物を0℃に冷却し、0℃で1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノールで洗浄し、乾燥し、生成物2.1gを得た。
(1S,3S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸塩酸塩の調製
L−トリプトファン(7.96g、39mmol)をTHF(60ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(6.46g、43mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸水溶液(4ml)を加え、溶液を還流温度に加熱した。得られたスラリーを3日間還流した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、生成物を濾別し、冷THFで洗浄し、室温で18時間真空乾燥し、生成物9.3g(98%面積)を得た。
(1S,3S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−9H−ピリド[3,4−b]インドール−3−カルボン酸メチル塩酸塩の調製
L−トリプトファン(32g、157mmol)をメタノール(240ml)に懸濁し、フラスコを窒素でパージした。ピペロナール(26g、173mmol)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。濃塩酸(16ml)を加え、混合物を還流温度に加熱した。溶液を3日間還流した。反応混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル(800ml)および1MのNaOH水溶液(800ml)で希釈した。相分離を行い、水相を再び酢酸エチル(400ml)で抽出した。有機相を合わせ、水(400ml)で洗浄し、蒸発させ、シスおよびトランス異性体の約1:1混合物を得た。
次いで、この残渣を1M塩酸(200ml)および水(400ml)の混合物中で60℃に加熱し、この温度で18時間攪拌した。次いで、懸濁液を0から5℃に冷却し、濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、40℃で18時間真空乾燥し、生成物38g(93%面積)を得た。

Claims (13)

  1. 式(8a)および(S,S−8a):
    Figure 2011516449
    (式中、R=HまたはC−C−アルキル)の異性体的に純粋なシス−β−カルボリン化合物を調製する方法であって、
    溶剤中、無機酸の存在下での、適切な異性体トリプトファン(6,L−6)と、ピペロナール(3)
    Figure 2011516449
    との反応によって、ワンポットで前記反応を行うことを含む方法。
  2. 式(8a)のシス−β−カルボリン化合物を、D−トリプトファン(6)とピペロナール(3)との反応によって調製する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記無機酸は、塩酸、臭化水素酸および硫酸の群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. R=Hであり、前記反応を、塩素化されていない非プロトン性溶剤中、一ステップで、異性体を分離または異性化することなく行う、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記溶剤は、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランおよびアセトニトリルの群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. R=C−C−アルキルであり、前記反応を、C−C−アルコール中で、トリプトファンエステルを調製および単離することなく行う、請求項2に記載の方法。
  7. 前記アルコールは、メタノールおよびエタノールの群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記シス−β−カルボリン化合物を、さらに、クロロアセチルクロリドおよびメチルアミンと反応させ、タダラフィルを得る、請求項2から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記無機酸が、トリプトファンに対して1.1から2倍当量の濃度で存在する、請求項2から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記無機酸が、トリプトファンに対して1.1から1.3倍当量の濃度で存在する、請求項9に記載の方法。
  11. トリプトファンおよびピペロナールのカップリングにおいて、塩素化されていない非プロトン性溶剤とともに使用する無機酸の使用。
  12. 前記無機酸が、トリプトファンに対して1.1から2倍当量の濃度で存在する、請求項11に記載の使用。
  13. 前記トリプトファンはD−トリプトファンである、請求項11または12に記載の使用。
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